JPH0749933B2 - プリント基板の検査方法および装置 - Google Patents

プリント基板の検査方法および装置

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JPH0749933B2
JPH0749933B2 JP1141640A JP14164089A JPH0749933B2 JP H0749933 B2 JPH0749933 B2 JP H0749933B2 JP 1141640 A JP1141640 A JP 1141640A JP 14164089 A JP14164089 A JP 14164089A JP H0749933 B2 JPH0749933 B2 JP H0749933B2
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幸隆 葛川
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はプリント基板の検査方法および装置に関する
ものであり、特に光電走査を行ってスルーホールの個数
や位置ずれを検査する方法および装置に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
プリント基板を光電走査して、スルーホールやパターン
の検査を行う方法,装置については、例えば“サーキッ
トテクノロジvol.3NO.6(1988)"P.354〜P.358に開示さ
れているような、密着型イメージセンサを用いて、搬送
されるプリント基板のイメージを読み取り、プリント基
板の検査を行う方法,装置などが知られている。
上記の文献や他の文献において提示されている手法の一
つに、あらかじめ標準基板の基準データ(マスターデー
タ)を記憶しておき、搬送される被検査基板の外形線の
形状やスルーホールなどの表面形状に関するデータとマ
スターデータとの比較,照合を行うことにより、被検査
基板の良否を判定する比較法がある。
このような比較法は、マスターデータと被検査基板のデ
ータとを比較して良否を判定するために、得られる情報
が多く、かつ正確な良否判定が行えるものであるが、被
検査基板の読み取りが不正確になると、その判定の結果
も不正確になる。
プリント基板のパターンの高密度化や、スルーホールの
小径化(ミニバイアホール化)などが進むにつれて、比
較法を行うにあたって読み取り誤差を小さくするための
技術がさらに望まれており、基板の搬送に際して位置決
めのためのガイドを用いた搬送装置なども提案されてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、ガイドなどの機械的な位置決め手段を用
いた装置では、ガイド自体の精度が低いため、および基
板自体のガタつきなどのために高精度の位置決めが困難
であるという問題点があった。
また、読み取られたプリント基板のデータに基づいて、
座標変換などの補正を電子的に行い、マスターデータと
比較する手法も提案されているが、処理に時間がかかり
すぎたり、処理結果も不正確であるという問題点があっ
た。
さらに、以上のような手法では、基板の外形線の位置合
せは行えても、基板上のパターンずれによる誤差には対
処できないという問題点もあった。
〔発明の目的〕
この発明は以上のような事情を考慮してなされたもので
あり、短時間で正確に標準形状と検査されるべき基板の
外形線との位置合わせを行うとともに、外形線が位置合
わせされた基板に形成された複数の孔と標準パターンと
を照合させてプリント基板の孔の個数および位置を検査
することができるプリント基板の検査方法及び装置を提
供することを第1の目的とする。
また、基板上のパターンずれによる誤差を解消したプリ
ント基板の検査方法および装置を得ることを第2の目的
とする。
〔課題を解決するための手段〕
請求項1のプリント基板の検査方法は、複数の辺によっ
て構成される標準形状に基づいた外形形状を有する基板
上に、標準パターンに基づいた位置に複数の孔がそれぞ
れ設けられたプリント基板を検査する方法において、
(a)前記標準形状および前記標準パターンを示すマス
ターデータを準備する工程と、(b)検査されるべきプ
リント基板を光電走査して、その外形形状および複数の
孔の位置をそれぞれ読み取る工程と、(c)読み取られ
たプリント基板の外形形状を示す外形線上の3つ以上の
サンプル点の位置を認識する工程と、(d)認識された
3つ以上のサンプル点の位置に基づいて、読み取られた
外形線を直線近似した近似外形線を求める工程と、
(e)前記近似外形線とマスターデータの標準形状のこ
れに対応する辺とに基づいて、前記標準形状と読み取ら
