JP3115695B2 - 磁気浮上力の大きい酸化物超電導体の製造方法 - Google Patents

磁気浮上力の大きい酸化物超電導体の製造方法

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JP3115695B2 JP04101952A JP10195292A JP3115695B2 JP 3115695 B2 JP3115695 B2 JP 3115695B2 JP 04101952 A JP04101952 A JP 04101952A JP 10195292 A JP10195292 A JP 10195292A JP 3115695 B2 JP3115695 B2 JP 3115695B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なREBaCuO系
酸化物超電導体の製造方法、特に磁気浮上によるフライ
ホイール、磁気軸受、搬送装置等への利用を目的とし
た、磁気浮上力の大きい酸化物超電導体の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近年、磁
気浮上によるフライホイール等への利用を目的とし、R
EBaCuO系酸化物超電導体が用いられ始めている。
この超電導体は例えばMPMG(MeltPowder Melt Grow
th)法(H.Fujimotoら Proc. of ISS '89 Springer-Ve
rlag1990 P285 )で製造されている。
【0003】この方法で製造する一例を以下に示す。ま
ず原料粉、例えばY、BaCO、CuOを所定
の割合に混合する。これを仮焼・粉砕してもよい。さら
にこの粉体をRE相と液相が共存する温度、例え
ば1400℃に加熱し、部分溶融(M)させる。さら
に、冷却することにより凝固させる。その後粉砕(P)
・混合し成型する。成型体をREBaCuO相(以
下単に211相と称す)と液相が共存する温度、例えば
1100℃まで加熱し、部分溶融(M)させる。その
後、超電導相であるREBaCu相(以下単に
123相と称す)が生成する温度まで冷却し、その温度
より例えば1℃/hで徐冷することにより123相を生
成・成長(G)させることにより超電導体を製造する。
この方法を用いて製造された超電導体は基本的には高い
電流密度を示す。
【0004】最近、この方法に対して白金添加MPMG
法(特願平3−68627)が開発された。この方法
は、基本的に混合された原料粉を部分溶融・凝固させ、
さらに粉砕した粉体に白金粉を添加し、充分に混合させ
た後、成型し、MPMG法のMG部と同様な熱処理を行
うことにより超電導体を製造する。この方法で製造され
た超電導体はMPMG法で製造されたそれよりも臨界電
流密度が向上した。
【0005】一方、REBaCuO系酸化物超電導体の
磁気浮上力を向上させるには、臨界電流密度を向上させ
るのみならず、超電導結晶をも大きくする必要がある
(M.MurakamiらJapanese Journal of Applied Physics
Vol. 29 No.11 1990 L1991) 。超電導結晶を大きくする
ためには結晶生成・成長に対する制御を行う必要がある
が、従来はその制御ができなかったので、超電導結晶が
大きく、磁気浮上力の大きい超電導体を製造するのに難
点があった。
【0006】前記超電導体の他の製造方法として、QM
G(Quench and Melt Growth)法(M.MurakamiらJapane
se Journal of Applied Physics Vol.28 No.7 1989 P11
89)がある。この方法で製造する一例を以下にしめす。
まず原料粉、例えばY、BaCO、CuOを所
定の割合に混合しRE相と液相が共存する温度、
例えば1400℃に加熱し混合粉を部分溶融させ、クエ
ンチ(Q)すなわち急冷することにより凝固させる。急
