JPH07506B2 - 光崩壊膜被覆肥料 - Google Patents

光崩壊膜被覆肥料

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JPH07506B2
JPH07506B2 JP2199623A JP19962390A JPH07506B2 JP H07506 B2 JPH07506 B2 JP H07506B2 JP 2199623 A JP2199623 A JP 2199623A JP 19962390 A JP19962390 A JP 19962390A JP H07506 B2 JPH07506 B2 JP H07506B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は光又は酸化によって崩壊する被膜で被覆された
粒状肥料に関する。更に詳しくはビニルケトン共重合体
を有効成分として含有する被膜で被覆されてなる該肥料
に関する。
本発明品は、被膜の調整条件により、肥料分の溶出速度
を調節できる。
[従来の技術とその問題点] 近年、粒状肥料をカプセル化して、肥効成分の溶出速度
を調節する被覆粒状肥料が開発され、次第に実用化され
て来ている。かゝる被覆粒状肥料の被覆方法は、次の二
種類に大別される。すなわち、被覆材として例えばイ
オウ、ワックス及び低分子オレフィン等の低分子量の材
料を用いて比較的厚く被覆したもの、およびポリオレ
フィン等の高分子材料を用いて比較的薄く被覆したもの
である。しかし、得られた被覆粒状肥料としては、溶出
速度の調節可能性の高いことや粒状肥料の取扱い時の被
膜の損傷が少ない等の点で、後者すなわち高分子材料で
被覆したものの方が優れている。しかし、その反面高分
子材料による該被覆工程は技術的に容易でなく、また製
品(被覆粒状肥料)の土壌への施用後に土壌中に残留す
る被覆物残渣の分解に相当の長時間を要する等の問題点
がある。
本発明者らは、先に高分子材料による粒状肥料の被覆及
び肥効成分の溶出速度の調節技術を開発し、特許出願し
ている。例えば特公昭50−99,858号では、ポリオレフィ
ン系樹脂溶液による被覆技術ならびに界面活性剤の使用
による溶出速度調節技術を、特公昭60−37,074号では、
ポリオレフィン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体及
び界面活性剤の併用によるより高度の溶出速度調節技術
を開示した。また、特公昭60−3,040号ならびに特開昭5
5−1,672号では、上述と同様のポリオレフィン系樹脂組
成物に更にタルク等の無機質粉体またはイオウ粉末を混
合分散させたものを用いることにより、肥効成分の溶出
速度の調節のみならず、粒状肥料の使用(土壌への施
用)後の残留カプセルすなわち被覆物残渣の崩壊又は分
解を促進できる技術を開示した。
更に、特開昭63−17285号ではポリオレフィン系樹脂と
ゴム系樹脂を有効成分とする光崩壊膜で被覆された被覆
肥料を、特開昭63−17286号ではエチレン・一酸化炭素
共重合体を主要な樹脂成分とする光崩壊膜で被覆された
被覆肥料を、又特開昭63−25288号ではポリオレフィン
系樹脂とエチレン酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体を有
効成分とする光崩壊膜で被覆された被覆肥料についての
技術を開示した。
発明者らのこれら一連の被覆肥料に係る技術はポリオレ
フィン系樹脂やポリ塩化ビニリデン系樹脂を基本樹脂と
しこれにエチレン酢酸ビニル共重合体やエラストマー等
の樹脂をブレンドして溶出速度を調整する技術、タルク
等の鉱物質を分散させて溶出速度の温度依存性をコント
ロールする技術、これらにイオウやでんぷんを分散させ
て被膜の崩壊性を高める技術と更に基本樹脂や組合せ樹
脂に自然に崩壊し易い樹脂類を使用して崩壊の程度を高
めて来た。
これらの組合せにより、種々の崩壊の程度のものが得ら
れる。被覆肥料の崩壊膜に要求される機能は、使用前の
保存、輸送、施肥後溶出持続中は安定で溶出コントロー
ル機能は設計通りの機能を維持し、溶出完了後はすみや
かに崩壊分解することであるが、崩壊性を高めると保存
安定性に欠ける等安定性と崩壊性の両立はむづかしい。
例えば上記公知の樹脂の組合せで最も崩壊性が優れてい
