JP2009022836A - 水膨張性マット及び遮水構造並びに遮水構造の施工方法 - Google Patents

水膨張性マット及び遮水構造並びに遮水構造の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】遮水シートの弱点である外的損傷に対する自己修復機能とベントナイト層の保護養生機能を併せもつ水膨張性マット及びこれを備えた遮水構造並びに遮水構造の施工方法を提供する。
【解決手段】地盤Gの表面G1を覆うように設けられ、地盤Gへの水の浸透を阻止するための遮水構造Aであって、地盤Gの表面G1上に設けられたベントナイト層11と、ベントナイト層11の上方に敷設された水膨張性マット12と、水膨張性マット12の上方に敷設された遮水シート13とを備えている。そして、水膨張性マット12が、遮光性を有する不織布の保護層と、樹脂フィルム層との間に、水が接触することによって膨張する水膨張性繊維を備えた水膨張層を介装して形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば廃棄物最終処分場などの遮水構造に適用される水膨張性マット及びこれを備えた遮水構造並びにこの遮水構造の施工方法に関する。
従来、例えば、廃棄物最終処分場においては、地盤を掘削して形成した廃棄物を処分するための処分空間(窪み)の表面を覆うように遮水構造が設けられ、例えば降雨などが浸透し処分空間内に溜まった汚水が地盤に漏洩(浸透)することを防止している。また、この種の遮水構造は、例えば地盤の表面上にベントナイト混合土を敷き均し、これを転圧して形成したベントナイト層と、このベントナイト層上に敷設した遮水シートとを備えて構成されている(例えば、特許文献1参照)。
また、遮水シートには、例えば樹脂製のバインダーに吸水性ポリマー(水膨張性ポリマー)を配合してなる修復シートを一対の遮水シートの間に挟み込んで一体形成したものがある(例えば、特許文献2参照)。この3層構造の遮水シートにおいては、例えば鋭利な廃棄物が突き刺さるなどして孔が開いた場合に、汚水が孔を通じて修復シートに接触するとともに吸水性ポリマーが膨張してバインダーから飛び出す。そして、この飛び出した吸水性ポリマーが入り込むことで孔が塞がり、更なる汚水の漏洩を防止することができる。すなわち、この遮水シートは、損傷を自ら修復する自己修復機能を備え、確実に汚水が地盤に漏洩することを防止できるように構成されている。
また、ベントナイト層と遮水シートの間に水膨張性を有する水膨張性シート(水膨張性マット)を別途設けて遮水構造を形成する場合もあり、この場合には、遮水シートに開いた孔を通過した汚水が接触するとともに水膨張性シートが膨張して孔を塞ぐ。そして、この種の水膨張性シートには、例えば、図6に示すように、ポリエステルなどの不織布1に水膨張性ポリマー2を含ませ、これを保護フィルム3で包んで構成したもの(水膨張性シート4)や、図7に示すように、水膨張性繊維(吸水膨潤性繊維)5を含む不織布6の両面(表面部分)6a、6bを硬質処理して構成したもの(水膨張性シート7)などがある。
特開2002−301442号公報 特開2005−66461号公報
しかしながら、上記のような遮水構造においては、ベントナイト層の遮水性能(品質)がベントナイト混合土の水分量によって大きく変化するにも係らず、ベントナイト層の形成後に、速やかに遮水シートを敷設してこれを被覆できない場合があり、特に、自己修復機能を備えた遮水シートは、厚みや重量が大きくなって取扱性が低下するため、速やかに敷設することが困難であり、施工中に、ベントナイト層が乾燥し亀裂が発生してしまったり、降雨にさらされて、ベントナイト層(ベントナイト混合土)の水分量の増加やベントナイト混合土の流出が生じてしまい、ベントナイト層の品質不良を招くおそれがあった。
このため、現状では、ベントナイト層上に、軽量で取り扱いやすいブルーシートや農業用ビニルフィルム等を仮設的に敷設して、ベントナイト層の養生を行うようにしている。しかしながら、このようなブルーシートや農業用ビニルフィルム等の簡易なシートを敷設する場合においても、強風によって飛散してしまったり、シート同士の接合が難しく接合部分から雨水や風が入り込むなどの不都合が生じ、やはりベントナイト層の品質不良の発生を確実に且つ十分に防止できないという問題があった。
一方、遮水構造の形成時(施工時)に、ベントナイト層の形成が段階的に行われるため、区画毎のベントナイト層の接合部分においては、その上に敷設した水膨張性シートの端部を一時的に1〜2m程度めくり上げる作業が発生するが、図6に示した水膨張性シート(水膨張性マット)4を用いた場合には、水膨張性シート4の重量が大きく且つ硬質であるためにめくり上げ作業が困難となり、さらに硬質であるが故にめくり上げとともに品質劣化が生じやすいという問題があった。また、水膨張性シート4同士を接合する際に、上下に重ねた水膨張性シート4の保護フィルム3同士を融着することになるため、接合部の止水性(水密性)を十分に確保できないおそれがあった。
