JPH0748515A - 硬化性ポリシラン組成物 - Google Patents

硬化性ポリシラン組成物

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JPH0748515A
JPH0748515A JP19328493A JP19328493A JPH0748515A JP H0748515 A JPH0748515 A JP H0748515A JP 19328493 A JP19328493 A JP 19328493A JP 19328493 A JP19328493 A JP 19328493A JP H0748515 A JPH0748515 A JP H0748515A
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茂 若松
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)ケイ素原子に結合するヒドロカルビル
オキシ基を1分子中に平均2個以上有するポリシラン;
および(B)縮合反応用硬化触媒を含むことを特徴とす
る硬化性ポリシラン組成物およびその硬化方法。 【効果】 ポリシラン鎖がシロキサン結合によって架橋
した三次元網状ポリマーを形成し、機械的強度、基材と
の密着性および耐溶媒性に優れた成形品や薄膜が得ら
れ、有機導電材料などとして応用範囲が広い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、縮合反応を用いて硬化
させることにより、導電材料、非線形光学材料などとし
て利用可能な硬化性ポリシラン組成物、およびその硬化
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オルガノポリシランは、有機導電材料、
非線形光学材料、炭化ケイ素前駆体、フォトレジスト材
料などとして有用であることが知られている。通常、ポ
リシランをこれらの用途のために成形品や薄膜として利
用する場合は、鎖状ポリシランを有機溶媒に溶解し、成
形または薄膜化した後、溶媒を除去する方法が用いられ
ている(たとえばR. D. Miller, J. Michl, Chem, Re
v., 89, 1359(1989))。
【0003】しかし、鎖状ポリシランを使用すること
は、機械的強度、基材との密着性および耐熱性の面から
不利である。これを改善するため、鎖状ポリシランと架
橋剤を有機溶媒に溶解させた溶液から成形品や薄膜を作
成し、それに光や熱を作用させて3次元架橋させる方法
が特表昭62−500795号公報に、また不飽和基を
有する鎖状ポリシランを薄膜化し、それを光や熱によっ
て三次元架橋させる方法が特開平4−363327号公
報に、それぞれ開示されている。
【0004】一方、ケイ素原子に結合した水素原子を有
するポリシランと、アルケニル基を有する有機ポリマー
またはポリシロキサンとのヒドロシリル化反応による三
次元硬化ポリマーの製造方法が、特開平4−31172
8号公報に公開されている。
【0005】しかしながら、有機溶媒に溶解して成形ま
たは薄膜化することは、鎖状ポリシランの溶解性ととも
に、成形性および成膜性のコントロールのために、ポリ
シランの置換基の選択や分子量の制御が必要であり、か
つ有機溶媒を使用しなければならないといった欠点があ
った。たとえば、成膜性を追及すると、鎖状ポリシラン
は一般的に分子量が数万以上であることが望まれるもの
の、このような高分子量ポリシランの有機溶媒に対する
溶解度は必ずしも高いものではないことから、その溶解
には大量の有機溶媒を必要とし、当然、後で溶媒の除去
工程も必須になるので、経済的に不利であった。さら
に、有機溶媒の使用は、最近深刻な社会問題となってき
ている地球環境の破壊と生体への悪影響につながるもの
であり、可能なかぎり有機溶媒の使用を少なくすること
が、時代の要請である。
【0006】また、ケイ素原子に結合した水素原子を有
するポリシランと、アルケニル基を含有する有機化合物
またはポリシロキサンとから三次元硬化によって得られ
た硬化物では、硬化物中に占めるポリシランの含有量を
高めることは一般に困難であり、そのため、この硬化物
を、ポリシランの特異な性質を利用した有機導電材料、
非線形光学材料、炭化ケイ素前駆体、フォトレジスト材
料などとして利用するには限界があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点に鑑みなされたもので、本発明の目的は、可能なか
