JPH0750440A - スラブ型固体レーザ装置 - Google Patents

スラブ型固体レーザ装置

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JPH0750440A
JPH0750440A JP19658893A JP19658893A JPH0750440A JP H0750440 A JPH0750440 A JP H0750440A JP 19658893 A JP19658893 A JP 19658893A JP 19658893 A JP19658893 A JP 19658893A JP H0750440 A JPH0750440 A JP H0750440A
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laser
reflecting
slab
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JP19658893A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kasai
彪 葛西
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】スラブ状の固体レーザ媒体と励起光源とを冷却
媒体が通流する収納容器内に収容し、これに共振ミラー
を組み合わせて構成するレーザ装置として、小形,コン
パクトで高出力の得られる装置構成を提供する。 【構成】同一収納容器6内にレーザ媒体1と励起光源2
とを交互に並列に、かつレーザ媒体が最外側に位置する
ように収容配備した装置構成、同一収納容器内にレーザ
媒体を2個並列に収容配備し、同方向に出力されたレー
ザ光を光路変換手段を用いて1つのビームに並べ、断面
がほぼ正方形のビームを得るようにした装置構成、ある
いは、同一収納容器内に複数のレーザ媒体を並列に収容
配備し、光路方向変換手段を介して各レーザ媒体のレー
ザ光を直列に結合する装置構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、対向する1対の板面
を光励起面として有するスラブ状の固体レーザ媒体と前
記レーザ媒体の光励起面を照射する励起光源とを冷却媒
体が通流する収納容器に組み込み、これに共振ミラーを
組み合わせて構成するスラブ型固体レーザ装置の構成に
関する。
【0002】
【従来の技術】頭記したスラブ形固体レーザ装置は、冷
却媒体が通流する収納容器内にNd:YAGレーザなど
のロッドから切出したスラブ状の固体レーザ媒体と励起
光源とを組み込み、これに共振ミラーを組み合わせてレ
ーザ発振器として構成したものである。
【0003】ここで、例えばNd:YAGレーザは、イ
ットリウム・アルミニウム・ガーネット(略称YAG)
の結晶体を母材に、活性媒質としてNdイオンを注入し
たものであり、前記レーザ材料を炉内で溶解し、引上装
置により結晶を育成しながら引き上げた単結晶体のロッ
ドから良質部分を切出してスラブ形のレーザ媒質を製造
するようにしている。なお、前記のようにして製造され
るNd:YAGレーザは製造技術面から大きな単結晶体
を得ることが困難であり、現在メーカから入手可能なサ
イズは最大でも縦10mm,横27mm,長さ210m
m程度である。そして固体レーザ装置のレーザ出力、特
に連続動作での発振出力は、装置内に組み込まれたレー
ザ媒体の大きさに支配されて決まる。かかる固体レーザ
媒体を用いて構成されるスラブ型固体レーザ装置の従来
の構成例を図6および図7に示す。
【0004】図7は装置の縦断面を示し、スラブ状のレ
ーザ媒体1は、冷却媒体が通流する収納容器6内に、そ
れぞれ冷却媒体の出口および入口を備えた収納容器6の
端板6a,6aにより、図示されない保持具を介して支
持され、その両側に直管状励起光源ランプ3がレーザ媒
