JPH0751180B2 - 洗たく機の運転制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、全自動洗たく槽と非全自動洗たく槽とを並設
し、全自動洗たく槽側の注水すすぎ工程と全自動洗たく
槽側の給水工程とが競合した場合、および全自動洗たく
槽側の注水すすぎ工程と非全自動洗たく槽側の注水すす
ぎ工程とが競合した場合におけるすすぎ性能の低下を防
止し、しかも全自動洗たく槽と非全自動洗たく槽とを並
行運転する場合のトータルの洗たく終了時間を早めるこ
とのできる、改良されたこの種洗たく機の運転制御装置
に関する。

〔従来の技術〕

全自動洗たく槽、すなわち給水−洗い−排水−すすぎ−
脱水の全工程を自動的におこなう全自動洗たく槽（以
下、全自動槽と云う）と、非全自動洗たく槽、すなわち
脱水工程を除いた給水−洗い−排水−すすぎまでの工程
をそれぞれ単独あるいは自動的におこなう非全自動洗た
く槽（以下、非全自動槽と云う）とを並設した洗たく機
が、たとえば特公昭63−66232号公報で先に提案されて
いる。

しかして、前記構成を採用する洗たく機は、全自動槽と
非全自動槽とが並設されているため、色物と白物とを別
個に、しかも時間を同じくして洗うことのできる、いわ
ゆる同時洗いや、洗たく物を非全自動槽側で先に洗い、
洗い終つた洗たく物を全自動槽側に移してすすぎ→脱水
をおこない、この間、非全自動槽内で洗たく液やすすぎ
液を再利用して次の洗たくをおこなう、いわゆる送り洗
いができる利点がある。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、前記のごとく、全自動槽と非全自動槽と
を並設した従来提案に係るこの種洗たく機にあつては、
注水すすぎと給水、あるいは注水すすぎがそれぞれの槽
で同時に運転された場合の問題点について認識していな
い。このため、例えば全自動槽側で注水すすぎがおこな
われ、非全自動槽側で給水がおこなわれた場合、水圧の
低い地域では、注水すすぎに要する注水量が少なくな
り、所定のすすぎ性能が確保できなくなる結果、洗たく
終了後の洗たく物に石けんカスが残り、この臭いが強す
ぎたり、皮膚に炎症をおこす一因となるばかりでなく、
洗たく物から糸くずや綿くずが十分に取り去られない原
因ともなる。

また、給水−洗い−排水−すすぎ−脱水の工程を実行す
る全自動槽側の全工程終了時間は、給水−洗い−排水−
すすぎ−脱水の工程を実行する非全自動槽側の全工程終
了時間よりも長くなる。

本発明の目的は、全自動槽と非全自動槽とを並設し、全
自動槽側の注水すすぎ工程と非全自動槽側の給水工程と
が競合した場合、および全自動槽側の注水すすぎ工程と
非全自動槽側の注水すすぎ工程とが競合した場合におけ
るすすぎ性能の低下を防止し、しかも全自動槽と非全自
動槽とを並行運転する場合のトータルの洗たく終了時間
を早めることのできる、改良されたこの種洗たく機の運
転制御装置を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的は、給水−洗い−排水−すすぎ−脱水の全工程
を自動的におこなう全自動槽と、給水−洗い−排水−す
すぎの工程をそれぞれ単独あるいは自動的におこなう非
全自動槽とを並設した洗たく機において、水道からの水
が前記全自動槽内および非全自動槽内に同時に供給さ
れ、全自動槽側の注水すすぎ工程と非全自動槽側の給水
工程とが競合した場合、および全自動槽側の注水すすぎ
工程と非全自動槽側の注水すすぎ工程とが競合した場合
のいずれの場合も、全自動槽側の注水すすぎ工程を優先
して進行させ、非全自動槽側の給水工程および注水すす
ぎ工程を一時的に停止させて待機状態とする手段を具備
することにより達成される。

〔作用〕

しかして、前記構成よりなる本発明によれば、この種洗
たく機において水道からの水が前記全自動槽内および非
全自動槽内に同時に供給され、全自動槽側の注水すすぎ
工程と非全自動槽側の給水工程とが競合した場合、およ
び全自動槽側の注水すすぎ工程と非全自動槽側の注水す
すぎ工程とが競合した場合のいずれの場合であっても、
全自動槽側の注水すすぎ工程を優先して進行させること
により、注水すすぎに要する注水量が少なくなって所定
のすすぎ性能が確保できなくなる不具合、すなわち前記
〔発明が解決しようとする課題〕の項で述べたすすぎ性
能の低下の問題をなくすことに加えて、常に全自動槽側
の注水すすぎ工程を優先して進行させることにより、非
全自動槽側に比べて元々長い全自動槽側での全工程終了
時間の短縮化をはかり、ひいては全自動槽と非全自動槽
とを並行運転する場合のトータルの洗たく終了時間を早
めることができる。

