JP2714921B2 - 自己修復性遮水用複合シート - Google Patents
自己修復性遮水用複合シートInfo
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- Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
- Revetment (AREA)
- Lining And Supports For Tunnels (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
貯水池、河川の堤防、鉄筋コンクリート建築物の屋上、
地下鉄の駅舎および地下埋設物等に漏水防止のために敷
設される土木建築用の遮水シートであって、施工時また
は使用時に鋭角物との接触により生じた穴の拡大を防止
し、かつこの穴を自動的に塞ぐことができる自己修復性
遮水用複合シートに関するものである。
建築物の屋上等に漏水防止のために敷設される土木建築
用遮水シートとして、塩化ビニル系、ポリエチレン系、
合成ゴム系およびアスファルト系等の合成高分子材料か
らなるシートが多く採用されている。これらの合成高分
子材料からなる遮水シートは、いずれも100〜600
%の伸度を有し、金属系遮水シートに比して敷設面の凹
凸にフィットし易く、かつ外力による破損を軽減するこ
とができる反面、敷設面の岩石や砕石等の鋭角状物に接
した場合に裂傷を生じ易かった。
料シートを織物または不織布等の繊維シートで補強した
複合シートも開発されているが、この複合シートは、引
張り伸度が20%以下であるため、合成高分子材料製遮
水シートに比して敷設面の凹凸にフィットし難く、特に
引張り力が働いた状態で鋭角物に当たった場合は、引裂
き破損が生じ易かった。
い編物を基布とした複合シートが開発されるようになっ
たが、この場合も敷設面の鋭角部または釘、ガラス、刃
物等の鋭利物品に接すると、その接触部に応力が集中し
て穴が開けられ、この穴から廃棄物中の汚染物質が水と
共に流れ出し、地下水や河川を汚染する原因となり、周
辺環境に大きな悪影響を与えるという問題があった。
を配合したゴムからなる吸水性ゴムシートの表裏両面に
通常のゴムからなる遮水性の外面ゴムシートを積層する
ことが試みられたが、中間層の吸水性ゴムシートが加硫
されている場合は、該シートに穴が開いて水が洩れ始め
た際、完全に止水するまでに長時間を要する一方、中間
層の吸水性ゴムシートが未加硫の場合は、ゴム物性が低
いため、止水効果が持続しないという問題があった。
うな合成高分子材料からなる土木建築用遮水シートを改
良して該シートに、施工中および使用中に生じた穴の拡
大を防止する機能、および上記の穴を漏水との接触によ
りシート自体の吸水膨張性で自己修復する機能を付与す
ると共に、この自己修復による止水効果が短時間で完了
し、かつ長時間にわたって持続され、しかも敷設面の凹
凸に対するフィット性が良好であり、もって遮水用シー
トとしての信頼性を高めるものである。
る自己修復性遮水用複合シートは、水に浸漬したときの
飽和架橋度0.5×10-4〜3.8×10-4mol/ml、水
に浸漬10時間後の体積膨張率50〜10,000%、
水に浸漬10時間後の膨張圧1〜50kg/cm2の水架橋
性ゴムシートの表裏両面に通常のゴムまたは樹脂からな
る遮水性の外面シートが積層され、かつ繊維シートで補
強されており、全体の破断伸度が50%以上、引裂強度
が10kg/cm以上であることを特徴とする。
水架橋剤および吸水性材料を混合して得られた水架橋性
および高吸水性を併有するものであり、上記のゴムとし
ては、CSM、塩素化ポリエチレン、ハロゲン化II
R、ハロゲン化EPDMおよびマレイン酸等の反応基を
グラフトした各種の合成ゴムをそれぞれ単独で、または
混合して使用することができるが、特に臭素化IIRお
よび塩素化IIRは、未加硫時における強度、すなわち
グリーン強度に優れている点で好ましい。
たパルプ、ベントナイト、デンプン類、セルロース類な
どの天然材料、またはポリアクリル酸塩系、デンプン・
アクリル酸、酢ビ・アクリル酸共重合体、ポリエチレン
オキサイド系、イソブチレン・無水マレイン酸共重合
体、PVA・無水マレイン酸共重合体、アクリル酸塩・
アクリルアミド共重合体、CMC系等の高吸水性ポリマ
ー類がそれぞれ単独で、または併用して使用される。
