JPH0747917A - ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ - Google Patents

ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ

Info

Publication number
JPH0747917A
JPH0747917A JP5213508A JP21350893A JPH0747917A JP H0747917 A JPH0747917 A JP H0747917A JP 5213508 A JP5213508 A JP 5213508A JP 21350893 A JP21350893 A JP 21350893A JP H0747917 A JPH0747917 A JP H0747917A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
engaging means
winding shaft
side engaging
space
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5213508A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3252145B2 (ja
Inventor
Mitsuhiko Hiruta
満彦 晝田
Muneo Nishizawa
宗雄 西澤
Koji Hiramatsu
幸治 平松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takata Corp
Original Assignee
Takata Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takata Corp filed Critical Takata Corp
Priority to JP21350893A priority Critical patent/JP3252145B2/ja
Publication of JPH0747917A publication Critical patent/JPH0747917A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3252145B2 publication Critical patent/JP3252145B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロータリアクチュエータを駆動手段とするプ
リテンショナにおいて、ロータの慣性モーメントを減少
させ、巻締め量を増加させる。 【構成】 ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ
は、ラチェットホイール21と、それを取囲むシリンダ
30,32と、リング部312とベーン311とを有す
るロータ31と、クラッチキー22と、ガスジェネレー
タ4とから成る。ロータ31は、ベーン311とリング
部312とを一体形成された軽合金製とされ、キー摺動
孔313は、ロータ31のリング部312を巻取軸方向
両端に肉厚を残して貫通し、クラッチキー22を摺動自
在に支持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシートベルト装置のベル
ト巻取手段に連結されて、ベルトを緊急時に引締めるプ
リテンショナに関し、特にそのロータリアクチュエータ
のロータ部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両には、乗員の身体を座席
に拘束するシートベルト装置が設けられている。このシ
ートベルト装置において、車両の衝突等の緊急時に車両
にかかる過大な加速度を検知して緩く装着されたベルト
を引締め、拘束効果を向上させる手段としてプリテンシ
ョナが付設される。プリテンショナは、ベルト巻取手段
を構成するリトラクタに付設される場合は、リトラクタ
の通常の動作を妨げないように、ベルト巻取軸にクラッ
チ機構を介して連結可能とされる。
【0003】こうしたプリテンショナにおいて、その駆
動部にガス圧作動のロータリアクチュエータを用いる提
案が多数成されている。ロータリアクチュエータを駆動
部とするものにおいて、そのロータの内径部にクラッチ
機構を配し、該機構をシートベルト巻取軸に付設された
ラチェットホイールと、それに係合するロータ側の可動
ベーンとで構成したドイツ国公開特許第2505626
