JPH0751463B2 - 酸化物超電導体の製造方法 - Google Patents

酸化物超電導体の製造方法

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JPH0751463B2
JPH0751463B2 JP2297937A JP29793790A JPH0751463B2 JP H0751463 B2 JPH0751463 B2 JP H0751463B2 JP 2297937 A JP2297937 A JP 2297937A JP 29793790 A JP29793790 A JP 29793790A JP H0751463 B2 JPH0751463 B2 JP H0751463B2
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雅人 村上
央二 小山
浩之 藤本
融 塩原
直己 腰塚
昭二 田中
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International Superconductivity Technology Center
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International Superconductivity Technology Center
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、臨界電流密度の高い酸化物超電導体の製造方
法に関し、特に、超電導相内部に微細なRE2BaCuO5が均
一に分散している酸化物超電導体の製造方法に関するも
のである。
(従来の技術) 臨界温度(Tc)が90Kを越えるYBaCuO系酸化物超電導体
の発見によって液体窒素を冷却剤として使用することが
可能になった。この結果、全世界的に実用化の研究が展
開されてきている。しかし、現在までのところ実用上最
も重要な臨界電流密度(Jc)が低いために液体窒素雰囲
気での実用化には至っていない。
ところが、最近になって溶融状態から超電導相を生成さ
せることによって、1テスラ(T)という高い磁場中に
おいても10000A/cm2を越える臨界電流密度が得られるよ
うになってきており(M.Murakami et al.,Japanese Jou
rnal of Applied Physics,vol.29,1989,p1189)、実用
レベルに近い臨界電流密度が得られるようになってきて
いる。
この方法は、超電導相(YBa2Cu3OがY2BaCuO5(以下21
1相と略す)と液相との包晶反応によって生成すること
に着目し、211相を微細かつ均一に液相中に分散させる
工夫を行うことによって超電導相の成長を促すと共に、
超電導相中にピンニングセンターとなりうる211相を分
散させることにも成功している。211相の均一微細分散
化のためには、211相の生成核となるY2O3相を微細分散
させるため1200℃以上の高温に急速加熱した後、急冷す
る処理を行っている。
しかしながら、上記従来の技術手段では、1200℃以上に
加熱した場合、Y2O3は凝集粗大化する傾向にあり、また
液相よりも重いため沈むので、Y2O3の均一分散化が難し
いという問題があった。また、急冷した材料の形状の制
限から、任意の形状の成形体の製造が困難であった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、前記問題点を解決するためになされたもので
あって、目的とするところは、超電導相の内部に別細な
RE2BaCuO5が均一に分散している酸化物超電導体を製造
する技術を提供することにある。
さらに、本発明は臨界電流密度が高く、かつむらがない
と共に、機械的特性や熱的安定性にすぐれた任意形状の
酸化物超電導体を製造することを目的とする。
(課題を解決するためる手段) 前記目的を達成するために、本発明は、RE-Ba-Cu-O系酸
化物超電導体(REはYを含む希土類元素)を生成するた
めの原材粉あるいは通常の焼結法で作製した材料を、高
