JPH06219307A - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置

Info

Publication number
JPH06219307A
JPH06219307A JP2863293A JP2863293A JPH06219307A JP H06219307 A JPH06219307 A JP H06219307A JP 2863293 A JP2863293 A JP 2863293A JP 2863293 A JP2863293 A JP 2863293A JP H06219307 A JPH06219307 A JP H06219307A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steering
assist
command value
angular acceleration
fuzzy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2863293A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Ueda
佳弘 上田
Yukio Ogawa
幸男 小川
Koichi Azuma
浩一 東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Omron Corp, Omron Tateisi Electronics Co filed Critical Omron Corp
Priority to JP2863293A priority Critical patent/JPH06219307A/ja
Publication of JPH06219307A publication Critical patent/JPH06219307A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高車速時の手放し戻り時の不安定性を改善さ
せながらも、ハンドル戻り速度を高め、操舵フィーリン
グを改善させる。 【構成】 ファジー演算の非線形性を利用した、位相遅
れが小さく、かつ所定周波数以上の信号を減衰させる濾
波特性を有するファジー演算フィルタ52に、検出舵角
加速度を供給し、これにより抽出された舵角加速度信号
に基づいて慣性制御信号を得る。そして、この慣性制御
信号を操舵アシストモータを制御するアシスト指令値に
正帰還する。これにより、位相遅れの極めて小さい舵角
加速度信号をアシスト指令値に正帰還することができる
ので、十分に加速度正帰還ゲインを高めることが可能に
なる。この結果、操舵ハンドルの手放し時の安定性が向
上し、戻り時の収束速度が速くなり、慣性感の無い良好
な操舵フィーリングが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両に用いて好適な電
動式パワーステアリング装置に係わり、詳しくはモータ
の回転出力によって操舵力を補助する電動式パワーステ
アリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両のパワーステアリング装置と
して油圧式に代えてモータを用いた電動式のものが使用
されており、モータはアクチュエータとして小型、軽量
等の利点から今後とも増加傾向にある。
【0003】従来のパワーステアリング装置では、トク
ルセンサによって操舵系の操舵トルクを検出するととも
に、車速センサによって車速を検出し、これらの検出結
果に基づいて操舵系に連結されたモータの駆動力を制御
し、パワーアシストを行っている。そして、一般的には
車速感応型であり、低車速では軽く、高車速では重くな
るようにトルクセンサ入力に応じてアシスト力を制御し
ている。そして、一般的には速度感応型であり、低車速
では軽く、高車速では重くなるようにトルクセンサ入力
に応じてアシスト力を制御している。
【0004】図11は従来の電動式パワーステアリング
装置の機械系の一例を示す構成図であり、この図におい
て、操舵ハンドル1の回転力はハンドル軸を介してピニ
オンギアを含むステアリングギア2に伝達されるととも
に、上記ピニオンギアによりラック軸3に伝達され、さ
らにナックルアーム等を経て車輪4が転向される。ま
た、コントロール装置5により制御駆動される操舵アシ
スト(補助)モータ(DCモータ)6の回転力はピニオ
ンギアを含むステアリングギア7とラック軸3との噛み
合いによりラック軸3に伝達され、ハンドル1による操
舵を補助することになる。
【0005】ハンドル1とモータ6の回転軸はギア2,
7およびラック軸3により機械的に連結されている。操
舵トルクセンサ11により、操舵トルク(戻りトルク)
が検出され、車速センサ12により車速が検出される。
そして、これらの検出トルク、車速等に基づきコントロ
ール装置5によってモータ6が制御される。コントロー
ル装置5およびモータ6には車両に搭載されたバッテリ
8から、その動作電力が供給される。
【0006】コントロール装置5は図12に示すように
モータ電流検出回路21、モータ6を駆動するモータ駆
動回路22、モータ6の全体的な制御を統括するCPU
23(例えばマイクロプロセッサ)、メモリ24、コン