ぎり溶媒を使用しないで、三次元状に架橋し、しかも工
業的に非常に有用な、ポリシラン含有量の高い硬化物を
得る組成物と、その硬化方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課
題を解決するために鋭意検討を行った結果、ポリシラン
中にケイ素原子に結合して存在するヒドロカルビルオキ
シ基による縮合反応により、ポリシランが三次元架橋し
うることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の硬化性ポリシラン組成
物は、(A)ケイ素原子に結合するヒドロカルビルオキ
シ基を1分子中に平均2個以上有するポリシラン;およ
び(B)縮合反応用硬化触媒を含むことを特徴とし、ま
た本発明の組成物の硬化方法は、該組成物を縮合硬化反
応により三次元架橋させる硬化方法である。
【0010】本発明において用いられる(A)成分は、
ケイ素原子に結合するヒドロカルビルオキシ基を1分子
中に平均2個以上有するポリシランである。このような
ポリシランとして、直鎖状、分岐状、環状など、各種の
分子骨格構造のものが挙げられるが、合成が容易で、分
子量を制御しやすいことから、一般式(1)で示される
ような、末端にヒドロカルビルオキシ基を有するポリシ
ランが好ましく、直鎖状のものがとくに好ましい。
【0011】
【化1】
【0012】式中、R1 は炭素数1から12の置換もし
くは非置換の1価の炭化水素基を表し;R2 はたがいに
同一または相異なる炭素数1から12の置換もしくは非
置換の1価の炭化水素基を表し;R3 はたがいに同一ま
たは相異なる基であって、炭素数1から12の置換もし
くは非置換の1価の炭化水素基、OR1 と同一のヒドロ
カルビルオキシ基、またはR4 を表し;ここでR4 は一
般式(2)で示されるようなポリシラン残基を表し、あ
るいは2個のR4 が一緒になって一般式(3)で示され
るような2価のポリシラン残基となり、分子中にSi−
Si環状構造を形成してもよく;R5 はたがいに同一ま
たは相異なる基であって、炭素数1から12の置換もし
くは非置換の1価の炭化水素基、またはOR1 と同一の
ヒドロカルビルオキシ基を表し、あるいは一般式(3)
で示される2価のポリシラン残基の一部であって、分子
中にSi−Si環状構造を形成してもよく;R6 はたが
いに同一または相異なる基であって、炭素数1から12
の置換もしくは非置換の1価の炭化水素基、またはOR
1 と同一のヒドロカルビルオキシ基を表し;nは2以上
の整数であり、好ましくはその平均値は後述の(A)成
分の分子量の好ましい範囲を満足させる数であり;mは
1以上の整数、rは2以上の整数である。
【0013】
【化2】
【0014】ここで、R1 〜R3 、R5 およびR6 の炭
素数1から12の置換もしくは非置換の1価の炭化水素
基としては、それぞれメチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、tert−ブチル、ヘキシル、オクチル
のような鎖状もしくは分岐状のアルキル基;シクロヘキ
シルのようなシクロアルキル基;ベンジル、フェニルエ
チルのようなアラルキル基;3−クロロプロピル、3,
3,3−トリフルオロプロピルのような置換アルキル
基;フェニル、トリル、メシチル、4−メトキシフェニ
ルのような置換または非置換のアリール基;ビニル、ア
リル、3−ブテニル、6−ヘキセニル、シクロペンテニ
ルのようなアルケニル基;4−ビニルフェニルのような
アルケニルアリール基;およびエチニル、プロピニルの
ようなアルキニル基が挙げられる。
【0015】このような1価の炭化水素基のうち、合成
が容易で、縮合反応が容易に進行することから、R1
してはメチル、エチルまたはイソプロピルのような低級
アルキル基が好ましい。また、R2 、R3 、R5 および
6 としては、それぞれ合成が容易なことからはメチル
基が好ましく、硬化反応によって形成される硬化物の用
途によって、たとえばエチル、イソプロピル、tert−ブ
チル、ヘキシルのようなアルキル基;シクロヘキシル
基;フェニル基;ビニル基などが選択される。
【0016】分子量はとくに限定されないが、合成およ
び取扱が容易なことから、500〜100,000の範
囲が好ましい。
【0017】このような化合物として、たとえば1,2
−ジメチル−1,1,2,2−テトラエトキシジシラン
や1,1,2−トリメチル−1,2,2−トリエトキシ
