JPH0748532A - 夜光塗料付き装飾部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は夜光塗料を装飾部材の外表面に使用
することにより、機能表示部の視認性の向上、操作部の
操作性向上を実現する。 【構成】 本発明は酸化アルミニウムストロンチウムを
発光基体とする夜光塗料３を、時計ケース１に設けた凹
文字部２に入れるかあるいは操作部に用い、部材の外表
面に夜光塗料を用いたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、外表面に夜光塗料を用
いた装飾部材に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の装飾部材への夜光塗料の使用方法
は、公開実用昭和５７−２６０８０や公開実用昭和５９
ー１４９０８１のように、時計の文字板の時刻目盛り上
に夜光塗料を塗布したものであるか、あるいは針の上に
塗布するかユニット化しており密閉状態で使用されてい
た。夜光塗料としては、放射性物質であるプロメチウム
からなる自発光性夜光塗料と、硫化亜鉛を発光基体とし
た蓄光性夜光塗料とがあった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の従来技
術では、夜光塗料を装飾部材の外表面に使用しようとし
ても、自発光性夜光塗料は放射性物質であるため使用出
来ず、蓄光性夜光塗料である硫化亜鉛は発光する残光時
間が１時間程度と短く、残光時間が１０〜２０時間であ
る硫化カルシウムストロンチウムは、その化学的性質か
ら空気中の湿気を吸収して分解し、臭い硫化水素ガス放
って次第に発光性を失い、耐久性が悪いといった問題点
を有していた。

【０００４】そこで本発明はこのような問題点を解決す
るもので、輝度が高く、耐久品質の良い夜光塗料を外表
面へ使用した装飾部材を提供するところにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、装飾部材の外表面に酸化アルミニウムストロ
ンチウムを発光基体とした蓄光性夜光塗料を形成したこ
とを特徴とする。

【０００６】

【実施例】

（実施例１）図１及び図２は金属あるいは合成樹脂等か
らなる時計ケース１の外表面に設けた凹文字部２に、夜
光塗料３入れたものである。

【０００７】ここで、夜光塗料２は発光基体として酸化
アルミニウムストロンチウムを用い、ポリメチルメタア
クリレイトをバインダー材として混合し組成されている
蓄光性夜光塗料である。従来の夜光塗料と比較し、放射
性物質を含まず残光時間が８時間以上ありほぼ一晩中光
り、初輝度が高く、紫外線に最も良く光るが、励起され
る光の波長範囲が２００〜４５０ｎｍと広く、照射する
光が強く長いほど良く光る。さらに高純度のアルミナを
主原料とするセラミックスで構成されているため、化学
的安定性が高く、耐光性、耐候性、耐湿性に優れている
ため屋外での使用にも耐えられる。

【０００８】また、夜光塗料の発光基体はアルミニウム
を主原料として焼結したセラミックスであれば、ストロ
ンチウム以外にもカルシウム、バリウムや希土類の化合
物を用いても同様な効果が得られ、発光色も成分によっ
て色調が異なり、デザインバリエーションの広がりも得
られる。図１の如くダイバーズウオッチの回転ベゼルの
目盛等の機能表示部に用いれば、従来はユニット化した
ものを部分的にしか使用できなかったものが目盛り全体
に夜光塗料を用いることができるため、潜水時間の読み
取り性が格段に向上し、夜光機能として優れたものとな
る。

【０００９】また装飾部材としては、時計の他ペンダン
ト、指輪、ネックレス等があり、これらの外表面への使
用も可能である。

【００１０】（実施例２）図３及は金属あるいは合成樹
脂等からなる時計ケース１の外表面に設けた凹文字部２
に夜光塗料３入れ、その上にクリアー塗料４を塗布した
ものである。夜光塗料３のバインダーであるポリメチル
メタアクリレイトは一般的には熱硬化型樹脂で高温乾燥
しているが、夜光塗料の耐久性を向上させるためにクリ
アー塗装をする場合、熱硬化型の樹脂は塗装のシンナー
により溶剤性が弱く表面が歪んでしまうため、紫外線硬
化型のＵＶ系樹脂をバインダーとして使用れば外観向上
のために有益である。

