JPH0748805Y2 - 通路側壁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は地震等による揺れに柔軟に対応できる伸縮壁部
を備えた通路側壁に関する。

〔従来の技術と考案が解決しようとする課題〕

従来、ビル等の建物と建物の間に設けられた渡り通路等
の通路側壁は、両方の建物夫々からコンクリート壁を突
出状に形成し、その両方のコンクリート側壁の間に隙間
を設け、化粧板等をその隙間を埋める側壁に用いてい
た。この隙間は、地震等によって建物が揺れた時に、通
路側壁がその揺れによって破壊されないためであるが、
隙間に設けた化粧板は、柔軟性がないため、壊れてしま
い地震等の非常時には、使用できないという問題があっ
た。地震の多い日本のような国では、地震の都度壊れて
しまうのは、修理に費用がかかり、不経済であるという
問題もあった。

そこで、本考案は、上記問題点を解決し、地震等の揺れ
に対しても柔軟に対応して壊れない通路側壁を提供する
ことを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記目的を達成するために、対向するコンク
リート側壁部の端面に夫々固着されて差込開口部が相対
向する一対のカバーと、該カバーの差込開口部に端縁部
が夫々差込まれるパネルと、を備えた通路側壁であっ
て、上記カバーの内外板に、上下方向又は長手方向の第
１長孔を貫設すると共に、上記パネルの端縁部に、該第
１長孔と直交する方向の第２長孔を貫設し、かつ、第１
長孔及びこれに対応する第２長孔にガイド杆を挿通して
上記カバーの内外板を橋絡すると共に、上記内板とパネ
ルとの間及び上記外板とパネルとの間に介装されて該パ
ネルをカバー厚さ方向中央部に弾発的に保持する保持体
を、上記ガイド杆に外嵌し、さらに、上記パネルを下方
から弾発的に支持する弾発部材を、該パネルの下端縁に
付設したものである。

〔作用〕

伸縮壁部を備えているため、地震等によって生じた揺れ
も吸収される。上下の揺れはパネルの下端縁に取付けら
れた弾発部材が伸縮するのと、ガイド杆をパネルか又は
カバーの上下方向の長孔が摺動することとによって吸収
される。長手方向（横方向）の揺れは、ガイド杆を長手
方向の長孔が摺動することによって吸収される。前後方
向の揺れは、カバーの内板とパネルとの間、及びカバー
の外板とパネルとの間に介装される保持体にて吸収され
る。従って、３次元の複雑な揺れの、上述した作用の複
合作用によって吸収され、伸縮壁部は破壊されない。

〔実施例〕

以下、図示の実施例に基づき、本考案を詳説する。

第１図に本考案に係る通路側壁の一実施例を示す。該通
路側壁は、コンクリート側壁部12…と伸縮壁部1,1を備
えている。該伸縮壁部１は、内外板5,6に上下方向に貫
設した第１長孔７…（以下、単に長孔７…という場合が
ある。）を有するカバー４と、ガイド杆8,8と、該第１
長孔７と直交する方向である長手方向に貫設した第２長
孔９…（以下、単に長孔９…という場合がある。）を有
すると共にカバー４内へ差込まれる端縁部10を有するパ
ネル11と、該パネルの下端縁を弾発的に支持する弾発部
材13,13と、から構成される。

カバー４は、第２図に示すように正面視略矩形の角筒状
で、下端にＬ字型嵌合部17を有し、先端に差込開口部３
が設けられ、内外板5,6の夫々の先端部に長孔７…が、
基端にアカンー用孔16…が貫設されている。

パネル11は、第３図に示すように正面視略矩形の板状
で、補強縁材18でふちどりされ、カバー４内へ差込まれ
る端縁部10,10のカバーの長孔７…に対応する位置に長
孔９…が貫設されている。カバー４内にパネル11の端縁
部10が差込まれた時には、長孔7,7と長孔9,9は直角に交
差して十字形を形成する。また、パネル11の下端縁14に
は、コイルスプリング等の弾発部材13,13が取付けら
れ、その先端には下面が略球面の滑り具15が取付けられ
ている。

第４図に示すように、パネル11の端縁部10がカバー４の
差込開口部３から差込まれ、ガイド杆８が長孔7,7と長
孔９の略中央部に挿通され、ナット21で抜止めされて、
長孔7,9に対して上下左右に摺動可能である。また、ガ
イド杆８に外嵌されたコイルスプリング等の弾発材から
なる保持体19,19によってパネル11は、カバー厚さ方向
中央部に弾発的に保持される。つまり、一方の保持体19
は、内板５とパネル11との間に介装され、他方の保持体
19は外板６とパネル11との間に介装される。カバー４
は、アンカーボルト20…によってコンクリート側壁部へ
固着されている。この実施例では、カバー４に上下方向
の長孔７…を、パネル11に長手方向の長孔９…を設けて
いるが、この長孔7,9の方向を逆に入れ替えるも自由で
ある。

