JPH0749719B2 - 建屋の天井作業車と建屋の天井作業工法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、発電所などの天井クレーンを有する建屋にお
いて、天井および天井部鉄骨材の点検、補修、塗装や漏
水工事、照明工事などのあらゆる天井作業に適用される
建屋の天井作業車と建屋の天井作業工法に関するもので
ある。

「従来の技術」 従来の発電所の天井作業時は、建屋床面から作業必要箇
所まで仮設足場を組み、あるいは天井クレーンのガーダ
上に仮設足場を組んで、仮設足場から各種天井作業を行
っていた。

「発明が解決しようとする課題」 従来の天井作業工法では仮設足場を組んだり、解体した
りするのに多大な労力を費やしていた。また、高所の仮
設足場上での作業であるため安全上の問題も多かった。

「作用」 天井作業車はガーダ上を自走可能で、その作業床は昇降
且つ横行自在で、任意の天井面での各種作業を可能とす
る。

天井作業車はガーダ上に据えつけて、天井作業車および
天井クレーンの移動により、各種天井作業を行う。

「実施例」 以下本発明を添付する図面に示す具体的実施例に基づい
て詳細に説明する。

発電所などの天井クレーンを有する建屋は、第１図に示
すように、建屋内の適宜高さに水平状の走行レール１が
対向して配置され、この走行レール１上にガーダ２を架
設し移動自在に設け、さらにガーダ２上を吊り下げワイ
ヤ（図示せず）を垂下するクラブトロリ３を移動自在に
設けてある。このようにしてなる天井クレーン４で重量
物を移動させる際は、吊り下げワイヤに重量物を吊り下
げてクラブトロリ３をガーダ２上で移動させ、さらにガ
ーダ２を走行レール１上で移動させて所要箇所間を移動
させている。

なお、建屋には建屋の補強のため、第５図（ａ）に示す
ように、ガーダ２よりやや上方に鉄骨５が所定の間隔で
ガーダ２に直交状に配置してある。なお、第５図（ｂ）
に全体の概要が分かるように斜視図で示す。

このガーダ２上に本発明の天井作業車６を自走可能と
し、その作業床７を昇降且つ横行自在に設けたものであ
る。天井作業車６を自走可能とするのは、作業時必要箇
所に移動できるようにするもので、また、作業床７を上
昇させるのは上下方向の作業の必要性に応じて移動さ
せ、横行可能としたのは上下方向の所定高さの状態で横
行させるためであり、さらに、下降させるのは、作業の
ため上昇した作業床７をガーダ２よりやや上方に配置し
てある鉄骨５に干渉しないようにするためである。

天井作業車６は、第６図に全体の概要を示すように、ガ
ーダ２上の横行レール上に載置される車台11と、天井作
業のため作業者が乗る作業床７と、作業床７を車台11に
対して昇降させるパンタグラフ状の昇降アーム13と、昇
降アーム13を作動させる油圧シリンダ14とよりなる。油
圧シリンダ14の基端は車台11に枢着し、シリンダロッド
８の先端は昇降アーム13のリンク９に作動可能なるよう
にピン結合し、さらに他の油圧シリンダ15の基端を昇降
アーム13の前記リンク９より上段のリンク16に枢着しシ
リンダロッド12先端を作業床７にピン結合している。

この天井作業車６の作業床７は、油圧シリンダ14・15の
シリンダロッド８・12を伸長あるいは収縮させ、昇降ア
ーム13のパンタグラフ作用により昇降する。

次に、この天井作業車６の作業床７の横行について詳細
に述べる。作業床７は第７図および第８図に詳細に示し
てあるように、昇降アーム13の上端に水平状に配置した
スライドベース21に油圧シリンダ22を介して設ける。す
なわち、平行に配置したガイドレール24の一端をブラケ
ット23で連結してなるスライドベース21のブラケット23
の中央に、ガイドレール24間に位置するように水平状に
して油圧シリンダ22のシロンダロッド25先端を固着し、
油圧シリンダ22のシリンダ部26中央部にシリンダ26と直
交状に回転軸27を固着し、回転軸27の両端部分にそれぞ
れローラ28とシーブ29とを設ける。ローラ28はスライド
ベース21のガイドレール24上を回転・移動する。天井作
業者が乗る作業床７を、スライドベース21上に組付け、
図に向かって右端下部のブラケット31に左移動用ワイヤ
32の一端を固着して前記シーブ29に掛けまわして左移動
用ワイヤ32の他端をガイドレール24の右端上部のブラケ
ット33に固着する。作業床７の左端下部のブラケット34
に右移動用ワイヤ35の一端を固着してシーブ29に掛けま
わして右移動用ワイヤ35の他端をガイドレール24の左端
上部のブラケット36に固着する。