体1と平行に配されて収納容器6の壁面を貫通する端子
金具により支持されている。図6は図7のII−II線に沿
う横断面を示し、収納容器6内に送り込まれた冷却媒体
は、レーザ媒体1と,励起光源ランプ2から出る励起光
中の紫外線を吸収するフィルタ4との間の流路を紙面に
垂直に流れ、レーザ媒体長手方向の端部で折り返して、
フィルタ4と,励起光源ランプ2からの光をレーザ媒体
1へ向けて反射する反射筒5との間の流路を紙面に垂直
に流れる。なお、図中の符号3は、レーザ媒体1の側面
に添設した熱絶縁材であり、レーザ媒体1内の熱が側方
へ逃げるのを防止してレーザ媒体1内の温度を均一に保
ち、レーザ媒体1内の熱歪みを均一にして、いわゆる熱
レンズ効果を低減させる役目を果たす。そして、レーザ
媒体1はこの熱絶縁材3を介して収納容器1内に保持さ
れる。
【0005】このような構成でレーザ媒体1の光励起面
1a,1aを励起光源ランプ2で照射すると、レーザ媒
体1内にレーザ光が発生し、このレーザ光が光励起面1
a,1aで全反射されながらレーザ媒体1内をジグザグ
に進行し、全反射ミラー13と出力ミラー14との間で
往復しつつ共振励起されて半反射ミラーである出力ミー
14を通り外部へ出力される。なお、図7において符号
12は、レーザ媒体1を冷却媒体中に浸漬状態に保ち、
かつレーザ光を収納容器6外部へ導出するためのレーザ
光透過部材である。
【0006】ところで、かかる構成の装置を用いて、レ
ーザ出力をたとえば2倍の出力へパワーアップを行おう
とすると、レーザ出力が、前述のように、レーザ媒体の
大きさに支配されて決まることから、図8のように、装
置を2個、共通架台20の上に直列に並べてその両側に
全反射ミラー9a,出力ミラー9bを配備し、光軸を合
わせて共通架台20に固定するカスケード接続のものが
従来より提唱され、既に実用化されている。さらに、目
的により、出力ミラー9bを2個の装置間に配備して全
反射ミラー9a側の装置を発振器とし、出力ミラー9b
の出力側の装置を増幅器とした装置構成も行われてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、レーザ出
力をアップさせるのに、レーザ媒体1個のみを収容する
収納容器を直列に並べるために、装置が大型化し、かつ
光軸を一致させるための調整作業に困難が伴うという問
題があった。また、従来装置では、励起光源ランプから
の励起光を有効に、かつ均一にレーザ媒体に照射できる
よう、反射面の横断面形状が複雑な反射筒が用いられ、
かつレーザ媒体と反射面との間の空間が広いために励起
光源ランプからの有効利用に限界があった。
【0008】本発明の目的は、小型で大出力のレーザ光
を得ることができ、かつ励起効率のよいスラブ型固体レ
ーザ装置の構成を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、装置をそれぞれ以下の構成をも
つものとする。 (1)同一収納容器内で励起光源の両側に固体レーザ媒
体を配備し、あるいは、励起光源と固体レーザ媒体とを
交互に並列にかつ固体レーザ媒体が最外側に位置するよ
うに励起光源と固体レーザ媒体とを配備した装置 (2)同一収納容器内に2個の固体レーザ媒体を並列に
並べて収容配備するとともに、各固体レーザ媒体から同
方向に出力されたレーザ光を光路方向変換手段を用いて
1つのビームに並べ断面がほぼ正方形のビームとなるよ
うにした装置 (3)同一収納容器内に2個以上の固体レーザ媒体を並
列に並べて収容配備するとともに、各固体レーザ媒体を
通るレーザ光が光路方向変換手段を介して直列に結合す
るようにした装置 そして、上記各装置構成のうち、第1項の装置構成で
は、さらに最外側固体レーザ媒体のさらに外側に励起光
源からの光を内側へ反射する反射板が配された装置構成
とすればさらに好適である。
【0010】この場合、反射板の反射面を平面に形状す
ればさらに好適である。さらに、各励起光源両側の固体