号明細書に開示の技術がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ベルト巻取
軸を回転させるプリテンショナの場合、巻取軸回転速度
は、数ミリセカンドの内に数回転するほど急激なもので
なければ有効な拘束効果を得ることができない。このよ
うな回転速度を得るには、引出されたベルトを含めたリ
トラクタ回転部の慣性モーメントに打ち勝つ大きな駆動
力が必要である。このような観点から上記明細書に開示
の構成をみると、ロータ側の係合手段がロータの受圧部
を構成するベーンを兼ねており、それがロータのリング
部を横断する切欠きを通して巻取軸側係合手段を構成す
るラチェットホイールに係合する構成とされているた
め、ロータのリング部は、その幅全体に渡って切欠かれ
ていることになる。この場合、上記切欠きからのガス漏
れが非常に大きくなり、駆動力のロスが大きいと考えら
れる。
【0005】他方、プリテンショナによるベルト巻取量
は、そのロータ起動時の回転角加速度に依存するところ
が大きい。したがって、ガス圧作用時にロータを急加速
すべく、ロータの慣性モーメント自体を減少させること
も巻取量を確保するうえで重要である。このようにロー
タの慣性モーメントを減少させる手段として、その軽合
金化が想起される。この面から上記明細書に開示の構成
をみると、上記のようにリング部が幅全体に切欠かれて
いるため、軽合金化されたロータでプリテンショナの作
動に耐える強度を確保することは困難である。
【0006】本発明は、上記のような事情に鑑み案出さ
れたものであり、ロータリアクチュエータを駆動手段と
し、クラッチ機構を介してリトラクタのシートベルト巻
取軸を駆動するプリテンショナにおいて、クラッチ機構
におけるロータ側係合手段のロータへの支持構成を改善
することにより、ロータの軽合金化を可能とし、それに
よりロータの慣性モーメントを減少させて、ベルト引締
め能力を向上させることを第1の目的とする。
【0007】次に、本発明は、ロータ側係合手段にシー
ル機能を持たせて、作動空間から連絡部即ち摺動孔を経
て係合空間へ逃げようとするガスを漏れ止めすることを
第2の目的とする。
【0008】さらに本発明は、ロータ側係合手段にかか
る回転モーメントを減少させて、それを支持する摺動孔
両側の肉厚部にかかる引張負荷を軽減させることを第3
の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は、シートベルト巻取軸に連結された巻取軸
側係合手段と、該巻取軸側係合手段を取囲む空間を画定
するシリンダと、該シリンダ内に配設されて前記空間を
作動空間と前記巻取軸側係合手段を収容する係合空間と
に分割するリング部と、前記作動空間内に延びる受圧部
とを有すると共に、前記リング部に前記の作動空間と係
合空間との連絡部を有するロータと、前記連絡部を通し
て前記巻取軸側係合手段と係脱自在なロータ側係合手段
と、前記作動空間に駆動用ガスを供給するガスジェネレ
ータとから成るロータリアクチュエータ作動プリテンシ
ョナにおいて、前記ロータは、前記リング部と前記受圧
部を一体形成された軽合金製とされ、前記連絡部は、前
記ロータのリング部を巻取軸方向両端に肉厚を残して貫
通し、前記ロータ側係合手段を摺動自在に支持する摺動
孔とされたことを構成とする。
【0010】そして、前記ロータ側係合手段は、前記摺
動孔の口部に係合する鍔を有する構成とすることができ
る。
【0011】さらに、前記摺動孔は、前記巻取軸側係合
手段の軸心に対してその巻取り回転方向後方に傾斜して
指向し、前記ロータ側係合手段は、前記ロータの回転時
に前記巻取軸側係合手段に引張状態で係合するパウルを
有する構成とすることができる。
【0012】
【作用】このような構成を採った本発明に係るロータリ
アクチュエータ作動プリテンショナでは、ロータのリン
グ部を貫通する摺動孔の両端に残された肉厚が、軽合金
化されたロータのリング部強度を保持する機能を果た
す。
【0013】そして、ロータ側係合手段を前記摺動孔の
口部に係合する鍔を有する構成とすると、該鍔が摺動孔
の口部に係合することで、駆動用ガスの係合空間への漏
れを防ぐシール機能を果たす。
【0014】さらに、摺動孔を巻取軸側係合手段の軸心
に対してその巻取り回転方向後方に傾斜して指向させ、
ロータ側係合手段をロータの回転時に前記巻取軸側係合
手段に引張状態で係合するパウルを有する構成とする
と、ロータの回転時にロータ側係合手段にかかる荷重
は、主として引張荷重となるため、巻取軸側係合手段と
の係合部を中心とするロータ側係合手段の回転モーメン
トが減少し、摺動孔壁を広げる方向の負荷が減少する。
【0015】