ジシランのナトリウムアルコラート触媒による不均化反
応で得られる、メチル基とエトキシ基を有するポリシラ
ン;1,2−ジシクロヘキシル−1,1,2,2−テト
ラメトキシジシランの不均化反応で得られる、シクロヘ
キシル基とメトキシ基を有するポリシラン;1,2−n
−ヘキシル−1,1,2,2−テトラメトキシジシラン
の不均化反応で得られる、n−ヘキシル基とメトキシ基
を有するポリシラン;1,2−ジ−tert−ブチル−1,
1,2,2−テトラメトキシジシランの不均化反応で得
られる、tert−ブチル基とメトキシ基を有するポリシラ
ンなどが例示される。またフェニルトリエトキシシラン
やジフェニルジエトキシシランのようなアルコキシシラ
ン存在下での1,2−ジメチル−1,1,2,2−テト
ラエトキシジシランや1,1,2−トリメチル−1,
2,2−トリエトキシジシランの不均化反応で得られ
る、メチル基、フェニル基およびエトキシ基を有するポ
リシランも例示される。このようなジシラン化合物の製
造は、特開平4−311727号公報や特願平4−21
3931号公報に開示されており、原料の選択により、
様々な有機置換基とヒドロカルビルオキシ基を含有する
ポリシランを入手することが可能である。これらのポリ
シランは、1種類を単独で用いても、2種類以上を併用
しても差支えない。
【0018】本発明で用いられる(B)成分は、水分の
存在において、(A)成分中のヒドロカルビルオキシ基
の加水分解反応と、それに続く生成したシラノール基ど
うしの結合反応、または残存ヒドロカルビルオキシ基と
生成したシラノール基との間の縮合反応を促進すること
により、ポリシラン間の架橋反応を起こさせる硬化触媒
である。本発明の組成物は、湿度の高い環境下に放置す
るだけでも常温で触媒なしに反応が進行して硬化する
が、工業的に有利な条件で架橋反応を促進するために、
縮合反応用硬化触媒を添加する。
【0019】このような縮合反応用硬化触媒としては、
ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエー
ト、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウ
レート、ジブチルスズジマレエートなどの有機スズ化合
物;スズ、鉛、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛などのナ
フテン酸塩もしくはオクタン酸塩に代表される金属有機
酸塩;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチ
タネート、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセト
アセテート)、ジイソプロポキシチタンビス(アセチル
アセトネート)、1,3−プロパンジオキシチタンビス
(エチルアセトアセテート)、1,3−プロパンジオキ
シチタンビス(アセチルアセトネート)などのチタン含
有有機化合物;ジイソプロポキシアルミニウムエチルア
セトアセテート、アルミニウムトリス(エチルアセトア
セテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネー
ト)などのアルミニウム含有有機化合物;ジメチルヘキ
シルアミン、テトラメチルグアニジンなどのアミン化合
物;塩化テトラメチルアンモニウムなどの第四級アンモ
ニウム塩類などが例示される。これらの縮合反応用硬化
触媒は、1種類を単独に用いても、2種類以上を併用し
てもよい。
【0020】(A)成分に対する(B)成分の混合比は
特に限定されないが、たとえば(B)成分としてジブチ
ルスズジラウレートを用いる場合、(A)成分100重
量部に対して0.05〜5重量部が適当である。
【0021】なお、硬化物中に、前述の(A)成分の架
橋反応によって生ずるシロキサン結合の量を越えてシロ
キサン結合を存在させたい場合、または硬化物の有する
特性の多様化を意図する場合には、本発明の特徴を損ね
ない範囲で、ケイ素原子に結合するヒドロカルビルオキ
シ基を有するシランR2 aSi(OR1)4-a (式中、R1
およびR2 は前述のとおりであり;aは1〜4の整数で
ある)またはその部分加水分解縮合物を共存させて、
(A)成分と共加水分解、共縮合させることにより、硬
化物中にシロキサン結合を導入してもよい。このような
シランまたはその部分加水分解縮合物の量は、(A)成
分に対して50重量%以下が好ましい。
【0022】本発明において、溶媒は一般に使用しても
