JPH0753175Y2 - 回転型のディスクオートチェンジャー装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案は、キャビネットに回転可能に支持された回転ト
レイを回転することにより該回転トレイに複数枚載置さ
れるディスクの中から再生するディスクの交換を自動的
に行う回転型のディスクオートチェンジャー装置に関
し、特に回転トレイの上方を覆うべくキャビネットに開
閉自在に設けられた蓋体を解放してディスク載置部にお
けるディスクの着脱を行う回転型のディスクオートチェ
ンジャー装置に関する。

（ロ）従来の技術 ディスクを複数枚セットし、再生するディスクを自動的
に交換するディスクオートチャンジャー装置が知られて
いるが、現在、該ディスクオートチェンジャー装置とし
ては、CD方式の光学式ディスク（CD）用のものが普及し
ている。この様なディスクオートチェンジャー装置とし
ては、例えば特開昭62−192062号公報に示される如く、
複数のディスクが載置出来る様に複数のディスク載置部
が形成されたトレイを回転可能に支持すると共に、該ト
レイを回転することにより所望のディスク載置部に載置
されたディスクをターンテーブルやピックアップが設け
られた再生位置に移動して前記ディスクの再生が行える
様にした回転型のものが公知である。前記回転型のディ
スクオートチェンジャー装置は、複数のディスクを積載
した状態で収納しておき、その中から所望のディスクを
取り出して再生を行う方式のものに比べて複雑な機構を
必要としないので、構成の簡略化が計れ、製造コストを
安価にすることが出来ると共に、ディスク交換に要する
時間を短縮するのに有利である。

ところで、前述した公報の回転型のディスクオートチャ
ンジャー装置は、トレイがキャビネットの前面からせり
出し可能に成され、前記トレイをキャビネットからせり
出した状態でディスクの着脱を行う、いわゆるフロント
ローディング方式であるが、この様にすると、トレイを
摺動させる機構を必要とし、コスト高を招く。その為、
回転型のディスクオートチェンジャー装置には、普及品
として回転トレイの上方を覆うべくキャビネットに開閉
自在に蓋体が設けられ、該蓋体を解放することにより上
方からディスクの着脱を行う様にした上方解放方式のも
のが提案されている。

（ハ）考案が解決しようとする課題 しかしながら、上方開放方式の回転型のディスクオート
チェンジャー装置は、トレイが摺動変位されない為、デ
ィスクの着脱が不便であるという欠点があった。すなわ
ち、上方開放方式のものは、ディスクを再生する際に該
ディスクをターンテーブル上に圧着保持する為のクラン
プ機構が再生位置にあるディスク載置部の上方を覆って
しまうので、その覆われたディスク載置部におけるディ
スクの着脱を行う場合は、トレイを回転させ、前記クラ
ンプ機構が前記ディスク載置部の上方に位置しない様に
しなければならず、ディスクの着脱作業が煩わしかっ
た。

（ニ）課題を解決するための手段 本考案は、前述の点に鑑み成された上方開放方式の回転
型のディスクオートチェンジャー装置で、回転トレイを
回転することにより再生装置で再生が可能な再生位置ま
で移動されたディスクを前記再生装置に備えるターンテ
ーブル上に圧着保持する為のクランプ機構を設け、該ク
ランプ機構を前記回転トレイのディスク載置部が形成さ
れた位置から避ける様に回動可能にキャビネットに支持
したものである。

（ホ）作用 本考案は、クランプ機構を回動可能にキャビネットに支
持し、回転トレイにディスクを載置する際、前記クラン
プ機構を回転トレイのディスク載置部が形成された位置
から避けることが出来る様にして前記回転トレイを回転
させることなく該回転トレイに形成された全てのディス
ク載置部へのディスクの着脱を行える様にしている。

