JPH06171463A - ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ - Google Patents

ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ

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JPH06171463A
JPH06171463A JP5213510A JP21351093A JPH06171463A JP H06171463 A JPH06171463 A JP H06171463A JP 5213510 A JP5213510 A JP 5213510A JP 21351093 A JP21351093 A JP 21351093A JP H06171463 A JPH06171463 A JP H06171463A
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reel
space
clutch
take
rotor
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JP5213510A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiko Hiruta
満彦 晝田
Muneo Nishizawa
宗雄 西澤
Koji Hiramatsu
幸治 平松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takata Corp
Original Assignee
Takata Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シートベルト巻取手段をロータリアクチュエ
ータ駆動するプリテンショナにおいて、クラッチ機構の
トルク伝達容量を高める。 【構成】 シートベルト巻取手段の巻取リール11は端
面に内歯142の歯面で囲まれた凹部143を有する。
ラチェットホイール51は、内周歯に対応する外歯51
1を有する。ラチェットホイール51は端部を凹部14
3に嵌合されて、両歯面の対応により巻取リール11に
回止め連結される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシートベルト装置のベル
ト巻取手段に連結されて、ベルトを緊急時に引締めるプ
リテンショナに関し、特にベルト巻取手段のリールとプ
リテンショナのロータリアクチュエータとを係脱させる
クラッチ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両には、乗員の身体を座席
に拘束するシートベルト装置が設けられている。このシ
ートベルト装置において、車両の衝突等の緊急時に車両
にかかる過大な加速度を検知して緩く装着されたベルト
を引締め、拘束効果を向上させる手段としてプリテンシ
ョナが付設される。プリテンショナは、ベルト巻取手段
を構成するリトラクタに付設される場合は、リトラクタ
の通常の動作を妨げないように、リトラクタにクラッチ
機構を介して連結可能とされる。
【0003】こうしたプリテンショナにおいて、その駆
動部にガス圧作動のロータリアクチュエータを用いる提
案が多数成されている。ロータリアクチュエータを駆動
部とするものにおいて、そのロータの内径部にクラッチ
機構を配し、該機構をシートベルト巻取手段側のラチェ
ットホイールと、それに係合するロータ側の可動ベーン
とで構成したドイツ国公開特許第2505626号明細
書に開示の技術がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、巻取リール
を回転させるプリテンショナの場合、巻取リールの回転
速度は、数ミリセカンドの内に数回転するほど急激なも
のでなければ有効な拘束効果を得ることができない。こ
のような回転速度を得るには、引出されたベルトを含め
た巻取リール等の回転部の慣性モーメントに打ち勝つ大
きな駆動トルクが必要である。このトルクは、最大40
0〜600kg・cm程度に達する。したがって、クラ
ッチ機構は上記のような大きな伝達トルクに耐えるもの
でなければならない。
【0005】本発明は、上記のような事情に鑑み案出さ
れたものであり、ロータリアクチュエータを駆動手段と
し、クラッチ機構を介してシートベルト巻取手段を駆動
するプリテンショナにおいて、クラッチ機構における巻
取手段側係合手段の巻取リールへの連結を、十分なトル
ク伝達容量を持ち得る構造とすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は、シートベルト巻取手段に連結されてクラ
ッチ機構の一方を構成する巻取軸側係合手段と、該巻取
軸側係合手段を取囲む空間を画定するシリンダと、該シ