る組合せは、エチレン・一酸化炭素共重合体とエチレン
・酢酸ビニル一酸化炭素共重合体の組合せによるもので
あるが、この場合はアンモニア系肥料(例えば尿素、り
ん安の単肥や複合肥料)を被覆するとしゃ光状態でも高
温保存で被膜の変化が促進される等保存安定性に問題が
あった。
[発明が解決しようとする課題] 被覆粒状肥料の機能に係る上述の先行技術の技術問題に
かんがみ、本発明者らは溶出コントロール機能、保存安
定性、被膜の崩壊性共に満足すべき被覆の高分子材料の
検索研究を重ねて、光崩壊性を付与する目的で、新にビ
ニルケトン基を含む共重合体が優れた性分があることを
発見して本発明が完成された。
以上の記述から明らかな如く、本発明の目的は土壌に施
用され、肥効成分が溶出した後、速かに被膜部分が崩壊
する被覆粒状肥料を提供することである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、下記(1)〜(9)の構成をする。
(1)ビニルケトン共重合体を有効成分として含有する
被膜で被覆された光崩壊膜被覆肥料。
(2)オレフィンとビニルケトン共重合体及び塩化ビニ
リデンとビニルケトン共重合体の少なくとも一種を有効
成分として含有する被膜で被覆された前記第(1)項記
載の光崩壊膜被覆肥料。
(3)オレフィン重合体及び塩化ビニリデン重合体の少
なくとも一種とスチレン・ビニルケトン共重合体、アク
リル酸ビニルケトン、メチルメタアクリル酸・ビニルケ
トン、メチルメタアクリレートビニルケトン重合体、エ
チレン酢酸ビニル・ビニルケトンの少なくとも一種を有
効成分とする被膜で被覆された前記第(1)項記載の光
崩壊膜被覆肥料。
(4)ビニルケトンがメチルビニルケトン、エチルビニ
ルケトン、プロピルビニルケトン、イソプロピルビニル
ケトン、ブチルビニルケトン、メチルイソプロピルケト
ン、エチルイソプロピルケトンであるビニルケトン共重
合体を有効成分として含有する前記第(1)、(2)、
(3)項記載の光崩壊膜被覆肥料。
(5)ビニルケトンのカルボニル含量が0.01〜10重量%
であるビニルケトン共重合体位を有効成分として含有す
る被膜で被覆された前記第(1)、(2)、(3)、
(4)項記載の光崩壊膜被覆肥料。
(6)エチレン、プロピレン及びブデンの少なくとも一
種とビニルケトンの共重合体を有効成分として含有する
被膜で被覆されてなる前記第(2)項記載の光崩壊膜被
覆肥料。
(7)エチレン、プロピレン及びブテン一種以上よりな
る重合体を含有する被膜で被覆された前記第(3)項記
載の光崩壊膜被覆肥料。
(8)被膜中に水難溶性若しくは水不溶性の粉体を混合
してなる前記記載の前記第(1)〜(7)項記載の光崩
壊膜被覆肥料。
(9)水難溶性若しくは水不溶性の粉体がタルク、炭酸
カルシウム、クレイ、ケイソウ土、シリカ、シリカの
塩、金属酸化物、イオウ若しくはデンプンの粉末から選
ばれた一種以上のものである前記第(8)項記載の光崩
壊膜被覆肥料。
本発明の構成と効果につき、以下に詳述する。
本発明に必須の有効成分として使用されるビニルケトン
共重合体とは、基本的には不飽和ビニリデン単量体
(R2)R1C=CR3(R4)を主要成分としてビニルケトン
R′C(=CH)2CORを少量成分として重合され、直鎖に
[R′C(COR)]のケトン構造を有する重合体であり
R′は水素又はC1〜C6のアルキル基であり、RはC1〜C9
のアルキル又はアルキレン基である。
不飽和ビニリデン単量体としてはエチレン、プロピレ
ン、ブデン等のオレフィン類とCH2=C(R)Xの構造
式で示されるビニル単量体である。
ここでRは水素、ハロゲン又はアルキル基であり、Xは
カルボキシル基、ハロゲン基、エステル基、ニトリル基
である。
例えば、不飽和ビニリデン単量体にエチレン、ビニルケ
トンとしてメチルビニルケトン単量体を用いた共重合体
の一般的な構造を有するものである。
本発明に用いられる前記のビニルケトン共重合体は、ビ
ニルケトン基のカルボニル含量が0.01〜10重量%のもの
である。
カルボニル基が0.01重量%未満の範囲では光崩壊性の程
度が弱く、10重量%を越えると光に対して不安定で実用
的でない。単量体の配列については特に限定されるもの
ではないが、光分解機能はカルボニル基の存在によるも
のであり、これは分子内に均一に存在することが好まし
いのでランダム重合品が望ましい。
