JPH0749410B2 - 3,3−ジクロロアクリロニトリルの製造方法 - Google Patents

3,3−ジクロロアクリロニトリルの製造方法

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JPH0749410B2
JPH0749410B2 JP11624688A JP11624688A JPH0749410B2 JP H0749410 B2 JPH0749410 B2 JP H0749410B2 JP 11624688 A JP11624688 A JP 11624688A JP 11624688 A JP11624688 A JP 11624688A JP H0749410 B2 JPH0749410 B2 JP H0749410B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新規な3,3−ジクロロアクリロニトリルの製
造方法に関する。
(従来の技術) 3,3−ジクロロアクリロニトリルは、例えば5−アミノ
−1Hピラゾール化合物の合成に用いられるが、5−アミ
ノ−1Hピラゾール化合物は銀塩カラー写真用カプラーで
あるピラゾロトリアゾール誘導体(例えば米国特許第4,
540,654号)の合成の中間体として重要である。
従来、この3,3−ジクロロアクリロニトリルの製造方法
としては2−アセトキシ−3,3,3−トリクロロプロピオ
ニトリルを還元して製造する方法は知られていた(テト
ラヘドロン23巻の1145ページ(1967年発行))。ここで
はテトラヒドロフランを溶媒として使用していたが、収
率が低くまた生成物の分離も煩雑な蒸留等を必要とす
る。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、3,3−ジクロロアクリロニトリルを高収率で
得ることができ、かつ、その生成物の単離を簡便な操作
で行うことができる製造方法を提供することを目的とす
る。
(課題を解決するための手段) 本発明の上記目的は下記一般式(I)で表わされる3,3,
3−トリクロロプロピオニトリル誘導体を水性溶媒及び
水と非混和性の有機溶媒からなる二相溶媒系において還
元することを特徴とする3,3−ジクロロアクリロニトリ
ルの製造方法により達成された。
一般式(I) (式中、R1−O−SO2−R2又はハロゲン原子を表わし、R2、R3は水素原子、アルキ
ル基又はアリール基を表わす。R2とR3は同じでも異なっ
ていてもよい。) ここで水性溶媒とは、水又は水を主成分とする溶媒をい
う。また水と非混和性の有機溶媒とは20℃において100g
の水に対する溶解度が重量で20g以下のものであり、具
体的には塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,
2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のカルボン酸エステル、ベンゼン、ト
ルエン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、イソブ
チルメチルエーテル等のエーテル類等であり、好ましく
は塩化メチレン、酢酸エチルである。
これらの有機溶媒の少なくとも1種と水性溶媒とを容量
比で通常1:10〜50:1の比率で、好ましくは1:3〜5:1の比
率で使用する。
また、還元剤としては鉄、亜鉛、塩化クロム(II)、塩
化すず(II)等金属、又は低原子価金属の化合物の還元
剤やトリエチルホスファイト等リン化合物、亜硫酸ナト
リウム、亜硫酸水素ナトリウム等広く無機還元剤一般で
あるが好ましくは亜鉛、鉄である。
また、反応温度は0℃から150℃の範囲が好ましく、よ
り好ましくは25℃〜100℃の範囲である。反応時間は10
分から10時間の範囲が好ましいが、より好ましくは30分
から3時間の範囲である。
また、3,3,3−トリクロロプロピオニトリル誘導体に対
し水性溶媒を容量で0.1〜10倍、水と非混和性の有機溶
媒を0.5〜30倍、還元剤を1〜5当量用いて行うのが好
ましく、より好ましくは3,3,3−トリクロロプロピオニ
トリル誘導体に対し、水性溶媒を0.5〜3倍、水と非混
和性の有機溶媒を容量で1〜5倍、還元剤を1〜3当量
用いて行う。
