JPH0751533Y2 - リブ付きコンクリートスラブの大梁の座屈止めコンクリートリブ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、リブ付きコンクリートスラブの大梁の座屈止
めをコンクリートリブで構成した、リブ付きコンクリー
トスラブの大梁の座屈止めコンクリートリブに関するも
のである。

〔従来の技術および考案が解決しようとする課題〕 第５図、第６図は、従来知られているリブ付きコンクリ
ートスラブの大梁の座屈止めの一例を示すもので、図に
おいてａはリブ付きコンクリートスラブ、ｂはそのコン
クリートリブ、ｃはコンクリートリブｂに平行する方向
の大梁鉄骨、ｃ′はコンクリートリブｂに直交する方向
の大梁鉄骨、ｄは大梁鉄骨ｃの座屈止めである。この座
屈止めｄは、直角三角形状に組んだ鉄骨部材で成り、コ
ンクリートリブｂに平行する大梁鉄骨ｃでは、そのウェ
ブｅに直角三角形状の座屈止めｄの垂辺を固着して底辺
の先端を大梁鉄骨ｃに平行する隣のコンクリートリブｂ
の下面に固着し、コンクリートリブｂに直交する大梁鉄
骨ｃ′ではそのウェブｅ′に座屈止めｄの垂辺を固着し
て底辺をコンクリートリブｂの下面に沿わせて先端をリ
ブｂ下面に固着することによって、大梁鉄骨c,c′の座
屈を防止している。

上記の座屈止めｄは大梁鉄骨c,c′の要所要所に多数設
けられており、これら座屈止めｄは、リブ付きコンクリ
ートスラブａのリブｂ下面に張り出しているため見た目
にも見苦しい上、室内の有効利用空間の減少、ダクト等
の経路を迂回させなければならない等の不都合があり、
かつこの座屈止めｄの取り付けはリブ付きコンクリート
スラブａの型枠を除去した後の作業となるため、その分
工期が延長する等の問題があった。

本考案は上記従来のリブ付きコンクリートスラブの大梁
の座屈止めの問題に鑑み、これを改善することを課題と
してなされたものであって、座屈止めがリブ付きコンク
リートスラブのリブ下面から張り出すことによる見苦し
さが除かれると共に、ダクト等を設置する場合の迂回を
なくし、かつ倉庫等の室内の有効利用空間の拡大が果た
されるリブ付きコンクリートスラブの座屈止めコンクリ
ートリブを提供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため本考案は、大梁鉄骨のウェブに
固着した箱金物の上端開口部から挿入した鉄筋の一端
を、箱金物に充填したコンクリート内に定着し、鉄筋の
他端を梁に直角方向に形成した、リブ付きコンクリート
スラブのコンクリートリブと同高のコンクリートリブ内
に定着して構成した、リブ付きコンクリートスラブの大
梁の座屈止めコンクリートリブを特徴としている。

〔作用〕

叙上のごとく構成された座屈止めコンクリートリブは、
リブ付きコンクリートスラブのコンクリートリブの高さ
内に収まり、下面から張り出さないため、見た目の見苦
しさが除かれると共に、室内の有効利用空間の拡大、ダ
クトの経路の単純化等が果たされ、またその施工もスラ
ブコンクリートの打設と同時にできるから、施工の省力
化と共に、工期の短縮、工費の削減を図ることができ
る。

〔実施例〕

以下本考案を図示の実施例に基いて詳細に説明する。

第１図乃至第４図において、１はリブ付きコンクリート
スラブ、２はそのコンクリートリブ、３はコンクリート
リブ２に平行する方向の大梁鉄骨、４はこの大梁鉄骨３
に設ける本考案に係る座屈止めコンクリートリブ、３′
はコンクリートリブ２に直交する方向の大梁鉄骨、４′
はこの大梁鉄骨３′に設ける同座屈止めコンクリートリ
ブであって、コンクリートリブ２に直交する方向の大梁
鉄骨３′に設ける座屈止めコンクリートリブ４′は、大
梁鉄骨３′と直角方向のコンクリートリブ２を利用して
これと一体に形成されている。