しなくてもよいが、(A)成分と(B)成分、複数の
(A)成分どうし、または(A)成分と共存させるシラ
ンまたはその部分加水分解縮合物との間が互いに溶解し
ないときには、これらを均一に混合するために溶媒を共
存させることが好ましい。このような溶媒として、たと
えばトルエン、キシレン、ヘキサン、ミネラルスピリッ
ト、テトラヒドロフラン(以下、THFという)、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、クロロホルムなど
の有機溶媒が挙げられる。
【0023】縮合硬化反応は、通常、0〜200℃の範
囲で実施される。また通常、常圧下で実施されるが、必
要に応じて減圧または加圧の状態でも実施できる。
【0024】反応時間は反応温度によって異なるが、通
常、5分から36時間の範囲である。
【0025】本発明のポリシラン組成物は、取扱いが容
易なことから、液状であることが好ましいが、用途によ
っては固体でもよい。硬化によって、ポリシラン鎖がシ
ロキサン結合によって架橋した3次元網状構造を有する
固体の有機ケイ素ポリマーが得られる。
【0026】
【発明の効果】本発明の硬化性ポリシラン組成物は、縮
合反応によって架橋が進行し、ポリシラン鎖がシロキサ
ン結合によって架橋した三次元網状ポリマーを形成す
る。したがって、このような硬化反応を経て形成された
成形品や薄膜は、機械的強度、基材との密着性、耐溶剤
性および耐熱性に優れている。さらにポリマー中のポリ
シランの含有量が高いので、ポリシランに特有な光学
的、電子的性質を備えている。
【0027】さらに、ポリシランの良好な溶解性、成形
性、成膜性を得るためにこれまで必要であった置換基の
選択や分子量の制御が重要でなくなり、成形品や薄膜の
作成が非常に容易になる。たとえば、今まで成形性、成
膜性の点で問題があった分子量の比較的小さなポリシラ
ンを用いても、有用な硬化物が得られるようになる。さ
らに有機溶媒の使用量を限界まで低減することが可能と
なり、地球環境の悪化の抑制に貢献する。
【0028】このような利点を生かして、本発明の硬化
性ポリシラン組成物を硬化させて、有機導電材料、非線
形光学材料、炭化ケイ素前駆体、フォトレジスト材料な
どとして利用できるので、その工業的価値は大きい。
【0029】
【実施例】以下の合成例、実施例および比較例によっ
て、本発明をさらに詳しく説明する。これらの例におい
て、部はすべて重量部を示す。本発明は、これらの実施
例によって制限されるものではない。
【0030】合成例1 1,1,2−トリメチルー1,2,2−トリエトキシジ
シラン100部にナトリウムエチラート2部を加え、1
10℃で12時間不均化反応させた後、ナトリウムエチ
ラートをろ別し、低沸点分を留去した。ポリスチレン換
算重量平均分子量2,300(Mw/Mn =1.3)、メチ
ル基とエトキシ基の個数比6:1( 1HNMR積分比か
ら)の、淡黄色オイル状のポリシランが31部得られ
た。
【0031】合成例2 1,2−ジメチル−1,1,2,2−テトラエトキシジ
シラン30部と1,1,2−トリメチル−1,2,2−
トリエトキシジシラン70部との混合物に、ナトリウム
エチラート2部を加え、110℃で12時間不均化反応
させた後、ナトリウムエチラートをろ別し、低沸点分を
留去し、エタノールから再沈殿させた。ポリスチレン換
算重量平均分子量3,500(Mw/Mn =1.8)、メチ
ル基とエトキシ基の個数比9:1( 1HNMRの積分比
から)の、白色固体状のポリシランが21部得られた。
【0032】合成例3 フェニルトリエトキシシラン100部、1,2−ジメチ
ル−1,1,2,2−テトラエトキシジシラン30部お
よび1,1,2−トリメチル−1,2,2−トリエトキ
シジシラン70部の混合物に、ナトリウムエチラート5
部を加え、140℃で12時間不均化反応させた後、ナ
トリウムエチラートをろ別し、低沸点分を留去し、エタ
ノールから再沈殿させた。ポリスチレン換算重量平均分
子量2,700(Mw/Mn =2.0)、フェニル基、メチ
ル基およびエトキシ基の個数比が3:5:1( 1HNM
Rの積分比から)の、白色固体状のポリシランが23部
得られた。
【0033】合成例4 1,2−ジシクロヘキシル−1,1,2,2−テトラメ
トキシジシラン100部にナトリウムメチラート2部を
加え、110℃で15時間不均化反応させた後、ナトリ
ウムメチラートをろ別し、低沸点分を留去した。ポリス
チレン換算重量平均分子量2,500(Mw/Mn =1.