本発明ではビニルケトン共重合体は単独で又は異種のビ
ニルケトン共重合体の混合物が併用できる外にビニルケ
トン共重合体以外の重合体と混用することができる。
好ましい混合割合は特定されるものではなく、ビニルケ
トン共重合体の構成成分として、例えば70重量以上のよ
うにビニルケトン単量体を多量含む場合は他の非分解性
重合体を例えば50重量%のように多量添加しても被膜の
光崩壊性は充分な機能を有する。
この様に目標とする崩壊性の程度によりビニルケトン共
重合体の種類や配合割合が選択されるが、通常はビニル
ケトン共重合体を5〜100重量%の範囲で選択される。
本発明では基本的な重合体としてオレフィン重合体及び
/又は共重合体、塩化ビニリデン重合体及び/又は共重
合体が用いられる。これが被覆操作や溶出速度調節の基
本になるので不可欠である。
従って本発明ではオレフィン類又は塩化ビニリデンとビ
ニルケトンの共重合体を使用する場合は他の重合体との
併用なしで単独でも、それらの混合物でも併用し得る。
この場合は言うまでもなく他種の重合体と本発明で配合
される範囲内で混合使用できるので本発明にとって最も
望ましいものである。
配合する重合体としてはオレフィン類や塩化ビニリデン
単量体を含まない種々のビニルケトン共重合体との併用
も可能であり、この場合は被膜の光崩壊性は特に好まし
い。
本発明で供用されるオレフィン類とビニルケトン共重合
体はエチレン、プロピレン、ブテンのオレフィン類の単
独又は混合物とビニルケトンとを共重合せしめて得られ
たものであった。
ビニルケトンとしてはメチルビニルケトン、エチルビニ
ルケトン、プロピルビニルケトン、メチル・イソプロピ
ルケトンが好ましい。特にエチレン−メチルビニルケト
ン、エチレン−メチル・イソプロピルビニルケトン、エ
チレンエチルケトンが本発明に有効であるがこれに限る
ものではない。本発明に供用される塩化ビニリデンとビ
ニルケトン共重合体は、塩化ビニリデン単量体又は塩化
ビニリデン・塩化ビニル単量体の混合物(塩化ビニル M
AX.30重量%)とビニルケトン共重合体であり、オレフ
ィン類の場合と同類のビニルケトン単量体が用いられ
る。
オレフィン又は塩化ビニリデン単量体以外のビニルケト
ン共重合体に用いられるビニル単量体としては、スチレ
ン、塩化ビニル、アクリル酸、メタアクリル酸及びその
エステル類、酢酸ビニルが挙げられる。
更に、これらビニル単量体とエチレンとビニルケトンの
三種以上の共重合体例えばエチレン酢酸ビニル、ビニル
ケトン共重合体、エチレン、メタアクリル酸、ビニルケ
トン共重合体等があるが本発明ではこれに限るものでは
ない。
ここで用いられるビニルケトン類としてはメチルビニル
ケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、
イソプロピルビニルケトン、ブチルビニルケトンの他、
メチルイソプロピルケトン及びエチルイソプロピルケト
ン等も供用することができるがこれに限るものではな
い。
オレフィン又は塩化ビニリデン単量体とビニルケトンと
の共重合体以外の本発明のビニルケトン共重合体はオレ
フィン又は塩化ビニリデン単量体とビニルケトンとの共
重体と併用するか又はオレフィン重合体、オレフィンと
一酸化炭素共重合体、塩化ビニリデン共重合体、例えば
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブデン、エチレ
ン、プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテ
ン共重合体、エチレン一酸化炭素共重合体、塩化ビニリ
デン重合体及び塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体と
70重量%以下の範囲で併用される。
70重量%を越えると被覆操作時の粘着性(ブロック1
)や溶出機能に問題があり、被覆肥料としての機能が
充分でない。
本発明にとって必須の要件ではないが、本発明では前記
以外の種々の重合体が併用できる。
例えばポリスチレン、ポリメチルメタアクリレートエチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重
合体、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ス
チレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレンイソプ
レンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマー等の熱
可塑性樹脂は有効である。
本発明品には前記重合体の外にこれに粉体を分散させた
被膜で被覆した被覆肥料も含まれる。該粉体は水に難溶
若しくは不溶性であれば原則的にはいかなる物質でも使
用できる。
しかしながら、その粒径は目的とする被膜の厚みの1/2
以下であることが望ましく、その使用に当たっては上記
の樹脂又は樹脂組成物の有機溶媒中になるべく均一に分
散させる必要がある。
若し該粉体が上記の樹脂又は樹脂組成物に分散し難い場
合は該粉体の表面をシリコーン樹脂等により表面処理
(被覆)する等により、該粉体に親油性を付与するか若
しくは上述の分散処理に際して該粉体に適度の分散性を
付与する必要がある。
本発明の被覆肥料の被覆材料として使用する好ましい粉
体としては、例えばタルク、炭酸カルシウム、クレイ、
ケイソウ土、シリカ及びその塩、金属酸化物、イオウ等
の無機質のもの、あるいはデンプンの粉末等の有機質の
ものが使用できる。
これらの粉末添加により被膜の崩壊性が促進され、溶出
も一般に促進される傾向があるので目的により種々の使
い別けが必要である。
本発明の光崩壊膜被覆肥料の被覆組成物の設計に際して
は崩壊性、保存安定性、溶出コントロール性のバランス
を考慮して選択する必要がある。
被膜樹脂組成物の光崩壊性はビニルケトン単量体として
共重合されたカルボニル基の量に支配され、ビニルケト
ン共重合体中又はこれを含む樹脂組成物中の>C=Oの
量をコントロールすることにより被膜の光崩壊性をコン
トロールできる。
ビニルケトン共重合体以外の樹脂の割合を増加する場合
はブレンド用のビニルケトン共重合体中の>C=O基を
増加することで>C=O基の割合を調節して被膜全体の
光崩壊性を調節することができる。光崩壊膜被覆肥料の
保存性については、一般には崩壊性を高めようとすると
保存性が悪くなる傾向にある。本発明品も一般的にはビ
ニルケトンの数を増す程光崩壊性が著しく強くなるがそ
の増加の割には保存安定性の劣化が少ない 更に、本発明に於いてはオレフィン類、その他の多種類
のビニリデン単量体がビニルケトン共重合体のパートナ
ーとして選択できるために望ましい種々の共重合体の組
合せが可能になり被覆肥料の被膜崩壊性、保存性、溶出
特性、被膜の機械的強度、流動性等の機能の付与と維持
にとって好ましい材料である。
例えば、エチレンとメチルビニルケトン共重合体の場合
では、同様に光崩壊性の性質があるエチレン・一酸化炭
素共重合体で被覆した場合より崩壊性の高いものが得ら
れるため他の不安定な崩壊助材の併用が必要ない等の利
点がある。
又、エチレン酢酸ビニルメチルビニルケトン共重合体等
の組合せ樹脂を併用する場合でも同様に崩壊性の一酸化
炭素を直鎖に導入した共重合体を併用した被膜で被覆し
た光崩壊膜の保存安定性が優れている。
この場合特にアンモニア系肥料を被覆した場合の保存安
定性は特に差異が大きい。
本発明の光崩壊膜被覆肥料からの粒子内部の肥料成分の
溶出コントロールについては樹脂の組成を調整する。本
発明の肥料の被膜成分として必須のビニルケトン共重合
体では、オレフィン及び塩化ビニリデンとの共重合体の
場合は、溶出を遅くする作用があり、エチレン、アクリ
ル酸、メタアクリル酸、エチレン−酢酸ビニル、エチレ
ン−アクリル酸とビニルケトンとの共重合体等は溶出を
促進する作用がある。
希望する溶出速度のものは内部肥料、種類や粒や被覆率
によっても変わるので試行錯誤により(最後は共重合体
の種類と割合を調整して)得られる。本発明品はこのよ
うに多種類のものが選択できるため、いろいろの物性の
ものが洗濯できる利点は多い。
更に本発明には本発明に必須なビニルケトン共重合体以
外の多くの樹脂が併用できるので特に商業生産の場合に
大部分の汎用樹脂が利用できる点でその利点は大きい。
本発明品は一般の緩効性肥料(数ヶ月の持続)の場合は
特に施肥法への考慮は必要ないが光崩壊性の特性から特
に長期間の肥効継続が保証されたものについては全層施
肥が望ましい。これらは使用後の耕運等で表層に露出し
て光崩壊を受けて低分子量化して最後は微生物により完
全分解される。
保存上遮光して保存すれば光劣化は受けないから特に炎