ピュータと上記入/出力機器とのインターフェース回路
等(図示略)を主に構成されている。
【0007】図12において、操舵トルクセンサ11に
よって検出された操舵トルクはA/D変換回路25によ
ってデジタル信号に変換された後にCPU23に取り込
まれる。また、車速センサ12によって検出された車速
はカウンタ26によってカウントされ、車速を表すカウ
ント値はCPU23に取り込まれる。CPU23は入力
された操舵トルクおよび車速に基づいてアシスト指令を
作成し、それに基づく制御信号をモータ駆動回路22に
出力し、モータ駆動回路22によりモータ6が駆動され
る。この結果、モータ駆動回路22から出力されるアシ
ストトルク値(又はモータ電流指令値)は図13に示す
ように、検出トルクVTと検出車速VSによって定められ
た値となる。
【0008】図13は、操舵トルクVTに応じて、一定
範囲の操舵トルクVTに対してはこれにほぼ比例するモ
ータ電流が流れ(アシストトルクが発生し)、上記範囲
を超えると、ある一定のモータ電流が流れる(アシスト
トルクが発生する)ように、また車速VSに応じて、車
速VSが速いときにはモータ電流(アシストトルク)を
少なくし、車速VSが遅いときにはモータ電流(アシス
トトルク)を多くするように、モータ6を制御するため
のアシスト指令が発生することを表している。
【0009】図12に戻り、モータ電流はモータ電流検
出回路21によって検出され、A/D変換回路27によ
ってデジタル信号に変換された後にCPU23に取り込
まれる。メモリ24はCPU23の処理に必要なプログ
ラムやデータを記憶している。
【0010】このように、操舵トルク検出値および車速
検出値に基づいて操舵アシストモータ6を制御し、操舵
アシストトルクを発生するようにしている。この場合、
モータ6の慣性力により高車速時に手放し安定性が不足
するので、操舵ハンドル1の中立位置近傍においてモー
タ6の制動する制動装置を備えている。この制動装置と
しては例えば実開昭61−169675号公報に開示さ
れている。
【0011】ところで、この制動装置にあっては、高車
速時の手放し戻り時の不安定性を粘性制動によって安定
化するようにしているので、安定性の改善ができるが、
操舵ハンドル1の戻り速度が不足して運転者に不快な操
舵フィーリングを与えるという問題点がある。そこで、
この問題点を解決するために舵角加速度をアシスト指令
値に正帰還する慣性制御部を設けることが提案されてい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな舵角加速度をアシスト指令値に正帰還する方法にあ
っては、正帰還する舵角加速度の検出に際し、ノイズを
除去するためのローパスフィルタを用いる必要があるこ
とと、所定の時間間隔でサンプリングする必要があるこ
とから、アシスト指令値に対して位相遅れを持ったもの
となってしまう。
【0013】位相遅れがある場合、発振等が生ずる恐れ
があることから、図14に示すように加速度正帰還ゲイ
ンを大きくすることができない。このため、十分に慣性
の影響を除去することができないので、操舵ハンドル1
の手放し時の安定性が十分に得られず、ハンドル中立位
置への収束速度が遅く、さらに操舵時の慣性感のために
操舵フィーリングが悪化するという問題点がある。
【0014】そこで本発明は、高車速時の手放し戻り時
の不安定性を改善させながらも、ハンドル戻り速度を高
め、操舵フィーリングを改善させた電動式パワーステア
リング装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明による電動式パワーステアリング装置は、操舵
系に連結され、操舵補助トルクを発生するアシストモー
タと、検出操舵トルク、検出車速に基づいて前記アシス
トモータをアシストするアシスト指令値を作成するアシ
スト指令値作成手段と、前記アシスト指令値に基づいて
前記アシストモータを制御する制御手段と、操舵系の舵
角加速度を検出する舵角加速度検出手段と、前記舵角加
速度検出手段により出力される舵角加速度信号に応じて
前記アシストモータの慣性を補償する慣性制御信号を発
生し、前記アシスト指令値に正帰還する慣性制御手段と
を備えた電動式パワーステアリング装置において、前記
舵角加速度信号を入力とし、位相遅れが少なく、かつ所
定の周波数以上の信号を阻止する濾波特性を有するファ
ジー演算フィルタを設けたことを特徴とする。
【0016】
【作用】本発明では、ファジー演算の非線形性を利用し
た、位相遅れが小さく、かつ所定周波数以上の信号を減
衰させる濾波特性を有するファジー演算フィルタに、検
出舵角加速度信号が供給され、これにより抽出された舵
角加速度信号に基づいて得られる慣性制御信号が操舵ア
シストモータを制御するアシスト指令値に正帰還され
る。
【0017】したがって、位相遅れの小さい舵角加速度
信号に基づいて得られる慣性制御信号をアシスト指令値
に正帰還できるので、十分に加速度正帰還ゲインを高め
ることが可能になる。この結果、操舵ハンドルの手放し
時の安定性が向上し、戻り時の収束速度が速くなり、慣
性感の無い良好な操舵フィーリングが得られる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
1は本発明に係る電動式パワーステアリング装置の一実
