JPH05103402A - 電気車制御装置 - Google Patents
電気車制御装置Info
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- JPH05103402A JPH05103402A JP3255235A JP25523591A JPH05103402A JP H05103402 A JPH05103402 A JP H05103402A JP 3255235 A JP3255235 A JP 3255235A JP 25523591 A JP25523591 A JP 25523591A JP H05103402 A JPH05103402 A JP H05103402A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/60—Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
- Y02T10/72—Electric energy management in electromobility
Landscapes
- Feedback Control In General (AREA)
- Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 VVVFインバータ電車の走行制御におい
て、粘着状態が良好な場合には所望の加速度での安定走
行を実現するとともに、粘着力低下時には空転発生を抑
制して平均加速度の向上を図る。 【構成】 VVVFインバータ電車のトルク制御におい
て、動輪周加速度を検出し、加速度指令との偏差および
偏差微分を演算し、これらの値からファジィ推論により
VVVFインバータに対するトルク指令を決定するファ
ジィ加速度制御系と、加速度偏差の不安定度を評価し、
計画加速度に対する加速度指令補正系とから構成される
電気車制御装置である。
て、粘着状態が良好な場合には所望の加速度での安定走
行を実現するとともに、粘着力低下時には空転発生を抑
制して平均加速度の向上を図る。 【構成】 VVVFインバータ電車のトルク制御におい
て、動輪周加速度を検出し、加速度指令との偏差および
偏差微分を演算し、これらの値からファジィ推論により
VVVFインバータに対するトルク指令を決定するファ
ジィ加速度制御系と、加速度偏差の不安定度を評価し、
計画加速度に対する加速度指令補正系とから構成される
電気車制御装置である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可変電圧可変周波数イ
ンバータ(以下VVVFインバータという)駆動の電気
車、いわゆるVVVFインバータ車あるいはチョッパ車
のように引張力および制動力を連続的に制御可能な電気
車における粘着性能が改善された電気車制御装置に関す
るものである。
ンバータ(以下VVVFインバータという)駆動の電気
車、いわゆるVVVFインバータ車あるいはチョッパ車
のように引張力および制動力を連続的に制御可能な電気
車における粘着性能が改善された電気車制御装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】電気車の粘着性能を改善するための方式
として、図7に示すものが知られている。図7は、従来
の典型的な再粘着制御方式を採用した、VVVFインバ
ータシステムの制御回路を示したものである。
として、図7に示すものが知られている。図7は、従来
の典型的な再粘着制御方式を採用した、VVVFインバ
ータシステムの制御回路を示したものである。
【0003】1は電気車であり、車両1台分を表してい
る。101 はインバータ装置あるいはチョッパ装置のよう
に主電動機の駆動トルクを連続的に制御できる装置であ
る。以下では、特にインバータ装置として説明する。
る。101 はインバータ装置あるいはチョッパ装置のよう
に主電動機の駆動トルクを連続的に制御できる装置であ
る。以下では、特にインバータ装置として説明する。
【0004】2A、2B、2C、2D(以下2A〜2Dのように表
す)は誘導電動機であり、3A〜3Dは誘導電動機2A〜2Dに
れぞれ対応する英字が示す動輪である。4A〜4Dは同様に
対応する英字が示す電動機回転速度検出器であり、本例
ではパルスジェネレータ(PG)を示し、電動機の回転速度
に比例する周波数のパルス列を発生するものである。ま
た、5A〜5Dは、対応する英字が示す電動機回転周波数演
算手段であり、各PG信号を各電動機の回転周波数FMA〜
FMDに変換する。更に、6A〜6Dは微分器であり、各電動
機回転周波数を入力として、その時間微分(dFMA/dt)〜
(dFMD/dt)を出力するものである。
す)は誘導電動機であり、3A〜3Dは誘導電動機2A〜2Dに
れぞれ対応する英字が示す動輪である。4A〜4Dは同様に
対応する英字が示す電動機回転速度検出器であり、本例
ではパルスジェネレータ(PG)を示し、電動機の回転速度
に比例する周波数のパルス列を発生するものである。ま
た、5A〜5Dは、対応する英字が示す電動機回転周波数演
算手段であり、各PG信号を各電動機の回転周波数FMA〜
FMDに変換する。更に、6A〜6Dは微分器であり、各電動
機回転周波数を入力として、その時間微分(dFMA/dt)〜
(dFMD/dt)を出力するものである。
【0005】108 は電動機周波数選択手段で、同一のイ
ンバータ101 により駆動される電動機群の周波数制御を
行うための基準となる電動機周波数を決定するものであ
る。基準の電動機周波数を選択するアルゴリズムとして
は、予め決められた電動機の周波数に固定する方法(力
行時あるいは制動時において、最も空転しにくい軸のPG
信号から電動機周波数を求める方法)、動的に切り換え
る方法(力行時には各電動機周波数の最小値とし、制動
時には各電動機周波数の最大値とする方法)などがあ
る。
ンバータ101 により駆動される電動機群の周波数制御を
行うための基準となる電動機周波数を決定するものであ
る。基準の電動機周波数を選択するアルゴリズムとして
は、予め決められた電動機の周波数に固定する方法(力
行時あるいは制動時において、最も空転しにくい軸のPG
信号から電動機周波数を求める方法)、動的に切り換え
る方法(力行時には各電動機周波数の最小値とし、制動
時には各電動機周波数の最大値とする方法)などがあ
る。
【0006】電動機周波数選択手段108 の出力は基準と
なる電動機周波数FM0であり、後述するすべり周波数指
令FS * と加算点109 にて加算され、インバータ周波数
指令FI となる。また、電動機群に電圧/周波数比が一
