JPH0749864B2 - 自動給湯装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、温水器本体の温水を温度調節して浴槽等に
供給する自動給湯装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来の給湯装置では、混合比率可変の混合バルブを使用
して、温水器本体で加熱した温水と水とを適切な比率で
混合して所望の温度の温水を供給する構成を備えてお
り、そして浴槽等の温水温度を上昇させる或は温水を増
すために温水を追加供給（以下 差し湯という）すると
きは、混合比率を手動により調節して供給温水の温度を
加減し、浴槽内の温水が所望温度となるように差し湯を
していたが、面倒であり差し湯のできる自動給湯装置が
望まれていた。

この種の従来の自動給湯装置では、希望する浴槽内温水
温度を入力設定し、制御装置はこの設定温度に対して一
定の温度を加算した温度の温水を供給して、浴槽内の温
水温度が希望する温度に近くなるよう差し湯する構成と
なっていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、従来の自動給湯装置では、設定温度を変
更しても受付ずそのまま給湯を続けるので一旦給湯を停
止し、改ためて給湯または差し湯の設定をしなければな
らず面倒であった。

また、設定温度に対して、一定温度だけ加算した高い温
度の差し湯をするために、加算温度が小さいときは浴槽
内が設定温度にならなかったり希望温度の温水となるま
でに時間がかかり過るといった問題があり、また加算温
度が大き過ると浴槽内が設定した希望温度より高温とな
ってしまう問題があった。特に冬期に浴槽や配管等が過
度に冷却していたりあるいは残湯が多量にあるときなど
浴槽内が適温となるように差し湯することは困難であっ
た。

この発明は、上記従来技術の問題点を解消するために成
されたもので、温湯槽内の温水の到達温度を設定して差
し湯中に設定温度の変更が可能な自動給湯装置を提供す
ることを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

このため、この発明に係る自動給湯装置は、温水器本体
からの温水と該温水の温度より低温の水とを混合する混
合比率可変の混合バルブと、前記混合された温水の供給
を受ける温湯槽中の温水の温度を検出するセンサと、前
記温湯槽中の温水の到達温度を設定し前記センサからの
情報に基づき前記混合バルブの混合比率を変更して供給
する温水の温度制御を行う制御手段とを備えた自動給湯
装置であって、前記制御手段は到達温度を設定して差し
湯を実施中に設定温度を変更したとき新設定温度が温湯
槽中の温水温度よい高いときは新設定温度より高い温度
の温水を供給し温湯槽中の温水が新設定温度に到達した
とき温水の供給を停止する制御を、そして新設定温度が
温湯槽中の温水温度以下のときは給湯を停止する制御を
行うことを特徴とする構成によって前記の目的を達成し
ようとするものである。

〔作用〕

以上の構成により、温水器本体で加熱し温度上昇した温
水は、制御装置の制御のもとに混合比率可変の混合バル
ブによって水と混合して所望の温度の温湯とし外部に供
給することができる。

制御装置は給湯する浴槽等の温湯槽中の温水の到達温度
を設定することができ、温水の供給を受ける温湯槽中の
温水の温度を検出する温度センサからの情報に基き前記
混合バルブの混合比率を変更して供給する温水の温度制
御を行う。

そして、到達温度を設定して差し湯を実施中に設定温度
を変更したとき、制御手段は新設定温度が温湯槽中の温
水温度より高いときは新設定温度より高い温度の温水を
供給して温湯槽中の温水が新設定温度に到達したとき温
水の供給を停止する制御を行ない、また新設定温度が温
湯槽中の温水温度以下のときは給湯を停止する制御を行
うことにより、差し湯を実行中に設定温度を変更して、
温湯槽中の温水を希望する新設定温度とする。

〔実施例〕

以下、この発明に係る自動給湯装置を実施例により説明
する。

第１図は、この発明の一実施例の構成を示す要部ブロッ
ク図である。同図を参照して実施例の構成と動作を併せ
て説明する。

温水器本体１は第１の温水器本体1aと第２の温水器本体
1bとよりなり、給水栓２より水道水を取入れ第１の温水
器本体1aの内部下方に給水する。第１の温水器本体1aが
満水状態になると給水は第１の温水器本体1aの上部から
第２の温水器本体1bの下部に入り、第２の温水器本体1b
も満水状態になる。