【実施例】以下、図面に沿い、本発明の実施例について
説明する。図1の部分断面側面図に示すように、このロ
ータリアクチュエータ作動プリテンショナは、緊急ロッ
ク機構11付のリトラクタRに付設する形態で具体化さ
れており、アクチュエータ3と、それに駆動用ガスを供
給するガスジェネレータ4から構成され、さらにガスジ
ェネレータ4を起動させるメカニカル加速度センサ5も
付加されている。アクチュエータ3は、その一端側をリ
トラクタRのフレーム10にリベット止め支持され、ア
クチュエータ3の他端側にはリトラクタRの巻込スプリ
ングユニット12が取付けられている。
【0016】図2の部分断面正面図に示すように、ロー
タリアクチュエータ作動プリテンショナは、リトラクタ
Rのシートベルト巻取軸2に付設された巻取軸側係合手
段(本例においてラチェットホイール)21と、ラチェ
ットホイール21を取囲む空間を画定するシリンダハウ
ジング30とシリンダリッド32とから成るシリンダ
と、シリンダ内に配設されてシリンダ内空間を作動空間
301とラチェットホイール21を収容する係合空間3
10とに分割するリング部312と、作動空間301内
に延びる受圧部(具体的にはベーン)311とを有する
と共に、リング部312に作動空間301と係合空間3
10との連絡部(本例においてキー摺動孔)313を有
するロータ31と、連絡部313を通してラチェットホ
イール21と係脱自在なロータ側係合手段(具体的には
クラッチキー)22と、作動空間301に駆動用ガスを
供給するガスジェネレータ4とから成る。
【0017】図3に拡大して示すように、本発明の主題
に沿い、ロータ31は、リング部312とベーン311
を一体形成された軽合金製とされ、キー摺動孔313
は、ロータ31のリング部312を巻取軸方向両端に肉
厚Tを残して貫通し、クラッチキー22を摺動自在に支
持する。さらに、クラッチキー22は、摺動孔313の
口部に係合する鍔221を有する。そして、図2に示す
ように、摺動孔313は、ラチェットホイール21の軸
心Yに対してその巻取り回転方向(図に矢印で示す方
向)後方に軸心Yとの距離Dだけ隔たる方向に傾斜して
指向し、クラッチキー22は、ロータ31の回転時にラ
チェットホイール21に引張状態で係合するパウル22
2(図3参照)を有する。
【0018】さらに、図4を主として参照しつつ、プリ
テンショナの各部分を詳細に説明する。先ず、巻取軸側
係合手段を構成するラチェットホイール21は、その回
転方向後方に歯先が傾斜する斜歯状の外歯211を有
し、中心軸孔を巻取軸2のテーパ部に嵌込まれ、その内
端を巻取リール1に形成されてラチェットホイール21
の外歯211と符号する内歯歯車状凹部に嵌合して軸2
に対して回止めされている。
【0019】次に、ハウジング30は、アルミ合金等の
軽合金を素材とするダイキャスト製とされ、一端面が開
放され、円筒形の周壁と端壁で囲まれた作動室301
と、同様に一端面が開放され、アーチ形の囲壁と端壁と
で囲まれ、囲壁を挟んで作動室301に隣接する供給室
302とを形成されており、その端面開口を塞ぐリッド
32と協働して作動室301を実質円筒状の閉空間とす
る。ハウジング30の作動室301と供給室302と
は、それらが対峙する部分のハウジング壁に形成された
溝300で連通されており、この溝300が両室をつな
ぐ通孔を構成する。ハウジング30には、溝300に接
して周壁から径方向内方に延びる隔壁303が形成さ
れ、隔壁303の先端部には凹部304が形成され、こ
れがリング部シール部材34の収容支持部とされる。さ
らに、作動室301と供給室302の外周を周回してシ
ール溝305が形成されているほか、シール溝305の
外側に適宜の間隔で配置された、この例において6個の
ネジ孔309が穿設されている。このネジ孔309は、
リッド32のネジ通し孔321と符号し、リッド32を
ハウジング30に固定する締結ネジ39を螺合するため
のものである。また、作動室301の軸孔を囲むように
端壁から突出した環状の支持フランジ306と、作動室
301をハウジング30外に開放する排気孔307が形
成されている。
【0020】ロータ31もハウジング30と同様、アル
ミ合金等の軽合金を素材とする層流ダイキャスト製とさ
れ、作動室301の内周部にラチェットホイール21の
外周を囲む係合空間を画定し、且つロータ31のハウジ
ング30への回転支持部を構成するリング部312と、
リング部312から放射方向に延びる受圧部として機能
するベーン311を備えている。リング部312の内周
は両端で拡径された段付き孔とされている。ベーン31
1の背後には、クラッチキー22を嵌挿する矩形断面の
キー摺動孔313が形成されている。