定の交流を供給するために、インバータ周波数指令FI
に110 で示されるV/f比を掛けた値をインバータ出力
電圧値とし、その値を除算器111 によってフィルタコン
デンサ電圧検出値VFCで割り、更に一次遅れフィルタ11
2 を介した値を変圧率指令αとする。一次遅れフィルタ
112 は安定化のために設けられたものである。インバー
タ101 は、インバータ周波数指令FI に適したスイッチ
ング周波数をもつキャリアと、変圧率指令αに対応する
振幅をもった三相正弦波信号との交点を求めることによ
り、スイッチングタイミングを求め、パルス幅変調を行
い三相交流を各電動機に印加するものである。
なる電動機周波数FM0であり、後述するすべり周波数指
令FS * と加算点109 にて加算され、インバータ周波数
指令FI となる。また、電動機群に電圧/周波数比が一
定の交流を供給するために、インバータ周波数指令FI
に110 で示されるV/f比を掛けた値をインバータ出力
電圧値とし、その値を除算器111 によってフィルタコン
デンサ電圧検出値VFCで割り、更に一次遅れフィルタ11
2 を介した値を変圧率指令αとする。一次遅れフィルタ
112 は安定化のために設けられたものである。インバー
タ101 は、インバータ周波数指令FI に適したスイッチ
ング周波数をもつキャリアと、変圧率指令αに対応する
振幅をもった三相正弦波信号との交点を求めることによ
り、スイッチングタイミングを求め、パルス幅変調を行
い三相交流を各電動機に印加するものである。
【0007】トルク電流パターン発生手段104 は、加速
・制動を目的とする運転士からのノッチ指令と、車両の
荷重を検出する応荷重装置からの信号とにより、所要加
速度に見合う電動機トルクに比例した電流パターンIP
を生成する。以下、電動機トルクに比例する有効電流を
トルク電流と呼ぶことにする。
・制動を目的とする運転士からのノッチ指令と、車両の
荷重を検出する応荷重装置からの信号とにより、所要加
速度に見合う電動機トルクに比例した電流パターンIP
を生成する。以下、電動機トルクに比例する有効電流を
トルク電流と呼ぶことにする。
【0008】トルク電流指令II * と、トルク電流の検
出値II との偏差が、電流制御手段107 に入力され、こ
の電流制御手段 107の出力が、すべり周波数指令FS *
となる。
出値II との偏差が、電流制御手段107 に入力され、こ
の電流制御手段 107の出力が、すべり周波数指令FS *
となる。
【0009】113 は空転検知手段であり、空転検知手段
113は微分器6A〜6Dの出力である電動機周波数微分(dF
MA/dt)〜(dFMD/dt)の最大値が所定値を越えた時点で、
コンパレータ手段114 を駆動する。このコンパレータ11
4 は一定時間Tの遅れをもったオンオフ信号発生手段で
あり、コンパレータ状態が変化し、かつその状態が一定
時間T保持されたならば、空転検知信号SLIPをオン状態
にする。また再粘着制御が行われ、電動機周波数微分の
最大値が前述の所定値を下回り、その状態が一定時間T
保持されたならば、空転検知信号SLIPをオフ状態に戻
す。ここで、遅れ時間Tは、電動機周波数微分に混入す
るノイズによる誤検知を回避するために設けられたもの
である。
113は微分器6A〜6Dの出力である電動機周波数微分(dF
MA/dt)〜(dFMD/dt)の最大値が所定値を越えた時点で、
コンパレータ手段114 を駆動する。このコンパレータ11
4 は一定時間Tの遅れをもったオンオフ信号発生手段で
あり、コンパレータ状態が変化し、かつその状態が一定
時間T保持されたならば、空転検知信号SLIPをオン状態
にする。また再粘着制御が行われ、電動機周波数微分の
最大値が前述の所定値を下回り、その状態が一定時間T
保持されたならば、空転検知信号SLIPをオフ状態に戻
す。ここで、遅れ時間Tは、電動機周波数微分に混入す
るノイズによる誤検知を回避するために設けられたもの
である。
【0010】115 は、トルク電流修正パターン発生手段
であり、空転検知信号SLIPに対応してトルク電流修正パ
ターンIP ’を生成する。トルク電流修正パターン発生
手段114 は空転検知信号SLIPがオン状態となると、トル
ク電流修正パターンを急峻な勾配で増加させ、空転が終
了し空転検知信号SLIPがオフ状態となると、トルク電流
修正パターンを緩慢な勾配で減少させる。
であり、空転検知信号SLIPに対応してトルク電流修正パ
ターンIP ’を生成する。トルク電流修正パターン発生
手段114 は空転検知信号SLIPがオン状態となると、トル
ク電流修正パターンを急峻な勾配で増加させ、空転が終
了し空転検知信号SLIPがオフ状態となると、トルク電流
修正パターンを緩慢な勾配で減少させる。
【0011】トルク電流パターンIP は加算点105 にお
いてトルク電流修正パターンIP ’が減算され、トルク
電流指令II * となる。従って、空転発生と判断すると
電動機トルクを急速に絞り込み、また再粘着したと判断
すると、電動機トルクを徐々に増加させる処理が行われ
る。
いてトルク電流修正パターンIP ’が減算され、トルク
電流指令II * となる。従って、空転発生と判断すると
電動機トルクを急速に絞り込み、また再粘着したと判断
すると、電動機トルクを徐々に増加させる処理が行われ
る。
【0012】102 は実効電流検出手段であり、電流セン
サにより電動機群の各相電流を検出し実効電流を演算す
るものである。また、103 はトルク電流演算手段であ
り、実効電流検出手段102 の出力である実効電流値IM
とインバータの出力電圧位相θとからトルク電流II を
演算するものである。
サにより電動機群の各相電流を検出し実効電流を演算す
るものである。また、103 はトルク電流演算手段であ
り、実効電流検出手段102 の出力である実効電流値IM
とインバータの出力電圧位相θとからトルク電流II を
演算するものである。
【0013】本例ではトルク電流パターンを絞り込む方
式を示した。この他にもすべり周波数を直接絞り込む方
式等様々な再粘着制御方式が提案されているが、空転量
が所定値以上・以下という二つの状態で制御を切り替え
ると言う意味では、上記例と本質的に同じものとなって
いる。
式を示した。この他にもすべり周波数を直接絞り込む方
式等様々な再粘着制御方式が提案されているが、空転量
が所定値以上・以下という二つの状態で制御を切り替え
ると言う意味では、上記例と本質的に同じものとなって
いる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前述のような従来の粘