温に加熱し、加熱された材料を凝固させるために冷却
し、凝固した材料を粉砕し、REBaCuO系の原材料粉混合
物を1050℃もしくはそれ以上に再加熱したときにRE2O3
あるいはRE2BaCuO5相が液相中に微細かつ均一に分散す
るように前記粉砕材を十分に攪拌混合し、この粉砕材混
合物を所望の形状に成形し、そしてこの成形体に再加熱
処理を施して超電導相を成長させること、を特徴とす
る。
さらに、本発明は、RE-Ba-Cu-O系酸化物超電導体の原料
のみを加熱し、加熱された材料を冷却し凝固し、凝固し
た材料を粉砕してその粉体を混合する段階で銀もしくは
酸化銀を添加し、このようにして銀もしくは酸化銀の微
細分散した前駆体を作製し、この混合物(前駆体)を所
定の形状に成形し、この成形体を再加熱処理して超電導
相を成長させること、を特徴とする。
(作用) 第1図(擬二元系状態図)に示すように、超電導相は21
1相と液相(BaO,あるいはBaCuO2とCuO)の反応によって
生成することが知られている(M.Murakami et al.,Japa
nese Journal of Applied Physics,vol.28,1989,L39
9)。
超電導相を連続的に成長させるためには、211相と液相
が両方供給される必要がある。そこで、211相が微細か
つ均一に液相中に分散していることが必要である。この
均一分散化の一つの方法として、211相の生成の核とな
るRE2O3を液相中に均一に分散させた組織を冷却して固
相に持ち来たらしめ、これを再加熱することによって21
1相を生成させることが考えられる。従来の技術では、
第1図のRE2O3と液相Lの安定領域に急速に加熱した後
急冷凝固することにより、このような組織を得ていた。
しかし、前述したようにY2O3は凝集粗大化しやすく、均
一に分散した組織が得られにくいという問題があり、従
来技術による製品は部分的には均一であるが、全体とし
ては不均一なものであった。
ところが、本発明者の研究により急冷状態で不均一な領
域を含んでいても、急冷したままの状態よりもRE2O3
より均一に分散した状態を得ることが可能であることが
判明した。
すなわち、RE2O3が不均一に分散した急冷凝固体を粉
砕、混合してRE2O3を機械的に均一分散せしめると、こ
の状態で211相が生成する温度領域(1050〜1200℃)に
再加熱することにより、より均一に発達した超電導組織
が得られることがわかった。また、部分的に液相を呈す
る高温領域に加熱された材料の高温組織を急冷してその
まま凝固させることは不必要であることもわかった。す
なわち、たとえば、その固液共存状態の加熱された材料
を坩堝に入れて置いて大気中で放冷されるのであって
も、RE2O3の均一分散を目的とする粉砕と機械的な混合
を凝固後に行うかぎり、急冷凝固の場合と同一の組織が
得られうるのである。
そこで、RE2O3と液相の共存領域すなわち1200℃以上の
領域に加熱した後急冷あるいは放冷したものを、粉砕し
て0.1μ〜50μの粒径とし、RE2O3が微細かつ均一に分散
するまで良く攪拌混合し、任意の形状の成形体を作製し
た後、211相が生成する温度領域すなわち1050〜1200℃
の温度領域に再加熱すると、粉砕しなかった場合に比べ
て、211相が液相中にはるかに均一に分散した組織が得
られる。この状態から超電導相が生成する950〜1000℃
の温度領域まで徐冷すると、超電導相のよく発達した、
かつその内部に微細な211相が均一に分散した酸化物超
電導体を作製することができる。
また、第1図の211相と液相Lの共存領域に加熱後冷却
した場合には、急冷もしくは空冷のままの組織は、RE2O
3相と液相の共存領域から冷却した場合よりは不均一と
なるが、この場合もその後粉砕して機械的に混合するこ
とにより211相が均一に分散した組織が得られる。この
混合粉を再加熱して超電導相を成長させると、超電導相
がよく発達し、かつその内部に微細な211相が均一に分
散した酸化物超電導体を前述の方法と同様に作製するこ
とができる。どちらの場合(RE2O3相利用もしくは211相
利用)でも、30000A/cm2もしくはそれ以上の極めて高い
