JPH0753001B2 - 電気車制御装置 - Google Patents

電気車制御装置

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JPH0753001B2
JPH0753001B2 JP17780191A JP17780191A JPH0753001B2 JP H0753001 B2 JPH0753001 B2 JP H0753001B2 JP 17780191 A JP17780191 A JP 17780191A JP 17780191 A JP17780191 A JP 17780191A JP H0753001 B2 JPH0753001 B2 JP H0753001B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可変電圧可変周波数イ
ンバータ(以下VVVFインバータという)駆動の電気
車、いわゆるVVVFインバータ車、チョッパ車のよう
に引張力および制動力を連続的に制御可能な電気車にお
ける粘着性能が改善された電気車制御装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】電気車の粘着性能を改善するための方式
として第5図に示すものが知られている。図5は従来の
典型的な再粘着制御方式を採用したVVVFインバータ
システムの制御回路を示したものである。
【0003】1は電気車であり、車両1台分を表してい
る。101 はインバータ装置あるいはチョッパ装置のよう
に主電動機の駆動トルクを連続的に制御できる装置であ
る。以下では、特にインバータ装置として説明する。
【0004】2A、2B、2C、2D(以下2A〜2Dのように表
す)は誘導電動機であり、3A〜3Dは誘導電動機2A〜2Dに
れぞれ対応する英字が示す動輪である。
【0005】4A〜4Dは同様に対応する英字が示す電動機
回転速度検出器であり、本例ではパルスジェネレータ
(PG)を示し、電動機の回転速度に比例する周波数の
パルス列を発生するものである。また、5A〜5Dは、対応
する英字が示す電動機回転周波数演算手段であり、各P
G信号を各電動機の回転周波数FMA〜FMDに変換する。
更に、6A〜6Dは微分器であり、各電動機回転周波数を入
力として、その時間微分(dFMA/dt) 〜(dFMD/dt) を
出力するものである。
【0006】108 は電動機周波数選択手段で、同一のイ
ンバータ101 により駆動される電動機群の周波数制御を
行うための基準となる電動機周波数を決定するものであ
る。基準の電動機周波数を選択するアルゴリズムとして
は、予め決められた電動機の周波数に固定する方法(力
行時あるいは制動時において、最も空転しにくい軸のP
G信号から電動機周波数を求める方法)、動的に切り換
える方法(力行時には各電動機周波数の最小値とし、制
動時には各電動機周波数の最大値とする方法)などがあ
る。
【0007】電動機周波数選択手段108 の出力は基準と
なる電動機周波数FM であり、後述するすべり周波数指
令FS * と加算点109 にて加算され、インバータ周波数
指令FI となる。また、電動機群に電圧/周波数比が一
定の交流を供給するために、インバータ周波数指令FI
に110 で示されるV/f比を掛けた値をインバータ出力
電圧値とし、その値を除算器111 によってフィルタコン
デンサ電圧検出値VFCで割り、更に一次遅れフィルタ11
2 を介した値を変圧率指令αとする。一次遅れフィルタ
112 は安定化のために設けられたものである。
【0008】インバータ101 は、インバータ周波数指令
I に適したスイッチング周波数をもつキャリアと、変
圧率指令αに対応する振幅をもった三相正弦波信号との
交点を求めることにより、スイッチングタイミングを求
め、パルス幅変調を行い三相交流を各電動機に印加する
ものである。
【0009】トルク電流パターン発生手段104 は、加速
・制動を目的とする運転士からのノッチ指令と、車両の
荷重を検出する応荷重装置からの信号とにより、所要加
速度に見合う電動機トルクに比例した電流パターンIP
を生成する。以下、電動機トルクに比例する有効電流を
トルク電流と呼ぶことにする。
