JPH0752292A - 遮水用自己修復性複合シート - Google Patents

遮水用自己修復性複合シート

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JPH0752292A
JPH0752292A JP21802393A JP21802393A JPH0752292A JP H0752292 A JPH0752292 A JP H0752292A JP 21802393 A JP21802393 A JP 21802393A JP 21802393 A JP21802393 A JP 21802393A JP H0752292 A JPH0752292 A JP H0752292A
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Eiichiro Taki
瑛一路 滝
Takashi Nishida
孝 西田
Tetsuo Miyake
徹男 三宅
Akio Yokawa
彬夫 余川
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Kureha Elastomer Co Ltd
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 合成高分子材料からなる土木建築用遮水シー
トにおいて、その軽量化により取扱を容易にし、かつ施
工中および使用中に生じた穴の拡大を防止し、かつ上記
の穴を漏水との接触によりシート自体の吸水膨張性で自
己修復させ、しかも敷設面の凹凸に対するフィット性を
良好に維持して遮水用シートとしての信頼性を高める。 【構成】 発泡倍率1.1〜10倍、水に浸漬10時間
後の体積膨張率50〜1000%、水に浸漬10時間後
の膨張圧1〜50kg/cm2 の水膨張性発泡シート12の
表裏両面に通常のゴムまたは樹脂からなる遮水性の外面
シート11を積層して積層後の破断伸度を50%以上、
引裂強度を10kg/cm以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、廃棄物処理場、人工
貯水池、河川の堤防、鉄筋コンクリート建築物の屋上、
地下鉄の駅舎および地下埋設物等に漏水防止のために敷
設される土木建築用の遮水シートであって、施工時また
は使用時に鋭角物との接触により生じた穴の拡大を防止
し、かつこの穴を自動的に塞ぐことができる遮水用自己
修復性複合シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記の廃棄物処理場や鉄筋コンクリート
建築物の屋上等に漏水防止のために敷設される土木建築
用遮水シートとして、塩化ビニル系、ポリエチレン系、
合成ゴム系およびアスファルト系等の合成高分子材料か
らなるシートが多く採用されている。これらの合成高分
子材料からなる遮水シートは、いずれも100〜600
%の伸度を有し、金属系遮水シートに比して敷設面の凹
凸にフィットし易く、かつ外力による破損を軽減するこ
とができる反面、敷設面の岩石や砕石等の鋭角状物に接
した場合に裂傷を生じ易かった。
【0003】この裂傷を防ぐため、上記の合成高分子材
料シートを織物または不織布等の繊維シートで補強した
複合シートも開発されているが、この複合シートは、引
張り伸度が20%以下であるため、合成高分子材料製遮
水シートに比して敷設面の凹凸にフィットし難く、特に
引張り力が働いた状態で鋭角物に当たった場合は、引裂
き破損が生じ易かった。
【0004】そこで、織物や不織布に比して伸度の大き
い編物を基布とした複合シートが開発されるようになっ
たが、この場合も敷設面の鋭角部または釘、ガラス、刃
物等の鋭利物品に接すると、その接触部に応力が集中し
て穴が開けられ、この穴から廃棄物中の汚染物質が水と
共に流れ出し、地下水や河川を汚染する原因となり、周
