JP2714919B2 - 遮水用自己修復性複合シート - Google Patents
遮水用自己修復性複合シートInfo
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- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
Description
貯水池、河川の堤防、鉄筋コンクリート建築物の屋上、
地下鉄の駅舎および地下埋設物等に漏水防止のために敷
設される土木建築用の遮水シートであって、施工時また
は使用時に鋭角物との接触により生じた穴の拡大を防止
し、かつこの穴を自動的に塞ぐことができる遮水用自己
修復性複合シートに関するものである。
建築物の屋上等に漏水防止のために敷設される土木建築
用遮水シートとして、塩化ビニル系、ポリエチレン系、
合成ゴム系およびアスファルト系等の合成高分子材料か
らなるシートが多く採用されている。これらの合成高分
子材料からなる遮水シートは、いずれも100〜600
%の伸度を有し、金属系遮水シートに比して敷設面の凹
凸にフィットし易く、かつ外力による破損を軽減するこ
とができる反面、敷設面の岩石や砕石等の鋭角状物に接
した場合に裂傷を生じ易かった。
料シートを織物または不織布等の繊維シートで補強した
複合シートも開発されているが、この複合シートは、引
張り伸度が20%以下であるため、合成高分子材料製遮
水シートに比して敷設面の凹凸にフィットし難く、特に
引張り力が働いた状態で鋭角物に当たった場合は、引裂
き破損が生じ易かった。
い編物を基布とした複合シートが開発されるようになっ
たが、この場合も敷設面の鋭角部または釘、ガラス、刃
物等の鋭利物品に接すると、その接触部に応力が集中し
て穴が開けられ、この穴から廃棄物中の汚染物質が水と
共に流れ出し、地下水や河川を汚染する原因となり、周
辺環境に大きな悪影響を与えるという問題があった。
うな合成高分子材料からなる土木建築用遮水シートを改
良して該シートに、施工中および使用中に生じた穴の拡
大を防止する機能、および上記の穴を漏水との接触によ
りシート自体の吸水膨張性で自己修復する機能を付与
し、しかも敷設面の凹凸に対するフィット性を良好に維
持し、もって遮水用シートとしての信頼性を高めるもの
である。
弾性率10〜500kg/cm2 、水に浸漬10時間後の体
積膨張率50〜10,000%、水に浸漬10時間後の
膨張圧1〜50kg/cm2 の水膨張性ゴムまたは水膨張性
樹脂からなる水膨張性シートの表裏両面に通常のゴムま
たは樹脂からなる遮水性の外面シートが積層され、かつ
繊維シートで補強されており、積層後の破断伸度が50
%以上、引裂強度が10kg/cm以上であることを特徴と
する遮水用自己修復性複合シートである。
張性ゴムまたは水膨張性樹脂は、弾性率10〜500kg
/cm2 、水に浸漬10時間後の体積膨張率50〜10,
000%、同じく水に浸漬10時間後の膨張圧1〜50
kg/cm2 のものであり、例えば、吸水性に優れたパル
プ、ベントナイト、デンプン類、セルロース類などの天
然材料、またはポリアクリル酸塩系、デンプン・アクリ
ル酸、酢ビ・アクリル酸共重合体、ポリエチレンオキサ
イド系、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体、PV
A・無水マレイン酸共重合体、アクリル酸塩・アクリル
アミド共重合体、CMC系等の高吸水性ポリマー類をそ
れぞれ単独で、または併用してゴムまたは樹脂に混合し
て製造することができる。
R、SBR、BR、EPM、EPDM、IIR、Br−
IIR、塩素化IIR、塩素化ポリエチレンゴム、CS
M、CR、NBR、FPM、Qなどの各種合成ゴムが単
独またはゴムブレンド体として用いられる。また、樹脂
としては、PVC、高密度ポリエチレン、架橋ポリエチ
レン、塩素化ポリエチレンその他のオレフィン系樹脂が
単独または併用して用いられる。そして、上記の水膨張
性ゴムまたは水膨張性樹脂がシート状に成形されるが、
その厚みは0.5〜20mmが好ましい。
る外面シートは、遮水性を有し、かつ中間層の水膨張性
シートを保護するものであり、その弾性率は10〜50
0kg/cm2 が、また厚みは0.5〜20mmがそれぞれ好
ましい。なお、この外面シートは、上記の水膨張性シー
トに使用したゴムの外、PVC、高密度ポリエチレン、
低密度ポリエチレン、架橋ポリエチレン、塩素化ポリエ
チレン、EVAその他のオレフィン系樹脂等で成形する
ことができる。
は、それぞれを単独で加硫した後、接着により積層する
ことができるが、シート状に成形した後、未加硫の状態
で重ね、しかるのち加硫して一体化することができる。
なお、水膨張性シートおよび外面シートに同じゴムを使
用する必要はなく、例えば、一方にNBRを使用して他
方にEPDMを使用することができる。また、水膨張性
シートに水膨張性ゴムを使用して外面シートに通常の樹
脂を使用したり、水膨張性シートに水膨張性樹脂を使用
して外面シートに通常のゴムを使用したりすることがで
きる。
表裏の外面シートとからなる積層シートを繊維シートで
補強することにより、全体の破断伸度を50%以上、引
裂き強度を10kg/cm以上にしたものであるが、上記の
繊維シートとしては、伸度の点から編地が好ましく、編
