JPH0752003Y2 - 台紙付パンテイストッキングの折畳み装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は台紙付パンテイストッキ
ングの折畳み装置、詳しくは台紙に巻付けたパンテイス
トッキングを台紙と共に折畳む台紙付パンテイストッキ
ングの折畳み装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にパンテイストッキングは台紙に巻
付けた後自動機で重合状に折畳み、透視可能な外袋に包
装されて市場に供されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前記パ
ンテイストッキングを自動機で折畳む場合において、レ
ギュラーストッキングは生地の伸縮が少ないので自然な
状態（リラックス）に折畳んでも折畳み後の外観を損ね
るようなことはないのであるが、例えば、ポリウレタン
を芯糸としたカバーリングヤーン等で編成した伸縮弾性
の強いストッキングのようにタイト性が強い場合には、
折畳み時にパンテイストッキングの生地が弛んで折畳み
外表面に皺が生じ、見苦しい折畳み状態となり、パンテ
イストッキングの商品価値を著しく阻害していた。

【０００４】そこで従来では、伸縮弾性の強いストッキ
ングのようにタイト性の強い製品の折畳みは、人為的に
弛みを除去し緊張を与えながら外表面に皺が生じないよ
うに手作業で行っていた。ところが、前記のように手作
業による場合は、折畳み作業が非能率的となるばかり
か、作業者の折畳み技量度によって折畳み状態が不揃い
となるといった問題があった。

【０００５】本考案は前記問題点に鑑みて提案するもの
で、その目的は、パンテイストッキングを台紙と共に重
合状に折畳みする作業を、手作業に依らず自動的に行う
ことで作業能率を向上できながら、パンテイストッキン
グの折畳み外表面に皺を生じさせたり、折畳み状態が不
揃いとなるのを解消できて、折畳み包装されたパンテイ
ストッキングの商品価値を向上させることができる台紙
付パンテイストッキングの折畳み装置を提供することに
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案は前記目的達成の
ため、台紙に巻付けたパンテイストッキングを台紙と共
に折畳む台紙付パンテイストッキングの折畳み装置であ
って、台紙付パンテイストッキングを折畳み位置に搬送
する搬送コンベアと、搬送された台紙付パンテイストッ
キングの折曲げ部を押圧する押えレバーと、折曲げ部が
押圧された台紙付パンテイストッキングの折曲げ部に対
する一方側を、他方側へ重合状に折畳む折畳みレバー
と、パンテイストッキングの折畳み内表面側に作用して
このパンテイストッキングの折畳み外表面側の弛みを除
去し、緊張を与えるテンションレバーと、パンテイスト
ッキングの折畳み状態を維持して移送する押えローラと
を備えて構成していることを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】前記構成に依り、台紙にパンテイストッキング
を巻付けた状態の台紙付パンテイストッキングを、搬送
コンベアにより折畳み位置まで搬送し、該折畳み位置に
おいて台紙付パンテイストッキングの折曲げ部を押えレ
バーで押圧すると共に、該折曲げ部に対する一方側を、
折畳みレバーで他方側へ重合状に折畳む。

【０００８】このとき、折畳まれるパンテイストッキン
グの内外表面における表面周長の相違により折畳み外表
面に生じたパンテイストッキングの弛みを、テンション
レバーにより、パンテイストッキングの折畳み内表面側
に位置する生地を引張って弛みを除去する。その後前記
折畳み外表面におけるパンテイストッキングの弛みを除
去した状態の台紙付パンテイストッキングを押えローラ
で押圧しながら搬送コンベアと協動して袋入包装等の次
工程へ搬送するので、包装後のパンテイストッキングの
折畳み状態に皺が生じるのを解消できると共に、手作業
に依らず自動的に折畳むことで、折畳み作業の能率を向
上できながら、折畳後の状態が不揃いとなることがな
く、常に一定の折畳み状態の見栄えのよい包装形態が得
られる。

【０００９】

【実施例】本考案の台紙付パンテイストッキングの折畳
み装置を図面の実施例に基づいて説明する。図１は前記
台紙付パンテイストッキングの折畳装置平面図で、図２
はその概略斜視図である。