【0021】ベーン311の受圧面側には、ベーン31
1に添接され、両端縁と外端縁に連続したシールリップ
331を有する添付部330と、ベーン311の先端両
側に形成された切欠き314に係止されるフック部33
2とを備えるナイロン素材からなる可撓性シール部材3
3が配設される。このシール部材33のシールリップ3
31は、ロータ31の回転時に、ガス圧により作動室3
01の両端面(一方の端面はリッド32の内端面)と周
面とに圧接されてハウジング30とベーン311との間
の間隙を密封するベーンシールを構成する。
【0022】クラッチキー22は、鋼製とされ、図3に
さらに明示されるように、角柱状のガイド220と、ガ
ス圧を受ける矩形の鍔221と、ラチェットホイール2
1の外歯211に係合するくさび状のパウル222を備
えている。このパウル222も上記ラチェットホイール
21の外歯211に対応する斜歯状に構成され、クラッ
チキー22によるラチェットホイール21駆動時には、
外歯211に対するパウル222の外れを防止し、ラチ
ェットホイール21側からの逆駆動時に外歯211に対
するパウル222の外れを容易にし、ラチェットホイ−
ル21とクラッチキ−22とから構成されるクラッチ手
段をオーバランニングクラッチとして機能させる。さら
に、鍔221の両側辺部に鍔端部に向かって広がる張出
223が形成されている。そして、クラッチキー22は
パウル222をラチェットホイール21側に向けて、キ
ー摺動孔313内にガイド220を嵌挿して摺動自在に
配設される。クラッチキー22の鍔221には、クラッ
チキー22を初期位置に保持する係止手段を構成するキ
ーコネクタ23が連結される。
【0023】キーコネクタ23は、クラッチキー22を
非作動時に所定位置に定置させる機能に加えて、ガス圧
の供給室302から作動室301への供給を制御する機
能(この機能については後の作用の説明に詳記する)と
を果たすべく設けられたもので、プラスチック製で、脚
部(クラッチキー22と連結する側)231とガイド部
230とでL字状に構成されている。脚部231には、
クラッチキー22の張出223に係合する蟻溝232が
形成され、ハウジング30のガス供給兼キーコネクタ嵌
挿溝300に隙間なく嵌挿されるガイド部230先端に
は、外向きのフック爪235が形成されている。
【0024】このように構成されたクラッチキー22と
キーコネクタ23は、前者の張出223を後者の蟻溝2
32に嵌めることで互いに連結される。この組合せ状態
で、前者は、そのガイド220をロータ31のキー摺動
孔313に、また、後者は、そのガイド部230をハウ
ジング30の溝300に嵌合させた状態に組み込まれ
る。このとき、フック爪235は供給室302周壁が溝
300に交わる角部に係合し、脚部231の反蟻溝側
は、ハウジング30の周壁に当接する。この位置で、キ
ーコネクタ23のガイド部230は、実質的に溝300
をそのほぼ全長にわたり塞いで、供給室302と作動室
301とを遮断する。このとき、ガイド220は、シリ
ンダ周壁内端との当接部からの長さ即ちシール距離をク
ラッチキー22のラチェットホイール21との歯先衝突
が生じるまでのストロークと等しく成るように設定す
る。
【0025】この他に、このアクチュエータ3には、隔
壁シール部材34と、O字形断面のエラストマシール3
5と、ベアリングブッシュ36が配設される。隔壁シー
ル部材34は、ロータ31のリング部312外周面と隔
壁303の凹部304とに圧接されるシール面と、それ
らの背後の凹入状の受圧面とを備えた断面略V字状に構
成されており、V字状の頂部をリング部312と隔壁3
03との隙間に向け、受圧面を作動室301に向けて、
ハウジング30の隔壁先端の凹部304に軽い弾発状態
で、自身の形状で位置決めされて、収容支持される(図
1参照)。エラストマシール35は、前記シール溝30
5中に嵌装されて、ハウジング30とリッド32との間
を密封する機能を果たすもので、作動室301と供給室
302の外周を周回する周回部350と、それから分岐
して両室301,302間を密封する枝部351と、隔
壁303部を密封する枝部352とを有する。このエラ
ストマシール35はシリンダガスケットを構成する。ま
た、ベアリングブッシュ36は、巻取軸2の振れ回りに
より、ラチェットホイール21の外歯211がハウジン
グ30の支持フランジ306内周を削るのを防ぐべく設
けられている。
【0026】リッド32は、剛性を保つべく鋼材からな
るプレス品とされ、ハウジング30の端面開口を覆うべ
く、ハウジング30端面形状に合致する略正方形の作動
室カバー部323とそれに連接する平行四辺形の供給室