地としては経編地よりも緯編地が好ましく、緯編地の中
では特に生産性の面から丸編地が好ましい。この編地を
構成する繊維は、天然繊維、半合成繊維、合成繊維のい
ずれでもよいが、特にナイロンの捲縮加工糸が好まし
い。なお、上記の繊維シートは、外面シートの表面に積
層することができ、また外面シート中に埋設状に設ける
ことができ、また外面シートと水膨張性シートとの境界
面に介在させることができ、また水膨張性シート中に埋
設状に設けることができる。
膨張性シートの表裏両面に遮水性の外面シートが積層さ
れ、かつ繊維シートで補強されたものであるから、従来
の遮水シートと同様に廃棄物処理場その他の所望箇所に
漏水防止用として敷設し、その際に施工箇所の広さに応
じて長さ方向および幅方向に接着剤等で適宜継ぎ足し、
所望の面積にして使用することができる。その場合に、
上記複合シートが繊維シートで補強され、その破断伸度
が50%以上、引裂強度が10kg/cm以上であるため、
敷設面の凹凸にフィットし易く、しかも施工時の操作に
よる破損が防止され、かつ敷設面の岩石や砕石等の鋭角
状物に接した場合に破れ難く、さらに破損部分の拡大が
防止される。
には通常のゴムまたは樹脂からなる遮水性の外面シート
が積層されているため、複合シートが破損されるまでの
通常の条件下では、この外面シートによって水膨張性シ
ートが保護され、複合シート全体の遮水性が維持され
る。そして、中間層に水膨張性シートを有するので、敷
設面の凹凸や廃棄物中の鋭角物によって仮に穴が開けら
れた場合には、この穴から浸入する水に水膨張性シート
が接することにより、水膨張性シートが膨張して穴を塞
ぎ、水の浸入が防止される。すなわち、水膨張性シート
自体の自己修復力によって止水される。
満の場合は、敷設面の凹凸で、また廃棄物処理場では廃
棄物の凹凸等で破損し易くなる。また、引裂強度が10
kg/cm未満の場合は、破損部分または穴が拡大する。そ
して、繊維シートとして編地、特に横編地を使用するこ
とにより、上記の破断伸度および引裂強度が容易に得ら
れ、更に丸編地を使用した場合は、生産性の面で有利で
ある。また、ナイロンの捲縮加工糸からなる編地を使用
することにより、伸度を一層向上させることができ、か
つ水膨張性シートや外面シートに対する接着性が良好に
なる。そして、上記の編地を水膨張性シートの中間に埋
設状に設けた場合は複合シートに反りの発生および表裏
の区別が無くなって加工が容易であり、また水膨張性シ
ートと外面シートの境界面に介在させた場合は工数が少
なくなり、生産性の点で有利である。
kg/cm2 未満の場合は、柔らか過ぎて穴を塞いだ後の緊
張性が不足して止水性が低下し、反対に500kg/cm2
を超えた場合は、硬過ぎて施工性が悪く、かつ穴を補修
する際の流動性が乏しくなり、穴を塞ぐために長時間を
要して止水性が低下する。また、水膨張性シートの水に
浸漬10時間後の体積膨張率が50%未満の場合は、目
的の止水効果が得られず、反対に10,000%を超え
た場合は、製造時または敷設後に水分の影響を受け易
く、安定した修復機能の付与が困難になる。また、傷穴
からの水の浸入も過多となり、新たな切り傷を招き易
い。また、膨張圧が1kg/cm2 未満の場合は、穴を遮蔽
したときの緊張を保つことができず、穴を補修した後の
耐水圧が小さくて漏水し易く、反対に50kg/cm2 を超
えた場合は、吸水時に水膨張性シート自体の膨張圧で複
合シートを破損させたり、変形させたりする結果にな
る。
1、水膨張性シート12、繊維シート13および上記同
様の外面シート11が上から順に積層された遮水用自己
修復性複合シート10を製造した。上下の外面シート1
1は、EPDMによって厚み0.7mmのシート状に成形
した。また、水膨張性シート12は、下記の配合物をバ
ンバリーミキサーで混練りし、空冷した後、シート押出
機を用いて厚み2mmのシート状に成形した。また、繊維
シート13は、ナイロンの捲縮加工糸(140デニー
ル)からなる天竺組織の丸編地(目付量270g/
m2 )を使用した。そして、上記未加硫の外面シート1
1、未加硫の水膨張性シート12、繊維シート13およ
び未加硫の外面シート11を重ね、10kg/cm2 の面圧
を加えて180℃、15分間の加硫を行った。
ド、PZはジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、Mは2−
メルカプトベンゾチアゾール、高吸水性樹脂は株式会社
クラレ製、商品名「KIゲル201K−F2」である。
ート10について、その物性を試験したところ、該複合
シート10の破断伸度は125%であり、引裂強度は3
5kg/cmであった。また、上記の遮水用自己修復性複合
シート10から剥離して得られた水膨張性シート12の
弾性率は43kg/cm2 であり、水に浸漬10時間後の体
積膨張率は480%、同じく水に浸漬10時間後の膨張
圧は16kg/cm2 であった。また、外面シート11の弾
性率は30kg/cm2 であった。また、繊維シート13の
破断伸度は、積層前において180%であった。ただ
し、体積膨張率は、水膨張性シート12の試験片(厚み
2mm、直径50mm)を常温の水道水に浸漬し、10時間
後の測定値から算出した。また、膨張圧は、上記の試験
片を同様に水道水に浸漬し、押さえ板を介してロードセ
