JPH0752493B2 - 磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

磁気ヘッドの製造方法

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JPH0752493B2
JPH0752493B2 JP14483989A JP14483989A JPH0752493B2 JP H0752493 B2 JPH0752493 B2 JP H0752493B2 JP 14483989 A JP14483989 A JP 14483989A JP 14483989 A JP14483989 A JP 14483989A JP H0752493 B2 JPH0752493 B2 JP H0752493B2
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block
groove
core
slider
ring core
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Inventor
孝彦 丹代
雅久 田沢
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ナカミチ株式会社
ナカミチ福島株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は磁気ヘッドの製造方法に関し、特にリングコア
における諸特性、特にアジマス特性を顕著に向上させる
ことのできる新規な磁気ヘッドの製造方法に関する。
〈従来技術〉 カセットテープレコーダやビデオテープレコーダ等各種
の記録再生装置やコンピュータ関連機器等において各種
の磁気ヘッドが記録・再生・消去のために広範に用いら
れている。
かかる磁気ヘッドは各種の方法によって製造され、例え
ば磁性材料より成り規定のディプス加工の施されたリン
グコアを同じく磁性材料より成るスライダに切削形成し
たコア溝内に挿入固定し、後該スライダをコア溝形成側
とは反対側から切断ないし研削してリングコア先端を露
出させてヘッドアセンブリを形成し、このようにして形
成された1又は2以上のヘッドアセンブリをベースブロ
ック上の所定位置に配置固定して磁気ヘッドを製造する
方法が採用されている。この場合、単一のスライダに平
衡な一対のコア溝を形成し、夫々にリングコアを挿入固
定することによって2チャンネルのヘッドアセンブリを
得ることもできる。
〈発明が解決しようとする課題〉 上記したような磁気ヘッドの製造方法において複数のヘ
ッドアセンブリをベースブロック上の所定位置に固定す
る作業は、一般にヘッドアセンブリにおけるスライダの
側面を治具の基準面に当接させて、各ヘッドアセンブリ
をベースブロック上に位置決めし、接着剤等を用いて固
定することによって行われるが、スライダの側面の加工
精度が低いと各ヘッドアセンブリにおけるリングコアの
ギャップが平行にならずアジマス特性が損なわれる。ま
た単一のヘッドアセンブリをベースブロック上の所定位
置に固定する場合にも同様の問題点が発生する。一方、
スライダの側面に高い加工精度を与えることは必要以上
に製造コストを上昇させるので、好ましくない。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は上記したような従来技術における課題を解決す
るために創案されたものであり、高精度なイン・ライン
特性及びアジマス特性を有する磁気ヘッドを製造するこ
とを目的とする。
かかる本発明の目的は、磁性材料より成るリングコアを
形成すると共に、上記リングコアを挿入するためのコア
溝を有するスライダを形成し、上記スライダの少なくと
も一側面から上記リングコアの側面が若干突出した状態
において上記リングコアを上記コア溝内に挿入固定して
ヘッドアセンブリを形成し、上記リングコアの突出側面
を治具の基準面に位置決めした状態で、上記ヘッドアセ
ンブリをベースブロックの載置面上に固定した後、上記
スライダのコア溝形成側とは反対側を除去して上記リン
グコアを露出させることを特徴とする磁気ヘッドの製造
方法によって達成され得る。
〈作用〉 ヘッドアセンブリが該ヘッドアセンブリにおけるリング
コア側面を基準としてベースブロック上に位置決めされ
る。
〈実施例〉 以下本発明の一実施例による磁気ヘッドの製造工程を図
面を参照しながら順を追って説明する。
第1図は一方(本実施例においてはL側)のコアブロッ
