JPH0752347A - 多層シート - Google Patents

多層シート

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JPH0752347A
JPH0752347A JP19957893A JP19957893A JPH0752347A JP H0752347 A JPH0752347 A JP H0752347A JP 19957893 A JP19957893 A JP 19957893A JP 19957893 A JP19957893 A JP 19957893A JP H0752347 A JPH0752347 A JP H0752347A
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Japan
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sheet
polyethylene terephthalate
sum
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JP19957893A
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Inventor
Tomohiro Okamoto
知大 岡本
Toshiro Taniguchi
俊郎 谷口
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記式(I)または(II)で示される構造単
位を1〜10モル%含有するポリエチレンテレフタレー
ト系共重合ポリエステルからなる層とPETからなる層
とを有する多層シート。 【化1】 【化2】 (各式中、mおよびnはそれぞれ0、1または2を表
す) 【効果】 形態および耐湿熱変形性に優れた成形品を製
造するための熱成形用材料として有用なポリエステル系
シートが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の層構成を有する
ポリエステル系多層シートに関する。本発明の多層シー
トは、真空成形等の熱成形用の材料などとして有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートは、熱成形
性、透明性、力学的特性、耐熱性、耐候性、耐薬品性等
の諸特性に優れ、特に環境汚染のおそれが少なく且つ安
価であることから、塩化ビニル樹脂の代わりに食品容
器、ブリスターパック等の製品包装用資材として近年広
く使用されるようになっている。
【0003】しかしながら、ポリエチレンテレフタレー
トのシートを真空成形等により熱成形して得られた包装
材料は、一般に高温高湿下で変形し易い。例えば、ポリ
エチレンテレフタレートシートの真空成形容器で包装さ
れた製品を船舶で輸送するような場合には、船倉の高温
高湿条件下に長期間さらされることになるが、その場合
には該包装容器が変形を生じて製品の価値を著しく損な
うという問題を生じ易い。
【0004】従来より、上記の耐湿熱変形性の改良に対
しては、(1)真空成形時のシート加熱温度を高温にし
て成形する方法、(2)真空成形時の金型温度を高温に
して成形する方法、(3)得られた真空成形品を熱処理
する方法等の諸方法によって成形品中の残留応力を取り
除いて耐湿熱変形性を付与することが行われている。し
かしながら、それらの方法による場合は、結晶化による
成形品の白化などの成形不良の発生率が増大したり、成
形サイクルが長くなってコストの上昇を招く等の欠点が
あり充分満足のいくものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかして本発明の目的
は、熱成形性(熱成形での形態付与性)、透明性、力学
的特性、耐熱性、耐候性、耐薬品性などのポリエチレン
テレフタレートが本来有する優れた諸特性を保持し、且
つ結晶化による成形品の白化、成形サイクルの長期化な
どの上記の熱成形上の欠点がなく、しかも高温高湿の条
件下に長時間さらされても変形を生じない熱成形品を与
えることが可能なポリエステル系シートを提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく研究を行ってきた結果、ポリエチレンテ
レフタレートにおいて、そのグリコール単位およびジカ
ルボン酸単位をエチレングリコール単位およびテレフタ
ル酸単位のみから構成する代わりに、グリコール単位お
よびジカルボン酸単位からなる全構造単位の一部を特定
の構造単位に置き換えた共重合ポリエステルからなる層
をポリエチレンテレフタレートからなる層と組み合わせ
た特定の多層シートが、ポリエチレンテレフタレートが
本来有する熱成形性等の前記の優れた諸特性を保持して
いるのみならず、高温高湿下に長期間さらされても変形
が全く無いか、またはほとんど無く、しかも透明性の良
好な真空成形品を提供できることを見出した。そして、
さらに研究を進めたところ、その多層シートを使用した
場合には、真空成形品だけでなく、圧空成形、プレス成
形、ブロー成形のような他の熱成形技術で製造された成
形品においても、同様に優れた熱成形性と耐湿熱変形性
の両立が達成されることを見出して本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、エチレングリコール
単位を主とするグリコール単位およびテレフタル酸単位
を主とするジカルボン酸単位からなり、且つ下記式
(I)で示される構造単位(1)および/または下記式
(II)で示される構造単位(2)を、全構造単位基準に
おける構造単位(1)と構造単位(2)との含有率の和
で1〜10モル%含有する共重合ポリエステルからなる
少なくとも1層の層(A)と、ポリエチレンテレフタレ
ートからなる少なくとも1層の層(B)とを有し、該層
(A)の厚さの和が該層(B)の厚さの和に対して0.
