JPH0586195A - ケイ素系ハイブリツド材料 - Google Patents

ケイ素系ハイブリツド材料

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JPH0586195A
JPH0586195A JP27829191A JP27829191A JPH0586195A JP H0586195 A JPH0586195 A JP H0586195A JP 27829191 A JP27829191 A JP 27829191A JP 27829191 A JP27829191 A JP 27829191A JP H0586195 A JPH0586195 A JP H0586195A
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JP
Japan
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chemical
silicon
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groups
hybrid material
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JP27829191A
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English (en)
Inventor
Takanao Iwahara
孝尚 岩原
Noriyoshi Ando
紀芳 安藤
Kazuya Yonezawa
和弥 米沢
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、耐熱性、耐燃焼性に優れ、軽量高
靱性で高い機械的強度と良好な成形加工性を有するケイ
素系ハイブリッド材料及びその製造方法を提供するもの
である。 【構成】 本発明は、(A)アルコキシシラン類、
(B)少なくとも2個のSiH基を有するケイ素化合
物、(C)少なくとも2個のアルケニル基を有するケイ
素化合物からなる系において、アルコキシシリル基の
加水分解・縮合反応、SiH基とアルケニル基とのヒ
ドロシリル化反応、アルコキシシリル基及び/または
SiH基から誘導されたシラノール基とSiH基との縮
合反応を同時進行的に行なわせて得られることを特徴と
するケイ素系ハイブリッド材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、(A)アルコキシシラ
ン類、(B)少なくとも2個のSiH基を有するケイ素
化合物、(C)少なくとも2個のアルケニル基を有する
ケイ素化合物からなる系においてアルコキシシリル基
の加水分解・縮合反応、SiH基とアルケニル基との
ヒドロシリル化反応、アルコキシシリル基及び/また
はSiH基から誘導されたシラノール基とSiH基との
縮合反応を同時進行的に行なわせて得られる、耐熱性、
耐燃焼性、耐環境性に優れ、軽量高靱性で高い機械的強
度と良好な成形加工性を有するケイ素系ハイブリッド材
料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術と問題点】現在、ケイ素系材料としてはそれ
ぞれの特徴及び要求性能を鑑みて各種タイプの材料が使
用されている。炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素な
どの含ケイ素セラミックス類や各種シリケート類は機械
的強度、化学的安定性、熱的安定性に優れた材料であ
る。しかし、これらの無機系シリコン化合物は一般に硬
くて脆く、成形加工性がきわめて悪いため、その用途が
制限されている。
【0003】また、主鎖骨格にケイ素を含む、ポリシロ
キサンポリカルボシラン、ポリシラン、ポリシラザンな
どのいわゆる有機ケイ素ポリマーは一般に無機系シリコ
ン化合物に比較して成形加工性に優れるもののその機械
的強度が格段に劣るためその使用範囲が限定されてい
る。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明はかかる実情に鑑
み鋭意研究の結果、これらの問題を解決して、耐熱性、
耐燃焼性に優れ、軽量高靱性で高い機械的強度と良好な
成形加工性を有するケイ素系ハイブリッド材料及びその
製造方法を提供するものである。すなわち本発明は、
(A)アルコキシシラン類、(B)少なくとも2個のS
iH基を有するケイ素化合物、(C)少なくとも2個の
アルケニル基を有するケイ素化合物からなる系におい
て、アルコキシシリル基の加水分解・縮合反応、S
iH基とアルケニル基とのヒドロシリル化反応、アル
コキシシリル基及び/またはSiH基から誘導されたシ
ラノール基とSiH基との縮合反応を同時進行的に行な
わせて得られることを特徴とするケイ素系ハイブリッド
材料及びその製造方法に関する。