上記座屈止めコンクリートリブ4,4′の施工は、まず設
置個所の大梁鉄骨3,3′のウェブ3a,3a′の各側面に、下
端が大梁鉄骨3,3′の下フランジ3b,3b′上面に接し、上
端がコンクリートリブ２の下面に届く長さの断面コ字状
の箱金物５を溶接等で固着しておき、この後リブ付きコ
ンクリートスラブ１の型枠６を組み立てる。ここでコン
クリートリブ２に平行する方向の大梁鉄骨３に設ける座
屈止めコンクリートリブ４には、コンクリートリブ２と
同高で、大梁鉄骨３からこれに平行する隣のコンクリー
トリブ２に至る横断方向の型枠６′を設ける。コンクリ
ートリブ２に直交する方向の大梁鉄骨３′に設ける座屈
止めコンクリートリブ４′では、リブ付きコンクリート
スラブ１の型枠６をそのまま利用できる。

型枠工事が終わったら、型枠６内にリブ付きコンクリー
トスラブ１の鉄筋（図示省略）を配筋すると共に、大梁
鉄筋3,3′の各ウェブ3a,3a′に固着した箱金物５の上端
開口部から鉄筋７の一端を挿入し、コンクリートリブ２
に直交する方向の座屈止めコンクリートリブ４では、鉄
筋の余長部を湾曲させてその型枠６′内に延長し、また
コンクリートリブ２をそのまま利用する座屈止めコンク
リートリブ４′では、余長部を湾曲させてコンクリート
リブ２部の型枠６内に延長する。

この後スラブコンクリート８を打設すれば、コンクリー
トはリブ付きコンクリートスラブ型枠６と共に、箱金物
５内、座屈止めコンクリートリブ４の型枠６′内にも充
填され、コンクリートの硬化後型枠6,6′を除去すれば
リブ付きコンクリートスラブ１と一体に大梁の座屈止め
コンクリートリブ4,4′が同時施工で完成される。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案は、大梁鉄骨のウェブに固着
した箱金物の上端開口部から挿入した鉄筋の一端を、箱
金物に充填したコンクリート内に定着し、鉄筋の他端を
梁に直角方向に形成した、リブ付きコンクリートスラブ
のコンクリートリブと同高のコンクリートリブ内に定着
してリブ付きコンクリートスラブの大梁の座屈止めコン
クリートリブを構成したものであるから、本考案の座屈
止めコンクリートリブは、リブ付きコンクリートスラブ
のコンクリートリブの高さ内に収まり、下面から張り出
さないため、見た目の見苦しさが除かれると共に、室内
の有効利用空間の拡大、ダクトの経路の単純化等が果た
され、またその施工もスラブコンクリートの打設と同時
にできるから、施工の省力化と共に、工期の短縮、工費
の削減を図ることができる、という効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の一実施例を示し、第１図は
本考案に係る大梁の座屈止めコンクリートリブを組込ん
だリブ付きコンクリートスラブの平面図、第２図は第１
図のＡ−Ａ線矢視断面図、第３図は第１図のＢ−Ｂ線矢
視断面図、第４図は箱金物の斜視図、第５図、第６図は
従来のリブ付きコンクリートスラブの大梁の座屈止めの
一例を示す図で、第５図は平面図、第６図は第５図のＣ
−Ｃ線矢視断面図である。 １…リブ付きコンクリートスラブ、２…コンクリートリ
ブ、3,3′…大梁鉄骨、3a…ウェブ、4,4′…大梁の座屈
止めコンクリートリブ、５…箱金物、6,6′…型枠、７
…大梁の座屈止めコンクリートリブの鉄筋、８…スラブ
コンクリート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】大梁鉄骨のウェブに固着した箱金物の上端
   開口部から挿入した鉄筋の一端を、箱金物に充填したコ
   ンクリート内に定着し、鉄筋の他端を梁に直角方向に形
   成した、リブ付きコンクリートスラブのコンクリートリ
   ブと同高のコンクリートリブ内に定着して構成したこと
   を特徴とするリブ付きコンクリートスラブの大梁の座屈
   止めコンクリートリブ。