【００１０】前記台紙付パンテイストッキングＳの折畳
装置は、図示していない架台フレームに配設した台紙付
パンテイストッキングＳを搬送する搬送コンベア１と、
搬送コンベア１上の台紙付パンテイストッキングＳの折
曲げ部Ｄ２を押圧する押えレバ２と、押圧された台紙付
パンテイストッキングＳの一方を折曲げ部Ｄ２を介し他
方側へ重合状に折畳む折畳レバ３と、パンテイストッキ
ングＰの折畳み内表面を介して作用し、このパンテイス
トッキングＰの外表面の弛みを除去し緊張するテンショ
ンレバ４と、台紙付パンテイストッキングＳの折畳み状
態を維持しながら搬送する押えローラ５とで構成されて
いる。

【００１１】図２に示すように搬送コンベア１は、搬送
方向上流側と下流側とに設けた一対のプーリ１ａ１ｂ
と、該プーリ１ａ１ｂ間に張設したエンドレス幅広ベル
ト１ｃとで構成され、一方のプーリ１ｂを図示を略した
駆動装置に連動させている。押えレバ２は、剛性なる細
帯状の杆体で構成され、搬送コンベア１における搬送長
さのほぼ中央付近に、該搬送コンベア１の搬送方向に直
交状に設けると共に、該押えレバ２の基部を上下方向に
伸縮するアクチェータ６のロッド６ａに固定し、該ロッ
ド６ａの伸長時には押えレバ２を搬送コンベア１の搬送
面上方に上昇させ、前記ロッド６ａの縮小時、押えレバ
２を搬送コンベア１の搬送面へ下降するように成してあ
り、前記アクチェータ６を後記する往復動機構７に搭載
状に固定すると共に、該アクチェータ６は搬送コンベア
１上を搬送される台紙付パンテイストッキングＳが、所
定の位置に位置したことを検出する検出センサ（図示省
略）の検出結果により動作するように成されている。

【００１２】折畳みレバ３は、台紙幅Ｄ１と近似する折
畳み面３ａをもった長方形な板材と、棒状な脚杆３ｂと
で構成され、前記押えレバ２と平行状に隣接して設けて
あり、前記脚杆３ｂの基部を、折畳み面３ａが台紙付パ
ンテイストッキングＳを折畳むに必要な旋回半径長さの
アーム部３ｃを介して、往復動機構７に搭載したモータ
８の駆動軸８ａに固定すると共に、前記押えレバ２の下
降動作に連動して時計回りに駆動するモータ８の駆動に
より、折畳み面３ａが折畳み方向に旋回するように成し
ている。

【００１３】前記往復動機構７は、搬送コンベア１の一
側方に配設されていると共に、該搬送コンベア１の搬送
方向と直交し、かつ架台フレームの一部に固定された平
行な２本のガイドレール７ａ、７ａに摺動可能に支持さ
れて、エアシリンダ（図示省略）を内蔵した台車状に構
成されていて、前記エアシリンダの動作で搬送コンベア
１の搬送方向に対し直交状に往復動移動して、前記押え
レバ２の上昇時、搬送コンベア１に近接移動し、折畳み
レバ３が折畳み位置のとき、搬送コンベア１から離間移
動するように成されている。

【００１４】テンションレバ４は、搬送コンベア１の上
流側に押さえレバ２に隣設され、帯状をした薄手な厚み
の弾性板材で構成していて、先端にはパンテイストッキ
ングＰの生地に係止する波状の係止部４ａを形成すると
共に、その基端部を静止部材（図示省略）に回動自在に
支持されたテンション軸４ｂに固着する一方、該テンシ
ョン軸４ｂの一端に調節板４ｃを固定し、該調節板４ｃ
と、これに対向する静止部材との間に引張スプリング４
ｄを掛設して、該スプリング４ｄの付勢力により、常は
前記テンションレバ４をテンション軸４ｂを支点にして
所定の角度上方へ向角させてあり、台紙付パンテイスト
ッキングＳの折畳み時、係止部４ａを折畳まれるパンテ
イストッキングＰの内表面における生地に押圧するよう
に係止させ、折畳み動作の進行に追従し、テンション軸
４ｂを支点にして下方へ揺動しながら前記内表面におけ
る生地を引張って折畳み外表面におけるパンテイストッ
キングＰの生地を緊張させるように成している。