そして、第１および第２の温水器本体1a,1bの内部の比
較的下部に取付けた電熱ヒータ3a,3bに通電して温水器
本体1a,1b内の給水を加熱し、設定した温度たとえば88
℃あるいは65℃まで沸かして温水器本体1a,1b内部に貯
溜する。

外部への給湯は第２の温水器本体1bの上部から取出さ
れ、取出された温水の量だけの水道水が自動的に給水栓
２より前記のようにして温水器本体1a,1b内に圧送され
て常に満水状態が保たれる。

温水器本体1a,1bの上部には残湯検出用のセンサ4a,4bが
取付けてあり、温水器本体内の比較的上部の温水の温度
を検出できるようになっている。また温水器本体1a,1b
の下部には温度制御用のセンサ5a,5bが取付けてあり、
温水器本体内の比較的下部の温水の温度を検出できるよ
うになっている。

外部への給湯ラインは、温水器本体１で沸かした高温度
の温水を直接給湯する高温湯ライン６が第２の温水器本
体1bから所要の個所に配管される。そして、温水器本体
１で沸かした高温の温水を直接でなく例えば42℃の一定
温度の温水を浴槽等の温湯槽７に供給する自動給湯ライ
ン13が準備されており、高温湯ライン６からの高温の温
水と給水栓２からの水道水とを混合して所定の温度の温
水を得る混合比率可変の混合バルブ８が備えてあり、混
合された温水は温水供給路を開閉する電動弁９を経由し
てシスターン10に一旦受け入れられる。シスターン10は
混合した温水の温水器本体側への逆流を防止等のために
必要とするもので内部の水位を検知する複数のセンサ14
が設けてある。

そしてシスターン10からは給湯ポンプ11により圧送し、
開度可変の流量調整弁12を経由して自動給湯ライン13に
よって温湯槽７等に給湯できるようになっている。

温湯槽７には、槽内の温水レベル、温水温度を検出する
センサ14が設置してある。

制御装置15は、温水器本体１での給水の沸きあげ温度、
自動給湯ライン13から給湯する温湯槽７内の温水温度お
よび同給湯量等の設定と上記の各種弁・バルブ、ポン
プ、電熱ヒータ等を制御してその実行、および表示信号
の出力を行う構成となっている。そして、制御装置15の
主操作リモートコントロール装置16から行う前記設定操
作と表示に加えて、風呂場等の給湯を受る場所からも設
定操作が行える現場リモートコントロール装置17が付属
している。なお18は制御装置15の制御基板であり演算処
理装置（CPU）および記憶装置が組込んである。

電熱ヒータ3a,3bへの給電設備として、200V商用電源が
引込まれており、計時装置19、積層電力計20を経由して
接続され制御装置15の制御のもとに時間計測されながら
オン・オフされる。

また制御用には100V電源が制御装置15に接続されてい
る。そして各センサ・各操作制御部およびリモートコン
トロール装置16,17と制御装置15との間には信号伝送路2
1が接続されて制御用の電気信号あるいは光信号等が伝
送される構成となっている。

上記の構成により、主操作リモートコントロール装置16
または現場リモートコントロール装置17によって温水器
本体１内の温水温度、給湯する温湯槽７内の温水の到達
温度、給湯量の設定をし、制御装置15によって設定値と
各関連のセンサからの情報に基いて自動制御を行い所望
の給湯を実施する。

なお、制御装置15は前記温湯槽内温水の到達温度を設定
し温湯槽中の温水温度を検出するセンサ14からの情報に
基き混合比率可変の混合バルブ８の混合比率を制御し自
動給湯ライン13を経由して温湯槽７に給湯する温水の温
度制御を行う制御手段でもある。

次に、この実施例の特徴ある制御について第２図のフロ
ーチャートを参照して説明する。

第２図は、温湯槽７である浴槽等内に温度設定して差し
湯を実行中に設定温度を変更したとき、温湯槽内の温水
が所望の新設定温度になるよう差し湯の制御を行うフロ
ーチャートである。

