JPH07225894A - 車両用走行制御装置とその制御知識獲得方法 - Google Patents

車両用走行制御装置とその制御知識獲得方法

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JPH07225894A
JPH07225894A JP6018760A JP1876094A JPH07225894A JP H07225894 A JPH07225894 A JP H07225894A JP 6018760 A JP6018760 A JP 6018760A JP 1876094 A JP1876094 A JP 1876094A JP H07225894 A JPH07225894 A JP H07225894A
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JP
Japan
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vehicle
data
correction
standard
rule
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JP6018760A
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English (en)
Inventor
Koichiro Tamagawa
浩一郎 玉川
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の主たる目的は、変動に対応した操作量
の修正を行うための車両用走行制御装置を提供すること
にあり、本発明の他の目的は、特定な状況の走行能力を
高め、簡単に、かつ有効な制御を行うための車両用走行
制御装置を提供することにある。 【構成】運転知識に基づいて自動運転を行う制御装置に
おいて、車両の走行状況を示す走行データを検出する走
行データ検出部106と、前記走行データ検出部から出
力された走行データとを入力し、車両の走行を制御する
ための標準操作量を出力する標準制御部107と、前記
走行データ検出部106からの走行データと前記標準制
御部107からの標準操作量を入力し、前記標準操作量
を補正するための補正操作量を決定する補正制御部10
91 〜109N とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用走行制御知識獲
得方法とこの方法により構築された車両用走行制御装
置、特にファジィルールもしくはニューラルネットワー
クによる学習および構築による知識獲得方法とその装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の自動運転を行う車両用走行制御装
置においては、熟練運転者の運転知識をファジィルール
またはニューラルネットワークに記憶し、その出力によ
って車両に与える操作量を自動的に決定する車両用走行
制御装置が提案されている。このような車両用走行制御
装置を構築する際には、ある特定の車両(標準車両と呼
ぶ)を熟練運転者に運転させ、その間の走行データおよ
び操作データを収集し、これらのデータに基づき、走行
データと操作データの対を入出力とするようなファジィ
ルールやニューラルネットワークを構築し、これらのル
ールに従って車両の運転操作量(標準操作量)を決定す
るという方法がとられている。
【0003】しかし、このようにして得られた標準操作
量を出力する車両用走行制御装置を実際に自動運転する
個々の車両に適用すると、実際に自動運転する個々の車
両ごとにブレーキの効き具合などの車両特性が異なるた
め、適切な走行制御を行えないという問題がある。
【0004】そこで、このような問題を解決するための
従来技術として、車両ごとに専用のルールに基づいた制
御装置を構築する方法が挙げられる。しかし、車両ごと
に制御装置を構築する方法では、自動運転する各車両す
べてに熟練運転手を乗せて標準車両と同じだけのデータ
の収集を行い、専用のルールを構築する必要があるため
に、制御装置の構築に多大なコストが必要となる。
【0005】このような問題を改善するために、特開平
4−194724に記載のように、第1のファジィルー
ルで決定された操作量を、各車両の特性に合わせて修正
して補正操作量を出力する第2のファジィルールを備え
た制御装置が提供されている。
【0006】しかし、この制御装置では、第2のファジ
ィルールが、第1のファジィルールによって決定された
操作量、例えばブレーキの効き具合のみを入力として操
作量の修正を行うものにすぎないので、車両がおかれた
様々な状況に対応して標準操作量の修正を行うことがで
きない。特に、個々の車両自体の特性の相違は、各種の
テストから得ることはできても、車両がおかれた状態に
依存する車両特性の変動については現実にその車両をい
ろいろな状況で運転してみなければ判明しないので、前
記の従来技術のように第1のファジィルールで決定され
たある操作量についてのみ補正を行う方法では、現実の
車両運転時に生じる様々な状況の変化に応じて標準操作
量を適切に修正することは不可能である。
【0007】このため、ある車両は高速運転中は著しく
減速性能が低下し、別の車両は降水量等に応じて著しく
加減速性能が低下する等といった、速度や加速度、路面
の勾配や降水量等に応じて変動する車両特性の相違の影
響に対応した標準操作量の修正は、従来の制御装置では
困難であるという問題があった。
【0008】さらに、車両走行を制御する場合に、通常
の走行状態と、加速時、減速時、停止時、雨天走行時、
ダイヤの過密時、遅れの回復時などのような特別な走行
状態とでは標準操作量に対する補正操作量も異なってく
るので、画一的なルールで補正量を決定することは適切
な方法ではなかった。例えば、駅での停車動作において
は高精度の定位置停止制御が要求されるが、このような
高精度の制御を自動運転の全般に行うことは不要であ
り、またコストの面から考えても実際的ではなかった。
【0009】その上、従来の技術では、車両の走行状態
の検出は、車輪軸の回転速度に基づいた速度センサなど
のように、車両に搭載されている各種のデータ検出装置
を利用して車両の現状を把握しているが、このような車
両各部に設けられたセンサを単独で使用した場合に誤差
の発生は避けられず、正確な制御が行えない場合もあ
る。例えば、車両の加速・減速時には車輪の空転・滑走
が生じやすいが、前記のように車軸の回転速度に基づい
て車両の速度を演算する速度センサからの入力データに
従って標準操作量や補正操作量を決定すると、実速度に
応じた制御を行うことができないと言う欠点もあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の問題点を解決するために提案されたもの
で、その目的は、車両がおかれた状況に依存する車両特
性の変動を考慮して標準操作量の補正を行うことが可能
な車両用走行制御装置と、この車両用走行制御装置を構
築するために適した制御知識獲得方法を提供することに
ある。
【0011】すなわち、請求項1の発明の目的は、標準
制御ルールによって決定された標準操作量を、運転中の
車両の走行状況に対応した補正ルールによって決定され
る補正操作量に従って補正することにより、車両の走行
状況に合わせた有効な制御を行うことのできる車両用走
行制御装置を提供することにある。
【0012】請求項2の発明の目的は、車両の走行状況
を判断して補正操作量を決定する場合に、車両の走行状
況の特定の一部、たとえば加速減速時、停止時、遅れ回
復時などの一部分についてのみ、補正操作量を決定する
ことにより、補正ルールの構築を簡単にすると共に、装
置の構成の簡略化を可能とした車両用走行制御装置を提
供することにある。
【0013】請求項3の発明の目的は、補正操作量を決
定する補正制御部を複数設けることにより、複数の特定
の走行状況に対して補正操作量を決定することのできる
車両用走行制御装置を提供することにある。
【0014】請求項4の発明の目的は、車両の走行状況
を走行データ検出部で得られた速度などの車両の走行デ
ータに加えて、路面データ、車両の荷重などの車両その
もののデータ、各走行地点ごとの目標速度データなどの
他種類のデータによって判断することにより、車両の走
行状況を総合的に把握して、正確な標準操作量及び補正
操作量を得ることができるようにした車両用走行制御装
置を提供することにある。
【0015】請求項5の発明の目的は、車両自体に設け
たセンサなどから得られたデータに加えて、車両の周囲
