JPH0749283Y2 - 加熱調理機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、トースタ機能、オーブン機能、グリル機能等
を適宜備えたレンジの他、電気オーブン、オーブントー
スタ等のキャビネット内の一側方側に片寄せて調理室が
設けられ、前記調理室内を加熱する放熱部材が前記調理
室の室壁を構成する隔壁に設けられている加熱調理機に
関する。

〔従来の技術〕

この種の加熱調理機は、操作機構や加熱用電源部等をキ
ャビネット内に空間効率良く集約して配設する必要上、
調理室がキャビネット内の一側方側に片寄せて設けられ
ているものが一般的である。このような加熱調理機にお
いて、従来では、前記放熱部材がその放熱量を調理室の
中央位置に対してほぼ対称に等分布させる状態で設けら
れていた。

〔考案が解決しようとする課題〕 この為、前記放熱部材で被調理物を加熱する際、調理室
内の雰囲気温度が前記片寄らせた一側方側ほど上昇し易
く、被調理物に加熱むらが生じ易い欠点がある。

つまり、調理室がキャビネット内の一側方側に片寄せて
設けられており、調理機全体の熱容量分布が調理室を挟
んで前記一側方側よりも操作機構や加熱用電源部等が配
設されている他側方側の方が大きいから、この他側方側
では放熱部材からの熱が希釈され易く、雰囲気温度が上
昇しにくいからである。

本考案は上記実情に着目して為されたものであって、放
熱部材からの放熱量分布を工夫することにより、被調理
物に加熱むらが生じにくい加熱調理機を提供することを
目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成する為の本考案の特徴構成は、キャビネ
ット内に、調理室と加熱制御室とが並設されているとと
もに、前記調理室内を加熱する放熱部材が前記調理室に
設けられている加熱調理機において、前記加熱制御室に
備えた送風ファンの排風流路が、前記調理室の隔壁とこ
れに対面するキャビネットの外壁との間に形成される空
間を経て形成されているとともに、前記放熱部材が、前
記空間における出口に近い側での放熱量よりも前記加熱
制御室に近い側での放熱量を大にする状態で設けられて
いる点にある。

〔作用〕

上記構成による作用は次の通りである。

放熱部材からの放熱量が、調理室の熱容量の小さい側、
つまり、前記空間における出口に近い側よりも、熱容量
の大きい加熱制御室に近い側で大きくなる。従って、こ
の加熱調理室に近い側での調理室雰囲気温度の上昇を、
出口側空間に近い側の温度上昇に遅れなく行わせ易くな
る。

また、加熱制御室の冷却ファンからの排風の流路を、前
記放熱部材が設けられた調理室の隔壁とこれに対面する
キャビネット外壁との間の空間で、加熱制御室側から出
口側に向けて風が流れるようにしてあるので、前記放熱
部材による前記空間内での熱量を加熱制御室に近い側で
極端に高めることなく、排風とともに出口方向へ熱気が
移行することを利用して、キャビネット内部での温度分
布の平均化を図ることができる。

〔考案の効果〕

従って、キャビネット内の一側方側に片寄せて調理室が
設けられている加熱調理機でありながら、前記調理室内
と、その調理室を内装するキャビネット内空間とにおけ
る温度分布の平均化を図り、従来に比べて被調理物に加
熱むらが生じにくい。

〔実施例〕

第３図、第４図は加熱調理機の一例としてのトースタ機
能付き電子レンジを示し、キャビネット（１）内の左右
方向一側方側に片寄せて調理室（２）が設けられ、他側
方側にマグネトロン（3a）、高圧トランス（3c）等を備
えている加熱用電源制御部や操作機構を内装している加
熱制御室（３）が設けられているとともに、調理室
（２）前面側には上下揺動開閉自在なドア（４）が枢支
され、第２図に示すように、調理室（２）はその底部側
の室壁を構成する隔壁（2a）外周面とキャビネット
（１）内周面との間に空間（S1），（S2）が形成されて
いる状態で取付けられている。

キャビネット（１）の調理室（２）側の側面に形成した
排気孔（5a）と加熱制御室（３）とが、調理室（２）の
隔壁とキャビネット（１）の外壁である底壁（1a）並び
に横壁（1b）との間に形成されている空間（S1）を介し
て連通されている。

又、マグネトロン（3a）の冷却用フィンを内装する筒状
ダクト（3e）の前後端に集風板（3f）と冷却風の案内ダ
クト（3g）が取付けられ、これら筒状ダクト（3e）並び
に案内ダクト（3g）を介して調理室（２）と加熱制御室
（３）とが連通されていると共に、調理室（２）とキャ
ビネット（１）の後壁（1c）に形成した排気孔（5b）と
が、調理室（２）の隔壁とキャビネット（１）の横壁
（1b）上部並びに後壁（1c）との間に形成されている空
間（S2）を介して連通され、空間（S1）と空間（S2）と
は壁体（1d）で区画されている。