着制御方式は、空転、滑走が実際に発生し、それが所定
値を超過し、且つ所定時間経過しないと作用しないもの
であり、電動機トルクの修正量も予め設定された固定値
を用いるものであって、空転の度合いに応じたものでは
ない。また、電動機トルクの修正方法は減少、増加を反
復するものであって、連続的に電動機トルクを調整し得
るVVVFインバータ車あるいはチョッパ車の特性を充
分に活用したものとは言えない。
着制御方式は、空転、滑走が実際に発生し、それが所定
値を超過し、且つ所定時間経過しないと作用しないもの
であり、電動機トルクの修正量も予め設定された固定値
を用いるものであって、空転の度合いに応じたものでは
ない。また、電動機トルクの修正方法は減少、増加を反
復するものであって、連続的に電動機トルクを調整し得
るVVVFインバータ車あるいはチョッパ車の特性を充
分に活用したものとは言えない。
【0015】さて、図8は、動輪とレールとの間におけ
るすべり率と粘着力との関係(以下粘着特性と呼ぶ)を
示したものである。ここで、すべり率とは動輪周速度と
対地車速度の差速度を動輪周速度で割った値を言い、次
式で定義される。 λ=(VM −V0 )/VM (1) 上式でV0 は対地車速度、VM は動輪周速度を表す。ま
た動輪周速度と対地車速度との差速度はクリープ速度と
呼ばれ、VS で表し VS =VM −V0 (2) で定義される。
るすべり率と粘着力との関係(以下粘着特性と呼ぶ)を
示したものである。ここで、すべり率とは動輪周速度と
対地車速度の差速度を動輪周速度で割った値を言い、次
式で定義される。 λ=(VM −V0 )/VM (1) 上式でV0 は対地車速度、VM は動輪周速度を表す。ま
た動輪周速度と対地車速度との差速度はクリープ速度と
呼ばれ、VS で表し VS =VM −V0 (2) で定義される。
【0016】粘着力は周知のように軸重に比例するが、
図8に示すように、すべり率の小さい範囲では、すべり
率にもほぼ比例する。ある時点でのすべり率と粘着力の
値から、粘着特性上の位置が定まるが、これを動作点と
呼ぶことにする。
図8に示すように、すべり率の小さい範囲では、すべり
率にもほぼ比例する。ある時点でのすべり率と粘着力の
値から、粘着特性上の位置が定まるが、これを動作点と
呼ぶことにする。
【0017】いま粘着力をF、電動機から動輪に伝達さ
れる駆動力(以下、動輪周駆動力と呼ぶ)をFM 、電動
機回転子、減速ギヤ及び動輪等の回転慣性系を加速する
回転系駆動力(以下、単に回転系駆動力と呼ぶ)をFR
とすると、次式が成り立つ。 FM =F+FR (3) 上式は粘着力と回転系駆動力との和が動輪周駆動力であ
り、粘着力が車体の加速に寄与する分力であることを示
している。
れる駆動力(以下、動輪周駆動力と呼ぶ)をFM 、電動
機回転子、減速ギヤ及び動輪等の回転慣性系を加速する
回転系駆動力(以下、単に回転系駆動力と呼ぶ)をFR
とすると、次式が成り立つ。 FM =F+FR (3) 上式は粘着力と回転系駆動力との和が動輪周駆動力であ
り、粘着力が車体の加速に寄与する分力であることを示
している。
【0018】粘着力Fには上限値F0 があり、これを粘
着限界と称している。動輪周駆動力が加えられていない
状態(静止状態または惰行状態)では動作点は原点にあ
り、動輪周駆動力を加えるに従って、粘着特性の左側の
斜面を登っていく。そしてあるすべり率λ0 において粘
着力が最大値F0 となる点Pに到達する。更に動輪周駆
動力を増やし続けると、粘着特性の右側の斜面を下り始
め、粘着力Fが減少するので、式(3) から分かるよう
に、回転系駆動力FR が増加し、動輪の回転速度が急増
することとなる。この現象がいわゆる空転である。粘着
力の限界点Pよりもすべり率の小さな領域をクリープ領
域、大きな領域を空転領域と呼ぶことにする。
着限界と称している。動輪周駆動力が加えられていない
状態(静止状態または惰行状態)では動作点は原点にあ
り、動輪周駆動力を加えるに従って、粘着特性の左側の
斜面を登っていく。そしてあるすべり率λ0 において粘
着力が最大値F0 となる点Pに到達する。更に動輪周駆
動力を増やし続けると、粘着特性の右側の斜面を下り始
め、粘着力Fが減少するので、式(3) から分かるよう
に、回転系駆動力FR が増加し、動輪の回転速度が急増
することとなる。この現象がいわゆる空転である。粘着
力の限界点Pよりもすべり率の小さな領域をクリープ領
域、大きな領域を空転領域と呼ぶことにする。
【0019】粘着特性は、天候やレール面の状態によっ
て変動することが知られているが、一般的な傾向とし
て、乾燥状態では図8のように、粘着力の上限値F0 が
大きくてF0 を与えるすべり率が小さく、一方湿潤状態
では、図9のように粘着力の上限値F0 が低下するとと
もに全体として平坦な特性になる。
て変動することが知られているが、一般的な傾向とし
て、乾燥状態では図8のように、粘着力の上限値F0 が
大きくてF0 を与えるすべり率が小さく、一方湿潤状態
では、図9のように粘着力の上限値F0 が低下するとと
もに全体として平坦な特性になる。
【0020】通常、乾燥状態における粘着力の上限値F
0 より低い粘着力で走行できるトルク電流パターンが設
定されるので、乾燥時にはクリープ領域における安定な
走行が可能である。ところが、降雨やレール面の油・汚
れなどが原因で、図9のように、粘着力上限値F0 が所
要粘着力よりも低くなる場合があり、通常の動輪周駆動
力を加えた場合においても、動作点は上限値F0 を与え
る点Pを通り過ぎ、空転領域に入り込むこととなる。
0 より低い粘着力で走行できるトルク電流パターンが設
定されるので、乾燥時にはクリープ領域における安定な
走行が可能である。ところが、降雨やレール面の油・汚
れなどが原因で、図9のように、粘着力上限値F0 が所
要粘着力よりも低くなる場合があり、通常の動輪周駆動
力を加えた場合においても、動作点は上限値F0 を与え
る点Pを通り過ぎ、空転領域に入り込むこととなる。
【0021】そして、空転検知を用いた従来の再粘着制
御方式は、この空転領域に入ってからbの矢印方向に動
作点を戻すように動輪周駆動力を急減し、動作点をクリ
ープ領域に引き戻す。そして、再粘着と判断した時点
で、動輪周駆動力を除々に増加させるが、このとき動作
点はaの矢印方向に移行して、再び点Pを通過し空転領
域に入り込む。以降点Pを中心に左右に往復する動作を
繰り返すものとなる。さらに空転時にこのように電動機
トルクの修正をオンオフ的に反復することは台車の捩じ
り共振系を励振する原因となり、振動の発生、乗り心地
の悪化等が問題とされている。
