JPH1065999A - チルトスタンド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】チルト可能であってしかも回転可能な機能をも
ったチルトスタンドを有するテレビジョン受像機または
ディスプレイを製造する場合に、画面調整のために適当
な位置でロックすることが可能なチルトスタンドを提供
することを目的とする。 【解決手段】チルト台１２、ロータリテーブル１１、お
よびベース１０にそれぞれ角穴４０、３１、１８を設け
ておき、マーキング４２と３３、および３２と２２が互
いに一致した状態でロック部材４１を上記の角穴４０、
３１、１８に串刺し状に挿入してロックを行なう。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はチルトスタンドに係
り、とくにテレビジョン受像機または陰極線管を有する
ディスプレイを載置するのに用いて好適なチルトスタン
ドに関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば特公平７−５９０６４号公報に開
示されているように、テレビジョン受像機をチルト可能
に載置するようにしたチルトスタンドが従来より知られ
ている。このようなチルトスタンドによってテレビジョ
ン受像機を載置すると、そのチルト角度を任意に調整す
ることができるとともに、左右方向に対しても任意に回
転させることが可能になり、これによって最も見易い角
度あるいは向きにテレビジョン受像機を調整できるよう
になる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このようなチルトスタ
ンドは、テレビジョン受像機あるいはディスプレイの製
造ラインにおいては、スクリーンが所定の角度をなす位
置で画面の調整等を行なうために必要になってくる。

【０００４】そこで例えばスタンドの中央であってその
内部にロック機構を設け、このようなロック機構によっ
てチルトスタンドをロックするようにしている。このよ
うなロック機構は、ラインアウト時にエアシリンダ等に
よって自動的に押して解除するようにしている。あるい
はまたストッパ治具を用いてロックを行なうようにし、
画面の調整を終ったならばこの治具を取外すようにして
いる。

【０００５】チルトスタンドの中央であってその内部に
ロック機構を設けるようにした構造は、画面のスクリー
ンの大きさが２０インチ以上の大型ディスプレイの場合
には載置されるテレビジョン受像機またはディスプレイ
の重量が大きくなるために、不適当である。またストッ
パ治具は簡単に抜けてしまうために、セットの組立て時
にチルトスタンドの取付け方向が制約される等の問題が
ある。

【０００６】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであって、構造が簡単であって大きな被載置物を
も載置することが可能なチルトスタンドに用いて好適な
ロック機構を有するチルトスタンドを提供することを目
的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、基台を構成す
るベースと、前記ベース上に回転自在に取付けられてい
るロータリテーブルと、前記ロータリテーブル上にチル
ト可能に取付けられており、被載置物を支持するチルト
台と、前記ベースに対して前記ロータリテーブルが所定
の回転位置であってしかも前記チルト台が前記ロータリ
テーブルに対して所定のチルト角度のときに前記ベース
と前記ロータリテーブルと前記チルト台とが固定される
ようにロックするロック部材と、をそれぞれ具備するチ
ルトスタンドに関するものである。

【０００８】前記ベースと前記ロータリテーブルのマー
キングが互いに一致するとともに、前記ロータリテーブ
ルと前記チルト台のマーキングが互いに一致した状態で
前記ロック部材によってロックが行なわれるようにして
よい。

【０００９】また前記ベースと前記ロータリテーブルと
前記チルト台とにそれぞれ貫通穴が形成され、これらの
貫通穴を貫通するように前記ロック部材が挿入されると
該ロック部材によってロックされるようにしてよい。

【００１０】あるいはまた前記ベースと前記ロータリテ
ーブルとの間または前記ーロータリテーブルと前記チル
ト台との間に引張りコイルばねが張設され、該コイルば
ねによって前記チルト台がチルト方向に付勢されていて
よい。

【００１１】さらには前記被載置物がテレビジョン受像
機または陰極線管を有するデイスプレイであってよい。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１〜図３は本発明の一実施の形
態に係るチルトスタンドを示すものである。このチルト
スタンドはベース１０と、ロータリテーブル１１と、チ
ルト台１２とから構成されており、その上にテレビジョ
ン受像機または陰極線管を有するディスプレイを載置す
るようにしたものである。テレビジョン受像機またはデ
ィスプレイはチルト角度および回転方向を任意に調整し
た状態でこのスタンド上に載置されることになる。

【００１３】ベース１０は合成樹脂成形体から成る矩形
の台であって、その上面には円形の凹部１６が形成され
ている。そして円形の凹部１６の中央部には円形の開口
１７が形成されている。またこの円形の開口１７の背面
側の位置には角穴１８が形成されている。