〔実施例〕

以下、本発明を、第１図〜第６図の一実施例にもとづい
て説明すると、第１図は本発明を適用した洗たく機の全
体構成を示す縦断面図、第２図は第１図の斜視図、第３
図は第１図および第２図に符号５で示す操作パネルの平
面図である。

また、第４図は本発明を適用した洗たく機の全体的動作
系を示す電気回路図、第５図は同じく本発明を適用した
洗たく機の洗たく工程をステツプ状に示す図、第６図は
本発明装置によつて実行される具体的内容を示すフロー
チヤートである。

本発明を適用した洗たく機の外観を示す第２図におい
て、１は給水→洗い→排水→脱水→給水→すすぎ→排水
→脱水までの一連の工程を自動的におこなう全自動槽、
２は給水，洗い，排水，すすぎの各工程をそれぞれ単独
あるいは自動的におこなう非全自動槽を示し、前記全自
動槽１と非全自動槽２とは、並設した状態でベース３上
に載置されている。４は前記２つの槽1,2を外包する外
枠,5は外枠４の上方に載置された操作パネル５を示して
いる。

そして、第１図に示すように、全自動槽１は、複数のつ
り棒６により弾性的に吊り下げられており、その槽内底
部には、パルセータ（１）７が回転自在に軸支され、側
壁には、多数の透孔を有する内槽８が設けられているも
のであつて、前記全自動槽１は、内槽８を外包する外槽
９の底部に固定されたクラツチ10により回転自在に軸支
されている。また、内槽８の上方には、脱水時のアンバ
ランスを抑制するバランサー11が固定され、その内部に
液体12が封入されている。一方、クラツチ10の下方に
は、従動プーリ（１）13が軸支され、その従動プーリ
（１）13は、モータ（１）14の下方に軸支された駆動プ
ーリ（１）15とベルト（１）16を介して連結され、洗た
く，すすぎ，脱水時の駆動をおこなう。

全自動槽１と並設された非全自動槽２には、その底部に
軸受17が固定され、これにパルセータ（２）18が軸支さ
れている。また、軸受17の下方には、従動プーリ（２）
19が軸支され、この従動プーリ（２）19は、ベース３上
に防振支持されたモータ（２）20の上方に軸支された、
駆動プーリ（２）21とベルト（２）22を介して連結さ
れ、洗い，すすぎ時の駆動をおこなう。さらに非全自動
槽２のコーナー部には、溢水口23が設けられており、溢
水口23は、注水すすぎ時の溢水をおこなう。なお、図示
を省略したが、全自動槽１側にも注水すすぎ用の溢水口
が設けられている。

ベース３上には、全自動槽１の外槽９底部に設けられか
つ、電気的に弁の開閉をおこなう排水弁（１）24に接続
された内部排水ホース（１）25と、同じように非全自動
槽２の底部に設けられた排水弁（２）26に接続された内
部排水ホース（２）27との２本のホースを合流させるＹ
字管28が固定され、このＹ字管28に対し、機外への排水
をおこなう機外排水ホース29が接続されている。

一方、操作パネル５上には、給水電磁弁30が設けられ、
その下方には、全自動槽１側および非全自動槽２側に対
し、それぞれ独立的に給水のON−OFFが可能なように、
電磁バルブ（１）31および電磁バルブ（２）32が設けら
れている。

第３図には、マイクロコンピユータにより制御される操
作部33が示されている。すなわち、本実施例の場合、前
記マイクロコンピユータには、全自動槽１側で注水すす
ぎをおこなっているとき、非全自動槽２側で第６図のフ
ローに示すごとき給水工程が競合した場合、非全自動槽
２側の給水は一時運転を停止し、注水すすぎ終了まで待
機状態となるよう、さらに双方の槽1,2で注水すすぎが
競合した場合には、全自動槽１側での注水すすぎ工程を
優先して、非全自動槽２側の注水すすぎ工程が待機状態
となるように予めプログラミングされている。

ここで、前記構成よりなる洗たく機の動作について説明
する。

まず、全自動槽１に布を入れて運転をスタートさせる
と、第５図に示すようなステップで運転が進行する（な
お、第５図において、○印の部分が本発明に関連するス
テツプである）。

しかして、本発明で対象とする前記洗たく機は、既述の
ごとく、全自動槽１と非全自動槽２とが並設されている
ため、色物と白物とを別個に、しかも時間を同じくして
洗うことのできる同時洗いや、洗たく物を非全自動槽２
側で先に洗い、洗い終わつた洗たく物を全自動槽１側に
移してすすぎ→脱水をおこない、この間、非全自動槽２
内で洗たく液やすすぎ液を再利用して次の洗たくをおこ
なう送り洗いができる利点がある。