施例のコントロール装置5Aに内蔵されたコンピュータ
の各種機能をブロック的に、他の入/出力機器、各種回
路を示すブロックとともに描いたものである。
【0019】この図において、アシスト指令部30には
操舵トルクセンサ11の検出トルクVTと車速センサ1
2の検出車速Vsとが与えられる。アシスト指令部30
内のアシストトルク値指示関数部31は検出トルクVT
に応じてモータ6によって発生すべきアシストトルクを
表す指令値を出力する。
【0020】また、乗算定数関数部32は検出車速Vs
に応じて定数を発生し、この定数が乗算演算部33にお
いて上記アシストトルク指令値に乗じられる。この結
果、乗算演算部33から出力されるアシストトルク値
(又はモータ電流指令値)は図13に示すように、検出
トルクVTと検出車速Vsによって定められた値となる。
【0021】検出トルクVTは位相補償部34にも与え
られ、この位相補償部34によって検出トルクVTの微
分値が乗算演算部33の出力に加算されることにより、
アシスト指令部30の出力(アシスト指令値)となって
電流制御部35に供給される。
【0022】一方、電流制御部35にはアシスト指令部
30の出力の他に、さらに慣性制御部50の出力が加算
される。慣性制御部50は、モータ6のロータ慣性があ
たかも小さくなったかのように制御するもので、急ハン
ドル時にモータ6がハンドルの回転に追従しないことに
より生ずる重さを解消したり、手放し時の戻りスピード
を早くしたりするように作用する。
【0023】慣性制御部50において、舵角加速度セン
サ51により舵角加速度が得られ、この舵角加速度がフ
ァジー演算フィルタ52に与えられる。このファジー演
算フィルタ52でノイズ除去が行われた後、慣性補償部
指示関数部53に与えられる。そして、この慣性補償部
指示関数部53から出力される指令値に乗算演算部54
で適当な定数が乗算されることにより得られる指令値が
アシスト指令部30のアシスト指令値に加算され、電流
制御部35に供給される。
【0024】なお、以下の説明において、図面上は通常
通りに舵角加速度をθを用いて、ダブルドットを文字の
上に付加して表すが、明細書本文ではドット表示が困難
であるため、舵角加速度をAθm(k)≡ηとして適宜表
すことにする。
【0025】図2はファジー演算フィルタ52を示す機
能ブロック図である。この図において、60は第1の前
件部メンバーシップ関数、61は第2の前件部メンバー
シップ関数である。第1の前件部メンバーシップ関数6
0には舵角加速度センサ51より舵角加速度ηが与えら
れる。また、第2の前件部メンバーシップ関数61には
その変化分Δη(舵角加速度Aθm(k)と、この舵角加
速度Aθm(k)を遅延部62にて遅延させた遅延舵角加
速度Aθm(k-1)との差分)が与えられる。63はMI
N_MAX計算部であり、前件部のメンバーシップ関数
に基づく演算を行う。64は後件部であり、重心位置を
求める演算を行う。
【0026】ここで、ファジー演算フィルタ52のファ
ジールールについて説明する。図3(a)、(b)は前
件部のメンバーシップ関数で、そのうち図3(a)は舵
角加速度ηに関するメンバーシップ関数、図3(b)は
変化分Δηに関するメンバーシップ関数である。この場
合、メンバーシップ関数は三角形状のものであるが、こ
れのみならず、任意の形のものを採用しうることは言う
までもない。一方、図3(c)は後件部におけるファジ
ー出力で、シングルトーン位置で表したメンバーシップ
関数である。
【0027】なお、各メンバーシップ関数におけるラベ
ルの意味は、次の通りである。 NB:Negative Big(負に大きい) NM:Negative medium(負にやや大きい) NS:Negative Small(負に小さい) ZO:zero(零) PS:Positive Small(正に小さい) PM:Positive medium(正にやや大きい) PB:Positive Big(正に大きい)
【0028】ファジールールは図4のように示され、式
と用いて表すと、次のようになる。ルールはいわゆるI
F、THEN(もし、ならば)の形式で表現される。 R1.IF 舵角加速度η=PB AND 変化分Δη
=PB THEN ファジー出力=ZO R2.IF 舵角加速度η=PB AND 変化分Δη
=PS THEN ファジー出力=PM
【0029】R3.IF 舵角加速度η=PB AND
変化分Δη=ZO THEN ファジー出力=PM R4.IF 舵角加速度η=PB AND 変化分Δη
=NS THEN ファジー出力=PM R5.IF 舵角加速度η=PB AND 変化分Δη
=NB THEN ファジー出力=ZO
【0030】ファジールールR1は、「もし、舵角加速
度ηが正に大きく、かつ変化分Δηが正に大きい場合に
はファジー出力を零にする。」という意味である。
【0031】また、ファジールールR2は、「もし、舵
角加速度ηが正に大きく、かつ変化分Δηが正に小さい
場合にはファジー出力を正にやや大きくする。」という
意味である。
【0032】また、ファジールールR3は、「もし、舵
角加速度ηが正に大きく、かつ変化分Δηが零の場合に
はファジー出力を正にやや大きくする。」という意味で
ある。
【0033】また、ファジールールR4は、「もし、舵
角加速度ηが正に大きく、かつ変化分Δηが負に小さい