天下長期間放置することを考えると公知の紫外線吸収剤
や酸化防止剤等の添加は有効である。
この場合施肥により被膜からブリードや溶出により除去
される物性のものを選択し使用すると溶出物の光崩壊性
への影響ができないので望ましいことである。
本発明品に任意の成分として供用される種々の粉体も本
発明の機能に影響を与える。一般に粉体が増加すると強
度が低下し、溶出速度が増し、易崩壊化する傾向があ
る。
これらの程度は粉体の種類、粒度、表面の性質(親和
性)により、大巾に異なるので、樹脂の種類、重合度、
配合割合等を適宜選択して目的にかなった組成物にする
必要がある。
本発明品は粒状肥料表面を被覆した形態のものであるた
め供用する肥料は粒状品であるがその種類は限定されな
い。
即ち、公知の化学肥料、例えば硫安、塩安、硝安、尿
素、塩化カリ、硝酸カリ、硝酸ソーダ、リン酸アンモニ
ア、リン酸カリ、リン酸石灰等の単肥やこれら2種類以
上を複合した化成肥料である。
本発明の被覆粒状肥料の製造法すなわち粒状肥料の被覆
方法は、前述の公知方法(特公昭50−99,858号、同60−
37,074号)と同様に実施できる。該方法は、転動又は流
動状態にある粒状肥料に、前述の被覆材組成物の有機溶
媒溶液を噴霧等の手段により吹付けてその表面を被覆す
る一方、該被覆物を同時並行的に高速熱風流で処理して
該被覆物表面の有機溶媒を瞬時に蒸発乾燥させる方法で
ある。この場合の粒状肥料の流動化には、噴流層を用い
て行うのが最も好ましい。
この場合、本発明に係る被膜材料の中粉体の一部又は全
部を噴流用熱風に混合し、分散させて上述の被覆操作を
行うことにより、粒状肥料表面に形成される被膜中に該
粉体を分散させる本発明者らによる公知方法(特公昭60
−102号)も採用できる。この方法は、上述の被覆材組
成物の有機溶媒溶液に均一に分散し難い粉体を用いる場
合に適している。
以下実施例により本発明を説明する。
実施例 I.本発明肥料の製造例 第1図は本実施例に於て用いた噴流カプセル化装置を示
す。1は噴流塔で塔径250mm、高さ200mm、空気噴出径50
mm、円錐角50℃で肥料投入口2、排ガス出口3を有す
る。噴流口空気はブロアー10から送られ、オリフィス流
量計9、熱交換器8を経て噴流塔に至るが、流量は流量
計、温度は熱交換器で管理され、排気は排出出口3から
塔外に導出される。カプセル化処理に使用される粒状肥
料は肥料投入口から所定の熱風を通し乍ら投入し噴流を
形成させる。熱風温度はT1、カプセル化中の粒子温度は
T2、排気温度はT3の温度計により検出される。T3が所定
の温度になったらカプセル化液を一流体ノズル4を通し
て噴霧状で噴流に向かって吹き付ける。カプセル化液は
液タンク11で攪拌されて粉体使用の場合は粉体が均一に
分散されており、ここからポンプ6によって送られる
が、ノズルに至るまで100℃以下に温度が下らない様に
二重管として外側に蒸気を流しておく。所定のカプセル
化率に達したらブロアーを止め、カプセル化された肥料
を抜出口7より抜出す。
本実施例では、何れも下記の基本条件を保持しつつカプ
セル化した。
一流体ノズル:開口0.8mmフルコン型 熱風量:4m3/min 熱風温度:100℃±2℃ 肥料の種類:5〜8meshの粒状尿素 肥料投入口量:10kg カプセル化液濃度 :固型分2.5%(重量) カプセル化液供給量 :0.5kg/min カプセル化時間 :40分 カプセル化率(対肥料):5.0% 溶出コントロールとカプセル崩壊性を証明するため、第
1表に示す本発明の実施例及び比較例のサンプルを試作
した。
II.本発明肥料の溶出率測定例 Iで製造した本発明肥料を夫々10gを200ml水中に侵漬し
て25℃に静置する。所定期間後、肥料と水を分けて水中
に溶出した尿素を定量分析により求める。肥料には新水
を200ml入れて再び25℃に静置、所定期間後同様な分析
を行う。この様な操作を反復して水中に溶出した尿素の
溶出率累計と日数の関係をグラフ化して溶出速度曲線を
作成して、80%溶出率に至る日数を知ることができる。
第1表の溶出項の24時間水中溶出率とは、上記溶出率測
定に於いて25℃、24時間経過後の水中溶出率であり、80
%溶出日数は上記溶出率測定に於いて溶出速度曲線を作
成して求めた。
III.カプセル崩壊度測定例 Iで製造した肥料を夫々5g取り、一粒ずつ針でピンホー