カバー部324とを備えている。作動室カバー部323
の中央には内向きに延びる筒状の支持フランジ325が
突設され、これが図1に示すようにロータ31のリング
部内径側の段部を支持するベアリングとして機能する。
【0027】なお、符号13はリトラクタRのリールフ
ランジに回動自在に支持されたロックパウルを示し、1
01はそれが逆転止め係合するフレーム10側のラチェ
ット内歯を示す。
【0028】最後に、ガスジェネレータ4は、図1に示
すように、ケース中に装填されたニトロセルロース等か
らなる推進薬42を雷管41の発火で燃焼させる形式の
もので、この例では、ハウジング30の供給室302に
巻取軸2と並行して連設された筒形のジェネレータ収容
部308に収容され、リッド32の固定に伴って止環4
4を介して収容部308の底部に押圧固定され、該底部
の外側にネジ止めされる加速度センサ5と対峙される。
加速度センサ5には雷管41を撃発させるバネ負荷され
たピン53が設けられており、このピン53の押出し時
にその先端を導入する収容部底部の開口はカプラ43に
より連結シールされる。
【0029】次に、上記実施例の作動について図5を基
に、細部構成については図4を参照しつつ説明する。こ
の装置では、非作動位置において、ロータ31はそれに
嵌挿されたクラッチキー22の背後を隔壁303に当接
させた、図5の(A)で示す位置に在る。この状態で、
作動室の加圧室301aは、最も縮小した状態にあり、
クラッチキー22は、キーコネクタ23により位置決め
されて、ラチェットホイール21の外歯211とは係合
しない位置にある。したがって、巻取軸2はアクチュエ
ータ3とは完全に切り離されて、自由に回転可能で、リ
トラクタの機能は従来どおり維持される。
【0030】加速度を検知して図1に示すセンサ5のフ
ァイアリングピン53が撃発動作し、ガスジェネレータ
4の雷管が発火し(図5の(B)参照)、ニトロセルロ
ース等の推進薬の燃焼による生成ガス圧が供給室302
において、キーコネクタ23に印加されると、フック爪
235による係合が解かれてキーコネクタ23が溝30
0に沿って押されるため、クラッチキー22はキーコネ
クタ23に押されて内向きに押込まれ、パウル222が
ラチェットホイール21の外歯211の山部と接する位
置まで移動する。このとき、キーコネクタ23の外端部
は、加圧室301aの外周面に達するため、ガスの加圧
室301aへの供給が開始される。
【0031】これにより、ガス圧はロータ31のベーン
311にも作用し、ベーン311の背後を可撓性シール
部材33を介して押すため、ロータ31は軸回りに、図
5の(C)に示すように、反時計回り回転を開始する。
この回転につれて生じる作動室301の背圧室301b
側の圧力は、ハウジング30の排気孔307を経て大気
中に放出され、背圧室側の圧力上昇による抵抗の発生は
防止される。一方、クラッチキー22の変位は継続さ
れ、やがてクラッチキー22のパウル222がラチェッ
トホイール21の外歯211に噛み合い、ロータ31は
クラッチキー22を介してラチェットホイール21と係
合する。この時点で、巻取軸2はアクチュエータ3と連
結される。そして、ロータ31の回転力は、図5の
(D)に示すように、クラッチキー22及びラチェット
ホイール21を介して巻取軸2に伝達される。
【0032】このような巻取軸2の回転動作につれて、
巻取リール1に巻付けられたベルトが巻込まれ、ベルト
の引締めが行われ、やがて、ロータ31は、図5の
(E)に示す位置に達すると、ベーン311が隔壁30
3に衝突してロータ31の回転は停止する。この位置に
なると、今度は、加圧室301aも大気開放されるた
め、残ガス圧も排気される。しかしながら、この後も、
巻取リール1と一体化された巻取軸2は自身の慣性で回
転を続けようとするため、今度は、図5の(F)に示す
ように、ラチットホイール21の外歯211がクラッチ
キー22を係合解除方向に押し出し、巻取軸2がロータ
31から解放されるため、巻取軸2の回転は継続する。
そして、この慣性による回転は、ベルト張力と巻取リー
ルを含む慣性系の回転モーメントとが均衡するまで継続
する。この回転によるベルト引込み量は、ガスジェネレ
ータ4に装填された推進薬量にもよるが、ロータ回転に
よる分の約1/2程度とすることができる。このよう
に、上記一連の動作でプリテンションの付与が行われ
る。なお、この動作完了後のベルト引出しは、リトラク
タRの構成要素である前記ロックパウル13のラチェッ
ト内歯101への係合により阻止される。
【0033】なお、これら一連の動作説明において、ク
ラッチ係合動作を鮮明にすべく、キーコネクタのその後