ク10の加工工程を示している。即ちまず(a)の工程に
おいて、磁性材料例えばフェライト材をダイシングソー
等の研削装置における比較的目の細かい研削ホイール
(図示せず)を用いて所定の直方体形状及び所定の寸法
に切断し、次いで(b)工程にて、その一方の側面10a
において上端から一定のディプス距離だけ隔てた所定位
置に所定深さの溝12をブロック10の全長に亙って切削加
工してディプス加工を施す。このディプス加工は、フェ
ライト材を切断加工する際に用いたものと同じ研削ホイ
ールを用い、高速回転する該研削ホイールを長手方向に
低速移動されるブロック10の溝切削位置に当接させるこ
とによって行うことができる。次いで(C)工程にて、
形成されたディプス溝12にその上端が半ばかかるように
して巻線舟形溝14を切削形成する。この巻線舟形溝14に
おいてはそれほど厳密な加工精度が要求されるものでは
なく、また比較的大きな切削量が必要とされるので、比
較的目の粗い研削ホイールを用いて形成される。このた
めに、該巻線舟形溝14の切削加工において脆い材質であ
るフェライトブロック10の切削角部が欠損することがあ
るが、本実施例によれば、巻線舟形溝14をその上端がデ
ィプス溝12内に半ばかかるようにして形成されるので、
かかる欠損が生じてもディプス溝12とブロック上端との
間の所定ディプスが確保される。この特徴については既
に本出願人によって特許出願がなされており(特願昭62
−334274号)本発明には直接関連しないのでこれ以上の
詳述は省略する。
このようにして所定ディプスを確保しつつディプス溝12
と一体化させて巻線舟形溝14が形成されたフェライトブ
ロック10の加工面10a側上端に、次工程(d)におい
て、トラック溝16を均一間隔を配して複数切削形成す
る。このトラック溝16は、比較的目の細かい更に別の研
削ホイールを用い、これを高速回転させて、低速移動さ
れるフェライトブロック10に断続的に当接させることに
よって形成することができる。後述するところから明ら
かなように、トラック溝16間の間隔が最終製品としての
磁気ヘッドコアのトラック幅となるものである。このト
ラック幅は、一般に、再生時と記録時とにおけるトラッ
クずれによる出力変動を防ぐために読取ヘッドと書込ヘ
ッドとでは異なるものとされ、前者では0.22mm,後者で
は0.45mmとされている。次(e)工程において、トラッ
ク溝16間に残置され且つ所定ディプス確保されている平
面部分上に所定厚さのギャップ材18をスパッタリングや
蒸着等の適宜の手法によって被着させる。このギャップ
材18は例えばSiO2を主成分とする高融点(500℃の温度
では軟化しないもの)ガラス材より成り、読取ヘッドの
場合には0.7μ,書込ヘッドの場合には1.8μ程度の厚さ
を有するものとされる。本実施例では図示の如く上記平
面部分の1つおきにギャップ材18を被着させているが、
これはギャップ精度を高度に保つためであり、場合によ
っては2つおき或は左右両端の平面部分のみに被着させ
ても良い。後の工程においてトラック溝16の中間で切断
されてリングコアが得られるが、ギャップ材18でギャッ
プが形成されているリングコアはギャップ材18が欠損し
やすく、またその硬度もフェライトブロックと異なるた
め、製品としては用いられない。
他方(本実施例ではR側)のコアブロック20は第2図に
示す工程によって加工される。即ち、同図(a)の工程
において、第1図(a)工程と同様にして所定形状・寸
法のブロックとした後、(b)工程においてその片面20
aに、第1図(c)工程と同様にして、L側ブロック10
に形成された巻線舟形溝14に対向するように巻線舟形溝
22を該フェライトブロックの全長に亙って切削加工し、
更に次(c)工程において該加工面20aの下端をその全
長に亙って斜めに切り落とす如く切削加工して傾斜面24
を形成する。なお、巻線舟形溝22と傾斜面24とは、これ
らの所定形状に対応する形状を有する単一の研削ホイー
ル(図示せず)を用い、これを高速回転させながら低速
移動されるブロック20に当接させることによって同時に
形成することが可能である。
第3図には、このようにして夫々加工されたL側コアブ
ロック10及びR側コアブロック20からリングコアを得る
ための工程が示されている。まず同図(a)工程におい
て、これらコアブロック10,20を夫々倒置した状態とし
て適宜治具を用いて両側から圧接しめる。この対接状態
においてはL側コアブロック10の片面10aにおける巻線
舟形溝14の上方(同図において)に残存された平面部分