1〜1倍の範囲内であることを特徴とする多層シートで
ある。
【0008】
【化3】
【0009】(式中、mは0、1または2を表す)
【0010】
【化4】
【0011】(式中、nは0、1または2を表す)
【0012】本発明の多層シートにおける層(A)を構
成する上記共重合ポリエステルのポリエステル分子主鎖
は、主たる構造単位としてグリコール単位とジカルボン
酸単位とをそれぞれ50モル%程度ずつ含有する。該ジ
カルボン酸単位の主たる部分、好ましくは全構造単位の
40〜50モル%をテレフタル酸単位が占め、また該グ
リコール単位の主たる部分、好ましくは全構造単位の4
0〜50モル%をエチレングリコール単位が占める。該
共重合ポリエステルにおいては、グリコール単位の一部
が構造単位(1)であることおよび/またはジカルボン
酸単位の一部が構造単位(2)であることが必要であ
る。これらの構造単位(1)および構造単位(2)の含
有率はそれらの和において、全構造単位基準で1〜10
モル%の範囲内である。構造単位(1)と構造単位
(2)の含有率の和が1モル%未満であると、得られる
熱成形品に十分な耐湿熱変形性が付与されない。一方、
構造単位(1)と構造単位(2)の含有率の和が10モ
ル%を越えると熱成形時でのシートの金型への密着性が
低下し、得られる成形品に形態不良が発生し易くなる。
熱成形時での形態付与性および得られた成形品の耐湿熱
変形性のいずれもが特に良好となる観点からは、構造単
位(1)と構造単位(2)の含有率の和は全構造単位基
準で2〜8モル%の範囲内であることが好ましい。
【0013】本発明の多層シートにおける層(B)を構
成する上記ポリエチレンテレフタレートは、エチレンテ
レフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエス
テルであり、実質的にエチレンテレフタレート単位のみ
からなるポリエステルが好ましい。
【0014】本発明の多層シートの層(A)および層
(B)をそれぞれ構成する上記共重合ポリエステルおよ
び上記ポリエチレンテレフタレートは、分子中に少量、
好ましくは全構造単位の5モル%以下であれば他のジカ
ルボン酸単位を含むことができる。例えば、イソフタル
酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−
4,4′−ジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン
酸、スルホイソフタル酸ナトリウム等の芳香族ジカルボ
ン酸の単位;またはコハク酸、アジピン酸、スベリン
酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸の単位の
1種または2種以上を必要に応じて含むことができる。
また該共重合ポリエステルおよび該ポリエチレンテレフ
タレートは、分子中に少量、好ましくは全構造単位の5
モル%以下であれば他のグリコール単位を含むことがで
きる。例えば、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ
コール等のグリコールの単位の1種または2種以上を必
要に応じて含むことができる。
【0015】さらに、熱可塑性を実質的に損なわない程
度の少ない量であれば、上記の共重合ポリエステルおよ
びポリエチレンテレフタレートは、例えばトリメリット
酸、ペンタエリスリトール等の三官能以上の多官能性化
合物から誘導される3価以上の構造単位を必要に応じて
含んでいてもよい。
【0016】本発明の多層シートの層(A)および層
(B)をそれぞれ構成する上記共重合ポリエステルおよ
び上記ポリエチレンテレフタレートは、必ずしも限定さ
れるものではないが、熱成形用シートを得る目的におい
ては、それぞれ極限粘度(フェノール/テトラクロロエ
タンの等重量混合溶媒中30℃で測定)が0.4〜1.
