JPH07531Y2 - 洗面台用シャワ−ヘッドに於ける過回動防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、洗面台に設けられて洗髪を行なうようにし
たシャワーヘッドの改良に関する。

（従来の技術） 従来、洗面台の天板に混合水栓と共にシャワーヘッドを
引出し自在に収容したシャワーホルダーを取付け、該シ
ャワーホルダーの高さを調節自在とすることにより洗髪
ができるようにしたものとして実公昭62−19734号公報
の第２図（本願図面の第５図）のものがある。上記第５
図に就いて簡単に説明すると、シャワーヘッド40をシャ
ワーホルダー41に収出自在に収容し、該シャワーホルダ
ー41を洗面台などの天板42に管座金43を介して収出自在
に支持すると共に、該管座金43を延長した外筒44内に、
前記シャワーホルダー41に連結した二重構造の内筒45、
45aを弾力的に、かつ摺動自在に介在させ、前記管座金4
3に締め環46を有するロックナット47を軸方向の変位自
在に、かつ弾力的に係合させ、該ロックナット47の操作
により前記シャワーホルダー41を緊締または弛緩させて
前記シャワーヘッド40の高さを調節自在とし、シャワー
ヘッド40の位置決めにはロックナット47を締付けるよう
にしたものである。

上記のものにあっては、洗髪中夢中になって腕を動かし
ていると、腕とか肘がシャワーヘッドに勢いよく衝突す
るとその弾みで、シャワーヘッドがシャワーホルダーと
一緒に左右何れかに急回動して洗面化粧台の鏡に打当っ
てしまったり、シャワーヘッドから流出する温湯が洗面
化粧台の洗面ボールからはみ出し、衣服又は床面を濡ら
してしまうような不都合が後を絶たなかった。

（考案が解決しようとする問題点） この考案が解決しようとする問題点は、洗面化粧台の天
板に高さを調節自在に取付けたシャワーホルダーに於い
て、該シャワーホルダーに支持したシャワーヘッドが外
圧を受けた場合に一定の角度以上に過回動するのを防止
することである。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するために本考案が講じた技術的手段
は、洗面台の天板に取付けた基部筒体の挿孔に、可動筒
体を上下の摺動と高さの位置決め自在に支承し、該可動
筒体の上端にはホースと連結したシャワーヘッドを引出
し自在に収容したシャワーホルダーを接続した洗面台用
シャワーヘッドに於いて、前記可動筒体下端のナットに
廻り止め用のピンを植設し、別に円筒形状で軸方向の一
周面に切欠部を有した廻り止め筒を形成し、この廻り止
め筒を一端の雌ねじ部を介して前記可動筒体の雄ねじ部
に取付けることにより、シャワーヘッドが外圧を受けた
際に、前記ピンと切欠部左右のストッパーの何れかとが
衝突して回転角度の過回動を阻止するようにしたもので
ある。

（作用） 洗面台でシャワーヘッドを引上げて使用し洗顔とか洗髪
を行なっている際に腕又は肘がシャワーヘッドに当った
りしてシャワーヘッドがシャワーホルダーと共に回動す
ると、可動筒体下部先端のナットに植設されているピン
が廻り止め筒の左又は右側に平行させたストッパーに衝
突し、回転角度の過回動を阻止する。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図に基づいて詳細に説明する。

この考案の一実施例は、第１図及び第２図（イ）、
（ロ）に示すように廻り止め筒１は、円筒形状を呈して
上部内周面に雌ねじ部２を設けると共に、周面の軸方向
に断面半円弧状の切欠部1aを設け、該切欠部1aは、互い
に軸方向に平行して向合うストッパー８、8aを有して後
述するピン20と交互に衝接し、後記の可動筒体14の過回
動を阻止するように連繋している。基部筒体４は、内部
軸方向に前記可動筒体14を上下（図に於いて）の摺動及
び回動自在に支承する挿孔５を有し、この基部筒体４は
雄ねじ部６とナット７、7aを介して洗面台の天板Ｂに設
けた穴Ｃに取付けられている。別に設けた緊締筒体８は
合成樹脂の成型によるもので、前記基部筒体４の内周面
に一端を螺着し、下部に複数の切欠き９及び環状の突条
部10を有した緊締部11を設けると共に、該緊締部11の下
部外周に設けた環状溝12に環状にした引張スプリング13
を巻装することにより、前記緊締部11を軸中心方向へ弾
力的に締付けるように対応させてある。前記可動筒体14
は、内部にホース15を挿通させる通し孔16を有し、上端
にシャワーヘッドＡの連結部（図示省略）を収容するシ
ャワーホルダー17を管継手18を介して取付けると共に、
前記可動筒体14の下端には該可動筒体14の左又は右方へ
の回動時に、前記廻り止め筒１のストッパー３、3aの何
れか一方に衝突して過回動を阻止することにより、シャ
ワーヘッドＡの回転角度を規制して該シャワーヘッドＡ
を洗面台の鏡Ｄに打ち当てたりしないようにするピン20
をナット19に植設又は螺着し、このナット19は前記緊締
筒体８の下部に取付けてある。