ルを作り、水中に静置して内部の尿素を完全に溶出させ
中空カプセルを作る。中空カプセルを乾燥して供試サン
プルとする。
縦15cm、巾15cm、高さ15cmの四角の塩化ビニル樹脂製の
箱に12メッシュパスの乾燥した砂をほぼ一杯に入れ、そ
の表面に精製した中空カプセルを並べ、雨が入らない様
に石英板(2mm)を取付けて屋外に2ヶ月間(4月〜6
月)放置したのち、砂、カプセル全量を回転羽根付きV
型混合器に入れて30分間攪拌混合する。その後10メッシ
ュ箱にて砂とカプセルを分け、10メッシュを通過しない
カプセルの供試カプセルに対する百分率を求めて崩壊度
として第1表に示した。
IV.保存性測定 Iで製造した被覆料5kgを200μ不透明樹脂袋(化成肥料
充填用樹脂袋)に入れてヒートシールし、パレット(肥
料袋保全、運搬用)上に揃べ、防水布シートで覆い、屋
外へ1年間放置して外観(特に着色)と溶出の変化(水
中溶出度)を調べて下記の評価をした。
A:外観、溶出共に変化なし B:外観:わずか黄変(特に注意して比較しないと気付か
ない) 溶出は変化なし C:外観:黄〜褐色に変色 溶出は変化なし D:外観:黄、褐色に変色 溶出が変化(促進される)するが、相対値で10%以内で
ある E:外観:黄、褐色に変色 溶出の変化(促進)が著しい(相対値で10%を越える)
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例に使用した噴流被覆装置のフ
ローシートを示す。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビニルケトン共重合体を有効成分として含
    有する被膜で被覆されてなる光崩壊膜被覆肥料。
  2. 【請求項2】オレフィン−ビニルケトン共重合体及び塩
    化ビリニデン−ビニルケトン共重合体の一種以上を有効
    成分として含有する被膜で被覆されてなる特許請求の範
    囲第(1)項記載の光崩壊膜被覆肥料。
  3. 【請求項3】オレフィン重合体及び塩化ビニリデン重合
    体の一種以上とスチレン−ビニルケトン共重合体、アク
    リル酸・ビニルケトン共重合体、メチルメタアクリル酸
    −ビニルケトン共重合体、メチルメタアリクレート−ビ
    ニルケトン共重合体、エチレン酢酸ビニル−ビニルケト
    ン共重合体の一種以上を有効成分として含有する被膜で
    被覆されてなる特許請求の範囲第(1)項記載の光崩壊
    膜被覆肥料。
  4. 【請求項4】ビニルケトンがメチル・ビニルケトン、エ
    チルビニルケトン、プロピルビニルケトン、イソプロピ
    ルビニルケトン、ブチルビニルケトン、メチルイソプロ
    ピルケトン、エチル・イソプロピルケトンであるビニル
    ケトン共重合体を有効成分として含有する特許請求の範
    囲第(1)、(2)、(3)項記載の光崩壊膜被覆肥
    料。
  5. 【請求項5】ビニルケトン共重合体中のビニルケトンの
    カルボニル量が0.01〜10重量%である特許請求の範囲第
    (1)、(2)、(3)、(4)項記載の光崩壊膜被覆
    肥料。
  6. 【請求項6】エチレン、プロピレン、ブテンの一種以上
    とビニルケトンとの共重合体を有効成分として含有する
    被膜で被覆されてなる特許請求の範囲第(2)項記載の
    光崩壊膜被覆肥料。
  7. 【請求項7】エチレン、プロピレン、ブテンの一種以上
    よりなる重合体を有効成分として含有する被膜で被覆さ
    れた特許請求の範囲第(3)項記載の光崩壊膜被覆肥
    料。
  8. 【請求項8】被膜中に水難溶性若しくは水不溶性の粉体
    を混合してなる特許請求の範囲第(1)〜(7)項記載
    の光崩壊膜被覆肥料。
  9. 【請求項9】水難溶性若しくは水不溶性の粉体がタル
    ク、炭酸カルシウム、クレイ、ケイソウ土、シリカ、シ
    リカの塩、金属酸化物、イオウ若しくはデンプンの粉体
    から選ばれた一種以上のものである特許請求の範囲第
    (8)項記載の光崩壊膜被覆肥料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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