JPH04122551U - 取出し装置を備えたシート材料支持コンベヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シート材料加工機械の材料支持コンベヤにお
いて、シート材料の最下層又は下の数層の先行縁部がコ
ンベヤのリターン部に巻き込まれることをなくする。 【構成】 取出し装置１０の取出しコンベヤベルト３８
が、材料支持コンベヤ１６の排出端部の最終部分に重合
状態に配置され、取出しコンベヤベルト３８の下方走行
部の一部分が、材料支持表面２０に対し近接して配置さ
れる。取出しコンベヤベルト３８は、アイドラローラ４
０に平行な枢軸の回りに運動可能に枢着される細長い材
料係合要素４６を有する。材料係合要素４６は、剛毛を
通りくし歯状に梳くように運動して、材料支持表面２０
に支持されるシート材料を剛毛から上昇させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コンベヤ搬送設備からシート材料を取出すための取出し装置に関す る。更に詳しくは、本考案の取出し装置は、コンベヤベルトを備えたシート材料 加工機械に適用し得るものであり、コンベヤベルトは、多数の直立した剛毛要素 の末端部によって限定される貫入可能なシート材料支持表面を有し、その支持表 面上には、シート材料を貫通し更に支持表面に貫入することが可能な器具による 切断その他の加工の間に、単一のシート材料又は垂直方向に積層された多数のシ ート材料からなる積重ね体が保持される。

【０００２】

【従来の技術及び解決しようとする課題】

多数の直立した剛毛要素の末端部によって限定される貫入可能なシート材料支 持表面を有するシート材料加工機械は、織成布や不織布、複合材料、プラスチッ ク、紙、皮革、その他の材料を切断或いは裁断するために使用されており、プロ グラム制御器からの指令信号に応答して器具がコンベヤ支持表面に対し加工関係 で移動する間に、シート材料積重ね体をコンベヤ支持表面上の一定の位置に圧縮 して堅固に保持するための吸着保持システムを備える。排出端部又はリターン端 部には、コンベヤ支持表面とそれに隣接した受け取りテーブルとの間に移載部を 形成するために通常エプロンが配設されており、ベルトコンベヤが機械加工の終 了時に積重ね体をエプロンを通過させ受け取りテーブルへ移動させる。

【０００３】 上記シート材料加工機械においては、積重ね体を受け取りテーブル上に搬送す る際にしばしば種々の問題が発生する。例えば、積重ね体の最下層又は下の数層 の先行縁部は、積重ね体の重量によってエプロンの舌状片にひっかかりそして舌 状片により下方へ偏向されて、ベルトコンベヤのリターン部に巻き込まれてしま う。

【０００４】 またこの種の加工機械を織成布を切断するために使用するときは、別の問題に 遭遇する。切断刃に隣接する切断された織り糸が支持表面を画成する密集剛毛間 の下方に押し込まれてしまう。更に切断作業の間に積重ね体の下面には真空が付 与されるために、これら切断された織り糸の端部は剛毛間で下方に吸引されて剛 毛間に捕捉されることになる。この状態は前記の問題を助長させてしまう。それ 故に、本考案はこれらの問題を解消しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案による取出し装置は、剛毛の自由端によって画成され貫入可能な材料支 持表面及び駆動手段を有する無端ベルトコンベヤ形式のシート材料支持コンベヤ からシート材料を取出す。駆動手段は、材料支持表面上に支持されるシート材料 をシート材料支持コンベヤの排出端部へ移動させるべくシート材料支持コンベヤ を駆動する。

【０００６】 本考案の取出し装置は、アイドラローラ及び被動ローラにより支持され上方走 行部及び下方走行部を有する取出しコンベヤベルトを具備し、取出しコンベヤベ ルトは、シート材料支持ベルトコンベヤの排出端部の最終部分に重合状態に配置 され、アイドラローラはシート材料支持コンベヤに支持されるシート材料の運動 方向における取出しコンベヤベルトの上流の端部を画成する。