リンダ内に配設されて前記空間を作動空間と前記巻取軸
側係合手段を収容する係合空間とに分割するリング部
と、前記作動空間内に延びる受圧部とを有すると共に、
前記リング部に前記の作動空間と係合空間との連絡部を
有するロータと、前記連絡部を通して前記巻取軸側係合
手段と係脱自在に配設されてクラッチ機構の他方を構成
するロータ側係合手段と、前記作動空間に駆動用ガスを
供給するガスジェネレータとから成るロータリアクチュ
エータ作動プリテンショナにおいて、前記シートベルト
巻取手段は、その端面に非円筒形の周面で囲まれた凹部
を形成された巻取リールを有し、前記巻取軸側係合手段
は、前記非円筒形の周面に対応する外周面を有し、前記
巻取軸側係合手段は、その端部を前記凹部に嵌合され
て、前記両周面の対応により前記巻取リールに回止め連
結されたことを構成とする。
【0007】
【作用】このような構成を採った本発明に係るロータリ
アクチュエータ作動プリテンショナでは、クラッチ係合
時にロータ側係合手段から巻取軸側係合手段に伝達され
る駆動トルクは、ロータ側係合手段から巻取軸側係合手
段の非円筒形周面を介して巻取リールに伝達される。
【0008】
【実施例】以下、図示の実施例を参照しながら本発明を
詳細に説明する。図1に示すように、このプリテンショ
ナは、シートベルト巻取手段(図1には、そのリール軸
1のみが示される)に連結されてクラッチ機構5の一方
を構成する巻取軸側係合手段(この例においてラチェッ
トホイール)51と、ラチェットホイール51を取囲む
空間を画定するシリンダ30と、シリンダ30内に配設
されて空間を作動空間Qとラチェットホイール51を収
容する係合空間Sとに分割するリング部311と、作動
空間Q内に延びる受圧部(この例においてベーン)31
2とを有すると共に、リング部311に作動空間Qと係
合空間Sとの連絡部(この例において角孔)313を有
するロータ31と、連絡部313を通してラチェットホ
イール51と係脱自在に配設されてクラッチ機構5の他
方を構成するロータ側係合手段(この例においてクラッ
チキー)52と、作動空間Qの圧力室C側に駆動用ガス
を供給するガスジェネレータ4とから成る。
【0009】図2に拡大して示すように、シートベルト
巻取手段は、巻取リール11を有し、その端面に非円筒
形の周面(この例において内歯142の歯面)で囲まれ
た凹部143を形成されている。これに対して、ラチェ
ットホイール51は、前記内周歯に対応する外周面(こ
の例において外歯511の歯面)を有する。そして、ラ
チェットホイール51は、その端部を凹部143に嵌合
されて、両歯面の対応により巻取リール11に回止め連
結されている。
【0010】図1に示すように、このプリテンショナに
おけるクラッチ機構5は、ロータ31の回転を超える巻
取リール11の慣性回転で連結を解放するオーバランニ
ングクラッチとされており、また、クラッチキー52に
は、それへの作動ガス圧の伝達と圧力室Cへの作動ガス
の供給を順序制御するキーコネクタ53が連結されてい
る。さらに、この配置に限るものではないが、後記する
理由から、クラッチキー52は、その移動軸線Xをラチ
ェットホイール51の中心軸線Yと所定間隔Dを隔てて
交差する方向に指向させ(以下、この状態をオフセット
という)、ヘッド521を圧力室C側に向けて配置され
ている。
【0011】さらに、図3を主として参照しつつ、この
実施例の各部分を詳細に説明する。先ず、図示しないベ
ルトウェビングを巻取るリール11は、リール軸1と一
体化されている。リール11には、周知のようにベルト
ウェビング末端を挿入するスリット12が形成されてい
るほか、両端にフランジ13,14が形成されている。
一方のフランジ14には、リール軸1の周囲を囲んで軸
線方向に若干突出する環状鍔141が形成され、その内
周面とリール軸1の外周面とで囲まれる相対的凹部14
3(図2参照)に、リール軸1と別体とされたラチェッ
トホイール51の内端を挿入可能なように、その外歯5
11と噛み合う内歯142が形成され、ラチェットホイ
ール51をリール軸1に嵌挿したときの回止めを構成し
ている。
【0012】プリテンショナベース2は、リール軸1の
両端を支持すべくチャンネル形に構成され、この例で
は、リトラクタフレームを兼ねているため、両リールフ
ランジ13,14が嵌め込まれる両側壁21,22の開
口23,24の内周に、後記するロックパウルが係合す
るラチェット内歯25,26を形成されている。リトラ
クタの構成要素についての詳細な説明は省略するが、図
において、符号18は緊急ロック機構、15,16はそ
れにより作動するロックパウル、17はリールに支持さ
れて両ロックパウル15,16を相互に連結する連結
軸、20は巻取スプリングユニット、また、27はベー
ス2に嵌め込まれてベルトウェビングを案内するベルト
通しガイドを示す。
【0013】次に、前記シリンダ30とロータ31とを
備えるアクチュエータ3の各部分を詳細に説明する。ア