さらに、水膨張性ポリマー2を含ませた不織布1を保護フィルム3で包んで構成されているため、遮水構造の形成後に遮水シートに孔が開いた際に、この孔を通過した汚水が遮水シートと水膨張性シート4の間を流通してしまい、例えば廃棄物最終処分場の法面部に敷設した遮水シートと水膨張性シート4の間を流下した汚水が底面部側に溜まって、この底面部側の遮水シートがはらみ出すという不都合をも招きかねない。また、施工時においても、保護フィルム3で包まれているため、降雨が表面に残留し、遮水シートを敷設する際にこの残留水によって滑ってしまい、好適に遮水シートを敷設できなくなるおそれがあった。
一方、図7に示した水膨張性シート(水膨張性マット)7においては、水膨張性繊維(吸水膨潤性繊維)5を含む不織布6の表面(上面6aと下面6b)部分を硬質処理するのみで構成されているため、比較的軽量であるとともに、不織布6同士を接合することになるため接合部の止水性を確保することが容易であり、且つ降雨などによって表面性状の変化が小さく滑りやすくなることがない。しかしながら、水膨張性繊維5は、紫外線によって劣化しやすく、また、ベントナイト混合土に含まれたイオンなどが接触することで劣化しやすく、この不織布6で構成された水膨張性シート7の敷設時に、上面6a側から紫外線に暴露され、且つ下面6b側からベントナイト混合土のイオンが侵入することで、自己修復機能が低下してしまうおそれがあった。
本発明は、上記事情に鑑み、遮水シートの弱点である外的損傷に対する自己修復機能とベントナイト層の保護養生機能を併せもつ水膨張性マット及びこれを備えた遮水構造並びに遮水構造の施工方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の水膨張性マットは、遮光性を有する不織布の保護層と、樹脂フィルム層との間に、水が接触することによって膨張する水膨張性繊維を備えた水膨張層を介装して形成されていることを特徴とする。
この発明においては、不織布の保護層と樹脂フィルム層の間に水膨張性繊維を含む水膨張層を介装して形成されているため、水膨張性マットを軽量で且つ柔軟に形成することができ、ベントナイト層を形成するとともに速やかにベントナイト層上に敷設することが可能になる。そして、このような水膨張性マットをベントナイト層上に速やかに敷設することで、施工中に降雨が有った場合においても、この降雨を水膨張性マットで受けることができるとともに、ベントナイト層の水分を保持することができるため、降雨によるベントナイト混合土の流出や乾燥などを確実に防止して、ベントナイト層の遮水性能(品質)の低下を防止することが可能になる。また、遮水構造の形成時にめくり上げた場合おいても、軽量で且つ柔軟に形成されているため、品質劣化が生じにくい。
さらに、この水膨張性マットを保護層が上方に配されるように敷設して遮水構造を形成することによって、遮水構造の形成後に遮水シートに孔が開いた際に、この孔を通過した汚水が不織布の保護層を通じて水膨張層に確実に接触することになるため、この水膨張層(水膨張性繊維)によって汚水を保水することが可能になる。これにより、遮水シートと水膨張性マットの間を汚水が流通してしまい、例えば廃棄物最終処分場の底面部側の遮水シートがはらみ出すなどの不都合を確実に解消できる。
また、施工中の降雨などで水膨張層が膨張した場合においても、水膨張層を挟んで水膨張性マットの表面の下面に樹脂フィルム層が、上面に不織布の保護層が設けられているため、ベントナイト層上に敷設する際に樹脂フィルム層によって滑ることがなく、また、敷設した水膨張性マットの上に敷設する遮水シートが保護層によって滑ることがない。これにより、好適に水膨張性マット自体や遮水シートを敷設することが可能になる。
さらに、このように水膨張層を挟んで水膨張性マットの表面の下面に樹脂フィルム層が、上面に不織布の保護層が設けられ、保護層が遮光性を有していることによって、敷設した水膨張性マットが長期にわたって紫外線に暴露された場合においても、保護層で水膨張層の劣化を防止でき、また、樹脂フィルム層で例えばベントナイト混合土のイオンの侵入を防止できる。これにより、水膨張層の劣化を確実に防止でき、水膨張性マットの自己修復機能を長期にわたって好適に維持することが可能になる。
また、本発明の水膨張性マットにおいては、前記保護層と前記樹脂フィルム層が前記水膨張層に剥離可能に取り付けられていることが望ましい。
この発明においては、水膨張性マット同士を接合する際に、水膨張層の端部側の水膨張性マットの保護層と樹脂フィルム層を剥がし、露出した水膨張層の端部側同士を直接接触させて上下に重ねることができ、この状態で例えば自走式熱融着機や手動式熱融着機を用いて融着することで、容易に且つ確実に接合することができ、この接合部の止水性(水密性)を十分に確保することが可能になる。
さらに、本発明の水膨張性マットにおいては、前記保護層がニードルパンチ加工によって、前記樹脂フィルム層がホットメルト接着加工によって、それぞれ前記水膨張層に取り付けられていることがより望ましい。
この発明においては、ニードルの本数や長さ、押圧力、パンチ回数などを適宜調整することによって、保護層の水膨張層に対する取付強度(付着力)を容易に調整することができ、また、ホットメルト接着の接着材の量や融着温度を適宜調整することによって、樹脂フィルム層の水膨張層に対する取付強度(付着力)を容易に調整することができる。これにより、水膨張性マットの敷設時に、作業員が保護層や樹脂フィルム層を手で剥がせる程度の付着力をもって水膨張性マットを形成することが可能になり、より容易に且つ確実に水膨張性マット同士を接合することが可能になり、作業性の向上を図ることが可能になる。
