JP3203279U - 時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】明るいところでは高級感を備える外観と、暗いところや紫外線を照射したときには明るいところと異なる斬新な外観を有する時計を提供する。【解決手段】時計1は、時計の表示板である文字板5と風防ガラス4との間に見返し面10を有し、見返し面には周方向に溝が形成され、溝が蓄光性夜光塗料12で充填されている。【選択図】図1

Description

本考案は、時計に関する。
時計用の表示板である文字板や時刻指針に、照射された光エネルギーを蓄積した後、光エネルギーを放出する放射性物質を含まない蓄光性夜光塗料を塗布し、夜間など暗い場所でも時刻を知り得る時計がある。また、文字板や時刻指針以外に、見返しリングの見返し面に蓄光性夜光塗料の層を形成するという時計が特許文献1に開示されている。
特開2006−250731号公報
特許文献1に記載されている時計は、見返しリング(ダイヤルリングと記載することがある)の見返し面に、蓄光性夜光塗料の下地層を形成し、下地層の上面にカラー塗料層からなる装飾層を設け、この装飾層にレーザー光を時刻数字などのパターン状に照射して、下地層をパターン状に露出させている。このように形成された時刻数字などは、従来からある夜光塗料の時刻数字の質感と似ていて、明るいところではシャープな輪郭の時刻数字が得られず、また、装飾層の一部が見返し面に残ってしまうので、高級感のある従来にない斬新なデザインの時計を実現することは困難である。
本考案は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、明るいところでは高級感を備える外観と、暗いところや紫外線を照射したときに明るいところで見える外観とは異なる斬新な外観の時計を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、本考案の時計は、時計用の表示板と風防ガラスとの間に見返し面を有し、見返し面には周方向に溝が形成され、溝が蓄光性夜光塗料で充填されている、こととする。
また、上記考案に加えて、見返し面は、風防ガラスを固定するガラス縁またはケース胴の内周面に設けられている、ことが好ましい。
また、上記考案に加えて、ガラス縁が、光半透過性を有する磁器で成形されている、ことが好ましい。
また、上記考案に加えて、見返し面は、時計用の表示板と風防ガラスとの間に配置されるダイヤルリングの内周面に設けられている、ことが好ましい。
また、上記考案に加えて、ダイヤルリングは光半透過性を有している、ことが好ましい。
また、上記考案に加えて、ダイヤルリングには、見返し面、見返し面に対し径方向外側の背面または時計用の表示板と接触する面のいずれか一つの面、またはいずれか二つの面、または三つの面に周方向に溝が形成され、溝が蓄光性夜光塗料で充填されている、ことが好ましい。
また、上記考案に加えて、ガラス縁またはダイヤルリングの表面のうち、組み立てたときに、ガラス縁およびダイヤルリングの少なくとも視認可能な面には光透過性または光半透過性の釉薬が焼き付けられている、ことが好ましい。
本考案の第1の実施の形態に係る時計を示す外観斜視図である。 (A)は、図1のA−A切断線で切断した縦断面図、(B)は、ガラス縁の一部(図1のBで示す部分)を拡大して示した部分断面図である。 本考案の第2の実施の形態に係る時計を示し、(A)は、図1のA−A切断線に相当する位置の切断線で切断した断面図の一部を示す断面図、(B)は、ダイヤルリングの一部(図3(A)のCで示す部分)を拡大して示した部分断面図(第1実施例)、(C)は、第2実施例に係るダイヤルリングを示す部分断面図、(D)は、第3実施例に係るダイヤルリングを示す部分断面図、(E)は、第4実施例に係るダイヤルリングを示す部分断面図である。
以下、本考案の実施の形態に係る時計1について図面を参照しながら説明する。なお、本考案は、腕時計、腕時計以外の携帯時計、卓上時計および壁掛け時計などに適用可能であるが、以下の実施の形態では、腕時計を時計として説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る時計1を示す外観斜視図である。図2(A)は、図1のA−A切断線で切断した縦断面図、図2(B)は、ガラス縁3の一部(図1のBで示す部分)を拡大して示した部分断面図である。図1、図2に示すように、時計1は、ケース胴2と、ケース胴2に固定されたガラス縁3と、ガラス縁3に固定された風防ガラスであるガラス4と、時計用の表示板である文字板5を備え、時計内部に収容されたムーブメント6(図2(A)参照)を有している。