JPH075237A - 航跡表示装置及び方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自船が周辺の海上を回航している場合や比較
的長い時間航跡を表示している場合においても、航跡を
好適に読み取り可能にし、またその部分航跡がどの程度
前の時点のものかを好適に読み取り可能にする。 【構成】 時刻に応じて異なる色で航跡を表示する。例
えば現時点から１分前までの航跡ａは赤で、１分前から
２分前までの航跡ｂは橙で、それぞれ表示する。使用者
が画面表示された航跡の色を見ることにより、その航跡
がどの程度前の時間の航跡であるかを好適に知ることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、搭載される船舶等の航
跡を画面に表示する航跡表示装置及び方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、自船の航跡を画面に表示する
航跡表示装置が知られている。この種の装置は、ＧＰＳ
（Global Positioning System ）、ロラン、デッカ等の
測位航法装置から自船位置情報を入力し、入力した自船
位置情報を時系列的に観測して航跡に関する情報を得る
装置である。図３には、一従来例に係る航跡表示装置の
構成が示されている。

【０００３】この図に示される従来例は、測位航法装置
１から測位情報を入力し、これに基づき航跡を表示する
装置である。この図の装置はＣＰＵ２、ＲＯＭ３及びＲ
ＡＭ４を備えている。ＣＰＵ２は、測位航法装置１から
入力される測位情報、すなわち現在の自船位置を示す情
報について所定の処理を施す。ＲＯＭ３はこの処理に係
るプログラム等を記憶するメモリであり、ＲＡＭ４はＣ
ＰＵ２のワークエリア等として用いられる。ＣＰＵ２
は、この処理によって、航跡表示情報を生成する。航跡
表示情報は、グラフィックディスプレイコントローラ
（ＧＤＣ）５に供給される。

【０００４】ＧＤＣ５は、ＣＰＵ２から供給される航跡
表示情報、すなわち現時点から過去所定時点まで遡った
航跡の情報に基づき、自船位置を表すマーク、航跡を表
すマーク等を航跡メモリ６（ａ）〜（ｃ）上に描画す
る。すなわち、航跡メモリ６（ａ）〜（ｃ）は、それぞ
れＲ，Ｇ，Ｂ各色に係る輝度成分を記憶するためのメモ
リであり、例えば、カラーＣＲＴ表示器７の画面に対応
したフレームメモリである。ＧＤＣ５は、自船位置、航
跡等を表すマークを描画する位置に応じ、これのメモリ
６（ａ）〜（ｃ）をアドレス指定し、必要なデータを書
き込む。カラーＣＲＴ表示器７は、これらの航跡メモリ
６（ａ）〜（ｃ）から読み出したデータに基づき、自船
位置を表すマーク、航跡を表すマーク等を、その画面上
に表示する。

【０００５】図４には、カラーＣＲＴ７の画面上におけ
る航跡の表示の一例が示されている。この図において
は、現在の自船位置がドットで表されており、航跡は曲
線で表されている。また、航跡等の表示色は、ＧＤＣ５
に予め設定された表示色単色となる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来の航跡表示装置においては、例え
ば自船が付近の海上を回航する場合等において、時間が
経過するに従って画面上に表示される航跡が複雑にな
り、表示色が単色であるため見にくい画像となってしま
うという問題点があった。また、長い時間の航跡を表示
している場合に、その航跡の途中の位置が現時点から見
て時間的にどの程度前の時点の位置かを知ることがむず
かしかった。

【０００７】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、航跡が錯綜してい
る場合であってもかつ長い時間航跡を表示している場合
であっても見易い航跡表示画像を得ることを目的とす
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の航跡表示装置は、自船位置情報の集
合である航跡を記憶する手段と、航跡を記憶した時刻を
記憶する手段と、記憶した時刻に応じて航跡各部の表示
色を設定する手段と、設定された表示色により航跡を表
示する手段と、を備えることを特徴とする。

【０００９】また、本発明の航跡表示方法は、自船位置
の情報の集合である航跡を記憶し、航跡を記憶した時刻
を記憶し、記憶した時刻に応じて航跡各部の表示色を設
定し、設定した表示色により表示装置の画面上に航跡を
表示させることを特徴とする。

【００１０】そして、本発明の航跡表示装置または方法
は、その自船位置情報を記憶してから現在までの経過時
間を所定の間隔で区分し、航跡各部の表示色をこの区分
毎に設定することを特徴とする。

【００１１】

【作用】本発明の航跡表示装置及び方法においては、ま
ず、自船位置情報の集合である航跡及びその航跡を記憶
した時刻が記憶される。さらに、記憶した時刻に応じて
航跡各部の表示色が設定され、設定された表示色により
航跡が表示される。従って、表示装置の画面上において
は、時間の経過が表示色として表現されることとなり、
航跡が錯綜している場合であっても、また長い時間の航
跡を表示している場合であっても、画面上から好適に航
跡を読み取ることができ、またその部分の航跡がどの程
度前の時点の航跡かを好適に読み取ることができる。