れた外形形状との間の相対的外形ずれを求める工程と、
(f)求められた相対的外形ずれに基づいて、このずれ
を無くするように、読み取られた複数の孔の位置をそれ
ぞれ変換して複数の修正位置を求める工程と、(g)求
められた修正位置と前記標準パターンとを照合すること
により、前記プリント基板における複数の孔の個数およ
び位置を認識する工程とを含むことを特徴とする。
また、請求項2のプリント基板の検査方法は、請求項1
記載のプリント基板の検査方法であって、工程(d)
が、(d−1)認識された3つ以上のサンプル点の位置
を最小二乗法を用いて直線近似することにより、第1次
近似直線を求める工程と、(d−2)前記第1次近似直
線と、読み取られた外形形状上の多数のサンプル点の位
置とに基づいて、前記多数のサンプル点をより多数のサ
ンプル点を含む第1のグループと、第1のグループに含
まれるサンプル点の数より少ない数のサンプル点を含む
第2のグループとに類別する工程と、(d−3)前記第
1のグループに含まれるサンプル点の位置を直線近似す
ることにより第2次近似直線を求める工程と、(d−
4)前記第2次近似直線に基づいて、検査されるべきプ
リント基板の外形に近似した近似外形線を求める工程と
を含むことを特徴とする。
また、請求項3のプリント基板の検査方法は、請求項1
記載のプリント基板の検査方法であって、工程(f)
が、(f−1)求められた相対的外形ずれに基づいて、
このずれを無くするように、読み取られた複数の孔の位
置をそれぞれ変換して複数の第1の修正位置を求める工
程と、(f−2)前記標準パターン上の所定の2つの孔
を示す第1および第2の基準位置を特定する工程と、
(f−3)前記複数の第1の修正位置から、特定された
第1および第2の基準位置に対応する第1の修正位置を
選択してこれを第1および第2の実測位置とする工程
と、(f−4)前記第1および第2の実測位置と前記第
1および第2の基準位置との間の相対的位置ずれを求め
る工程と、(f−5)前記相対的位置ずれに基づいて、
このずれを無くするように、前記第1の修正位置をそれ
ぞれ変換して対応する第2の修正位置をそれぞれ求める
工程とを有するとともに、工程(g)が、求められた第
2の修正位置と前記標準パターンとを照合することによ
り、前記プリント基板における複数の孔の個数および位
置を認識する工程を含むことを特徴とする。
また、請求項4のプリント基板の検査装置は、請求項1
のプリント基板の検査方法を実行するように構成された
ものである。
また、請求項5のプリント基板の検査装置は、請求項3
のプリント基板の検査方法を実行するように構成された
ものである。
〔作用〕
請求項1及び請求項2の検査方法並びに請求項4の検査
装置では、読み取られた外形線上の3つ以上のサンプル
点の位置に基づいて近似外形線が決定されるので、プリ
ント基板の実際の外形線の凹凸の影響を無くして、標準
形状に十分に近い近似外形線を短時間で正確に得ること
ができる。そして、このような近似外形線に基づいて標
準形状との間の相対的外形ずれを無くするように読み取
られた孔の位置を変換して修正位置を求め、この修正位
置と標準パターンとを照合することによってプリント基
板における複数の孔の個数および位置を認識するので、
短時間で正確にプリント基板に形成された孔の個数およ
び位置の検査を行うことができる。
また、請求項3の検査方法及び請求項5の検査装置で
は、相対的外形ずれを無くするように予め変換された第
1および第2の実測位置と第1および第2の標準位置と
の間の相対的位置ずれが求められ、この相対的位置ずれ
を無くするように読み取られた孔の位置を再変換してか
らプリント基板における複数の孔の個数および位置を認
識する。したがって、標準パターンに実測データによっ
て与えられるパターンを重ね合わせるような座標変換が
行われることとなり、基板上の外形線に対するパターン
ずれによって生じる誤差を解消することができる。
〔実施例〕
A.全体構成と概略動作 第2図はこの発明の一実施例を適用するプリント基板検
査装置のブロック図である。また第3図はプリント基板
検査装置の外観図である。
第2図において、例えばLEDアレイなどによって構成さ
れる光源10からの光は搬送台20上のプリント基板21に照
射され、プリント基板21の外形線や、スルーホールおよ
び取付穴などを含む孔(ホール)の位置などに対応して
透過,反射される。搬送台20はプリント基板21を副走査
方向Yに平行に搬送する。またプリント基板21からの光
は主走査方向Xに配置された、例えば密着型のイメージ
センサ30に与えられ、プリント基板21の外形線や孔の位
置などが、そこで読み取られる。プリント基板21は検査
装置上で定義されるX−Y座標系の上で移動する。