2dl/gの範囲であることが好ましい。
【0017】本発明の多層シートの層(A)を構成する
上記共重合ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレー
トなどの通常のポリエステルを製造するのに一般的に採
用されている方法に準じて製造することができる。例え
ば、テレフタル酸を主とするジカルボン酸またはその低
級アルキルエステルからなるジカルボン酸原料と、エチ
レングリコールを主とするグリコール原料とを、エステ
ル化反応またはエステル交換反応させて低重合体を製造
した後、この低重合体を溶融重縮合させてポリエステル
を製造し、ついでこのポリエステルをダイス状、円柱状
等の任意の形状のチップとし、更に所望により該チップ
を固相重合に付することにより、チップ状のポリエチレ
ンテレフタレート系ポリエステルを製造することができ
る。この製法において、グリコール原料の一部として下
記式(III)で示されるグリコールを用いるか、ジカル
ボン酸原料の一部として下記化(IV)で示されるジカル
ボン酸もしくはその低級アルキルエステルを用いるか、
またはこれらの両方を用いることにより、上記共重合ポ
リエステルが得られる。
【0018】
【化5】
【0019】(式中、mは前記定義のとおりである)
【0020】
【化6】
【0021】(式中、nは前記定義のとおりである)
【0022】上記の方法において、低重合体を得るため
のエステル化反応またはエステル交換反応は上記のグリ
コール原料およびジカルボン酸原料からなる混合物を通
常、常圧下もしくは絶対圧で約3Kg/cm2 以下の加
圧下に約230〜280℃でエステル化反応させるかま
たは常圧もしくはその付近の圧力条件下に約160〜2
30℃でエステル交換反応させることにより行う。その
場合のジカルボン酸原料:グリコール原料の使用割合
は、モル比で、エステル化反応による場合には約1:1
〜約1:1.5、エステル交換反応による場合には約
1:2〜約1:3にするとよい。また、低重合体からポ
リエステルを得るための上記した溶融重縮合は、通常二
酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモンなどの重合触媒の
存在下に約260〜290℃の温度で行うのがよい。そ
して、このような溶融重縮合によって、通常約0.40
〜0.75dl/gの極限粘度(フェノール/テトラク
ロロエタンの等重量混合溶媒中30℃で測定)を有する
ポリエステルを得ることができる。なお、上記エステル
化反応、エステル交換反応または溶融重縮合反応は、必
要に応じてテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、
トリエタノールアミン、トリエチルアミン等のジエチレ
ングリコール副生抑制剤を添加して行なってもよい。上
記で得られたポリエステルを任意形状のチップにする
が、所望によりこれを通常190℃以下の温度で予備結
晶化し、固相重合に付することができる。固相重合は通
常減圧下または窒素ガス等の不活性ガスの流通化にチッ
プを流動させながら約190〜240℃の温度に加熱す
ることにより行なう方法がよい。機械的特性の良好な熱
成形品を得るためには、最終的に得られるポリエステル
の極限粘度(フェノール/テトラクロロエタンの等重量
混合溶媒中30℃で測定)が約0.60〜1.20dl
/gの範囲になるように固相重合を行なうのが望まし
い。
【0023】本発明の多層シートは、上記共重合ポリエ
ステルからなる層(A)と上記ポリエチレンテレフタレ
ートからなる層(B)とをそれぞれ少なくとも1層有
し、層(A)の厚さの和が層(B)の厚さの和に対して
0.1〜1倍の範囲内であることが必要である。層
(A)の厚さの和が層(B)の厚さの和に対して0.1
倍未満の場合には、多層シートを熱成形して得られる成
形品の耐湿熱変形性が不充分となる。また層(A)の厚
さの和が層(B)の厚さの和に対して1倍を越える多層
シートまたは層(A)のみの単層シートでは、シートの
熱成形における金型への密着性が低下する傾向があり、
絞り比が大きい成形品、複雑な形状の成形品等の一般に
成形しにくいとされている形状の成形品を得ようとする