の動作を省略したが、キーコネクタ23は、図5の
(B)ないし(C)に示すクラッチ係合過程途上に溝3
00からその大部分が抜け出した状態で、ロータ31の
回転開始により、クラッチキー22に脚部を引きずられ
るため、蟻溝232部での係合が解かれて、クラッチキ
ー22から外れる。
【0034】ここで、クラッチ手段20の係合動作につ
いてさらに詳述する。図6は、種々想定される係合条件
のうち、最も条件の悪い、ラチェットホイール21の外
歯211の歯先と、クラッチキー22のパウル222の
歯先が当初に衝突する場合の係合経過を順に示してい
る。先ず、図示(A)の初期状態からガス圧によりキー
コネクタ23が押され、クラッチキー22の押し込みが
始まる。押し込みの進行でクラッチキー22のパウル2
22の歯先がラチェットホイール21の外歯211の歯
先に衝突する位置までストロークすると図示(B)の外
歯G0への歯先衝突状態になる。このとき、キーコネク
タ23のガイド220は、加圧室301aの外周に達す
る。そして、この位置から、加圧室301aへのガス供
給が開始され、ロータ31の回転が始まる。このときの
歯先とリング部内周間の後傾軸線方向の距離をh0とす
る。この状態では未だラチェットホイール21は停止し
ており、ロータ31はある角加速で加速を開始し、クラ
ッチキー22の後傾軸線方向の速度は0となる。
【0035】次に、この状態で係合を成しえなかったク
ラッチキー22は、この位置からある角度回転が進み、
図示(C)のように、回転角がa1となり、次の外歯G
1に達するまでの間に、速度0から再加速される。そし
て、この再加速により得られる後傾軸線方向の移動距離
と当初の歯先衝突までの移動距離の和h1は、距離h0
より必ず大きくなる。クラッチキー22の慣性質量はロ
ータ31の慣性質量より小さいから、ロータ31が外歯
G0からG1の位置まで加速されつつ角度a2まで回転
する間に再加速されて、最終的にパウル222の先端が
次の外歯G1に衝突するまでには、図示(D)のように
十分な噛み合い代rが得られる。したがって、クラッチ
キー22は、ラチェットホイール21の外歯211の歯
先との位置関係に関わりなく、最悪の場合でも次の外歯
G1と係合する。この状態以後、クラッチキー22の鍔
221は、ロータ31の摺動孔313の口部に、ガス圧
及び上記係合が生じたことによる引張力により圧接され
てシール機能を果たす。この係合に至るまでのロータ回
転角a2は、クラッチキー22を鋼製とし、ロータ31
をアルミ合金製とした、ロータ31の慣性質量とクラッ
チキー22の慣性質量が接近した場合においてもなお、
20〜25度程度である。
【0036】この実施例におけるクラッチ係合動作時の
ラチェットホイール21の外歯211へのクラッチキー
22の衝突状況についてみると、図2に示すように、衝
撃力の作用点は、後傾により軸線Yから距離Dだけ離れ
た位置となるため、衝撃力の大部分は軸線Y回りの回転
モーメントとなり、軸線Y方向成分は極めて小さくな
る。この結果、クラッチ係合により巻取軸2にかかる曲
げ荷重を大幅に軽減することができる。
【0037】さらにこの後傾による効果は、クラッチ係
合動作後も発揮される。即ち、頭記した従来技術のよう
にクラッチキーとして機能するベーンをラチェットホイ
ールの軸線と交わらせた場合、慣性でロータ回転を妨げ
る反力がベーンとラチェットホイールとの噛合点を中心
としてベーンに回転モーメントを生じさせる。このモー
メントは、そのままロータの切欠き部を押広げる力とし
て作用する。これに対して、本実施例においては、同様
の理由でクラッチキー22に作用する回転モーメント
は、クラッチキー22の軸線のラチェットホイール21
の接線に対する傾斜に対応した分力となる分だけ軽減さ
れる。そして、ロータ31の回転力は、主としてクラッ
チキー22の鍔221を引張る力としてクラッチキー2
2に作用し、クラッチキー22のパウル222はラチェ
ットホイール21の外歯G1を引張る状態となる。その
結果、クラッチキー22にかかるラチェットホイール2
1との係合点回りの回転モーメント即ち摺動孔313を
押し広げようとする力が軽減され、ロータ31の肉厚部
T(図3参照)を破断させようとする力が大幅に軽減さ
れる。
【0038】以上、本発明をリトラクタに付設した実施
例を基に詳説したが、本発明の適用対象はこれに限るも
のではなく、また、各構成要素の形状、配設位置及び材
質は、上記実施例に示したものに限定されることなく、
所期の機能を果たすものであれば、特許請求の範囲に記
載の範囲内で種々の構成を採り得るものである。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、次に記載の効果が得ら