【0010】減算器106 において演算されたトルク電流
パターンIP とトルク電流の検出値II との偏差が電流
制御手段107に入力され、この電流制御手段 107の出力
がすべり周波数指令FS * となる。
【0011】113 は空転検知手段であり、空転検知手段
113は微分器6A〜6Dの出力である電動機周波数微分(dF
MA/dt) 〜(dFMD/dt) の最大値が所定値を越えた時点
で、コンパレータ手段114 を駆動する。このコンパレー
タ114 は一定時間Tの遅れをもったオンオフ信号発生手
段であり、コンパレータ状態が変化し、かつその状態が
一定時間T保持されたならば、空転検知信号SLIPをオン
状態にする。また再粘着制御が行われ、電動機周波数微
分の最大値が前述の所定値を下回り、その状態が一定時
間T保持されたならば、空転検知信号SLIPをオフ状態に
戻す。ここで、遅れ時間Tは、電動機周波数微分に混入
するノイズによる誤検知を回避するために設けられたも
のである。
【0012】115 はトルク電流修正パターン発生手段で
あり、空転検知信号SLIPに対応してトルク電流修正パタ
ーンIP ′を生成する。このトルク電流修正パターン発
生手段115 は空転検知信号SLIPがオン状態となると、ト
ルク電流修正パターンを急峻な勾配で増加させ、空転が
終了し空転検知信号SLIPがオフ状態となると、トルク電
流修正パターンを緩慢な勾配で減少させる。
【0013】トルク電流パターンIP は、加算点105 に
おいてトルク電流修正パターンが減算され、トルク電流
指令II * となる。従って、空転発生と判断すると電動
機トルクを急速に絞り込み、また再粘着したと判断する
と、電動機トルクを徐々に増加させる処理が行われる。
【0014】102 は実効電流検出手段であり、電流セン
サにより電動機群の各相電流を検出し実効電流を演算す
るものである。また、103 はトルク電流演算手段であ
り、実効電流検出手段102 の出力である実効電流値IM
とインバータの出力電圧位相θとからトルク電流II
演算するものである。
【0015】本例ではトルク電流パターンを絞り込む方
式を示した。この他にもすべり周波数を直接絞り込む方
式等様々な再粘着制御方式が提案されているが、空転量
が所定値以上・以下という二つの状態で制御を切り替え
ると言う意味では、上記例と本質的に同じものとなって
いる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】前述のような従来の粘
着制御方式は、空転、滑走が実際に発生し、それが所定
値を超過しかつ所定時間経過しないと作用しないもので
あり、電動機トルクの修正量も予め設定された固定値を
用いるものであって、空転の度合いに応じたものではな
い。また、電動機トルクの修正方法は、減少、増加を反
復するものであって、連続的に電動機トルクを調整し得
るVVVFインバータ車あるいはチョッパ車の特性を充
分に活用したものとは言えない。
【0017】さて、図6は、動輪とレールとの間におけ
るすべり率と粘着力との関係(以下粘着特性と呼ぶ)を
示したものである。ここで、すべり率とは動輪周速度と
対地車速度の差速度を動輪周速度で割った値を言い、次
式で定義される。 λ=(VM −VO )/VM (1) 上式でVO は対地車速度、VM は動輪周速度を表す。ま
た動輪周速度と対地車速度との差速度はクリープ速度と
呼ばれ、VS で表し VS =VM −VO (2) で定義される。
【0018】粘着力は周知のように軸重に比例するが、
図6に示すようにすべり率の小さい範囲ではすべり率に
もほぼ比例する。ある時点でのすべり率と粘着力の値か
ら、粘着特性上の位置が定まるが、これを動作点と呼ぶ
ことにする。
【0019】いま粘着力をF、電動機から動輪に伝達さ
れる駆動力(以下、動輪周駆動力と呼ぶ)をFM 、電動
機回転子、減速ギヤ及び動輪等の回転慣性系を加速する
回転系駆動力(以下、単に回転系駆動力と呼ぶ)をFR
とすると、次式が成り立つ。 FM =F+FR (3) 上式は粘着力と回転系駆動力との和が動輪周駆動力であ
り、粘着力が車体の加速に寄与する分力であることを示
している。
【0020】粘着力Fには上限値FO があり、これを粘
