JPH0751322A - トイレ付きベッドシステムのカバー構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トイレを備えたベッドシステムにおいて、防
臭・防冷および患者のプライバシー保護を可能とするカ
バー技術を提供する。 【構成】 ベッド基台上に前方部と後方部とに分割可能
なマットを備え、前方部が患者の上半身を支持しつつ水
平状態から正立状態に移動可能であり、前記前方部と後
方部との分割部の下方において、便器が配置されたシス
テムにおいて、用便時に患者の胴部を覆うとともに両端
が前記前方部に対して着脱可能に取付けられたボディカ
バーを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、医療機関または家庭に
おいて、寝たきりあるいは歩行困難な病人・老人に適用
可能なトイレ付きベッドシステムの防臭およびプライバ
シーを保護するカバー構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の寝たきり病人あるいは老人に適
用されるトイレを備えたベッドシステムはいくつか提案
されているが、防臭あるいは患者のプライバシー保護に
着目したものはなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】すなわち、この種の患
者にとって用便時の臭いには敏感であり、自身の用便時
の臭いを周囲の他の患者に気付かれることが羞恥心を強
く刺激することから、ベッド上では精神的に安定した状
態で用便を行いにくいことが知られている。

【０００４】一方、この種のトイレを備えたベッドシス
テムでは、腰部をベッド上に露出させた状態で用便を行
うために腰部が冷えたり、患者のプライバシーが十分に
護られない等の問題があった。

【０００５】本発明はこれらの課題に鑑みてなされたも
のでえり、その目的はこの種のトイレ付きベッドシステ
ムにおいて、防臭・防冷および患者のプライバシー保護
を可能とするカバー技術を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、ベッド基台上
に前方部と後方部とに分割可能なマットを備え、前方部
が患者の上半身を支持しつつ水平状態から正立状態に移
動可能であり、前記前方部と後方部との分割部の下方に
おいて、便器が配置されたシステムにおいて、用便時に
患者の胴部を覆うとともに両端が前記前方部に対して着
脱可能に取付けられたボディカバーを備えた構造とし
た。

【０００７】また前記後方部を、マットの後端を構成す
る第１後方部と、この第１後方部に軸支されて上方向に
揺動可能な第２後方部とで構成し、前記便器は用便時に
患者の太股部を保持しその一端は前記第２後方部の揺動
端に係止された第１便座部と、患者の腰部を保持すると
ともに一端は前記第２後方部の非揺動端に軸支されベッ
ド基台上を前後方向にスライド移動可能な第２便座部
と、この第２便座部に固定されてベッド前後方向に移動
可能な便受部とで構成し、さらに前記第２後方部と前記
第１便座部との上方への揺動によって形成された空間の
側方を覆うサイドカバーを備えた構造とした。

【０００８】そしてこのサイドカバーは、たとえば一端
を前記第２後方部の下面に取り付けけ、他端をベッド基
台に取り付けて、非用便時においてマットの第２後方部
が水平状態となり前記第１便座部がマットの前方部の下
方に収容されているときには折り畳まれており、用便時
において前記第２後方部と第１便座部とが上方に揺動さ
れたときには広げられてサイドカバーとして機能する蛇
腹構造とした。

【０００９】

【作用】本発明によれば、患者の胴部を覆うとともに両
端が前記前方部に対して着脱可能に取付けられたボディ
カバーを用いたため、用便時の臭いの発散を防止でき
る。ここで、ボディカバーとして不透明な材質を用いる
ことにより、患者のプライバシーを護ることができる。
マット前方部との着脱構造としては面ファスナー等を用
いることができる。

【００１０】また第２後方部と第１便座部とで形成され
る空間を覆うサイドカバーを取付けることによって、便
器上の空間を密閉でき、外部への臭いの発散を防止でき
る。さらに、サイドカバーとして蛇腹構造とすることに
より、このサイドカバーは非用便時にはマットの下に収
納されるため、設置スペースを多く必要としない。

【００１１】

【実施例】以下、本発明を図に基づいて説明する。図１
は、本発明のトイレ付きベッドシステムにおいてベッド
としての使用状態を示す全体構成図、図２は、用便時の
使用状態を示す全体構成図、図３は便器４の配置状態を
示すため平面方向からみた全体構成図、図４はボディカ
バーの斜視図である。

【００１２】本発明において、ベッド基台８上に敷設さ
れたマット３は前方部１と後方部２とに分割可能な構造
を有している。後方部２は、ベッドとしての使用時にお
いて主として患者の太ももから下枝を保持するようにな
っており、ベッド基台８に固定される第１後方部２ａ
と、一端（前方部１側：患者の上半身方向の一端）が前
記第１後方部２ａの軸支部（他端）に対して上方向に揺
動可能な第２後方部２ｂとで構成されている。

【００１３】第２後方部２ｂの下面とベッド基台８との
間にはサイドカバー１１１が取り付けられている。この
サイドカバー１１１は、アコーディオン状の蛇腹構造を
有しており、第２後方部２ｂが水平状態となりベッド基
台８に接近した状態では折り畳まれており、用便時にお
いて第２後方部２ｂが上方に揺動されたときには第２後
方部２ｂとベッド基台８との離反する方向への力により
引張されて広がり、この内部空間を密閉するカバーとし
て機能する。

【００１４】このサイドカバー１１１により、用便時に
おいても便器４の上方空間には外気が進入しない。前方
部１は、ベッドとしての使用時において主として患者の
腰部から頭部を保持するようになっており、前方部１の
全体がベッド基台８の軸方向にスライド移動可能となっ
ている。