【００１１】（実施例３）図４及は金属あるいは合成樹
脂等からなる時計ケース１の外表面に設けた凹文字部２
に夜光塗料３入れ、その上に紫外線硬化型のＵＶ系樹脂
５で夜光塗料の全面を覆い、さらにその上にクリアー塗
料４を塗布したものである。このようにクリアー層と夜
光層の間に紫外線硬化型のＵＶ系樹脂を形成すればその
上面にクリアー塗料を塗布しても夜光塗料がクリヤー塗
料の溶剤に侵される問題は発生しない。

【００１２】（実施例４）図５及び図６は金属あるいは
合成樹脂等からなる時計ケース１の外表面に反射率の高
い塗料４を塗布し、その上に夜光塗料３を形成してい
る。発光基体である夜光塗料３から発する光のうち、内
面方向に発せられた光７は塗料６で反射し外面に向かう
光となるため、輝度が上がり文字等の視認性が向上でき
る。塗料色としては白が最も有効であるが、淡い色であ
ればよい。また、時計ケース１自体を白の合成樹脂等に
すれば塗料６がなくても同様の効果が得られる。

【００１３】（実施例５）図７は、金属あるいは合成樹
脂等からなるボタンやスイッチ等の操作部品８の頭部９
に夜光塗料３を塗布したものである。このように操作部
に用いれば、暗闇において操作部の位置が容易に認識で
きるため、操作性が向上する。時計の場合では、とりわ
け夜間の使用頻度の高いアラームボタンやりゅうず部等
に使用すれば非常に有効である。

【００１４】また頭部を押して操作するものは、図８の
如く操作部品８の頭側面部１０に夜光塗料３を用いれ
ば、直接手に触れないため、夜光塗料の耐久性をより高
めることができる。

【００１５】

【発明の効果】以上述べた様に本発明によれば、酸化ア
ルミニウムストロンチウムを発光基体とした蓄光性夜光
塗料を使用すれば、装飾部材の外表面に使用することが
可能となり、輝度が高く、残光時間が長く、耐光性、耐
候性、耐湿性に非常にすぐれた装飾部材を提供すること
ができ、時計等の機能表示部や操作部に使用すれば、暗
闇での視認性、操作性向上に非常に効果がある。また、
夜光塗料の下地に光の反射率の高い塗装を施せば、輝度
を高めることができ、文字部や操作部の視認性をより向
上することができる。さらに装飾部材の外表面に夜光塗
料が使用できるため、今までにないデザイン展開も可能
となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１を示す断面図。

【図２】本発明の実施例１を示す平面図。

【図３】本発明の実施例２を示す断面図。

【図４】本発明の実施例３を示す断面図。

【図５】本発明の実施例３を示す断面図。

【図６】本発明の実施例３を示す平面図。

【図７】本発明の実施例３を示す断面図。

【図８】本発明の実施例３を示す断面図。

【符号の説明】

１・・・時計ケース ２・・・凹文字 ３・・・夜光塗料 ４・・・クリアー塗料 ５・・・紫外線硬化型ＵＶ系樹脂 ６・・・反射率の高い塗料 ７・・・内面方向にに発せられた光 ８・・・操作部品 ９・・・頭部 １０・・・頭側面部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外表面に、酸化アルミニウムストロンチ
   ウムを発光基体とした蓄光性夜光塗料を形成したことを
   特徴とする夜光塗料付き装飾部材。
2. 【請求項２】 夜光塗料の下地に光の反射率の高い塗料
   を用いたことを特徴とする、請求項１記載の夜光塗料付
   き装飾部材。
3. 【請求項３】 操作部に夜光塗料を用いたことを特徴と
   する、請求項１記載の夜光塗料付き装飾部材。