【0005】本発明で(A)成分として用いられるアル
コキシシラン類は本発明で得られるケイ素系ハイブリッ
ド材料の耐熱性、耐燃焼性、耐環境性、高強度を付与す
るための成分であって特に制限はなく各種のものを使用
することができるが、式(1)で表わされるアルコキシ
シラン類あるいはその部分加水分解縮合物を好ましく用
いることができる。
【0006】 Rn Si(OR′)4-n (1) Rは炭素数1から50までの1価の有機基で同一であっ
ても異なっていてもよく、また官能基を含んでいてもよ
い。R′はメチル、エチル、n−プロピルなどの1価の
炭化水素基。nは0,1,2,3から選ばれる整数。
【0007】具体的に例示すれば、オルトメチルシリケ
ート、オルトエチルシリケート、オルトn−プロピルシ
リケート、オルトi−プロピルシリケートオルト、オル
トn−ブチルシリケート、オルトイソアミルシリケー
ト、オルトn−オクチルシリケート、オルトn−ノニル
シリケートなどのテトラアルコキシシラン類及びその部
分加水分解縮合物、メチルトリメトキシシラン、メチル
トリエトキシシラン、メチルトリn−プロピルシラン、
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシ
ラン、エチルトリメトキシシランなどのトリアルコキシ
シラン類及びその部分加水分解縮合物、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ(メタクリ
ロキシプロピル)トリメトキシシラン、β(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェ
ニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルトリメトキシシランなどの官能基を有するトリアル
コキシシラン類及びその部分加水分解縮合物、ジメチル
ジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、
ジフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジフェニルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシ
シランなどのジアルコキシシラン類、ビニルメチルジメ
トキシシラン、γ(メタクリロキシプロピル)メチルジ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン
などの官能基を有するジアルコキシシラン類、トリメチ
ルメトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、
トリフェニルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラ
ン、オクチルジメチルメトキシシランなどのモノアルコ
キシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、γ(メタ
クリロキシプロピル)ジメチルメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルジメチルメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルジメチルメトキシシランなどの官能基を有するモ
ノアルコキシシラン類があげられる。
【0008】これらのうちで、1分子中に少なくとも3
個以上のアルコキシ基を有するオルトシリケート類、ト
リアルコキシシラン類及びそれらの部分加水分解縮合物
が好適に用いられる。これらのアルコキシシラン類及び
それらの部分加水分解縮合物は1種類だけ用いてもよく
また2種類以上を併用してもよい。本発明で(B)成分
として用いられる少なくとも2個のSiH基を有するケ
イ素化合物及び(C)成分として用いられる少なくとも
2個のアルケニル基を有するケイ素化合物は、本発明で
得られるケイ素系ハイブリッド材料に靱性、軽量性、成
形加工性を付与する成分である。
【0009】本発明で(B)成分として用いられる少な
くとも2個のSiH基を有するケイ素化合物としては、
以下化1で示される化合物などの重合体でない化合物を
あげることができる。
【0010】
【化1】
【0011】また、少なくとも2個のSiH基を有する
化合物としてケイ素系高分子を用いることもできる。ま
ず、ポリシロキサン類としては、下記化2〜化17等で
示される、鎖状、枝分かれ状、環状の各種の多価ハイド
ロジェンポリシロキサン等をあげることができる。
【0012】
【化2】
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】
【化7】
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】
【0020】
【化10】
【0021】
【化11】
【0022】