臨界電流密度(Je)を得ることができる。
このように、本発明によると比較的簡単に211相の均一
に分散した前駆体が得られるうえ、いろいろな成形体を
二相領域法により作製することが可能となる。
次に、本発明に係る製造方法の手順について具体的に説
明する。
〔工程 〕 Y2O3,Ho2O3などのRE2O3の原料粉とBaCO3,CuOなどの原料
粉からなるRE-Ba-Cu-O系超電導材料の原料粉を、1200℃
以上1500℃以下の温度範囲で1〜60分間保持してRE2O3
相と液相(BaO,BaCuO2+CuOなどで構成されている)を
生成せしめるか、または1050〜1200℃の温度範囲で15分
〜60分間保持して211相と液相を生成せしめる。
〔工程 〕 上記の固液共存領域の材料を、空冷、または空冷と等以
上の冷却速度で冷却して凝固させる。
〔工程 〕 こうして得られた凝固材をそれぞれ粉砕して0.1〜50μ
mの粒径とし、再加熱後にRE2O3相または211相と液相の
各成分が均一に分散するように、充分に攪拌混合して微
細混合粉を形成し、かかる粉体を所望の形状に成形す
る。
〔工程 〕 ついで、上記成形体を211相が生成する1050〜1200℃の
温度範囲に加熱し、その温度に15〜60分間保持し、その
温度から1000℃まで、10〜1000℃/hrの冷却速度で冷却
し、さらに950℃まで、0.2〜20℃/hrの冷却速度で徐冷
する。
〔工程 〕 その後、950℃より室温までは任意の冷却条件・方法で
冷却する。必要に応じて、材料への酸素導入付加のため
に材料を、酸素富化雰囲気下において、600〜200℃の温
度範囲で2〜200時間保持するか、もしくは最高600℃、
最低200℃の温度範囲を2〜200時間をかけて実質的に徐
冷して、その後は任意の冷却速度で冷却するという熱処
理をしてもよい。
超電導材料を実際に応用するには、多くの場合、臨界電
流密度だけでなく、機械的特性や安定性などが要求され
る。酸化物超電導体は本質的にはセラミックスと同様に
靭性が低いという特性を有しており、その単結晶などで
もへき開しやすいことが報告されている。液相中におけ
る211相の分散は、このようなクラックの発生を抑える
という効果を有しているが、やはり材料がセラミックス
の一種であるため、前記の効果には限界があり、材料全
体としてのクラック防止効果としては、はなはだ不満足
なものである。
一方、超電導材料ではよく熱的な安定性が問題となる。
すなわち、何らかの原因で超電導体の一部が常電導とな
って熱が発生した時、冷却剤によって速やかに熱が除去
さされないと、常電導部が超電導体全体に拡大し、超電
導状態が破れてしまうのである。
従来の超電導線(金属系超電導体)では、熱伝導性に優
れた銅との複合体を作り込むことでこの問題を解決して
いる。
セラミックスだけではやはり熱的安定性の問題があるの
で、酸化物超電導体においては、機械的特性および熱的
安定性の向上を行なうために、金属との複合体を作るこ
とが考えられている。例えば、銀シースの中に超電導粉
を詰めて線引き加工する方法が用いられているが、線径
が充分細ければ銀の強度で線としての形状を保つことが
できる。また、銀は熱電導性に優れたいるため熱的な安
定性を向上させる効果をも有している。
これに対して酸化物超電導体内に、直接銀を添加するこ
とが、例えば溶解法による添加として、METALLURGICAL
TRANSACTION A(vol.21A,Jan.1990.257〜260頁)に開示
されており、また、焼結法においても試みられたことの
報告があるが、これらの方法では、マトリックスに銀が
粗大に偏析しており(前記文献に示されたFig.5のミク
ロ写真では、ほぼ50〜100μmの銀が偏析している。)
十分な超電導特性が得られない。
本発明者らは、銀がマトリックスの超電導特性を劣化さ
せないという利点を有し、熱電導性にも優れていること
に着眼し、銀をうまく超電導体内に分散できれば熱的安
定性の向上を図ることが可能になること、さらに、マト
リックス内へ微細分散すれば、分散した銀の変形によっ
て歪を緩和することができるため機械的特性をも向上さ