御方式は、この空転領域に入ってからbの矢印方向に動
作点を戻すように動輪周駆動力を急減し、動作点をクリ
ープ領域に引き戻す。そして、再粘着と判断した時点
で、動輪周駆動力を除々に増加させるが、このとき動作
点はaの矢印方向に移行して、再び点Pを通過し空転領
域に入り込む。以降点Pを中心に左右に往復する動作を
繰り返すものとなる。さらに空転時にこのように電動機
トルクの修正をオンオフ的に反復することは台車の捩じ
り共振系を励振する原因となり、振動の発生、乗り心地
の悪化等が問題とされている。
【0022】このように、粘着力を有効に利用し、かつ
滑らかなトルク制御を実現するためには、すべり率ある
いはクリープ速度を検出演算する必要がある。そしてす
べり率、クリープ速度の演算には、動輪周速度と対地車
速度との検出が必須であり、特に対地車速度の高精度検
出が重要である。現状では付随車の従輪に取り付けた速
度センサから対地車速度を検出する方法が利用されてい
るが、連結器のガタやノイズ等の影響で必ずしも精度の
良いものが実現されていない。また制動時においては安
全性の確保から全軸が制動の対象となるため、従輪速度
を対地車速度として利用することはできない。
滑らかなトルク制御を実現するためには、すべり率ある
いはクリープ速度を検出演算する必要がある。そしてす
べり率、クリープ速度の演算には、動輪周速度と対地車
速度との検出が必須であり、特に対地車速度の高精度検
出が重要である。現状では付随車の従輪に取り付けた速
度センサから対地車速度を検出する方法が利用されてい
るが、連結器のガタやノイズ等の影響で必ずしも精度の
良いものが実現されていない。また制動時においては安
全性の確保から全軸が制動の対象となるため、従輪速度
を対地車速度として利用することはできない。
【0023】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の基本技術
思想の理解を容易にするため示したものである。すなわ
ち本発明はその原理上、ファジィ推論の持つ長所を最適
に活用して実現できるものである。ファジィ制御による
と、複雑で解析的に解けない制御系でも、熟練者のノウ
ハウあるいは種々の状態に対してどのように操作すべき
かという知識があれば、これを制御則として言語表現
し、if then 形式の推論を用いて操作量を求めることが
できる。また制御系に非線形特性をもたせることがで
き、状態によって操作量を大きく変える必要がある場合
などに適している。本発明はこれらの特質に着目してフ
ァジィ制御の利用を図ったものである。
思想の理解を容易にするため示したものである。すなわ
ち本発明はその原理上、ファジィ推論の持つ長所を最適
に活用して実現できるものである。ファジィ制御による
と、複雑で解析的に解けない制御系でも、熟練者のノウ
ハウあるいは種々の状態に対してどのように操作すべき
かという知識があれば、これを制御則として言語表現
し、if then 形式の推論を用いて操作量を求めることが
できる。また制御系に非線形特性をもたせることがで
き、状態によって操作量を大きく変える必要がある場合
などに適している。本発明はこれらの特質に着目してフ
ァジィ制御の利用を図ったものである。
【0024】本発明は与えられた加速度指令に追従する
ように電動機トルクを制御する第一のファジィ推論ブロ
ックと、加速度偏差の不安定度を評価し計画加速度に対
する補正値を演算する第二のファジィ推論ブロックとか
ら構成される。
ように電動機トルクを制御する第一のファジィ推論ブロ
ックと、加速度偏差の不安定度を評価し計画加速度に対
する補正値を演算する第二のファジィ推論ブロックとか
ら構成される。
【0025】まず第一のファジィ推論ブロックについて
説明する。第一のファジィ推論ブロックの前件部変数と
しては、加速度指令に対する偏差及びその時間微分値を
用いているが、その演算方法を以下に示す。
説明する。第一のファジィ推論ブロックの前件部変数と
しては、加速度指令に対する偏差及びその時間微分値を
用いているが、その演算方法を以下に示す。
【0026】電動機から駆動装置のピニオンへ至る継手
の捩じりや、歯車装置のギヤのバックラッシュ、動輪軸
の捩じり等を無視すれば、動輪周速度VM は、電動機周
波数FM0に比例し VM =K0 FM0 (4) となる。したがって動輪周速度の時間微分すなわち動輪
周加速度は (dVM /dt)=K0 (dFM0/dt) (5) で与えられる。ここで比例係数K0 は K0 =2πr/(p・z) (6) であり、zは電動機から動輪への減速比、rは動輪半
径、pは誘導電動機の極対数を表す。
の捩じりや、歯車装置のギヤのバックラッシュ、動輪軸
の捩じり等を無視すれば、動輪周速度VM は、電動機周
波数FM0に比例し VM =K0 FM0 (4) となる。したがって動輪周速度の時間微分すなわち動輪
周加速度は (dVM /dt)=K0 (dFM0/dt) (5) で与えられる。ここで比例係数K0 は K0 =2πr/(p・z) (6) であり、zは電動機から動輪への減速比、rは動輪半
径、pは誘導電動機の極対数を表す。
【0027】さて加速度の値としては車両の並進加速度
を用いるべきであるが、前述のように、対地車速度を高
精度で検出することは技術的にもコスト的にも不利とな
るため、本発明では動輪周加速度を並進加速度の近似値
として利用する。したがって加速度指令をa* とした場
合の、加速度偏差eは e=a* −(dVM /dt) (7) となり、その時間微分値すなわち加速度偏差微分(de/d
t)は(7) 式を微分することによって得られる。
を用いるべきであるが、前述のように、対地車速度を高
精度で検出することは技術的にもコスト的にも不利とな
るため、本発明では動輪周加速度を並進加速度の近似値
として利用する。したがって加速度指令をa* とした場
合の、加速度偏差eは e=a* −(dVM /dt) (7) となり、その時間微分値すなわち加速度偏差微分(de/d
t)は(7) 式を微分することによって得られる。
【0028】次に第一のファジィ推論ブロックの制御則
について説明する。第一のファジィ推論ブロックの制御
則は加速度偏差と加速度偏差微分とからトルク電流指令
の微分値(dII * /dt)を出力するものであり、いわゆる
速度型アルゴリズムを採用したものである。
について説明する。第一のファジィ推論ブロックの制御
則は加速度偏差と加速度偏差微分とからトルク電流指令
の微分値(dII * /dt)を出力するものであり、いわゆる
速度型アルゴリズムを採用したものである。
【0029】ファジィ制御則の例としては 「加速度偏差が正で大きく、加速度偏差微分がほぼ零な