レーザ媒体の中間位置に該励起光源の光を前記両側の固
体レーザ媒体へ向けて反射する反射部材が配された装置
構成とすれば極めて好適である。そして、この反射部材
の反射面を平面反射面を組み合わせて構成するようにす
ればさらに好適である。
【0011】また、第2項の装置構成における光路方向
変換手段は、反射面を平面とした反射鏡を用いて構成す
るのがよい。この場合には、さらに光路方向変換手段
を、斜面を反射面とするプリズムを含んで構成するよう
にし、光路方向の変換を、反射鏡とプリズムとを組み合
わせて行うようにすればさらに好適である。
【0012】また、第3項の装置構成における光路方向
変換手段は、反射面を平面とした複数の反射鏡を用いて
構成するようにすれば極めて好適である。また、この場
合には、目的により、すべての固体レーザ媒体を共振ミ
ラーを構成する全反射ミラーと出力ミラーとの間のレー
ザ光路中に存在させるようにするか、すべての固体レー
ザ媒体中、少なくとも1個を残して残りを共振ミラーを
構成する出力ミラーの出力側レーザ光路中に存在させる
ようにすればよい。
【0013】
【作用】上記第1項の装置構成では、励起光源ランプを
間に挟みながらレーザ媒体が並列に収容配備され、かつ
レーザ媒体が少ない数のランプで励起できるので、収納
容器の横幅をさほど大きくすることなく複数のレーザ媒
体を収納することができ、大出力のレーザ装置を小型に
形成することができる。また、レーザ媒体と励起光源ラ
ンプとを含む全収納空間の大きさが、従来のカスケード
構成のものと比べて著しく小さくなり、励起光源ランプ
からの全光路長が短くなり、冷却媒体等に吸収される光
量が減り、励起光源ランプの励起効率が向上する。
【0014】上記第2の装置構成では、同一レーザ出力
のカスケード構成のものと比べて装置が大幅に小型化さ
れるとともに、外部へ出力されるレーザビームの断面形
状がほぼ正方形となるので、外部のレーザビーム伝送路
中に設けられる反射ミラーの面積利用率が向上し、ある
いはレーザビームを2本の伝送路に分岐入射させる場合
の分岐精度の向上が容易となる等、レーザビーム伝送上
大きいメリットが得られる。
【0015】上記第3の装置構成では、レーザビームの
断面形状を変えることなく高出力のレーザビームを得た
いときに、従来のカスケード構成のものと比べて光軸調
整が著しく容易でかつ大幅に小型化された装置でこれを
実現することができる。上記第1項の装置構成の場合,
最外側固体レーザ媒体のさらに外側に励起光源からの光
を内側へ反射する反射板を配するようにすると、反射板
で反射する光の量は、レーザ媒体を通過中にレーザ媒体
に吸収された残りの分であり、かつ内側に位置する励起
光源ランプほどその励起光が通過するレーザ媒体の数が
増すので、従来のカスケード構成のものにおける該当反
射面(曲面の中央部)に到達する全光量と比べて小さく
なり、反射面の反射率が同一の場合、反射ロスが小さく
なる。 そこで反射板の反射面を平面にすると、反射板
が小型になり、装置がさらに小型化する。
【0016】さらに、各励起光源両側の固体レーザ媒体
の中間位置に該励起光源の光を前記両側の固体レーザ媒
体へ向けて反射する反射部材を配すると、前記反射板と
の併用により、励起光源ランプの光をほぼ全量、かつ従
来のカスケード構成のものより効率よくレーザ媒体の励
起に利用することができる。ここで、反射部材の反射面
を平面反射面を組み合わせて構成すると、反射面の形成
が従来の曲面反射面と比べて著しく容易となり、また、
平面反射面の角度によりレーザ媒体の光励起面上の照射
光量分布すなわち励起分布を均一化することができるの
で、質のよいレーザビームを容易に得ることができる。
従来の曲面反射面は、例えば2重楕円反射面として形成
されたものが知られており、この曲面は、合同な2つの
楕円の各一方の焦点を励起光源ランプの中心に置き、各
他方の焦点をそれぞれレーザ媒体内の幅方向両外側近傍