【００１５】前方部１は、図２に示すように、後方部２
側の一端を軸支部として先端が上方向に揺動し、正立状
態とすることが可能になっている。この揺動は図示しな
い油圧（または空圧）シリンダ、モータ等を動力源とす
ることができる。

【００１６】便器４は、図３に示すように平面方向から
みて平行状に延設された一対の便座部１０を有してお
り、この便座部１０はさらに用便時において患者の太股
を保持する第１便座部１０ａと患者の腰部を保持する第
２便座部１０ｂとで構成されている。第１便座部１０ａ
の一端は前記第２後方部２ｂの揺動側の先端に係止され
ており、他端は前記第２便座部１０ｂに軸支されてい
る。したがって、第２後方部２ｂの揺動に連動して第１
便座部１０ａの一端は上方に揺動され、これにともなっ
て第２便座部１０ｂは後方部２方向に向かってスライド
移動するようになっている。この第２便座１０ｂのスラ
イド移動は、たとえばベッド基台８に設けられたレール
１１上で行われる。

【００１７】便器４を一部を構成する便受部１２は、前
記第２便座部１０ｂと一体に移動可能となっており、洗
浄水噴出ノズル１３と、排水ポンプ１４とを有してい
る。以上に説明した便器４は、本システムがベッドとし
ての使用時には図１に示すようにマット３の下部に収容
されており、用便時にマット３の前方部１がスライド移
動→正立揺動され、かつ第２後方部２ｂが揺動されるこ
とにより、ベッド上に露出された状態となる。このよう
に便器４が露出された状態で用便が可能となる。

【００１８】用便時に際してマット第２後方部２ｂの移
動にともなって第１便座部１０ａおよび第２便座部１０
ｂ，さらに第２便座部１０ｂに固定されている便受部１
２も所定位置まで移動する。すなわち、簡易な構造でマ
ットと便器４とが連動して用便時において便器が最適な
位置に配置される。

【００１９】図２に示すように患者が用便可能な体位と
なった状態において、患者の胴部から腰部にかけてはボ
ディカバー１１２が装着される。このボディカバー１１
２は、多層に縫い合わされたビニールシート等の耐水材
料で構成されている。

【００２０】ボディカバー１１２において、患者の胴部
を覆う帯状の両端にはマット前方部１への装着部１１３
が設けられている。この装着部１１３は、たとえば面フ
ァスナー等が設けられており、マット前方部１に対して
容易に着脱できる構造となっている。

【００２１】ボディカバー１１２の帯状中央には一対の
切欠部１１４が設けられており、この切欠部１１４は患
者の上部側太股に密着可能な形状となっている。ボディ
カバー１１２の材料としては患者のプライバシー保護を
図るため、不透明な生地を選択することが望ましい。ま
たエアコン、クーラー等の冷気から患者なお、ボディカ
バー１１２の下縁部１１５にも面ファスナーを設けてこ
の下縁部１１５と第２便座部１０ｂとを接着可能とし、
ボディカバー１１２内の密閉性を高めるようにしてもよ
い。

【００２２】

【発明の効果】本発明によれば、ベッドの上で用便が可
能なトイレ付きベッドシステムにおいて、防臭、防冷さ
らに患者のプライバシーを護ることが可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例におけるトイレ付きベッドシス
テムにおいて、ベッドとしての使用状態を示す全体構成
図、

【図２】実施例において用便時の使用状態を示す全体構
成図、

【図３】実施例において便器の配置状態を示す平面全体
構成図、

【図４】実施例においてボディカバーの構造を示す説明
図。

【符号の説明】

１・・前方部 ２・・後方部 ３・・マット ４・・便器 ８・・ベッド基台 １０・・便座部 １１・・レール １２・・便受部 １３・・洗浄水噴出ノズル １４・・排水ポンプ １１１・・サイドカバー １１２・・ボディカバー １１３・・装着部 １１４・・切欠部 １１５・・下縁部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベッド基台上に前方部と後方部とに分割
   可能なマットを備え、前方部が患者の上半身を支持しつ
   つ水平状態から正立状態に移動可能であり、前記前方部
   と後方部との分割部の下方において、便器が配置された
   システムであって、 用便時において患者の胴部を覆うとともに両端が前記前
   方部に対して着脱可能に取付けられたボディカバーを備
   えていることを特徴とするトイレ付きベッドシステムの
   カバー構造。
2. 【請求項２】 前記後方部は、マットの後端を構成する
   第１後方部と、この第１後方部に軸支されて上方向に揺
   動可能な第２後方部とからなり、 前記便器は用便時に患者の太股部を保持しその一端は前
   記第２後方部の揺動端に係止された第１便座部と、患者
   の腰部を保持するとともに一端は前記第２後方部の非揺
   動端に軸支されベッド基台上を前後方向にスライド移動
   可能な第２便座部と、この第２便座部に固定されてベッ
   ド前後方向に移動可能な便受部と、 前記第２後方部と前記第１便座部の上方への揺動によっ
   て形成された空間の側方を覆うサイドカバーとからなる
   ことを特徴とする請求項１記載のトイレ付きベッドシス
   テムのカバー構造。
3. 【請求項３】 前記サイドカバーは、一端が前記第２後
   方部の下面に取り付けられ、他端がベッド基台に取り付
   けられており、 非用便時においてマットの第２後方部が水平状態とな
   り、前記第１便座部がマットの前方部の下方に収容され
   ているときには折り畳まれており、 用便時において前記第２後方部と第１便座部とが上方に
   揺動されたときには広げられてサイドカバーとして機能
   する蛇腹構造となっていることを特徴とする請求項２記
   載のトイレ付きベッドシステムのカバー構造。