せることが可能となることを見出した。すなわち、本発
明者らは、前述の固相液相共存領域への加熱→冷却・凝
固→粉砕・混合→再加熱という工程の中で、液相中に21
1相の分散を維持したまま、銀をマトリックス中に微細
分散させることにより、酸化物超電導体の機械的特性お
よび熱的安定性を向上せしめることに成功したのであ
る。
次に、その工程を具体的に説明する。
REBaCuOの原料粉を適当な比で調製したのち、1200℃以
上に加熱し、冷却・凝固せしめ、その凝固した材料を粉
砕し、その粉体にAg2OまたはAgを添加して混合する。そ
して、この混合物を成形し、1050〜1200℃に再加熱し、
その温度から1000℃まで冷却し、さらに、1000℃から95
0℃まで徐冷するものである。
上記の方法によれば、第2図に示すように銀が超電導マ
トリックスの中に微細に分散したRE-Ba-Cu-O系酸化物超
電導体を作製することが可能となり、しかも所望の形状
の成形体を作製することができる。
第2図(a)は光学顕微鏡組織であり、超電導相内に21
1相が微細に分散していることがわかる。図(b)も同
様な顕微鏡組織であるが超電導相内に銀が微細(平均粒
径はほぼ5μm)に分散していることを示している。本
発明の銀の分散は、従来の組織におけるそれが50〜100
μmである(従ってクラックの発生を有効に阻止できな
い)のに比し、はるかに微細であることがわかる。この
ような銀の微細分散化によりクラックの生成が抑えられ
るうえ、超電導体の熱伝導導性が向上するため、熱的安
定性の向上が得られる。また、微細分散した銀が新たな
ピン止め点として働くという効果をも付与することがで
きる。
本発明者らはまた、RE2O3あるいは211相を、溶融状態で
ある液相(第1図)に後から添加することによって、超
電導相を形成することが可能であるという知見を得た。
第3図よりBaCuO2とCuOの共晶を利用すれば約900℃で
液相が得られることがわかる。この状態から超電導相が
生成する温度領域(1000〜950℃)を徐冷すると超電導
相がよく発達し、かつその内部に211相が分散した酸化
物超電導体を作製することができる。
すなわち、BaCO3,CuO等の原材料粉を混合した後、900℃
前後で仮焼し、次いで950〜1200℃の温度範囲に加熱し
て溶融せしめ、その溶融物にRE2O3の粉体を添加して所
定時間保持したのち冷却するもので、線材などの連続的
長尺物を低温域で形成するのに適している。この場合で
も20000A/cm2という高い臨界電流密度(Jc)を得ること
ができる(実施例5,6参照)。
あるいは、あらかじめREBaCuO系の原材料粉を混合し、
その混合体を予備焼結し、この焼結体を1050〜1200℃の
温度範囲に再加熱して211相を形成しておき、微途、BaC
O3,CuOの原材料粉を混合し仮焼し、1100℃前後の温度に
加熱してこの混合物を溶融し、得られた溶融体へ前記21
1相を添加し、所定時間保持後に冷却するという手順も
採用可能である(実施例7参照)。
(実施例1) 本実施例1の酸化物超電導体は、第4図(プロセスの模
式図)に示す方法により作製された。すなわち、Y2O3,B
aCO3,CuOを原材料粉として陽イオンの比がほぼ1:2:3と
なるように混合し、900℃で24時間仮焼したのち、1400
℃に10分間加熱し、銅製のハンマーを用いて急冷した。
急冷した材料を粉砕して0.1μ〜50μの粒径とし、RE2O3
が微細かつ均一に分散するまで良く攪拌混合し、その後
直径30mm、高さ30mmのペレットに成形し、再び1100℃に
30分間再加熱したのち、1000℃まで100℃/時(hr)で
冷却してから5℃/hrで950℃まで徐冷したのち炉冷し
た。さらに酸素を充分富化させるため、一気圧の酸素中
で600℃で1時間保持した。
この試料は、ゼロ抵抗温度が93kであり、磁化測定によ
ると、77K,1テスラ(T)で30000A/cm2の高い臨界電流
密度を示した。これは、粉砕混合せずに作製した場合の
10000A/cm2よりもはるかに高い臨界電流密度である。
(実施例2) 本実施例2の試料は、実施例1と同様に予備調製(原材
料粉を混合して仮焼)し、白金坩堝に入れ1300℃に20分