に位置させて得られる2重楕円図形中、励起光源ランプ
両側の,励起光源ランプに最も近い2つの曲線の励起光
源ランプ近傍を反射面の横断面形状とするもので、反射
面に楕円を用いることにより励起効率を向上させるよう
にしている。しかし、励起分布の均一性が十分でないた
めに、前記各他方の焦点をレーザ媒体より遠方に位置さ
せ、光励起面を照射する反射光を幅をもった光束とする
ことにより、より良好な励起分布を得るようにした装置
構成が本発明と同一出願人から提案されている(特願平
4−132917号)。本発明は、反射面形成の容易化
に加え、幅をもった反射光束の励起分布均一化効果に着
目したものである。
【0017】また、上記第2項の装置構成において、必
要となる光路方向の変換を、反射面を平面とした反射鏡
を用いて行うようにすると、反射鏡装置はこれを小型に
構成することができるので、所望方向への光路方向変換
を容易にかつ精度高く行うことができる。さらに、上記
第2項の装置構成では、レーザ媒体が2個であることか
ら、断面がほぼ正方形のレーザビームを得るための光路
方向変換を、斜面を反射面とするプリズムを収納容器の
外部で2個のレーザ媒体の中間位置に置いて行うように
することにより、光路変換を容易に行うことができる。
【0018】また、上記第3項の装置構成における光路
方向変換を、反射面平面の複数の反射鏡を用いて行うよ
うにすることにより、反射鏡装置が小型に構成可能なこ
とから、所望方向への光路変換もしくは光軸調整を容易
にかつ精度高く行うことができる。このように、複数の
反射鏡を用いてレーザ媒体の並列配備,直列結合のレー
ザ装置を構成するようにすることにより、出力ミラーの
位置を変えるのみにて全装置を発振器とすることも、ま
た、発振器と増幅器との組み合わせ装置とすることも可
能になる。
【0019】
【実施例】以下に、この本発明の実施例を図を利用しつ
つ説明する。図1は本発明によるスラブ型固体レーザ装
置構成の第1の実施例として,光励起面が対向するよう
に並列に収納容器6内に配備された2個のスラブ状レー
ザ媒体1,1の間に励起光源ランプ2を配置した装置構
成を示す。各レーザ媒体1,1の外側の光励起面に近接
して反射板7が配置され、レーザ媒体1,1を透過した
ランプ光をレーザ媒体1,1へ戻し、ランプ光を有効に
利用するようにしている。反射板7で反射する光はレー
ザ媒体1で吸収された後の光であり、光量が少なく、装
置全体として反射損失を低減させることができる。ま
た、励起光源ランプ2とレーザ媒体1,1とを収容する
空間の大きさは、従来のカスケード構成のものと比べて
格段に小さく、励起光源ランプ2からレーザ媒体1,1
に到るランプ光の全光路長は反射光経路を含めて半分以
下となり、冷却媒体等による光吸収が少なくなるため、
光路長に基づくランプ光の損失が大きく低減されてい
る。
【0020】さらに、収納容器6内で2個のレーザ媒体
1,1の中間位置には、励起光源ランプ2の直上および
直下に、励起光源ランプ2の光を両側のレーザ媒体1,
1の光励起面へ向けて反射する反射面を備えた反射部材
8が配され、前記反射板7との併用により、励起光源ラ
ンプ2の光を全量、レーザ媒質1,1の光励起面に照射
するようにしている。そして、反射部材8の反射面はこ
れを平面反射面として反射部材8の製作を単純化すると
ともに、反射光が光励起面位置で幅をもった光束となる
ようにし、光励起面上の励起分布均一性を得るようにし
ている。
【0021】図2は第1の実施例の拡張例を示し、2個
以上のレーザ媒体を使用しても小型の装置とすることが
できることを示すものである。これら複数のレーザ媒体
を組み合わせてレーザ作用を行わせることにより、小型
で複数のレーザ媒体を保有した高出力の装置とすること
ができる。図3は本発明によるスラブ型固体レーザ装置
構成の第2の実施例として、同一収納容器内に並列に収
容配備されたスラブ状レーザ媒体を用い、伝送面で多く