と共に水架橋剤、例えばビニル系シラン、メタクリロキ
シ系シラン、エポキシ系シラン、アミノ系シラン、メル
カプト系シランおよびクロロプロピル系シラン等のシラ
ンカップリング剤が上記のゴムに添加される。換言すれ
ば、硫黄等の熱加硫剤は添加されず、未加硫の状態で用
いられ、水に接することにより架橋される。そして、こ
の吸水性を有する水架橋性ゴムがシート状に成形される
が、その厚みは0.5〜20mmが好ましい。
される外面シートは、遮水性を有し、かつ中間層の水架
橋性ゴムシートを保護するものであり、その弾性率は1
0〜500kg/cm2 が、また厚みは0.5〜20mmがそ
れぞれ好ましい。なお、この外面シートは、上記の水架
橋性ゴムシートに使用したゴムの外、PVC、高密度ポ
リエチレン、低密度ポリエチレン、架橋ポリエチレン、
塩素化ポリエチレン、EVAその他のオレフィン系樹脂
等で成形することができる。
トは、それぞれを単独でシート状に成形した後、未加硫
の状態で重ね、しかるのち熱圧着することにより外面シ
ートのみを加硫して一体化することができる。なお、水
架橋性ゴムシートおよび外面シートに同じゴムを使用す
る必要はなく、例えば、水架橋性ゴムシートに臭素化I
IRを使用し、外面シートにNBRやEPDMを、また
通常の樹脂を使用することができる。
その表裏の外面シートとからなる積層シートを繊維シー
トで補強することにより、全体の破断伸度を50%以
上、引裂き強度を10kg/cm以上にしたものであるが、
上記の繊維シートとしては、伸度の点から編地が好まし
く、編地としては経編地よりも緯編地が好ましく、緯編
地の中では特に生産性の面から丸編地が好ましい。この
編地を構成する繊維は、天然繊維、半合成繊維、合成繊
維のいずれでもよいが、特にナイロンの捲縮加工糸が好
ましい。なお、上記の繊維シートは、外面シートの表面
に積層することができ、また外面シート中に埋設状に設
けることができ、また外面シートと水架橋性ゴムシート
との境界面に介在させることができ、また水架橋性ゴム
シート中に埋設状に設けることができる。
架橋性ゴムシートの表裏両面に遮水性の外面シートが積
層され、かつ繊維シートで補強されたものであるから、
従来の遮水シートと同様に廃棄物処理場その他の所望箇
所に漏水防止用として敷設し、その際に施工箇所の広さ
に応じて長さ方向および幅方向に接着剤等で適宜継ぎ足
し、所望の面積にして使用することができる。その場合
に、上記複合シートが繊維シートで補強され、その破断
伸度が50%以上、引裂強度が10kg/cm以上であるた
め、敷設面の凹凸にフィットし易く、しかも施工時の操
作による破損が防止され、かつ敷設面の岩石や砕石等の
鋭角状物に接した場合に破れ難く、さらに破損部分の拡
大が防止される。
両面には通常のゴムまたは樹脂からなる遮水性の外面シ
ートが積層されているため、複合シートが破損されるま
での通常の条件下では、この外面シートによって水架橋
性ゴムシートが保護され、複合シート全体の遮水性が維
持される。そして、中間層に水架橋性ゴムシートを有す
るので、敷設面の凹凸や廃棄物中の鋭角物によって仮に
穴が開けられた場合には、この穴から浸入する水に水架
橋性ゴムシートが接することにより、水架橋性ゴムシー
トが膨張して穴を塞ぎ、水の浸入を防止する。すなわ
ち、水架橋性ゴムシート自体の自己修復力によって止水
される。しかも、この水架橋性ゴムシートは、水架橋性
を有するため、上記の穴を膨張で塞ぎながら架橋が進
み、そのため止水を短時間で完了させ、かつ止水完了後
に水に溶解することはなく、止水効果を持続させる。
満の場合は、敷設面の凹凸で、また廃棄物処理場では廃
棄物の凹凸等で破損し易くなる。また、引裂強度が10
kg/cm未満の場合は、破損部分または穴が拡大する。そ
して、繊維シートとして編地、特に横編地を使用するこ
とにより、上記の破断伸度および引裂強度が容易に得ら
れ、更に丸編地を使用した場合は、生産性の面で有利で
ある。また、ナイロンの捲縮加工糸からなる編地を使用
することにより、伸度を一層向上させることができ、か
つ水架橋性ゴムシートや外面シートに対する接着性が良
好になる。そして、上記の編地を水架橋性ゴムシートの
中間に埋設状に設けた場合は複合シートに反りの発生お
よび表裏の区別が無くなって加工が容易であり、また水
架橋性ゴムシートと外面シートの境界面に介在させた場
合は工数が少なくなり、生産性の点で有利である。