の風景を画像データとして取り込むことにより、車両が
おかれた状況を示す多様なデータを総合的に判断して標
準操作量を補正することが可能な車両用走行制御装置を
提供することにある。
【0016】請求項6の発明の目的は、車両の周囲の風
景中に位置するマークを検出することにより、より精度
の高い標準操作量および補正操作量を出力することが可
能な車両用走行制御装置を提供することにある。
【0017】請求項7の発明の目的は、標準車両を熟練
運転手が運転した場合に得られる操作量教師信号と、個
々の車両について得られる補正操作量教師信号とを別々
に蓄積することにより、すべての車両について共通の標
準制御ルールを構築し、個々の車両ごとにその特性や特
殊な走行状況に合わせて専用の補正制御ルールを構築す
ることで、開発コストの低減を可能とした車両用走行制
御知識の獲得方法を提供することにある。
【0018】請求項8の発明の目的は、標準制御ルール
および補正制御ルールをファジイルールによって構成す
ることにより、熟練運転手の操作感覚に近く、車両の走
行状況に柔軟に対応することのできる車両用走行制御知
識の獲得方法を提供することにある。
【0019】請求項9の発明の目的は、車両の有する多
様な走行状況に対応して得られた熟練運転手の操作量
を、走行データと対応してニューラルネットワークに学
習させることにより、標準制御ルールおよび補正制御ル
ールを構成することにより、、多様な走行状況に適切に
対応することのできる車両用走行制御知識の獲得方法を
提供することにある。
【0020】請求項10の発明の目的は、標準制御ルー
ルおよび補正ルールを構築する際に、データベースに蓄
積されている路面データ、車両データ、目標走行データ
などとの対応関係についても考慮することにより、より
多様な状況に正確に対応することのできる車両用走行制
御知識の獲得方法を提供することにある。
【0021】請求項11の発明の目的は、車両自体から
得られる速度などの走行データだけでは正確な走行状況
が判別し難い状況であっても、視覚センサから入力した
画像データを利用することで、より正確な走行状況を検
出することのできる車両用走行制御知識の獲得方法を提
供することにある。
【0022】請求項12の発明の目的は、各車両をでき
る限り共通の標準制御ルールで運転し、加速時や停止時
などのように特定の状況のみについて補正ルールを構築
することにより、構築すべき補正ルールを極力少ないも
のとして、構築作業の簡略化を可能とした車両用走行制
御知識の獲得方法を提供することにある。
【0023】請求項13の発明の目的は、複数の特定状
況に対応してそれぞれ補正ルールを構築することによ
り、構築すべき補正ルールの単純化と特定状況に対して
効果的に対応するという2つの条件を満足する車両用走
行制御知識の獲得方法を提供することにある。また、特
定状況に対応した複数の補正ルールの中から、現実の車
両の走行状況に該当する補正ルールを自動的に判別する
選択ルールを蓄積することで、特定状況に対応した補正
ルールの選択までも自動化できる車両用走行制御知識の
獲得方法を提供することにある。
【0024】請求項14の発明の目的は、選択ルールの
構築に当たり、データベースに蓄積されている路面デー
タ、車両データ、目標走行データなどとの対応関係につ
いても考慮することにより、より正確な選択を行うこと
のできる車両用走行制御知識の獲得方法を提供すること
にある。
【0025】請求項15の発明の目的は、選択ルールの
構築に当たり、視覚センサから入力した画像データも考
慮することにより、より正確な選択を行うことのできる
車両用走行制御知識の獲得方法を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の車両用走行制御装置は、運転中の車両
の走行状況を示す走行データを検出する走行データ検出
部と、標準車両の標準制御ルール構築運転中に得られた
走行データとこの走行データの検出時に熟練運転者が標
準車両を制御した場合に得られた操作量教師信号とに基
づいて構築された標準制御ルールを記憶し、前記走行デ
ータ検出部から出力された被制御車両の走行データを入
力し、この走行データと記憶されている標準制御ルール
に従って決定された標準操作量を出力する標準制御部
と、被制御車両の補正ルール構築運転中に前記標準操作
量に従って運転されている間に得られた被制御車両の走
行データと、この走行データに対応して熟練運転者が標
準操作量を補正するように補正ルール構築運転中の被制
御車両を制御した場合に得られた補正操作量教師信号と
に基づいて構築された補正ルールを記憶し、かつ、前記
走行データ検出部から出力された自動運転中の被制御車
両の走行データと前記標準制御部からの標準操作量を入
力し、この走行データと標準操作量および記憶されてい
る補正ルールに従って決定された補正操作量を出力する
補正制御部とを備えたことを特徴とする。
【0027】請求項2の車両用走行制御装置は、前記補
正制御部が、標準制御ルールに従って運転される被制御
車両の走行状況の中で、特定の走行状況のみに関して構
築された補正ルールに従って、補正操作量を出力するも
のである。
【0028】請求項3の車両用走行制御装置は、前記補
正制御部が複数設けられ、被制御車両の自動運転中に入
力された走行データに基づき、これら複数の補正制御部
を選択する補正制御部選択部を備えている。
【0029】請求項4の車両用走行制御装置は、複数の
路面の状況を示す路面データを自動運転中の被制御車両
の現在位置を示すデータに基づき選択して出力する路面
データ記憶部と、自動運転が行われている際の被制御車
両の状態を示す車両データをデータの変動に伴って更新
しつつ記憶して最新データを出力する車両データ記憶
部、および記憶された一つまたは複数の目標走行データ
を被制御車両の自動運転中に入力された走行データに基
づき選択して出力する目標走行データ記憶部を有するデ
ータベース部が設けられ、このデータベース部の出力側
に前記標準制御部および補正制御部が接続され、前記標
準制御部および補正制御部に記憶されている標準制御ル
ールと補正ルールがこれらデータベース部からのデータ
を考慮して標準操作量および補正操作量を決定するもの
である。
【0030】請求項5の車両用走行制御装置は、被制御
車両の周囲の風景を画像データとして検出する視覚セン
サを備え、この視覚センサの出力側に前記標準制御部お
よび補正制御部が接続され、前記標準制御部および補正
制御部が、これに記憶されている標準制御ルールと補正
ルールが前記視覚センサからの画像データを考慮して標
準操作量および補正操作量を決定するものである。
【0031】請求項6の車両用走行制御装置は、被制御
車両の周囲の風景中に位置するマークを周囲の風景と共
に画像データとして検出する視覚センサと、視覚センサ
による画像データの検出時に対応する走行データを検出
する走行データ検出部と、前記走行データ検出部からの
走行データと前記視覚センサによって検出された画像デ
ータを蓄積し、この蓄積されている画像データと被制御
車両の自動運転時に視覚センサから得られた画像データ
とを比較し、前記画像データ中におけるマークに関する
情報をマークデータとして前記標準制御部および補正制
御部前処理部に出力する前処理部とを備え、前記標準制
御部および補正制御部が、これに記憶されている標準制
御ルールと補正ルールが前記視覚センサからのマークデ
ータを考慮して標準操作量および補正操作量を決定する
ものである。
【0032】請求項7の車両用走行制御知識獲得方法
は、標準車両を熟練運転者が運転した時の標準車両の走
行状況を示す走行データと、前記走行データの下でこの
標準車両を熟練運転者が運転した時に前記標準車両に出
力する操作量教師信号との両者の対応関係を蓄積し、被
制御車両の運転時に被制御車両の走行状況を示す走行デ
ータが検出された場合に、検出された走行データに対応
する操作量教師信号と同様の操作量を標準操作量として
決定する標準制御ルールを構築し、被制御車両を前記標
準制御ルールで決定された標準操作量に基づいて自動運
転した場合に、被制御車両の走行状況を示す走行データ
と、この走行データの下でこの被制御車両を熟練運転者
が標準操作量を補正しながら運転する際に出力する補正
操作量教師信号と、前記標準操作量との対応関係を蓄積
し、被制御車両の運転時に被制御車両の走行状況を示す
走行データが検出された場合に、検出された走行データ
に対応する補正操作量教師信号と同様の操作量を補正操
作量として決定する補正ルールを構築することを特徴と
する。
【0033】請求項8の車両用走行制御知識獲得方法