場合にはファジー出力を正にやや大きくする。」という
意味である。
【0034】また、ファジールールR5は、「もし、舵
角加速度ηが正に大きく、かつ変化分Δηが負に大きい
場合にはファジー出力を零にする。」という意味であ
る。以下、他のルールも同様の手法で判断される。
【0035】このファジールールでは、変化分ΔηがP
Bの時と、NBの時と、舵角加速度ηがZOの時とでは
ファジー出力を零にし、舵角加速度ηがPBで、変化分
ΔηがPS,ZO,NSの時ではファジー出力を正に小
さくする。また、舵角加速度ηがPSで、変化分Δηが
PS,ZO,NSの時ではファジー出力を正に小さくす
る。また、舵角加速度ηがNSで、変化分ΔηがPS,
ZO,NSの時ではファジー出力を負に小さくする。ま
た、舵角加速度ηがNBで、変化分ΔηがPS,ZO,
NSの時ではファジー出力を負にやや小さくする。
【0036】図5はファジー演算フィルタ52の特性図
であり、そのうち図5(a)は利得の周波数特性、図5
(b)は位相の周波数特性である。これらの図からわか
るように、ファジー演算フィルタ52は20Hz以上の
周波数の信号を通さず、かつ位相遅れが殆どない濾波特
性を有している。
【0037】これに対し、図6は従来より用いられてい
るデジタルローパスフィルタの特性図であり、そのうち
図6(a)は利得の周波数特性、図6(b)は位相の周
波数特性である。この従来のデジタルローパスフィルタ
では、信号の減衰は2Hzあたりから徐々に行われ、位
相遅れは30Hzで最も大きくなっている。
【0038】このように、ファジー演算フィルタ52は
位相遅れが殆どなく、また所定の周波数以上の信号を通
さない濾波機能を有する。なお、変化分Δηを早く見て
上乗せするから遅れ分をキャンセルすることができ、こ
れによって位相遅れが殆ど生じ無くなる。
【0039】図1に戻り、上記電流制御部35には、例
えば4個のスイッチング素子を含むHブリッジ駆動法に
従うPWM(Pulse Width Modulation)パルスを用いた
チョッパ動作によってモータ6を駆動制御するもので、
電流フィードバック制御を行う。すなわち、電機子電流
検出部36によってモータ6の電機子電流が検出され、
電流偏差演算部37において与えられたアシスト指令値
と検出電流との偏差が演算される。この偏差の絶対値が
絶対値変換部38で得られ、この絶対値に基づきデュー
ティ生成部39でPWMパルスのデューティ比が決定さ
れる。
【0040】一方、上記偏差の極性(正又は負)が正負
判別部40で判別され、生成されたデューティ比と判別
された極性はモータ駆動部41に与えられ、モータ駆動
部41はこれらの値に基づいてHブリッジ型に配線され
た4個のスイッチング素子をオン/オフ制御してモータ
6を駆動する。
【0041】上記アシスト指令部30はアシスト指令値
作成手段に対応する。また、上記電流制御部35は制御
手段に対応する。また、上記慣性制御部50は慣性制御
手段に対応する。また、上記舵角加速度センサ51は舵
角加速度検出手段に対応する。
【0042】次に、ファジー演算フィルタ53の動作に
ついて説明する。図7はファジー演算フィルタ53の処
理を示すメインプログラムである。まず、ステップS1
で舵角加速度ηを舵角加速度センサ51から読み込み、
ステップS2でこの舵角加速度ηをファジー入力とす
る。そして、この舵角加速度ηと、変化分Δηとに基づ
いて所定のファジールールに従ってファジー推論を行
い、舵角加速度を推定する。その後、ステップS3で舵
角加速度の推定値をファジー出力として慣性補償値指示
関数部53に出力する。
【0043】ステップS2におけるファジー推論は図8
に示すサブルーチンで実行される。図8において、ま
ず、舵角加速度ηおよび変化分Δηをファジー入力とし
た後、ステップS11で前件部の処理を行う。すなわ
ち、入力値(舵角加速度ηおよび変化分Δη)とその条
件部の第1、第2メンバーシップ関数から、その入力の
適合度を求める。次いで、ステップS12で結論部の処
理を行う。
【0044】すなわち、条件部処理によって求められた
ルール適合度を他の適合度と比較して結論部ラベルごと
のファジー出力を求める。次いで、ステップS13で重
み付け処理を行い、各ルールの結論部に対する影響度を
調整する。例えば、適合度の小さいものを選択した後件
部に与える。その後、ステップS14でファジー出力か
らそれを代表する1つの確定値を計算する。
【0045】すなわち、後件部では上記メンバーシップ
関数をMAX合成処理によって重ね合わせて合成出力を
生成し、その後、デファジファイヤによってこの合成出
力の重心から1つの確定値を得る。
【0046】図9はファジー演算フィルタ52を使用し
たときの操舵系の応答を示す図であり、図10は従来の
デジタルローパスフィルタ等の線形特性のフィルタを使
用したときの操舵系の応答を示す図である。これらの図
からファジー演算フィルタ52の方が収束性が良いこと
がわかる。
【0047】なお、上記実施例では舵角加速度ηを舵角
加速度センサ51より得るようにしているが、これに限
らず、例えばモータ6の電圧/電流からモータ回転速度
を算出し、さらにこれを微分した値から舵角加速度ηを
推定するようにしてもよい。このようにすると、舵角加
速度センサが不要になってコストを低減することが可能