加熱し、炉から取り出してそのまま空気中で放冷し、こ
の冷却した塊を粉砕し、この粉体を充分に混合したのち
直径10mmのペレットに成形し、このペレットを1150℃に
再加熱し、1000℃まで50℃/hrで冷却してから2℃/hrで
950℃まで徐冷したのち炉冷して作製した。この試料は
ゼロ抵抗温度が93Kであり、磁化測定によると77K,1Tで2
5000A/cm2の高い臨界電流密度を示した。
(実施例3) 本実施例3の酸化物超電導体は、第5図(プロセスの模
式図)に示す方法により作製された。すなわち、Ho2O3,
BaCO3,CuOの粉体をHo:Ba:Cuの比が1:2:3となるように混
合し、この混合体を1150℃で1時間保持した後に空冷
し、その後、冷却された材料をジェットミルにより粉砕
し、混合したのち等方圧力(CIP)装置により直径10mm
長さ50mmの棒状の試料に成形し、1100℃に30分間再加熱
してから、1000℃まで50℃/hrで冷却した後、20℃/cmの
温度勾配のなかで1000℃から950℃まで棒を移動させな
がら徐冷した。これにより超電導相は一方向に成長し
た。この材料の臨界電流密度(Jc)をパルス電流電源を
もちいて四端子法により測定したところ77K,1Tで33000A
/cm2の値が得られた。
また、前記ジェットミルによる粉砕で得られた粉体を充
分に混合したのち、例えばゴム、銅、銀等の可撓管に充
填し、その可撓管を棒状、コイル状等の所定の形状に形
成して、それを等方圧力(CIP)装置により棒状、コイ
ル状等の所定の形状の試料に成形することができた。
なお、Hoサイトを他のランタナイド元素で置換しても、
従来の超電導体より高いJcの値が得られた。それらの結
果を第1表に示す。
以上の説明からわかるように、前記実施例1〜3によれ
ば、RE-Ba-Cu-O系酸化物超電導体(REはYを含む希類元
素)において、超電導相内部に微細なRE2BaCuO5が均一
に分散していることから臨界電流密度が高い酸化物超電
導体を得ることができる。
(実施例4) RE2O3,BaCO3,CuOの各粉体をRE:Ba:Cuの比が1.4:2:3とな
るように混合し、950℃で24hr空気中で予備焼結を行な
った。なお、REとしては第2表に示すようなY,Ho,Sm,E
r,Eu,Gd,Dy,Nd,Tm,Ybの適当な混合比を選んだ。予備焼
結体はアルミナるつぼで1300℃で、20min加熱後銅製の
板で挟んで急冷した。次に、冷却された材料を粉砕し、
重量比で0.1だけAgを添加し、よく混合した。その後こ
の混合体を1080℃で30min加熱後1000℃まで80℃/hrの速
で冷却したのち、950℃までは2℃/hrの速度で冷却して
空中に取り出し放冷した。冷却された材料は、550℃で1
hr酸素気流中で加熱し、その後は炉冷した。
磁化測定によるといずれの試料も77K,1Tで2700A/cm2
上の臨界電流密度Jcを示した。地上1mからの煉瓦上への
落下試験をしたところ、いずれの試料にも破損が認めら
れなかった。また、 液体窒素浸漬による熱伝導を測定した。
液体窒素に浸すとバブリングが起きるが、浸漬からバブ
リングが停止する(バブリングは超電導体が液体窒素温
度に達すると停止する)までの時間を測定することによ
って、熱伝導の相対比較が可能となる。銀添加した試料
では、銀無添加の試料に比してこの時間3/4であり、ま
た、液体窒素温度から取り出して、磁石の上での浮上時
間を測定すると浸漬実験と同様に、銀添加した試料の方
が保持時間が3/4であって、いずれも熱伝導度が向上し
たことを示している。
(実施例5) BaCO3とCuOを原材料粉として陽イオンの比がほぼ2:3と
なるように準備し、BaCO3とCuOを混合し、900℃で12時
間予備焼結した後、1100℃に再加熱したところに、原材
料としてのY2O3の粉体を添加し、その混合物をその温度
に20分保った後、1000℃まで100℃/hrで冷却してから5
℃/hrで950℃まで徐冷したのち炉冷した。さらに、材料
に酸素を十分富化させるため、1気圧の酸素中で600℃
で1時間加熱後炉冷した。この試料はゼロ抵抗温度が93