（ヘ）実施例 第１図は本考案の一実施例を示す平面図で、（１）はキ
ャビネット、（２）は該キャビネット（１）に支持され
たセンターシャフト、（３）は該センターシャフト
（２）を回動中心軸として前記キャビネット（１）に対
して回転自在に取り付けられると共に、CD（４）が載置
される凹状のCD載置部（５）が前記センターシャフト
（２）を中心にして５個連設された回転トレイ、（６）
は該回転トレイ（３）の下面に前記回転トレイ（３）の
同心円状に形成されたリム、（７）は回転軸（7a）にプ
ーリー（８）が固定されると共に、該プーリー（８）及
び前記リム（６）間に張架されるゴム製のベルト（９）
を介して前記回転トレイ（３）を駆動するモータ、（1
0）はCD（４）を回転させる為のCD用ターンテーブル（1
1）と、CD（４）に記録された信号を読み出す為の光ピ
ックアップ（12）と、該光ピックアップ（12）をCD
（４）の径方向に送る送り機構（13）とを備え、前記キ
ャビネット（１）内の所定位置に設けられたCD再生用の
再生装置、（14）は該再生装置（10）により再生が可能
な再生位置まで移動されたCDをCD用ターンテーブル（1
1）上に圧着保持する為のクランプ機構である。

前記再生装置（10）は、シャフト（15）を回動中心軸と
して昇降可能に支持されており、該シャフト（15）の軸
方向からの部分断面図の第２図に示す如く、CDの再生状
態時以外において、下降された状態にある。

一方、クランプ機構（14）は、第１図のＯ−Ｏ′におけ
る断面図の第３図に示す如く、回動軸（16）によりキャ
ビネット（１）に回動可能に支持され、前記回動軸（1
6）の下面にはギア部（17）が形成されており、前記ク
ランプ機構（14）は、該ギア部（17）に噛合されるギア
（18）が回転軸（19a）に取り付けられたモータ（19）
により回動駆動される様に成されている。また、前記ク
ランプ機構（14）には、軸（20）を中心に回動可能に支
持されたクランプ板（21）が設けられており、該クラン
プ板（21）には、CD（４）をCD用ターンテーブル（11）
上に圧着保持する為のチャック部材（22）が回転自在に
遊嵌されている。前記クランプ板（21）は、該クランプ
板（21）の下面に形成された半球状の突起（21a）を回
動軸（16）の周囲のキャビネット（１）の一部に形成さ
れたガイド突片（23）上に載置することにより支持され
ている。そして、前記ガイド突片（23）は、クランプ機
構（14）を第１図の実線に示す再生位置に変位した状態
において前記突起（21a）が当接される部分が低く成さ
れ、前記クランプ機構（14）を第１図の一点鎖線に示す
非再生位置に変位させるのに応じて前記突起（21a）が
当接される部分が徐々に高くなる様に成されている。そ
の為、チャック部材（22）の位置は、前記クランプ機構
（14）を再生位置から非再生位置に変位するのに従って
徐々に高くなり、前記クランプ機構（14）を非再生位置
に変位させるときに前記チャック部材（22）が回転トレ
イ（３）の外周部の高い部分に衝突することが避けら
れ、前記クランプ機構（14）の回動変位は阻害されな
い。

ところで、回転トレイ（３）のCD載置部（５）が形成さ
れていない周縁部（24）と星形状の中央部（25）とは、
機械的にアナログ信号が記録されたレコード盤（26）を
支持する為の支持部となり、前記CD載置部（５）より１
段高く成されており、その支持部の全部あるいは一部に
は、レコード盤（26）を保持すると共に、レコード盤
（26）の振動を吸収する為の粘弾性を有する樹脂やゴム
製のマット（図示せず）が貼着される。そして、センタ
ーシャフト（２）は回転トレイ（３）の上面より突出し
て形成されており、その径はレコード盤（26）の中心孔
に応じている。