とR側コアブロック20の片面20aにおける巻線舟形溝22
と傾斜面24との間に残存された平面部分とが隙間なく密
接していると共に、L側コアブロック面10aの下端平面
部分に被着されたギャップ材18とR側コアブロック面20
aの下端に残存された平面部分とが断続的に隙間なく密
接している。この対接状態において、R側コアブロック
20の傾斜面24とL側コアブロックの上方平面部分との間
に形成された傾斜溝内に第1のガラスロッド30を載置せ
しめると共に、両コアブロックの巻線舟形溝14,22の対
向配置によって形成された中空巻線窓内に第2のガラス
ロッド32を挿入する。これら第1及び第2のガラスロッ
ド30,32はいずれもSiO2を主成分とする低融点(500℃よ
りも十分に低い融点を有するもの)ガラス材より成り、
また各コアブロック10,20の全長よりも十分に長いもの
が用いられる。
次いで、この圧接状態を維持したままで500℃の電気炉
に約1時間入れてガラスロッド30,32を溶融させると、
同図(b)に示されるように溶融ガラス30′が上記傾斜
溝内に充填され,また溶融ガラス32′が各トラック溝16
内及びギャップ材18が被着されていないL側コアブロッ
ク面10aの平面部分とR側コアブロック面20aの平面部分
との間においてギャップ材18の厚さに対応して形成され
る空間部分内に流入して充填されると共に上記巻線窓の
下方域にも充填される。後に溶融ガラス30′及び32′が
冷却固化されてL側及びR側コアブロック10及び20が一
体的に固定され、ヘッドブロック34が得られる。なおギ
ャップ材18は高融点ガラス材より成るためこの電気炉内
での加熱処理によっては溶融することがない。
得られたヘッドブロック34は、次(c)工程において、
これを倒置させた状態として適宜切削ホイールを用いて
巻線溝加工を施す。同図ではヘッドブロック34の両側に
巻線溝36,38が形成されているが、一般に巻線溝は読取
ヘッドの場合にはヘッドブロックの両側に形成され、書
込ヘッドの場合にはヘッドブロックの左側のみに形成さ
れる。
次(d)工程において、L側コアブロック10において第
1図(d)工程で切削形成したトラック溝16に対応する
部分にヘッドブロック34の上端より所定深さ切削して凹
溝40を形成する。この凹溝40は後述するところから明ら
かとなるように、後のスライダーに対するリングコアの
挿入工程において重要な意味を持つものである。
次(e)工程において、トラック溝16及び凹溝40の中心
で切断して複数のリングコア42を切り出す。既述したよ
うに、第1図(e)工程においてトラック溝16間の未加
工平面部分に1つおきにギャップ材18が被着されている
が、このギャップ材18が被着されているリングコア42は
用いられず、また両側端に残される部分も規定寸法を有
していないので廃棄される。即ち、そのギャップがフェ
ライトブロックと同一の硬度を有する低融点ガラスロッ
ド32の溶融ガラス材32′によって形成されているリング
コア42のみが次工程に投与される。各リングコア42の上
端は、中央凸部43aとその両側において上記凹溝40の痕
跡として形成されている段部43bとによって構成されて
いる。このリングコア42に対し、次(f)工程におい
て、L側コアブロックの巻線溝14,38間及びR側コアブ
ロックの巻線溝22,36間に夫々巻線44,46を施す。図示の
実施例ではリングコア42の両側に巻線を夫々30回巻いて
読取ヘッドとしたものであるが、書込ヘッドの場合には
巻線溝14,38間に例えば2本束ねで10回巻いて巻線を施
す。
本実施例では得られた巻線リングコア42を2個用いて2
チャンネルのヘッドアセンブリを形成しようとするもの
であるが、そのために用いられるスライダは第4図に示
すようにして加工される。このスライダ50は、まず同図
(a)工程においてリングコアと同様フェライト材を材
料として、リングコア42の幅(Wr)と同一寸法の幅(W
s)を有し且つリングコア42の高さ(Hr)より大きな寸
法の高さ(Hs)を有するような直方体ブロックに成形さ
れたものである。この直方体ブロックに対し、次(b)
工程においてその中央付近の2ヵ所において上端から所
要深さまで切削して凹溝52を形成した後、(c)工程に
おいて該凹溝52の底面を更に切削して段溝54を形成す
る。凹溝52の高さ乃至切削深さについては限定的ではな
いが、スライダ50の上端から段溝54の底面までの切削深
さ(Dg)はリングコア42の高さ(Hr)と同一となるよう
配慮される。なお段溝54の幅(Ws)はリングコア42の厚