着限界と称している。動輪周駆動力が加えられていない
状態(静止状態または惰行状態)では動作点は原点にあ
り、動輪周駆動力を加えるに従って粘着特性の左側の斜
面を登っていく。そしてあるすべり率λ0 において、粘
着力が最大値FO となる点Pに到達する。更に動輪周駆
動力を増やし続けると、粘着特性の右側の斜面を下り始
め、粘着力Fが減少するので、式(3) から分かるよう
に、回転系駆動力FR が増加し、動輪の回転速度が急増
することとなる。この現象がいわゆる空転である。粘着
力の限界点Pよりもすべり率の小さな領域をクリープ領
域、大きな領域を空転領域と呼ぶことにする。
【0021】粘着特性は、天候やレール面の状態によっ
て変動することが知られているが、一般的な傾向とし
て、乾燥状態では図6のように、粘着力の上限値FO
大きくて、FO を与えるすべり率が小さく、一方湿潤状
態では、図7のように粘着力の上限値FO が低下すると
ともに、全体として平坦な特性になる。
【0022】通常、乾燥状態における粘着力の上限値F
O より低い粘着力で走行できるトルク電流パターンが設
定されるので、乾燥時にはクリープ領域における安定な
走行が可能である。ところが、降雨やレール面の油・汚
れなどが原因で、図7のように、粘着力上限値FO が所
要粘着力よりも低くなる場合があり、通常の動輪周駆動
力を加えた場合においても、動作点は上限値FO を与え
る点Pを通り過ぎ、空転領域に入り込むこととなる。
【0023】そして、空転検知を用いた従来の再粘着制
御方式は、この空転領域に入ってからbの矢印方向に動
作点を戻すように動輪周駆動力を急減し、動作点をクリ
ープ領域に引き戻す。そして、再粘着と判断した時点
で、動輪周駆動力を除々に増加させるが、このとき動作
点はaの矢印方向に移行して、再び点Pを通過し空転領
域に入り込む。以降点Pを中心に左右に往復する動作を
繰り返すものとなる。さらに空転時にこのように電動機
トルクの修正をオンオフ的に反復することは台車の捻り
共振系を励振する原因となり、振動の発生、乗り心地の
悪化等が問題とされている。
【0024】このように、粘着力を有効に利用しかつ滑
らかなトルク制御を実現するためには、すべり率あるい
はクリープ速度を検出演算する必要がある。そしてすべ
り率や、クリープ速度の演算には、動輪周速度と対地車
速度との検出が必須であり、特に対地車速度の高精度検
出が重要である。現状では付随車の従輪に取り付けた速
度センサから対地車速度を検出する方法が利用されてい
るが、連結器のガタやノイズ等の影響で必ずしも精度の
良いものが実現されていない。また制動時においては安
全性の確保から全軸が制動の対象となるため、従輪速度
を対地車速度として利用することはできない。
【0025】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の基本技術
思想の理解を容易にするため示したものである。すなわ
ち本発明はその原理上、ファジィ推論の持つ長所を最適
に活用して実現できるものである。ファジィ制御による
と、複雑で解析的に解けない制御系でも、熟練者のノウ
ハウあるいは種々の状態に対してどのように操作すべき
かという知識があれば、これを制御則として言語表現
し、if then 形式の推論を用いて操作量を求めることが
できる。また制御系に非線形特性をもたせることがで
き、状態によって操作量を大きく変える必要がある場合
などに適している。本発明はこれらの特質に着目してフ
ァジィ制御の利用を図ったものである。
【0026】まずファジィ推論ブロックの入力となる前
件部変数の演算方法について説明する。本発明における
ファジィ推論ブロックの前件部変数としては、加速度指
令に対する偏差及びその時間微分値を用いる。
【0027】電動機から駆動装置のピニオンへ至る継手
の捻り、歯車装置のギヤのバックラッシュ、動輪軸の捻
り等を無視すれば、動輪周速度VM は、電動機周波数F
M に比例し VM =KO M (4) となる。したがって動輪周速度の時間微分すなわち動輪
周加速度は (dVM /dt) =KO (dFM /dt) (5) で与えられる。ここで比例係数KO は KO =2πr/(p・z) (6) であり、zは電動機から動輪への減速比、rは動輪半