本発明の遮水構造は、地盤の表面を覆うように設けられ、前記地盤への水の浸透を阻止するための遮水構造であって、前記地盤の表面上に設けられたベントナイト層と、該ベントナイト層の上方に敷設された上記のいずれかの水膨張性マットと、該水膨張性マットの上方に敷設された遮水シートとを備えてなることを特徴とする。
この発明においては、上記の水膨張性マットを備えていることで、上記の水膨張性マットによる作用効果を備える遮水構造を提供することが可能になる。
また、本発明の遮水構造においては、前記水膨張性マットと前記遮水シートの間に、前記遮水シートへの外力負荷を低減するための保護マットが設けられていることが望ましい。
この発明においては、水膨張性マットと遮水シートの間に保護マットが設けられていることによって、例えば廃棄物最終処分場に処分した廃棄物から遮水シートに外力が加えられる場合においても、保護マットのクッション性(弾性)によって外力を吸収して、遮水シートへの外力負荷を低減することが可能になる。これにより、遮水シートに孔が開くなどの損傷が発生しにくくなり、長期にわたって安定して遮水性能を発揮することが可能になり、信頼性の高い遮水構造にすることができる。
さらに、本発明の遮水構造においては、前記遮水シートを挟んで上下に、該遮水シートの損傷を検知するための損傷検知システム用電極が設けられていることがより望ましい。
この発明においては、探傷検知システム用電極が設けられていることによって、速やかに遮水シートの損傷部を検知することができるとともに、正確に損傷箇所を特定することができるため、信頼性の高い遮水構造にすることが可能になる。
また、本発明の遮水構造においては、前記遮水シートの上方で前記遮水構造の最表面側に、前記遮水シートへの外力負荷を低減するための保護マットが設けられていることがさらに望ましい。
この発明においては、最表面に保護マットが設けられていることによって、例えば廃棄物最終処分場に処分した廃棄物から遮水シートに加わる外力を、この保護マットのクッション性(弾性)によって吸収することができ、遮水シートへの外力負荷を低減することが可能になる。これにより、遮水シートに孔が開くなどの損傷が発生しにくくなり、長期にわたって安定して遮水性能を発揮することが可能になり、信頼性の高い遮水構造にすることができる。
本発明の遮水構造の施工方法は、地盤の表面を覆うように設けられて前記地盤への水の浸透を阻止する遮水構造の施工方法であって、前記地盤の表面上にベントナイト層を形成するベントナイト層形成工程と、前記ベントナイト層の上方に上記のいずれかの水膨張性マットを並べて敷設する水膨張性マット敷設工程と、隣り合う前記水膨張性マットの端部同士を接合する水膨張性マット接合工程と、前記水膨張性マットの上方に遮水シートを並べて敷設する遮水シート敷設工程と、隣り合う前記遮水シートの端部同士を接合する遮水シート接合工程とを備えることを特徴とする。
この発明においては、上記の水膨張性マットを備えていることで、上記の水膨張性マットによる作用効果を備える遮水構造を確実に形成することが可能になる。
本発明の水膨張性マット及び遮水構造並びに遮水構造の施工方法によれば、遮水シートの弱点である外的損傷に対する自己修復機能とベントナイト層の保護養生機能を併せもつ水膨張性マット及びこれを備えることにより信頼性の高い遮水構造並びに遮水構造の施工方法を提供することが可能になる。
以下、図1から図3を参照し、本発明の一実施形態に係る水膨張性マット及び遮水構造並びに遮水構造の施工方法について説明する。本実施形態は、地盤を掘削して形成した廃棄物を処分するための廃棄物最終処分場の処分空間の表面を覆うように設けられ、例えば降雨などが浸透し処分空間内に溜まった汚水(水)が地盤に漏洩(浸透)することを阻止するための遮水構造及びこれに用いる水膨張性マット並びに遮水構造の施工方法に関するものである。
本実施形態の遮水構造Aは、図1に示すように、廃棄物最終処分場の処分空間10を形成する地盤Gの表面G1上に、例えば現地発生土とベントナイトを混合したベントナイト混合土を敷均し、これを転圧して形成したベントナイト層11と、ベントナイト層の上方に敷設した水膨張性マット12と、水膨張性マット12の上方に敷設した遮水シート13と、遮水シート13の上方で遮水構造Aの最表面側に敷設された保護マット14とを備えて構成されている。
ベントナイト層11は、透水係数が例えば1×10−7cm/sec以下となるように転圧して形成され、処分空間10の法面部G2や底面部G3などの表面G1を覆うようにして例えば50cm程度の厚さで形成されている。
本実施形態の水膨張性マット12は、図2に示すように、遮光性を有する不織布の保護層12aと、樹脂フィルム層12bとの間に、水が接触することによって膨張する水膨張性繊維(吸水膨潤性繊維)12cを備えた水膨張層12dを介装して形成されている。また、本実施形態において、保護層12aは、例えばポリエステルやポリプロピレンを原料とした長繊維または短繊維の不織布で形成され、1〜5mm程度の厚さで形成されている。また、樹脂フィルム層12bは、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体などの樹脂を原料とし、0.1〜1mm程度の厚さで形成されている。さらに、水膨張層12dは、水分を吸収すると膨潤(膨張)する水膨張性繊維12cを含んでなる不織布で形成され、水膨張性繊維12cとして、アクリル変成体、PVA、アクリル酸塩架橋体、吸水樹脂を通常繊維にコーティングしたものなどを用いて形成されている。