さ(Tr)よりも若干、例えば100〜200μ程度大きな寸法
とされる。次(d)工程において低融点ガラス材より成
るガラスロッド56(ガラスロッド30,32と同様のもので
あって良い)を段溝54内に適宜配置し、この状態のスラ
イダ50を電気炉に挿入してガラスロッド56を溶融せしめ
て、同図(e)に示すように溶融ガラス56′によって段
溝54が充填された状態を形成する。次(f)工程におい
て、リングコア42の厚さ(Tr)に相当する研削ホイール
(図示せず)を用いて段溝54内に充填された溶融ガラス
56′を研削する。かくして段溝54の中央部にはリングコ
ア42の厚さ(Tr)に相当する溝54aが形成され、その両
側に溶融ガラス56′の薄層(夫々厚さ約50〜100μ)が
残存している。次(g)工程において凹溝52,52間にプ
リント基板取付用の溝58を形成した後、(h)工程にお
いて巻線リングコア42を各凹溝52及び段溝54内に挿入す
る。この際第3図(f)に示された巻線リングコア42を
倒置させた状態として、凸部43a及び段部43bを有する上
端部分を段溝54の中央溝54a内に嵌合せしめる。またリ
ングコア42とスライダ50の幅は同一であるが、第4図
(h)の側面図から明らかなようにリングコア42とL側
コアブロック10の側端部がスライダ50の一側面から若
干、例えば0.2mm程度突出するように各リングコア42を
スライダに挿入する。かかる状態でエポキシ樹脂等の接
着剤60を用いてリングコア42をスライダ50に取付固定す
ると共にプリント基板62の下端部を溝58に挿入してエポ
キシ樹脂等の接着剤64で固定し、必要な配線を施して、
2チャンネルのヘッドアセンブリ66が得られる(第4図
(i))。
このヘッドアセンブリ66におけるリングコア42の取付状
態は別に第5図に拡大して示される通りである。研削ホ
イール等を用いて行う機械加工による場合には厳密に直
角な角部は得られず、いずれの角部にも同図に示すよう
に弯曲壁が形成されている。本実施例の場合、リングコ
ア42の挿入端部に段部43bが形成され、これが段溝54内
の溶融ガラス56′を切削加工して中央溝54aを形成する
際にその奥部両側に不可避的に形成された弯曲壁に対す
る逃げとなるので、中央凸部43aを中央溝54aの最奥底面
に当接させることができ、従ってヘッドアセンブリ66に
おいてスライダ50の上面と取付固定されたリングコア42
の上面とを面一に保持することができる。
リングコア42は第4図(i)の工程において接着剤60に
よって固定されるまでの間、同図(h)及び第5図に示
す所定の取付位置に保持されなければならない。本実施
例においてこの位置決めは第6図に示す治具68を用いて
行われる。この治具68は、略直方体であってその上端に
おける一側がL字形に角切りされて水平面70aと垂立面7
0bとを与える段部70が形成されているベースブロック72
と、該ベースブロック72の後方部分(第6図(a),
(b)において図示右方部分)においてその上面に被着
されその左端に垂立面74aを有する上板74と、ベースブ
ロック72の後方部分において段部70上に載置され上板と
の間に介装されてネジ75によって固定されているレバー
76とによって主として構成されている。上板74に被着さ
れていないベースブロック72の露出部分はヘッドアセン
ブリ66の全長よりも十分に長い。ベースブロック72の段
部70の一部には溝73が凹設され、その溝部における水平
面73a(第6図(C))はリングコア42の幅(Wr)より
も狭いものとされ、また溝73はヘッドアセンブリ66に固
定された2つのリングコア42間の間隔よりも十分に大き
な距離だけ延長している。更に溝73に対応して、段部70
の垂立面70bには凹溝77が、また角部には凹溝78が夫々
形成されている。またベースブロック72の段部70の垂立
面70bを貫通し且つその先端が夫々内方に対向して屈曲
形成された一対のスライダ押圧レバー71が設けられてお
り、ベースブロック72との間に改装されたバネ71aの力
に抗してヘッド部71bを押圧した状態において、スライ
ダ50を後述する所定位置に配置し、後ヘッド部71bを解
放してバネ71aの力によってスライダ50の両端を該押圧
レバー71で挟着して位置決めするようになっている。
レバー76の左端は溝73の略左端付近にまで延長してお
り、この領域においてレバー76と段部70の垂立面70bと
の間にはリングコア42の幅(Wr)従ってまたスライダ50
の幅(Ws)よりも若干大きな(例えば1〜2mm程度)の