イメージセンサ30で読み取られたプリント基板21の外形
線や孔に関する情報を示す信号は処理部40に与えられ、
2値化処理や、ノイズ除去処理を受けた後、後述する処
理を行うプリント基板検査回路50に与えられる。プリン
ト基板検査回路50で処理された結果は表示部60に与えら
れ、CRT61やプリンタ62上に表示,出力される。
また、処理部40は駆動部70に制御命令を与えることによ
り、搬送台20の動作を制御する。駆動部70は図示されな
いパルスモータやモータコントローラなどによって構成
される。さらに、以上のような構成の動作の開始や停止
などの指示は、パネルやキーボードなどで構成される操
作部80で行われる。
なお、第3図においては、第2図に示される構成の他
に、オプションで取り付けられる良品ストッカー91や不
良品ストッカー92が示されている。スルーホール検査な
どの種々の検査を経て良品と判定されたプリント基板は
良品ストッカー91に、不良品と判定されたプリント基板
は不良品ストッカー92に搬送される。
B.データ型式 次に、この発明のプリント基板の検査方法に用いられる
データの型式について説明する。第4図は、プリント基
板上のスルーホールを示す図である。第4図を参照し
て、データの読み取りおよびその型式について説明す
る。
前述したように、プリント基板21は副走査方向Yに平行
に搬送される。第2図および第3図に示すイメージセン
サ30は主走査方向Xに複数のCCDなどを配置した構成を
有しており、走査線上の画素ごとにプリント基板21の画
像情報をアナログ的に読み取る。このアナログ値は第2
図に示す処理部40内の図示しないA/D変換器によって2
値化され、明部および暗部を示す情報となる。
第4図において、プリント基板21から離れた走査線SLO
においては、全画素について明部を示す情報が連続する
データが生成される。このデータはランレングスフォー
マット化され、明部を示すイメージデータと明部の長さ
との組み合わせによって構成される1つのコードが生成
される。なおこの期間は、プリント基板21を走査しない
アイドルタイムとして、後述する検査に関する処理は特
に行わない。
走査線SL1において、プリント基板21の読み取りが始ま
ると、プリント基板21の両側の2つの明部とプリント基
板21上の1つの暗部とに対応して、ランレングスフォー
マット化された3つのコードが生成される。このような
3つのコードを生成する最初の走査線SL1のアドレスを
用いて、プリント基板21の端部の座標情報が与えられ
る。またこの端部を示す座標情報は、所定のアドレスを
有するメモリ領域内に格納され、後述する処理において
用いられる。
走査線SL2においては、ホールH1における明部が認識さ
れ、5つのコードが生成される。ホールH1には他のホー
ルと区別するためにラベルLA=1が付与される。ホール
H1の開始点のX座標xS1および終了点のX座標xE1は、そ
れぞれ始まりの画素アドレスLEおよび終わりの画素アド
レスTEとして仮に登録される。さらに、X軸方向の直径
DIA=TE−LEが計算され、仮に登録される。
走査線SL3においてはホールH2における明部も認識さ
れ、ホールH2に関する処理も始まる。なお、走査線SL3
上のホールH1の開始点および終了点のX座標xS2,x
E2と、走査ラインSL2上のホールH1の開始点および終了
点のX座標xS1,xE1との間の大小関係は、 xE2>xE1,xS2<xS1となり、 (xE2−xE1)×(xS2−xS1)<0 という関係が成立する。開始点および終了点の各座標間
に上記の関係が成立するため、これらの点が同一のホー
ルH1に属していることが認識される。
また直径DIAは走査線ごとに計算されており、より大き
い値を取るように更新されている。走査線SL3において
ホールH1に関する直径DIAは最大値を取り、ホールH1に
関するX軸方向の直径が確定する。また、この時の画素
アドレスLEおよび画素アドレスTEが、ホールH1に関する
開始点および終了点として登録される。
走査線SL5においては、ホールH1が認識されなくなる。
したがって、その1つ前の走査線SL4がホールH1に関す
る最終の走査線となる。最初の走査線SL1から走査線SL4
までホールH1は連続して主走査を行われる。この連続し
て主走査を行った回数LCはホールH1のY軸方向の直径に
対応する。また、ホールH1に関する走査が終了すると、
例えば最大の直径DIAを与える走査線SL上の開始点およ
び終了点の座標情報から、中心のX座標XCおよびY座標
YCも求められ、最終的にホールH1に関するデータが下記
表1のように構成される。
また同様のデータがホールH2などの他のホールについて