度(網目鎖強度)が0.5×10-4mol/ml未満の場合
は、穴を塞いだ後の緊張性が不足して止水性が低下し、
反対に3.8×10-4mol/mlを超えた場合は、製造工程
中が水架橋剤が反応して製造が困難になる。また、上記
水架橋性ゴムシートの水に浸漬10時間後の体積膨張率
が50%未満の場合は、目的の止水効果が得られず、反
対に10,000%を超えた場合は、製造時または敷設
後に水分の影響を受け易く、安定した修復機能の付与が
困難になる。また、傷穴からの水の浸入も過多となり、
新たな切り傷を招き易い。また、膨張圧が1kg/cm2 未
満の場合は、穴を遮蔽したときの緊張を保つことができ
ず、穴を補修した後の耐水圧が小さくて漏水し易く、反
対に50kg/cm2 を超えた場合は、吸水時に水膨張性シ
ート自体の膨張圧で複合シートを破損させたり、変形さ
せたりする結果になる。
1、種々の特性の中間ゴムシート12、繊維シート13
および上記同様の外面シート11が上から順に積層され
た遮水用複合シート10を製造した。上下の外面シート
11は、EPDMによって厚み0.7mm、弾性率30kg
/cm2 のシート状に成形した。また、中間ゴムシート1
2は、下記の表1の配合物をバンバリーミキサーで混練
りし、空冷した後、シート押出機を用いて厚み2mmのシ
ート状に成形し、水架橋剤の配合量のみが異なる試料番
号1〜5の中間ゴムシート12とした。
商品名「アクアリックCS−7S」であり、水架橋剤は
γ−メルカプトプロプルトリメトキシシラン(日本ユニ
カ社製、商品名「シランカップリングA−189」)で
ある。
加工糸(140デニール)からなる天竺組織の丸編地
(目付量270g/m2 、破断伸度180%)を使用し
た。そして、上記未加硫の外面シート11、未加硫の水
架橋性ゴムシート12、繊維シート13および未加硫の
外面シート11を重ね、10kg/cm2 の面圧を加えて1
80℃で15分間加熱し、外面シート11を加硫した。
有する中間ゴムシート12を下記の表2の配合により厚
み2mmのシート状に成形し、これに上記同様に外面シー
ト11および繊維シート13を重ね、10kg/cm2 の面
圧を加えて180℃で15分間加熱し、中間ゴムシート
および外面シート11をそれぞれ加硫し、試料番号6の
複合シート10を得た。
商品名「アクアリックCS−7S」であり、TMTMは
テトラメチルチララムモキスルフィド、MBTSは2メ
ルカプトベンゾチアゾールである。
成のみが異なる6種類の遮水性複合シート10について
物性テストを行った。その結果を下記の表3に示す。た
だし、表中の破断伸度および引裂強度は複合シート10
の測定値である。また、体積膨張率は、中間ゴムシート
12の試験片(厚み2mm、直径50mm)を常温の水道水
に浸漬し、10時間後の測定値から算出した。また、膨
張圧は、上記中間ゴムシート12の試験片を同様に水道
水に浸漬し、押さえ板を介してロードセルに加わる圧力
の経時変化を記録し、10時間後の数値をもって膨張圧
とした。ただし、試料番号1の体積膨張率および膨張圧
は、溶解により測定不能であった。また、中間ゴムシー
ト12の飽和架橋度(網目鎖濃度)は、70℃の水に試
験片を浸漬し、24時間後に取出し、100℃で乾燥
し、24時間後にJIS K6301に準じて引張り試
験(引張り速度20mm/分)を行い、得られた引張り応
力を使用して常法に従って測定した。
260mmの円板を切り取って試験片とし、その周縁内側
の直径220mmの円に沿って6個のボルト孔(直径1
8.6mm)を等間隔に開け、該試験片10a(図2参
照)に14メッシュの金網15を重ねて試験台16上に
押さえリング17、ボルト18およびナット19で固定
し、試験台16の中央に設けた孔に給水パイプ20を接
続した。そして、上記の試験片10aに金網15の上か
ら釘(直径2.5mm、長さ14.4mm)21を突き刺
し、その状態で上記の給水パイプ20から圧力3kg/cm
2 の高圧水を供給して試験片10aと試験台16との間
に送入し、15分後に上記の釘21を抜き取り、更に1
5分後、3時間後および1か月後の各水洩れ状態を試験
した。この釘を抜き取ってから15分後、3時間後およ
び1か月後の水洩れ状態を下記の表4に記載した。ただ
し、完全に止水したものを〇で、水がにじみ出る程度の
ものを△で、また全く止水されないものを×で示した。