Kであり、磁化測定によると77K,1Tで22000A/cm2の臨界
電流密度を示した。
(実施例6) BaCO3とCuOとを作成し、これらを原材料粉として両者の
質量比がほぼ3:8となるように混合し、銀(Ag)テープ
の上にこの混合粉を載置し、950℃で1時間加熱して該
混合粉を溶融状態とし、その後950℃に保持しつつY2O3
粉を前記溶融状態物中に添加し、ついで5℃/hrで300℃
まで徐冷し、300℃からは放冷して、超電導相(YBa2Cu3
O)を生成せしめた。この銀テープの超電導体試料
は、4端子法による測定において、77K,ゼロ磁場の臨界
電流密度は21000A/cm2を示した。
(実施例7) Y2O3,BaCO3とCuOを原材料粉として陽イオンの比がほぼ
1:2:3となるように混合し、900℃で24時間予備焼結した
後、1050℃に急冷加熱してから急冷して211相を準備
し、次に、BaCO3とCuOを原材料粉として比がほぼ3:5と
なるように混合し900℃で12時間予備焼結した後、1100
℃に再加熱したところに準備された211相添加し、20分
保った後、1000℃まで100℃/hrで冷却してから5℃/hr
で950℃まで冷却したのち炉冷した。さらに酸素を十分
富化させるため、1気圧の酸素中で600℃で1時間加熱
後炉冷した。
この試料は、ゼロ抵抗温度が93Kであり、磁化測定によ
ると、77K,1Tで23000A/cm2の臨界電流密度を示した。
(効果) 以上のように、本発明によれば、臨界電流密度の高い酸
化物超電導体、また、これに加えて機械的特性や熱的安
定性にも優れた酸化物超電導体を製造することが可能で
あり、産業の発達に多大の寄与をなすことが期待され
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、RE-Ba-Cu-O系酸化物超電導体(REはYを含む
希土類元素)における擬二元系状態図、 第2図(a),(b)は、この発明の方法により作製し
たREBaCuO系酸化物超電導体の金属組織を示す顕微鏡写
真、 第3図はBaO,CuO系の状態図、 第4図は、実施例1のY-Ba-Cu-O系酸化物超電導体の製
造プロセスを示す模式図、 第5図は、実施例3のRE-Ba-Cu-O系酸化物超電導体の製
造プロセスを示す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 35/00 ZAA (72)発明者 村上 雅人 東京都江東区東雲1―14―3 財団法人国 際超電導産業技術研究センター超電導工学 研究所内 (72)発明者 小山 央二 東京都江東区東雲1―14―3 財団法人国 際超電導産業技術研究センター超電導工学 研究所内 (72)発明者 藤本 浩之 東京都江東区東雲1―14―3 財団法人国 際超電導産業技術研究センター超電導工学 研究所内 (72)発明者 塩原 融 東京都江東区東雲1―14―3 財団法人国 際超電導産業技術研究センター超電導工学 研究所内 (72)発明者 腰塚 直己 東京都江東区東雲1―14―3 財団法人国 際超電導産業技術研究センター超電導工学 研究所内 (72)発明者 田中 昭二 東京都江東区東雲1―14―3 財団法人国 際超電導産業技術研究センター超電導工学 研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】RE-Ba-Cu-O系酸化物超電導体(REはYを含
    む希土類元素)を形成するための原材料粉混合体を部分
    的に液相を呈する高温領域に加熱し、この加熱された材
    料を冷却して凝固状態の材料を形成し、この凝固した材
    料を粉砕し混合して組織を均一に分散し、この混合粉を
    所定の形状に成形し、その成形体を部分的に液相を呈す
    る高温領域に再加熱して超電導相を成長させることを特
    徴とする酸化物超電導体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記の原材料粉混合体を1200℃以上に加熱
    してRE2O3相と液相とを形成し、しかる後に冷却するこ