文字板5とガラス4の間には、時刻指針である時針7および分針8が取り付けられている。時計ケースやムーブメント6の構成は、周知であるため詳しい設明を省略する。文字板5の表面には、時刻を表示する時刻数字9が設けられている。ガラス縁3の文字板5とガラス4との間の内周面は、見返し面10である。この見返し面10には、溝11(図2(A),(B)参照)が周方向全周にわたって形成され、この溝11内は、蓄光性夜光塗料12で充填されている。なお、図1に示す時計1は、見返し面10の内側形状は平面視で円形であるが、この形状は特に限定されることなく、たとえば、楕円形や四角形などでもよい。図2(A)に示すように、ムーブメント6は、ケース胴2と裏蓋13で挟み込まれるようにして保持されている。なお、溝11は、全周にわたって形成されるのではなく、周方向の一部や、一部に隙間がある間欠的な線状に形成してもよい。
図2(B)に示す例では、蓄光性夜光塗料12が充填される溝11は、見返し面10の高さ方向のほぼ中央に配置される。そして、溝11の幅hは、見返し面10の高さHの約1/2程度としている。また、溝11の見返し面10からの深さは、平均深さで0.1mm〜0.3mmが好ましい。この深さは、蓄光性夜光塗料12が十分な輝度(明るさ)となる蓄光性夜光塗料12の好ましい厚みである。なお、見返し面10の文字板5の表面からの傾斜角度θは、0度〜45度の範囲にすることが好ましい。この傾斜角度θは、時計1の質感やデザイン性を考慮して決定すればよい。蓄光性夜光塗料12は、溝11内に充填される。ここで、充填とは、必ずしも溝11内に隙間なく満たされていなくてもよく、また、見返し面10からわずかに突出したり、凹んでいたりしてもよいが、突出量Cは、明るいところで時計1を見たときに、溝11の輪郭(蓄光性夜光塗料12の輪郭)がシャープに見える範囲にしておくことが好ましい。
なお、本実施の形態のガラス縁3は、黄銅やステンレス鋼などの金属製であって、見返し面10は、鏡面仕上げ面とする。鏡面仕上げとすることで、蓄光性夜光塗料12が発行したときに、見返し面10が鏡のように光を反射させることができる。
蓄光性夜光塗料12は、アルミン酸塩化合物を主成分に希土類元素の賦活剤を添加させた発光基体を用いたものであって、太陽光や蛍光灯などの光(紫外線)を吸収し、暗いところでは長時間にわたって自然発光する。本実施の形態では、明るいところでは蓄光性夜光塗料12そのもの(発光色ではない)を視認可能であるが、暗いところ、またはブラックライトによって紫外線を照射したときには、蓄光性夜光塗料12が発光し、見返し面10で反射し、一部は文字板5の表面で反射することで、暗闇でも時刻を視認することができ、従来の時計にない質感を有する斬新な時計を実現可能となる。なお、蓄光性夜光塗料としては、蓄光性夜光顔料や硫化亜鉛タイプのものも採用可能である。
以上説明した第1の実施の形態では、見返し面10をガラス縁3に設けた構成を示しているが、ガラス縁3とケース胴2とを一体化した構造、つまり、ケース胴2がガラス4を固定する機能を有する構造にも適用可能である。図示は省略するが、図2に示す構成で、ガラス縁3とケース胴2とを読み替えればよく、見返し面10は、ケース胴2の文字板5とガラス4の間の内周面となる。見返し面10、溝11および蓄光性夜光塗料12の構成は、図2に示す構成と同じである。
また、ガラス縁3は、黄銅やステンレス鋼などの金属製としたが、光半透過性を有する磁器製とすることができる。磁器としては、たとえば有田焼または伊万里焼に代表され、一般に白磁と呼ばれるものが好ましい。本実施の形態の例では、ガラス縁3は、高温焼成した後に、見返し面10を研磨している。そして、ガラス縁3を時計ケースまたは時計1として組み立てたときに、少なくとも視認可能な面には、光透過性または光半透過性の釉薬が焼き付けられる。釉薬としては、光透過性が高い透明釉薬や光半透過性の白磁釉薬などがある。磁器の表面には、非常に細かい凹凸があるが、釉薬によって、磁器表面を凹凸がない面に仕上げることができる。ガラス縁3を磁器製とすれば、蓄光性夜光塗料12から発光されたが、磁器内を透過して文字板5と接触する面で反射し、また、蓄光性夜光塗料12からの光の一部はガラス縁3の外表面から出射し、ガラス縁3時針が光る従来にない質感の斬新なデザインを可能にする。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について図面を参照しながら説明する。第2の実施の形態は、前述した第1の実施の形態が、見返し面10をガラス縁3またはケース胴2に設けていることに対して見返し面22をダイヤルリング20に設けていることに特徴を有する。したがって、ダイヤルリング20の構成を中心に説明し、図1、図2と同じ機能部材には同じ符号を付して説明する。