また、キャビネット（１）には、垂直軸（27）を中心に
水平回動可能に支持されていると共に、水平軸（28）を
中心に垂直回動可能に支持されたトーンアーム（29）
と、該トーンアーム（29）の先端に設けられた針式のカ
ートリッジ（30）とから成るピックアップ機構（31）が
設けられている。

そして、回転トレイ（３）、クランプ機構（14）及びピ
ックアップ機構（31）は、第４図の側面からの模型図に
示す如く、キャビネット（１）の背面にヒンジ（32）を
介して開閉自在に取り付けられた蓋体（33）により覆え
る様に成されており、該蓋体（33）は透明な合成樹脂材
料により構成され、閉成された状態でも内部が覗ける様
に成されている。

次に、前述の如く構成されたCDオートチェンジャー装置
の使用方法に付いて説明する。尚、今後、言及しない
が、CDやレコード盤をセットするときには、当然、蓋体
（33）を開放した状態（あるいは外した状態）にしてお
く。

まず、CDを再生する場合は、再生するCDの枚数に応じて
１〜５枚のCDを回転トレイ（３）のCD載置部（５）に載
置する。この場合、モータ（19）を通電し、回動軸（1
6）を回動させることによりクランプ機構（14）を非再
生位置に回動し、CD載置部（５）の位置から避けてお
き、全てのCD載置部（５）にCDが載置出来る様にしてお
く。そして、所望のCD載置部（５）にCD（４）を載置し
たら、クランプ機構（14）を非再生位置に回動するとき
と極性を逆にしてモータ（19）を通電し、回動軸（16）
を逆方法に回動させることにより前記クランプ機構（1
4）を再生位置に回動する。

ここで、前記クランプ機構（14）のチャック部材（22）
は、第２図に示す如く、下面がCD載置部（５）に載置さ
れたCD（４）の上面より高い位置になる様に配置されて
いる。また、再生装置（10）は第２図図示の如く、下降
されているので、前記クランプ機構（14）が再生位置に
変位されている状態であっても回転トレイ（３）を回転
することが出来る。その為、再生するCDを選択する場合
は、前記クランプ機構（14）を再生位置に変位させた状
態で回転トレイ（３）を回転させ、CD載置部（５）に載
置された所望のCDを再生装置（10）により再生が可能な
再生位置まで移動させる。この場合、モータ（７）を通
電し、プーリー（８）を回転させれば、該プーリー
（８）の回転がベルト（９）を介して回転トレイ（３）
のリム（６）に伝達されるので、該回転トレイ（３）を
回転させることが出来、所望のCDを再生位置まで移動さ
せることが出来る。

所望のCDが再生位置まで移動されると、次に再生装置
（10）の上昇を行う。前記再生装置（10）は、シャフト
（15）を回動軸として第２図の矢印Ａ方向に回動するこ
とにより上昇され、その上昇が進むと、やがて、CD用タ
ーンテーブル（11）中央の突出部がCD（４）の中心孔
（4a）に挿入され、該CD（４）が前記CD用ターンテーブ
ル（11）に載置された状態になる。前記再生装置（10）
は、更に上昇され、CD（４）の上面がチャック部材（2
2）の下面に当接された状態まで上昇された後、前記再
生装置（10）の上昇は停止される。この状態において、
CD（４）はCD載置部（５）から離間されていると共に、
チャック部材（22）によりCD用ターンテーブル（11）上
に圧着保持されている。その為、スピンドルモータ（3
4）を通電し、前記CD用ターンテーブル（11）を回転さ
せるとCD（４）の回転が行われるので、光ピックアップ
（12）により前記CD（４）を再生することが出来る。

したがって、再生装置（10）を降下させておき、回転ト
レイ（３）を回転してCD載置部（５）に載置されたCD
（４）を再生位置まで移動させた後、前記再生装置（1
0）を上昇させ、前記CD（４）をCD用ターンテーブル（1
1）上に圧着保持することを繰り返し行うことによりそ
れぞれのCD載置部（５）に載置された複数のCDを順次再
生することが出来る。