【００１５】かかる揺動角度は、生地に与える緊張の付
加度合を調整するために、スプリング４ｄの付勢力を調
整して行うように成している。押えローラ５は、厚みを
有する同径２ケの円板状ローラ５ａ、５ａで構成され、
該ローラ間を、台紙幅Ｄ１に対応した所定の間隔に離間
させてローラ軸５ｂに遊転自在に支持すると共に、該ロ
ーラ軸５ｂの基部を、揺動アーム５ｃの遊端部に固定
し、その基端部をロータリアクチェータ９の出力軸９ａ
に固定すると共に、常は前記ローラ５ａ、５ａを搬送コ
ンベア１における上流側上方位置に位置させておき、前
記折畳みレバ３が台紙付パンテイストッキングＳを折畳
んだ状態のとき、揺動アーム５ｃを下動させローラ５
ａ、５ａで折畳まれた台紙付パンテイストッキングＳ上
を押圧しながら搬送コンベア１と協力して折畳まれた状
態の台紙付パンテイストッキングＳを下流側へ搬送する
ように成されている。

【００１６】前記ロータリアクチェータ９は、搬送コン
ベア１の搬送方向と平行状に架設した案内レール１０と
係合して搬送コンベア１における搬送域を移動自在に支
持されていると共に、ロータリアクチェータ９の一部
を、前記搬送コンベア１の搬送方向と平行状に張設し、
該搬送コンベア１の駆動速度と同速で、かつ、所定の正
転駆動後逆転駆動するように成されたタイミングベルト
１１の一部に係止して、該タイミングベルト１１の駆動
に伴い搬送コンベア１の搬送域を往復移動するように成
されている。

【００１７】また、このロータリアクチェータ９は折畳
みレバー３の折畳み終了動作と連動して作動し、出力軸
９ａを回動して押えローラ５を下動させるように成して
いる。次に以上のように成された実施例の作用について
説明する。本実施例で示す台紙付パンテイストッキング
の折畳み装置は、主として台紙Ｄを挟んで折畳んだ台紙
付パンテイストッキングＳの外表側に、パンテイストッ
キングＰのヒール部を見せた美麗な模様状態（ヒール出
し折り）に折畳む場合、その外表面側に皺や、折畳み不
揃いがなく、しかも能率的に折畳むために使用する。

【００１８】本実施例に供される台紙付パンテイストッ
キングＳは、予め前工程において図８に示すように展開
したパンテイストッキングＰの上に台紙Ｄを載せ、図９
のようにパンテイストッキングＰの両端を台紙Ｄの上面
で折重ねた状態に成してある。斯く成された台紙付パン
テイストッキングＳは図１０に示すシーケンスに基づい
て図３〜図７に示すように折畳まれる。

【００１９】即ち、台紙付パンテイストッキングＳを搬
送コンベア１の上流側に供給する。この場合は往復動機
構７が搬送コンベア１側へ近接した位置にあって、押え
レバ２は該コンベア１の上方位置に、又折畳みレバ３は
押えレバ２の下流側における下方位置に位置している。
前記台紙付パンテイストッキングＳが図３のように所定
の折畳み位置に搬送されると、検出センサ（図示省略）
により検出され、図１０のＴ１時刻に示すように搬送コ
ンベア１の駆動が減速停止し、押えレバ２が下降してそ
のエッヂ部が台紙付パンテイストッキングＳの折曲げ部
Ｄ２部位を押圧する。

【００２０】この際、押さえレバ２の押圧によってコン
ベア１が撓み折畳みレバ３が台紙付パンテイストッキン
グＳを掬いやすくなる。尚、折畳みレバ３が台紙付パン
テイストッキングＳを掬いやすくするために、コンベア
１自体を局部的に持上げるように構成しても良い（図３
の仮想線参照）。

【００２１】続いて折畳みレバ３が図４、５に示すよう
に台紙付パンテイストッキングＳの折曲げ部Ｄ２に対し
て一方側を、その下側から掬い上げながら旋回動作して
他方側へ反転し折畳み動作する。この時、図１１、１２
に示すようにテンションレバ４の係止部４ａが、折畳ま
れるパンテイストッキングＰの内表面側となる生地に係
止し、図１１のように反転してくる折畳みレバ３とパン
テイストッキングＰとを介して係合した後、折畳動作の
進行に伴って図１２のように前記内表面側の生地を引張
る。

【００２２】このことにより特に前記パンテイストッキ
ングＰにおける外表面側の生地が緊張した状態で折畳ま
れるので、折畳み時における外表面の皺を除去できるの
である。折畳み動作の終了により、時刻Ｔ２において押
えローラ５が、ロータリアクチェータ９の動作で下降
し、図６に示しているように折畳まれた台紙付パンテイ
ストッキングＳの上面を押圧すると共に、図７に示すよ
うに往復動機構７が押えレバ２及び折畳みレバ３を伴っ
て搬送コンベア１側から離間方向に移動しながら時刻Ｔ
３において押えレバ２を上昇位置に、折畳みレバ３を元
の位置に反転させる一方、搬送コンベア１が再び駆動し
て、前記台紙付パンテイストッキングＳが下流側へ搬送
される。