【００１２】また、本発明の航跡表示装置及び方法にお
いては、その自船位置情報を記憶してから現在までの記
憶時間が所定の間隔で区分される。さらに、航跡各部の
表示色がこの区分毎に設定される。従って、比較的少な
い表示色によって上述の作用が得られるとともに、表示
装置の画面を見ることによって航跡各部がどの程度前の
時間の航跡であるかを大雑把に把握することが可能とな
る。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。なお、図３及び図４に示される従来例
と同様の構成には同一の符号を付し説明を省略する。

【００１４】図１には、本発明の一実施例に係る航跡表
示装置の構成が示されている。この図に示される装置
は、図３に示される従来例にさらに航跡表示色選択回路
８を付加した構成である。

【００１５】この実施例の場合、ＣＰＵ２は、航跡表示
情報をＧＤＣ５に出力する一方で、航跡の時間間隔デー
タを航跡表示色選択回路８に供給する。航跡表示色選択
回路８は、ＧＰＵ２から供給される時間間隔データに基
づき、航跡メモリ６（ａ）〜（ｃ）に対して制御信号を
出力する。この制御信号は、カラーＣＲＴ表示器７によ
る航跡メモリ６（ａ）〜（ｃ）からの映像信号の読出し
を制御する。すなわち、この実施例の場合、カラーＣＲ
Ｔ表示器７によって読み出される映像信号の色は、航跡
表示色選択回路８により、ＣＲＴ２から供給される時間
間隔データに基づき設定された色となる。なお、航路表
示色選択回路８をオフさせることもできる。

【００１６】図２には、この実施例における航跡表示の
一例が示されている。この図に示される例では自船位置
がドットで表されており、航跡が曲線で表されている。
この航跡は、図においてａ〜ｇで示される時間間隔毎に
異なる色で表示されている。すなわち、この表示例で
は、ＣＰＵ２から供給される時間間隔データにより、表
示色を切り替える時間間隔が１分に設定されている。表
示色は、現時点から１分前までの時間区分に係る航跡ａ
については赤、１分前から２分前までに係る航跡ｂにつ
いては橙、…というように、１分間隔で異なる色に設定
されている。７分以前に係る航跡ｇについては白が用い
られる。

【００１７】従って、本実施例によれば、カラーＣＲＴ
表示器７の画面上の航跡の表示色を見ることにより、そ
の航跡がどの程度前の時点の航跡であるかを好適に読み
取ることが可能となる。従って、付近の海上を自船が回
航している場合のように航跡が錯綜している場合であっ
ても、航跡を好適に読み取ることが可能となるととも
に、長い時間航跡を表示している場合であっても、各航
跡がどの程度前の時点に係るものであるかを好適に読み
取ることができる。

【００１８】さらに、この実施例では、航跡の表示色を
例えば１分間隔で区分して設定している。従って、表示
色は比較的少ない表示色で足りる。図２の例では７色が
用いられているが、例えば、少なくとも２色あればこの
ような色分けを実現することができる。また、所定の時
間間隔で区切った色分けは、どの程度前の航跡であるか
を使用者が大雑把に把握する上で有効である。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
自船位置情報の入力時刻に応じて航跡各部の表示色を設
定するようにしたため、自船が周辺の海上を回航してい
る場合や長い時間の航跡を表示している場合にも、見易
い航跡表示画面を得ることができる。すなわち、時刻に
応じて色分け表示された航跡を見ることにより、どの程
度前の時点に係る航跡であるかを使用者が好適に読み取
ることができる。また、本発明によれば、この表示色を
所定の時間区分毎に設定するようにしたため、比較的少
ない表示色を準備するのみで上述の効果を得ることがで
き、また比較的大雑把に時刻を把握することが可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る航跡表示装置の構成を
示すブロック図である。

【図２】この実施例における航跡表示の一例を示す図で
ある。

【図３】一従来例に係る航跡表示装置の構成を示すブロ
ック図である。

【図４】この従来例における航跡表示の一例を示す図で
ある。

【符号の説明】

１ 測位航法装置 ２ ＣＰＵ ５ ＧＤＣ（グラフィックディスプレイコントローラ） ６（ａ）〜（ｃ） 航跡メモリ ７ カラーＣＲＴ表示器 ８ 航跡表示色選択回路

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自船位置情報の集合である航跡を記憶す
   る手段と、 航跡を記憶した時刻を記憶する手段と、 記憶した時刻に応じて航跡各部の表示色を設定する手段
   と、 設定された表示色により航跡を表示する手段と、 を備えることを特徴とする航跡表示装置。
2. 【請求項２】 自船位置情報の集合である航跡を記憶
   し、 航跡を記憶した時刻を記憶し、 記憶した時刻に応じて航跡各部の表示色を設定し、 設定した表示色により表示装置の画面上に航跡を表示さ
   せることを特徴とする航跡表示方法。
3. 【請求項３】 請求項１又は２記載の航跡表示装置又は
   方法において、 その自船位置情報を記憶してから現在までの経過時間を
   所定の間隔で区分し、航跡各部の表示色をこの区分毎に
   設定することを特徴とする航跡表示装置又は方法。