になる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、ファジー演算の非線形
性を利用した、位相遅れが小さく、かつ所定周波数以上
の信号を減衰させる濾波特性を有するファジー演算フィ
ルタに、検出舵角加速度信号を供給し、これにより抽出
される舵角加速度信号に基づく慣性制御信号を操舵アシ
ストモータを制御するアシスト指令値に正帰還するよう
にしたので、十分に加速度正帰還ゲインを高めることが
できることから、操舵ハンドルの手放し時の安定性が向
上し、戻り時の収束速度が速くなり、慣性感の無い良好
な操舵フィーリングが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電動式パワーステアリ
ング装置のコントロール装置の機能ブロック図である。
【図2】同実施例のファジー演算フィルタの機能ブロッ
ク図である。
【図3】同実施例のファジー演算フィルタの前件部のメ
ンバーシップ関数及び後件部のメンバーシップ関数を示
す図である。
【図4】同実施例のファジー演算フィルタのファジール
ールを示す図である。
【図5】同実施例のファジー演算フィルタの特性図であ
る。
【図6】従来のデジタルローパスフィルタの特性図であ
る。
【図7】本発明の一実施例のファジー演算フィルタのメ
インプログラムのフローチャートである。
【図8】同実施例のファジー推論のサブルーチンを示す
フローチャートである。
【図9】本発明の一実施例のファジー演算フィルタを使
用した時の操舵系の応答を示す図である。
【図10】従来の線形フィルタを使用した時の操舵系の
応答を示す図である。
【図11】従来のパワーステアリング装置の機械系の一
例を示す構成図である。
【図12】従来のパワーステアリング装置のコントロー
ル装置の詳細なブロック図である。
【図13】従来のパワーステアリング装置のアシストト
ルクの特性を示す図である。
【図14】従来の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】 1 操舵ハンドル 6 アシストモータ 11 操舵トルクセンサ 12 車速センサ 30 アシスト指令部(アシスト指令値作成手段) 35 電流制御部(制御手段) 50 慣性制御部(慣性制御手段) 51 舵角加速度センサ(舵角加速度検出手段) 52 ファジー演算フィルタ 53 慣性補償値指示関数部 54 乗算演算部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵系に連結され、操舵補助トルクを発
    生するアシストモータと、 検出操舵トルク、検出車速に基づいて前記アシストモー
    タをアシストするアシスト指令値を作成するアシスト指
    令値作成手段と、 前記アシスト指令値に基づいて前記アシストモータを制
    御する制御手段と、 操舵系の舵角加速度を検出する舵角加速度検出手段と、 前記舵角加速度検出手段により出力される舵角加速度信
    号に応じて前記アシストモータの慣性を補償する慣性制
    御信号を発生し、前記アシスト指令値に正帰還する慣性
    制御手段と、を備えた電動式パワーステアリング装置に
    おいて、 前記舵角加速度信号を入力とし、位相遅れが少なく、か
    つ所定の周波数以上の信号を阻止する濾波特性を有する
    ファジー演算フィルタを設けたことを特徴とする電動式
    パワーステアリング装置。
JP2863293A 1993-01-25 1993-01-25 電動式パワーステアリング装置 Pending JPH06219307A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2863293A JPH06219307A (ja) 1993-01-25 1993-01-25 電動式パワーステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2863293A JPH06219307A (ja) 1993-01-25 1993-01-25 電動式パワーステアリング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06219307A true JPH06219307A (ja) 1994-08-09

Family

ID=12253927

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2863293A Pending JPH06219307A (ja) 1993-01-25 1993-01-25 電動式パワーステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06219307A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6273059B1 (ja) * 2017-03-24 2018-01-31 株式会社ショーワ 車両制御装置、および、車両
US11247685B2 (en) 2017-03-24 2022-02-15 Showa Corporation Road surface determination device, suspension control device, and suspension device
