JPH0753285Y2 - 板状アンテナ素子の取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、板状アンテナ素子の取付装置に関するもので
ある。

「従来の技術」 任意な周波数のテレビ電波を受信するために、板状アン
テナ素子を回動操作とし、受信信号波に合った位置で静
止させることが必要である。そのため、適当な力を加え
て、板状アンテナ素子を回動可能とし、任意な傾斜角度
で静止させる必要がある。

従来の板状アンテナ素子の取付装置としては、第６図お
よび第７図に示すものがある。すなわち、アンテナ本体
101から起立させた支持ブラケット102・102間に板状ア
ンテナ素子103の基端を嵌め、回転軸104を支持ブラケッ
ト102・102の支持孔105・105および板状アンテナ素子10
3の基端側の軸受孔106・106に挿入・貫通させ、回転軸1
04を支持ブラケット102・102の支持孔105・105に圧入固
定し、さらに、回転軸104は板状アンテナ素子103の軸受
孔106・106に摩擦力による係止可能なように嵌合させ、
板状アンテナ素子103をアンテナ本体101に対し回動自在
で且つ任意の傾斜角で静止可能としていた。

「考案が解決しようとする問題点」 板状アンテナ素子103をアンテナ本体101に対し、任意の
角度に傾斜させるため回動させて長時間使用している
と、板状アンテナ素子103の軸受孔106および回転軸104
が摩耗し両者間の摩擦力が早期に低下し、任意の位置で
静止できなくなり、受信していたテレビ電波を長時間に
わたり最良の状態で受信できず、本来のアンテナ性能を
維持できなくなっていた。

さらに、包装用パッケージケースに収納する場合、板状
アンテナ素子103を拡げた状態では、収容のためのスペ
ースを多く必要としていた。

「問題点を解決するための手段」 そこで、本考案は、上記の事情に鑑み、板状アンテナ素
子の傾斜角度をあらゆる角度で長時間にわたり維持すべ
く、アンテナ本体に突設した支持ブラケット間に板状ア
ンテナ素子基端を嵌め、板状アンテナ素子基端と支持ブ
ラケットとに回転軸を挿入し、板状アンテナ素子を回動
自在且つ任意の傾斜角度で静止可能に設けた板状アンテ
ナ素子の取付装置において、支持ブラケットに回転軸を
圧入固着すると共に板状アンテナ素子基端に穿設した軸
受穴に回転軸を遊び嵌めし、アンテナ本体に突設した支
持ブラケットをアンテナ本体と一体物で形成し、支持ブ
ラケットの内面側を取り囲む平面視でコ字状のスリット
を支持ブラケット基端のアンテナ本体に刻設し、支持ブ
ラケット内面間距離を板状アンテナ素子の幅より若干短
めに設定し、板状アンテナ素子基端側面を支持ブラケッ
トで弾性的に押圧できるように形成した板状アンテナ素
子の取付装置である。

「作用」 アンテナ本体に突設した支持ブラケットをアンテナ本体
と一体物で形成し、支持ブラケットの内面側を取り囲む
平面視でコ字状のスリットを支持ブラケット基端のアン
テナ本体に刻設し、支持ブラケット内面間距離を板状ア
ンテナ素子の幅より若干短めに設定したので、板状アン
テナ素子基端側面をアンテナ本体に設けた２箇所の支持
ブラケットで弾性的に押圧・支持する。

「実施例」 本考案は、第１図に示すように、アンテナ本体１にUHF
帯域テレビ電波受信用の板状アンテナ素子２・２を回動
自在に設ける。また、符号３・３は板状アンテナ素子２
・２に障害をしない位置でVHF帯域テレビ電波を受信す
る伸縮ロッドアンテナ素子である。アンテナ本体１中央
には、アンテナ受信波の感度調整ツマミ11が設けてあ
り、背面下方に受信したテレビ信号を出力するフィーダ
12・12が設けられている。

第２図に示すように、合成樹脂などの弾性力のある絶縁
体で成形されたアンテナ本体１に板状アンテナ素子２の
側面2a・2aを弾性的に押圧できるように、一体物として
支持ブラケット４・４を形成する。すなわち、支持ブラ
ケット４・４内面4a・4a間距離を板状アンテナ素子２の
幅（両側面2a・2a間距離）より若干短めに設定する。ま
た、この支持ブラケット４・４に弾性力を付与させるた
め、支持ブラケット４・４の基端側に第４〜５図に示す
ような支持ブラケット４・４の内面側を取り囲む平面視
コ字状のスリット５・５を支持ブラケット４・４基端の
アンテナ本体１に刻設し、支持ブラケット４・４は内方
の付勢力を有するバネ片に構成されている。