5)、シクロヘキシル基とメトキシ基の個数比5:1
1HNMRの積分比から)の、淡黄色オイル状のポリ
シランが35部得られた。
【0034】合成例5 1,2−ジビニル−1,2−ジメチル−1,2−ジエト
キシジシラン80モル%、1−ビニル−1,2−ジメチ
ル−1,2,2−トリエトキシジシラン20モル%の混
合物100部に、ナトリウムエチラート2部を加え、8
0℃で10時間不均化反応させた後、ナトリウムエチラ
ートをろ別し、低沸点分を留去すると、ポリスチレン換
算重量平均分子量1,600(Mw/Mn =1.5)、ビニ
ル基、メチル基およびエトキシ基の個数比が2:4:1
1HNMRの積分比から)の、淡黄色オイル状のポリ
シランが33部得られた。
【0035】実施例1 合成例1で合成したエトキシ基含有ポリシラン100部
と、ジブチルスズジラウレート1部をガラス製サンプル
管に仕込み、混合して、ポリシラン組成物を調製した。
この組成物を80℃の恒温槽中に入れて1時間放置した
ところ、淡黄色透明の硬化物に変化した。このものの一
部をスパチュラで削り取り、トルエン、THF、クロロ
ホルムに溶解するか否かを調べたところ、いずれの溶媒
にも溶解せず、完全に硬化していることを示した。この
硬化物の赤外線吸収スペクトルを図1に示す。特性吸収
とその帰属は次のとおりであった。 IR(cm-1):2960(C−H),2890(C−H),1262
(Si−Me),1080(Si−O−Si,Si−O−
C)
【0036】実施例2 実施例1で調製した組成物を、スピナーによってシリコ
ンウエハ上に塗布して、室温で2時間放置し、さらに1
00℃の恒温槽で1時間加熱した。これにより硬化が進
行し、膜厚1.1μm のポリシラン硬化膜が得られた。
この硬化膜の硬度を鉛筆で調べると、Hでこすっても傷
がつかなかった。また、トルエン、THF、クロロホル
ムをそれぞれ含む布でこすっても硬化膜が剥げることが
なく、完全に硬化していることが示された。さらにこの
硬化膜についてゴバン目試験(基板状の薄膜を10×1
0のマス目に区切り、その上にセロハンテープを粘着さ
せて一定の力で剥離する試験)を行うと、剥離がまった
く観測されず、基板との良好な密着性が示された。
【0037】なお、100℃の恒温槽に入れる前には、
指で触れても上記の塗布膜は剥げた。このことから、上
記のポリシラン組成物は、加熱によって初めて完全に硬
化して、堅牢な硬化膜を与えることが明らかとなった。
【0038】実施例3〜6 実施例1と同様にして、ガラス製サンプル管にそれぞれ
合成例2〜5で合成したアルコキシ基含有ポリシラン1
00部とジブチルスズジラウレート1部を加えて混合し
て、それぞれ組成物を調製した。ただし、合成例2〜3
で得られたポリシランを用いた場合は、ポリシランと縮
合硬化触媒が均一に混合しないので、それぞれにトルエ
ン20部を添加して混合した。これらの混合物を80℃
の恒温槽に入れて1時間放置し、硬化物を得た。これら
の硬化物の性状および有機溶媒への溶解性を表1にまと
めた。
【0039】
【表1】
【0040】実施例7〜10 実施例2と同様にして、実施例3〜6で調製した組成物
を、それぞれスピナーによってシリコンウエハ上に塗布
して、室温で2時間放置し、さらに100℃の恒温槽で
1時間加熱した。硬化が進行し、ポリシラン硬化膜が得
られた。これらのポリシラン硬化膜の膜厚、鉛筆硬度、
耐溶媒性および基材への密着性を表2にまとめた。
【0041】
【表2】
【0042】実施例11〜15 ジブチルスズジラウレートの代わりに表3に示す触媒を
用いたほかは実施例1と同様にして、ポリシラン組成物
を調製した。これらの組成物を、それぞれ表3に示す硬
化条件を用いた以外は実施例1と同様に硬化させた。い
ずれの場合も、硬度、耐溶媒性とも良好な硬化物が得ら
れた。
【0043】
【表3】
【0044】比較例1 メチルシクロヘキシルジクロロシランをナトリウム金属
と脱塩化ナトリウム反応させることによって得たポリメ
チルシクロヘキシルシラン(ポリスチレン換算重量平均
分子量23,000(Mw/Mn =1.8)1部をトルエン
20部に溶解し、溶解しない部分はろ別した。この溶液
をスピナーによってシリコンウエハ上に塗布して、室温
で2時間放置し、さらに100℃の恒温槽で1時間加熱
したところ、膜厚0.7μm の硬化膜が得られた。この
膜の硬度を鉛筆で調べると、4Bの鉛筆でこすっても傷
がつき、強度に劣ることが示された。またトルエン、T
HF、クロロホルムを含ませた布でこすると、いずれも
膜が容易に剥離し、膜の耐溶媒性または基材との密着性
に難があることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1による硬化物の赤外線吸収スペクトル
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ケイ素原子に結合するヒドロカル
    ビルオキシ基を1分子中に平均2個以上有するポリシラ
    ン;および(B)縮合反応用硬化触媒を含むことを特徴
    とする硬化性ポリシラン組成物。
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