のメリットが得られる断面形状を有するレーザビームを
発生させようとするときの装置構成を示す。収納容器6
の前後に配された全反射ミラー9a,出力ミラー9bと
収納容器6との間には、それぞれ折り返しミラー16,
プリズム15からなる光路方向変換手段が配され、レー
ザ媒体1,1から全反射ミラー9a側へ出たレーザ光は
折り返しミラー16とプリズム15とでそれぞれ光路方
向を90°づつ変換されて全反射ミラー9aに到り、こ
こで反射されて元の光路を通り、レーザ媒体1,1から
出力ミラー9b側へ射出され、折り返しミラー16とプ
リズム15とでそれぞれ光路方向を90°づつ変換され
て出力ミラー9bから外部へ射出される。射出されたレ
ーザビーム10は断面形状が11のようにレーザ媒体1
の断面形状に相似な2個の矩形を並べた,全体がほぼ正
方形のビームとなる。このようにビームの断面形状をほ
ぼ正方形とすることにより、装置外部のビーム伝送路中
に配される反射ミラーの面積利用率が向上し、あるいは
ビームを2本の伝送路に分岐して送り込むときに分岐精
度の向上が容易となる。なお、前記プリズム15,折り
返しミラー16には、レーザビーム光の波長に対して反
射率がほぼ100%となるようなコーティング処理をさ
れたものを使用する。
【0022】図4に本発明によるスラブ型固体レーザビ
ーム装置構成の第3の実施例として、並列に収容配備さ
れた複数のレーザ媒質の各レーザ光を直列に結合して高
出力レーザ光を得ようとするときの装置構成を示す。こ
の構成によれば、レーザ媒体1から右方へ出て全反射ミ
ラー9aで反射されたレーザ光は再びレーザ媒体1に入
り、さらにレーザ媒体1を通って左方へ射出され、折り
返しミラー16,16で光路方向を90°づつ変換され
て第2のレーザ媒体1に入り、このレーザ媒体1を通っ
て出力ミラー9bから外方へ射出される。これにより、
ビームの断面を大きくすることなく、かつ小型な装置の
ままで高出力のレーザ光を得ることができる。このよう
な、ビーム断面の小さい高出力のレーザ光を得る装置
は、従来はカスケード構成のものとして光軸調整のため
に収納容器全体の微調整を必要としたが、本発明では折
り返しミラーの角度(あおり)調整のみで光軸調整が可
能であり、かつ折り返しミラー装置は小型であるため、
調整も著しく容易である。なお、図の構成では、レーザ
媒体全部が発振器媒体として機能する。
【0023】図5は第3の実施例の変形例を示す。出力
ミラー9bが全反射ミラー9a側のレーザ媒体1の出力
側に配され、レーザ媒体1から出力ミラー9b側へ出た
レーザ光が出力ミラー9bを通り、折り返しミラー1
6,16で方向を変換されてレーザ媒体2のレーザ光と
直列に結合する。この構成では、レーザ媒体1が発振器
媒体として機能し、レーザ媒体2が増幅器媒体として機
能する。このように2個のレーザ媒体をそれぞれ発振器
媒体および増幅器媒体として備える装置の場合でも,ま
た、装置を図2のような構成として増幅器媒体を複数備
えた装置を構成する場合でも、光軸調整が従来と比べて
著しく容易となるメリットがある。
【0024】
【発明の効果】本発明においては、スラブ型固体レーザ
装置を以上の構成としたので以下に記載する効果が得ら
れる。請求項1の装置構成では、高出力レーザ光を小型
の装置で得ることができる。また、励起光源とレーザ媒
体との収納空間の大きさが従来のカスケード構成の場合
の全空間と比べて著しく小さくなり、励起光の全光路長
が大幅に短縮され、励起効率が向上する。
【0025】請求項2の装置構成では、高出力のレーザ
光が小型でかつ光軸調整の容易な装置で得られるととも
に、レーザビームの断面形状がほぼ正方形となるため、
ビーム伝送路中の反射ミラーの面積利用率向上、ビーム
分割精度の向上等、ビーム伝送面で多くのメリットが得
られる。請求項3の装置構成では、カスケード構成のも
のと比べて装置が大幅に小型化され、かつ光軸調整が著
しく容易となる。