まずステップS1で温湯槽７内に差し湯して温度上昇させ
る到達温度T1が入力設定されると、ステップS2で別途準
備されたサブルーチンにより給湯開始する。そしてステ
ップS3で供給する温水温度T0は温湯槽７中の温水の到達
設定温度T1にα℃加算した温度となるよう混合バルブ８
の混合比率を制御して給湯する。

ステップS4で設定温度T1が変更されていないか確認し変
更なければステップS5に進みセンサ14が検出した温湯槽
７中の温水温度T2と設定温度T1とを比較し、温水温度T2
がまだ設定温度T1になっていなければステップS4に戻り
前記ルーチンを繰返し、温湯槽７中の温水温度T2が設定
温度T1になったときステップS8に進みサブルーチンによ
り給湯停止して差し湯を終了する。

ステップS4で設定温度T1が変更されていればステップS6
に進み新設定温度T1が温湯槽中の温水温度T2と比較し、
新設定温度T1が温湯槽の温水温度T2より高ければステッ
プS7に進み、新設定温度T1にα℃加算した温度となるよ
う混合バルブ８の混合比率は制御されて給湯され、ステ
ップS5に進み前記制御が繰返し実行する。

なお、ステップS6で新設定温度T1が温湯槽中の温水温度
T2以下のときはステップS8に進み給湯停止制御を行う。

なお各αの値は設備に好適な温度を決定し設定するもの
である。

上記の制御により、温湯槽中の温水の到達温度を設定し
て差し湯を実行中であっても、設定温度を変更して温湯
槽中の温水を新設定温度に容易にできる差し湯が可能と
なる。

なお、新設定温度が温湯槽中の温水の温度以下のときは
給湯を停止して無駄な差し湯を防止することができる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、この発明によれば、通常の温湯供
給制御により設定温度、設定量の自動給湯ができ、そし
て、温水器本体で加熱し温度上昇した温水は、制御装置
の制御のもとに混合比率可変の混合バルブによって水と
混合して所望の温度の温湯とし外部に供給することがで
きる。

温湯槽中の温水の到達温度を設定して差し湯を実行中で
あっても、設定温度を変更して温湯槽中の温水を新設定
温度に容易にできる差し湯が可能な、また新設定温度が
温湯槽中の温水の温度以下のときは給湯を停止して無駄
な差し湯を防止する自動給湯装置を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の構成を示す要部ブロック
図、第２図は上記実施例の特徴ある制御を示すフローチ
ャートである。 1,（1a,1b）……温水器本体 ２……給水栓 3a,3b……電気ヒータ 4a,4b……残湯検出用のセンサ 5a,5b……温度制御用のセンサ ６……高温湯ライン ７……温湯槽 ８……混合バルブ ９……電動弁 10……シスターン 11……給湯ポンプ 12……流量調整弁 13……自動給湯ライン 14……センサ 15……制御装置 16……主操作リモートコントロール装置 17……現場リモートコントロール装置 18……制御基板 19……計時装置（受電設備） 20……積算電力計（受電設備） 21……信号伝送路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】温水器本体からの温水と該温水の温度より
   低温の水とを混合する混合比率可変の混合バルブと、前
   記混合された温水の供給を受ける温湯槽中の温水の温度
   を検出するセンサと、前記温湯槽中の温水の到達温度を
   設定し前記センサからの情報に基づき前記混合バルブの
   混合比率を変更して供給する温水の温度制御を行う制御
   手段とを備えた自動給湯装置であって、前記制御手段は
   到達温度を設定して差し湯を実施中に設定温度を変更し
   たとき新設定温度が温湯槽中の温水温度より高いときは
   新設定温度より高い温度の温水を供給し温湯槽中の温水
   が新設定温度に到達したとき温水の供給を停止する制御
   を、そして新設定温度が温湯槽中の温水温度以下のとき
   は給湯を停止する制御を行うことを特徴とする自動給湯
   装置。