らば、トルク電流指令を大きく増やせ」 があり、加速度偏差e、加速度偏差微分(de/dt)および
トルク電流指令微分(dII * /dt)のある範囲をそれぞれ
図2、図3、図4のメンバーシップ関数を使い、正負、
大小の関係を言語表現で表す。この表現ではつぎのよう
なファジィラベルを用いる。 PB 正で大きい PS 正で小さい ZO ほぼ零 NS 負で(絶対値が)小さい NB 負で(絶対値が)大きい これにより前述の例は、 if e=PB and (de/dt)=ZO then (dII * /dt)=PB とif then 形式で表現できる。
らば、トルク電流指令を大きく増やせ」 があり、加速度偏差e、加速度偏差微分(de/dt)および
トルク電流指令微分(dII * /dt)のある範囲をそれぞれ
図2、図3、図4のメンバーシップ関数を使い、正負、
大小の関係を言語表現で表す。この表現ではつぎのよう
なファジィラベルを用いる。 PB 正で大きい PS 正で小さい ZO ほぼ零 NS 負で(絶対値が)小さい NB 負で(絶対値が)大きい これにより前述の例は、 if e=PB and (de/dt)=ZO then (dII * /dt)=PB とif then 形式で表現できる。
【0030】ここで、各入出力値のどの程度の値をPBと
し、NSとするか等については設計者の裁量に委ねること
ができる。
し、NSとするか等については設計者の裁量に委ねること
ができる。
【0031】更に、表1によりファジィ制御則(以下、
単に制御則と呼ぶ)を定義できる。
単に制御則と呼ぶ)を定義できる。
【表1】 ただし、簡単化するため車両は一方向のみの力行運転で
考える。
考える。
【0032】そして図1においては、ファジィ推論ブロ
ック13はこのような制御則とファジィ推論部を含むもの
である。
ック13はこのような制御則とファジィ推論部を含むもの
である。
【0033】ここでは、入力e及び(de/dt)から出力(d
II * /dt)を得る方法はmax-min 合成・重心計算法と呼
ばれる公知の方法であるので、これがファジィ推論ブロ
ック13に含まれていることを指摘するにとどめる。
II * /dt)を得る方法はmax-min 合成・重心計算法と呼
ばれる公知の方法であるので、これがファジィ推論ブロ
ック13に含まれていることを指摘するにとどめる。
【0034】次に加速度偏差の不安定度を評価し、計画
加速度に対する補正値(以下加速度指令補正値と呼ぶ)
を出力する第二のファジィ推論ブロックについて説明す
る。
加速度に対する補正値(以下加速度指令補正値と呼ぶ)
を出力する第二のファジィ推論ブロックについて説明す
る。
【0035】前述の第一のファジィ推論ブロックは、与
えられた加速度指令に追従するように電動機のトルクを
制御するものであり、動作点が粘着特性の粘着領域にあ
る場合には、加速度偏差を零に整定させ安定化すること
ができる。一方、降雨等により粘着特性の最大値が低下
し、加速度指令に対応する粘着力が得られない場合に
は、動作点が空転領域に入り込み、空転領域において電
動機トルクの増減を繰り返す可能性がある。
えられた加速度指令に追従するように電動機のトルクを
制御するものであり、動作点が粘着特性の粘着領域にあ
る場合には、加速度偏差を零に整定させ安定化すること
ができる。一方、降雨等により粘着特性の最大値が低下
し、加速度指令に対応する粘着力が得られない場合に
は、動作点が空転領域に入り込み、空転領域において電
動機トルクの増減を繰り返す可能性がある。
【0036】そこで加速度偏差の不安定度から、動作点
が粘着領域または空転領域の何れにあるかを推定し、空
転領域にある場合には加速度指令を引き下げ、逆に粘着
領域にある場合には加速度指令を引き上げるような補正
系を付加する。
が粘着領域または空転領域の何れにあるかを推定し、空
転領域にある場合には加速度指令を引き下げ、逆に粘着
領域にある場合には加速度指令を引き上げるような補正
系を付加する。
【0037】第二のファジィ推論ブロックは加速度偏差
の不安定度評価指標uを入力とし、加速度指令補正値の
微分(da'/dt) を出力するものとし、第一のファジィ推
論ブロックと同様に速度型アルゴリズムを採用する。そ
の制御則は 「加速度偏差が不安定ならば、加速度指令補正値を増や
せ」 のように書くことができ、加速度偏差の不安定度uおよ
び加速度指令補正値微分(da'/dt) のある範囲をそれぞ
れ図5、図6のメンバーシップ関数のように表すことが
できる。ここで加速度偏差の不安定度としては一例とし
て、ある一定時間前から現時点までの加速度偏差の二乗
積分値を不安定度の評価指標とし、この値が零に近けれ
ば安定であり、正の値をとる場合には不安定であると評
価することができる。
の不安定度評価指標uを入力とし、加速度指令補正値の
微分(da'/dt) を出力するものとし、第一のファジィ推
論ブロックと同様に速度型アルゴリズムを採用する。そ
の制御則は 「加速度偏差が不安定ならば、加速度指令補正値を増や
せ」 のように書くことができ、加速度偏差の不安定度uおよ
び加速度指令補正値微分(da'/dt) のある範囲をそれぞ
れ図5、図6のメンバーシップ関数のように表すことが
できる。ここで加速度偏差の不安定度としては一例とし
て、ある一定時間前から現時点までの加速度偏差の二乗
積分値を不安定度の評価指標とし、この値が零に近けれ
ば安定であり、正の値をとる場合には不安定であると評
価することができる。
【0038】さらに制御則は if u=Z then (da'/dt)=N if u=P then (da'/dt) =P の2つのルールで構成することができる。
【0039】第二のファジィ推論ブロックにおけるファ
ジィ推論法としては、第一のファジィ推論ブロックと同
様に、max-min 合成・重心法を採用するものとし、図1
においては、ファジィ推論ブロック17は上記の制御則と
ファジィ推論部を含むものである。
ジィ推論法としては、第一のファジィ推論ブロックと同
様に、max-min 合成・重心法を採用するものとし、図1
においては、ファジィ推論ブロック17は上記の制御則と
ファジィ推論部を含むものである。
【0040】次に図1を詳細に説明する。図1において
図7と同符号のものは同一機能を有する部分を示す。
図7と同符号のものは同一機能を有する部分を示す。
【0041】パルスジェネレータ(PG)4A〜4Dの出力はそ
れぞれ電動機周波数演算手段5A〜5Dにより各軸の電動機
回転周波数にに変換され、6A〜6Dの微分器により時間微
分値(dFMA/dt)〜(dFMD/dt)に変換される。さらに変換