前記調理室（２）にはその左右巾方向に沿って放熱部材
の一例としての石英管ヒータ（６）と平面ヒータ（７）
とが上下に設けられ、平面ヒータ（７）は調理室（２）
の底壁（2b）に空間（S1）側から密接させる状態で固定
され、更に底壁（2b）に電動モータ（8a）で駆動回転さ
れるターンテーブル（８）が着脱自在に装備されて、通
常の電子レンジ加熱を行う場合にはターンテーブル
（８）に載置した被調理物を回転させながら加熱すると
共に、食パン等を焼くトースタ加熱時にはターンテーブ
ル（８）に代えて焼網（９）を装着し、焼網（９）に載
置した食パン等を回転させることなく石英管ヒータ
（６）並びに平面ヒータ（７）で加熱するように構成し
てある。

そして、マグネトロン（3a）が作動される電子レンジ加
熱時には冷却用ファン（3h）が回転して、吸気孔（5c）
から流入した冷却風の一部は集風板（3f）に沿って筒状
ダクト（3e）に流入し、案内ダクト（3g）を通過して冷
却フィンを冷却しながら調理室（２）に送り込まれ、更
に、調理室（２）内で被調理物から発生した蒸気ととも
に出口側空間（S2）を介してキャビネット後壁（1c）の
排気孔（5b）から排出されると共に、残りの冷却風は高
圧トランス（3c）等の電気機器を冷却しながら前記出口
側空間（S2）を介してキャビネット横壁（1b）に形成し
た排気孔（5a）から排出される。

又、食パン等のトースタ加熱時には加熱制御室（３）内
が所定温度以上上昇すると冷却用ファン（3h）が駆動さ
れて、加熱制御室（３）内の電気機器を保護するように
構成してある。

尚、集風板（3f）はその内面が冷却風流入方向上手側ほ
ど広がる形状に形成されていて、冷却ファン（3h）から
の冷却風を効率良く筒状ダクト（3e）に送り込めるよう
構成されている。

前記平面ヒータ（７）は、第１図に示すように、帯状の
金属発熱体（7a）が巻き付けられている集成マイカ（7
b）を挟んで上下に集成マイカ（7c），（7d）を重ね合
せて構成され、調理室（２）の左右方向巾ほぼ中央に位
置するターンテーブル（８）の駆動軸（8b）を挟んで加
熱制御室（３）に近づく側の右半分部分（Ａ）での発熱
体（7a）巻き付け長さを、加熱制御室（３）から離れる
側の左半分部分（Ｂ）での発熱体（7a）巻き付け長さよ
りも長くして、この右半分部分（Ａ）での放熱量が左半
分部分（Ｂ）での放熱量よりも大になるよう設定されて
いる。

平面ヒータ（７）をこのように構成することで、トース
タ加熱時に焼網（９）近傍での雰囲気温度を調理室
（２）左右方向に沿ってほぼ均一化することができ、例
えば食パンを左右に２個並べてトースタ加熱した場合で
も左右の食パンの焦げかたをほぼ同程度にすることがで
きる。

〔別実施例〕

（イ） 発熱体の巻き付け長さを左半分部分と右半分部
分とで同じとし、右半分部分に巻き付ける発熱体の帯巾
を大きくして放熱量が左半分部分よりも大きくなるよう
設定しても良い。

（ロ） 本考案による加熱調理機は、オーブン機能やグ
リル機能を備えた電子レンジ、電気オーブン、オーブン
トースタであっても良い。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利
にするために符号を記すが、該記入により本考案は添付
図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る加熱調理機の実施例を示し、第１図
は要部の横断面図、第２図は要部の縦断面図、第３図、
第４図は全体斜視図である。 （１）……キャビネット、（1a）……外壁、（２）……
調理室、（2b）……隔壁、（３）……加熱制御室、（3
h）……送風ファン、（７）……放熱部材、（S1）……
空間、（S2）……出口側空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】キャビネット（１）内に、調理室（２）と
   加熱制御室（３）とが並設されているとともに、前記調
   理室（２）内を加熱する放熱部材（７）が前記調理室
   （２）に設けられている加熱調理機において、 前記加熱制御室（３）に備えた送風ファン（3h）の排風
   流路が、前記調理室（２）の隔壁（2b）とこれに対面す
   るキャビネット（１）の外壁（1a）との間に形成される
   空間（S1）を経て形成されているとともに、 前記放熱部材（７）が、前記空間（S1）における出口に
   近い側での放熱量よりも前記加熱制御室（３）に近い側
   での放熱量を大にする状態で設けられていることを特徴
   とする加熱調理機。