作業床７の中立状態は第９図に示すとおりである。

作業床７を左側に張り出し横行させる時は、油圧シリン
ダ22を伸張させると、第10図示すように、油圧シリンダ
22のローラ28はガイドレール24上を転動し、左方へ移動
する。この際、左移動用ワイヤ32はその一端を作業床７
の右端下部のブラケット31に固着してシーブ29に掛けま
わして左移動用ワイヤ32の他端はガイドレール24の右端
上部のブラケット33に固着してあるため、油圧シリンダ
22の移動長さの２倍作業床７は左方へ移動する。

次に、作業床７を右側に張り出し横行させる時は、油圧
シリンダ22を収縮させると、第11図に示すように、油圧
シリンダ22のローラ28はガイドレール24上を右方へ移動
する。この際、右移動用ワイヤ35はその一端を作業床７
の左端下部のブラケット34に固着してシーブ29に掛けま
わして他端をガイドレール24の左端上部のブラケット36
に固着してあるため、油圧シリンダ22の移動長さの２倍
右方へ移動する。

次に、上記の天井作業車６を用いて作業する建屋の天井
作業工法について第１図から第５図に基づいて説明す
る。

まず、第１図に示すように、建屋の開口部（オープンシ
ャッター）から天井作業車６をトラック41に乗せて搬入
し、天井作業車６を建屋床面上に吊り下ろす。

次に、第２図に示すように、天井クレーン建屋開口部上
に天井クレーン４を移動した後、建屋内に移動式クレー
ン車42を据え付け、天井クレーン４のガーダ２間に移動
式クレーン車42のブーム43を延ばして天井作業車６を吊
り下げる。

第３図に示すように、移動式クレーン車42で天井作業車
６を吊り上げ、ガーダ２上を天井作業車６が越したの
ち、天井作業車６を、第４図に示すように90度回転させ
る。

その後、第５図（ａ）に示すように、天井クレーンのガ
ーダ２の横行レール上に天井作業車６を据え付ける。

第５図（ａ）に示すように、作業したい天井スパンに天
井クレーンにより天井作業車６を移動させ、所定の位置
が決まれば天井作業車６を上昇させる。

なお、第５図（ｂ）に天井作業車６およびその近傍の全
体の概要の斜視図を示す。

「発明の効果」 本発明は、従来の天井作業工法では仮設足場を組んだ
り、解体したりするのに多大な労力を費やしていたが、
天井作業車によって仮設足場を設ける必要がなくなり、
労力の節約となる。また、従来は、高所の仮設足場上で
の作業であるため安全上の問題も多かったが、天井作業
車によるため作業が安全となる。

【図面の簡単な説明】

第１〜５図は天井作業車による天井作業要領を示す図
で、第１図は天井作業車のトラックによる搬入を示す正
面図、第２図は移動式クレーン車の据え付けを示す正面
図、第３図は天井作業車の吊り上げた状態を示す正面
図、第４図は第３図のIII−III矢視図で天井作業車を90
度回転する状態を示す図、第５図（ａ）は天井作業車に
よる天井作業を示す側面図、第５図（ｂ）は全体の概要
を示す斜視図、第６図は天井作業車の全体の概要を示す
正面図、第７図は天井作業車の要部の正面図、第８図は
第７図の平面図、第９図は中立状態の要部の正面図、第
10図は作業床左移動時の要部の正面図、第11図は作業床
右移動時の要部の正面図である。 １……走行レール ２……ガーダ ４……天井クレーン ６……天井作業車 ７……作業床

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−228570（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−230862（ＪＰ，Ａ) 実願昭46−58157号（実開昭48−15731 号）の願書に添付した明細書及び図面の内 容を撮影したマイクロフィルム（ＪＰ, Ｕ)

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】建屋内の適宜高さに対向して水平状に配置
   した走行レール１と、走行レール１上に移動自在に架設
   したガーダ２と、ガーダ２上を移動自在に設けたクラブ
   トロリ３とよりなる天井クレーン４において、ガーダ２
   上に自走可能で作業床７を昇降且つ横行自在とした天井
   作業車６を設けてなる建屋の天井作業車。
2. 【請求項２】建屋内の適宜高さに対向して水平状に配置
   した走行レール１と、走行レール１上に移動自在に架設
   したガーダ２と、ガーダ２上を移動自在に設けたクラブ
   トロリ３とよりなる天井クレーン４において、ガーダ２
   上に、自走可能で作業床７を昇降且つ横行自在とした天
   井作業車６を据えつけて、天井作業車６および天井クレ
   ーン４の移動により、各種天井作業を行うようにした建
   屋の天井作業工法。