JPS599973B2 - 多素子磁気ヘツドの製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は各素子毎に２つの磁気空隙を有する狭トラック
間隙用の多素子磁気ヘッドの製造方法に関するものであ
り、特にフェライトあるいはアルパーム、センタスト等
の磁性材料を用いる場合に有効である。

電子計算機等に使用されている書込みと読出しを同時に
できる多素子磁気ヘッドは次のような方法でつくられて
いた。

第１図により説明するとコ形磁心１は、直方体の磁性体
のＩ形磁心２と突き合わせる面を平滑平面に研磨し、磁
心窓３となる溝と、該溝と直交するトラック分割溝４を
平滑平面側から磁心窓３より深く切る。工形磁心２は、
直方体の磁性体のコ形磁心１と突き合わせる面を平滑平
面に研磨し、トラック分割溝４’を平滑平” 面側から
切る。次に、コ形磁心１の磁心窓用溝を利用してコ形磁
心の底部にコイル（図示せず）を挿入し、頭部に磁気空
隙を有するようにＩ形磁心２と突き合わせ、さらにトラ
ック分割溝４、４’にはトラック間シールド板（図示せ
ず）を入れて・ から非磁性固着剤を充填固着する°そ
の後、トラック継なぎ部分切断線６、Ｔの位置で切断し
てトラックを完全に分離する。以上の製造方法で書込み
側と読出し側の２つの磁気回路を別個に製作して所定の
位置に固定するものである。

しかしながら本方法は書込み側と読出し側のトラツクず
れ量を少なくするため高精度の加工組立技術が必要であ
り、また２つのギヤツプの平行度を高精度にするため複
雑な調整機構を必要とするなどの欠点を有していた。本
発明の目的は、以上のような従来の問題点を解決し、除
去することができるような多素子磁気ヘツドの製造方法
を提供することである。

本発明の特徴とするところは、片面に溝が形成された端
部磁性体プロツクを、中央磁性体プロツクの両側面に接
着して磁気空隙および磁心窓を有する接合体とし、該接
合体を磁心窓に平行に切断して三脚形磁心とし、該三脚
形磁心にトラツク分割溝および両側ヘツドの分割溝を入
れ、これらの分割溝に夫々シールド板を挿入することに
より書込み側と読出し側のヘツドを同時に得ることであ
る。

添付図の第２図〜第６図は本発明の製造法について説明
する為のものである。

第２図は端部磁心８，８′となる端部磁性体プロツクの
突き合わせ面となる側を平滑平面に研磨し、磁心窓９と
なる溝を切る一方、中央磁心１０となる中央磁性体プロ
ツクの突き合わせ面となる側の両側を平行でかつ平滑平
面になるよう研磨して、突き合わせ面に均一で薄い例え
ばガラス層から成る磁気空隙１１，１「，１２，１２′
が形成されるよう端部磁心８，８′力仲央磁心１０をは
さんで融着されたものである。この磁心を切断線１３で
中央から切断し三脚状のプロツクを得る。次に第３図は
、先に切断した面を平滑平面に研磨し、その面に直角で
中央磁心の中心に中央シールド板挿入＃１１４を磁心窓
９よりも深く切つた後その溝と直交するようなトラツク
分割ＷＩＩｌ５，ｌ６を書込み側と読出し側の双方に切
る。尚、中央シールド板挿入溝１４とトラツク分割溝１
５，１６を切る順は逆になつてもよい。次に第４図のよ
うに、各トラツク分割溝にはトラツク間シールド板１７
，１７′を、又各トラツクには巻線１８を挿入する。こ
の時トラツク間シールド板１７，１ｒは書込み側と読出
し側で一体になつていてもよく、この場合中央シールド
板挿入溝１４に挿入する中央シールド板１９に逃げ溝を
切つておけばよい。次に突き合せ面を平滑平面にした後
部磁心２０の密着配置と中央シールド板１９の挿入を行
なう。後部磁心２０は第５図のように非磁性体プロツク
２１と一体とする為、後部磁心２０の突き合わせ面側を
平滑平面に研磨した後、各トラツクと合うように後部磁
心２０側から非磁性体２１の中程までトラツク分割溝１
５，１６を切り後部磁心２０を製造する。この時書込み
側と読出し側を一体にしておいてトラツク分割溝に対し
直角に切込んで分離するか、分離せず第５図のように後
部磁心２０から切り込んで非磁性体２１の中程まででと
め、中央シールド板１９の逃げ溝２３としておいてもよ
い。この場合中央シールド板１９の長さはこの逃げ部ま
でとなる。また中央シールド板１９は、たとえば両面が
銅で中央部がフエライトないしパーマロイの如き積層体
からなつている。この後、非磁性固着剤たとえば樹脂の
ようなもので充填し、最後に第４図の如く頭部切断線２
２の位置で切断するか、その位置まで削る等して書込み
側と読出し側及びトラツクを分離させると共に頭部を所
定の媒体対向面になるよう仕上げる。尚、切断線２２は
中央シールド板１９の少なくとも上部が露出するまで削
り込まなければならない。このような製造法で、多素子
磁気ヘツドを製造すると書込み側と読出し側を別個に製
造することがないので、トラツクのずれ量を少なくでき
て、高精度の平行度も得られる。