冷凝固体の組織は、凝固した液相中にRE相が分
散している。この急冷凝固体を211相と液相が共存す
る温度、例えば1100℃まで加熱し、部分溶融(M)
させる。その後、123相が生成する温度まで冷却し、
その温度より例えば1℃/hで徐冷することにより12
3相を生成・成長(G)させることにより超電導体を製
造する。この方法はいわば前記MPMG法において、凝
固体の粉砕・混合および成型工程がない方法といえる。
この方法を用いて製造された超電導体も局所的には高い
臨界電流密度を示す。
【0007】しかし、前記急冷凝固体の厚さは一回の単
純なクエンチでは高々5mm程度であり、QMG法で製造
した超電導体は厚いものができなかった。その欠点を解
消するために重ねクエンチ法が開発された(M.Moritaら
Proc. of ISS '90 Springer-Verlag 1991 P733)。この
方法では一応厚い超電導体を製造することが可能である
が以下に示す問題点が残されている。
【0008】 急冷凝固体を任意の形状に成型するに
は、機械加工が必要である。しかし、急冷凝固体は非常
に脆く機械加工が困難であることより、任意の形状に成
型するのが困難となる。
【0009】 重ねクエンチ法では、既にクエンチさ
れた凝固体は後にクエンチされる部分溶融体より熱履歴
を受けることが避けられない。
【0010】 重ねクエンチで厚い凝固体を作製する
には、何回もクエンチする必要があり、労力がかかる。
【0011】 クエンチした凝固体中に分散している
RE相のサイズは比較的大きく、このままでは望
ましい超電導組織を得にくい(藤本ら 低温工学 Vo.2
5No.2 1990 P77 )。
【0012】また、MPMG法では凝固体を粉砕・混合
後に成型するので、以下に示すメリットがあり、MPM
G法は非常に優れた方法であると考えられる。
【0013】 任意の形状に成型できる。
【0014】 凝固粉砕粉の混合工程で有用な添加
物、例えば白金を添加することが可能である。
【0015】 凝固体を粉砕・混合することにより凝
固体に分散しているRE相も粉砕・混合され、微
細・均一なRE相が得られる(藤本ら 低温工学
Vol.25 No.2 1990 P77)。
【0016】最近、超電導結晶を大きくする一手法とし
て、QMG法において、種としての、QMG法で製造
し、へき開したSmBaCuの単結晶体をYb
1-x BaCuの組成でYb−Yの組成勾配
をつけた成型体に1030℃前後(QMG法のMG部に
おいて、部分溶融した後、超電導相を生成・成長させる
ための徐冷を開始するまでの冷却中)で、置くことによ
り結晶の大型化に成功した例(M.MoritaらProc. of ISS
'90 Springer-Verlag 1991 P733)がある。またこの方
法に関する特許も公開されている(国際公開番号 WO
91/19029)。しかしこれらの手法を用いると
組成勾配のついた前記成型体の製造およびに前記種の製
造や置く作業に労力がかかり、大量生産には向かない。
【0017】本発明はこのような難点を解決するため、
MPMG法をさらに改良し、臨界電流密度を向上させた
超電導体を製造可能な、白金添加MPMG法において、
簡単な手法で超電導結晶を大型化し、その磁気浮上力を
向上させ得る、磁気浮上力の大きい超電導体の製造方法
を提供することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】かくして本発明はREB
aCuO系酸化物超電導体(REはY、Eu、Gd、D
y、Ho、Er、Ybのグループから選ばれる希土類元
素)の製造方法において、出発物質として原料混合物を
用い、これを加熱して部分溶融した後、冷却することに
より凝固させ、これを粉砕し、得られた粉砕粉に白金又
は白金化合物の粉末を添加し、充分に混合した後、さら
に成型し、得られた成型体に造核粒子を置くかまたは埋
め込み、これを加熱して部分溶融し、ついでほぼ超電導