れる。先ず、請求項1に記載の構成によれば、ロータの
リング部を貫通する摺動孔の両端に肉厚を残し、リング
部強度を保持しつつロータを軽合金化しているため、ロ
ータの慣性モーメントが減少し、ガスジェネレータから
供給されるガス圧によるロータの急加速で、ベルト引締
め能力を向上させることができる。
【0040】次に、請求項2に記載の構成によれば、上
記の効果に加えて、ロータ側係合手段の鍔が摺動孔の口
部に係合することで、ロータ側係合手段がシール機能を
発揮し、駆動用ガスの係合空間への漏れが防止されるた
め、ガスジェネレータから供給されるガス圧を有効にロ
ータの回転力に利用することができる効果が得られる。
【0041】さらに、請求項3に記載の構成によれば、
ロータの回転時にロータ側係合手段にかかる荷重を引張
荷重としており、巻取軸側係合手段との係合部を中心と
するロータ側係合手段の回転モーメントが減少し、摺動
孔壁を広げる方向の負荷が小さくなるめ、前記の効果に
加えて、ロータ側係合手段を支持する摺動孔両側の肉厚
部にかかる破断荷重を軽減させることができる効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例をリトラクタをも含めて一部
断面で示す側面図である。
【図2】上記実施例をリトラクタをも含めて一部断面で
示す正面図である。
【図3】上記実施例の一部の構成要素を取出し、拡大し
て示す斜視図である。
【図4】上記実施例の全体構成要素を一部分解して示す
斜視図である。
【図5】上記実施例の作動を順を追って示す作動説明図
である。
【図6】上記実施例の係合動作を順を追って示す作動説
明図である。
【符号の説明】
2 シートベルト巻取軸 4 ガスジェネレータ 21 ラッチェットホイール(巻取軸側係合手段) 22 クラッチキー(ロータ側係合手段) 30 ハウジング(シリンダ) 31 ロータ 32 リッド(シリンダ) 221 鍔 222 パウル 301 作動空間 310 係合空間 311 ベーン(受圧部) 312 リング部 313 摺動孔(連絡部)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートベルト巻取軸に連結された巻取軸
    側係合手段と、該巻取軸側係合手段を取囲む空間を画定
    するシリンダと、該シリンダ内に配設されて前記空間を
    作動空間と前記巻取軸側係合手段を収容する係合空間と
    に分割するリング部と、前記作動空間内に延びる受圧部
    とを有すると共に、前記リング部に前記の作動空間と係
    合空間との連絡部を有するロータと、前記連絡部を通し
    て前記巻取軸側係合手段と係脱自在なロータ側係合手段
    と、前記作動空間に駆動用ガスを供給するガスジェネレ
    ータとから成るロータリアクチュエータ作動プリテンシ
    ョナにおいて、 前記ロータは、前記リング部と前記受圧部を一体形成さ
    れた軽合金製とされ、 前記連絡部は、前記ロータのリング部を巻取軸方向両端
    に肉厚を残して貫通し、前記ロータ側係合手段を摺動自
    在に支持する摺動孔とされたことを特徴とするロータリ
    アクチュエータ作動プリテンショナ。
  2. 【請求項2】 前記ロータ側係合手段は、前記摺動孔の
    口部に係合する鍔を有する請求項1記載のロータリアク
    チュエータ作動プリテンショナ。
  3. 【請求項3】 前記摺動孔は、前記巻取軸側係合手段の
    軸心に対してその巻取り回転方向後方に傾斜して指向
    し、前記ロータ側係合手段は、前記ロータの回転時に前
    記巻取軸側係合手段に引張状態で係合するパウルを有す
    る請求項1又は2記載のロータリアクチュエータ作動プ
    リテンショナ。
JP21350893A 1993-08-06 1993-08-06 ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ Expired - Fee Related JP3252145B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21350893A JP3252145B2 (ja) 1993-08-06 1993-08-06 ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21350893A JP3252145B2 (ja) 1993-08-06 1993-08-06 ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0747917A true JPH0747917A (ja) 1995-02-21