径、pは誘導電動機の極対数を表す。
【0028】さて加速度の値としては車両の並進加速度
を用いるべきであるが、前述のように、対地車速度を高
精度で検出することは技術的にもコスト的にも不利とな
るため、本発明では動輪周加速度を並進加速度の近似値
として利用する。したがって加速度指令値をa* とした
場合の、加速度偏差eは e=a* −(dVM /dt) (7) となり、その時間微分値すなわち加速度偏差微分(de/d
t) は(7) 式を微分することによって得られる。
【0029】次にファジィ制御則の詳細について説明す
る。本発明におけるファジィ制御則は加速度偏差と加速
度偏差微分とからトルク電流指令の微分値(dII * /d
t) を出力するものであり、いわゆる速度型アルゴリズ
ムを採用したものである。
【0030】ファジィ制御則の例としては「加速度偏差
が正で大きく、加速度偏差微分がほぼ零ならば、トルク
電流指令を大きく増やせ」があり、加速度偏差e、加速
度偏差微分(de/dt) およびトルク電流指令微分(dII *
/dt) のある範囲をそれぞれ図2、図3、図4のメンバ
ーシップ関数を使い、正負、大小の関係を言語表現で表
す。この表現はつぎのようなファジィラベルを用いる。 PB 正で大きい PS 正で小さい ZO ほぼ零 NS 負で(絶対値が)小さい NB 負で(絶対値が)大きい これにより前述の例は、 if e=PB and (de/dt)=ZO then (dII * /dt)=PB とif then 形式で表現できる。
【0031】ここで、各入出力値のどの程度の値をPBと
し、NSとするか等については設計者の裁量に委ねること
ができる。さらに、1表によってファジィ制御則(以
下、単に制御則と呼ぶ)を定義できる。ただし、簡単化
するため車両は一方向のみの力行運転で考える。
【0032】そして図1においては、ファジィ推論ブロ
ック13はこのような制御則とファジィ推論部を含むもの
である。ここでは、入力e及び(de/dt) から出力(dII
* /dt) を得る方法はmax-min合成・重心計算法と呼ば
れる公知の方法であるので、これがファジィ推論ブロッ
ク13に含まれていることを指摘するにとどめる。
【0033】次に図1を詳細に説明する。図1において
図5と同符号のものは同一機能を有する部分を示す。
【0034】PG 4A 〜 4D の出力はそれぞれ電動機周
波数演算手段 5A 〜 5D により各軸の電動機回転周波数
にに変換され、6A〜6Dの微分器により時間微分値(dFMA
/dt)〜(dFMD/dt)に変換される。さらに変換手段 7A 〜
7D によって動輪周加速度(dVA /dt) 〜(dVD /dt)
に変換される。図中のKO は、前記式(6) で定義したも
のである。
【0035】8は動輪周加速度選択手段であり、各軸の
動輪周加速度から最も高位の値を(dV/dt)として出力す
るものである。
【0036】9は加速度指令発生手段であり、車両の運
行計画等から定められる計画加速度a* を与えるもので
あり、加速度指令と動輪周加速度との偏差が加算点10で
演算される。加速度偏差eは微分器11により時間微分値
(de/dt) となり、加速度偏差eおよび加速度偏差微分(d
e/dt) は、それぞれ正規化手段12X 、12Y により正規化
され、ファジィ推論ブロック13の入力となる。正規化と
は図2〜図4で定義したメンバーシップ関数の定義され
た領域をある基準の範囲 (例えば[-1,+1])になるように
スケーリングを行うことであり、これにより同一形状の
メンバーシップ関数を共用できる。
【0037】ファジィ推論ブロック13の出力はトルク電
流指令II * の微分値(dII * /dt)である。ファジィ推
論ブロック13の出力である、時々刻々のトルク電流指令
微分(dII * /dt)は、積分手段14により積分されて、ト
ルク電流指令II * として、図5説明のトルク電流指令
I * となり、以下図5と同様にインバータの周波数及
び電圧制御を行うこととなる。
【0038】
【作用】表1に示したファジィ制御則がどのように作用
するかを図8により説明する。図8は加速度指令値a*