ルで測定し、その経時変化を記録し、10時間後の数値
をもって膨張圧とした。
シート10から直径260mmの円板を切り取って試験片
とし、その周縁内側の直径220mmの円に沿って6個の
ボルト孔(直径18.6mm)を等間隔に開け、図2に示
すように、該試験片10aに14メッシュの金網15を
重ねて試験台16上に押さえリング17、ボルト18お
よびナット19で固定した。そして、試験台16の中央
に設けた孔に給水パイプ20を接続した。
(直径2.5mm、長さ14.4mm)21を突き刺し、そ
の状態で上記の給水パイプ20から圧力3kg/cm2 の高
圧水を供給して試験片10aと試験台16との間に送入
したところ、15分後において水洩れは全く認められな
かった。次いで、上記の釘21を抜き取ったところ、水
洩れはいったん発生したが、60分後において若干の水
洩れが認められる程度となり、120分後に水洩れが完
全に停止した。
10における水膨張性シート12を省略したことを除
き、他は上記実施例と全く同様にして上下の外面シート
11、11と中間の繊維シート13とからなる比較例の
遮水シートを製造し、この遮水シートから実施例と同じ
大きさの試験片を切り取り、実施例と同様に試験台16
に取付けた。この比較例の試験片に釘21を刺して圧力
1kg/cm2 の高圧水を供給したところ、15分経過して
も水洩れが止まらなかった。次いで、釘21を抜き取っ
たところ、水洩れが一層激しくなり、全く停止しなかっ
た。
は、上記のとおり、弾性率10〜500kg/cm2 、水に
浸漬10時間後の体積膨張率50〜10,000%、水
に浸漬10時間後の膨張圧1〜50kg/cm2 の水膨張性
ゴムまたは水膨張性樹脂からなる水膨張性シートの表裏
両面に通常のゴムまたは樹脂からなる遮水性の外面シー
トが積層され、かつ繊維シートで補強されており、積層
後の破断伸度が50%以上、引裂強度が10kg/cm以上
のものであるから、廃棄物処理場等における漏水防止の
ための土木建築用遮水シートとして使用することがで
き、その際に敷設面の凹凸に対するフィット性が良好で
あり、しかも施工中および使用中に生じた穴の拡大を防
止し、孔が生じた際には漏水との接触によりシート自体
の吸水膨張性で上記の穴を自己修復することができ、そ
のため遮水用シートとしての信頼性が向上する。
11:外面シート、12:水膨張性シート、13:繊維
シート、15:金網、16:試験台、17:押さえリン
グ、20:給水パイプ、21:釘。
Claims (1)
- 【請求項1】 弾性率10〜500kg/cm2 、水に浸漬
10時間後の体積膨張率50〜10,000%、水に浸
漬10時間後の膨張圧1〜50kg/cm2 の水膨張性ゴム
または水膨張性樹脂からなる水膨張性シートの表裏両面
に通常のゴムまたは樹脂からなる遮水性の外面シートが
積層され、かつ繊維シートで補強されており、積層後の
破断伸度が50%以上、引裂強度が10kg/cm以上であ
ることを特徴とする遮水用自己修復性複合シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5076347A JP2714919B2 (ja) | 1993-03-09 | 1993-03-09 | 遮水用自己修復性複合シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5076347A JP2714919B2 (ja) | 1993-03-09 | 1993-03-09 | 遮水用自己修復性複合シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06255035A JPH06255035A (ja) | 1994-09-13 |
JP2714919B2 true JP2714919B2 (ja) | 1998-02-16 |
Family
ID=13602829
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5076347A Expired - Lifetime JP2714919B2 (ja) | 1993-03-09 | 1993-03-09 | 遮水用自己修復性複合シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2714919B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11840841B2 (en) * | 2019-11-05 | 2023-12-12 | Iris Woven U.S., Llc | Self-sealing construction material |
KR102207553B1 (ko) * | 2020-09-24 | 2021-01-26 | (주)엠티비엠 | 지하 구조물에 직접 도달이 가능한 관추진기 |
-
1993
- 1993-03-09 JP JP5076347A patent/JP2714919B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06255035A (ja) | 1994-09-13 |
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