手段7A〜7Dによって動輪周加速度(dVA /dt)〜(dVD /d
t)に変換される。図中のK0 は、前記式(6) で定義した
ものである。
れぞれ電動機周波数演算手段5A〜5Dにより各軸の電動機
回転周波数にに変換され、6A〜6Dの微分器により時間微
分値(dFMA/dt)〜(dFMD/dt)に変換される。さらに変換
手段7A〜7Dによって動輪周加速度(dVA /dt)〜(dVD /d
t)に変換される。図中のK0 は、前記式(6) で定義した
ものである。
【0042】8 は動輪周加速度選択手段であり、各軸の
動輪周加速度から最も高位の値を(dV/dt)として出力す
るものである。
動輪周加速度から最も高位の値を(dV/dt)として出力す
るものである。
【0043】9 は計画加速度発生手段であり、車両の運
行計画等から定められる計画加速度aを与えるものであ
り、加算点19において加速度指令補正値a' が減算さ
れ、加速度指令a* となる。さらに加速度指令a* と動
輪周加速度(dV/dt)との偏差が加算点10で演算される。
加速度偏差eは微分器11により時間微分値(de/dt)とな
り、加速度偏差eおよび加速度偏差微分(de/dt)は、そ
れぞれ正規化手段12X 、12Y により正規化され、ファジ
ィ推論ブロック13の入力となる。正規化とは図2〜図6
で定義したメンバーシップ関数の定義された領域をある
基準の範囲(例えば -1,+1 )になるようにスケーリン
グを行うことであり、これにより同一形状のメンバーシ
ップ関数を共用できる。
行計画等から定められる計画加速度aを与えるものであ
り、加算点19において加速度指令補正値a' が減算さ
れ、加速度指令a* となる。さらに加速度指令a* と動
輪周加速度(dV/dt)との偏差が加算点10で演算される。
加速度偏差eは微分器11により時間微分値(de/dt)とな
り、加速度偏差eおよび加速度偏差微分(de/dt)は、そ
れぞれ正規化手段12X 、12Y により正規化され、ファジ
ィ推論ブロック13の入力となる。正規化とは図2〜図6
で定義したメンバーシップ関数の定義された領域をある
基準の範囲(例えば -1,+1 )になるようにスケーリン
グを行うことであり、これにより同一形状のメンバーシ
ップ関数を共用できる。
【0044】ファジィ推論ブロック13は、前述の加速度
制御機能を実現する第一のファジィ推論ブロックであ
り、その出力はトルク電流指令II * の微分値(dII *
/dt)である。ファジィ推論ブロック13の出力である時々
刻々のトルク電流指令微分値(dII * /dt)は積分手段14
により積分され、トルク電流指令II * として、図7で
説明したトルク電流指令II * となり、以下、図7と同
様にインバータの周波数、電圧制御を行うこととなる。
制御機能を実現する第一のファジィ推論ブロックであ
り、その出力はトルク電流指令II * の微分値(dII *
/dt)である。ファジィ推論ブロック13の出力である時々
刻々のトルク電流指令微分値(dII * /dt)は積分手段14
により積分され、トルク電流指令II * として、図7で
説明したトルク電流指令II * となり、以下、図7と同
様にインバータの周波数、電圧制御を行うこととなる。
【0045】また加速度偏差eは不安定度評価手段15に
入力され、不安定度評価手段15により不安定度uが出力
される。16は正規化手段であり、前記の12X 、12Y と同
様な機能をもつものである。16により正規化された不安
定度はファジィ推論ブロック17に入力され、ファジィ推
論ブロック17により加速度指令補正値微分(da'/dt)が
出力され、積分手段18により加速度指令補正値a' とな
る。
入力され、不安定度評価手段15により不安定度uが出力
される。16は正規化手段であり、前記の12X 、12Y と同
様な機能をもつものである。16により正規化された不安
定度はファジィ推論ブロック17に入力され、ファジィ推
論ブロック17により加速度指令補正値微分(da'/dt)が
出力され、積分手段18により加速度指令補正値a' とな
る。
【0046】
【作用】まず表1に示したファジィ制御則がどのように
作用するかを図10により説明する。図10は加速度指
令a* に対して動輪周加速度がどのように追従するかを
想定した図である。図中のa1 〜d1 及びa2 〜d2 は
波形の特徴点であり、これらの特徴点においてどのよう
な操作量が得られるかを以下に示す。
作用するかを図10により説明する。図10は加速度指
令a* に対して動輪周加速度がどのように追従するかを
想定した図である。図中のa1 〜d1 及びa2 〜d2 は
波形の特徴点であり、これらの特徴点においてどのよう
な操作量が得られるかを以下に示す。
【0047】まずa1 近傍ではeは正で大きく、(de/d
t)はほぼ零となるから if e=PB and (de/dt)=ZO then (dII * /dt)=PB が作用して、トルク電流指令を増加させる。
t)はほぼ零となるから if e=PB and (de/dt)=ZO then (dII * /dt)=PB が作用して、トルク電流指令を増加させる。
【0048】b1 近傍ではeはほぼ零であり、(de/dt)
は負で大きいから if e=ZO and (de/dt)=NB then (dII * /dt)=NB が作用し、トルク電流指令を減少させる。
は負で大きいから if e=ZO and (de/dt)=NB then (dII * /dt)=NB が作用し、トルク電流指令を減少させる。
【0049】c1 近傍ではeは負で大きく、(de/dt)は
ほぼ零であるから if e=NB and (de/dt)=ZO then (dII * /dt)=NB が作用し、トルク電流指令を減少させる。
ほぼ零であるから if e=NB and (de/dt)=ZO then (dII * /dt)=NB が作用し、トルク電流指令を減少させる。
【0050】d1 近傍ではeはほぼ零であり、(de/dt)
は正で大きいから if e=ZO and (de/dt)=PB then (dII * /dt)=PB が作用し、トルク電流指令を増加させる。
は正で大きいから if e=ZO and (de/dt)=PB then (dII * /dt)=PB が作用し、トルク電流指令を増加させる。
【0051】同様にa2 〜d2 の近傍においてそれぞれ if e=PS and (de/dt)=ZO then (dII * /dt)=PS if e=ZO and (de/dt)=NS then (dII * /dt)=NS if e=NS and (de/dt)=ZO then (dII * /dt)=NS if e=ZO and (de/dt)=PS then (dII * /dt)=PS が作用して、最終的には加速度偏差が零となるようにト