は、前記標準制御ルールおよび補正ルールを、走行デー
タと操作量教師信号あるいは補正操作量教師信号との対
応関係をファジィルールによって構成することを特徴と
する。
【0034】請求項9の車両用走行制御知識獲得方法
は、前記標準制御ルールおよび補正ルールを、走行デー
タと操作量教師信号あるいは補正操作量教師信号との対
応関係をニューラルネットワークで学習させることによ
って構成することを特徴とする。
【0035】請求項10の車両用走行制御知識獲得方法
は、前記標準制御ルールおよび補正ルールを構築する際
に、操作量教師信号および補正操作量教師信号と、路面
データ、車両データ、目標走行データのうちの一部ある
いはすべてのデータとの対応関係を蓄積することを特徴
とする。
【0036】請求項11の車両用走行制御知識獲得方法
は、前記標準制御ルールおよび補正ルールを構築する際
に、操作量教師信号および補正操作量教師信号と、視覚
センサから入力した画像データとの対応関係を蓄積する
ことを特徴とする。
【0037】請求項12の車両用走行制御知識獲得方法
は、前記補正ルールを構築する際に、標準制御ルールに
従って運転される被制御車両の走行状況の中で、特定の
走行状況のみに関して補正ルールを構築することを特徴
とする。
【0038】請求項13の車両用走行制御知識獲得方法
は、前記補正ルールを構築する際に、標準制御ルールに
従って運転される被制御車両の走行状況の中で、複数の
特定の走行状況に関してそれぞれ専用の補正ルールを構
築し、さらに、標準制御ルールに従って運転される被制
御車両の走行データ検出手段から得られる走行データと
前記複数の特定の走行状況との対応関係から、被制御車
両の複数の特定の走行状況に対応する補正ルールを選択
するための選択ルールを構築することを特徴とする。
【0039】請求項14の車両用走行制御知識獲得方法
は、前記選択ルールを構築する際に、補正ルールと、路
面データ、車両データ、目標走行データのうちの一部あ
るいはすべてのデータとの対応関係を蓄積することを特
徴とする。
【0040】請求項15の車両用走行制御知識獲得方法
は、前記選択ルールを構築する際に、補正ルールと、視
覚センサから入力した画像データとの対応関係を蓄積す
ることを特徴とする。
【0041】
【作用】上記のような構成を有する請求項1の発明で
は、被制御車両の走行時において、走行データ検出部で
検出された車両の速度、現在位置、天候、時刻、時刻表
に対する進みあるいは遅れ具合などの走行データが標準
制御部に入力される。この場合、走行データ検出部は、
被制御車両上だけでなく、被制御車両の走行経路の周辺
や車両コントロールセンターの中央制御盤などに分散し
て設けられていても良い。標準制御部では、入力された
走行データを記憶されている標準制御ルールとを比較し
て、標準車両を同じ走行データの下で熟練運転手が運転
した場合に出力する操作量教師信号と同じ標準操作量を
出力する。
【0042】一方、走行データ検出部で得られた走行デ
ータは標準制御部と同時に補正制御部にも入力され、補
正制御部で記憶されている補正ルールと比較される。こ
の補正制御部には、各走行状況に応じた被制御車両に特
有の補正ルールが記憶されているので、この検出された
走行データと補正ルールとを比較することにより、標準
制御量を補正するための補正操作量が決定される。その
結果、被制御車両は、基本的には標準操作量に従うと共
に、特定の走行状況の下では被制御車両に特有の補正操
作量を加味しながら制御されて、自動運転される。
【0043】請求項2の発明では、個々の被制御車両に
走行状況に応じたばらつきがあっても、補正ルールが特
定の走行状況のみに関して構築されているので、停止時
や減速時、あるいは遅れ回復時などのように特定の走行
状況以外では、特に補正操作を行うことなく、標準制御
部からの標準操作量に従って運転制御される。しかし、
厳密な制御が要求される特定の走行状況では、補正操作
部から特定の状況に合わせた補正操作量が出力される。
【0044】請求項3の発明では、補正制御部選択部に
よって被制御車両の走行状況に合わせて複数の補正制御
部の中から、現在被制御車両がおかれている走行状況の
中でもっとも適した補正制御部を選択する。たとえば、
補正制御部を、車両の発進時、加速時、停止時、登坂
時、強風・雨天時などの走行状況に合わせて複数用意し
ておき、これらの走行状況に合わせて適用する補正制御
部を選択する。
【0045】請求項4の発明では、路面データ記憶部に
被制御車両の運転経路上の各地点の路面状況、たとえば
カーブの曲率・勾配・ポイント位置・信号・交差点や踏
切・レールの使用年数・舗装路や道床の種類、その他の
路面データを蓄積しておく。車両データ記憶部には、被
制御車両の荷重・車両の重量・出力・加速力・ブレーキ
力・最高速度・車両編成など、各々の被制御車両に固有
のデータを蓄積しておく。目標走行データ記憶部には、
各地点での目標速度や時刻・最高速度・最低速度・許容
される進みや遅れ具合、特定の天候や時刻における同様
なデータ、他の車両や駅を通過する時刻や位置など、被
制御車両が走行する場合に、その走行が適切に行われて
いるか否かを判定するのに役立つデータが記憶されてい
る。これら各データ記憶部はデータベースを構成してお
り、被制御車両の走行前にあらかじめ蓄積されるもの
と、被制御車両の走行データ検出部から得られた走行デ
ータによって刻々と更新されるものとを含んでいる。
【0046】そして、請求項4の発明では、このような
データベースからの各種のデータと、走行データ検出部
から得られた被制御車両の走行状況を示す走行データと
が、標準制御部と補正制御部に入力され、これらの各デ
ータを考慮して、標準操作量と補正操作量が決定され
る。
【0047】請求項5の発明では、走行データ検出部か
らの走行データに加え、視覚センサから入力された走行
経路周囲の風景に関する画像データが、標準制御部およ
び補正制御部に入力される。視覚センサでとらえる画像
データとしては、走行経路の全範囲にわたるものを利用
しても良いが、たとえば、トンネル・信号・踏切・駅・
ポイントなど特徴のあるものを用いることができる。こ
の画像データは、それが得られた時刻や地点などの走行
データと共に標準制御部や補正制御部に入力され、標準
車両の運転時に標準制御部や補正制御部にあらかじめ蓄
積された標準画像データとの相違点などが、標準制御ル
ールや補正ルールによって標準操作量や補正操作量を決
定する場合に考慮される。従って、被制御車両上や走行
経路の周囲に配置された走行データ検出部から得られる
走行データだけでは走行状況の正確な判断が困難な場合
であっても、走行状況を正確に把握することができる。
【0048】請求項6の発明では、視覚センサによって
得られた画像データ中のマークデータが標準制御部およ
び補正制御部に入力される。マークデータは、一般的な
風景の画像データに比較してその位置や態様を特定しや
すいので、このマークデータを基準にすると標準制御ル
ールや補正ルールによって簡単かつ正確に標準操作量や
補正操作量を決定することができる。
【0049】請求項7の発明では、熟練運転者が標準車
両を運転した時の標準車両の走行状況を示す走行データ
と、その走行データの下で熟練運転者が出力した操作量
教師信号の対応関係を蓄積することで、標準制御ルール
を構築する。この標準制御ルールは、個々の被制御車両
に共通な標準制御ルールとして個々の被制御車両の標準
制御部に蓄積される。一方、個々の被制御車両について
は、同じ走行状況の下でもそれぞれ特性が異なることか
ら、標準制御ルールに従って運転させた場合でも希望す
る制御が行えない場合がある。そこで、標準制御ルール
による自動運転下で熟練運転者によって適当な補正を行
いながら運転する。この補正運転時に得られた補正操作
量教師信号と、その補正操作量教師信号が出力された場
合の走行データとの対応関係を補正ルールとして補正制
御部に蓄積する。その結果、個々の車両ごとに専用の制
御ルールを構築することなく、共通の制御ルールに個々
の被制御車両の特性に合わせた補正ルールを蓄積するだ
けの作業で、個々の被制御車両に適した走行制御知識の
獲得する。
【0050】請求項8の発明では、走行データと操作量
教師信号あるいは補正操作量教師信号との対応関係をフ
ァジィルールによって構成することで、また、請求項9
の発明ではニューラルネットワークで学習させること
で、熟練運転手の教師信号というファジィなデータを利
用し、しかも多種多様な走行状況に的確に対応すること
のできる走行制御知識を獲得する。
【0051】請求項10の発明では、路面データ、車両
データ、目標走行データなどの蓄積あるいは刻々と更新