【０００７】 取出しコンベヤベルトの下方走行部の一部分が材料支持表面に対し近接して配 置される。取出しコンベヤベルトは、アイドラローラに平行な枢軸の回りに運動 可能に枢着される細長い材料係合要素を有し、アイドラローラは材料係合要素の 長さに比較し小さな直径であり、アイドラローラに係合する取出しコンベヤベル トの部分に取り付けられる材料係合要素が、アイドラローラに接線方向に伸長し 、シート材料支持コンベヤと取出しコンベヤベルトの作動に対応して剛毛を通り くし歯状に梳くように運動して、材料支持表面に支持されるシート材料を剛毛か ら上昇させる。アイドラローラは、被動ローラより小さな直径を有する。

【０００８】

【実施例】 まず図１乃至図３に基づいて説明する。本考案を具現化する取出し装置が全体 的に符号１０で示され、コンベヤ搬送設備を備えるシート材料加工機械（全体的 に符号１２で示す）の排出端部に配設される。加工機械１２は、垂直方向に相互 に積層された多数のシート材料からなる積重ね体Ｌからパターン片を切断するよ うに設けられたものであり、本質的に全体的に符号１４で示す吸着保持テーブル からなる。

【０００９】 この吸着保持テーブル１４は、吸着保持形式のシート材料支持コンベヤ１６及 びほぼ長方形のタンク状容器１８を備え、水平に配置された上方に面したシート 材料支持表面２０を形成するコンベヤの上方走行部の一部を除いてコンベヤ１６ を実質的に包囲する。容器１８は、コンベヤ１６の上方走行部と協働して、支持 表面２０の下方に真空チャンバ１９を限定する。

【００１０】 図示の吸着保持コンベヤ１６は、剛毛ブロック２２、２２に担持され密集状態 に配列された多数の剛毛によって形成された空気通過性コンベヤベルト２１を有 し、各剛毛ブロック２２は、有孔底部と底部から突出した多数の剛毛を有し、剛 毛ブロック２２、２２の底部は格子状板又は有孔区分２４、２４に固定され、横 方向に延びるヒンジピン２７、２７によって相互にヒンジ状に連結されて関節状 エンドレス剛毛ベルトを構成する。

【００１１】 横方向に離間する一組のスプロケット又はスターホイール２６、２６（図１に は１個のみ図示）は、吸着保持テーブル１４の排出又は取出し端部で、吸着保持 コンベヤ１６を支持し、このスプロケット２６、２６に駆動可能に連結される駆 動モータ２８が、プログラム制御可能な制御器（図示されない）から受ける指令 信号に応答してコンベヤ１６を駆動する。前記のような吸着保持コンベヤは、米 国特許第４，３２８，７２６号に詳細に開示されており、参照される。

【００１２】 吸着保持テーブル１４の排出端部においてタンク１８の一部を構成するように 水平方向に配設されたエプロン３０は、シート材料支持表面２０とほぼ同一平面 上に配置されている。エプロン３０の先縁部３２は、図１に図示するように、コ ンベヤ１６の上方走行部とリターン部との連接部に隣接してテーブル１４の横方 向に延びている。

【００１３】 加工機械１２は更に、テーブル１４を跨ぐ通常の器具キャリッジ組立体３４を 具備し、器具キャリッジ組立体３４は、積重ね体Ｌ等を切断し且つ支持表面２０ へ貫入するように配設された器具すなわち垂直方向に往復運動可能な切断刃３６ を保持する。当該技術分野において公知のように、キャリッジ組立体３４は制御 器からの指令信号に応答して切断刃３６を支持表面２０に対し縦方向及び横方向 に移動させて、予じめ決められたプログラムに従って積重ね体Ｌからパターン片 を切断するように配設されている。