ところで、全自動槽と非全自動槽とを並設した従来提案
に係るこの種洗たく機は、先に述べたように、注水すす
ぎと給水、あるいは注水すすぎがそれぞれの槽で同時に
運転された場合の問題点について認識していない。この
ため、例えば全自動槽側で注水すすぎがおこなわれ、非
全自動槽側で給水がおこなわれた場合、水圧の低い地域
では、注水すすぎに要する注水量が少なくなり、所定の
すすぎ性能が確保できなくなる結果、洗たく終了後の洗
たく物に石けんカスが残り、その臭いが強すぎたり、皮
膚に炎症をおこす一因となるばかりでなく、洗たく物か
ら糸くずや綿くずが十分に取り去られない原因ともな
る。

これに対し、本発明においては、全自動槽１側で注水す
すぎをおこなっているとき、非全自動槽２側で第６図の
フローに示すごとき給水工程が競合した場合、非全自動
槽２側の給水は一時運転を停止し、注水すすぎ終了まで
待機状態となるよう、さらに双方の槽1,2で注水すすぎ
が競合した場合には、全自動槽１側での注水すすぎ工程
を優先して、非全自動槽２側の注水すすぎ工程を待機状
態とする手段を備えているから、第５図に示すように、
各槽1,2の工程が進行し、○印部の工程が競合すると、
全自動槽１側の注水すすぎが優先しておこなわれ、この
注水すすぎが終了するまで、非全自動槽２側での給水・
注水すすぎ工程が一時的に停止して待機状態となるもの
であって、本発明によれば、水道からの水が前記全自動
槽内および非全自動槽内に同時に供給され、全自動槽側
の注水すすぎ工程と非全自動槽側の給水工程とが競合し
た場合、および全自動槽側の注水すすぎ工程と非全自動
槽側の注水すすぎ工程とが競合した場合のいずれの場合
であっても、全自動槽側の注水すすぎ工程を優先して進
行させることにより、注水すすぎに要する注水量が少な
くなって所定のすすぎ性能が確保できなくなる不具合、
すなわち既述したすすぎ性能の低下の問題をなくすこと
に加えて、常に全自動槽側の注水すすぎ工程を優先して
進行させることにより、非全自動槽側に比べて元々長い
全自動槽側での全工程終了時間の短縮化をはかることが
できるものであり、このように本発明によれば、前記２
つの効果を同時に奏することができる。

第８図は第３図に示した操作パネル５の変形例を示す平
面図であり、第８図に示すように、全自動槽１側および
非全自動槽２側にそれぞれ一時的待機状態を表示する待
機ランプ34,35を付設することにより、現在おこなわれ
ている洗たくの進行状況を、作業者に対して視覚的に認
識させることができる。

以上本発明によれば、全自動槽と非全自動槽とを並設
し、全自動槽側の注水すすぎ工程と非全自動槽側の給水
工程とが競合した場合、および全自動槽側の注水すすぎ
工程と非全自動槽側の注水すすぎ工程とが競合した場合
におけるすすぎ性能の低下を防止し、しかも全自動槽と
非全自動槽とを並行運転する場合のトータルの洗たく終
了時間を早めることのできる、改良されたこの種洗たく
機の運転制御装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第６図は本発明の一実施例を示し、第１図は本
発明を適用した洗たく機の全体構成を示す縦断面図、第
２図は第１図の斜視図、第３図は第１図および第２図に
符号５で示す操作パネルの平面図、第４図は本発明を適
用した洗たく機の全体的動作系を示す電気回路図、第５
図は同じく本発明を適用した洗たく機の洗たく工程をス
テツプ状に示す図、第６図は本発明装置によつて実行さ
れる具体的内容を示すフローチヤート、第７図は第３図
に示した操作パネル５の変形例を示す平面図である。 １…全自動洗たく槽（全自動槽）、２…非全自動洗たく
槽（非全自動槽）、30…給水電磁弁、31…電磁バルブ
（１）、32…電磁バルブ（２）。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−60898（ＪＰ，Ａ) 実開 昭58−49687（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−199788（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】給水−洗い−排水−すすぎ−脱水の全工程
   を自動的におこなう全自動洗たく槽と、給水−洗い−排
   水−すすぎの工程をそれぞれ単独あるいは自動的におこ
   なう非全自動洗たく槽とを並設した洗たく機において、 水道からの水が前記全自動洗たく槽内および非全自動洗
   たく槽内に同時に供給され、全自動洗たく槽側の注水す
   すぎ工程と非全自動洗たく槽側の給水工程とが競合した
   場合、および全自動洗たく槽側の注水すすぎ工程と非全
   自動洗たく槽側の注水すすぎ工程とが競合した場合のい
   ずれの場合も、全自動洗たく槽側の注水すすぎ工程を優
   先して進行させ、非全自動洗たく槽側の給水工程および
   注水すすぎ工程を一時的に停止させて待機状態とする手
   段を具備してなることを特徴とする洗たく機の運転制御
   装置。