間隔が保持されている。レバー76の外側にはその先端が
先割れの板バネ77,78が張設され、バネ77,78は夫々その
先端でレバーを貫通する上下一対のピン79,80をレバー7
6の内方に押圧している。またピン79とピン80との間隔
はヘッドアセンブリ66における2つのリングコア42間の
間隔と一致している。
第4図(h)に示されるように2つのリングコア42を挿
入せしめたスライダ50は、これを倒置させた状態でかか
る治具68上の所定位置に配置される。即ち、スライダ押
圧レバー71を解放した状態を維持しながら、またスライ
ダ50の底面を段部70の溝73形成箇所における水平面73a
上に載置し、またスライダ50の一側端面を上板74の前端
垂立面74aに当接させ、更にスライダ50を厚さ0.2mmのス
ペーサ部材82を介して段部70の垂立面70bに当接させ、
後スライダ押圧レバー71の作用によって位置決めする。
この所定位置においてレバー76を貫通するピン79,80
は、夫々スライダ50内における2つのリングコア42の挿
入箇所において段部70に向けて突出しており、これによ
ってリングコア42はその一側面が段部70の垂立面70bに
当接するまで移動される。即ち、リングコア42はスライ
ダ50内においてスペーサ82の厚さ(0.2mm)分だけ横方
向に移動され、第4図(h)の側面図に示されるように
リングコア42がスライダ50の側面から僅かに突出した状
態が得られる。この治具68に拘束された状態を維持した
ままリングコア42の凹溝52内に接着剤60を流入し乾燥固
化させることにより、スライダ50に対してリングコア42
を所定位置に取付固定することができる。この場合にお
いてリングコア42の高さ方向における位置決めは溝73上
の水平面73aに載置することによって達成されるが、第
6図(c)より明らかな通りリングコア42におけるLコ
アブロック10の側のみが該水平面73a上に載置され、R
コアブロック20の側は溝73の上にあって中空に浮いた状
態で支持されている。これは万一L側コアブロック10と
R側コアブロック20との接合において高さずれが生じた
場合を配慮したものであり、特にR側コアブロック20が
相対的に図示下方にずれて接合されている場合にあって
もディプス加工が施されたL側コアブロック10が常に所
定の高さ位置に保持されるため、規定のギャップディプ
スを高精度に維持することができる。
本実施例では上記した方法によって製造されたヘッドア
センブリ66として2個の書込ヘッドアセンブリと1個の
読取ヘッドアセンブリとを用いたいわゆるライト/リー
ド/ライト型磁気ヘッドを得るものであり、ベースブロ
ック上の所定位置に配置された各ヘッドアセンブリの両
側にガードブロックないしシールドブロックを取り付け
た後、テープ対接面側から研磨して各ヘッドアセンブリ
におけるリングコアを露出させることによって得られ
る。この工程が第7図に示されている。ベースブロック
84は例えばアルミダイキャストで形成され第7図(a)
に示すような形状に加工される。次いで同図(b)に示
す如く適宜接着剤を用いてこのベースブロック84の上面
に段設された第1の載置面84a上に第1の書込ヘッドア
センブリ86が、第2の載置面84b上に読取ヘッドアセン
ブリ88が、また第3の載置面84c上に第2の書込ヘッド
アセンブリ90が、夫々載置される。各ヘッドアセンブリ
は上述した工程によって製造されるヘッドアセンブリ66
と基本的に同様のものであり、夫々リングコアを2個有
する2チャンネルのヘッドアセンブリである。より詳細
には、読取ヘッドアセンブリ88は上記ヘッドアセンブリ
66と同一であって2個のリングコアの両側に夫々巻線が
施されている(但し、既述のようにリングコアはスライ
ダ50の中心から0.2mm程度偏倚して取り付けられている
ので、図示右側の巻線は見えない)が、第1及び第2の
書込ヘッドアセンブリ86,90は既述のように2個のリン
グコアの夫々片側(L側ブロック10側)のみに巻線が施
されている。また第1及び第2の書込ヘッドアセンブリ
86,90はクロスフィードを防止すべく読取ヘッドアセン
ブリ88と反対側に巻線が位置するよう載置されている。
これら第1乃至第3の載置面には開口85a,85b,85cが夫
々形成され、載置状態において各ヘッドアセンブリに取
り付けられたプリント基板62(第4図(i))がこれら
開口内に受容されるよう構成されている。次(c)工程
において、適宜接着剤を用いて第1載置面84a上に載置
された第1書込ヘッドアセンブリ86の外側にガードブロ