本発明において上記の二相溶媒系で撹拌下で反応を行わ
せ、反応終了後分液して有機溶媒相から目的の3,3−ジ
クロロアクリロニトリルを得ることができる。
(発明の効果) 本発明方法によれば、煩雑な蒸留等の操作を必要とせず
反応溶液相の分液によって目的の3,3−ジクロロアクリ
ロニトリルを単離することができ、しかもこの目的化合
物を高収率で合成することができる。
(実施例) 次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。
実施例1 水530mlに亜鉛末208gを加え、室温で撹拌した。ここへ
酢酸19mlを加え10分間撹拌した後、塩化メチレン1.1
を加えて加熱還流下にて撹拌した。ここへ2−アセトキ
シ−3,3,3−トリクロロプロピオニトリル530gを、還流
を続けながら15分かけて滴下し、その後1時間、加熱還
流下、撹拌した。反応系を30℃まで放冷した後、ろ過、
分液操作を行った。ここで得られた塩化メチレン層と、
水層を300mlの塩化メチレンで抽出した抽出液を一緒に
し、500mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。乾燥有機相から、常圧で塩化メチレンを留
去した後、蒸留し、目的とする3,3−ジクロロアクリロ
ニトリルを278g得た(収率89%)。沸点;139〜142℃NMR
(CDCl3):δ=5.96(S.1H) テトラヘドロン23巻の1145ページ(1967年発行)には、
テトラヒドロフランだけを溶媒として61%の収率が記載
されているが、上記の結果より本発明の方法を用いた方
が高収率であり、かつ、蒸留後の残留物が少なく、操作
上有利であることがわかる。
なお、ここで用いた原料の2−アセトキシ−3,3,3−ト
リクロロプロピオニトリルはクロラールからヘミツシェ
・ベリヒテ第10巻の1058ページ(1877年発行)記載の方
法を参考にして得たクロラールシアノヒドリンを無水酢
酸還流下へ滴下することにより合成したものである。
実施例2 水200mlに還元鉄78gを加え、室温で撹拌した。ここへ酢
酸8mlを加え10分間撹拌した後酢酸エチル400mlを加えて
加熱還流下、撹拌した。ここへ2−ベンゾイルオキシ−
3,3,3−トリクロロプロピオニトリル139gを還流を続け
ながら15分かけて滴下し、その後1時間加熱還流下撹拌
した。反応系を30℃まで放冷した後ろ過、分液操作を行
った。ここで得られた酢酸エチル層と水層を150mlの酢
酸エチルで抽出した抽出液を一緒にし、250mlの水で2
回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥有
機層から常圧で酢酸エチルを留去した後、蒸留し、目的
とする3,3−ジクロロアクリロニトリルを44.0g得た(収
率72%)。
なお、原料として用いた2−ベンゾイルオキシ−3,3,3
−トリクロロプロピオニトリルは前述のクロラールシア
ノヒドリンを無水安息香酸と反応させて得た。
実施例3 水200mlに亜鉛末45.8gを加え、室温で撹拌した。ここへ
酢酸5mlを加え、10分間撹拌した後、塩化メチレン400ml
を加えて加熱還流下で撹拌した。
ここへ2−チオアセチルオキシ−3,3,3−トリクロロプ
ロピオニトリル116gを還流を続けながら滴下し、その後
1時間、加熱還流下撹拌した。反応系を30℃まで放冷し
た後、ろ過、分液操作を行った。ここで得られた塩化メ
チレン層と、水層を150mlの塩化メチレンで抽出した抽
出液を一緒にし200mlの水で2回洗浄した後無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。乾燥有機相から、常圧で塩化メチ
レンを留去した後、蒸留し、目的とする3,3−ジクロロ
アクリロニトリルを52.4g(収率86%)得た。
なお原料として用いた2−チオアセチルオキシ−3,3,3
−トリクロロプロピオニトリルは前述のクロラールシア
ノヒドリンをチオ酢酸クロリドと反応させて得た。
実施例4 水200mlに亜鉛末45.8gを加えて室温で撹拌した。ここへ
酢酸5mlを加え10分間撹拌した後、塩化メチレン400mlを
加えて、加熱還流下にて撹拌した。さらにここへ2−メ
タンスルホニルオキシ−3,3,3−トリクロロプロピオニ
トリル126gを、還流を続けながら滴下し、その後1時間