【００１４】 次に、排出又は取出し装置１０を詳細に説明する。取出し装置１０はシート材 料支持コンベヤ１６の排出端部に支持された取出しコンベヤからなり、エンドレ ス表面を形成するベルト３８を含む。ベルト３８は材料支持コンベヤ１６の排出 端部に重合状態で配置された端部を有する。ベルト３８は、加工機械１２の横方 向に延びる軸芯のまわりを回転するように軸支されたアイドラローラ４０と被動 ローラ４２とに支持される。

【００１５】 取出しコンベヤ１０は、吸着保持テーブル１４の上方表面に対して小型で低側 面を呈するように配置され、このためアイドラローラ４０は、例えば２．５４ｃ ｍ（1 inch）以下のように比較的小さい直径を有する。被動ローラ４２は、アイ ドラローラ４０よりもかなり大きな直径を有し、ベルト３８に摩擦的に係合して ベルトを駆動する。吸着テーブル１４上に軸支されたアイドラローラ４４は、図 １に図示するように、ベルト３８の補助的な支持部を形成する。

【００１６】 ベルト３８は、コンベヤ１６の幅と実質的に等しい幅に形成することが好まし く、ベルト３８は多数の材料持ち上げ要素又は材料係合要素４６、４６を保持す る。材料係合要素４６、４６は、好ましくはほぼＵ字形をなし、図２及び図３に 示すように、材料係合要素の平行な脚部がコンベヤ１６の移動方向に延びるよう に縫い糸４８によりベルト表面３９へ縫い込まれる。材料係合要素４６、４６は 、ベルト３８に対して回動し得るように相互に離間してベルト３８に取付けられ 、ベルト３８の全表面にわたって配列されている。ベルト表面３９の上方に面す る水平部分に位置する材料係合要素４６、４６は、ベルト表面３９にほぼ近接し てほぼ水平方向に延びる。

【００１７】 図示の実施例において、取出しコンベヤ１０は、材料支持コンベヤ１６と同期 して作動するようにコンベヤ１６の駆動機構に駆動可能に連結されており、更に コンベヤ１０は、材料係合要素４６、４６が剛毛及び剛毛により画成された材料 支持表面２０に対してくし歯状に梳くように移動すべく配列される。

【００１８】 加工機械の切断工程の間に、材料支持コンベヤ１６は停止し、積重ね体Ｌ又は 積重ね体の一部分が、大気圧によって支持表面２０上の一定の位置に保管されて いる。そして切断工程の完了時に、吸着チャンバー内へ空気を流入させ且つ吸着 チャンバーを真空供給源から切り離すように適切な弁を作動することにより、積 重ね体の下面に付加されている真空を中断させる。その後に材料支持コンベヤ１ ６を作動させることにより積重ね体をテーブルから排出させる。積重ね体の先行 縁部が取出しコンベヤ１０に近接したときに、材料係合要素４６、４６は、コン ベヤ表面の円弧状リターン部のまわりを上方に移動し、その間にこのリターン部 に対してほぼ接線方向の位置を取る。材料係合要素は、剛毛及び支持表面２０の 中をくし歯状に梳くように上方へ移動して、積重ね体の下方に係合し、積重ね体 を上方へ上昇させ、そして積重ね体を取出しコンベヤ上へ移動させる。

【００１９】 この作動は更に、剛毛間に捕捉されされている積重ね体の最下層又は下方の数 層に関連した切断された糸くず或いはその他の材料を追い出す作用をもする。

【００２０】 このように、取出しコンベヤ１０は、吸着支持テーブルと受け取りテーブルと の間のスムースな受け渡しを行うことができ、材料支持コンベヤ１６から積重ね 体の連続的な移動を確実になすことができる。

【００２１】 図４及び図５には、本考案を具体化する他のコンベヤ取出し装置を全体的に符 号１０ａで図示する。取出し装置１０ａは、前記の装置１０とほぼ同様であるが 、ただ材料係合要素をコンベヤベルト３８ａに取り付ける手段においてのみ相違 している。特に材料係合要素又はステープル４６ａ，４６ａは、図４及び図５に 図示するようにコンベヤベルト３８ａに接着され、またその他の方法で固着され たテープ５０、５０によってベルトに対して回動し得るようにコンベヤベルト３ ８ａに取付けられている。