相が生成しはじめる温度まで冷却した後徐冷して、そこ
から超電導相を生成、成長させることを特徴とする磁気
浮上力の大きい酸化物超電導体の製造方法を提供するも
のである。
【0019】本発明は基本的には、出発物質として原料
混合粉あるいは原料仮焼粉砕粉を用い、これを部分溶融
した後、冷却することにより凝固させ、それを粉砕した
後、白金粉あるいは白金化合物粉を所定量添加し、充分
に混合し、さらに成型する。この成型体を部分溶融さ
せ、超電導相である123相が生成する温度まで冷却
し、その温度より徐冷することにより123相を生成・
成長させる製造方法、すなわち前記白金添加MPMG法
において、成型体に成型後より123相結晶成長のため
の徐冷開始直前までに造核粒子を置くかまたは埋め込
み、そこから超電導相を優先的に生成・成長させること
を特徴とするREBaCuO系超電導体の製造方法であ
る。
【0020】本発明により、簡単な手法により超電導相
である123相の結晶を大きくすることが可能となり、
磁気浮上力を向上させることができた。
【0021】以下、本発明について詳しく説明する。
【0022】本発明に係る超電導体の製造方法の手順の
一例について以下に示す。これに、沿って本発明を詳し
く説明する。
【0023】(工程 )まずREBaCuO系超電導
体の部分溶融前の出発物質を製造する。REとしては
Y、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Ybから少なくと
も1種類が選択される。原料粉として、例えばY
、BaCO、CuOを所定の割合に混合し、R
EBaCuOからなる混合粉を作製する。ただし、Ba
COはこの後部分溶融させるときに、炭酸化物を酸化
物に分解させることが可能なので、使用可能である。
【0024】また、この混合粉を仮焼し、粉砕したもの
を前記出発物質とすることも可能である。
【0025】(工程 )前記出発物質を950〜15
00℃の温度範囲で1〜60分間保持してRE
と液相(Ba、Cuの酸化物で構成されている)あるい
は211相と前記液晶相を生成させる、すなわち部分溶
融させる。
【0026】(工程 )前記部分溶融体を空冷、ある
いは空冷と同等以上の冷却速度で冷却し、凝固させる。
【0027】(工程 )こうして得られた凝固体を粉
砕することにより粒径が0.1〜50μmの範囲の粉に
する。さらに、この粉砕粉に白金粉あるいは白金化合物
粉を白金として0.1〜2重量%添加する。さらに、添
加粉砕粉を工程での部分溶融時に、211相と前記液
相および白金(化合物)の各成分が均一に分散するよう
に充分に混合し、均一な混合粉を作製する。白金化合物
としては例えばPtBaCuOが用いられる。
【0028】さらに、この粉体を所望の形状に成型し、
成型体を作製する。この場合に、成型体の形状によって
は等方加圧成型を行った方が好ましいことがある。例え
ば、成型体が円盤状の場合は厚さ15mm以上直径60mm
以上、角柱状のものは、直径20mm以上、厚さ10mm以
上のもの等は、等方加圧成型を行うと、成型体の形状に
よっては、成型体に割れが生じる割合が低くなる。
【0029】(工程 )ここで、造核粒子として粉体
あるいは単結晶体を前記成型体の所望の場所に置くかま
たは埋め込む。埋め込む場合には、成型体の任意の場所
に埋め込むことが可能である。この操作は、工程の徐
冷開始直前までに行えば良いが、この操作をここで行え
ば、作業が簡単であり、労力もかからない。
【0030】一方、前記造核粒子の量は高々10mg程度
で十分な効果を示す。造核粒子は、希土類元素を含む酸
化物の一部すなわちY、Nd、Sm
、Eu、La、Gd、Dy
、Ho、Er、YBaCuO、S
BaCuO、EuBaCuO、GdBaC
uO、DyBaCuO、HoBaCuO、E
BaCuO、YBaCu、SmBa
、NdBaCu、EuBaCu
、LaBaCu、GdBaCu、D
yBaCu、HoBaCu、ErBa