JP3252145B2 JP3252145B2 (ja) 2002-01-28

Family

ID=16640359

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21350893A Expired - Fee Related JP3252145B2 (ja) 1993-08-06 1993-08-06 ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3252145B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3252145B2 (ja) 2002-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5451008A (en) Pretensioner for seatbelt system
US4558832A (en) Take-up mechanism for safety belts
KR100504579B1 (ko) 시트 벨트 사전인장기
JP2604560B2 (ja) プリテンショナ装置
US5853135A (en) Chain link rack pretensioner
US5248110A (en) Vehicle seat belt retractor
KR100342270B1 (ko) 벨트텐셔너용회전구동장치
JPH05319211A (ja) ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ
JPH0747917A (ja) ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ
JP3617859B2 (ja) シートベルト装置のプリテンショナ
JPH09202213A (ja) プリテンショナー付きシートベルト用リトラクター
CA2089520A1 (en) Rotary actuator-operated seat belt pretensioner
JP3174835B2 (ja) ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ
US5400983A (en) Gas-pressure actuator apparatus for pretensioner
JP3252170B2 (ja) ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ
JPH0747921A (ja) ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ
JPH0747920A (ja) ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ
JP3227659B2 (ja) ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ
ITRM940029A1 (it) Perfezionamento nei dispositivi di accensione meccanici per generatori di gas impiegati per cinture di sicurezza o cuscini di protezione in
JPH0747919A (ja) ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ
JPH06171463A (ja) ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ
JP3174836B2 (ja) ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ
JP2526343B2 (ja) ロ―タリシリンダ形プリテンショナ
JPH05319212A (ja) ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ
JPH10500919A (ja) 車両用安全ベルト系のためのベルトテンショナ

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081122

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees