JPH0750287Y2 - 自動車のエアバッグ用カバー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車のエアバッグ用カバーに関するもので
ある。

（従来の技術） ステアリングホイールの内側で、車体側部材に取着され
る自動車のエアバッグ用カバーであって、前記カバー
は、本体部と、該本体部に接続部と破断部を介して接続
され、内部に収納されたエアバッグの膨張圧により、前
記破断部に沿って裂け、前記接続部を中心として外方に
丁番状に開くカバー片とを備える自動車のエアバッグ用
カバーは、特開昭55-110643号公報に開示されている。

（考案が解決しようとする問題点） かかる従来のカバーによれば、エアバッグが展開し、膨
張した際、カバー片自体は変形し難く、常に平面状を呈
する。このため、接続部に応力集中が生じ、かかる応力
集中に対処するためには、接続部の肉厚を厚くする等し
て、エアバッグ装置の軽量化、コンパクト化を図る上で
不都合をきたしていた。

本考案は、前記不具合を解消すべくなされたもので、本
考案の目的とする処は、カバー片の接続部における応力
集中の発生を防止することができ、同時にエアバッグ装
置の軽量化、コンパクト化を図ることができる自動車の
エアバッグ用カバーを提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 以上の問題点を解決するための手段は、ステアリングホ
イールの内側で、車体側部材に取着される自動車のエア
バッグ用カバーであって、前記カバーは、周囲の本体部
と、該本体部の内側に設けられたカバー片とからなり、
該カバー片は、前記本体部に横方向の接続部と縦・横方
向の破断部を介して接続され、内部に収納されたエアバ
ッグの膨張圧により前記破断部に沿って裂け、前記接続
部を中心として外方に丁番状に開くように構成し、前記
カバー片の前記接続部と、前記横方向の破断部との間
に、該カバー片の前記接続部と略々平行する方向に配設
され、膨張したエアバッグにより外方に屈曲し得る複数
個の可撓部を形成するとともに、 エアバッグが展開した場合に、該カバー片をステアリン
グホイール等の障害物に当接しないように配設し、且つ
該カバー片の裏面は、略々全域に亘り膨張したエアバッ
グに当接させるようにしたことを特徴とする自動車のエ
アバッグ用カバーである。

（作用） 上記手段によれば、カバー片の前記接続部と略々平行す
る方向に配設され、膨張したエアバッグにより外方に屈
曲し得る複数個の可撓部を形成したので、エアバッグが
展開した場合に、カバー片がステアリングホイール等の
障害物に当接せず、フリーな状態となるように配置した
ので、可撓部によりカバー片を外方に変形させることが
でき、エアバッグの衝撃をカバー片全体で受けることに
より、カバー片の接続部の応力集中を防止することがで
きる。

（実施例） 以下に本考案の好適一実施例を添付図面に従って詳述す
る。

第１図はエアバッグ装置の正面図、第２図は第１図のII
-II線断面図、第３図は第１図のIII-III線におけるカバ
ーの断面図、第４図はカバーの背面図を示す。

エアバッグ装置１は、ガス発生器３と、ガス発生器３を
支持するベースプレート５と、ガス発生器３のフランジ
3Aにベースプレート５、リング、リベット９を介してガ
ス吸込口が取着されたエアバッグ11と、ベースプレート
５に取着されたエアバッグ用カバー13とからなる。

前記カバー13は、周囲の本体部15と、上下のカバー片1
7,19からなり、合成樹脂製である。

前記本体部15は、上下辺部15A,15Bと、左右辺部15C,15D
とからなる枠状を呈し、本体部15の四隅にはホーン21が
組込まれている。

前記カバー片17,19は、左右辺部15C,15Dに、第１図の縦
方向に形成した破断部23,23を介して、また上下辺部15
A,15Bに、第１図の横方向に形成した接続部25,25を介し
て接続され、両カバー片17,19は、横方向の破断部27介
して接続されている。

そして、自動車の衝突時、乗員に被害を及ぼす程度以上
の衝撃である場合には、ガス発生器３の作動により、高
圧ガスがエアバッグ11に噴出する。エアバッグ11内のガ
ス圧力により、横方向の破断部27、縦方向の左右の破断
部23,23が破断して、カバー片17,19が横方向の第１図に
示す上下の接続部25,25を中心として丁番状に開動し、
エアバッグ11の展開、膨張が迅速に行なわれる。

前記破断部23,23,27は、カバー部13の表面側に形成した
凹溝29,29,31と、この凹溝29,29,31とと対応するよう
に、裏面側に形成した凹溝33,33,35とにより画成し、カ
バー片17,19開動時の開動中心部分を構成する接続部25,
25は、表面側に形成された凹溝37,37を備える。