Cuからなる群から少なくとも1種類が選ばれ
る。造核粒子として粉体の代わりに単結晶体を用いて
も、同様な効果が得られる。
【0031】(工程 )この成型体を前記211相が
生成する950〜1250℃の範囲に加熱し部分溶融さ
せ、その温度に15〜90分間保持し、その温度から前
記211相と前記液相から前記123相が生成し始める
温度より若干高い温度、例えばREがYで空気中の場合
1000℃より若干高い温度まで10〜1000℃/h
の冷却速度で冷却する。さらに、この温度から850〜
950℃まで0.2〜20℃/hの冷却速度まで徐冷す
る。前記温度より徐冷する理由は、この温度が低いと、
123相の発生が任意の場所でおこる可能性が高くなる
からである。前記徐冷時に温度勾配下で徐冷することが
好ましい。その際、造核粒子を埋めた面が最も温度が低
くなるように、その周囲に1℃/cm以上の温度勾配を設
けるとよい。
【0032】この工程において、従来は成型体を支持す
る基台からの超電導体への汚染を最小限にするために高
価な白金製の基台を用いていたが、前記基台は前記液相
との濡れ性が高く、液相が流出する量が多かった。液相
が流出すると組成ズレが生じ、超電導相が最後まで成長
することができなくなり、結局超電導結晶が小さくな
る。従って、超電導結晶を大きくするためには、液相の
流出を最小限にする必要がある。本発明者等はアルミナ
製、ムライト製、マグネシア製あるいは部分安定化ジル
コニア製の基台を使用すれば、白金製の基台よりも液相
との濡れ性が低く、液相流出が少ないことを見いだし
た。
【0033】さらに、前記基台からの汚染防止と、成型
部分溶融体と前記基台との接触面より超電導相が優先的
に生成しないように、基台と成型体との間にバッファを
配置することも可能である。バッファの材質としては基
本的には成型体の123相のREよりも211相と液相
から123相を生成する温度が高いRE組成を有する1
23相で前記目的を達成し得る。
【0034】しかし、123相のみでは、前記部分溶融
温度では柔らかく、容易に変形するため、あまり実用的
ではない。その粘性を向上させたバッファとして211
相を123相に微細に分散させたもの、あるいはその前
駆体が適していることを見いだした。その例として、M
PMG法で製造する211相を123相に微細に分散さ
せた超電導体、あるいはその前駆体となる、前記凝固体
等があげられる。
【0035】(工程 )その後、850〜950℃か
ら室温までは任意の冷却速度で冷却することが可能であ
る。
【0036】必要に応じて、製造した超電導体への酸素
を十分に付加させるために酸素富化雰囲気において65
0〜300℃の温度範囲で2〜500時間保持するか、
もしくは最高650℃、最低300℃の温度範囲を2〜
500時間かけて冷却する。その後は任意の冷却速度で
冷却することが可能である。
【0037】このように本発明によれば造核粒子を用い
て、磁気浮上力の大きいREBaCuO系酸化物超電導
体を製造することができる。
【0038】以下に実施例をあげる。
【0039】
【実施例】
実施例1 Y、BaCO、CuO粉をY:Ba:Cuの比
が1.8:2.4:3.4になるようにそれぞれ混合す
る。その後1400℃で20分加熱し、冷却する。それ
を粉砕した後白金粉を粉砕粉に対し0.5重量%添加
し、さらに十分に混合する。その後、円盤状に成型す
る。成型体の上面中央部に造核粒子としてNd
Sm、La、Eu、SmBaCu
、EuBaCuO、SmBaCu、N
dBaCu、EuBaCuの粉をそれ
ぞれ約10mg埋め込む。さらに、1100℃で30分間
加熱し、前記211相と前記液相にした後、1010℃
まで10分で冷却する(123相の生成温度は大気中で
約1000℃である)。その後、900℃まで1℃/h
の割合で徐冷し、その後炉冷する。さらに、1気圧の酸
素気流中で600℃で1h加熱後炉冷することにより超
電導体ペレットを製造した。このペレットサイズは直径