図3は、第2の実施の形態に係る時計1を示し、(A)は、図1のA−A切断線に相当する位置の切断線で切断した断面図の一部を示す断面図、(B)は、ダイヤルリング20の一部(図3(A)のCで示す部分)を拡大して示した部分断面図である。図3(A),(B)で示す構成を第1実施例とする。図3(A),(B)に示すように、ダイヤルリング20は、ケース胴21の内側の文字板5とガラス4の間に配置され、その内周面が見返し面22である。ダイヤルリング20は、黄銅などの金属製や磁器製のものを用いる。見返し面22には、溝23が周方向全周にわたって形成され、この溝23は、蓄光性夜光塗料12で充填されている。蓄光性夜光塗料12が充填される溝23の位置や大きさ、見返し面22の傾斜角度、および蓄光性夜光塗料12の充填形態などは、第1の実施の形態(図2(B)参照)と同じように設定される。
このように構成される時計1は、明るいところでは蓄光性夜光塗料12そのもの(発光色ではない)を視認可能であるが、暗いところ、またはブラックライトによって紫外線を照射したときには、蓄光性夜光塗料12が発光する。また、光の一部は、見返し面22で反射および文字板5の表面で反射することで、従来の時計にない質感を有する斬新なデザインの時計を実現可能となる。ダイヤルリング20が、光半透過性の磁器の場合には、蓄光性夜光塗料12から発光された光の一部が、磁器内を透過し、見返し面22およびガラス4側の上面28から出射することが可能となり、ダイヤルリング20の全体が光る従来にない斬新な外観の時計を可能にする。なお、磁器製のダイヤルリング20には、少なくとも見返し面22と上面28に光透過性が高い透明釉薬や光半透過性の白磁釉薬を焼き付けておく。
次に、第2の実施の形態に係る第2実施例について図3(C)を参照して説明する。第2実施例は、蓄光性夜光塗料12の配置を2か所としたことが第1実施例と異なるものである。
図3(C)は、第2実施例に係るダイヤルリング20を示す部分断面図である。なお、第2実施例のダイヤルリング20は、光半透過性の磁器で成形されている。図3(C)に示すように、ダイヤルリング20には、見返し面22に加えて、文字板5に接触する側の下面24の2か所に蓄光性夜光塗料12が設けられている。見返し面22側は、第1実施例と同じ構成である。下面24には溝25が設けられていて、この溝25内に蓄光性夜光塗料12が充填されている。なお、下面24側の蓄光性夜光塗料12は、下面24から突出しない範囲に充填される。このように、下面24側にも蓄光性夜光塗料12を設けることで、見返し面22側の光に加えて、下面24側からの光が磁器内を透過し、その一部が見返し面22および上面28から出射されるので第1実施例よりも光量が増す。また、上面28から出射する光は、見返し面22から出射される光量よりも小さくなることから、グラデーションがかかったような見栄えとなり、従来にない質感や斬新な外観の時計を実現できる。
次に、第2の実施の形態に係る第3実施例について図3(D)を参照して説明する。第3実施例は、蓄光性夜光塗料12の配置を、見返し面22に加えて、見返し面22に対し径方向外側の背面である外周側面26の2か所としたたことが第2実施例と異なるものである。
図3(D)は、第3実施例に係るダイヤルリング20を示す部分断面図である。なお、第3実施例のダイヤルリング20は、光半透過性の磁器で成形されている。図3(D)に示すように、ダイヤルリング20には、見返し面22に加えて、外周側面26に蓄光性夜光塗料12が設けられている。見返し面22側は、第1実施例および第2実施例と同じ構成としている。外周側面26には、周方向全周にわたって溝27が設けられていて、この溝27内に蓄光性夜光塗料12が充填されている。なお、外周側面26側の蓄光性夜光塗料12は、外周側面26から突出しない範囲に充填されることが好ましい。このように、外周側面26側にも蓄光性夜光塗料12を設けることで、見返し面22側の光に加えて、外周側面26側から光が磁器内を透過して一部が、見返し面22および上面28から出射されるので第1実施例よりも光量が増す。なお、外周側面26側の蓄光性夜光塗料12と上面28の距離が、第2実施例の下面24側の蓄光性夜光塗料12と上面28の距離よりも小さいので、第3実施例の上面28側の明るさは、第2実施例の上面28の明るさよりも明るくなる。