に対して動輪周加速度がどのように追従するかを想定し
た図である。図中のa1 〜d1 及びa2 〜d2 は波形の
特徴点であり、これらの特徴点においてどのような操作
量が得られるかを以下に示す。
【0039】まずa1 近傍ではeは正で大きく、(de/d
t) はほぼ零となるから if e=PB and (de/dt)=ZO then (dII * /dt)=PB が作用して、トルク電流指令を増加させる。b1 近傍で
はeはほぼ零であり、(de/dt) は負で大きいから if e=ZO and (de/dt)=NB then (dII * /dt)=NB が作用し、トルク電流指令を減少させる。c1 近傍では
eは負で大きく、(de/dt) はほぼ零であるから if e=NB and (de/dt)=ZO then (dII * /dt)=NB が作用し、トルク電流指令を減少させる。d1 近傍では
eはほぼ零であり、(de/dt) は正で大きいから if e=ZO and (de/dt)=PB then (dII * /dt)=PB が作用し、トルク電流指令を増加させる。
【0040】同様にa2 〜d2 の近傍においてそれぞれ if e=PS and (de/dt)=ZO then (dII * /dt)=PS if e=ZO and (de/dt)=NS then (dII * /dt)=NS if e=NS and (de/dt)=ZO then (dII * /dt)=NS if e=ZO and (de/dt)=PS then (dII * /dt)=PS が作用して、最終的には加速度偏差が零となるようにト
ルク電流指令を制御し、eおよび(de/dt) がともにほぼ
零となった場合に if e=ZO and (de/dt)=ZO then (dII * /dt)=ZO が作用し、トルク電流指令微分値はほぼ零の値となり、
その時点でのトルク電流指令値が保持される。
【0041】また表1においてルールが設定されていな
い領域での推論出力値は零とし、この場合にもトルク電
流指令値を保持することになる。
【0042】さて、通常の粘着状態では図6において動
作点は点Pより左側にあり、λ0 以下のすべり率で動輪
周駆動力を発生する。このときすべり率と粘着力との関
係はほぼ比例関係にあると見なせるので、電動機トルク
の制御により、加速度偏差を最終的に零とすることが可
能となる。
【0043】一方降雨等により粘着力が低下して、図7
に示すような粘着特性になったとする。この場合、動作
点が空転領域に入り込まないように、トルクを絞った状
態で運転しなければならない。粘着力が低下すると空転
が発生し、すべり率λが増加して、矢印dの方向に動作
点が移ろうとする。このとき空転軸の動輪周加速度(dV
/dt)(各軸の動輪周加速度の最大値)は増加する傾向と
なり、加速度偏差eおよび加速度偏差微分(de/dt) は負
の値となる。これは図8において特徴点b1 からc1
至る状態あるいはb2 からc2 に至る状態に対応し、フ
ァジィ制御規則の if e=NS and (de/dt)=NS then (dII * /dt)=NS if e=NS and (de/dt)=NB then (dII * /dt)=NB if e=NB and (de/dt)=NS then (dII * /dt)=NB if e=NB and (de/dt)=NB then (dII * /dt)=NB の各ルールがeおよび(de/dt) の値に応じて作用し、ト
ルク電流指令を絞り込むこととなる。その結果、動作点
は矢印bの方向へ戻り、空転状態からの速やかな回復が
可能となる。
【0044】
【実施例】具体的には図1に示した制御ブロック図の部
分を全ディジタル化したものとすることができる。即
ち、16ビットDSP(ディジタルシグナルプロセッサ)
等の採用により実現することができる。本例において速
度検出器としてPGを用いているので、速度検出につい
ては、ディジタル演算が可能である。また実効電流検出
手段102 内部において、電流検出値をA/D変換器によ
りディジタル化することによって、次段への信号は全て
ディジタル演算で処理することができる。更に正規化手