また、水膨張性マット12は、上面側に保護層12aが、下面側に樹脂フィルム層12bが配設され、これら保護層12aと樹脂フィルム層12bは、それぞれ、水膨張層12dに、手で剥がせる程度の付着力をもって剥離可能に取り付けられている。
具体的に、本実施形態の水膨張性マット12は、保護層12aがニードルパンチ加工によって水膨張層12dに取り付けられ、ニードルの本数や長さ、押圧力、パンチ回数などを適宜調整することによって、水膨張層12dに対する取付強度(付着力)が手で剥がせる程度に調整されている。一方、樹脂フィルム層12bは、ホットメルト接着加工によって水膨張層12dに取り付けられ、例えば、水膨張層12dの下面を上方に向けた状態でこの水膨張層12d上にEVA粉末(接着材)を15g/m程度の量で載せるとともに樹脂フィルム12bを重ね、加熱によって溶融するEVA粉末を介して樹脂フィルム12bを水膨張層12dに融着させる。このとき、EVA粉末の量や融着温度を適宜調整することによって、水膨張層12dに対する樹脂フィルム12bの取付強度(付着力)が手で剥がせる程度に調整されている。
そして、上記のように構成した本実施形態の水膨張性マット12は、軽量で柔軟性が高く、図6に示した水膨張性マット4や、図7に示した水膨張性マット7などの従来の水膨張性マットよりも取扱性に優れるとともに折れ曲がり変形に対して品質劣化が生じにくい。また、従来の水膨張性マット4、7よりも優れた止水性能(自己修復機能)、保水性能、耐候性能、ベントナイト層の保護性能を有している。
具体的に、本実施形態の水膨張性マット12は、例えば、4mmの厚さで形成した場合、単位重量(目付量)が740g/m程度であり、保護層12a及び水膨張層12dが不織布で形成され、樹脂フィルム層12bが0.1〜1mm程度の薄い厚さで形成されているため、柔軟性に優れるのに対し、図6に示した水膨張性マット4は、同等の厚さで目付量が1500g/mと大きく、水膨張性ポリマー2を含ませた不織布1を保護フィルム3で包んで構成されているため、硬質で柔軟性に乏しく、折れ曲がり変形に対して品質劣化が生じやすい。また、図7に示した水膨張性マット7は、目付量が本実施形態の水膨張性マット12と同等で軽量である反面、水膨張性繊維(吸水膨潤性繊維)5を含む不織布6の両面(表面部分)6a、6bを硬質処理して構成されているため、やはり硬質で柔軟性に乏しく、折れ曲がり変形に対して品質劣化が生じやすい。
また、本実施形態の水膨張性マット12と図6及び図7に示した従来の水膨張性マット4、7に対し、それぞれ、直径9mmの針、カッターナイフ(切断長:10mmと30mm)、直径6mmのピン、直径13mmの鉄筋棒を突き刺し、突き刺した状態と、引き抜いた状態(孔を開けた状態)で、水深15mの水圧に相当する150kPaの水圧を作用させ、漏水の有無を確認することで、各水膨張性マット12、4、7の止水性能(自己修復性能)の評価試験を実施した。なお、一般に、廃棄物最終処分場の処分空間10に溜まる水(汚水)は水深5m程度までとされているが、この止水性の評価試験では、安全性を考慮し、3倍の水が溜まった状態を想定してより厳しい条件下で実施している。
この結果、本実施形態の水膨張性マット12においては、直径9mmの針、カッターナイフ(切断長:10mmと30mm)、直径6mmのピンの突き刺し状態、引き抜き状態ともに、全く漏水が確認されず、直径13mmの鉄筋棒を引き抜いた状態でのみ、数千g/minの漏水が確認された。一方で、図6に示した水膨張性マット4は、直径9mmの針、カッターナイフ(切断長:10mmと30mm)の突き刺し状態及び引き抜き状態、直径6mmのピンの突き刺し状態で、漏水が認められないのに対し、直径6mmのピンの引き抜き状態で数千g/min以上の漏水が、直径13mmの鉄筋棒を突き刺した状態でも数g/minの漏水が確認され、さらに、図7に示した水膨張性マット7においては、図6に示した水膨張性マット4を上回る漏水が確認された。
また、本実施形態の水膨張性マット12同士と図6に示した従来の水膨張性マット4同士を、端部を上下に重ねて融着し、この接合部の止水性能(水密性)についても評価試験を実施した。この結果、従来の水膨張性マット4は、保護フィルム3同士を融着して接合することになるため、すなわち上下に重ねた水膨張性マット4同士が、異物の保護フィルム3が介在した状態で接合されるため、接合部の止水性が不安定になりやすく、500kPaの水圧で漏水が生じた。これに対し、本実施形態の水膨張性マット12においては、図3に示すように、保護層12aと樹脂フィルム12bが水膨張層12dに対し剥離可能に取り付けられているため、接合する水膨張性マット12、12のそれぞれの端部側の保護層12aと樹脂フィルム12bを剥がし、水膨張層12d同士を直接接触させて接合できる。そして、このように接合することによって、本実施形態の水膨張性マット12においては、接合部15に500kPaの水圧を作用させた場合においても、全く漏水が認められなかった。