【００１４】さらにこのようなベース１０の上面であっ
て円形の凹部１６内には引張りコイルばね２０が配され
るようになっている。引張りコイルばね２０の一端は図
２に示すように、ロータリテーブル１１の下面に植設さ
れているピン１９に係止されている。また引張りコイル
ばね２０の他端側には角型の係合部材２１が連結されて
いる。またベース１０の上面であって円形の凹部１６の
周縁部には左右にマーキング２２がそれぞれ形成される
ようになっている。

【００１５】次にこのようなベース１０上に配されるロ
ータリテーブル１１について説明すると、ロータリテー
ブル１１は合成樹脂によってほぼ円形に成形されたテー
ブルであって、その下面のほぼ中央部には筒状をなし、
その下端側の外周面が係合部になっている係合爪２７が
設けられており、このような係合爪２７が上記ベース１
０の円形の開口１７の縁部に係合されるようになってい
る（図３参照）。またロータリテーブル１１の上面には
矩形の突部２８が連設されており、この突部２８の上面
は円弧状の凹面２９になっている。このような凹面２９
上を上記チルト台１２がチルトするようになっている。

【００１６】ロータリテーブル１１の矩形の突部２８に
は左右一対のスリット３０が形成されている。また突部
２８の背面側には角穴３１が形成されている。またロー
タリテーブル１１の外周側縁部には左右にそれぞれマー
キング３２が形成されている。またこのロータリテーブ
ル１１の矩形の突部２８の両側面のほぼ中央部にはそれ
ぞれマーキング３３が形成されている。

【００１７】次にチルト台１２について説明すると、チ
ルト台１２は全体として円弧状の合成樹脂成形体であっ
て、その下面には左右一対の板状突起３８が下方に突出
するように形成されている。またチルト台１２の上面で
あってその背面側には切欠き３９が形成されるととも
に、この切欠き３９と連続するように角穴４０が形成さ
れている。

【００１８】チルト台１２の角穴４０、ロータリテーブ
ル１１の角穴３１、およびベース１０の角穴１８を串刺
し状に貫通するようにロック部材４１が設けられてい
る。ロック部材４１はこれらの角穴４０、３１、１８に
それぞれ挿入されることによって、ベース１０とロータ
リテーブル１１とチルト台１２とをそれぞれ中立位置で
互いにロックするようにしている。またチルト台１２に
はその側面側にマーキング４２が形成されている。

【００１９】以上のような構成において、ベース１０の
円形の凹部１６にロータリテーブル１１を挿入し、その
下面のほぼ中央部に設けられている係合爪２７を円形の
開口１７のエッジの部分に係合させ、これによってロー
タリテーブル１１とベース１０とを互いに係合させる。

【００２０】次にロータリテーブル１１の円弧状凹面２
９にチルト台１２を載置し、チルト台１２の板状突起３
８をロータリテーブル１１のスリット３０に挿入すると
ともに、この板状突起３８の先端側の部分を図２に示す
ように引張りコイルばね２０の端部に連結されている係
合部材２１と係合させる。なお引張りコイルばね２０は
その反対側の端部をロータリテーブル１１の下面に植設
されているピン１９に係止する。

【００２１】このようなチルトスタント上にはテレビジ
ョン受像機または陰極線管を有するディスプレイが載置
される。すなわちチルト台１２の上面にテレビジョン受
像機またはディスプレイが載置される。このようなテレ
ビジョン受像機またはディスプレイは、チルト台１２と
ともにロータリテーブル１１に対してチルトされること
になり、これによってチルト角度が任意に調整される。
このときにチルト台１２の板状突起３８がロータリテー
ブル１１の円弧状凹面２９に設けられているスリット３
０内を移動することになる。

【００２２】またテレビジョン受像機あるいはディスプ
レイの回転方向、すなわち左右の方向の向きは、チルト
台１２とともにロータリテーブル１１をベース１０の円
形の凹部１６内において回転することによって達成され
る。これによってテレビジョン受像機またはディスプレ
イを最も見易い向きとすることが可能になる。