も生成される。さらに、再びアイドルタイムが始まる走
査線SL7の1つ前の走査線SL6において、走査線SL1と同
様にプリント基板21の端部が認識され、外形線に関する
データがすべてが得られる。
C.外形線近似処理 次に、第2図に示すプリント基板検査回路50でソフト的
に行われる外形線近似処理について説明する。第1A図は
この発明の一実施例による外形線近似処理の処理手順を
示すフローチャートである。また、第5図は、傾いた状
態で搬送されるプリント基板の走査読取りを行う様子を
示した図である。第4図に示す例においては、走査線と
プリント基板の外形線とが平行であったが、一般には第
5図に示すように傾きを有して搬送される。
第1A図のステップS11において、処理対象のプリント基
板の走査が完了したら、その中央領域を設定する。第5
図に示す例においては、イメージセンサ30の位置にある
走査線SLの下をプリント基板21の頂点Dが横切った時に
走査が始まり、頂点Bが横切った時に走査が終了する。
頂点Dから頂点Bまでのプリント基板21のY軸方向の長
さLを4分割して、L/4の長さを有する中央の2つの領
域を合わせて中央領域MAとする。傾きの角度θが極端に
大きくなければ、中央領域MA内には上辺ABおよび下辺CD
の中央部分が含まれることになる。
ステップS12では、中央領域に含まれる上辺および下辺
の各辺において、所定個数のサンプル点を設定する。第
6図は第5図に示す辺ABの中央部分を拡大して示した図
である。外形線OLは、一般に凹凸を有しており、第6図
に示す外形線OLも凹部を形成している。外形線OL上には
Y軸方向に等間隔に3個以上のサンプル点P1〜P9が設定
される。なおサンプル点P1〜P9の座標は、例えばX方向
にランレングスフォーマット化されたデータによって与
えられる。
ステップS13では、ステップS12で設定した上辺および下
辺のサンプル点を直線で近似して1次の近似外形線を求
める。第6図においては、サンプル点P1〜P9を最小二乗
法によって近似して、1次の近似外形線OL1が求められ
る。サンプル点P1〜P3,P7〜P9はほぼ真の外形線OL0上に
存在するが、サンプル点P4〜P6は凹部上にあり、プリン
ト基板21の内側方向にずれて存在する。そのため、近似
外形線OL1は真の外形線OL0よりも内側にずれて設定され
る。
ステップS14ではステップS13で設定した1次の近似外形
線を、上辺および下辺の各辺の全範囲にわたって延長す
る。第7図は第6図に示す近似外形線を延長した様子を
示す図である。
ステップS15では各辺の全範囲にわたってサンプル点を
設定し、そのサンプル点を1次の近似外形線との配置関
係に基づいて、2つのグループに分類する。第7図に示
す例においては、ある程度の大きさを有する凹部内のサ
ンプル点P4,P26などが近似外形線OL1から見てプリント
基板21の内側のグループG2に分類され、他のサンプル点
は近似外形線OL1から見てプリント基板21の外側のグル
ープG1に分類される。
ステップS16では、1次の近似外形線によって分類され
たグループの中から、より多数のサンプル点を含むグル
ープに属するサンプル点を用いて、2次の近似直線を求
める。第7図に示す例においては、サンプル点P4,P26な
どの、グループG2に含まれる真の外形線OL0から比較的
離れたサンプル点が排除される。そして、グループG1に
含まれる真の外形線OL0に比較的近いサンプル点を用い
て、2次の近似直線OL2が求められるので、真の外形線O
L0により近い近似外形線OL2が得られる。
ステップS17では、ステップS15およびステップS16に相
当する処理が所定回数(n回)行われたかどうかの判断
を行う。ステップS15およびステップS16の処理をくり返
すと、第7図のサンプル点P14などの微少な凹部にある
サンプル点も排除され、近似外形線は真の外形線OL0に
向かって収束していき、最終的には真の外形線OL0に非
常に近い図示しないn次の近似外形線OLnが得られる。
ステップS18では、以上のようにして得られたn次の近
似外形線OLnを最終的な近似外形線として、以後の処理
に用いる。
なお、凹部のサンプル点を排除する例について説明した
が、凸部のサンプル点も同様にして排除され、凹部,凸
部の両方を含む場合でも、近似外形線は真の外形線に収
束していき、充分に近い近似外形線が得られる。
以上のようにして第5図の上辺AB,下辺CDの方向性が決
定したら、次に右辺DA,左辺BCの方向性を決定する。第1
B図は右辺の位置の決定の処理手順を示すフローチャー
トであり、第1A図に示す処理の後に行われる。また、第
8図は右辺の位置の決定の様子を示す図である。
まず、第1B図のステップS21で、n近の近似外形線OLnに
よって与えられた上辺の端部付近に基準点を設定し、そ
こから上辺に垂直に仮の右辺を設定する。第8図におい
ては上辺AB上に基準点Kが設定され、そこから仮の右辺
Lが設定される。なお、第8図においてはn次の近似外
形線OLnと真の外形線OL0とは充分に近く、近似外形線OL
n上に頂点A,Bが存在するとしている。
ステップS22では、右辺上にサンプル点を設定し、その
サンプル点のそれぞれと仮の右辺との間のそれぞれの距
離を求める。第8図においては、右辺DA上にX方向に等
間隔にサンプル点Q1〜Q5を設定し、そのサンプル点Q1〜
Q5から、仮の右辺Lまでの距離d1〜d5を求める。なおサ
ンプル点の数は任意の複数である。
ステップS23では、サンプル点の中から仮の右辺までの
最大の距離を与えるサンプル点を求め基準サンプル点と
する。第8図においては、距離d2が最大なので、サンプ
ル点Q2が基準サンプル点となる。
ステップS24では、基準サンプル点を通り上辺に垂直な
直線を求め上辺との交点を新しい頂点とする。第8図に
おいては、基準サンプル点Q2を通り直線ABに垂直な直線
L1が求められる。また直線L1と直線ABとの交点A′が頂
点Aに代る新たな頂点A′として認識される。
ステップS25では、新たに求まった頂点を各直線の端点
として、上辺および右辺を再設定する。上辺および下辺
の1つの端点と方向性が確定する。第8図においては、
頂点A′が直線L1,ABの端点となり、上辺A′Bおよび
右辺A′Q2の方向性が確定する。
以上のような処理を下辺と左辺についても行い第9図に
示すように左下の頂点C′を確定する。また、右辺と下
辺の交点を頂点D′、左辺と上辺の交点を頂点B′とす
る。仮の右辺および左辺から最大距離を有するサンプル
点を基準サンプル点として右辺および左辺を決定したの
で、ほとんどの場合新たに求められた頂点A′〜D′は
元の頂点A〜Dよりも外側に位置する。このようにし
て、プリント基板の各頂点部分の丸みや各辺の凹部など
の欠落の影響を排除し、プリント基板の標準形状を正確
に復元することができる。そのため例えば、第9図に示
すようなプリント基板の外形線から所定距離d0内の領域
については、検査などの処理を行わないようにするマス
キングを正確に実行できる。
また、上辺A′B′および下辺C′D′は最小二乗法に
よって厳密に近似を行ったので、ほぼ平行となり、四角
形A′B′C′D′はほぼ長方形となる。そのため、傾
き角度θも正確に求められる。なお上辺A′B′と下辺
C′D′の傾きが異なる時には、その2つの傾き角度を
平均して角度θを求めればよい。なお、以上のようにし
て求められた角度θは、後述する比較判定処理において
用いられる。
D.比較判定処理 次に、マスターデータと実測データとの比較を行い、プ
リント基板の良否を判定する比較判定処理について説明
する。第1C図は比較判定処理の処理手順を示すフローチ
ャートであり、この処理は、第1A図および第1B図に示す
外形線近似処理を行った後に行われる。また、第10図は
比較判定処理の様子を示す図である。この処理もプリン
ト基板検査回路50で行われる。
第1C図のステップS31において、マスターデータの外形
線と前述した実測データの近似外形線との間の頂点合せ
を行う。ここでマスターデータとは、プリント基板の設
計上の外形線やスルーホール,取付穴の位置を示すもの
であり、プリント基板の標準形状および標準パターンを
与えるものである。また、マスターデータはプリント基
板検査回路50内の図示しない所定のメモリ領域に格納さ
れている。第10図においてはマスターデータの頂点A0〜
D0の中の右上の頂点A0と実測データの近似外形線の右上
の頂点A′とが一致するように近似外形線ABCDを平行移
動する。
ステップS32では、一致した頂点を中心として、傾き角
度を補正する方向に回転移動を行う。第10図において
は、頂点A′(A0)を中心として近似外形線A′B′
C′D′を傾き角度θだけ回転し、マスターデータの頂
点A0〜D0のそれぞれと頂点A′〜D′のそれぞれとが、
ほぼ一致するように実測データの座標変換を行う。
ステップS51では座標変換後の実測データのホールの位
置,形状データと、マスターデータのホールの位置,形
状データとを照合して、ホールの有無、個数および形状
の良否などを判定する。第10図においては、マスターデ
ータのホールH0に対応する実測データのホールH3が回転
により座標変換されて、ホールH0の近くに移動する。
さらに第11図に示すようにマスターデータのホールH0を
中心として、所定の長さDXを一辺とする正方形を想定
し、その中にホールH3の中心が存在すれば、ホールH0に
対応するホールが存在すると判定する。長さDXを小さく
すると判定基準が厳しくなり、対応するホールが無いと
判断される可能性が高くなる。また、長さDXを大きくす
ると判定基準が緩くなるが、隣接するホールと当該ホー
ルとを誤認する可能性が高くなる。この判定基準の設定
は処理対象のプリント基板に応じてオペレータが指定す
る。このようにして、ホールの個数がマスターデータと
実測データとで一致するかどうかの判定が行われる。さ
らに、この2つのホールH0,H3の形状を相互に比較して
ホールH3を示す実測データの半径が正常なものかどうか
の判定も行う。なお、この座標変換および比較判定につ
いては前述した表1に示す各データが用いられる。
また、ホールの個数が、実測データの方が少ない場合に
は、穴づまりや形状不良を起こしているホールの位置を
検出する。
ステップS52では、以上のようにして比較判定した結果
を出力,表示する。例えば、ホールの個数が一致しない
場合には、その不良ホールの位置をディスプレイ上に表
示する。オペレータはその位置にあるプリント基板上の
領域を実際に目視検査することにより、多数のホールの
中から簡単に不良のホールを検出することができる。
以上のように第1C図に示す処理を行えば、プリント基板
の外形線とパターンとの間の相対的位置関係のずれが小
さい時には、正確にホールに関する比較判定を行うこと
ができる。
プリント基板の外形線とパターンとの相対的位置関係の
ずれが無視できない場合や、さらに高密度のプリント基
板をより正確に比較判定したい場合などにおいては、下
記のように、さらに座標の再変換を行う。
第1D図は座標の再変換の処理手順を示すフローチャート
であり、第12図は座標の再変換の様子を示す図である。
まず、第1D図において、第1C図のステップS32までの処
理を行い、第12図に示すように頂点A′〜D′と頂点A0
〜D0をほぼ一致させておく。そして、ステップS41で、
マスターデータ上の2つのホールを特定し、対応する実
測データ上の2つのホールを、例えば前述した第11図に
示す正方形を用いて求めておく。第12図では、例えば頂
点A0に最も近いホールHAと最も遠いホールHBとがマスタ
ーデータ上で特定され、対応する実測データ上のホール
Ha,Hbが求められる。
ステップS42では、マスターデータ上で特定された2つ
のホールを結ぶ直線と、実測データ上の対応する2つの
ホールを結ぶ直線とを求める。第12図においては、ホー
ルHA,HBを結ぶ直線LAとホールHa,Hbを結ぶ直線Laが求め
られる。
ステップS43では、ステップS42で求められたマスターデ
ータ上および実測データ上での2つの直線の傾きに基づ
いてずれ角度を求める。第12図においては、Y軸方向と
直線LA,Laのそれぞれとの角度θ1を求め、ずれ角
度Δθ(=|θ−θ2|)を求める。
ステップS44では、ステップS41で特定した2つのホール
の中から1つのホールを選択して、マスターデータ上と
実測データ上でそのホールが重なるように、ステップS4
2で求めた直線の平行移動を行う。第12図においては、
ホールHaをホールHAに重ねるように直線Laを平行移動し
て直線Lbを形成する。
ステップS45では、重ね合わせたホールを中心としてず
れ角度を補正する方向に、ステップS44で求めた直線の
回転移動を行う。第12図においては、ホールHAを中心と
して直線Lbをずれ角度Δθだけ回転し、直線LAと重なる
ようにする。
以上のような処理により、直線La上のホールは直線LA上
のホールの位置に移動する。またこの平行移動および回
転移動は実測データ上の他のホールについても行われる
ので、マスターデータ上のホールの位置と実測データ上
のホールの位置とが、さらに近づく。その後、第1C図の
ステップS51を行い、同様の比較判定処理を行えば、よ
り正確な比較判定処理を行うことができる。
E.変形例 以上説明した実施例においては、凹部および凸部の両方
を排除して近似外形線を求めるために、グループ分けを
行ったが、プリント基板に切りかきなどの凹部が多数存
在する場合には、1次の近似外形線から見てプリント基
板内側のサンプル点を順次排除し、1次の近似外形線の
外側のサンプル点を用いて2次の近似外形線を求めてい
けばよい。なお、以下の処理は前述した例と同様とな
る。
また以上説明した実施例において、第1D図に示す座標の
再変換は、2つのスルーホールを用いて行ったが、スル
ーホールを用いずに、例えばプリント基板の取り付け穴
などを基準にして座標の再変換を行ってもよい。
〔発明の効果〕
以上のように、請求項1及び請求項2の検査方法並びに
請求項4の検査装置によれば、読み取られた外形線上の
3つ以上のサンプル点の位置に基づいて近似外形線が決
定されるので、プリント基板の実際の外形線の凹凸の影
響を無くして、標準形状に十分に近い近似外形線を短時
間で正確に得ることができるとともに、この近似外形線
に基づいて標準形状との間の相対的外形ずれを無くする
ように読み取られた孔の位置を変換してからプリント基
板における複数の孔の個数および位置を認識するので、
短時間で正確にプリント基板に形成された孔の個数およ
び位置の検査を行うことができる。
また、請求項3の検査方法及び請求項5の検査装置によ
れば、相対的外形ずれを無くするように予め変換された
第1および第2の実測位置と第1および第2の標準位置
との間の相対的位置ずれが求められ、この相対的位置ず
れを無くするように読み取られた孔の位置を再変換して
からプリント基板における複数の孔の個数および位置を
認識する。したがって、基板上のパターンずれによる誤
差を解消してより正確にプリント基板に形成された孔の
個数および位置の検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】 第1A図はこの発明の一実施例による外形線近似処理のフ
ローチャート、 第1B図はこの発明の一実施例による右辺設定処理のフロ
ーチャート、 第1C図はこの発明の一実施例による比較判定処理のフロ
ーチャート、 第1D図はこの発明の一実施例による座標の再変換処理の
フローチャート、 第2図はこの発明の一実施例を適用するプリント基板の
検査装置のブロック図、 第3図は第2図に示すプリント基板の検査装置の外観
図、 第4図はホールとデータの関係を示す図、 第5図は傾いたプリント基板を示す図、 第6図は辺の拡大図、 第7図は近似外形線の設定の様子を示す図、 第8図は右辺の設定の様子を示す図、 第9図はマスキング領域を示す図、 第10図は比較判定処理の様子を示す図、 第11図はホールの有無の判定の様子を示す図、 第12図は座標の再変換の様子を示す図である。 21……プリント基板、30……イメージセンサ、 50……プリント基板検査回路、 H0〜H3,HA,HB,Ha,Hb……ホール、 θ……傾き角度、P1〜P9……サンプル点、 OL1……1次の近似外形線、 OL2……2次の近似外形線、 G1,G2……グループ、Δθ……ずれ角度
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/00 Q (56)参考文献 特開 昭61−120907(JP,A) 特開 昭62−115591(JP,A) 特開 昭63−124939(JP,A) 特開 昭62−25204(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の辺によって構成される標準形状に基
    づいた外形形状を有する基板上に、標準パターンに基づ
    いた位置に複数の孔がそれぞれ設けられたプリント基板
    を検査する方法において、 (a) 前記標準形状および前記標準パターンを示すマ
    スターデータを準備する工程と、 (b) 検査されるべきプリント基板を光電走査して、
    その外形形状および複数の孔の位置をそれぞれ読み取る
    工程と、 (c) 読み取られたプリント基板の外形形状を示す外
    形線上の3つ以上のサンプル点の位置を認識する工程
    と、 (d) 認識された3つ以上のサンプル点の位置に基づ
    いて、読み取られた外形線を直線近似した近似外形線を
    求める工程と、 (e) 前記近似外形線とマスターデータの標準形状の
    これに対応する辺とに基づいて、前記標準形状と読み取
    られた外形形状との間の相対的外形ずれを求める工程
    と、 (f) 求められた相対的外形ずれに基づいて、このず
    れを無くするように、読み取られた複数の孔の位置をそ
    れぞれ変換して複数の修正位置を求める工程と、 (g) 求められた修正位置と前記標準パターンとを照
    合することにより、前記プリント基板における複数の孔
    の個数および位置を認識する工程と、 を含むことを特徴とするプリント基板の検査方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のプリント基板の検査方法で
    あって、工程(d)が、 (d−1) 認識された3つ以上のサンプル点の位置を
    最小二乗法を用いて直線近似することにより、第1次近
    似直線を求める工程と、 (d−2) 前記第1次近似直線と、読み取られた外形
    形状上の多数のサンプル点の位置とに基づいて、前記多
    数のサンプル点をより多数のサンプル点を含む第1のグ
    ループと、第1のグループに含まれるサンプル点の数よ
    り少ない数のサンプル点を含む第2のグループとに類別