よって、本実施形態の水膨張性マット12は、上記の止水性能の評価試験に基づいて、図6及び図7に示した従来の水膨張性マット4、7よりも優れた止水性能(自己修復性能)を備えることが実証されている。
さらに、本実施形態の水膨張性マット12と図6及び図7に示した従来の水膨張性マット4、7を、それぞれ、勾配1:2の法面上に敷設し、各水膨張性マット12、4、7の表面(上面)に8分間で2リットルの水を流し、流下した水量を計測することによって、各水膨張性マット12、4、7の保水性能の評価試験を実施した。
この結果、図6に示した水膨張性マット4は、1.91リットルの水がそのまま流下してしまい、保水量が0.09リットルとなり、図7に示した水膨張性マット7では、0.77リットルの水が流下して保水量が1.23リットルであるのに対し、本実施形態の水膨張性マット12においては、わずか0.20リットルの水が流下し、保水量が1.80リットルであった。このような保水性能の評価試験によって、本実施形態の水膨張性マット12は、図6及び図7に示した従来の水膨張性マット4、7よりも優れた保水性能を備えることが実証されている。
また、本実施形態の水膨張性マット12に対し、JIS A1415に準拠した耐候性促進試験を行い、試験後の水膨張性マット12の止水性能を前述の止水性能の評価試験と同様に実施した。この結果、3ヶ月に相当する暴露後においても、水膨張性マット12の止水性能の低下は全く認められず、このような耐候性の評価試験によって、本実施形態の水膨張性マット12は、遮光性を有する保護層12aにより優れた耐候性を備えることが実証されている。
さらに、初期含水率7.5%の砂をプラスチック容器に詰めた試験体を2つ用意し、一方の試験体には、本実施形態の水膨張性マット12を被せ、他方の試験体は、水膨張性マット12を被せずに砂を露出させ、これら両試験体を、温度20℃、湿度60%の室内に7日間放置して、含水率の変化を確認した。
この結果、他方の試験体は、砂の含水率が初期含水率7.5%から4.6%に低下したのに対し、本実施形態の水膨張性マット12を被せた一方の試験体においては、初期含水率7.5%が維持されることが確認された。このような評価試験によって、本実施形態の水膨張性マット12は、ベントナイト層11を被覆するように敷設することで、ベントナイト層11の乾燥を防ぎ、その品質を安定して保持できることが、すなわちベントナイト層11の保護機能を有していることが、実証されている。
本実施形態の遮水構造Aの遮水シート13は、例えばゴムシートやポリエチレンシートなどであり、従来の遮水構造に用いられている周知の遮水シートとされている。
一方、この遮水シート13の上方に設けられ、遮水構造Aの最表面に配される保護マット14は、例えばポリエステルやポリプロピレンを原料とした長繊維または短繊維の不織布であり、4〜20mm程度の厚さで形成されている。また、保護マット14は、廃棄物最終処分場の処分空間10への廃棄物の処分計画に応じて長期間暴露されたり、処分した廃棄物が直接接触することになるため、耐久性に優れるものとされている。さらに、この保護マット14は、適度な弾性(クッション性)を備えて形成されており、処分した廃棄物などからの外力を吸収し、遮水シート13への外力負荷を低減する。このため、保護マット14は、大きな厚さをもって形成されていることが望ましいが、敷設時の施工性(取扱性)などを考慮して、適宜その厚さが決められればよい。
ついで、上記の遮水構造Aを施工する方法について説明するとともに、本実施形態の水膨張性マット12及び遮水構造A並びに遮水構造Aの施工方法の作用及び効果について説明する。
はじめに、地盤Gを掘削して形成した廃棄物を処分するための処分空間10の表面G1上に、ベントナイト混合土を敷き均すとともに転圧して、所定の透水係数並びに厚さを確保したベントナイト層11を形成する(ベントナイト層形成工程)。
ついで、ベントナイト層11の上方に水膨張性マット12を敷設してゆく(水膨張性マット敷設工程)。このとき、複数の水膨張性マット12を、ベントナイト層上に並べて敷設するとともに、隣り合う水膨張性マット12の端部同士を上下に重ねて(ラップさせて)敷設してゆく。また、このとき、本実施形態の水膨張性マット12が従来の水膨張性マット4、7よりも軽量且つ柔軟で取扱性に優れているため、ベントナイト混合土を転圧してベントナイト層11を形成するとともに、順次速やかに敷設される。
ここで、一般に、ベントナイト層11の形成は、区画毎に段階的に行われ、区画毎のベントナイト層11の接合部分においては、その上に敷設した水膨張性シート12の端部を一時的に1〜2m程度めくり上げる作業が発生するが、本実施形態の水膨張性マット12は、軽量で且つ柔軟に形成されているため、めくり上げ作業を容易にするとともに、このようなめくり上げ(折れ曲がり変形)によって品質劣化(機能劣化)を生じることがない。
また、このように水膨張性マット12を敷設している施工中に降雨が有り、水膨張層12dが膨張した場合においても、水膨張層12dを挟んで水膨張性マット12の表面の下面に樹脂フィルム層12bが設けられているため、下面の性状が変化することがなく、樹脂フィルム層12bによって滑りを抑制した状態で、好適に水膨張性マット12がベントナイト層11上に敷設される。
