JPH0750474Y2 - シールド掘進機の排土装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はシールド掘進機が掘削した土砂をエア圧を利
用して排土するシールド掘進機の排土装置に関する。

（従来の技術） 従来泥水セミシールドによりトンネルなどを掘削する場
合、シールド本体の前部に設けられたチャンバ内に高濃
度の泥水を注入して，土圧と泥水圧をバランスさせなが
ら掘削しており、掘削された土砂は泥水によりスラリー
化された後，排泥管を経て泥水ポンプにより地上へ排出
されている。

また掘削された土砂中に玉石などが混入されていると，
泥水ポンプによる排出が困難となるため，従来では土砂
中より玉石などを分離して土砂のみを泥水とともに排出
し，玉石などはホッパ内に溜めた後人力により坑外へ搬
出している。

（考案が解決しようとする課題） しかしシールド本体の内径がφ800以下になると，ホッ
パ内に溜められた玉石などを作業員が搬出するのに多く
の時間を要するため，作業能率が悪いと共に，ホッパ近
傍にはカッタ駆動機構などの回転部があるため，作業に
危険が伴うなどの不具合があった。

また玉石などを取出す際ホッパを開放するため，泥水に
よりシールド本体内が汚損されるなどの不具合もあっ
た。

この考案は上記不具合を改善する目的でなされたもの
で，玉石などの混入した土砂でも排出が可能なシールド
掘進機の排土装置を提供しようとするものである。

（課題を解決するための手段及び作用） この考案は上記目的を達成するために，地中を掘進する
シールド本体の前部に設けられたカッタヘッドにより掘
削された土砂を，シールド本体前部のチャンバ内へ取込
んだ後シールド本体の後方へ排出するシールド掘進機の
排土装置において，上記チャンバ内に取込まれた土砂を
搬出する排土管を設け，この排土管の途中に前後に離間
して少なくとも２個のピンチ弁を設けると共に、これら
ピンチ弁の間に設けられた土砂収容管に，土砂収容時土
砂収容管内のエアを排出する排気口と，土砂収容管内で
プラグ状となった土砂を後方へ圧送するためのエアを吹
き出すエア吹出し口を設けたので，複数のピンチ弁とエ
ア吹出し口及び排気口を交互に開閉することにより，玉
石などの混入した土砂をプラグ状にしてエア圧で圧送で
きるようにしたシールド掘進機の排土装置を提供するも
のである。

（実施例） この考案の一実施例を図面を参照して詳述する。

図において１は地中を掘進するシールド本体で，前部に
カッタヘッドモータ２により回転駆動されるカッタヘッ
ド３が設けられており，このカッタヘッド３により掘削
された土砂はシールド本体１の前部に設けられたチャン
バ1a内へ取込まれるようになっている。

またチャンバ1aの下部には排土管４の一端が接続されて
いて，チャンバ1a内へ取込まれた土砂は土圧によりこの
排土管４内へ圧入されるようになっている。

上記排土管４はシールド本体１内を通ってシールド本体
１の後方へ延出されており，シールド本体１内の排土管
４には２個のピンチ弁5,6が前後方向に離間して設けら
れている。これらピンチ弁5,6は排土管４とほぼ同径の
外筒5a,6a内にゴムよりなる膨縮自在な内筒5b,6bを設け
た構造で，切換え弁７を有するエア注入口８より外筒5a
と内筒5bの間にエアを注入すると，内筒5bが第３図の破
線のように膨張してピンチ弁が閉鎖され，切換え弁９を
有するエア注入口10より外筒6aと内筒6bの間にエアを注
入すると内筒6bが第３図の破線のように膨張してピンチ
弁６が閉鎖されるようになっている。

また各ピンチ弁5,6の間を接続する土砂収容管4aには前
方に切換え弁12を有するエア吹出し口13が，そして後方
に切換え弁14を有する排気口15がそれぞれ設けられてい
る。

なお第４図にピンチ弁5,6の拡大断面図を，第５図にエ
ア吹出し口13に設けられた切換え弁12の拡大断面図を，
そして第６図に切換え弁14を有する排気口15の拡大断面
図をそれぞれ示す。

次に作用を説明すると，シールド本体１の推進に伴いカ
ッタヘッド３により掘削された土砂はチャンバ1a内に取
込まれた後土圧により排土管４内へ圧入される。

このとき前方のピンチ弁５及び排気口15の切換え弁14は
開，後方のピンチ弁６及びエア吹出し口13の切換え弁12
は閉となっているため，排土管４内へ圧入された土砂は
土砂収容管4a内に溜められる。

そして土砂収容管4a内に土砂が充満される直前にピンチ
弁５及び排気口15の切換え弁14が閉となり，エア吹出し
口13の切換え弁12及びピンチ弁６が開となる。

これによって土砂収容管4a内でプラグ状となった土砂と
ピンチ弁５の間にエア吹出し口13よりエアが吹き出さ
れ，プラグ状となった土砂はこのエア圧で排土管４内を
後方へ圧送される。土砂がピンチ弁６を通過後数秒が経
過するとピンチ弁６が閉鎖され，以下上記動作を繰返す
ことにより，掘削された土砂の排出を行うものである。

（考案の効果） この考案は以上詳述したように，エア圧を利用して土砂
を後方へ圧送するため，土砂中に玉石などが混入されて
いても排出が可能となる。

これによって従来のように掘削土砂より玉石などを分離
する必要がないため，玉石などを人為的に搬出する作業
が不明となり，土砂の搬出が能率よく行えると共に，作
業に危険が伴うなどの虞れも解消することができる。

またホッパを開放して玉石などを取出すなどの作業も必
要としないので，土砂によってシールド本体内が汚損さ
れるなどの不具合も生じない。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し，第１図は全体的な横
断面図，第２図は同縦断面図，第３図は要部の拡大図，
第４図はピンチ弁の断面図，第５図はエア吹出し口付近
の断面図，第６図は排気口付近の断面図である。 １…シールド本体、1a…チャンバ ３…カッタヘッド、４…排土管 4a…土砂収容管、5,6…ピンチ弁 13…エア吹出し口、15…排気口

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】地中を掘進するシールド本体１の前部に設
   けられたカッタヘッド３により掘削された土砂を，シー
   ルド本体１前部のチャンバ1a内へ取込んだ後シールド本
   体１の後方へ排出するシールド掘進機の排土装置におい
   て，上記チャンバ1a内に取込まれた土砂を搬出する排土
   管４を設け，この排土管４の途中に前後に離間して少な
   くとも２個のピンチ弁5,6を設けると共に、これらピン
   チ弁5,6の間に設けられた土砂収容管4aに，土砂収容時
   土砂収容管4a内のエアを排出する排気口15と，土砂収容
   管4a内でプラグ状となった土砂を後方へ圧送するための
   エアを吹き出すエア吹出し口13を設けてなるシールド掘
   進機の排土装置。