辺環境に大きな悪影響を与えるという問題があった。
【0005】これらの問題を解決するため、水との接触
により膨張する性質を備えた水膨張性ゴムまたは水膨張
性樹脂からなる水膨張性シートの表裏両面に通常のゴム
または樹脂からなる遮水性の外面シートを積層し、得ら
れた複合シートを所望の箇所に敷設し、この複合シート
が破損されない通常の条件下では、外面シートで水膨張
性シートを保護して遮水の目的を達成し、この複合シー
トに穴が発生した場合は、穴から侵入する水に水膨張性
シートが接することにより、水膨張性シートを膨張させ
て穴を塞ぎ、水の侵入を防止することが試みられた。し
かし、この場合は、複合シートの重量が増大し、その取
扱が困難になるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記のよ
うな合成高分子材料からなる土木建築用遮水シートを改
良して該シートに、施工中および使用中に生じた穴の拡
大を防止する機能、および上記の穴を漏水との接触によ
りシート自体の吸水膨張性で自己修復する機能を付与
し、しかも敷設面の凹凸に対するフィット性を良好に維
持し、もって遮水用シートとしての信頼性を高めると共
に、上記シートを軽量化し、その取扱を容易にしたもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
発泡倍率1.1〜10倍、水に浸漬10時間後の体積膨
張率50〜1000%、水に浸漬10時間後の膨張圧1
〜50kg/cm2 の水膨張性ゴム発泡体または水膨張性樹
脂発泡体からなる水膨張性発泡シートの表裏両面に通常
のゴムまたは樹脂からなる遮水性の外面シートが積層さ
れ、得られた複合シート全体の破断伸度が50%以上、
引裂強度が10kg/cm以上であることを特徴とする遮水
用自己修復性複合シートである。
【0008】この発明の水膨張性発泡シートを構成する
水膨張性ゴム発泡体または水膨張性樹脂発泡体は、発泡
倍率1.1〜10倍、水に浸漬10時間後の体積膨張率
50〜1000%、同じく水に浸漬10時間後の膨張圧
1〜50kg/cm2 のものであり、例えば、吸水性に優れ
たパルプ、ベントナイト、デンプン類、セルロース類な
どの天然材料、またはポリアクリル酸塩系、デンプン・
アクリル酸、酢ビ・アクリル酸共重合体、ポリエチレン
オキサイド系、イソブチレン・無水マレイン酸共重合
体、PVA・無水マレイン酸共重合体、アクリル酸塩・
アクリルアミド共重合体、CMC系等の高吸水性ポリマ
ー類をそれぞれ単独で、または併用してゴムまたは樹脂
に混合して製造することができる。
【0009】上記のゴムとしては、天然ゴムおよびI
R、SBR、BR、EPM、EPDM、IIR、Br−
IIR、塩素化IIR、塩素化ポリエチレンゴム、CS
M、CR、NBR、FPM、Qなどの各種合成ゴムが単
独またはゴムブレンド体として用いられる。また、樹脂
としては、PVC、高密度ポリエチレン、架橋ポリエチ
レン、塩素化ポリエチレンその他のオレフィン系樹脂が
単独または併用して用いられる。そして、上記の水膨張
性ゴムまたは水膨張性樹脂からなる発泡体は、シート状
に成形されるが、その厚みは0.5〜20mmが好まし
い。
【0010】なお、上記のゴムとして、水に接触するま
では微加硫または半加硫の状態に維持され、水と接触す
ることにより加硫が完結する性質の水架橋性ゴムを使用
することができる。この場合は、CSM、塩素化ポリエ
チレン、ハロゲン化IIR、ハロゲン化EPDMおよび
マレイン酸等の反応基をグラフトした各種の合成ゴムに
前記の吸水性材料と共に水架橋剤、例えばビニル系シラ
ン、メタクリロキシ系シラン、エポキシ系シラン、アミ
ノ系シラン、メルカプト系シランおよびクロロプロピル
系シラン等のシランカップリング剤が添加され、硫黄等
の熱加硫剤の添加量が少なくされる。また、上記の水架
橋性ゴムに代えて、活性シラン基を有するオレフィン系
樹脂等の水架橋性樹脂を使用することができる。