場合に、得られる成形品に形態不良が発生し易くなる。
熱成形での形態付与性および得られる成形品の耐湿熱変
形性の両者が総合的に特に良好となる観点からは、層
(A)の厚さの和が層(B)の厚さの和に対して0.1
3〜0.70倍の範囲内であることが好ましい。本発明
の多層シートとしては、代表的には、層(A)/層
(B)の層構成を有する2層シート、層(A)/層
(B)/層(A)または層(B)/層(A)/層(B)
の層構成を有する3層シート等が挙げられる。それらの
中でも、本発明の効果が特に有効に発揮される点から、
層(A)/層(B)/層(A)の層構成を有する3層シ
ート、とりわけ各層(A)の厚さが層(B)の厚さに対
して0.05〜0.5倍の範囲内であるもの、が好まし
い。なお、本発明の多層シートは、本発明の効果が損な
われない範囲において、層(A)および層(B)以外の
層を中間層または最外層として有していてもよい。本発
明の多層シートの厚さは特に限定されず、フイルムに近
い薄いシートからプレートに近い厚いシートまで包含さ
れる。熱成形に使用する目的においては、通常シートの
厚さは約10〜1000μmの範囲である。
【0024】本発明の多層シートは通常の多層シートの
製造法として知られている任意の方法で製造することが
でき、例えばTダイまたは環状ダイによる共押出成形法
等により製造することができる。その中でも、Tダイに
よる共押出成形法が得られた多層シートの内部応力が少
なく、耐湿熱変形性が特に良好となる成形品を与え易い
点で好ましい。例えば、共押出成形法による場合は、層
(A)を構成する共重合ポリエステルおよび層(B)を
構成するポリエチレンテレフタレートをそれぞれ約27
0〜310℃の押出温度でTダイより共押出しした後、
約30〜70℃の冷却ロールで冷却して多層シートを製
造するのがよい。また、表面状態が良好な多層シートを
得るために、冷却ロールとの接触時点で5〜15KV程
度の静電圧を必要に応じて印加してもよい。
【0025】本発明の多層シートは熱成形用シートとし
て有用であり、絞り比が大きい成形品、複雑な形状の成
形品等の一般に成形しにくいとされている形状の成形品
を得ようとする場合においてさえも、熱成形時に優れた
形態付与性を発揮する。ここでいう「熱成形」(thermo
forming)とは、シートを加熱して真空成形、圧空成
形、プレス成形、ブロー成形等により成形して所定形状
の成形品を製造する成形をいう。
【0026】本発明の多層シートは加熱した後、または
加熱と同時に上記の通常の熱成形技術によって、例えば
凹部等を有する任意の形状に成形することができ、特に
真空成形用材料として適している。真空成形による場合
は、直接真空成形法(ストレート法)、ドレープ法、エ
アスリップ法、スナップバック法、プラグアシスト法等
の既知の真空成形法のいずれもが採用できる。また、本
発明の多層シートを用いた熱成形時の加熱温度は、ポリ
エステルの組成等により異なる場合もあるが、一般にシ
ート表面温度が約110〜160℃の範囲になるように
するのが好ましい。約110℃未満であるとシートの軟
化が不足し金型への密着が不完全になることによる形態
不良が発生する場合がある。一方、約160℃を越える
とシートのドローダウン(drawdown)により成形が困難
となる場合があり、また結晶化による白化の発生等の問
題を生じる場合がある。
【0027】本発明の多層シートの熱成形により得られ
た成形品は、電気製品、電気部品、日用雑貨品、食品等
の種々の物品の包装容器として使用することができ、形
態良好であるうえに、高温高湿の条件下に長期間置かれ
ても変形、容積の縮小等を生じず、当初の形態および寸
法を保持する。
【0028】
【作用】本発明の多層シートにおいては、主として層
(B)を構成する上記ポリエチレンテレフタレートに由
来する熱成形時での金型への良好な密着性と、層(A)
を構成する上記特定の共重合ポリエステルに由来する熱
成形品における優れた耐湿熱変形性との両方が、効果的
に発現されるものと推定される。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの例により限定されない。