さらに、このようにして得られた高精度の寸法関係は頭
部の継なぎ部分により最終工程で頭部を仕上げるまで変
化する要素は皆無に等しく、記録周波数の高い高精度の
多素子磁気ヘツドとしても適した製造法でぁる。尚、第
６図に示すようにトラツク分割溝幅は巻線部に予裕をも
たせるため巻線用逃げ＃１ａ２４を頭部トラツク分割溝
２５，２５′より幅広く切つた方が後工程の作業はやり
やすく、挿入する巻線を狭い溝に入れるため高精度にす
る必要はなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の磁気ヘツドの構成図、第２図、第３図、
第４図および第５図は本発明の一実施例を製造工程に従
つて示す斜視図、第６図は本発明の他の実施例を示す斜
視図である。 ８，８′・・・・・・端部磁性体プロツク、９・・・・
・・磁心窓、１０・・・・・・中央磁性体プロツク、１
１，１「，１２，１２′・・・・・・磁気空隙、１４・
・・・・・中央シールド板挿入溝、１５，１６・・・・
・・トラツク分割溝、１７・・・・・・トラツク間シー
ルド板、１８・・・・・・巻線、１９・・・・・・中央
シールド板、２０・・・・・・後部磁心、２４・・・・
・・巻線用逃げ溝、ラツク分割溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 片面に溝が形成された端部磁性体ブロックを中央磁
   性体ブロックの両側面に接着して磁気空隙および磁心窓
   を有する接合体とし、該接合体を磁心窓の部分で磁気空
   隙が現れる面と平行に切断して三脚形磁心とし、該三脚
   形磁心の中央磁性体ブロックに磁気空隙と平行に中央シ
   ールド板挿入溝を、当該三脚形磁心に磁気空隙と直角方
   向に所要数のトラック分割用溝を形成し、該トラック分
   割用溝にトラック間シールド板を挿入し、前記分割され
   た端部磁性体ブロックに巻線を施し、前記中央シールド
   板挿入溝に中央シールド板を挿入し、前記三脚形磁心の
   底面に磁性体と非磁性体の積層体よりなりトラック分割
   用溝および中央シールド板挿入溝が形成され、これら溝
   によつて磁性体が分離された後部磁心を接着し、前記三
   脚形磁心の磁気空隙の現れる面を少なくとも中央シール
   ド板の上部が露出するまで削り込むことを特徴とする多
   素子磁気ヘッドの製造方法。 ２ トラック分割用溝よりも広い幅の巻線用逃げ溝を形
   成することを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の多
   素子磁気ヘッドの製造方法。