そして、本実施形態においては、水膨張性マット12が、保護層12aと樹脂フィルム層12bがそれぞれ水膨張層12dに剥離可能に取り付けられているため、水膨張性マット12を敷設する際に、作業者が隣り合う水膨張性マット12の端部の保護層12aと樹脂フィルム層12bをそれぞれ剥がし、図3に示すように、上下の水膨張性マット12の水膨張層12dを直接接触させ、隣り合う水膨張性マット12、12の端部同士を重ね合わせる。このように重ね合わせた接合部15を、自走式熱融着機や手動式熱融着機を用いて接合する(水膨張性マット接合工程)。これにより、隣り合う水膨張性マット12同士が一体に接合され、且つこの接合部分の水密性が確保されて、簡便で速やかな接合作業で水膨張性マット12の敷設が完了する。
そして、このように速やかにベントナイト層11上に水膨張性マット12を敷設することで、ベントナイト層11の形成後に降雨が有った場合においても、降雨が保護層12aを通過し水膨張層12dに達するとともに、水膨張性繊維12cに吸水されて保持される。これにより、ベントナイト層11への雨水の流入が確実に防止され、ベントナイト層11のベントナイト混合土が降雨で流出することが確実に防止される。
また、水膨張性マット12の水膨張層12dは、大気中の水分や降雨を吸うことで通気性が著しく低下するため、所定の含水状態で形成したベントナイト層11が乾燥することがなく、好適な水分量を維持して保護されることになる。さらに、上記のように複数の水膨張性マット12が簡便で速やかな接合作業で好適に接合されて敷設されているため、強風によって飛散してしまったり、接合部15から雨水や風が浸入してベントナイト層の流出や乾燥を招くこともない。よって、水膨張性マット12によって、確実にベントナイト層11の品質不良の発生が防止される。
一方、ベントナイト層11を保護するように敷設した水膨張性マット12は、遮水シート13を敷設するまでの間、紫外線に暴露され、水膨張層12dの水膨張性繊維12cがこの紫外線によって劣化するおそれがある。しかしながら、本実施形態の水膨張性マット12においては、水膨張層12dの上に遮光性を有する保護層12aが設けられているため、長期にわたって紫外線に暴露されても、水膨張層12dの水膨張性能が低下することがない。また、ベントナイト層11のベントナイト混合土(現場発生土)などからイオンが侵入すると、水膨張層12dの水膨張性繊維12cに劣化が生じるおそれがあるが、本実施形態の水膨張性マット12においては、下面に樹脂フィルム層12bが設けられているため、イオンの侵入が確実に阻止され、水膨張層12dの水膨張性能が低下することがない。
ついで、このように水膨張性マット12を敷設した後に、この水膨張性マット12の上方に遮水シート13を敷設してゆく(遮水シート敷設工程)。このとき、複数の遮水シート13を、水膨張性マット12上に並べて敷設するとともに、隣り合う遮水シート13の端部同士を上下に重ねて(ラップさせて)敷設してゆく。そして、このように遮水シート13を敷設している施工中や、遮水シート13の敷設前に降雨が有った場合には、雨水が水膨張性マット12の上に残留し、この残留水によって遮水シート13が滑ってしまい、好適に遮水シート13の敷設を行えなくなるおそれがある。これに対し、本実施形態の水膨張性マット12は、水膨張層12dの上に不織布からなる保護層12aが設けられているため、残留水が溜まることがなく、遮水シート13の滑りが抑制される。これにより、好適に遮水シート13が敷設される。
そして、隣り合う遮水シート13の重ね合わせた端部同士を、自走式熱融着機や手動式熱融着機を用いて接合し(遮水シート接合工程)、遮水シート13の敷設が完了する。ついで、この遮水シート13の上方に保護マット14を敷設して、本実施形態の遮水構造Aの施工が完了する。なお、このように遮水構造Aの施工を終えた段階で、図1に示すように保護盛土16が設けられる。
そして、上記のように形成した本実施形態の遮水構造Aにおいては、処分空間10に廃棄物を処分した場合に、遮水構造Aの最表面に保護マット14が設けられているため、この保護マット14のクッション性によって遮水シート13への外力負荷が低減され、遮水シート13に孔などの損傷が生じにくい。
この一方で、例えば鋭利な廃棄物が、保護マット14、遮水シート13、水膨張性マット12に突き刺さったりして、遮水シート13や水膨張性マット12に孔が開いた場合(損傷が生じた場合)には、処分空間10内の汚水がこの孔から遮水シート13を通過することになる。これに対し、本実施形態の遮水構造Aにおいては、保護層12a及び樹脂フィルム層12bによって施工時及び形成後に水膨張層12dに劣化が生じることがなく、水膨張性マット12の水膨張性能が好適に維持されているため、すなわち水膨張性マット12の自己修復機能が長期にわたって好適に維持されているため、遮水シート13を通過した汚水が保護層12aを通じて水膨張層12dに接触するとともに、水膨張性マット12が確実に膨張し、この膨張圧力によって遮水シート13や水膨張性マット12に開いた孔が塞がる。これにより、さらなる汚水の漏洩が阻止される。