されるデータを使用し、請求項11の発明では視覚セン
サから入力される画像データを使用することで、走行状
況のより多面的なデータを有する走行制御知識を獲得す
る。
【0052】請求項12の発明では、走行制御知識を獲
得する際に、特定の走行状況のみに関して補正ルールを
構築する。すなわち、自動運転する場合、標準制御ルー
ルはたとえ簡単なルールであっても走行経路の全範囲に
わたって構築する必要があるが、自動運転する場合走行
経路のほとんどの部分では個々の被制御車両の特性の相
違が問題にならない場合もある。その場合でも、個々の
被制御車両の特性が大きな影響を持つ特定の走行状況、
たとえばホームの停止位置に正確に車両を停止させる必
要がある場合や乗客に不快感を与えないように発車する
場合などの状況下では、天候・路面状況・温度・速度な
どによって変化する個々の被制御車両のブレーキの効き
具合や加速性能が重要な問題となる。そこで、請求項1
2の発明では、個々の被制御車両ついて、必要とされる
特定の走行状況についてのみ熟練運転手により補正ルー
ルを蓄積することで、少ない作業でしかも自動運転を行
うのに十分な走行制御知識を獲得する。
【0053】請求項13の発明では、被制御車両の標準
制御ルールによる運転下において、複数の特定の走行状
況に対応して熟練運転者が出力した補正操作量教師信号
に基づいて、各特定の走行状況ごとに専用の補正ルール
を構築する。そして、被制御車両が複数の特定の走行状
況の中のどのような走行状況にあるかを、走行データ検
出手段から得られた走行データと比較することで判別す
る選択ルールも、構築する。これら複数の補正ルールと
それを自動的に選択する選択ルールとに基づいて、より
複雑な状況下でも対応できる走行制御知識を獲得する。
【0054】請求項14の発明では、路面データ、車両
データ、目標走行データなどの蓄積あるいは刻々と更新
されるデータを使用し、請求項15の発明では視覚セン
サから入力される画像データを使用することで、多面的
な走行状況であっても適切に補正ルールを選択すること
ができる選択ルールを有する走行制御知識を獲得する。
【0055】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に従って具体的
に説明する。
【0056】(1)第1実施例の構成 第1実施例の構成を図1に示す。図において、11は第
1実施例の車両用走行制御装置で、獲得された運転知識
に基づいて決定された標準操作量および補正操作量に従
って、この車両用走行制御装置11を備えた被制御車両
110の自動運転が行われる。
【0057】101は車両上に設置され、車両走行中に
周囲の風景および車両の走行する周囲の鉄道施設や他の
車両などにあらかじめ設置しておいたマーク(目印)
を、画像データ(a) として検出する視覚センサである。
この視覚センサ101としては、一般にビデオカメラが
使用され、一例として、図3(a)に示すように車両前
部に設置されたり、車両の側面に設置される。この視覚
センサ101によって検出する画像データ(a) は、一例
として、図4に示すようなものである。すなわち、図4
(a)〜(c)において、101aはマークを示し、1
01bはプラットフォーム、101cは他の車両を示
す。図4(a)は車両前部に設置したカメラ101がプ
ラットフォーム101b上方にあるマーク101aをと
らえた画像データ、図4(b)は車両側面に設置したカ
メラがプラットフォーム上方にあるマークをとらえた画
像データ、図4(c)は車両前方に設置したカメラが並
走車両101cに設置されたマークをとらえた画像デー
タである。
【0058】102は、前記視覚センサ101から入力
した画像データ(a) に基づいて位置座標データを演算
し、後段の各制御部に出力するための前処理部である。
この前処理部102では、前記図4に示したような画像
データ(a) から車両の走行する周囲の鉄道施設あるいは
車両にあらかじめ設置したマークのうち、現在位置にお
いて抽出すべきであるとあらかじめ定められているマー
クを抽出し、マークの画像データ(a) 上での位置(座
標)(px ,py )、あるいは複数の画像データ上にお
けるマークの位置の差異(Δpx ,Δpy )を求め出力
する。
【0059】103は路面データ記憶部で、この路面デ
ータ記憶部103には車両が走行する各地点における路
面の勾配g(l)や降水量などの路面データ(b) が記憶さ
れ、自動運転走行中に走行データ(e) の一部である現在
位置が入力されるとその地点における路面データ(b) を
各制御部に出力する。
【0060】104は車両データ記憶部で、この車両デ
ータ記憶部104は、走行中の車両荷重wt などの車両
データを適宜更新しながら記憶し、常に最新の車両デー
タ(c) を各制御部に出力する。105は目標走行データ
記憶部で、この目標走行データ記憶部105は、車両が
走行する各地点における目標走行速度vref(l) 等の目標
走行データ(f) が記憶されており、自動運転走行中に走
行データ(e) の一部である現在位置が入力されるとその
地点における目標走行データ(d) を各制御部に出力す
る。第1実施例においては、これらの路面データ記憶部
103、車両データ記憶部104、目標走行データ記憶
部105が、データベース部109を構成している。
【0061】106は走行データ検出部で、この走行デ
ータ検出部106は、現在車両が走行している際の現在
位置あるいは走行速度といったデータを検出し、走行デ
ータ(e) として前処理部102、路面データ記憶部10
4、走行データ記憶部105および各制御部に出力す
る。
【0062】107は標準制御部で、この標準制御部1
07は、前処理部102、路面データ記憶部103、車
両データ記憶部104、目標走行データ記憶部105、
走行データ検出部106から各種データを入力し、標準
車両を熟練運転者が運転する際の運転知識に基づいて定
められたファジィルール(以下標準制御ルールと呼ぶ)
に従って決定された操作量(以下標準操作量と呼ぶ)
を、被制御車両110に出力する。すなわち、この標準
制御部107には、熟練運転者に標準車両を運転させ、
この運転時に得られた各種データ(a) 〜(e) と、前記各
種データ(a) 〜(e) が得られた走行条件下で熟練運転者
が出力する操作量(以下、操作量教師信号と呼ぶ)の時
系列データを収集し、これらのデータに従って各走行条
件下における標準操作量を決定する標準制御ルールが蓄
積されている。
【0063】108は補正制御部選択部で、この補正制
御部選択部108の入力側は前記前処理部102、各デ
ータ記憶部102〜105および走行データ検出部10
6に接続され、出力側は各補正制御部1091 〜109
N に接続されている。すなわち、この補正制御部選択部
108は、前処理部102、路面データ記憶部103、
車両データ記憶部104、目標走行データ記憶部10
5、走行データ検出部106から各種データを入力し、
入力されたデータから、現在の状況に対応した補正制御
部1091 〜109N を選択するための補正制御信号選
択信号(s) を出力する。
【0064】この補正制御信号選択信号(s) は{0、
1}の値をとるもので、補正制御部1091 〜109N
の数だけある。例えば、補正制御部109i が停止動作
時における標準操作量を補正するためのものである場
合、現在位置などのデータから被制御車両110が停止
すべき状況にあると判断されると補正制御部選択信号(s
i)を1とし、他の補正制御部選択信号(si)〜(si-1),(s
i+1)〜(sN)は0として出力する。
【0065】また、補正制御部選択部108において
は、上記のような状況判断をファジィルール(以下、補
正制御部選択ルールと呼ぶ)によって行い、その結果と
して補正制御部に対する補正制御部選択信号を[0、
1]の連続値として(つまり現在の状況において有効で
あるべき補正制御部に対する補正制御部選択信号の値ほ
ど1に近い)出力するようにしても良い。
【0066】1091 〜109N は補正制御部で、これ
らの補正制御部1091 〜109Nは、各々前処理部1
02、各データ記憶部103〜105および走行データ
検出部106からの各種データと、補正制御部選択部1
08からの該当する補正制御信号選択信号(s) および標
準制御部107から出力された標準操作量を入力する。
そして、被制御車両を熟練運転者が運転する際に標準操
作量を補正するための運転知識に基づいて定められたフ
ァジィルール(以下補正ルールと呼ぶ)によって決定さ
れた標準操作量を補正するための信号(以下補正操作量