更に、カバー片17,19には、前記した横方向の各接続部2
5,25の長手方向に略々平行する凹溝39A,41Aと、凹溝43
A,45A,47Aにより可撓部39,41,45,47を形成する。

前記凹溝9A,41A,43A,45A,47Aは、第５図（ａ）に示すよ
うに、本実施例では、展開し膨張したエアバッグによ
り、各カバー片17,19が夫々可撓部39,41,43,45,47部分
で屈曲変形し得る深さ、及び幅で形成し、第５図中81は
ステアリングホイールを示す。

ところで、第５図（ａ）に示すように、エアバッグが展
開した場合には、カバー片17,19は、前記した破断部23,
23,27で破断し、各接続部25,25を中心としてカバー片17
が上方に、カバー片19が下方に屈曲し、各カバー片17,1
9はステアリングホイール等の障害物に当接しないよう
に配設されており、又第５図（ａ）に示すように、前記
カバー片17,19の裏面は、略々全域に亘り展開し、膨張
したエアバッグ11の、ステアリングホイール側の部分に
当接する。

前記本体部15の全周、及びカバー片17,19内には、補強
材としてポリエステル繊維からなる織布ネット49を埋め
込み、該織布ネット49に係止させた鋼製の係止具51…、
ベースプレート５のフランジ67にねじ69で締結すること
で、カバー13をベースプレート５に取り付ける。

本実施例は、前記のように構成した、展開し、膨張した
エアバッグ11によりカバー片17,19は、可撓部39,41と、
可撓部43,45,47部分において夫々屈曲変形し、衝撃をカ
バー片17,19の全体で分散して受けることができ、接続
部25,25における応力集中の発生を防止することができ
る。

従って、接続部における応力集中の発生を防止できるの
で、接続部25,25の構造を従来構造に較べて簡易化で
き、エアバッグ装置の軽量化、コンパクト化を図ること
ができる。

尚実施例では、展開し、膨張したエアバッグ11により各
カバー片17,19が屈曲し得るように可撓部39,41,43,45,4
7を形成したが、可撓部39,41,43,45,47を、例えば第５
図（ｂ）に示すように展開し、膨張したエアバッグ11へ
の乗員の衝突時に、各カバー片17,19が屈曲し得るよう
に形成しても良い。

（考案の効果） 以上の説明で明らかなように本考案に係るエアバッグ用
カバーによれば、可撓部を複数形成するとともに、エア
バッグが展開した場合に、カバー片がステアリングホイ
ール等の障害物に当接せず、フリーな状態となるように
配置されたため、可撓部により、カバー片を外方に変形
させることができ、エアバッグの衝撃をカバー片全体で
受けることにより、カバー片の接続部における応力集中
を防止することができる。

従って、接続部の構造を従来構造に較べて簡単化できる
ため、エアバッグ装置の軽量化、コンパクト化を図るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はエアバッグ装置の正面図、第２図は第１図のII
-II線断面図、第３図は第１図のIII-III線におけるカバ
ーの断面図、第４図はカバーの背面図、第５図（ａ）は
エアバッグが展開し、膨張した状態の概略図、第５図
（ｂ）はエアバッグに乗員が衝突した状態の概略図であ
る。 尚図面中１はエアバッグ装置、11はエアバッグ、13はカ
バー、15は本体部、17,19はカバー片、23,27は破断部、
25は接続部、39,41,43,45,47は可撓部、81はステアリン
グホイールである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ステアリングホイールの内側で、車体側部
   材に取着される自動車のエアバッグ用カバーであって、
   前記カバーは、周囲の本体部と、該本体部の内側に設け
   られたカバー片とからなり、該カバー片は、前記本体部
   に横方向の接続部と縦・横方向の破断部を介して接続さ
   れ、内部に収納されたエアバッグの膨張圧により前記破
   断部に沿って裂け、前記接続部を中心として外方に丁番
   状に開くように構成し、 前記カバー片の前記接続部と、前記横方向の破断部との
   間に、該カバー片の前記接続部と略々平行する方向に配
   設され、膨張したエアバッグにより外方に屈曲し得る複
   数個の可撓部を形成するとともに、 エアバッグが展開した場合に、該カバー片をステアリン
   グホイール等の障害物に当接しないように配設し、且つ
   該カバー片の裏面は、略々全域に亘り膨張したエアバッ
   グに当接させるようにした、 ことを特徴とする自動車のエアバッグ用カバー。