【0026】請求項4の装置構成では、従来のカスケー
ド構成のものと比べ、励起光の反射光量が小さくなるた
めに反射ロスが低減され、励起効率が向上する。請求項
5の装置では、反射板が小型となり、反射板の組み込み
に必要なスペースが小さくなり,装置のより小型化が実
現される。請求項6の装置構成では、反射部材が2個の
レーザ媒体間スペースを利用して配備されるので、装置
の大きさを大きくすることなく、前記反射板との併用に
より励起光源ランプからの励起光を効率よくレーザ媒質
の励起に消費させることができる。
【0027】請求項7の装置では、レーザ媒体の光励起
面を照射する反射光が幅をもった光束となり、光励起面
上の励起分布均一性が向上し、レーザビームの質を向上
させることができる。請求項8の装置では、反射鏡装置
が小型ですむために光路方向変換が容易にかつ高精度に
可能になり、ビームの所望断面形状を精度よく得ること
ができる。
【0028】請求項9の装置では、プリズムを用いて最
終出力ビームを2個のレーザ媒体の中間位置に形成する
ようにすることにより、目的とする断面形状のビーム形
成に必要となるレーザ光路を最も単純に、従って最も容
易に形成することができる。請求項10の装置では、光
路変換を容易にかつ精度よく行うことができる。請求項
11および12の装置では、複数の反射鏡を用いてレー
ザ媒体の並列配備,直列結合のレーザ装置を構成するの
で、全装置を発振器としたり、発振器と増幅器との組合
せ装置とする場合のいずれの場合にも装置の小型化が可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスラブ型固体レーザ装置構成の第
1の実施例を示す装置要部の横断面図
【図2】第1の実施例の拡張例を示す装置要部の横断面
【図3】本発明によるスラブ型固体レーザ装置構成の第
2の実施例を示す装置全体の構成図
【図4】本発明によるスラブ型固体レーザ装置構成の第
3の実施例を示す装置全体の構成図
【図5】第3の実施例の変形例を示す装置全体の構成図
【図6】従来のスラブ型固体レーザ装置の構成例を示す
装置要部の横断面図
【図7】図6に示す横断面構造を有する,従来例による
スラブ型固体レーザ装置の縦断面図
【図8】従来の高出力スラブ型固体レーザ装置の構成例
を示す装置全体の構成図
【符号の説明】
1 レーザ媒体(スラブ状固体レーザ媒体) 2 励起光源ランプ(励起光源) 6 収納容器 7 反射板 8 反射部材 9a 全反射ミラー 9b 出力ミラー 10 ビーム 12 レーザ光透過部材 13 全反射ミラー 14 出力ミラー 15 プリズム 16 折返しミラー(反射鏡)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向する1対の板面を光励起面として有す
    るスラブ状の固体レーザ媒体と前記レーザ媒体の光励起
    面を照射する励起光源とを冷却媒体が通流する収納容器
    に組み込み、これに共振ミラーを組み合わせて構成する
    スラブ型固体レーザ装置において、同一収納容器内で励
    起光源の両側に固体レーザ媒体を配備し、あるいは、励
    起光源と固体レーザ媒体とを交互に並列にかつ固体レー
    ザ媒体が最外側に位置するように励起光源と固体レーザ
    媒体とを配備することを特徴とするスラブ型固体レーザ
    装置。
  2. 【請求項2】対向する1対の板面を光励起面として有す
    るスラブ状の固体レーザ媒体と前記レーザ媒体の光励起
    面を照射する励起光源とを冷却媒体が通流する収納容器
    に組み込み、これに共振ミラーを組み合わせて構成する
    スラブ型固体レーザ装置において、同一収納容器内に2
    個の固体レーザ媒体を並列に並べて収容配備するととも
    に、各固体レーザ媒体から同方向に出力されたレーザ光
    を光路方向変換手段を用いて1つのビームに並べ断面が