ルク電流指令を制御し、eおよび(de/dt)がともにほぼ
零となった場合に if e=ZO and (de/dt)=ZO then (dII * /dt)=ZO が作用し、トルク電流指令微分値はほぼ零の値となり、
その時点でのトルク電流指令が保持される。
ルク電流指令を制御し、eおよび(de/dt)がともにほぼ
零となった場合に if e=ZO and (de/dt)=ZO then (dII * /dt)=ZO が作用し、トルク電流指令微分値はほぼ零の値となり、
その時点でのトルク電流指令が保持される。
【0052】また表1においてルールが設定されていな
い領域での推論出力値は零とし、この場合にもトルク電
流指令を保持することになる。
い領域での推論出力値は零とし、この場合にもトルク電
流指令を保持することになる。
【0053】さて、通常の粘着状態では図8において動
作点は点Pより左側にあり、λ0 以下のすべり率で動輪
周駆動力を発生する。このときすべり率と粘着力との関
係はほぼ比例関係にあると見なせるので、電動機トルク
の制御により、加速度偏差を最終的に零とすることが可
能となる。
作点は点Pより左側にあり、λ0 以下のすべり率で動輪
周駆動力を発生する。このときすべり率と粘着力との関
係はほぼ比例関係にあると見なせるので、電動機トルク
の制御により、加速度偏差を最終的に零とすることが可
能となる。
【0054】つぎに与えられた加速度指令に対する補正
値を出力する第二のファジィ推論ブロックの作用につい
て説明する。
値を出力する第二のファジィ推論ブロックの作用につい
て説明する。
【0055】降雨等により粘着力が低下して図9に示す
ような粘着特性になったとする。この場合、加速度指令
に対応する粘着力が得られないとすると、すべり率λが
増加して動作点が空転領域に入り込み、矢印dの方向に
動作点が移る。このとき加速度偏差eがほぼ零で加速度
偏差微分(de/dt)が負の値となった時点で、第一のファ
ジィ推論ブロックのルールによりトルク電流指令を絞り
込むこととなる。その結果、動作点は矢印bの方向へ戻
ろうとするが、加速度偏差eがほぼ零で加速度偏差微分
(de/dt)が正の値となった時点で、第一のファジィ推論
ブロックのトルク電流指令を増やすルールが再び作用す
るために、動作点が粘着領域内に戻りきらず、空転領域
内で往復することになる。そして加速度偏差は振動的と
なり、不安定度の評価指標uは増大するため、第二のフ
ァジィ推論ブロックのルール if u=P then (da'/dt)=P により、加速度指令補正値が出力され、加速度制御系に
対する加速度指令a* は引き下げられる。これにより、
動作点は粘着領域に引き戻されることになり、空転の再
発が抑止される。
ような粘着特性になったとする。この場合、加速度指令
に対応する粘着力が得られないとすると、すべり率λが
増加して動作点が空転領域に入り込み、矢印dの方向に
動作点が移る。このとき加速度偏差eがほぼ零で加速度
偏差微分(de/dt)が負の値となった時点で、第一のファ
ジィ推論ブロックのルールによりトルク電流指令を絞り
込むこととなる。その結果、動作点は矢印bの方向へ戻
ろうとするが、加速度偏差eがほぼ零で加速度偏差微分
(de/dt)が正の値となった時点で、第一のファジィ推論
ブロックのトルク電流指令を増やすルールが再び作用す
るために、動作点が粘着領域内に戻りきらず、空転領域
内で往復することになる。そして加速度偏差は振動的と
なり、不安定度の評価指標uは増大するため、第二のフ
ァジィ推論ブロックのルール if u=P then (da'/dt)=P により、加速度指令補正値が出力され、加速度制御系に
対する加速度指令a* は引き下げられる。これにより、
動作点は粘着領域に引き戻されることになり、空転の再
発が抑止される。
【0056】逆に加速度偏差が安定な場合には、第二の
ファジィ推論ブロックのルール if u=Z then (da'/dt)=N によって加速度指令補正値が減じられるため、加速度制
御系に対する加速度指令a* が引き上げられ、電動機ト
ルクを増大させることとなる。以上の第二のファジィ推
論ブロックの作用により粘着特性に応じた適切な加速度
指令が演算され、粘着力を最大限に利用することができ
る。
ファジィ推論ブロックのルール if u=Z then (da'/dt)=N によって加速度指令補正値が減じられるため、加速度制
御系に対する加速度指令a* が引き上げられ、電動機ト
ルクを増大させることとなる。以上の第二のファジィ推
論ブロックの作用により粘着特性に応じた適切な加速度
指令が演算され、粘着力を最大限に利用することができ
る。
【0057】
【実施例】具体的には図1に示した制御ブロック図の部
分を全ディジタル化したものとすることができる。 即
ち、16ビットDSP (ディジタルシグナルプロセッサ)等
の採用により実現することができる。本例において速度
検出器としてパルスジェネレータ(PG)を用いているの
で、速度検出については、ディジタル演算が可能であ
る。また実効電流検出手段102 内部において、電流検出
値をA/D変換器によりディジタル化することによっ
て、次段への信号は全てディジタル演算で処理すること
ができる。更に正規化手段12X 、12Y および16は各入力
を有限ステップに量子化することを兼ねたものである。
したがって、ファジィ推論ブロック13およびファジィ推
論ブロック17に含まれるメンバーシップ関数は0から1
に至る勾配をステップで近似した階段波形として実現で
きる。また、加算点 106 以降のインバータ制御部は別
のマイクロプロセッサを用いたディジタル制御系である
が、より高速、高ビット数のマイクロプロセッサを用い
れば、DSP で構成したファジィ制御部を包含することも
可能である。
分を全ディジタル化したものとすることができる。 即
ち、16ビットDSP (ディジタルシグナルプロセッサ)等
の採用により実現することができる。本例において速度
検出器としてパルスジェネレータ(PG)を用いているの
で、速度検出については、ディジタル演算が可能であ
る。また実効電流検出手段102 内部において、電流検出
値をA/D変換器によりディジタル化することによっ
て、次段への信号は全てディジタル演算で処理すること
ができる。更に正規化手段12X 、12Y および16は各入力
を有限ステップに量子化することを兼ねたものである。