    する工程と、 (d−3) 前記第1のグループに含まれるサンプル点
    の位置を直線近似することにより第2次近似直線を求め
    る工程と、 (d−4) 前記第2次近似直線に基づいて、検査され
    るべきプリント基板の外形に近似した近似外形線を求め
    る工程と、 を含むことを特徴とするプリント基板の検査方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載のプリント基板の検査方法で
    あって、工程(f)が、 (f−1) 求められた相対的外形ずれに基づいて、こ
    のずれを無くするように、読み取られた複数の孔の位置
    をそれぞれ変換して複数の第1の修正位置を求める工程
    と、 (f−2) 前記標準パターン上の所定の2つの孔を示
    す第1および第2の基準位置を特定する工程と、 (f−3) 前記複数の第1の修正位置から、特定され
    た第1および第2の基準位置に対応する第1の修正位置
    を選択してこれを第1および第2の実測位置とする工程
    と、 (f−4) 前記第1および第2の実測位置と前記第1
    および第2の基準位置との間の相対的位置ずれを求める
    工程と、 (f−5) 前記相対的位置ずれに基づいて、このずれ
    を無くするように、前記第1の修正位置をそれぞれ変換
    して対応する第2の修正位置をそれぞれ求める工程と、 を有するとともに、 工程(g)が、求められた第2の修正位置と前記標準パ
    ターンとを照合することにより、前記プリント基板にお
    ける複数の孔の個数および位置を認識する工程を含むこ
    とを特徴とするプリント基板の検査方法。
  4. 【請求項4】複数の辺によって構成される標準形状に基
    づいた外形形状を有する基板上に、標準パターンに基づ
    いた位置に複数の孔がそれぞれ設けられたプリント基板
    を検査する装置において、 (a) 前記標準形状および標準パターンを示すマスタ
    ーデータを記憶する手段と、 (b) 検査されるべきプリント基板を光電走査して、
    その外形形状および複数の孔の位置をそれぞれ読み取る
    光電変換手段と、 (c) 読み取られたプリント基板の外形形状を示す外
    形線上の3つ以上のサンプル点の位置を認識するサンプ
    ル手段と、 (d) 認識された3つ以上のサンプル点の位置に基づ
    いて、前記外形線を直線近似した近似外形線を求める直
    線近似手段と、 (e) 前記近似外形線とマスターデータの標準形状の
    これに対応する辺とに基づいて、前記標準形状と読み取
    られたプリント基板の外形形状との間の相対的外形ずれ
    を求める外形ずれ決定手段と、 (f) 求められた相対的外形ずれに基づいて、このず
    れを無くするように、読み取られた複数の孔の位置をそ
    れぞれ変換して複数の修正位置を求める修正手段と、 (g) 求められた修正位置と前記標準パターンとを照
    合することにより、前記プリント基板における複数の孔
    の個数および位置を認識する認識手段と、 を含むことを特徴とするプリント基板の検査装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載のプリント基板の検査装置に
    おいて、修正手段(f)が、 (f−1) 求められた相対的外形ずれに基づいて、こ
    のずれを無くするように、読み取られた複数の孔の位置
    をそれぞれ変換して複数の第1の修正位置を求める手段
    と、 (f−2) 前記標準パターン上の所定の2つの孔を示
    す第1および第2の基準位置を特定する手段と、 (f−3) 前記複数の第1の修正位置から、特定され
    た第1および第2の基準位置に対応する第1の修正位置
    を選択してこれを第1および第2の実測位置とする手段
    と、 (f−4) 前記第1および第2の実測位置と前記第1
    および第2の基準位置との間の相対的位置ずれを求める
    手段と、 (f−5) 前記相対的位置ずれに基づいて、このずれ
    を無くするように、前記第1の修正位置をそれぞれ変換
    して対応する第2の修正位置をそれぞれ求める手段と、 を有するとともに、 認識手段(g)が、求められた第2の修正位置と前記標
    準パターンとを照合することにより、前記プリント基板
    における複数の孔の個数および位置を認識する手段を含
    むことを特徴とするプリント基板の検査装置。
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