【0030】なお、下記の実施例および比較例におい
て、得られたポリエステルの極限粘度は、フェノール/
テトラクロロエタンの等重量混合溶媒中30℃で測定し
た。また、真空成形により得られたカップ状成形品の耐
湿熱変形性は以下に記載した容積保持率により評価し
た。
【0031】容積保持率の測定 下記の実施例および比較例において真空成形により製造
されたカップ状成形品を、温度65℃、湿度80%RH
の恒温恒湿の室内に16時間静置した後、該処理前後の
容積から以下の式により容積保持率を求めた。容積保持
率が100%に近いほど、元の容積がそのまま保持され
ていることとなり、耐湿熱変形性に優れているというこ
とができる。
【0032】容積保持率(%)=(V16/V0 )×10
【0033】(ここで、V16は恒温恒湿の室内に16時
間静置した後のカップ状成形品の容積を表し、V0 はカ
ップ状成形品の元の容積を表す)
【0034】<実施例1>エチレングリコール92モル
%および表1に示す2,3−ジ(ヒドロキシメチル)−
ペルヒドロ−1,4;5,8−ジメタノナフタレン8モ
ル%からなるグリコール原料とテレフタル酸とから、グ
リコール原料:テレフタル酸のモル比が1.2:1にな
るように調整してスラリーを形成し、このスラリーを加
圧下(絶対圧2.5Kg/cm2 )、250℃の温度で
エステル化率が95%になるまでエステル化反応させて
低重合体を製造した。次に、触媒として350ppmの
三酸化アンチモンを加えて絶対圧1トールの減圧下、2
80℃の温度で低重合体を重縮合し、極限粘度0.60
dl/gのポリマーを調製した。このポリマーをノズル
からストランド状に押出し、切断して長さ3.2mm、
直径2.8mmの円柱状チップを製造した。このポリマ
ーチップを150℃で5時間乾燥した後、窒素気流下に
流動させながら205℃の温度で15時間固相重合させ
て、極限粘度0.80dl/gのポリエステルチップを
得た。得られたポリエステルチップを 1H−NMR(溶
媒:トリフルオロ酢酸)により分析したところ、該ポリ
エステルは2,3−ジ(ヒドロキシメチル)−ペルヒド
ロ−1,4;5,8−ジメタノナフタレン単位が全構造
単位中5.0モル%含まれているポリエチレンテレフタ
レート系共重合ポリエステルであることが確認された。
上記で得た共重合ポリエステルチップと極限粘度0.8
0dl/gのポリエチレンテレフタレートチップとを用
いて、2種3層の共押出シート成形機により温度280
〜300℃で共押出しし、厚さ400μmの3層シート
を製造した。なお得られた3層シートは、上記ポリエチ
レンテレフタレートからなる厚さ335μmの層を内層
とし、その両面に上記共重合ポリエステルからなる厚さ
33μmの層(外層)がそれぞれ一体に積層された構造
を有していた。
【0035】上記で製造した3層シートをその表面温度
が130℃になるように加熱した後、真空成形して、絞
り比が2.9/1の凹部の底部直径が6.5cmで深さ
が22.0cmの円筒形のカップ状成形品を製造した
(凹部容積V0 =850cc)。得られたカップ状成形
品は、白化がなく透明性に優れ、また真空成形用金型の
形状によく一致した良好な形態を有していた。このカッ
プ状成形品を、上記したように温度65℃、湿度80%
RHの恒温恒湿の室内に16時間静置した後、容積を測
定してV16とし、上記式により容積保持率を求めた。こ
れらの評価結果を下記表2に示す。
【0036】<実施例2、3>内層と外層の厚み比を表
2に示すように変えた以外は実施例1と同様にして厚さ
400μmの3層シートを製造し、それを用いてカップ
状成形品を得た。これらの評価結果を表2に示す。
【0037】<実施例4>グリコール原料としてエチレ
ングリコールのみを使用し、且つテレフタル酸単独に代
えてテレフタル酸90モル%およびペルヒドロ−1,
4;5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジカルボン
酸10モル%の混合ジカルボン酸を使用する以外は実施
例1と同様にして、極限粘度0.8dl/gのポリエチ
レンテレフタレート系共重合ポリエステルを製造した。
得られた共重合ポリエステルは、ペルヒドロ−1,4;