したがって、ファジィ推論ブロック13およびファジィ推
論ブロック17に含まれるメンバーシップ関数は0から1
に至る勾配をステップで近似した階段波形として実現で
きる。また、加算点 106 以降のインバータ制御部は別
のマイクロプロセッサを用いたディジタル制御系である
が、より高速、高ビット数のマイクロプロセッサを用い
れば、DSP で構成したファジィ制御部を包含することも
可能である。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、加速度
制御系をファジィ制御系として構成することにより、従
来の空転検知に基づく再粘着法によるオンオフ的に反復
する問題点を除去し、トルクを連続的に変化させるイン
バータ等を効用し得るものである。さらに加速度偏差の
不安定度から粘着特性上の動作点の位置を推定し、加速
度指令の補正を行い、適切な加速度指令とすることがで
きる。よって、オンオフ動作により生じる平均加速度の
低下を解消するものであり、台車系の振動を励振する可
能性を低減し、ひいては乗り心地の向上をもたらす実用
効果は極めて顕著である。
制御系をファジィ制御系として構成することにより、従
来の空転検知に基づく再粘着法によるオンオフ的に反復
する問題点を除去し、トルクを連続的に変化させるイン
バータ等を効用し得るものである。さらに加速度偏差の
不安定度から粘着特性上の動作点の位置を推定し、加速
度指令の補正を行い、適切な加速度指令とすることがで
きる。よって、オンオフ動作により生じる平均加速度の
低下を解消するものであり、台車系の振動を励振する可
能性を低減し、ひいては乗り心地の向上をもたらす実用
効果は極めて顕著である。
【図1】本発明の基本技術思想の理解を容易にするため
示した粘着制御システム例のブロック図である。
示した粘着制御システム例のブロック図である。
【図2】加速度偏差のメンバーシップ関数を示す図であ
る。
る。
【図3】加速度偏差微分のメンバーシップ関数を示す図
である。
である。
【図4】トルク電流指令微分のメンバーシップ関数を示
す図である。
す図である。
【図5】加速度偏差の不安定度のメンバーシップ関数を
表す図である。
表す図である。
【図6】加速度指令補正値微分のメンバーシップ関数を
表す図である。
表す図である。
【図7】従来の再粘着制御を用いたVVVFインバータ
の制御回路を示すブロック図である。
の制御回路を示すブロック図である。
【図8】乾燥時での粘着特性を示す図ある。
【図9】湿潤状態にあるときの粘着特性を示す図ある。
【図10】加速度制御での応答波形を示す図である。
1 電気車 101 インバータ 2A〜2D 誘導電動機 3A〜3D 動輪 4A〜4D 電動機速度検出器(PG) 5A〜5D 電動機周波数演算手段 6A〜6D, 11 微分器 7A〜7D 変換手段 8 動輪周加速度選択手段 9 計画加速度発生手段 12X, 12Y, 16 正規化手段 13 第一のファジィ推論ブロック 14, 18 積分器 15 不安定度評価手段 17 第二のファジィ推論ブロック 102 実効電流検出手段 103 トルク電流演算手段 104 トルク電流パターン発生手段 107 電流制御手段 108 電動機周波数選択手段 111 除算器 110 V/f比 112 一次遅れフィルタ 113 空転検知手段 114 コンパレータ手段 115 トルク電流修正パターン発生手段
Claims (1)
- 【請求項1】 可変電圧可変周波数インバータによる誘
導電動機のトルク制御により駆動および制動力を発生す
る電気車において、車両の加速度指令を発生する手段
と、動輪周速度を検出する手段と、前記動輪周速度の時
間微分値すなわち動輪周加速度を演算する手段と、前記
車両の加速度指令と前記動輪周加速度との偏差および偏
差の時間微分値を演算する手段と、当該加速度偏差と加
速度偏差の時間微分値を前件部変数とし、電動機のトル
ク指令を後件部変数として前記動輪周加速度が前記車両
の加速度指令に追従するように電動機トルクの制御を行
う第一のファジィ推論手段と、前記加速度偏差の不安定
度を評価する手段と、当該加速度偏差の不安定度を前件
部変数とし、前記車両の加速度指令に対する補正値を後
件部変数として、前記車両の加速度指令を粘着状態に応
じた適切な値に補正する第二のファジィ推論手段とを設
けるようにしたことを特徴とする電気車制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3255235A JPH05103402A (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | 電気車制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3255235A JPH05103402A (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | 電気車制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05103402A true JPH05103402A (ja) | 1993-04-23 |
Family
ID=17275914
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3255235A Pending JPH05103402A (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | 電気車制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05103402A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1995000355A1 (de) * | 1993-06-26 | 1995-01-05 | Abb Research Ltd | Verfahren und vorrichtung zur schlupfregelung |
JPH07225894A (ja) * | 1994-02-15 | 1995-08-22 | Toshiba Corp | 車両用走行制御装置とその制御知識獲得方法 |
-
1991
- 1991-10-02 JP JP3255235A patent/JPH05103402A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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