ック91を取り付けると共に内側にシールドブロック92を
取り付け、第2載置面84b上に載置された読取ヘッドア
センブリ88の両側にシールドブロック93,94を夫々取り
付け、更に第3載置面84c上に載置された第2書込ヘッ
ドアセンブリ90の内側にシールドブロック95を取り付け
ると共に外側にガードブロック96を取り付ける。これら
のガードブロックないしシールドブロックはヘッドアセ
ンブリと同一材質であるフェライト材より成り、各ヘッ
ドアセンブリに対する接合面側にリングコア巻線を受容
するための凹部(ガードブロック91における凹部91aの
みが符号を付して示されている)が形成されている。隣
接するシールドブロック92と93との間、及び94と95との
間には夫々ギャップが形成され、該ギャップにおける空
気層を介してシールド特性が更に向上される。次(d)
工程において、テープ対接面側から研削ホイール等を用
いて研磨し、更にラッピングテープ等によって鏡面仕上
げされ、またベースブロック84の両側面及び裏面に夫々
側板及び裏板(図示せず)が貼付けられて、2チャンネ
ルのライト/リード/ライト型磁気ヘッドが得られる。
この磁気ヘッドはベースブロック84に形成されたネジ孔
98を介して関連機器(図示せず)に取り付けて使用に供
される。
第7図(b)において各ヘッドアセンブリをベースブロ
ック84上の各載置面上に接着固定する際の位置決めに用
いられる治具が第8図に示されている。この治具100
は、ベースブロック84を載置せしめる基台102と、該基
台102上においてベースブロックを位置決めするために
該基台上に配置された第1及び第2のベースブロック位
置決めブロック104,106とを有している。第2のベース
ブロック位置決めブロック106上には第1乃至第3のリ
ングコア基準ブロック110,112,114を介してスライダ位
置決めブロック116が固定されている。第1乃至第3の
基準ブロック110,112,114はスライダ位置決めブロック1
16から前方に突出している。スライダ位置決めブロック
116上にL字形に屈曲形成された第1乃至第3のスライ
ダ押圧レバー118,120,122が枢支されており、それらの
各々一端は第1乃至第3の基準ブロック110,112,114の
突出領域に向けて突出すると共にそれらの各々他端は基
台102上に対向配置された一対のシリンダ124,126におけ
る往動ピン124a,124b,126aに夫々当接している。従っ
て、シリンダ124,126のヘッド部125,127を互いに近付け
る方向に押進させることによって往動ピン124a,124b及
び126aを圧縮させると共に、第1及び第2のスライダ押
圧レバー118,120を共に図示反時計方向に、第3のスラ
イダ押圧レバー122を図示時計方向に回転させることが
できる。またヘッド部125,127はその位置が夫々ロック
ボール機構128,130によってロックされている。
係る構成を有する治具100を用いて、第1及び第2のベ
ースブロック位置決めブロック104,106によって与えら
れる直角面にベースブロック84の2側面を接合すること
によってベースブロック84を位置決めし、第2のベース
ブロック位置決めブロック106を貫通してネジ孔98に螺
合可能とされたネジ手段108によってベースブロック84
を該位置において固定する。次いで夫々その底面に接着
剤を塗布された第1の書込ヘッドアセンブリ86,読取ヘ
ッドアセンブリ88及び第2の書込ヘッドアセンブリ90を
固定されたベースブロック84上の夫々の載置面上に配置
する。この際、第1の基準ブロック110と第1のスライ
ダ押圧レバー118の垂下部分118aとの間、第2の基準ブ
ロック112と第2のスライダ押圧レバー120の垂下部分12
0aとの間、及び第3の基準ブロック114と第3のスライ
ダ押圧レバー122の垂下部分122aとの間には夫々のヘッ
ドアセンブリ86,88,90の厚さ(図示横幅)よりも若干幅
広のスペースが予め与えられているので、夫々のヘッド
アセンブリ86,88,90を夫々のベースブロック載置面84a,
84b,84c上に載置させた状態で治具100の手前より後方に
スライドさせてその奥方側面をスライダ位置決めブロッ
ク116の前端116aに当接させることによって各ヘッドア
センブリのリングコアの高さを揃えることができる。こ
のとき、既に繰り返し述べているように各ヘッドアセン
ブリにおけるリングコアはスライダ内に若干中心がずれ
た状態で配置されているのでリングコアがスライダ側面