【００２２】 材料係合要素４６ａ，４６ａは、コンベヤベルト３８ａに対して回動可能であ り、ベルト３８ａがそのリターン部分を支持するローラ上を移行するときにベル ト表面に対し接線方向の位置を取る。

【００２３】 図６は、更に他の取出し装置を全体的に全体的に符号１０ｂで図示する。モジ ュール式ユニットで形成することができる取出し装置１０ｂは、前記の両実施例 の取出しコンベヤと同様の取出しコンベヤを具備するが、取出しコンベヤ１０ｂ は、材料支持コンベヤ１６ｂの材料支持装置２０ｂに対して傾斜状態に支持され る。この傾斜した配置は、材料支持コンベヤに容易に装着することができるよう な簡単な取出しコンベヤ構造の使用を可能にする。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例のコンベヤ取出し装置を有する
コンベヤ搬送設備を具備するシート材料加工機械の図解
的な縦断面図である。

【図２】図１の取出し装置を有する加工機械の平面図で
ある。

【図３】図２の線３−３に沿う断面図である。

【図４】本考案の別の実施例を示す図２と同様の平面図
である。

【図５】図４の線５−５に沿う断面図である。

【図６】本考案の別の実施例の取出し装置と材料支持コ
ンベヤの図解的な側面図である。

【符号の説明】

１０、１０ａ、１０ｂ：取出し装置（取出しコンベ
ヤ）、１２：シート材料加工機械、１４：吸着保持テー
ブル、１６：シート材料支持コンベヤ、２０：支持表
面、３０：エプロン、３８、３８ａ：材料取出しベル
ト、４６、４６ａ：材料係合要素、４８：縫い糸、５
０：テープ片。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 剛毛の自由端によって画成され貫入可能
   な材料支持表面（20、20b）及び駆動手段（28）を有する
   無端ベルトコンベヤ形式のシート材料支持コンベヤ（1
   6、16b）からシート材料（L）を取出すための取出し装置
   （10、10a、10b）にして、駆動手段（28）は材料支持表面
   上に支持されるシート材料（L）をシート材料支持コン
   ベヤ（16、16b）の排出端部へ移動させるべくシート材料
   支持コンベヤを駆動し、取出し装置（10、10a、10b）はア
   イドラローラ（40）及び被動ローラ（42）により支持さ
   れ上方走行部及び下方走行部を有する取出しコンベヤベ
   ルト（38、38a）を具備し、取出しコンベヤベルト（38、3
   8a）はシート材料支持コンベヤの排出端部の最終部分に
   重合状態に配置され、アイドラローラ（40）はシート材
   料支持コンベヤ（16、16b）に支持されるシート材料の運
   動方向における取出しコンベヤベルトの上流の端部を画
   成し、取出しコンベヤベルト（38、38a）の下方走行部の
   一部分が材料支持表面（20、20b）に対し近接して配置さ
   れ、取出しコンベヤベルト（38、38a）は、アイドラロー
   ラ（40）に平行な枢軸の回りに運動可能に枢着される細
   長い材料係合要素（46、46a）を有し、アイドラローラ
   （40）は材料係合要素の長さに比較し小さな直径であ
   り、アイドラローラに係合する取出しコンベヤベルトの
   部分に取り付けられる材料係合要素が、アイドラローラ
   に接線方向に伸長し、シート材料支持コンベヤ（16、16
   b）と取出しコンベヤベルト（38、38a）の作動に応答し
   て剛毛を通りくし歯状に梳くように運動して、材料支持
   表面（20、20b）に支持されるシート材料を剛毛から上昇
   させることを特徴とする取出し装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の取出し装置にして、ア
   イドラローラ（40）は被動ローラ（42）より小さな直径
   を有することを特徴とする取出し装置。