【0011】上記水膨張性発泡シートの表裏両面に積層
される外面シートは、遮水性を有し、かつ中間層の水膨
張性発泡シートを保護するものであり、その弾性率は3
〜500kg/cm2 が、また厚みは0.5〜20mmがそれ
ぞれ好ましい。なお、この外面シートは、上記の水膨張
性発泡シートに使用したゴムの外、PVC、高密度ポリ
エチレン、低密度ポリエチレン、架橋ポリエチレン、塩
素化ポリエチレン、EVAその他のオレフィン系樹脂等
で成形することができる。
【0012】上記の水膨張性発泡シートおよび外面シー
トは、それぞれを単独で加硫した後、接着により積層す
ることができるが、シート状に成形した後、未加硫の状
態で重ね、しかるのち加硫して一体化することができ
る。なお、水膨張性発泡シートおよび外面シートに同じ
ゴムを使用する必要はなく、例えば、一方にNBRを使
用して他方にEPDMを使用することができる。また、
水膨張性発泡シートに水膨張性ゴムを使用して外面シー
トに通常の樹脂を使用したり、水膨張性発泡シートに水
膨張性樹脂発泡体を使用して外面シートに通常のゴムを
使用したりすることができる。
【0013】この発明は、上記の水膨張性発泡シートと
その表裏の外面シートとを積層することにより、または
この積層シートを繊維シートで補強することにより、得
られた複合シート全体の破断伸度を50%以上、引裂き
強度を10kg/cm以上にしたものであるが、上記の繊維
シートとしては、伸度の点から編地が好ましく、編地と
しては経編地よりも緯編地が好ましく、緯編地の中では
特に生産性の面から丸編地が好ましい。この編地を構成
する繊維は、天然繊維、半合成繊維、合成繊維のいずれ
でもよいが、特にナイロンの捲縮加工糸が好ましい。な
お、上記の繊維シートは、外面シートの表面に積層する
ことができ、また外面シート中に埋設状に設けることが
でき、また外面シートと水膨張性発泡シートとの境界面
に介在させることができ、また水膨張性発泡シート中に
埋設状に設けることができる。
【0014】
【作用】この発明の遮水用自己修復性複合シートは、水
膨張性発泡シートの表裏両面に遮水性の外面シートが積
層されたものであるから、従来の遮水シートと同様に廃
棄物処理場その他の所望箇所に漏水防止用として敷設
し、その際に施工箇所の広さに応じて長さ方向および幅
方向に接着剤等で適宜継ぎ足し、所望の面積にして使用
することができる。その場合、水膨張性発泡シートがゴ
ムまたは樹脂の発泡体で形成されているため、複合シー
ト全体が軽量化され、取扱が容易になる。そして、上記
複合シートの破断伸度が50%以上、引裂強度が10kg
/cm以上であるため、敷設面の凹凸にフィットし易く、
しかも施工時の操作による破損が防止され、かつ敷設面
の岩石や砕石等の鋭角状物に接した場合に破れ難く、さ
らに破損部分の拡大が防止される。
【0015】しかして、上記水膨張性発泡シートの表裏
両面には通常のゴムまたは樹脂からなる遮水性の外面シ
ートが積層されているため、複合シートが破損されるま
での通常の条件下では、この外面シートによって水膨張
性発泡シートが保護され、複合シート全体の遮水性が維
持される。そして、中間層に水膨張性発泡シートを有す
るので、敷設面の凹凸や廃棄物中の鋭角物によって仮に
穴が開けられた場合には、この穴から浸入する水に水膨
張性発泡シートが接することにより、水膨張性発泡シー
トが膨張して穴を塞ぎ、水の浸入が防止される。すなわ
ち、水膨張性発泡シート自体の自己修復力によって止水
される。
【0016】ただし、複合シートの破断伸度が50%未
満の場合は、敷設面の凹凸で、また廃棄物処理場では廃
棄物の凹凸等で破損し易くなる。また、引裂強度が10
kg/cm未満の場合は、破損部分または穴が拡大する。そ
して、上記の複合シートを繊維シート、特に編地、好ま
しくは緯編地で補強した場合は、上記の破断伸度および
引裂強度が容易に得られ、更に丸編地を使用した場合