第１図に於て、通路底壁の間隔部Ｄには、伸縮継手装置
22が用いられる。該継手装置22は、通路底壁の端縁に固
着される一対の縁材23,23と、上記間隔部Ｄを上方から
施蓋すると共に該縁材23,23に取付けられる一文字状断
面を有するカバープレート24と、を備えている。縁材2
3,23は、アンカーボルト25…に固着された連結部材26…
を介して、通路底壁の端縁の角部27,27の外面に固着さ
れる。縁材23、23は止水板保持用の凹溝28,28を有して
おり、該凹溝28,28に薄膜状のプラスチック又はゴム製
の止水板29の両端部が嵌着される。

また、縁材23,23はカバープレート取付用の凹溝30,30を
有し、具体的には、略Ｗ字形状のスプリングクリップ31
…の両端部を該凹溝30,30に係止させた状態にて、カバ
ープレート24に螺着されたネジ等の保持具32…とスプリ
ングクリップ31…のローラナット33…とによって、カバ
ープレート24を間隔部Ｄの方へ弾発的に引寄せた状態で
縁材23,23に取付ける。カバープレート24の両端部には
係止凹溝34,34が設けられ、該凹溝34,34にはガスケット
35等の弾発部材36の内端縁部が嵌込まれている。弾発部
材36は、角筒形状の縁材本体部37,37から幅方向に延伸
状に形成された延伸部38,38の外端部に係止され、具体
的には該延伸部38,38に付設した凹溝39,39に弾発部材36
の外端部が嵌込まれる。上記のように、弾発部材36の内
端縁部はカバープレート24の裏面に係止して、カバープ
レート24が縁材23,23に対して幅方向に移動すれば、こ
れと共に移動し、従って弾性部材36の幅寸法は伸縮変形
自在である。弾性部材36は上壁と下壁を蛇腹状に折畳ま
れて幅方向に伸縮すると共に、その厚さ方向に作用する
外力に耐えるように両壁を連結する竪壁を所定ピッチで
平行に有する。弾性部材36,36、カバープレート24及び
通路底壁の外面は同一平面状とされる。また、漏水のた
めに薄い金属板製の樋40を設け、該樋40と通路底壁の隙
間をコーキング材41,41で止水を図っている。この樋40
の形状は種々変更自由であるが、図示の如く、Ｕ字状と
して、両通路底壁相互の相対的変位を吸収するのが望ま
しい。

なお、本考案は、上述の実施例を限定されず、本考案の
要旨を逸脱しない範囲で設計変形自由である。

〔考案の効果〕

本考案は、上述のように構成されているので、以下に記
載する著大な実用的効果を奏する。

地震等で、前後、左右、上下というふうに３次元的に
揺れても、パネル11はこの３次元的な揺れに安定した状
態で対応（追従）することができ、この通路側壁が破壊
されることがない。

全体として、複雑な構造とならず、損傷しにくく、長
期にわたって複雑な揺れに対応するとこができる。」 地震等で破壊されないため、この通路側壁が使用され
た渡り通路等が避難所として使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す部分断面正面図、第２
図はカバーの斜視図、第３図はパネルの斜視図、第４図
は要部拡大断面平面図である。 １……伸縮壁部、２……端面、３……差込開口部、４…
…カバー、５……内板、６……外板、７……第１長孔、
８……ガイド杆、９……第２長孔、10……端縁部、11…
…パネル、12……コンクリート側壁部、13……弾発部
材、14……下端縁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】対向するコンクリート側壁部12,12の端面
   2,2に夫々固着されて差込開口部3,3が相対向する一対の
   カバー4,4と、該カバー4,4の差込開口部3,3に端縁部10,
   10が夫々差込まれるパネル11と、を備えた通路側壁であ
   って、 上記カバー4,4の内外板5,6に、上下方向又は長手方向の
   第１長孔７…を貫設すると共に、上記パネル11の端縁部
   10,10に、該第１長孔７と直交する方向の第２長孔９…
   を貫設し、かつ、第１長孔７及びこれに対応する第２長
   孔９…にガイド杆８…を挿通して上記カバー4,4の内外
   板5,6を橋絡すると共に、上記内板５とパネル11との間
   及び上記外板６とパネル11との間に介装されて該パネル
   11をカバー厚さ方向中央部に弾発的に保持する保持体1
   9,19を、上記ガイド杆８に外嵌し、さらに、上記パネル
   11を下方から弾発的に支持する弾発部材13…を、該パネ
   ル11の下端縁14に付設したことを特徴とする通路側壁。