発明の実施例である試料番号2〜4は、いずれも釘を抜
いて15分後には、水がにじみ出る程度に止水され、し
かも1か月後においても止水が完全に持続されていた。
これに対し、水架橋剤が添加されない試料番号1は、止
水の持続性が低く、1か月後には全く止水されなくなっ
た。また、水架橋剤の添加量が過大な試料番号5は、加
工中に水架橋が始まり、加工が不可能であった。また、
中間ゴムシートをS加硫した試料番号6は、釘を抜いた
直後の止水性が不良であった。
ートは、上記のとおり、水に浸漬したときの飽和架橋度
が0.5×10-4〜3.8×10-4mol/ml、水に浸漬1
0時間後の体積膨張率が50〜10,000%、水に浸
漬10時間後の膨張圧が1〜50kg/cm2 の水架橋性ゴ
ムシートの表裏両面に通常のゴムまたは樹脂からなる遮
水性の外面シートが積層され、かつ繊維シートで補強さ
れており、全体の破断伸度が50%以上、引裂強度が1
0kg/cm以上のものであるから、廃棄物処理場等におけ
る漏水防止のための土木建築用遮水シートとして使用す
ることができ、その際に敷設面の凹凸に対するフィット
性が良好であり、かつ施工中および使用中に生じた穴の
拡大を防止し、孔が生じた際には漏水との接触によりシ
ート自体の吸水膨張性で上記の穴を自己修復することが
でき、しかも中間層が水架橋性のゴムシートであるた
め、完全に止水するまでの所要時間が短く、かつ止水効
果が持続し、そのため遮水用シートとしての信頼性が向
上する。
Claims (1)
- 【請求項1】 水に浸漬したときの飽和架橋度が0.5
×10-4〜3.8×10-4mol/ml、水に浸漬10時間後
の体積膨張率が50〜10,000%、水に浸漬10時
間後の膨張圧が1〜50kg/cm2 の水架橋性ゴムシート
の表裏両面に通常のゴムまたは樹脂からなる遮水性の外
面シートが積層され、かつ繊維シートで補強されてお
り、全体の破断伸度が50%以上、引裂強度が10kg/
cm以上であることを特徴とする自己修復性遮水用複合シ
ート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5100525A JP2714921B2 (ja) | 1993-04-02 | 1993-04-02 | 自己修復性遮水用複合シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5100525A JP2714921B2 (ja) | 1993-04-02 | 1993-04-02 | 自己修復性遮水用複合シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06286062A JPH06286062A (ja) | 1994-10-11 |
JP2714921B2 true JP2714921B2 (ja) | 1998-02-16 |
Family
ID=14276381
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5100525A Expired - Lifetime JP2714921B2 (ja) | 1993-04-02 | 1993-04-02 | 自己修復性遮水用複合シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2714921B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009142774A (ja) * | 2007-12-17 | 2009-07-02 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 廃棄物被覆方法 |
KR101380665B1 (ko) * | 2014-01-13 | 2014-04-10 | 주식회사 이파엘지종합특수방수 | 방수시트 구조체 및 이를 이용한 토지경사지 방수공법 |
-
1993
- 1993-04-02 JP JP5100525A patent/JP2714921B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06286062A (ja) | 1994-10-11 |
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