また、このとき、従来の水膨張性マット4、7に対し、本実施形態の水膨張性マット12が優れた保水性能を有するため、遮水シート13に開いた孔を通過した汚水が遮水シート13と水膨張性シート12の間を流通することなく、水膨張性マット12に接触するとともに確実に水膨張性マット12に保水される。これにより、例えば廃棄物最終処分場の法面部G2に敷設した遮水シート13と水膨張性シート12の間を汚水が流下し底面部G3側に溜まって、この底面部G3側の遮水シート13がはらみ出すようなことがない。
したがって、本実施形態の水膨張性マット12及びこれを備える遮水構造A並びにこの遮水構造Aの施工方法においては、水膨張性マット12が、不織布の保護層12aと樹脂フィルム層12bの間に水膨張性繊維12cを含む水膨張層12dを介装して形成されているため、水膨張性マット12を軽量で且つ柔軟に形成することができ、ベントナイト層11を形成するとともに速やかにベントナイト層11上に敷設することが可能になる。そして、このような水膨張性マット12をベントナイト層11上に敷設することで、施工中に降雨が有った場合においても、この降雨を水膨張性マット12で受けることができ、また、ベントナイト層11の水分を保持することができるため、ベントナイト層11の遮水性能(品質)の低下を防止することが可能になる。また、遮水構造Aの形成時にめくり上げた場合おいても、軽量で且つ柔軟に形成されているため、品質劣化が生じにくい。
さらに、遮水構造Aの形成後に遮水シート13に孔が開いた際、この孔を通過した汚水が不織布の保護層12aを通じて水膨張層12dに確実に接触することになるため、この水膨張層12d(水膨張性繊維12c)によって汚水を保水することが可能になる。これにより、遮水シート13と水膨張性マット12の間を汚水が流通して、遮水シート13がはらみ出すなどの不都合を確実に解消できる。
また、施工中の降雨などで水膨張層12dが膨張した場合においても、水膨張層12dを挟んで水膨張性マット12の下面に樹脂フィルム層12bが、上面に不織布の保護層12aが設けられて、滑りが抑制されるため、好適に水膨張性マット12自体や遮水シート13を敷設することが可能になる。
さらに、保護層12aが遮光性を有していることによって、敷設した水膨張性マット12が長期にわたって紫外線に暴露された場合においても、水膨張層12dの劣化を防止でき、また、樹脂フィルム層12bで例えばベントナイト混合土のイオンの侵入を防止できる。これにより、水膨張層12dの劣化を確実に防止して、水膨張性マット12の自己修復機能を長期にわたって好適に維持することが可能になる。
また、保護層12aと樹脂フィルム層12bが水膨張層12dに剥離可能に取り付けられていることによって、水膨張性マット12同士を接合する際に、水膨張層12dの端部側の保護層12aと樹脂フィルム層12bを剥がし、露出した水膨張層12dの端部側同士を直接接触させて上下に重ね、この状態で融着することで、容易に且つ確実に接合することができ、且つこの接合部15の止水性(水密性)を十分に確保することが可能になる。
さらに、このとき、保護層12aがニードルパンチ加工によって、樹脂フィルム層12bがホットメルト接着加工によって、それぞれ水膨張層12dに取り付けられていることがより、作業員が保護層12aや樹脂フィルム層12bを手で剥がせる程度の付着力をもって水膨張性マット12を形成することが可能になり、より容易に且つ確実に水膨張性マット12同士を接合することが可能になり、作業性の向上を図ることが可能になる。
また、遮水構造Aの最表面側に保護マット14が設けられていることによって、遮水シート13に加わる外力を、この保護マット14のクッション性によって吸収することができ、遮水シート13への外力負荷を確実に低減することが可能になる。これにより、遮水シート13に孔が開くなどの損傷が発生しにくくなり、長期にわたって安定して遮水性能を発揮することが可能になって、信頼性の高い遮水構造Aを形成することが可能になる。
よって、本実施形態の水膨張性マット12及び遮水構造A並びに遮水構造Aの施工方法によれば、遮水シート13の弱点である外的損傷に対する自己修復機能とベントナイト層11の保護養生機能を併せもつ水膨張性マット12及びこれを備えることにより信頼性の高い遮水構造A並びに遮水構造Aの施工方法を提供することが可能になる。
以上、本発明に係る水膨張性マット及び遮水構造並びに遮水構造の施工方法の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、本実施形態では、本発明に係る水膨張性マット及び遮水構造を、廃棄物最終処分場の遮水構造Aに適用するものとして説明を行ったが、本発明に係る水膨張性マット及び遮水構造は、例えば貯水池や堤防などの遮水構造に適用されてもよい。