【００２３】この場合、タイミングベルト１１が連動し
て押えローラ５を支持するロータリアクチェータ９を、
搬送コンベア１と同方向に同速度で移動させるので押え
ローラ５と搬送コンベア１とに挟持された台紙付パンテ
イストッキングＳは、折畳まれ皺のない状態を維持しな
がら次工程へ搬送され、次工程へ移動したことを検出す
るセンサ（図示省略）の動作に連動してローラ５が上昇
する。

【００２４】そして時刻Ｔ４においてタイミングベルト
１１が、搬送コンベア１の搬送方向に対し反対方向に移
動してロータリアクチェータ９を搬送コンベア１の上流
側に移動させて台紙付パンテイストッキングＳを折畳む
一連の折畳動作が終了する。以上説明した折畳動作の繰
返しで、連続的に折畳み作業ができると共に、台紙付パ
ンテイストッキングＳの折畳み外表面に皺のない緊張さ
れた状態で能率的に、しかも均一した折畳み状態に折畳
み作業が行えるのである。

【００２５】

【考案の効果】以上説明したように本考案は、例えばカ
バーリングヤーン等を用いて編成した伸縮弾性の強いパ
ンテイストッキング等の台紙付パンテイストッキングの
折畳み時においても、折畳まれたパンテイストッキング
の外表面に見苦しい皺等が生じることがなく、外見を見
栄えの良い包装形態にできながら能率的に折畳み作業が
できるので、台紙付パンテイストッキングの折畳み作業
コストを著しく低減できると共に、自動的に折畳むので
折畳み状態が人為的に行われる場合のように不揃いとな
ることがなく、台紙付パンテイストッキングを常に均一
な状態に折畳むことができて、折畳まれたパンテイスト
ッキングの商品価値を良好に向上させることができる効
果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に関する台紙付パンテイストッキングの
折畳み装置の平面図である。

【図２】同折畳み装置の概略を示す斜視図である。

【図３】折畳み動作前の状態を示す斜視図である。

【図４】折畳み動作を開始した状態を示す斜視図であ
る。

【図５】折畳み動作を終了した状態を示す斜視図であ
る。

【図６】ローラが下降したときの状態を示す斜視図であ
る。

【図７】往復動機構が離間した状態を示す斜視図であ
る。

【図８】台紙付パンテイストッキングの前工程を説明す
るための斜視図である。

【図９】台紙付パンテイストッキングの斜視図である。

【図１０】実施例の作用動作を示すシーケンス図であ
る。

【図１１】折畳み状態を示す要部拡大断面図である。

【図１２】折畳み状態を示す要部拡大断面図である。

【符号の説明】

（１） 搬送コンベア （２） 押えレバ （３） 折畳みレバ （４） テンションレバ （５） 押えローラ （Ｄ） 台紙 （Ｄ２） 折曲げ部 （Ｐ） パンテイストッキング （Ｓ） 台紙付パンテイストッキング

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 橋本 進 京都府綾部市井倉新町石風呂１番地 グン ゼ株式会社 京都研究所内 (72)考案者 成田 憲治 京都府綾部市井倉新町石風呂１番地 グン ゼ株式会社 京都研究所内 (56)参考文献 特開 昭56−57620（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−204838（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 台紙に巻付けたパンテイストッキングを
   台紙と共に折畳む台紙付パンテイストッキングの折畳み
   装置であって、 台紙付パンテイストッキングを折畳み位置に搬送する搬
   送コンベアと、 搬送された台紙付パンテイストッキングの折曲げ部を押
   圧する押えレバーと、 折曲げ部が押圧された台紙付パンテイストッキングの折
   曲げ部に対する一方側を、他方側へ重合状に折畳む折畳
   みレバーと、 パンテイストッキングの折畳み内表面側に作用してこの
   パンテイストッキングの折畳み外表面側の弛みを除去
   し、緊張を与えるテンションレバーと、 パンテイストッキングの折畳み状態を維持して移送する
   押えローラとを備えて構成していることを特徴とする台
   紙付パンテイストッキングの折畳み装置。