段12X 、12Y は各入力を有限ステップに量子化すること
を兼ねたものである。したがって、ファジィ推論ブロッ
ク13に含まれるメンバーシップ関数は0から1に至る勾
配をステップで近似した階段波形として実現できる。ま
た、加算点 106以降のインバータ制御部は別のマイクロ
プロセッサを用いたディジタル制御系であるが、より高
速、高ビット数のマイクロプロセッサを用いれば、DS
Pで構成したファジィ制御部を包含することも可能であ
る。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、加速度
制御系をファジィ制御系として構成することにより、従
来の空転検知に基づく再粘着法によるオンオフ的に反復
する問題点を除去し、トルクを連続的に変化させるイン
バータ等を効用し得るものである。よってオンオフ動作
により生じる平均加速度の低下を解消するものであり、
台車系の振動を励振する可能性を低減し、ひいては乗り
心地の向上をもたらす実用効果は極めて顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の基本技術思想の理解を容易にす
るため示した粘着制御システム例のブロック図である。
【図2】図2は加速度偏差のメンバーシップ関数を示す
図である。
【図3】図3は加速度偏差微分のメンバーシップ関数を
示す図である。
【図4】図4はトルク電流指令微分のメンバーシップ関
数を示す図である。
【図5】図5は従来の再粘着制御を用いたVVVFイン
バータの制御回路を示すブロック図である。
【図6】図6は乾燥時での粘着特性を示す図である。
【図7】図7は湿潤状態にあるときの粘着特性を示す図
である。
【図8】図8は加速度制御での応答波形を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 電気車 101 インバータ 102 実効電流検出手段 103 トルク電流演算手段 104 トルク電流パターン発生手段 105 加算点 106 減算器 107 電流制御手段 108 電動機周波数選択手段 109 加算点 110 V/f比乗算器 111 除算器 112 一次遅れフィルタ 113 空転検知手段 114 コンパレータ手段 115 トルク電流修正パターン発生手段 2A〜2D 誘導電動機 3A〜3D 動輪 4A〜4D 電動機速度検出器(PG) 5A〜5D 電動機周波数演算手段 6A〜6D, 11 微分器 7A〜7D 変換手段 8 動輪周加速度選択手段 9 加速度指令発生手段 10 加算点 11 微分器 12X, 12Y 正規化手段 13 ファジィ推論ブロック 14 積分手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可変電圧可変周波数インバータによる誘導
    電動機のトルク制御により駆動および制動力を発生する
    電気車において、車両の加速度指令を発生する手段と、
    動輪周速度を検出する手段と、前記動輪周速度の時間微
    分値すなわち動輪周加速度を演算する手段と、前記加速
    度指令値と前記動輪周加速度との偏差および偏差の時間
    微分値を演算する手段と、前記偏差と偏差の時間微分値
    を前件部変数とし、粘着状態が良好の場合には、粘着限
    界内で加速度指令値に追従するように電動機トルクの制
    御を行うとともに、降雨等により粘着力が低下した場合
    には、電動機トルクの絞り込みを行うルール群を具備
    し、該前件部変数の各ルールに対する適合度を合成し、
    この結果より後件部変数すなわち電動機トルク指令を得
    るファジィ推論手段とを設けるようにしたことを特徴と
    する電気車制御装置。
  2. 【請求項2】前記誘導電動機のトルクをトルク成分に相
    当する電流により、指令制御するようにした請求項1記
    載の電気車制御装置。
JP17780191A 1991-06-24 1991-06-24 電気車制御装置 Expired - Fee Related JPH0753001B2 (ja)

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