次に、第2の実施の形態に係る第4実施例について図3(E)を参照して説明する。第4実施例は、蓄光性夜光塗料12の配置を、見返し面22に加えて、下面24および外周側面26の3か所としたたことが第1実施例、第2実施例および第3実施例と異なるものである。
図3(E)は、第4実施例に係るダイヤルリング20を示す部分断面図である。なお、第4実施例のダイヤルリング20は、光半透過性の磁器で成形されている。図3(E)に示すように、ダイヤルリング20には、見返し面22に加えて、下面24および外周側面26の3か所に蓄光性夜光塗料12が設けられている。見返し面22側は、第1実施例〜第3実施例と同じ構成である。下面24側の蓄光性夜光塗料12は第2実施例(図3(C)と同じ構成、外周側面26側の蓄光性夜光塗料12の構成は第3実施例(図3(D)と同じ構成となっている。このように、見返し面22、下面24および外周側面26側に蓄光性夜光塗料12を設けることで、見返し面22側の蓄光性夜光塗料12から直接出射される光に加えて、下面24側と外周側面26側からの光が磁器内を透過し、その一部が見返し面22および上面)28から出射されるので第3実施例よりもさらに光量が増し、さらに第1実施例、第2実施例および第3実施例のそれぞれの特徴を有する時計を実現できる。
なお、図示は省略するが、第2の実施の形態は、ガラス縁を有しない構成を例示して説明したが、第1の実施の形態で説明したように、時計ケースとしてガラス縁3を有する構成とすることが可能で、そのような構成では、ケース胴21を図1で示すケース胴2と同じような構造とし、ガラス縁を設け、さらにガラス4と文字板5とガラス縁で囲まれた空間にダイヤルリング20を配置する構成とすることができる。
以上説明した時計1は、時計用の表示板である文字板5と風防ガラスであるガラス4との間に見返し面10または見返し面22を有し、見返し面10または見返し面22には周方向に溝11または溝23が形成され、溝11,23を蓄光性夜光塗料12で充填している。このような構成によれば、明るいところでは時計1の本来の質感を失うことなく、暗いところ、またはブラックライトによって紫外線を照射したときには、蓄光性夜光塗料12が発光し、見返し面10で反射し、一部は文字板5の表面で反射する。このことによって、明るいところでは高級感を備える外観と、暗いところや紫外線を照射したときに明るいところで見える外観とは異なる斬新な外観の時計を実現できる。また、蓄光性夜光塗料12が、文字板5の外周全周に配設されているので、暗いところで時刻を読み取ることができる照明装置としての機能を有する。
また、見返し面10は、ガラス4を固定するガラス縁3またはケース胴2の内周面に設けられている。時計ケースには、一般的にケース胴2に直接ガラス4を固定する構造と、ガラス縁3を介してガラス4を固定する構造があるが、ケース胴2またはガラス縁3のいずれにも見返し面10を設けることができ、ケース構造(時計構造)が限定されることがない。
また、時計1は、ガラス縁3を光半透過性を有する磁器で成形することが可能である。ガラス縁3を磁器製とすれば、蓄光性夜光塗料12から発光されたが、文字板5と接触する面である下面24で反射し、また、蓄光性夜光塗料12からの光の一部は磁器内を通ってガラス縁3の外表面から出射するので、暗いところではガラス縁3が明るくなり、従来にない質感の斬新な外観を実現できる。
また、時計ケースには、文字板5とガラス4の間にダイヤルリング20を配置する構造があり、このダイヤルリング20の内周面に見返し面22を設け、溝23内に蓄光性夜光塗料12を充填することによって、前述したケース胴2またはガラス縁3に蓄光性夜光塗料12を設ける構造と同様な効果が得られる。
また、ダイヤルリング20は、光半透過性を有する磁器で成形されている。そして、ダイヤルリング20には、見返し面22、見返し面20の径方向外側の背面である外周側面26、文字板5と接触する面である下面24のいずれか一つの面、またはいずれか二つの面、または三つの面に溝23、溝27または溝25が形成され、これら溝が蓄光性夜光塗料12で充填される。ダイヤルリング20が磁器製の場合、蓄光性夜光塗料12が出射する光はダイヤルリング20内を通り、光の一部がダイヤルリング20の外部に出射される。したがって、見返し面22側に出射される光量を増し、また、ダイヤルリング20の上面28からも光の一部が出射されることから、ダイヤルリング20自身が光っているように見える。また、蓄光性夜光塗料12の配置位置を、見返し面22、下面24、外周側面26の組み合わせを適宜選択すれば、明るいところでの質感は従来の時計とは変えずに、たとえば、グラデーションのような外観が得られる。