5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジカルボン酸単
位を全構造単位基準で5.0モル%含有していた。次に
それとポリエチレンテレフタレートを用いて実施例1と
同様にして、厚さ400μmの3層シートを製造し、そ
の3層シートからカップ状成形品を得た。その評価結果
を表2に示す。
【0038】<実施例5、6、比較例1、2>コモノマ
ーの使用量を変える以外は実施例1と同様にして、それ
ぞれ表1に示す2,3−ジ(ヒドロキシメチル)−ペル
ヒドロ−1,4;5,8−ジメタノナフタレン単位の含
有率を有する極限粘度0.8dl/gのポリエチレンテ
レフタレート系共重合ポリエステルを製造した。次にそ
れとポリエチレンテレフタレートを用いて実施例1と同
様にして、厚さ400μmの3層シートを製造し、その
3層シートからカップ状成形品を得た。これらの評価結
果を表2に示す。
【0039】<比較例3、4>内層と外層の厚み比を表
2に示すように変えた以外は実施例1と同様にして厚さ
400μmの3層シートを製造し、それを用いてカップ
状成形品を得た。これらの評価結果を表2に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】上記表2中、「カップ状成形品の評価」の
「成形品外観」の欄における「○」は「カップ状成形品
が真空成形用金型によく合致した形状を有し、形態良好
である」ことを示し、また「×」は「カップ状成形品の
真空成形用金型への密着性が悪く、形態不良である」こ
とを示す。
【0043】上記の結果から、実施例1〜6の本発明の
多層シートを使用して得られた成形品は、形態良好であ
ると共に、容積保持率が95%以上と耐湿熱変形性も極
めて良好であることがわかる。
【0044】
【発明の効果】本発明の多層シートを使用して真空成形
などの熱成形を行なった場合には、熱成形時にシート加
熱温度を高温にしたり、熱成形時の金型温度を高温にし
たり、得られた成形品を熱処理する等の特殊な方法によ
らずとも、充分な耐湿熱変形性を有し、高温高湿条件下
に長時間さらされても変形のほとんどない成形品を円滑
にしかも高い生産性で経済的に得ることができる。しか
もその成形品は、本発明の多層シートが有する熱成形時
での優れた形態付与性に由来して、たとえ絞り比の大き
い成形品であっても、形態が極めて良好である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレングリコール単位を主とするグリ
    コール単位およびテレフタル酸単位を主とするジカルボ
    ン酸単位からなり、且つ下記式(I)で示される構造単
    位(1)および/または下記式(II)で示される構造単
    位(2)を、全構造単位基準における構造単位(1)と
    構造単位(2)との含有率の和で1〜10モル%含有す
    る共重合ポリエステルからなる少なくとも1層の層
    (A)と、ポリエチレンテレフタレートからなる少なく
    とも1層の層(B)とを有し、該層(A)の厚さの和が
    該層(B)の厚さの和に対して0.1〜1倍の範囲内で
    あることを特徴とする多層シート。 【化1】 (式中、mは0、1または2を表す) 【化2】 (式中、nは0、1または2を表す)
JP19957893A 1993-08-11 1993-08-11 多層シート Pending JPH0752347A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023058632A1 (ja) * 2021-10-05 2023-04-13 三菱瓦斯化学株式会社 ポリエステル樹脂及びその製造方法、並びに、樹脂組成物、成形体、光学部材

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WO2023058632A1 (ja) * 2021-10-05 2023-04-13 三菱瓦斯化学株式会社 ポリエステル樹脂及びその製造方法、並びに、樹脂組成物、成形体、光学部材

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