と呼ぶ)を被制御車両110に出力する。
【0067】120および121は信号の加算手段で、
前記標準制御部107および各補正制御部1091 〜1
09N からの標準操作量および補正操作量を加算して、
被制御車両110に出力する処理を行う。
【0068】(2)第1実施例の作用 上記のような構成を有する第1実施例の装置における自
動運転の動作を、図2のフローチャートを用いて説明す
る。まず、第1実施例の車両用走行制御装置11の制御
に従って自動運転がされる被制御車両110を発車させ
る(P1)。被制御車両110の発車後、被制御車両1
10が駅に到着したか否かを判断し、駅に到着している
ならばすべての動作を終了(P9)させ、そうでなけれ
ば、次に述べるP3の動作を行う(P2)。すなわち、
被制御車両110を走行させながら、車両に搭載されて
いる視覚センサ101によって走行する車両の周囲の画
像データ(a) を前処理部102に取り込む。また、走行
データ検出部106から、現在車両が走行している際の
現在位置あるいは走行速度といったデータを検出し、走
行データ(e) として前処理部102に入力する。同時
に、路面データ記憶部103、車両データ記憶部10
4、目標走行データ記憶部105、走行データ検出部1
06が、既に記憶しているデータと現在車両が走行して
いる状態の走行データ(e) に基づいて得られたデータと
を、各制御部107〜109に出力する。(P3)。視
覚センサ101から画像データ(a) が入力された前処理
部102では、画像データ(a) からマークを抽出し、マ
ークの画像データ(a) 上での位置とそれ以前に入力した
画像データ上の当該マークの位置との差異を求めて出力
する(P4)。
【0069】標準制御部107では、前処理部102、
路面データ記憶部103、車両データ記憶部104、目
標走行データ記憶部105、走行データ検出部106よ
り各種データを入力し、標準ルールによる推論によって
標準操作量を決定して出力する(P5)。また、補正制
御部選択部108では、同様に前処理部102、路面デ
ータ記憶部103、車両データ記憶部104、目標走行
データ記憶部105、走行データ検出部106より各種
データを入力し、補正制御部選択ルールにより状況を判
断し補正制御部選択信号(s1)〜(sN)を出力する(P
6)。補正制御部1091 〜109N では、前処理部1
02、路面データ記憶部103、車両データ記憶部10
4、目標走行データ記憶部105、走行データ検出部1
06より各種データを入力し、補正制御部選択信号(s1)
〜(sN)による制御に従い、補正ルールによる推論によっ
て補正操作量を決定して出力する(P7)。加算手段1
20および121では標準操作量に補正操作量を加えて
実際に被制御車両110に与える操作量を決定し出力す
る(P8)。この後、再びP2の動作を行う。
【0070】(3)各ルールの具体的な説明 上述のように第1実施例では、標準制御ルール、補正ル
ールおよび補正制御部選択ルールという制御量決定のた
めに重要な役割を果たすファジィルールが使用されてい
るが、以下これらの各ルールについて具体的に説明す
る。
【0071】標準制御ルール 標準制御部107における標準操作量を決定するための
標準制御ルールについて説明する。このルールは、第1
実施例の制御装置に従って車両の自動運転を行う場合
に、前処理部102、路面データ記憶部103、車両デ
ータ記憶部104、目標走行データ記憶部105、走行
データ検出部106より各種データを入力した標準制御
部107が、あらかじめ記憶されている標準車両の走行
条件と前記各種データに基づいて得られた自動運転車両
の現実の走行条件とを比較し、あらかじめ記憶されてい
る操作量教師信号と同様の標準操作量を出力するための
ルールである。
【0072】具体的な標準制御ルールは、以下のような
ルールで構成されている。 Rule 1:If v is Mv and vref(l) is Bvref then u'
is PBu' Rule 2:If v is Mv and vref(l) is Mvref and g
(l) is NBg then u'is Zu' ここで、B,M,S,PB,PM,PS,Z,NS,N
M,NBは各データの大きさを評価するファジィラベル
であり、それぞれ、Big、Medium、Smal
l、Positive Big、Positive M
edium、Positive Small、Zer
o、Negative Small、Negative
Medium、Negative Bigを表す。ま
た vは速度データを表し、g(l) は路面の勾配データを
表わし、u'は標準操作量を表す。言い替えれば、Rule1
は、「速度が中ぐらいの大きさで、目標走行速度が大き
いならば、標準量操作量を正の大きい値にする。」とい
う意味のルールであり、Rule2は、「速度、目標走行操
作量が中ぐらいの大きさで、路面の勾配が負で大きい
(急な下り坂)ならば、標準量操作量を零にする。」と
いう意味のルールである。
【0073】また、標準制御ルールには画像データ(a)
より抽出されたマークの位置情報、px 、Δpx 等を評
価する次のルールも含まれる。
【0074】Rule 3:If px is STpx and Δpx is
MΔpx then u’ is NSu' ここで、ファジィラベルSTpx はプラットフォームに
設置したマークの画像データ(a) 上におけるX座標px
が、あらかじめ定められた停止位置に車両が停止した時
に検出される画像データ上における値に近いことを意味
し、このルールは、停止位置の寸前では、画像データ
(a) 上のマークの位置(px ,py )、とその移動速度
(Δpx ,Δpy )に基づいて標準操作量u'を決定する
というルールである。
【0075】各ファジィラベルは図5に例示される
[0、1]の値をとるメンバシップ関数で定義され、こ
の関数によって各データの値が各ファジィラベルにどの
程度適合しているかを評価し、ファジィ推論を行う。図
5(a)は、速度vに関するメンバシップ関数を表し、
(b)は加速度αに関するメンバシップ関数を表す。
【0076】ファジィ推論については様々な推論方法が
多くの文献に記述されており、ここでは詳しく述べない
が、どのような推論方法を用いても第1実施例を実現す
ることは可能である。
【0077】補正ルール 補正制御部1091 〜109N における補正ルールにつ
いて説明する。この補正ルールは、前記標準操作量を補
正するような補正操作量を出力するためのルールであ
る。すなわち、車両の自動運転時において、各補正制御
部1091 〜109N には、前処理部102、路面デー
タ記憶部103、車両データ記憶部104、目標走行デ
ータ記憶部105、走行データ検出部106より自動運
転している車両の走行に伴う各種のデータと、前記標準
制御部107から出力された標準操作量が入力されてい
る。各補正制御部1091 〜109N は、入力された各
種のデータに従い、標準車両以外の車両を熟練運転者が
運転する際に標準操作量を補正するための運転知識に基
づいて補正ルールは、以下のようなルールで構成されて
いる。 Rule 1':If v is Bv and u' is NSu' then Δu is
NMΔu このRule1' は、高速運転時に減速性能が低下する車両
に対して「速度が大きくて、標準操作量が負の小さい値
であるならば、補正操作量を負の中ぐらいの大きさの値
にする。」という意味である。このルールで使われるフ
ァジィラベルも図5に示したのと同様に定義され、Δu
は補正操作量を表す。ここでのファジィ推論においても
従来の文献に記載されているどのような推論方法も用い
ることができる。
【0078】補正制御部選択ルール 図1に示す第1実施例のように、定速運転時や停止動作
時といった、ある特定の状況下においてのみ有効な補正
操作量を出力する補正制御部を一つまたは複数備える場
合は、補正制御部選択部108からの補正制御信号選択
信号(s) により、適用する補正制御部109i を選択し
適用する。この補正制御部109i (i=1,2,3,4., …,N
とする)は、各種データ(a) 〜(e) および、標準制御部
107から出力された標準操作量と、補正制御部選択部
108から出力された補正制御部選択信号(si)を入力
し、前述した補正ルールによって補正操作量Δuiを決定
する。
【0079】なお、例えば補正ルールの出力をΔui”と
すると、 Δui=si*Δui”, i=1,2,3,…,N というように、補正制御部選択信号(si)の値に基づいて
実際に出力する補正操作量Δuiを決定する方法もある。