【化12】
【0023】
【化13】
【0024】
【化14】
【0025】
【化15】
【0026】
【化16】
【0027】
【化17】
【0028】ポリカルボシラン類としては、以下の主鎖
骨格をもつものをあげることができる。
【0029】
【化18】
【0030】(式中R1 はHもしくは炭素数が1〜10
の1価の炭化水素基を表わし、1種類でも異なっていて
もよい。nは1〜10から選ばれる整数。)
【0031】
【化19】
【0032】(式中R1 は前述と同じ。R2 はHもしく
は炭素数が1〜10の1価の炭化水素を表わし、少くと
も1つはHでない。また1種類でも異なっていてもよ
い。nは前述と同じ。)
【0033】
【化20】
【0034】(式中R1 は前述と同じ。nは前述と同
じ。)
【0035】
【化21】
【0036】(式中R1 は前述と同じ。nは前述と同
じ。)
【0037】
【化22】
【0038】(式中R1 は前述と同じ。nは前述と同
じ。)
【0039】
【化23】
【0040】(式中R1 は前述と同じ。)
【0041】
【化24】
【0042】(式中R1 は前述と同じ。)
【0043】
【化25】
【0044】(式中R1 は前述と同じ。R3 は炭素数が
4〜10の2価の環状炭化水素基もしくはビシクロ環状
炭化水素基を表わす。)ここで列挙したR1 及びR2
H、CH3 、CH2 CH3 もしくはフェニル基が好まし
い。R3 は炭素数が4〜6の環状炭化水素が好ましい。
nは1〜6が好ましい。また、本発明で用いられるポリ
カルボシラン類は、上記の繰返し単位が1種類から構成
される重合体でも2種類以上から構成される共重合体で
あってもよい。このうち、好ましい構造式を例示すれば
下記化26〜化34などが挙げられる。
【0045】
【化26】
【0046】
【化27】
【0047】
【化28】
【0048】
【化29】
【0049】
【化30】
【0050】
【化31】
【0051】
【化32】
【0052】
【化33】
【0053】
【化34】
【0054】また、以下の化35の繰返し単位を有する
ポリカルボシラン類も用いることができる。
【0055】
【化35】
【0056】(式中RはHもしくは炭素数が1〜10の
1価の炭化水素基を表わし、1種類でも2種類以上でも
よい。Xは2価の炭素数が1〜10の有機基もしくは酸
素を表わす。ポリマーユニットは、1種類でも、Rもし
くはXが異なる2種類以上の共重合体でもよい。
【0057】上記式中RはH、CH3 、フェニル基が好
ましい。)具体的な構造式を特定すれば、化36〜化4
2が挙げられる。尚Meはメチル基をphはフェニル基
を表わす。
【0058】
【化36】
【0059】
【化37】
【0060】
【化38】
【0061】
【化39】
【0062】
【化40】
【0063】
【化41】
【0064】
【化42】
【0065】ポリシラン類を構成する繰返し単位として
は、化43などをあげることができる。これらの繰返し
単位は、単独あるいは2種以上の共重合体であってもよ
いが、構成されるポリシラン1分子中に少なくとも2個
のSiH基を有する必要がある。尚、Etはエチル基、
Prはプロピル基、Buはブチル基を表わす。
【0066】
【化43】
【0067】ポリシラザン類を構成する繰返し単位とし
ては、化44などをあげることができる。これらの繰返
し単位は単独あるいは2種以上の共重合体であってもよ
いが、構成されるポリシラザン1分子中に少なくとも2
個のSiH基を有する必要がある。
【0068】
【化44】
【0069】さらに、本発明において(B)成分として
用いられる少なくとも2個のSiH基を有するケイ素化
合物として、特開平3−95266号及び同3−200
807号公報に開示されている、分子中に少なくとも2
個のヒドロシリル基を有する、重合体でない有機系硬化
剤及び分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有す
る分子量が500〜50000である有機重合体を用い
ることもできる。
【0070】本発明に(C)成分として用いられる少な
くとも2コのアルケニル基を有するケイ素化合物として
は、(CH2 =CH)2 SiMe2 ,(CH2 =CH−
CH2 2 SiMe2 ,(CH2 =CH)3 SiMe,
(CH2 =CH)4 Si,(CH2 =CH)2 Si
(OMe)2 ,(CH2 =CH)2 Si(OEt)2
HC≡C−SiMe2 OSiMe2 C≡CH,CH2
CHSiMe2 OSiMe2 CH=CH2
【0071】
【化45】
【0072】などの重合体でない化合物があげられる。
また、少なくとも2個のアルケニル基を有するケイ素化
合物として、ケイ素系高分子を用いることもできる。ま
ず、ポリシロキサン類としては、化46〜化53などを
あげることができる。
【0073】
【化46】
【0074】
【化47】
【0075】
【化48】
【0076】
【化49】
【0077】