一方、レコード盤を再生する場合は、クランプ機構（1
4）を非再生位置に回動し、レコード盤が載置される位
置から退ける。そして、レコード盤（26）の中心孔をセ
ンターシャフト（２）に挿入して該レコード盤（26）を
回転トレイ（３）に載置する。ここで、再生装置（10）
は前記クランプ機構（14）を非再生位置に回動させる以
前に下降する様に成されているので、前記クランプ機構
（14）を非再生位置に回動した状態において、回転トレ
イ（３）を回転することが出来る。

したがって、回転トレイ（３）を回転し、レコード盤
（26）を回転させると共に、トーンアーム（29）を回動
し、カートリッジ（30）によりレコード盤（26）をトレ
ースする状態にすれば、ピックアップ機構（31）により
前記レコード盤（26）を再生することが出来る。

尚、レコード盤（26）を回転させる際の回転トレイ
（３）の回転は、再生するCDを選択する際に前記回転ト
レイ（３）を回転させる駆動源となるモータ（７）によ
り行われる。

また、回転トレイ（３）のCD載置部（５）は、レコード
盤（26）が載置される支持部より一段低く形成されると
共に、前記CD載置部（５）の段差は、CDの厚みより大で
あるので、CDを前記CD載置部（５）に載置した状態で前
記回転トレイ（３）にレコード盤（26）を載置すること
が出来る。

（ト）考案の効果 以上述べた如く、本考案は、クランプ機構が回動可能で
あり、該クランプ機構を回転トレイのディスク載置部が
形成された位置から回避させることが出来るので、該ク
ランプ機構がディスク着脱の障害になることが防止出
来、全てのディスク載置部におけるディスクの着脱にお
いて回転トレイを回転させる必要がなくなる。そして、
本考案は、ガイド部材により前記クランプ機構を回動さ
せた際の前記クランプ板の昇降をガイドし、前記クラン
プ機構の回動変位位置に応じてクランプ板の昇降変位を
行わせているので、チャック部材がターンテーブルに対
向する位置に変位した状態でターンテーブルへのディス
クの圧着保持のし易さを確保した高さに該チャック部材
を設定した上で該チャック部材が前記クランプ機構の回
動変位を阻害しないようにすることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す平面図、第２図は第１
図の再生装置の変位の仕方を説明する為の部分断面図、
第３図は第１図のＯ−Ｏ′における断面図、第４図は蓋
体の取り付け状態を示す模型図である。 主な図番の説明 （３）…回転トレイ、（５）…CD載置部、（10）…再生
装置、（14）…クランプ機構、（22）…チェック部材、
（23）…ガイド突片、（33）…蓋体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】キャビネットに回転可能に支持された回転
   トレイの回転軸を中心にして該回転トレイに複数のディ
   スクを配置するべく複数のディスク載置部を形成すると
   共に、前記回転トレイを回転することにより前記複数の
   ディスク載置部に載置されたディスクの中から再生する
   ディスクを選択する回転型のディスクオートチェンジャ
   ー装置において、ディスクを再生する為のターンテーブ
   ル及びピックアップを有する再生装置と、前記回転トレ
   イの回転により該再生装置で再生が可能な再生位置まで
   移動されたディスクを前記ターンテーブル上に圧着保持
   する為のチャック部材が取り付けられたクランプ板を有
   し、該クランプ板が昇降可能に支持されると共に、キャ
   ビネットに回動可能に支持されたクランプ機構と、該ク
   ランプ機構を回動させた際の前記クランプ板の昇降をガ
   イドすべくキャビネットに設けられたガイド部材とを具
   備し、前記クランプ機構を前記回転トレイのディスク載
   置部が形成された位置から回避可能にすると共に、前記
   クランプ機構の回動変位に伴って回転トレイに対して前
   記クランプ板が昇降変位されるようにしたことを特徴と
   する回転型のディスクオートチェンジャー装置。