【0080】また、被制御車両110に出力される操作
量uは、両加算手段120および121を用い、
【数1】 と表される。
【0081】(4)各ルールの構築方法 これらの構成に基づいた走行制御装置の構築方法につい
て、図6のフローチャートを用いて説明する。走行制御
装置の構築を開始する場合(P11)、最初に熟練運転
者113に標準車両111を運転させ、標準車両の走行
に伴って得られた各種データ(a) 〜(e) と、熟練運転者
113が各種走行データが得られた状況に応じて標準車
両を制御するために車両の運転装置(たとえば、ブレー
キ、加速手段、操舵装置)に対して出力する操作量(以
下操作量教師信号と呼ぶ)の時系列データを収集する
(P12)。次に、これらの収集した時系列データに基
づいて各種データ(a) 〜(e) と操作量教師信号との対応
関係に基づいて標準制御ルールを作成する(P13)。
すなわち、自動運転している車両が、視覚センサ101
や走行データ検出部106から各種データ(a) 〜(e) を
受け取った場合に、これらの各種データ(a) 〜(e) に対
応して熟練運転手がどのような操作量教師信号を出力し
たかを判定し、この操作量教師信号と同様な標準操作量
を出力するための標準制御ルールを作成する。標準制御
ルールが構築された後は、熟練運転手を乗せた状態で、
標準制御ルールに従って個々の被制御車両を走行させ、
補正ルール用のデータ収集を行う。すなわち、補正ルー
ルの収集の対象となる被制御車両と標準車両とは、入力
された各種データ(a) 〜(e) に対して同じ操作量によっ
て運転を行っても反応が異なるため、標準操作量を補正
する必要がある。そこで、本発明では、標準制御部10
7が標準制御ルールによる推論によって入力された各種
データ(a) 〜(e) に対して標準操作量を出力した場合
に、搭乗している熟練運転者113が標準操作量の補正
を行いながら運転を行う。このようにして被制御車両の
走行時に得られる各種データ(a) 〜(e) と、これに対応
して熟練運転手が行った補正操作量(以下、補正操作量
教師信号と呼ぶ)の時系列データを収集する(P1
4)。
【0082】このようにして得られた各種データ(a) 〜
(e) と、この各種データ(a) 〜(e)の存在下における標
準制御部107から出力された標準操作量と、熟練運転
者113から出力された補正操作量教師信号を用い、こ
れらの対応関係に基づいて補正ルールを作成する(P1
5)。その後、標準制御部107から出力される標準操
作量を補正制御部1091 〜109N から出力される補
正操作量が補正するように、両操作量を接続する(P1
6)。すなわち、入力された各種データ(a) 〜(e) およ
び標準制御部107から出力された標準操作量に対し
て、補正制御部1091 〜109N が前記補正ルールに
基づく推論によって熟練運転者113と同様な補正操作
量を出力することで、標準制御部107から出力される
標準操作量を補正制御部1091 〜109N から出力さ
れる補正操作量が補正するように両者を接続して制御装
置を構築する。
【0083】このとき、停止動作時といったある特定状
況下のみ有効な補正制御部を構築する際は、その状況下
における時系列データのみを使用する。すなわち、第1
実施例では、特定の状況に合わせて複数の補正制御部1
091 〜109N が設けられているので、熟練運転者の
運転によって得られた各種データ(a) 〜(e) 、標準制御
部107から出力された標準操作量と、熟練運転者11
3から出力された補正操作量教師信号との対応関係のう
ち、停止動作時のデータのみに基づいて補正ルールを作
成する。このように構築された補正制御部1091 〜1
09N のうち、現在の状況に対応した補正制御部109
i から出力される補正操作量のみが標準操作量を補正す
るように標準制御部と補正制御部109i を接続して車
両用走行制御装置を構成する。
【0084】また、このように複数の補正制御部109
1 〜109N が設けられている場合、どの補正制御部1
091 〜109N を選択するかという補正制御部選択ル
ールも、前記補正ルールと同様な手法で構築する。
【0085】(5)第2実施例 次に、本発明の第2実施例を図7ないし図9により説明
する。この第2実施例は、車両用走行制御装置自体の基
本的構成は前記図1の第1実施例と同様であるが、標準
制御部107および補正制御部109に構築されている
標準制御ルールおよび補正ルールが、図7に示すように
複数の層からなるニューラルネットワークによって構成
されている。すなわち、図7は、標準制御部107に入
力されたデータとこのデータに基づいて標準制御ルール
により決定される標準操作量の流れを示す図である。こ
の標準制御部107においては、第1層のユニットに各
種データ(a) 〜(e) に該当する走行データ(速度v)、
路面データ(勾配g(l)、カーブc(l))、車両データ(車
両荷重wt)、目標走行データ(目標速度vref)、画像デ
ータもしくは画像データ上でのマークの位置情報(p1
x,p1y,Δp1x,Δp1y)を入力すると、各層のユニ
ット間の結合荷重Wに従って、第2層、第3層・・と、
各層のユニットの活性値が演算されて出力層のユニット
から標準操作量が出力される。なお、結合荷重Wによる
ニューラルネットワーク内の演算については、すでに多
くの文献に記載されているので省略する。
【0086】ところで、標準制御部107および補正制
御部109に蓄積する標準制御ルールおよび補正ルール
をニューラルネットワークで構成する場合には、図8お
よび図9に示すように、標準制御部107および補正制
御部109にそれぞれ標準制御部調節部114あるいは
補正制御部調節部115を設ける。そして、熟練運転手
が標準車両あるいは被制御車両を運転した場合の操作量
教師信号あるいは補正操作量教師信号に基づき、これら
調節部114,115から結合荷重修正値ΔWを標準制
御部107および補正制御部109にフィードバックさ
せることで、各種データ(a) 〜(e) の変化に対応した標
準制御ルールおよび補正ルールをニューラルネットワー
クで構成する。
【0087】すなわち、図8は標準制御部107におけ
るニューラルネットワークによる標準制御ルールの構築
時の構成を示すもので、図8において、111は熟練運
転者によって運転が行われる標準車両であり、112は
走行データ検出部106から出力された走行データを表
示するための計器である。113は熟練運転手であっ
て、この熟練運転手113は計器112により表示され
た走行データ表示および車窓からの風景に基づいて運転
を行い、この運転に際して標準車両111に操作量教師
信号を出力する。また、標準制御部107には、標準車
両11の走行時に標準操作量を出力することができるよ
うに、予測される走行データに対応した標準操作量を出
力するための基礎的な標準制御ルール(各種データ間に
おける結合荷重W)を組み込んでおく。
【0088】114は標準制御部調整部であって、この
標準制御部調整部114は、標準車両11の走行時にお
いて、前記あらかじめ設定されている標準制御ルールに
従って標準制御部107から出力された標準操作量と、
熟練運転者113より出力された操作量教師信号とを比
較し、両者を減算した結果を減算手段122から入力す
る。そして、この標準制御部調整部114は、減算手段
122の出力が少なくなるように、結合荷重修正値ΔW
を標準制御部107にフィードバックする。すなわち、
予測標準操作量と熟練運転者から出力された操作量であ
る操作量教師信号との差eが減少するように結合荷重W
の値を修正することにより、標準制御部107に入力さ
れた各種データ(a) 〜(e) に対応して得られる標準操作
量が熟練運転手の操作量教師信号と極力一致するよう
に、ニューラルネットワークによる標準制御ルールを構
築する。
【0089】一方、図9は、補正制御部109において
ニューラルネットワークに基づく補正ルールの構築する
時の構成を示すものである。この図9において、113
は熟練運転手で、この熟練運転手113は、計器112
により表示された走行データ表示および車窓からの風景
に基づいて被制御車両110を運転し、その際、図8に
よって構築された標準制御部107から出力される標準
操作量を補正する補正操作量教師信号を出力する。一
方、補正制御部109には、標準車両11の走行時に補
正操作量を出力することができるように、予測される走
行データに対応した補正操作量を出力するための基礎的
な補正ルール(各種データ間における結合荷重W)を組
み込んでおく。
【0090】115は補正制御部調整部で、この補正制