【化50】
【0078】
【化51】
【0079】
【化52】
【0080】
【化53】
【0081】ポリカルボシラン類、ポリシラン類、ポリ
シラザン類としては(B)成分として先に説明した本発
明で用いる少なくとも2個のSiH基を有する化合物と
して例示した各種主鎖骨格を有するケイ素系高分子を原
則的に用いることができる。もちろん、ビニル基、アリ
ル基などの不飽和基を分子中に2個以上含有する必要が
ある。具体的に例示すれば化54〜化67などがあげら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0082】
【化54】
【0083】
【化55】
【0084】
【化56】
【0085】
【化57】
【0086】
【化58】
【0087】
【化59】
【0088】
【化60】
【0089】
【化61】
【0090】
【化62】
【0091】
【化63】
【0092】
【化64】
【0093】
【化65】
【0094】
【化66】
【0095】
【化67】
【0096】本発明において(B)及び/または(C)
成分として、ケイ素系高分子または有機重合体を用いる
場合には、それぞれのSiH基及び/またはアルケニル
基は1分子中に2〜10個存在するのが好ましく、さら
に該官能基は分子末端に存在する方が、本発明のケイ素
系ハイブリッド材料に靱性を付与できるという点から好
ましい。また該高分子または該重合体の分子量としては
1000〜500000程度が好ましい。
【0097】本発明で用いられる(A)成分と(B)及
び(C)成分の合計重量(b)+(c)との比率は得ら
れるケイ素系ハイブリッド材料の特性を制御する上で非
常に重要な指標である。アルコキシシラン類はその種類
によってケイ素含量が異なるので、該アルコキシシラン
類が完全に加水分解・縮合したと仮定して計算したSi
2 (Si各1原子が形式的にSiO2 1ユニットに変
換されると仮定した。)量(a)と(b)+(c)との
重量比を用いるのが簡便である。該重量比(a)/
〔(b)+(c)〕は、0.1〜100の範囲で好適に
用いることができる。さらに好ましくは0.2〜80、
特に好ましくは0.5〜50の範囲である。該重量比が
0.1より小さいと得られるケイ素系ハイブリッド材料
の強度が充分でなく、また100より大きいと得られる
ケイ素系ハイブリッド材料が脆くなってしまう。
【0098】本発明の(A)、(B)及び(C)成分か
らなる反応系においては、次のような反応(2)〜
(8)が進行し、最終的には本発明のケイ素系ハイブリ
ッド材料が得られると考えられる。 SiOR+H2 O → SiOH+ROH (2) SiH +H2 O → SiOH+H2 ↑ (3) SiH +HOR → SiOR+H2 ↑ (4) SiOH+SiH → SiOSi+H2 ↑ (5) SiOH+ROSi → SiOSi+ROH (6) SiOH+HOSi → SiOSi+H2 O (7) SiH +CH=CH2 → SiCH2 CH2 (8) これらの反応のうち、特に(A)成分の分子量増大・架
橋反応に用いられる式(5)〜(7)、それから(B)
成分と(C)成分のいわゆるヒドロシリル化反応によっ
て分子量が増大する式(8)の反応を同時進行的に行な
わせることが、本発明の均一で高性能なケイ素系ハイブ
リッド材料を得る上で重要である。
【0099】式(5)〜(7)の反応式が(8)の反応
より著しく速いと、得られる材料は膨潤ゲルとなり、ま
た反応速度の関係が逆の場合にはラジカル重合体の分
離、沈澱などが起こることが多い。式(5)〜(7)の
反応は、アルコキシシランの濃度、アルコキシ部位の構
造、Si上のアルコキシ基の数、縮合反応触媒種・量、
水の量、反応温度、溶剤種・量などを変化させることに
より制御することができる。また、式(8)の反応は触
媒種・量、溶剤種・量、反応温度などを変化させること
により制御することができる。したがって、目的とする
性能を有するケイ素系ハイブリッド材料を得るために適
宜反応条件を選択することができる。
【0100】なかでも、触媒の適切な選択による方法は
その効果が大きい。式(2)〜(7)のシリル基の加水
(アルコール)分解・縮合反応に用いられる触媒として
は、塩酸、硫酸、燐酸、塩化白金酸などの無機酸類;水
酸化ナトリウム、水酸化カルシウムなどの無機塩基類;
テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネートな
どのチタン酸エステル類;ジブチルスズジラウレート、
ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、
オクチル酸スズ、ナフテン酸スズなどのスズカルボン酸
塩類;ジブチルスズオキサイドとフタル酸エステルとの
反応物;ジブチルスズジアセチルアセトナート;アルミ
ニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリ
スエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニ
ウムエチルアセトアセテートなどの有機アルミニウム化
合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセテート、チタ
ンテトラアセチルアセトナートなどのキレート化合物
類;オクチル酸鉛;ブチルアミン、オクチルアミン、ジ
ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキ
シルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピル
アミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、
ジアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリ
ス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、
N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデ
セン−7(DBU)などのアミン系化合物あるいはそれ
らのカルボン酸などとの塩;過剰のポリアミンと多塩基
酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリ
アミンとエポキシ化合物との反応生成物;アミノ基を有
するシランカップリング剤、たとえばγ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミ
ノプロピルメチルジメトキシシランなどの化合物を例示
することができる。さらには他の酸性触媒、塩基性触媒
などの公知のシラノール縮合触媒等があげられる。これ
らの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても
よい。
【0101】式(8)のいわゆるヒドロシリル化反応に
用いられる触媒としては、白金の単体、アルミナ、シリ
カ、カーボンブラックなどの単体に固体白金を担持させ
たもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデ
ヒド、ケトンなどとの錯体、白金−オレフィン錯体(た
とえば、Pt(CH2 =CH2 2 (PPh3 2 Pt
(CH2 =CH2 2 Cl2 );白金−ビニルシロキサ
ン錯体(たとえば、Ptn (ViMe2 SiOSiMe
2 Vi)m 、Pt〔(MeViSiO)4 m )、白金
−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh3 4 、Pt
(PBu)4 )、白金−ホスファイト錯体(たとえば、
Pt〔P(OPh)3 4 )(式中、Meはメチル基、
Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を
表し、m,nは整数を表す)、ジカルボニルジクロロ白
金、また、アシュビー(Ashby)の米国特許第31
59601および、3159662号明細書中に記載さ
れた白金−炭化水素複合体、並びに、ラモロー(Lam
oreaux)の米国特許第3220972号明細書中
に記載された白金アルコラート触媒も挙げられる。さら
に、モディック(Modic)の米国特許第35169
64号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合
体も本発明において有用である。また、白金化合物以外
の触媒の例としてはRhCl(PPh3 3 、RhCl
3 、RhAl2 3 、RuCl3 IrCl3 、FeCl
3 、AlCl3 、PdCl2 2H2 O、NiCl2 、T
iCl4 などが挙げられる。これらの触媒は単独で使用
してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の
点から、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビ
ニルシロキサン錯体が好ましい。触媒量としては特に制
限はないが(C)成分中のアルケニル基1molに対し
て、10-1〜10-3molの範囲で用いるのがよい。
【0102】本発明のケイ素系ハイブリッド材料は式
(2)〜(8)の反応を同時進行的に行なわせて得られ
るのであるが、所望の特性を得るためには(A)、
(B)及び(C)基本成分が互いに相溶することが望ま
しい。さらに、アルコキシシラン類の縮合反応に一般的
には必要な縮合触媒、水、及びヒドロシリル化反応に必
要な触媒などの成分が反応系中に均一に相溶しているこ
とが望ましい。反応系が不均一な状態で反応を行なう
と、部分的にアルコキシシラン類、ラジカル重合性モノ
マー、縮合触媒、重合開始剤などの濃度が局所的に高く
なり部分的なゲル化が起こり不均質な材料しか得られな