また、本実施形態では、遮水構造Aが、ベントナイト層11と、ベントナイト層の上方に敷設した水膨張性マット12と、水膨張性マット12の上方に敷設した遮水シート13と、遮水シート13の上方で遮水構造Aの最表面側に敷設された保護マット14とを備えて構成されているものとしたが、例えば図4に示すように、水膨張性マット12と遮水シート13の間に、遮水シート13への外力負荷を低減するための保護マット20を設けて、遮水構造Aを構成するようにしてもよい。この場合、新たに設ける保護マット20は、最表面側に設けた保護マット14と同様のものでよく、このような保護マット20を設けることによって、例えば廃棄物最終処分場に処分した廃棄物から遮水シート13に外力が加えられる場合においても、保護マット20のクッション性(弾性)によって外力を吸収し、遮水シート13への外力負荷を低減することが可能になる。これにより、遮水シート13に孔が開くなどの損傷がさらに発生しにくくなり、長期にわたって安定して遮水性能を発揮することが可能になり、より信頼性の高い遮水構造Aを形成することができる。
さらに、例えば図5に示すように、遮水シート13を挟んで上下に、この遮水シート13の損傷を検知するための損傷検知システム用電極21を設けて、遮水構造Aを構成するようにしてもよく、この場合には、探傷検知システム用電極21に探傷検知システムを繋ぐという簡便な操作によって、速やかに遮水シート13の損傷の有無を検知することができるとともに、正確に損傷箇所を特定することができる。よって、さらに信頼性の高い遮水構造Aを形成することが可能になる。
本発明の一実施形態に係る遮水構造を示す図である。 本発明の一実施形態に係る水膨張性マットを示す図である。 本発明の一実施形態に係る水膨張性マットを接合した状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る遮水構造の変形例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る遮水構造の変形例を示す図である。 従来の水膨張性マットを示す図である。 従来の水膨張性マットを示す図である。
符号の説明
10 処分空間
11 ベントナイト層
12 水膨張性マット
12a 保護層
12b 樹脂フィルム層
12c 水膨張性繊維
12d 水膨張層
13 遮水シート
14 保護マット
15 接合部
16 保護盛土
20 保護マット
21 探傷検知システム用電極
A 遮水構造
G 地盤
G1 表面
G2 法面部
G3 底面部

Claims (8)

  1. 遮光性を有する不織布の保護層と、樹脂フィルム層との間に、水が接触することによって膨張する水膨張性繊維を備えた水膨張層を介装して形成されていることを特徴とする水膨張性マット。
  2. 請求項1記載の水膨張性マットにおいて、
    前記保護層と前記樹脂フィルム層が前記水膨張層に剥離可能に取り付けられていることを特徴とする水膨張性マット。
  3. 請求項2記載の水膨張性マットにおいて、
    前記保護層がニードルパンチ加工によって、前記樹脂フィルム層がホットメルト接着加工によって、それぞれ前記水膨張層に取り付けられていることを特徴とする水膨張性マット。
  4. 地盤の表面を覆うように設けられ、前記地盤への水の浸透を阻止するための遮水構造であって、
    前記地盤の表面上に設けられたベントナイト層と、該ベントナイト層の上方に敷設された請求項1から請求項3のいずれかに記載の水膨張性マットと、該水膨張性マットの上方に敷設された遮水シートとを備えてなることを特徴とする遮水構造。
  5. 請求項4記載の遮水構造において、
    前記水膨張性マットと前記遮水シートの間に、前記遮水シートへの外力負荷を低減するための保護マットが設けられていることを特徴とする遮水構造。
  6. 請求項4または請求項5に記載の遮水構造において、
    前記遮水シートを挟んで上下に、該遮水シートの損傷を検知するための損傷検知システム用電極が設けられていることを特徴とする遮水構造。
  7. 請求項4から請求項6のいずれかに記載の遮水構造において、
    前記遮水シートの上方で前記遮水構造の最表面側に、前記遮水シートへの外力負荷を低減するための保護マットが設けられていることを特徴とする遮水構造。
  8. 地盤の表面を覆うように設けられて前記地盤への水の浸透を阻止する遮水構造の施工方法であって、
    前記地盤の表面上にベントナイト層を形成するベントナイト層形成工程と、前記ベントナイト層の上方に請求項1から請求項3のいずれかに記載の水膨張性マットを並べて敷設する水膨張性マット敷設工程と、隣り合う前記水膨張性マットの端部同士を接合する水膨張性マット接合工程と、前記水膨張性マットの上方に遮水シートを並べて敷設する遮水シート敷設工程と、隣り合う前記遮水シートの端部同士を接合する遮水シート接合工程とを備えることを特徴とする遮水構造の施工方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015213884A (ja) * 2014-05-12 2015-12-03 株式会社ホージュン 高塩濃度浸出水を遮水する材料および高塩濃度浸出水を遮水する層の設置方法
JP5887021B1 (ja) * 2015-11-30 2016-03-16 株式会社フジコーポレーション 底版・側壁構造物
JP5918436B1 (ja) * 2015-11-30 2016-05-18 株式会社フジコーポレーション 底版・側壁構造物及び底版・側壁構築方法

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