御部調整部115は、前記補正制御部109から出力さ
れた補正操作量から熟練運転者113より出力された補
正操作量教師信号を減算した結果を減算手段122から
入力し、減算手段122の出力が少なくなるように結合
荷重修正値ΔWを標準制御部107にフィードバックす
るものである。この補正制御部調整部115も、前記標
準制御部調整部114と同様に、補正制御部が出力した
補正操作量と熟練運転者から出力された補正操作量であ
る補正操作量教師信号との差を減少させるように、ニュ
ーラルネットワーク内の結合荷重値の修正量ΔWを出力
する。このようにすれば、走行状況に応じた各種データ
の入力に対応して熟練運転者による補正操作量教師信号
の出力が繰り返されるごとに、ニーラルネットワークの
結合荷重値が各種のデータに応じて修正され、より緻密
な補正ルールが構築される。
【0091】なお、標準制御部調整部114および補正
制御部115における結合荷重値の修正の決定の方法に
は、バックプロパゲーション法などがあるが、すでに多
くの文献に記載がされているので省略する。
【0092】(6)その他の実施例 その他の実施例としては、第2実施例において標準制御
部の標準制御ルール、補正制御部の補正ルールの内の一
方、または、両方の推論をニューラルネットワークの一
種である連想メモリで構成されるファジィ連想メモリで
行うものもある。
【0093】ファジィ推論をファジィ連想メモリで行う
場合、ファジィルールの後件部(Then部)は前述のよう
な「u is Bu 」といった命題ではなく、「u=u
1」、「u=f(v, l, vref )」といった、実数値
や関数で記述するものである。標準制御ルールの推論を
ファジィ連想メモリで行う場合は、標準制御部107を
図10に示すように構成する。なお、補正制御部109
1 〜109N も同様に構成できる。
【0094】図10において、116は入力データに対
するメンバシップ関数値を演算するメンバシップ関数演
算器であり、117は複数層およびデータが加工された
ユニットから構成される連想メモリである。また、11
8は連想メモリから出力されたデータを演算処理し、標
準操作量を出力するための操作量合成部である。
【0095】このように構成された標準制御部107に
おいては、入力データはまず、それぞれのデータに対す
るメンバシップ関数値が計算され、前件部層117a、
ルール層117b、操作量層117cの3層からなる連
想メモリ117に送られる。前件部層内の前件部ユニッ
ト117dは前件部の各ファジィラベルに対応し、操作
量のうちの操作ユニット117fは後件部の操作量の値
(または関数)に対応し、ルール層内のルールユニット
117eは各ルールに対応し、各層のユニットは、図示
したようにそれぞれ異なる荷重で結合されている。
【0096】この結合荷重に標準制御ルールの前件部
(if部)の各命題(「v is Bv 」など)と各ルール
との結びつき、各ルールと標準制御ルールの後件部(Th
en部)の操作量の値(または実数値)との結びつきの強
さが記憶されており、連想メモリ117の連想動作によ
り、ファジィ推論が行われ、操作量ユニット117fか
ら各操作量の値(または関数値)を合成するための荷重
が出力される。
【0097】このファジィ連想メモリの構築方法、動作
方法についての詳細は、山口・今崎・春木・:「連想記
憶によるファジィルールの推論学習方式」電気学会論文
誌Vol.110-C,no.3,PP.207-215,Mar. 1990. に掲
載されている。
【0098】操作量合成部118においては、次式によ
って標準操作量u'を求める。なお、ui'は、操作量ユニ
ット117fにおけるから各操作量の値でありwi は操
作量層117cの各出力である。
【0099】 u'=Σwi'ui'/Σwi' (i=1..p) 上記のような、連想メモリ117の連想動作を利用した
ファジィ推論には、入力データに対して、ファジィ連想
メモリに記憶されたファジィルールのうち最も適合する
ものの適合度を強めるという特性があるので、通常のフ
ァジィ推論に見られたような、どのルールにも適合度が
低い場合に推論結果が不定になってしまうという不都合
がない。また、ファジィ推論器をファジィ連想メモリで
構成することにより、ファジィ連想メモリのもつ学習機
能を利用して、ファジィルールを洗練し、より熟練運転
者の操作データに適合した標準操作量、補正操作量を得
ることができる。
【0100】また、上述した実施例においては、車両に
与える操作量が連続値をとるものとしたが、操作量が離
散値をとるような方式の車両(数階段のノッチ指令によ
って制御指令を発するような車両)に対しても、本発明
は適用可能である。例えば、上述のように求めた操作量
を離散化して離散制御指令に変換するなどの方法を採れ
ば良い。
【0101】
【発明の効果】以上の通り、本発明は、標準車両を運転
するための運転知識に基づいて標準操作量を出力する標
準制御部と、各車両を運転するための運転知識に基づい
て標準操作量を補正するための補正操作量を出力する補
正制御部によって制御部が構成されているために、補正
制御部は比較的に単純で小規模な構成のファジィルール
またはニューラルネットワークで構成することができた
め、いくつもの車両に車両用走行制御装置を適用する場
合、標準制御部はそのままにして補正制御部のみを車両
特性に合わせて構築すれば良いので、車両用走行制御装
置全体としての開発時間コストが小さい車両用走行制御
装置を提供することができる。
【0102】また、本発明は、補正制御部が走行デー
タ、路面データ、車両データ、目標走行データ、画像デ
ータおよび標準制御部から出力された標準操作量などを
考慮して補正操作量を決定する構成としたので、車両が
おかれた状況に依存する車両特性の変動をも考慮して標
準操作量の補正を行うことが可能な車両用走行制御装置
を提供することができる。
【0103】更に、本発明の他の効果としては、ある特
定の状況に対してのみ対応した補正制御部を設けたの
で、その状況における走行性能を特に高めたい場合に
は、対応する補正制御部のみを調整することで対応で
き、簡単に走行性能の良い車両用走行制御装置を得るこ
とができる。例えば、車両走行中、駅での停止動作のみ
高精度の停止位置制御が要求される場合であっても、停
止動作時に標準操作量の補正を行う補正制御部の補正ル
ールのみを細密なものにすることで対応できる。
【0104】本発明の車両用走行制御装置は、画像デー
タをも標準制御ルール、補正ルールの入力としているの
で、車輪が空転・滑走してしまい車輪の回転速度に基づ
いて車両の速度を演算するような速度センサからの出力
が大きな誤差を生じやすい加速・減速走行時であって
も、画像データにより正確な速度データが得られるの
で、正確な制御動作を行うことが可能であるという効果
を得る。特に空転・滑走が生じやすい加速・減速走行時
や、現在位置の正確な把握が要求される定位置停止制御
時に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用走行制御装置の第1実施例を示
す構成図。
【図2】第1実施例の車両用走行制御装置の動作を示す
フローチャート。
【図3】視覚センサの設置例の外観図。
【図4】画像データの例を示した図。
【図5】メンバシップ関数の一例を表す図。
【図6】車両用走行制御知識獲得方法の実施例のフロー
チャート。
【図7】ニューラルネットワークを用いて構成された標
準制御部の構成を示す図
【図8】ニューラルネットワークを用いて標準制御部を
構築するための構成図。
【図9】ニューラルネットワークを用いて補正制御部を
構築するための構成図。
【図10】ファジィ連想メモリによる標準制御部の構成
を示す図。
【符号の説明】
11…車両用走行制御装置 101…視覚センサ 102…前処理部 103…路面データ記憶部 104…車両データ記憶部 105…目標走行データ記憶部 106…走行データ検出部 107…標準制御部 108…補正制御部選択部 1091 〜109N …補正制御部 110…車両 111…標準車両 112…計器 113…熟練運転者 114…標準制御部調整部 115…補正制御部調整部 116…メンバシップ関数演算器 117…連想メモリ 118…操作量合成部 119…データベース部 120…加算手段 121…加算手段 122…減算手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B62D 6/00 8510−3D B62D 137:00

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】運転中の車両の走行状況を示す走行データ