約26mm、高さ約6mmである。比較材として粉を置かな
い超電導体ペレットも製造した。
【0040】表1に示すように、粉を埋め込まなかった
超電導体ペレットの上面からみた結晶サイズは0.3cm
2 であるのに対し、粉を埋め込んだペレットのそれはす
べて1.0cm2 以上に大きくなった。
【0041】図1はこの実施例のようにしてSm
を埋め込んだときの超電導相の顕微鏡写真、図2は埋め
こまなかったときの超電導相の顕微鏡写真である。両者
を比較すれば本発明によりサイズの大きい超電導結晶が
得られたことが明らかであろう。
【0042】実施例2 実施例1で用いた粉を埋め込んだ場合と埋め込まない場
合それぞれについて、超電導体ペレットを実施例1と同
様な方法で製造した。ペレットサイズは実施例1と同様
である。これらのペレットを、直径32mm、表面磁束密
度0.4T(テスラ)の永久磁石を用いて測定した。そ
の結果、表1に示すように、粉を埋め込まなかったペレ
ットの磁気浮上力は1.1kgf しかなかったが、粉を埋
め込んだペレットのそれはすべて1.6kgf 以上に向上
した。
【0043】実施例3 超電導体製造のための出発原料をYの代わりにR
を用いて、実施例1と同様な方法で超電導体ペ
レットを製造した。ただし、成型体の上面中央には造核
粒子としてSm粉を約10mg置いて製造した。表
2にこれらのペレットそれぞれについて、実施例2と同
様な方法で測定した磁気浮上力を示すように、すべての
RE系でSm粉を置いた効果が認められた。
【0044】実施例4 Yb、BaO、CuO粉をYb:Ba:Cuの
比が1.8:2.4:3.4になるようにそれぞれ混合
する。その後1400℃で20分加熱し、冷却する。そ
れを粉砕した後、白金粉を粉砕粉に対し1重量%添加し
十分に混合する。次に、円盤状に成型する。成型体の上
面中央部にHo、Er、HoBaCuO
、ErBaCuO、HoBaCuOx、Er
BaCuの粉をそれぞれ約10mg埋め込む。さ
らに、1060℃で30分間加熱し、211相と液相に
した後、960℃まで10分で冷却する。その後、85
0℃まで1℃/hの割合で徐冷し、その後炉冷する。さ
らに、1気圧の酸素気流中で600℃で1h加熱炉冷す
れことにより超電導体ペレットを製造した。このペレッ
トサイズは直径約26mm、高さ6mmである。比較材とし
て粉を置かない超電導体ペレットも製造した。これらの
ペレットについて実施例2と同様な方法で磁気浮上力を
測定した。
【0045】その結果、表3に示すように、粉を埋め込
まなかったペレットの磁気浮上力は、約0.9kgf しか
なかったが、粉を埋め込んだペレットのそれはすべて
1.3kgf 以上に向上した。
【0046】実施例5 Y、BaCuO、CuO粉をY:Ba:Cuの
比が1.8:2.4:3.4になるようにそれぞれ混合
する。その後920℃で12h仮焼し、粉砕する。さら
に、その粉を1400℃で20分加熱し、冷却する。そ
れを粉砕した後、白金粉を粉砕粉に対し0.5重量%添
加し十分に混合する。その後円盤状に成型する。成型体
の下面中央に造核粒子としてSmおよびNd
粉をそれぞれ約10mg置く。さらに、1100℃で3
0分加熱し、211相と液相にした後、1010℃まで
10分で冷却する。その後、下面が最も低くなるように
1℃/cmの温度勾配下で890℃まで1℃/hの割合で
徐冷し、その後炉冷する。この時に基台の材質としてア
ルミナを用いた。さらに、1気圧の酸素気流中で600
℃で1h加熱後炉冷することにより超電導体ペレットを
製造した。このペレットサイズは直径約26mm、高さ約
6mmである。比較材として粉を置かない超電導体ペレッ
トも製造した。
【0047】これらのペレットについて実施例2と同様
な方法で磁気浮上力を測定した。
【0048】その結果、表4に示すように、粉を埋め込
まなかったペレットの磁気浮上力は、約1.1kgf しか
なかっが、粉を埋め込んだペレットのそれはすべて2.