【００２３】このように本実施の形態に係るチルトスタ
ンドは、ベース１０上にロータリテーブル１１とチルト
台１２とが順に組付けられるようになっている。それぞ
れの部品の結合は、ベース１０の中心部に形成されてい
る円形の開口１７にロータリテーブル１１の下面に設け
られている係合爪２７を係合させ、円周方向に自由に動
くようにする。またチルト台１２の板状突起３８をロー
タリテーブル１１の矩形の突部２８のスリット３０内に
挿入し、その先端側をコイルばね２０の端部に連結され
ている係合部材２１に係合させる。板状突起３８はロー
タリテーブル１１の矩形の突部２８の円弧状凹面２９を
チルト方向に自由に動くとともに、スリット３０の長さ
方向の寸法によってチルト動作の最大角度が規制される
ことになる。

【００２４】一端に板状突起３８と係合される係合部材
２１を連結したコイルばね２０は他端をロータリテーブ
ル１１の下面に植設されたピン１９に係止されるように
なっている。そしてこのようなコイルばね２０によって
チルト台１２上に載置されるテレビジョン受像機または
ディスプレイを前方に引張るようにしており、これによ
ってテレビジョン受像機あるいはディスプレイの重心の
チルト中心に対するずれによって発生するチルト力とバ
ランスさせるようにしている。これによって重心の偏倚
に伴う回転モーメントを打消すことが可能になってスム
ースなチルト動作が達成される。

【００２５】このようなチルトスタンドをロックするロ
ック部材４１は、チルト台１２の角穴４０、ロータリテ
ーブル１１の角穴３１、およびベース１０の角穴１８を
串刺し状に貫通して挿入され、これによってベース１
０、ロータリテーブル１１およびチルト台１２を互いに
ロックする。なおこのようにロック部材４１によってベ
ース１０とロータリテーブル１１とチルト台１２とをロ
ックする場合には、ベース１０のマーキング２２とロー
タリテーブル１１のマーキング３２とを合せるととも
に、ロータリテーブル１１の矩形の突部２８の両側のマ
ーキング３３とチルト台１２の両側のマーキング４２と
を互いに一致させる。これによって３つの角穴４０、３
１、１８が互いに整合された状態になり、ロック部材４
１が上方から確実に挿入されることになる。なおロック
部材４１によるロックは、テレビジョン受像機または陰
極線管を有するディスプレイの組立てラインの最終工程
で抜取り、繰返して利用するようにしてよい。

【００２６】本実施の形態に係るチルトスタンドの特徴
は、上述の如くベース１０とロータリテーブル１１とチ
ルト台１２とをロック部材４１を用いて串刺し状にして
適当な位置でロックできるようにしたものである。なお
ロック部材４１はセットの組立て作業後に取外すことが
できるようになっている。そしてロック部材４１によっ
てロックを行なうベース１０とロータリテーブル１１と
チルト台１２との相対位置が、ベース１０のマーキング
２２とロータリテーブル１１のマーキング３２、３３
と、チルト台１２のマーキング４２とによって簡単に分
るようになっている。

【００２７】なおチルト台１２上に載置されるテレビジ
ョン受像機またはディスプレイの重心がセットの前方に
あっても、引張りコイルばね２０によるキャンセル力に
よって、回転モーメントを相殺し、これによってスムー
スなチルト動作が可能になる。またこのような引張りコ
イルばね２０によってロック部材４１が抜け難くなるこ
とによって、セットの組立て時の取付け方向に自由度を
もたせるようにしている。

【００２８】このようなチルトスタンドは、ロック部材
４１と角穴４０、３１、１８とから成るロック機構がチ
ルトスタンド内で完結する構造になっているために、テ
レビジョン受像機あるいはディスプレイの組立てライン
の設備等の変更が不要になる。また構造がシンプルであ
ってしかも比較的大きな重量のテレビジョン受像機ある
いはディスプレイにも対応可能になる。さらにはロック
部材４１によってロックする際のベース１０とロータリ
テーブル１１とチルト台１２の相対位置がマーキング２
２、３２、３３、４２によって容易に分るようになる。

【００２９】さらにはロック部材４１が引張りコイルば
ね２０の弾性復元力によって抜け難くなるために、チル
トスタンドを組立てるときの方向に自由度を生ずること
になる。また引張りコイルばね２０の弾性復元力を調整
することによって、このチルトスタンドのチルト中心と
テレビジョン受像機あるいはディスプレイの重心の位置
が違っていても、引張りコイルばね２０によって重心の
偏倚に伴う回転モーメントを減殺してスムースなチルト
動作を行なうことが可能になる。