第２図の状態から第３図に示すように、アンテナ本体１
の支持ブラケット４・４間に板状アンテナ素子２の基端
を嵌め、支持ブラケット４・４で板状アンテナ素子２基
端を両側面2a・2aより押圧させ、支持ブラケット４・４
の支持孔６・６に回転軸７・７を圧入固着して、板状ア
ンテナ素子２の側面に穿設した軸受穴８・８にその先端
を嵌める。なお、回転軸７・７は支持ブラケット４・４
の支持孔６・６に圧入固定しており、板状アンテナ素子
２の軸受穴８・８には、遊び嵌めの状態である。支持ブ
ラケットに回転軸を圧入固着すると共に板状アンテナ素
子基端に穿設した軸受穴に回転軸を遊び嵌めしたので、
アンテナ素子の回転軸と共に支持ブラケットからの外れ
も防止しており、また、組立て作業もすばやく行える。

上記のように構成したアンテナ装置は、板状アンテナ素
子２・２の先端側に力を加えて回動させ、所要の傾斜角
度のところで停止させ、板状アンテナ素子２の側面2a・
2aと支持ブラケット４・４の内面4a・4aとで摩擦係止
し、板状アンテナ素子２の所定傾斜角度を維持させる。

「考案の効果」 本考案は、上述のように、アンテナ本体に突設した支持
ブラケット間に板状アンテナ素子基端を嵌め、板状アン
テナ素子基端と支持ブラケットとに回転軸を挿入し、板
状アンテナ素子を回動自在且つ任意の傾斜角度で静止可
能に設けた板状アンテナ素子の取付装置において、支持
ブラケットに回転軸を圧入固着すると共に板状アンテナ
素子基端に穿設した軸受穴に回転軸を遊び嵌めし、アン
テナ本体に突設した支持ブラケットをアンテナ本体と一
体物で形成し、支持ブラケットの内面側を取り囲む平面
視でコ字状のスリットを支持ブラケット基端のアンテナ
本体に刻設し、支持ブラケット内面間距離を板状アンテ
ナ素子の幅より若干短めに設定し、板状アンテナ素子基
端側面を支持ブラケットで弾性的に押圧できるように形
成した板状アンテナ素子の取付装置であるので、所要の
角度を長期間維持でき、アンテナ受信性能を長期にわた
って維持できる。

また、本考案は、支持ブラケットの弾性押圧力で板状ア
ンテナ素子を所定の角度に維持する簡単な構成で、板状
アンテナ素子の取付装置を安価に提供できる。

さらに、本考案では板状アンテナ素子を折りたためるの
で、包装用パッケージケースにコンパクトに収納でき
る。本考案は、支持ブラケットに回転軸を圧入固着する
と共に板状アンテナ素子基端に穿設した軸受穴に回転軸
を遊び嵌めしているので、アンテナ素子の回転軸と共に
支持ブラケットからの外れも防止しており、また、組立
て作業もすばやく行える。

【図面の簡単な説明】

第１〜５図は本考案の具体的一実施例で、第１図はその
全体の概要を示す斜視図、第２図は支持ブラケットと板
状アンテナ素子と回転軸の組立前の正面図、第３図は支
持ブラケットに回転軸を介して板状アンテナ素子を組立
てた状態の縦断面図、第４図は支持ブラケット部の平面
図、第５図は第４図のＶ−Ｖ断面図、第６図および第７
図は従来の板状アンテナ素子の取付装置で、第６図はそ
の分解斜視図、第７図はその組立正面図である。 １……アンテナ本体 ４・４……支持ブラケット ２……板状アンテナ素子 ７・７……回転軸 ５・５……スリット 2a・2a……板状アンテナ素子側面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】アンテナ本体に突設した支持ブラケット間
   に板状アンテナ素子基端を嵌め、板状アンテナ素子基端
   と支持ブラケットとに回転軸を挿入し、板状アンテナ素
   子を回動自在且つ任意の傾斜角度で静止可能に設けた板
   状アンテナ素子の取付装置において、支持ブラケットに
   回転軸を圧入固着すると共に板状アンテナ素子基端に穿
   設した軸受穴に回転軸を遊び嵌めし、アンテナ本体に突
   設した支持ブラケットをアンテナ本体と一体物で形成
   し、支持ブラケットの内面側を取り囲む平面視でコ字状
   のスリットを支持ブラケット基端のアンテナ本体に刻設
   し、支持ブラケット内面間距離を板状アンテナ素子の幅
   より若干短めに設定し、板状アンテナ素子基端側面を支
   持ブラケットで弾性的に押圧できるように形成したこと
   を特徴とする板状アンテナ素子の取付装置。