いま、第１図に示すシャワーヘッドＡの位置は洗髪に必
要な高さに引上げられた使用の状態であって、この場
合、シャワーヘッドＡと同時的に引揚げられたピン20は
廻り止め筒１のストッパー３、3aのほぼ中間に位置して
おり、上記の位置関係で洗髪中に、誤って腕、肘又は頭
部等がシャワーヘッドＡに当たりその衝撃でシャワーホ
ルダー17と共にこれらが第１図の鎖線A₁のように回動す
ると、該シャワーホルダー17と共に可動筒体14も同一方
向へ回動する。従って、該可動筒体14下端のナット19に
固着したピン20も同一に回動変位してストッパー3aに衝
突するので、シャワーヘッドＡはほぼ第３図に示す鎖線
A₁の位置に停止する。よってシャワーヘッドA₁は鏡Ｄに
衝突したり、洗面ボールＥの外に散水するなど不都合の
発生を阻止される。

次に第４図に示すようにシャワーホルダー17を最も高い
位置まで引上げた状態でシャワーヘッドＡに外圧が加え
られても、ピン20がストッパー３、3aのいづれかに衝突
することで過回動を規制される。

（効果） この考案は、上記の構成であるから、次の利点を有す
る。

（１）シャワーヘッドを所要の高さで使用中に、腕又は
肘等がシャワーヘッドに当ったりして回動変位しても、
可動筒体下端のナットから突出しているピンが廻り止め
筒のストッパーに衝突したところで過回動が阻止される
ので、シャワーヘッドを洗面台の鏡にぶつけてしまった
り、洗面ボールから外れた放水によって床面を水浸しに
することがない。

（２）洗面台の天板に取付けた基部筒体の雄ねじ部に廻
り止め筒を螺着し、可動筒体下端のナットにピンを固着
するのみの簡略な構造によってシャワーヘッド及びシャ
ワーホルダーの外圧による過回動を阻止できるようにし
た効果は大きい。

（３）従来のものと比較して、ナットにピンを植設又は
螺着して廻り止め筒を基部筒体の雄ねじ部に螺着するだ
けでシャワーヘッドの過回動を阻止できるので、既存の
洗面台用シャワーヘッドをそのまま利用して安価に製作
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、シャワーホルダーを支承した基部筒体に本案
装置を取付けた状態を示す一部破断した使用時の説明
図、第２図（イ）は、本案装置の廻り止め筒の拡大正面
斜視図、（ロ）は、第１図に於けるＸ−Ｘ線の拡大底面
図、第３図は、シャワーヘッドの回動角度制限要領の説
明図、第４図は、シャワーホルダーを最も高い位置まで
引上げた状態の説明図、第５図は、従来技術の説明図で
ある。 （主要部分の符号の説明） １……廻り止め筒、1a……切欠部 ３、3a……ストッパー、４……基部筒体 ５……挿孔、６……雄ねじ部 14……可動筒体、15……ホース 17……シャワーホルダー、19……ナット 20……ピン、Ａ……シャワーヘッド Ｂ……天板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】洗面台の天板Ｂに取付けた基部筒体４の挿
   孔５に、可動筒体14を上下の摺動と高さの位置決め自在
   に支承し、該可動筒体14の上端にはホース15と連結した
   シャワーヘッドＡを引出し自在に収容したシャワーホル
   ダー17を接続した洗面台用シャワーヘッドに於いて、前
   記可動筒体14下端のナット19に廻り止め用のピン20を植
   設し、別に円筒形状で軸方向の一周面に切欠部1aを備え
   た廻り止め筒１を形成し、該廻り止め筒１を一端の雌ね
   じ部２を介して前記可動筒体14の雄ねじ部６に取付ける
   ことにより、シャワーヘッドＡが外圧を受けた際に、前
   記ピン20を切欠部1aのストッパー３、3aのいづれかに衝
   突させて回転角度の過回動を阻止するようにしたことを
   特徴とする洗面台用シャワーヘッドに於ける過回動防止
   装置。