    ほぼ正方形のビームを形成することを特徴とするスラブ
    型固体レーザ装置。
  3. 【請求項3】対向する1対の板面を光励起面として有す
    るスラブ状の固体レーザ媒体と前記レーザ媒体の光励起
    面を照射する励起光源とを冷却媒体が通流する収納容器
    に組み込み、これに共振ミラーを組み合わせて構成する
    スラブ型固体レーザ装置において、同一収納容器内に2
    個以上の固体レーザ媒体を並列に並べて収容配備すると
    ともに、各固体レーザ媒体を通るレーザ光が光路方向変
    換手段を介して直列に結合することを特徴とするスラブ
    型固体レーザ装置。
  4. 【請求項4】請求項第1項に記載の装置において、最外
    側固体レーザ媒体のさらに外側に励起光源からの光を内
    側へ反射する反射板が配されることを特徴とするスラブ
    型固体レーザ装置。
  5. 【請求項5】請求項第4項に記載の装置において、反射
    板の反射面が平面に形成されることを特徴とするスラブ
    型固体レーザ装置。
  6. 【請求項6】請求項第4項に記載の装置において、各励
    起光源両側の固体レーザ媒体の中間位置に該励起光源の
    光を前記両側の固体レーザ媒体へ向けて反射する反射部
    材が配されることを特徴とするスラブ型固体レーザ装
    置。
  7. 【請求項7】請求項第6項に記載の装置において、励起
    光源の光を励起光源両側の固体レーザ媒体へ向けて反射
    する反射部材の反射面が平面反射面を組み合わせて構成
    されることを特徴とするスラブ型固体レーザ装置。
  8. 【請求項8】請求項第2項に記載の装置において、光路
    方向変換手段が反射面を平面とした反射鏡を用いて構成
    されることを特徴とするスラブ型固体レーザ装置。
  9. 【請求項9】請求項第8項に記載の装置において、反射
    面を平面とした反射鏡を用いて構成する光路方向変換手
    段が、斜面を反射面とするプリズムを含んで構成され、
    光路方向の変換が反射鏡とプリズムとを組み合わせて行
    われることを特徴とするスラブ型固体レーザ装置。
  10. 【請求項10】請求項第3項に記載の装置において、光
    路方向変換手段が反射面を平面とした複数の反射鏡を用
    いて構成されることを特徴とするスラブ型固体レーザ装
    置。
  11. 【請求項11】請求項第3項または第10項に記載の装
    置において、すべての固体レーザ媒体を共振ミラーを構
    成する全反射ミラーと出力ミラーとの間のレーザ光路中
    に存在させることを特徴とするスラブ型固体レーザ装
    置。
  12. 【請求項12】請求項第3項または第10項に記載の装
    置において、すべての固体レーザ媒体中、少なくとも1
    個を残して残りを共振ミラーを構成する出力ミラーの出
    力側レーザ光路中に存在させることを特徴とするスラブ
    型固体レーザ装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003023194A (ja) * 2001-07-05 2003-01-24 Japan Atom Energy Res Inst 固体レーザー増幅器
JP2007059471A (ja) * 2005-08-22 2007-03-08 Hamamatsu Photonics Kk 光増幅器およびmopaレーザ装置

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JP2003023194A (ja) * 2001-07-05 2003-01-24 Japan Atom Energy Res Inst 固体レーザー増幅器
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