    を検出する走行データ検出部と、 標準車両の標準制御ルール構築運転中に得られた走行デ
    ータとこの走行データの検出時に熟練運転者が標準車両
    を制御した場合に得られた操作量教師信号とに基づいて
    構築された標準制御ルールを記憶し、前記走行データ検
    出部から出力された被制御車両の走行データを入力し、
    この走行データと記憶されている標準制御ルールに従っ
    て決定された標準操作量を出力する標準制御部と、 被制御車両の補正ルール構築運転中に前記標準操作量に
    従って運転されている間に得られた被制御車両の走行デ
    ータと、この走行データに対応して熟練運転者が標準操
    作量を補正するように補正ルール構築運転中の被制御車
    両を制御した場合に得られた補正操作量教師信号とに基
    づいて構築された補正ルールを記憶し、 かつ、前記走行データ検出部から出力された自動運転中
    の被制御車両の走行データと前記標準制御部からの標準
    操作量を入力し、この走行データと標準操作量および記
    憶されている補正ルールに従って決定された補正操作量
    を出力する補正制御部とを備えたことを特徴とする車両
    用走行制御装置。
  2. 【請求項2】前記補正制御部が、標準制御ルールに従っ
    て運転される被制御車両の走行状況の中で、特定の走行
    状況のみに関して構築された補正ルールに従って、補正
    操作量を出力するものである請求項1記載の車両用走行
    制御装置。
  3. 【請求項3】前記補正制御部が複数設けられ、 被制御車両の自動運転中に入力された走行データに基づ
    き、これら複数の補正制御部を選択する補正制御部選択
    部を備えていることを特徴とする請求項1または請求項
    2記載の車両用走行制御装置。
  4. 【請求項4】複数の路面の状況を示す路面データを自動
    運転中の被制御車両の現在位置を示すデータに基づき選
    択して出力する路面データ記憶部と、自動運転が行われ
    ている際の被制御車両の状態を示す車両データをデータ
    の変動に伴って更新しつつ記憶して最新データを出力す
    る車両データ記憶部、および記憶された一つまたは複数
    の目標走行データを被制御車両の自動運転中に入力され
    た走行データに基づき選択して出力する目標走行データ
    記憶部を有するデータベース部が設けられ、 このデータベース部の出力側に前記標準制御部および補
    正制御部が接続され、 前記標準制御部および補正制御部に記憶されている標準
    制御ルールと補正ルールがこれらデータベース部からの
    データを考慮して標準操作量および補正操作量を決定す
    るものである請求項1、請求項2または請求項3記載の
    車両用走行制御装置。
  5. 【請求項5】被制御車両の周囲の風景を画像データとし
    て検出する視覚センサを備え、この視覚センサの出力側
    に前記標準制御部および補正制御部が接続され、 前記標準制御部および補正制御部が、これに記憶されて
    いる標準制御ルールと補正ルールが前記視覚センサから
    の画像データを考慮して標準操作量および補正操作量を
    決定するものである請求項1、請求項2、請求項3また
    は請求項4記載の車両用走行制御装置。
  6. 【請求項6】被制御車両の周囲の風景中に位置するマー
    クを周囲の風景と共に画像データとして検出する視覚セ
    ンサと、 視覚センサによる画像データの検出時に対応する走行デ
    ータを検出する走行データ検出部と、 前記走行データ検出部からの走行データと前記視覚セン
    サによって検出された画像データを蓄積し、この蓄積さ
    れている画像データと被制御車両の自動運転時に視覚セ
    ンサから得られた画像データとを比較し、前記画像デー
    タ中におけるマークに関する情報をマークデータとして
    前記標準制御部および補正制御部前処理部に出力する前
    処理部とを備え、 前記標準制御部および補正制御部が、これに記憶されて
    いる標準制御ルールと補正ルールが前記視覚センサから
    のマークデータを考慮して標準操作量および補正操作量
    を決定するものである請求項5記載の車両用走行制御装
    置。
  7. 【請求項7】熟練運転者の運転知識に基づいて車両の自
    動運転を行う車両用走行制御装置を構築する知識獲得方
    法において、 標準車両を熟練運転者が運転した時の標準車両の走行状
    況を示す走行データと、前記走行データの下でこの標準
    車両を熟練運転者が運転した時に前記標準車両に出力す
    る操作量教師信号との両者の対応関係を蓄積し、被制御
    車両の運転時に被制御車両の走行状況を示す走行データ
    が検出された場合に、検出された走行データに対応する
    操作量教師信号と同様の操作量を標準操作量として決定
    する標準制御ルールを構築し、 被制御車両を前記標準制御ルールで決定された標準操作
    量に基づいて自動運転した場合に、被制御車両の走行状
    況を示す走行データと、この走行データの下でこの被制
    御車両を熟練運転者が標準操作量を補正しながら運転す
    る際に出力する補正操作量教師信号と、前記標準操作量
    との対応関係を蓄積し、被制御車両の運転時に被制御車
    両の走行状況を示す走行データが検出された場合に、検
    出された走行データに対応する補正操作量教師信号と同
    様の操作量を補正操作量として決定する補正ルールを構
    築することを特徴とする車両用走行制御知識獲得方法。
  8. 【請求項8】前記標準制御ルールおよび補正ルールを、
    走行データと操作量教師信号あるいは補正操作量教師信
    号との対応関係をファジィルールによって構成すること
    を特徴とする請求項7の車両用走行制御知識獲得方法。
  9. 【請求項9】前記標準制御ルールおよび補正ルールを、
    走行データと操作量教師信号あるいは補正操作量教師信
    号との対応関係をニューラルネットワークで学習させる
    ことによって構成することを特徴とする請求項7記載の
    車両用走行制御知識獲得方法。
  10. 【請求項10】前記標準制御ルールおよび補正ルールを
    構築する際に、操作量教師信号および補正操作量教師信
    号と、路面データ、車両データ、目標走行データのうち
    の一部あるいはすべてのデータとの対応関係を蓄積する
    ことを特徴とする請求項7記載の車両用走行制御知識獲
    得方法。
  11. 【請求項11】前記標準制御ルールおよび補正ルールを
    構築する際に、操作量教師信号および補正操作量教師信
    号と、視覚センサから入力した画像データとの対応関係
    を蓄積することを特徴とする請求項7記載の車両用走行
    制御知識獲得方法。
  12. 【請求項12】前記補正ルールを構築する際に、標準制
    御ルールに従って運転される被制御車両の走行状況の中
    で、特定の走行状況のみに関して補正ルールを構築する
    ことを特徴とする請求項7の車両用走行制御知識獲得方
    法。
  13. 【請求項13】前記補正ルールを構築する際に、標準制
    御ルールに従って運転される被制御車両の走行状況の中
    で、複数の特定の走行状況に関してそれぞれ専用の補正
    ルールを構築し、さらに、標準制御ルールに従って運転
    される被制御車両の走行データ検出手段から得られる走
    行データと前記複数の特定の走行状況との対応関係か
    ら、被制御車両の複数の特定の走行状況に対応する補正
    ルールを選択するための選択ルールを構築することを特
    徴とする請求項12の車両用走行制御知識獲得方法。
  14. 【請求項14】前記選択ルールを構築する際に、補正ル
    ールと、路面データ、車両データ、目標走行データのう
    ちの一部あるいはすべてのデータとの対応関係を蓄積す
    ることを特徴とする請求項13記載の車両用走行制御知
    識獲得方法。
  15. 【請求項15】前記選択ルールを構築する際に、補正ル
    ールと、視覚センサから入力した画像データとの対応関
    係を蓄積することを特徴とする請求項13または請求項
    14記載の車両用走行制御知識獲得方法。
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