加熱還流下、撹拌した。反応系を30℃まで放冷した後ろ
過、分液操作を行った。ここで得られた塩化メチレン層
と水層を100mlの塩化メチレンで抽出した抽出液を一緒
にし、200mlの水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。乾燥有機相から常圧で塩化メチレンを留
去した後、蒸留し、目的とする3,3−ジクロロアクリロ
ニトリルを47.0g得た(収率77%)。
なお原料として用いた2−メタンスルホニルオキシ−3,
3,3−トリクロロプロピオニトリルは前述のクロラール
シアノヒドリンを無水メタンスルホン酸と反応させて得
た。
実施例5 水300mlに亜鉛末45.8gを加え、室温で撹拌した。ここへ
酢酸5mlを加え、10分間撹拌の後塩化メチレン600mlを加
えて加熱還流下で撹拌した。ここへ1−シアノ−2,2,2
−トリクロロエチル−ジエチルホスフェート155gを還流
を続けながら滴下し、その後1時間加熱還流下、撹拌し
た。反応系を30℃まで放冷した後、ろ過、分液操作を行
った。ここで得られた塩化メチレン層と、水層を150ml
の塩化メチレンで抽出した抽出液を一緒にし、300mlの
水で2回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
乾燥有機相から常圧で塩化メチレンを留去した後、蒸留
し、目的とする3,3−ジクロロアクリロニトリルを40.1g
(収率66%)得た。
なお原料として用いた1−シアノ−2,2,2−トリクロロ
エチル−ジエチルホスフェートは前述のクロラールシア
ノヒドリンをクロロリン酸ジエチルと反応させて得た。
実施例6 水200mlに亜鉛末45.8gを加え、室温で撹拌した。ここへ
酢酸5mlを加えて10分間撹拌した後塩化メチレン400mlを
加えて加熱還流下で撹拌した。ここへ2,3,3,3−テトラ
クロロプロピオニトリル96.5gを還流を続けながら滴下
し、その後1時間加熱還流下で撹拌した。反応系を30℃
まで放冷した後ろ過、分液操作を行った。ここで得られ
た塩化メチレン層と、水層を150mlの塩化メチレンで抽
出した抽出液を一緒にし200mlの水で2回洗浄した後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥した有機相から常
圧で塩化メチレンを留去した後、蒸留し、目的とする3,
3−ジクロロアクリロニトリルを51.8g(収率85%)得
た。
なお原料として用いた2,3,3,3−テトラクロロプロピオ
ニトリルは前述のクロラールシアノヒドリンを塩化チオ
ニルと反応させて得た。
参考例 本発明で得られた3,3−ジクロロアクロリニトリルを用
いて3,3−ビス(2−メトキシフェノキシ)アクリロニ
トリルを以下の処方にて合成した。
N,N−ジメチルホルムアミド1.4に炭酸カリウム712gを
加えて室温下撹拌した。ここへグアヤコール519gを滴下
し、続けて内温を30℃以下保ちながら3,3−ジクロロア
クリロニトリル209gを15分かけて滴下した。内温を30℃
以下で30分撹拌した後、90℃に加熱して3時間撹拌し
た。その後水冷にて30℃まで冷却した後、ここへ水4.2
をゆっくり加え、そのまま30分撹拌した。生じた結晶
をろ取して水洗した後乾燥した。これをアセトニトリル
で再結晶したところ、目的の3,3−ビス(2−メトキシ
フェノキシ)アクリロニトリルを450g得た(収率88
%)。融点115.7℃ NMR(CDCl3):δ=6.8〜7.4(m.8H)、3.93(S.3H)、
3.83(S.3H)、3.60(S.1H)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で表わされる3,3,3−ト
    リクロロプロピオニトリル誘導体を水性溶媒及び水と非
    混和性の有機溶媒の二相溶媒系において還元することを
    特徴とする3,3−ジクロロアクリロニトリルの製造方
    法。 一般式(I) (式中、R1−O−SO2−R2又はハロゲン原子を表わし、R2、R3は水素原子、アルキ
    ル基又はアリール基を表わす。R2とR3は同じでも異なっ
    ていてもよい。)
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