【００３０】

【発明の効果】以上のように本発明は、基台を構成する
ベースと、ベース上に回転自在に取付けられているロー
タリテーブルと、ロータリテーブル上にチルト可能に取
付けられており、被載置物を支持するチルト台と、ベー
スに対してロータリテーブルが所定の回転位置であって
しかもチルト台がロータリテーブルに対して所定のチル
ト角度のときにベースとロータリテーブルとチルト台と
が固定されるようにロックするロック部材と、をそれぞ
れ具備するチルトスタンドに関するものである。

【００３１】従って本発明によれば、チルトスタンド上
に載置される被載置物の調整の際に、ロック部材によっ
てチルトスタンドをロックすることが可能になり、調整
作業が容易に行ない得るようになる。

【００３２】ベースとロータリテーブルのマーキングが
互いに一致するとともに、ロータリテーブルとチルト台
のマーキングが互いに一致した状態でロック部材によっ
てロックが行なわれるようにした構成によれば、ロック
部材によるロックを行なうためのベースとロータリテー
ブルとチルト台との相対位置を確実にかつ簡単に知るこ
とが可能になる。

【００３３】ベースとロータリテーブルとチルト台とに
それぞれ貫通穴が形成され、これらの貫通穴を貫通する
ようにロック部材が挿入されると該ロック部材によって
ロックされるようにした構成によれば、これらの貫通穴
を貫通するようにロック部材を挿入することによってロ
ック動作が行なわれる。

【００３４】ベースとロータリテーブルとの間またはー
ロータリテーブルとチルト台との間に引張りコイルばね
が張設され、該コイルばねによってチルト台がチルト方
向に付勢されるようにした構成によれば、引張りコイル
ばねの弾性復元力によって被載置物の重心とチルト重心
との間の偏倚に伴う回転モーメントを打消すことが可能
になり、これによってスムースなチルト動作が達成され
る。

【００３５】被載置物がテレビジョン受像機または陰極
線管を有するデイスプレイである構成によれば、テレビ
ジョン受像機またはディスプレイの製造ラインにおい
て、ロック部材によってチルトスタンドをロックして画
面の調整等を行なうことが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】チルトスタンドの全体の構成を示す分解斜視図
である。

【図２】同縦断面図である。

【図３】ロック機構によるロック動作を示す縦断面図で
ある。

【符号の説明】

１０‥‥ベース、１１‥‥ロータリテーブル、１２‥‥
チルト台、１６‥‥円形の凹部、１７‥‥円形の開口、
１８‥‥角穴、１９‥‥ピン、２０‥‥引張りコイルば
ね、２１‥‥係合部材、２２‥‥マーキング、２７‥‥
係合爪、２８‥‥矩形の突部、２９‥‥円弧状凹面、３
０‥‥スリット、３１‥‥角穴、３２、３３‥‥マーキ
ング、３８‥‥板状突起、３９‥‥切欠き、４０‥‥角
穴、４１‥‥ロック部材、４２‥‥マーキング

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】基台を構成するベースと、 前記ベース上に回転自在に取付けられているロータリテ
   ーブルと、 前記ロータリテーブル上にチルト可能に取付けられてお
   り、被載置物を支持するチルト台と、 前記ベースに対して前記ロータリテーブルが所定の回転
   位置であってしかも前記チルト台が前記ロータリテーブ
   ルに対して所定のチルト角度のときに前記ベースと前記
   ロータリテーブルと前記チルト台とが固定されるように
   ロックするロック部材と、 をそれぞれ具備するチルトスタンド。
2. 【請求項２】前記ベースと前記ロータリテーブルのマー
   キングが互いに一致するとともに、前記ロータリテーブ
   ルと前記チルト台のマーキングが互いに一致した状態で
   前記ロック部材によってロックが行なわれることを特徴
   とする請求項１に記載のチルトスタンド。
3. 【請求項３】前記ベースと前記ロータリテーブルと前記
   チルト台とにそれぞれ貫通穴が形成され、これらの貫通
   穴を貫通するように前記ロック部材が挿入されると該ロ
   ック部材によってロックされることを特徴とする請求項
   １に記載のチルトスタンド。
4. 【請求項４】前記ベースと前記ロータリテーブルとの間
   または前記ーロータリテーブルと前記チルト台との間に
   引張りコイルばねが張設され、該コイルばねによって前
   記チルト台がチルト方向に付勢されていることを特徴と
   する請求項１に記載のチルトスタンド。
5. 【請求項５】前記被載置物がテレビジョン受像機または
   陰極線管を有するデイスプレイであることを特徴とする
   請求項１に記載のチルトスタンド。