0kgf 以上に向上した。
【0049】実施例6 YBaCu、YCuBaO粉をY:Ba:
Cuの比が1.8:2.4:3.4になるように混合す
る。その後1400℃で20分加熱し、冷却する。それ
を粉砕した後、白金粉を粉砕粉に対し1重量%添加し充
分に混合する。その後円盤状に成型する。次に、成型体
の1側面中央にNd粉を約10mg埋め込む。さら
に、1100℃で30分加熱し、211相と液相にした
後、1050℃まで10分で冷却する。その後、粉を埋
めた面が最も温度が低くなるように2℃/cm、6℃/cm
および10℃/cmの温度勾配下で850℃まで1℃/h
の割合で徐冷し、その後炉冷する。この時に、基台の材
質としてアルミナを用い、さらに直径30mm、厚さ3mm
のYbCuBaO相を分散させたYbBaCu
円盤状バルクを成型体と基台とのバッファとして用
いた。さらに、1気圧の酸素気流中で600℃で1h加
熱後炉冷することにより超電導体ペレットを製造した。
このペレットサイズは直径約36mm、高さ約12mmであ
る。比較材として粉を埋め込まない超電導体ペレットも
製造した。
【0050】これらの超電導体ペレットの磁気浮上力を
実施例2と同様な方法で測定した。その結果、表5に示
すように、それぞれ温度勾配下の徐冷で超電導体を製造
した場合、Nd粉を埋め込んだ効果が認められ
た。
【0051】実施例7 YCuBaO、BaCuO、CuO粉をY:B
a:Cuの比が1.8:2.4:3.4になるように混
合する。さらに、1400℃で20分加熱し、冷却す
る。それを粉砕した後、白金粉を粉砕粉に対し0.5重
量添加し十分に混合する。その後等方加圧処理により角
盤状に成型する。成型体の上面中央に造核粒子としてS
を約10mg埋め込む。さらに、1100℃で3
0分間加熱し、211相と液相にした後、1010℃ま
で10分で冷却する。その後、900℃まで1℃/hの
割合で徐冷し、その後炉冷する。さらに、1気圧の酸素
気流中で600℃で1h加熱後炉冷することにより超電
導体ペレットを製造した。このペレットサイズは縦約4
1mm、横約41mm、高さ約15mmである。比較材として
粉を置かない超電導体ペレットも製造した。これらの超
電導体ペレットの外観を肉眼で観察したところ割れは認
められなかった。
【0052】これらのペレットについて実施例2と同様
な方法で磁気浮上力を測定した。
【0053】その結果、粉を埋め込まなかったペレット
の磁気浮上力は、3.8kgf しかなかったが、粉を埋め
込んだペレットのそれは5.0kgf に向上した。
【0054】 表 1 結晶サイズと磁気浮上力 埋め込んだ物質 平均結晶サイズ(上面)(cm2 磁気浮上力 なし 0.3 1.1 Nd 2.9 1.7 Sm 2.8 1.9 La 2.7 1.8 Eu 2.4 1.8 SmBaCuO 2.8 2.0 EuBaCuO 2.2 1.6 NdBaCu 2.8 1.9 SmBaCu 2.9 1.8 EuBaCu 2.1 1.6 表 2 Yと置換する物質 Yと置換する物質 磁気浮上力(kgf) Eu 1.5 Gd 1.7 Dy 1.8 Ho 1.6 Er 1.9 Yb 2.0
【0055】 表 3 埋め込んだ物質と磁気浮上力 埋め込んだ物質 磁気浮上力(kgf) なし 0.9 Ho 1.3 Er 1.5 HoBaCuO 1.5 ErBaCuO 1.4 HoBaCu 1.4 ErBaCu 1.3 表 4 置いた物質と磁気浮上力 置いた物質 磁気浮上力(kgf) なし 1.1 Nd 2.1 Sm 2.0 表 5 各温度勾配下での磁気浮上力 温度勾配 造核粒子を置かないとき 造核粒子を置いたとき (℃/cm) の磁気浮上力(kgf) の磁気浮上力(kgf) 2 4.5 6.8 6 4.4 7.9 10 4.0 7.2
【0056】
【発明の効果】このようにして本発明によれば、REB
aCuO系酸化物超電導結晶を大きくし、磁気浮上力を
向上させることができるが、複雑な装置や操作を要せず
その手法は簡単であり大量生産に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によって造核粒子を用いてえら
れた超電導結晶の顕微鏡写真。
【図2】造核粒子を用いずにえられた超電導結晶の顕微
鏡写真。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近 藤 章 弘 東京都江東区東雲1−14−3 財団法人 国際超電導産業技術研究センター 超電 導工学研究所内 (72)発明者 鍵 谷 昌 一 東京都江東区東雲1−14−3 財団法人 国際超電導産業技術研究センター 超電 導工学研究所内 (72)発明者 村 上 雅 人 東京都江東区東雲1−14−3 財団法人 国際超電導産業技術研究センター 超電 導工学研究所内 (72)発明者 腰 塚 直 己 東京都江東区東雲1−14−3 財団法人 国際超電導産業技術研究センター 超電 導工学研究所内 (72)発明者 田 中 昭 二 東京都江東区東雲1−14−3 財団法人 国際超電導産業技術研究センター 超電 導工学研究所内 (56)参考文献 特開 平3−257018(JP,A) 特開 平1−164731(JP,A) 特開 昭63−291857(JP,A) 特開 平2−204322(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 1/00 - 3/00