また、ガラス縁3またはダイヤルリング20が磁器製の場合、ガラス縁3またはダイヤルリング20の表面のうち、組み立てたときに、ガラス縁3またはダイヤルリング20の少なくとも視認可能な面)には、光透過性または光半透過性の釉薬が焼き付けられている。このようにすれば、ガラス縁3およびダイヤルリング20が、磁器製品特有の質感を有することが可能となる。たとえば、文字板5を磁器製にした場合には、磁器製のガラス縁3またはダイヤルリング20と文字板5とを同じ質感にすることが可能で、高級感のある外観が得られる。
なお、本考案は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本考案の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本考案に含まれるものである。たとえば、前述の第1の実施の形態および第2の実施の形態では、各見返し面10,22には、1本(1条)の溝を形成し、この溝内に蓄光性夜光塗料12を充填しているが、溝の数は1本に限定されず、たとえば、2本または3本というように、複数本(複数条)としてもよい。ダイヤルリング20の下面24および外周側面26にも見返し面と同様に複数本とすることが可能である。
また、蓄光性夜光塗料12は、青色、緑色、赤色などから選択することが可能であり、複数の溝を形成する構成の場合には、異なる色の蓄光性夜光塗料を組み合わせることが可能である。
また、前述した第1の実施の形態および第2の実施の形態では、見返し面12,22に形成する溝11,23を周方向全周にわたって形成し、蓄光性夜光塗料12を充填しているが、時刻目盛の位置に、点溝または縦線(周方向に交差する)の溝を形成し、これら点溝や縦線の溝内に蓄光性夜光塗料12を充填するようにしてもよい。
また、前述の第1の実施の形態および第2の実施の形態では、ガラス縁3およびダイヤルリング20を磁器製とした例を説明したが、ケース胴2を磁器製とすることが可能である。そして、ガラス縁3、ダイヤルリング20、さらに文字板5も磁器製にして、これらに同じ釉薬を焼き付ければ、これら視認可能な部位の質感が全て同じになり、高級感がある時計を提供できる。なお、釉薬の色は、適宜選択することが可能である。
また、前述した第1の実施の形態および第2の実施の形態では、時計1として時針7および分針8を有するアナログ時計を例示したが、液晶表示式時計などにも適用可能である。この際、液晶表示面上の見返し面に溝を形成し、この溝内に蓄光性夜光塗料12を充填すれば、暗闇でも時刻を認識できるデジタル時計を実現できる。
1…時計
2,21…ケース胴
3…ガラス縁
4…ガラス(風防ガラス)
5…文字板(時計用の表示板)
10,22…見返し面
11,23,25,27…溝
12…蓄光性夜光塗料
20…ダイヤルリング
24…下面
26…外周側面
28…上面

Claims (7)

  1. 時計用の表示板と風防ガラスとの間に見返し面を有し、
    前記見返し面には周方向に溝が形成され、前記溝が蓄光性夜光塗料で充填されている、ことを特徴とする時計。
  2. 請求項1に記載の時計において、
    前記見返し面は、前記風防ガラスを固定するガラス縁またはケース胴の内周面に設けられている、
    ことを特徴とする時計。
  3. 請求項2に記載の時計において、
    前記ガラス縁が、光半透過性を有する磁器で成形されている、
    ことを特徴とする時計。
  4. 請求項1に記載の時計において、
    前記見返し面は、前記時計用の表示板と前記風防ガラスとの間に配置されるダイヤルリングの内周面に設けられている、
    ことを特徴とする時計。
  5. 請求項4に記載の時計において、
    前記ダイヤルリングは光半透過性を有する磁器で成形されている、
    ことを特徴とする時計。
  6. 請求項5に記載の時計において、
    前記ダイヤルリングには、前記見返し面、前記見返し面に対し径方向外側の背面または前記時計用の表示板と接触する面のいずれか一つの面、またはいずれか二つの面、または三つの面に溝が形成され、前記溝が蓄光性夜光塗料で充填されている、
    ことを特徴とする時計。
  7. 請求項3または請求項5に記載の時計において、
    前記ガラス縁または前記ダイヤルリングの表面のうち、組み立てたときに、前記ガラス縁および前記ダイヤルリングの少なくとも視認可能な面には光透過性または光半透過性の釉薬が焼き付けられている、
    ことを特徴とする時計。
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