より突出している側においては該リングコアの側面と基
準ブロックとが略当接しており、反対側においてスライ
ダの側面とスライダ押圧レバーの垂下面とが略当接して
いる。この状態でシリンダヘッド125,127を対向側に移
動させることによって、第1及び第2のスライダ押圧レ
バー118,120に対しては図示反時計方向の回転力を、ま
た第3のスライダ押圧レバー122には図示時計方向の回
転力を、夫々付与し、これによって各ヘッドアセンブリ
におけるリングコアの突出側面が夫々の基準ブロック側
面に密接し、所定に位置決めが行われるものである。シ
リンダヘッド125,127の対向移動は例えば片手の親指と
人差指とを用いてワンアクションで行うことができるの
で、操作性に優れている。
〈発明の効果〉 上記した本発明方法によるときは、スライダの側面から
リングコアの側面が若干突出した状態においてリングコ
アをスライダのコア溝内に固定してヘッドアセンブリを
構成し、更にこのヘッドアセンブリをベースブロック上
に配置する際、該ヘッドアセンブリの側面を治具の基準
垂直面に当接させて位置決めを行うので、スライダの加
工精度を要求することなく、高精度なアジマス特性を有
する磁気ヘッドを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
添付図面は本発明の一実施例による磁気ヘッドの製造工
程を示すものである。図中、第1図(a)乃至(e)は
L側コアブロックの加工における各工程段階を夫々正面
図(右側)及び側面図(左側)で示す工程図、第2図
(a)乃至(c)はR側コアブロックの加工における各
工程段階を夫々正面図(右側)及び側面図(左側)で示
す工程図、第3図(a)乃至(f)は夫々加工されたL
側及びR側コアブロックを接合して成るヘッドブロック
から巻線の施されたリングコアを得るまでの各工程段階
を夫々正面図(右側)及び側面図(左側)で示す工程
図、第4図(a)乃至(i)はスライダに2個の巻線リ
ングコアを挿入固定して2チャンネルのヘッドアセンブ
リを得るまでの各工程段階を夫々正面図(右側)及び側
面図(左側)で示す工程図、第5図は第4図(i)の工
程においてスライダの溝内にリングコアが挿入固定され
た状態を示す部分拡大断面図、第6図は第4図(h)の
工程においてスライダの溝内にリングコアを挿入し位置
決めする際に好適に用いられる治具の構成を示す図であ
って同図(a)及び(b)は該治具の夫々平面図及び正
面図、また同図(c)は同図(b)におけるc−c切断
線による断面図、第7図(a)乃至(d)はベースブロ
ック上に3個のヘッドアセンブリを配置固定して最終製
品としての2チャンネル,ライト/リード/ライト型磁
気ヘッドを得るまでの各工程段階を夫々平面図(上側)
及び正面図(下側)で示す工程図、第8図(a)及び
(b)は第7図(b)の工程において各ヘッドアセンブ
リをベースブロック上の所定位置に配置する際に用いら
れる治具の構成を示す夫々平面図及び正面図である。 符号の説明 10……L側コアブロック、12……ディプス溝、20……R
側コアブロック、34……ヘッドブロック、40……凹溝、
43a……突部、43b……段部、50……スライダ、52……凹
溝、54……段溝、54a……中央溝、68……リングコア取
付用治具、84……ベースブロック、100……ヘッドアセ
ンブリ位置決め用治具

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性材料より成るリングコアを形成すると
    共に、上記リングコアを挿入するためのコア溝を有する
    スライダを形成し、上記スライダの少なくとも一側面か
    ら上記リングコアの側面が若干突出した状態において上
    記リングコアを上記コア溝内に挿入固定してヘッドアセ
    ンブリを形成し、上記リングコアの突出側面を治具の基
    準面に位置決めした状態で、上記ヘッドアセンブリをベ
    ースブロックの載置面上に固定した後、上記スライダの
    コア溝形成側とは反対側を除去して上記リングコアを露
    出させることを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
JP14483989A 1989-06-06 1989-06-06 磁気ヘッドの製造方法 Expired - Lifetime JPH0752493B2 (ja)

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