は、生産性の面で有利である。また、ナイロンの捲縮加
工糸からなる編地を使用することにより、伸度を一層向
上させることができ、かつ水膨張性発泡シートや外面シ
ートに対する接着性が良好になる。そして、上記の編地
を水膨張性発泡シートの中間に埋設状に設けた場合は複
合シートに反りの発生および表裏の区別が無くなって加
工が容易であり、また水膨張性発泡シートと外面シート
の境界面に介在させた場合は工数が少なくなり、生産性
の点で有利である。
【0017】しかして、水膨張性発泡シートの発泡倍率
が1.1倍未満の場合は、軽量化の目的がほとんど達成
されず、反対に10倍を超えた場合は、柔らか過ぎて穴
を塞いだ後の緊張性が不足し、止水性が低下する。ま
た、水膨張性発泡シートの水に浸漬10時間後の体積膨
張率が50%未満の場合は、目的の止水効果が得られ
ず、反対に1000%を超えた場合は、製造時または敷
設後に水分の影響を受け易く、安定した修復機能の付与
が困難になる。また、傷穴からの水の浸入も過多とな
り、新たな切り傷を招き易い。
【0018】また、水膨張性発泡シートの膨張圧が1kg
/cm2 未満の場合は、穴を遮蔽したときの緊張を保つこ
とができず、穴を補修した後の耐水圧が小さくて漏水し
易く、反対に50kg/cm2 を超えた場合は、吸水時に水
膨張性発泡シート自体の膨張圧で複合シートを破損させ
たり、変形させたりする結果になる。そして、上記の水
膨張性発泡シートを水架橋性のゴム発泡体で形成したと
きは、破れに伴う穴を膨張で塞ぎながら架橋が進行する
ので、止水完了後に水に溶解することがなく、止水効果
が持続される。
【0019】
【実施例】
実施例1 図1に示すように、遮水性の外面シート11、水膨張性
発泡シート12、繊維シート13および上記同様の外面
シート11が上から順に積層された遮水用自己修復性複
合シート10を製造した。上下の外面シート11は、E
PDMによって厚み0.7mmのシート状に成形した。ま
た、水膨張性発泡シート12は、下記の配合物をバンバ
リーミキサーで混練りし、空冷した後、シート押出機を
用いて厚み1.2mmのシート状に成形した。また、繊維
シート13は、ナイロンの捲縮加工糸(140デニー
ル)からなる天竺組織の丸編地(目付量270g/
2 )を使用した。そして、上記未加硫の外面シート1
1、未加硫・未発泡の水膨張性シート、繊維シート13
および未加硫の外面シート11を重ね、5kg/cm2 の面
圧を加えて180℃、15分間の加硫を施し、同時に発
泡させた。
【0020】 表 1 EPDM(三井石油社製、品番「3045」) 100部 亜鉛華 5部 ステアリン酸 1部 クマロン樹脂 3部 SRFブラック 50部 クレー 15部 プロセスオイル 20部 イオウ 2部 促進剤TT 1.5部 促進剤PZ 1.5部 促進剤M 1.0部 高吸水性樹脂 100部 発泡剤 4部 ただし、表1中のTTはテトラチウラム・ジスルフィ
ド、PZはジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、Mは2−
メルカプトベンゾチアゾール、高吸水性樹脂は株式会社
クラレ製、商品名「KIゲル201K−F2」である。
また、発泡剤は、アゾジカルボンアミドとジニトロペン
タメチルテトラミンとの混合物である。
【0021】得られた実施例1の遮水用自己修復性複合
シート10について、その物性を試験したところ、該複
合シート10の破断伸度は125%であり、引裂強度は
35kg/cmであった。また、上記の遮水用自己修復性複
合シート10から剥離して得られた水膨張性発泡シート
12の発泡倍率は2.0であり、水に浸漬10時間後の
体積膨張率は500%、同じく水に浸漬10時間後の膨
張圧は12kg/cm2 であった。また、外面シート11の
弾性率は30kg/cm2 であった。また、繊維シート13
の破断伸度は、積層前において180%であった。ただ
し、体積膨張率は、水膨張性発泡シート12の試験片
(厚み2mm、直径50mm)を常温の水道水に浸漬し、1
0時間後の測定値から算出した。また、膨張圧は、上記
の試験片を同様に水道水に浸漬し、押さえ板を介してロ
ードセルで測定し、その経時変化を記録し、10時間後
の数値をもって膨張圧とした。
【0022】次に、上記実施例1の遮水用自己修復性複
合シート10から直径260mmの円板を切り取って試験
片とし、その周縁内側の直径220mmの円に沿って6個
のボルト孔(直径18.6mm)を等間隔に開け、図2に
示すように、該試験片10aに14メッシュの金網15
を重ねて試験台16上に押さえリング17、ボルト18
およびナット19で固定した。そして、試験台16の中
央に設けた孔に給水パイプ20を接続した。
【0023】上記の試験片10aに金網15の上から釘
(直径2.5mm、長さ14.4mm)21を突き刺し、そ
の状態で上記の給水パイプ20から圧力3kg/cm2 の高
圧水を供給して試験片10aと試験台16との間に送入
したところ、15分後において水洩れは全く認められな
かった。次いで、上記の釘21を抜き取ったところ、水
洩れはいったん発生したが、45分後において若干の水
洩れが認められる程度となり、90分後に水洩れが完全
に停止した。
【0024】上記実施例1の遮水用自己修復性複合シー
ト10における水膨張性発泡シート12を省略したこと
を除き、他は実施例1と全く同様にして上下の外面シー
ト11、11と中間の繊維シート13とからなる比較例
1の遮水シートを製造し、この遮水シートから実施例と
同じ大きさの試験片を切り取り、実施例1と同様に試験
台16に取付け、この比較例1の試験片に釘21を刺し
て圧力1kg/cm2 の高圧水を供給したところ、15分経
過しても水洩れが止まらなかった。次いで、釘21を抜
き取ったところ、水洩れが一層激しくなり、全く停止し
なかった。
【0025】実施例2 上下の外面シート11として高密度ポリエチレンからな
る厚み1.0mmのシートを、また中間の水膨張性発泡シ
ート12として下記の表2の配合からなる水架橋性ゴム
をそれぞれ用い、繊維シート13を省略して遮水用自己
修復性複合シート10を製造した。すなわち、表2の配
合物をバンバリーミキサーで混練りし、空冷した後、シ
ート押出機を用いて厚み1.0mmのシート状に成形し、
その上下両面に上記の高密度ポリエチレンからなる外面
シート11を重ね、3kg/cm2 の付加圧力を加えて上記
3層のシートを密接させ、続いて1kg/cm2 の面圧下に
おいて160℃、15分間の加硫を行い、同時に発泡さ
せ、しかるのち80℃まで冷却して実施例2の遮水用自
己修復性複合シート(厚み4mm、発泡倍率2.0)を得
た。
【0026】 表 2 塩素化ブチルゴム(日本合成ゴム社製「1066」)100部 カーボンHAF 50部 プロセスオイル 30部 パラフィン 2部 亜鉛華 5部 ステアリン酸 1部 高吸水性樹脂(日本触媒社製「アクアリックCS-7S 」100部 水架橋剤 7部 発泡剤 4部 ただし、上記の高吸水性樹脂は日本触媒社製「アクアリ
ックCS−7S」、水架橋剤はγ−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン(信越化学工業社製「シランカップ
リングKBM803」)、発泡剤はアゾジカルボンアミ
ドとジニトロペンタメチルテトラミンとの混合物であ
る。
【0027】得られた実施例2の遮水用自己修復性複合
シートについて、その物性を試験したところ、破断伸度
は500%であり、引裂強度は70kg/cmであった。ま
た、水膨張性発泡シート12の水に浸漬10時間後の体
積膨張率は460%、同じく水に浸漬10時間後の膨張
圧は11kg/cm2 であった。また、高密度ポリエチレン
からなる外面シートの弾性率は、3000kg/cm2 であ
った。
【0028】また、実施例1と同様に水洩れテストを実
施したところ、釘21を抜き取ってから70分後におい
て若干の水洩れが認められたが、130分後には水洩れ
が完全に停止し、かつ1カ月後においても水洩れがな
く、止水性の長期にわたる持続性が認められた。これに
対し、上記実施例2の水膨張性発泡シート12を省略し
た比較例2は、前記の比較例1と同様に自己修復性が全
く認められなかった。
【0029】
【発明の効果】この発明の遮水用自己修復性複合シート
は、上記のとおり、発泡倍率1.1〜10倍、水に浸漬
10時間後の体積膨張率50〜1000%、水に浸漬1
0時間後の膨張圧1〜50kg/cm2 の水膨張性ゴム発泡
体または水膨張性樹脂発泡体からなる水膨張性発泡シー
トの表裏両面に通常のゴムまたは樹脂からなる遮水性の
外面シートが積層され、積層後の破断伸度が50%以
上、引裂強度が10kg/cm以上のものであるから、廃棄
物処理場等における漏水防止のための土木建築用遮水シ
ートとして使用することができ、その際に軽量で、施工
に際して取扱が容易であり、また敷設面の凹凸に対する
フィット性が良好であり、しかも施工中および使用中に
生じた穴の拡大を防止し、孔が生じた際には漏水との接
触によりシート自体の吸水膨張性で上記の穴を自己修復
することができ、そのため遮水用シートとしての信頼性
が向上する。
【0030】そして、請求項2に記載の発明は、上記の
請求項1記載の複合シートを繊維シートで補強したもの
であるから、所望の破断伸度および引裂強度が容易に得
られる。また、請求項3に記載の発明は、上記の水膨張
性発泡シートを水架橋性のゴム発泡体で形成したもので
あるから、シートに生じた穴を膨張によって塞ぎながら
架橋が進行し、しかも止水効果が持続する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の断面図である。
【図2】水洩れ試験装置の断面図である。
【符号の説明】
10:遮水用自己修復性複合シート 10a:試験片 11:外面シート 12:水膨張性発泡シート 13:繊維シート 15:金網 16:試験台 17:押さえリング 20:給水パイプ 21:釘
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 徹男 三重県津市観音寺町255呉羽ゴム工業株式 会社津工場内 (72)発明者 余川 彬夫 三重県津市観音寺町255呉羽ゴム工業株式 会社津工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡倍率1.1〜10倍、水に浸漬10
    時間後の体積膨張率50〜1000%、水に浸漬10時
    間後の膨張圧1〜50kg/cm2 の水膨張性ゴム発泡体ま
    たは水膨張性樹脂発泡体からなる水膨張性発泡シートの
    表裏両面に通常のゴムまたは樹脂からなる遮水性の外面
    シートが積層され、得られた複合シート全体の破断伸度
    が50%以上、引裂強度が10kg/cm以上であることを
    特徴とする遮水用自己修復性複合シート。
  2. 【請求項2】 発泡倍率1.1〜10倍、水に浸漬10
    時間後の体積膨張率50〜1000%、水に浸漬10時
    間後の膨張圧1〜50kg/cm2 の水膨張性ゴム発泡体ま
    たは水膨張性樹脂発泡体からなる水膨張性発泡シートの
    表裏両面に通常のゴムまたは樹脂からなる遮水性の外面
    シートが積層され、かつ繊維シートで補強されており、
    得られた複合シート全体の破断伸度が50%以上、引裂
    強度が10kg/cm以上であることを特徴とする遮水用自
    己修復性複合シート。
  3. 【請求項3】 水膨張性発泡シートが水との接触により
    架橋が進行する水架橋性を備えたものである請求項1ま
    たは2に記載された遮水用自己修復性複合シート。
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