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】REBaCuO系酸化物超電導体(REは
    Y、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Ybのグループか
    ら選ばれる希土類元素)の製造方法において、出発物質
    として原料混合物を用い、これを加熱して部分溶融した
    後、冷却、凝固し、これを粉砕し、得られた粉砕粉に白
    金又は白金化合物の粉末を添加し、混合した後、さらに
    成型し、得られた成型体に造核粒子を置くかまたは埋め
    込み、これを加熱して部分溶融し、ついでほぼ超電導相
    が生成しはじめる温度まで冷却した後徐冷して、そこか
    ら超電導相を生成、成長させることを特徴とする磁気浮
    上力の大きい酸化物超電導体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記白金あるいは白金化合物の添加量を白
    金として0.1〜2重量%とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】成型後より超電導相成長のための徐冷開始
    直前までに前記造核粒子を置くかまたは埋め込む請求項
    1記載の方法。
  4. 【請求項4】前記出発物質として原料粉混合体を仮焼
    し、さらに粉砕したものを用いる請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】前記造核粒子は、Y、Nd
    Sm、Eu、La、Gd、D
    、Ho、Er、YBaCu
    、SmBaCuO、EuBaCuO、Gd
    BaCuO、DyBaCuO、HoBaCu
    、ErBaCuO、YBaCu、Sm
    BaCu、NdBaCu、LaBa
    Cu、EuBaCu、GdBaCu
    、DyBaCu、HoBaCu
    ErBaCuからなる群から選ばれる請求項1
    記載の方法。
  6. 【請求項6】前記徐冷は部分溶融したときに共存するR
    BaCuO相と液相からREBaCu
    が生成する温度より若干高い温度から開始する請求項1
    記載の方法。
  7. 【請求項7】1℃/cm以上の温度勾配下で、前記徐冷を
    実施する請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】前記成型体の部分溶融温度が950〜12
    50℃である請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】前記徐冷速度が0.2〜20℃/hである
    請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】前記出発物質の部分溶融温度が950〜
    1500℃である請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】前記出発物質を部分溶融した後、空冷以
    上の速度で、冷却する請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】成型後の部分溶融結晶成長工程で、成型
    体と成型体を置くための基台との間にバッファとして、
    当該成型体よりもREBaCu相の生成温度が
    低いRE組成を有するバルクまたは成型体を用いる請求
    項1記載の方法。
  13. 【請求項13】前記基台として前記液相との濡れ性が低
    い基台を用いる請求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】等方加圧成型により前記成型体を作製す
    る請求項1記載の方法。
  15. 【請求項15】前記徐冷により超電導相を成長させた
    後、酸素富化雰囲気において650〜300℃の温度範
    囲で2〜500時間保持するか、もしくは最高650
    ℃、最低300℃の温度範囲を2〜500時間かけて冷
    却することにより、超電導相に酸素を付加する請求項1
    記載の方法。
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