    とを特徴とする請求項1の酸化物超電導体の製造方法。
  3. 【請求項3】前記の原材料粉混合体を1050℃から1200℃
    の温度領域に加熱してRE2BaCuO5相と液相とを形成し、
    しかる後に冷却することを特徴とする請求項1記載の酸
    化物超電導体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記のRE2O3相と液相とからなる加熱され
    た材料を冷却して凝固した後、この凝固した材料を粉砕
    して混合し、この混合粉を所定の形状に成形し、この成
    形体を1050℃から1200℃の温度領域に再加熱してRE2BaC
    uO5相と液相とを形成し、この再加熱した材料を10〜100
    0℃/hrの冷却速度で1000℃まで冷却し、0.2〜20℃/hrの
    冷却速度で950℃まで冷却してしかる後に任意の冷却速
    度で室温まで冷却することを特徴とする請求項2記載の
    酸化物超電導体の製造方法。
  5. 【請求項5】前記のRE2BaCuO5相と液相とからなる加熱
    された材料を冷却して凝固した後、この凝固した材料を
    粉砕して混合し、この混合粉を所定の形状に成形し、こ
    の成形体を1050℃から1200℃の温度領域に再加熱してRE
    2BaCuO5相と液相とを再び形成し、この再加熱した材料
    を10〜1000℃/hrの冷却速度で1000℃まで冷却し、0.2〜
    20℃/hrの冷却速度で950℃まで冷却してしかる後に任意
    の冷却速度で室温まで冷却することを特徴とする請求項
    3記載の酸化物超電導体の製造方法。
  6. 【請求項6】前記のRE-Ba-Cu-O系の原材料粉混合体を予
    備仮焼の後に高温領域に加熱することを特徴とする請求
    項1記載の酸化物超電導体の製造方法。
  7. 【請求項7】室温まで冷却した後に、その製造物を酸素
    富化雰囲気下で600℃から200℃の温度領域で2時間から
    200時間保持することを特徴とする請求項4記載の酸化
    物超電導体の製造方法。
  8. 【請求項8】室温まで冷却した後に、その製造物を酸素
    富化雰囲気下で600℃から200℃の温度領域で2時間から
    200時間保持することを特徴とする請求項5記載の酸化
    物超電導体の製造方法。
  9. 【請求項9】前記のRE-Ba-Cu-O系の原材料粉はRE2O3,Ba
    CO3,CuOの粉体からなることを特徴とする請求項1記載
    の酸化物超電導体の製造方法。
  10. 【請求項10】前記のRE-Ba-Cu-O系の原材料粉混合体は
    1050℃以上に加熱され、冷却・凝固され、粉砕され、酸
    化銀もしくは銀と混合され、成形され、しかる後に再加
    熱されることを特徴とする請求項記載1の酸化物超電導
    体の製造方法。
  11. 【請求項11】RE-Ba-Cu-O系の原材料粉のうちのBaCO3
    とCuOの粉体を混合し、この混合物を約900℃で仮焼し、
    この混合体を1000℃から1200℃の温度範囲に加熱して溶
    融し、この溶融物にRE2O3もしくはRE2BaCuO5の粉体を添
    加し、この混合体を前記の温度で所定時間保持し、この
    材料を10〜1000℃/hrの冷却速度で1000℃まで冷却し、
    0.2〜20℃/hrの冷却速度で950℃まで冷却してしかる後
    に任意の冷却速度で室温まで冷却することを特徴とする
    酸化物超電導体の製造方法。
  12. 【請求項12】前記のRE2BaCuO5の粉体は、RE-Ba-Cu-O
    系の原材料粉を混合し、この混合体を予備焼結し、この
    焼結体を1050℃から1200℃の温度領域に再加熱して、21
    1相を形成し、この材料を冷却して凝固し、この凝固し
    た材料を粉砕する方法によって作製することを特徴とす
    る請求項11記載の酸化物超電導体の製造方法。
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