US11254353B2 (en) 2017-03-24 2022-02-22 Showa Corporation Control device and steering device
US11376916B2 (en) 2017-03-24 2022-07-05 Hitachi Astemo, Ltd. Suspension control device and suspension device

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6273059B1 (ja) * 2017-03-24 2018-01-31 株式会社ショーワ 車両制御装置、および、車両
JP2018161954A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 株式会社ショーワ 車両制御装置、および、車両
US11110912B2 (en) 2017-03-24 2021-09-07 Showa Corporation Vehicle control device, and vehicle
US11247685B2 (en) 2017-03-24 2022-02-15 Showa Corporation Road surface determination device, suspension control device, and suspension device
US11254353B2 (en) 2017-03-24 2022-02-22 Showa Corporation Control device and steering device
US11376916B2 (en) 2017-03-24 2022-07-05 Hitachi Astemo, Ltd. Suspension control device and suspension device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6272410B2 (en) Electric power steering system
US6360151B1 (en) Electric power steering unit and method for vehicle
JP3951205B2 (ja) パワーステアリング方法およびパワーステアリング装置
JPH08332969A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP3082483B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP3047598B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP3036197B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
JPH06219307A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP2002145101A (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JPH06183355A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JPH048190A (ja) 直流モータの回転速度,加速度検出装置
JP3293047B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
JPH06144268A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP3036190B2 (ja) 路面状態推定装置
JPH068836A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JPH06219312A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JPH068837A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JPH05213216A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JPH05238409A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP3027873B2 (ja) 電動式パワー・ステアリング装置および方法
JP3084937B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
JPH05208683A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP2824926B2 (ja) 電動式パワー・ステアリング装置
JPH06144278A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JPH06144269A (ja) 電動式パワーステアリング装置