い場合が多い。
【0103】そこで、上記成分の相溶性向上、さらには
反応温度制御などのために必要に応じて溶剤を用いるこ
とができる。該溶剤としては特に制限はないが、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノー
ル、n−ブタノール、などのアルコール系溶剤;TH
F、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、ジエチ
ルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル系溶剤;
アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤;ク
ロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロベ
ンゼンなどのハロゲン系溶剤;トルエン、キシレン、ヘ
キサンなどの炭化水素系溶剤;アセトニトリル、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピ
ロリドンなどの極性アプロチック溶剤;などを具体的に
使用することができる。これらのうちで、メタノール、
エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、TH
F、1,4−ジオキサン、アセトンより1種または2種
以上選ばれる溶剤が好ましい。
【0104】本発明のケイ素系ハイブリッド材料を得る
ための後処理工程として、反応混合物あるいは場合によ
っては反応前の混合物を、室温から100℃程度の温度
範囲で膜状、繊維状、板状、棒状その他複雑な形状に成
形する工程、該反応混合物から揮発成分を除去する工程
が含まれる。このうち揮発成分除去の工程では硬化収縮
及び成形体の緻密化が起こるので、該工程は得られるケ
イ素系ハイブリッド材料の性能に大きな影響を与える。
一般には成形体内部に残る歪を最小限にするために徐々
に揮発成分を除去するのが好ましい。その際温度・圧力
を変化させることを利用してもよい。さらに、得られる
ケイ素系ハイブリッド材料の物性を向上させる目的で焼
成を行なってもよい。
【0105】本発明のケイ素系ハイブリッド材料は
(A)、(B)及び(C)成分を主成分として製造され
るのであるが、該基本成分の他に得られるケイ素系ハイ
ブリッド材料の特性を調製する目的で各種添加剤・補強
剤を用いることができる。該添加剤・補強剤は上記基本
成分の反応時、それらの縮合反応がある程度進行した段
階、揮発成分の除去段階などで必要に応じて添加するこ
とができる。
【0106】本発明で用いることのできる添加剤・補強
剤を具体的に例示すれば、(A)成分であるアルコキシ
シラン類以外の各種金属アルコキシドもしくは水酸化物
を併用してもよい。それらの化合物を具体的にあげれ
ば、Al(Oi−Pr)3 、Ti(Oi−Pr)4 、T
i(On−Bu)4 ,B(OEt)3 、Zr(Oi−P
r)4 、Ti(OSiMe3 4 、(Me3 SiO)2
Ti(OiPr)2 、B(OH)3 、(ここで、i−P
rはイソプロピル基、n−Buはノルマルブチル基、E
tはエチル基、Meはメチル基を各々示す)、などの各
種アルコキシドあるいは水酸化物類、ガラス繊維、アル
ミナ繊維、炭素繊維、ボロン繊維、シリコンカーバイド
繊維、シリコンナイトライド繊維、チラノ繊維、などの
無機繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊
維、ポリエステル繊維、ポリアリレート繊維、超高分子
量ポリエチレン繊維、ポリ−p−ベンズアミド、ポリア
ミドヒドラジド等の有機繊維からなる、チョップ状、ヤ
ーン状、織物状、マット状のものや、アスベスト、マイ
カ、タルク等ならびにこれらの混合物、炭酸カルシウ
ム、アルミナ、シリカ、クレー、酸化チタン、カーボン
ブラック等が例示できる。
【0107】このようにして得られる本発明のケイ素系
ハイブリッド材料は、各種の用途に用いることができ
る。具体的に例示すれば、人工衛生・スペースシャトル
・スペースコロニー・航空機やロケットの機体・エンジ
ン周辺部分などに用いる航空宇宙用構造材料、自動車の
外板・シリンダーヘッド・ホイールキャップ、プロペラ
シャフト、エンジン周辺部材・内装用部材・自転車のタ
イヤフレーム・リニアモーターカー用材料、その他自動
車・オートバイ・自転車・三輪車・鉄道・船舶などの各
種輸送機器に用いられる構造用材料、トラクターなどの
農業機器用材料、住宅・ビル・橋梁・歩道橋・はしご・
超高層ビル、大深度地下構造物、海中構造物などに用い
る構造用材料、ボート・ヨット・スキー・スノーモビル
・グラーダー機体・テニスラケット・ゴルフシャフト・
釣竿・テント用支柱などのスポーツ用品、電子レンジ・
冷蔵庫・洗濯機・パーソナルコンピューターなどの家電
品、人工骨・人工歯・人工歯根などの医療用材料、化粧
品用材料、シーリング材、接着剤、粘着剤、粘接着剤、
塗料、改質剤、可塑剤、マスキング材、離型材、消泡
材、繊維処理材、電気絶縁材料、半導体封止材料、セラ
ミック繊維及び成形体用前駆体、RIM・LIM・射出
・押出し・ブロー・圧縮などの成形材料、形状記憶材
料、光ファイバー・レーザーディスク光メモリー膜・フ
ォトクロミックガラス・光スイッチ・屈折率分布ガラス
・熱線遮断ガラス・反射鏡・反射防止ガラス・光ディス
ク基板などの光関連用機能性ガラス、テレビ撮像菅素子
・固体電池・遅延線ガラス・ディスプレイなどの電磁気
関連用機能性ガラス、耐熱材料・フォトマスク基板・付
着・接着などの熱関連用機能性ガラス、高温分離精製・
酵素固定・放射性廃棄物の固化などの化学関連用機能性
ガラスなどを挙げることができるがこれらに限定される
ものではない。
【0108】以下実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが、本発明の内容はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 500−ml、5−口フラスコにモーター付攪拌棒、2
5−ml均圧管付滴下ロート3本、3方コック付冷却管
を取り付け、系内を窒素置換した。フラスコ内にエチル
シリケート40(コルコート(株)製、次式化68に示
されるようなテトラエトキシシランの縮合体の混合物
で、鎖状以外に分岐状または環状などの複雑な構造を有
する縮合体と考えられている。技術資料より。)
【0109】
【化68】
【0110】200g、分子量約5000の末端ビニル
ポリジメチルシロキサン20g(ビニル基含量:約8m
mol、チッソ(株)製PS−441)及び乾燥1,4
−ジオキサン50mlを仕込んだ。次に(1)Ptを2
wt%含有した白金−テトラメチルジビニルジシロキサ
ン錯体21mg(8×10-4mmol、ビニル基に対し
1×10-4mol)を1,4−ジオキサン20mlに溶
解した溶液、(2)1,4−ビス(ジメチルシリル)ベ
ンゼン1.55g(SiH基含量:16mmol)を
1,4−ジオキサン20mlに溶解した溶液、(3)
0.5N HCl水溶液10mlを1,4−ジオキサン
10mlに溶解した溶液、をそれぞれ3本の滴下ロート
に仕込んだ。フラスコを70℃のオイルバスにつけ、内
容物をよく攪拌しながら3本の滴下ロートより、各溶液
を同時に滴下した。1時間かけて滴下を終了した。さら
に70℃で2時間反応させることにより粘稠な溶液を得
た。
【0111】得られた粘稠な反応溶液を、あらかじめテ
フロンシートを敷いた100×25×15mmの型枠に
該反応溶液を10mmの深さまで流し込んだ。これを室
温で1週間、50℃で3日間乾燥することにより厚さ約
2.5mmの板状のケイ素系ハイブリッド材料を得た。
この材料は通常のガラスと同程度の強度を有しかつ脆性
破壊しなかった。 比較例1 末端ビニルポリメチルシロキサン、溶液(1)及び
(2)を使用しなかった以外は実施例1と全く同じよう
にしてガラス状の成形体を得た。この成形体はガラスと
同程度の強度を有していたが脆性破壊した。
【0112】
【発明の効果】本発明により、耐熱性、耐燃焼性、耐環
境性に優れ、軽量高靱性で高い機械的強度と良好な成形
加工性を有するケイ素系ハイブリッド材料を提供するこ
とができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)アルコキシシラン類、 (B)少なくとも2個のSiH基を有するケイ素化合
    物、 (C)少なくとも2個のアルケニル基を有するケイ素化
    合物、からなる系において、 アルコキシシリル基の加水分解・縮合反応、 SiH基とアルケニル基とのヒドロシリル化反応、 アルコキシシリル基及び/またはSiH基から誘導さ
    れたシラノール基とSiH基との縮合反応 を同時進行的に行なわせて得られることを特徴とするケ
    イ素系ハイブリッド材料。
JP27829191A 1991-09-30 1991-09-30 ケイ素系ハイブリツド材料 Pending JPH0586195A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0748515A (ja) * 1993-08-04 1995-02-21 Toshiba Silicone Co Ltd 硬化性ポリシラン組成物
WO2013089474A1 (ko) * 2011-12-16 2013-06-20 삼성정밀화학(주) 절연층 형성용 저온 경화형 실록산계 가교성 조성물
JP2018012809A (ja) * 2016-07-22 2018-01-25 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 熱伝導性ポリシロキサン組成物

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