クチュエータ3は、詳しくはシリンダ30と、ロータ3
1と、シリンダ30の開放端を塞ぐリッド32とから構
成されている。シリンダ30は、一端面が開放され、内
周壁301と外周壁302と端壁303で囲まれ、隔壁
304で径方向に一部を遮断された環状の作動空間Q
(図1参照)と、作動空間Qに周接する供給室R(図1
参照)とを内部に形成されたブロックで構成されてい
る。隔壁304の一側近傍には、供給室Rと作動空間Q
とを連通するガス供給兼キーコネクタ嵌挿溝300が形
成され、他側近傍には、外周壁302を貫通して作動空
間Qを大気開放する排気孔305が形成されている。さ
らに、シリンダ30の開放側端面には、作動空間Qと供
給室Rの外周を取囲んでシール溝306が形成されてい
る。一方、リッド32内端面からは、シリンダ30の内
周壁301と所定の間隙を置いて対峙し、協働してロー
タ31の内径側を支持するベアリングを構成する環状の
軸方向フランジ321が突設されている。
【0014】ロータ31は、作動空間Qの内周壁を構成
し、その内径側に空間S(図1参照)を画定するリング
部311と、リング部311から放射方向に延びる受圧
部として機能するベーン312を備えている。ベーン3
12の回転方向背後には、クラッチキー52を嵌挿すべ
くリング部311を貫通する角孔313が前記のように
オフセットして形成されている。リング部311の内径
側は、前記シリンダ30の内周壁301とリッド32の
軸方向フランジ321を挿入すべく、両端が拡径された
段付孔とされている。
【0015】ベーン312の受圧面側には、両端縁と外
周縁に連続したシールリップを有するシール材314が
配設される。このシール材314は、ベーン312の先
端両角に形成された切欠きにフック部を引っかけてベー
ン312の後面に添設され、ロータ31の回転時に、作
動空間Qの圧力室Cから背圧室側へのガスリークを防ぐ
機能を果たす。
【0016】角孔313には、前記クラッチ機構のアク
チュエータ側係合手段を構成するクラッチキー52がオ
フセット方向変位自在に嵌挿される。クラッチキー52
は、キーコネクタ53の連結部を構成すると共にガス圧
を受ける受圧部を構成するヘッド521とラチェットホ
イール51の外歯511への係合手段を構成するパウル
522を備えており、パウル522がラチェットホイー
ル51側に向けて配設される。このクラッチキー52の
頭部には、キーコネクタ53が連結される。このキーコ
ネクタ53は、クラッチキー52を初期位置に保持する
係止手段を構成する。
【0017】ここで、これらクラッチキー52とキーコ
ネクタ53の詳細を説明する。図4に示すように、クラ
ッチキー52は、鋼製とされ、矩形のヘッド521と角
柱状のガイド520と、その先端のパウル522とから
成り、ヘッド521の両側辺部にヘッド端部に向かって
広がる張出523が形成されている。他方、キーコネク
タ53は、プラスチック製で、脚部(クラッチキー52
と連結する側)531とガイド部530とでL字状に構
成されている。そして、脚部531には、クラッチキー
52の張出523に係合する蟻溝532が形成され、シ
リンダ30のガス供給兼キーコネクタ嵌挿溝300に隙
間なく嵌挿されるガイド部530先端には、制御溝53
4が形成され、該溝を画定し、薄肉構成により溝方向に
弾性変位可能な一方の壁先端には、溝に対して外向きの
フック爪535が形成されている。
【0018】このように構成されたクラッチキー52と
キーコネクタ53は、前者の張出523を後者の蟻溝5
32に嵌めることで互いに連結される。この組合せ状態
で、図1を参照してわかるように、前者は、そのガイド
520をロータ31の角孔313に、また、後者は、そ
のガイド部530をシリンダ30の溝300に嵌合させ
た状態に組み込まれる。このとき、フック爪535は供
給室R周壁が溝300に交わる角部に係合し、脚部53
1の反蟻溝側は、シリンダ30の周壁に当接する。この
位置で、キーコネクタ53のガイド部530は、実質的
に溝300をそのほぼ全長にわたり塞いで、供給室Rと
圧力室Cとを遮断する。このとき、制御溝534は、シ
リンダ周壁内端から制御溝534底までのシール距離を
クラッチキー52のラチェットホイール51との歯先衝
突が生じるまでのストロークと等しく成るように設定す
る。
【0019】図3に戻って、隔壁304には径方向の深
溝が形成されており、この中に収容されるシール部材3
07は、その背後に埋め込まれたスプリング308で押
圧されて、先端をロータ31のリング部311の外周面
に圧接する摺接シールを構成する。
【0020】クラッチ機構5は、前述のように、巻取軸
側係合手段であるラチェットホイール51と、アクチュ
エータ側係合手段であるクラッチキー52とで構成され
ているが、ラチェットホイール51は、その外歯511
がラチェット回転方向に対して後方に傾いたはす歯形と
されている。これに対応して、クラッチキー52のパウ
ル522もはす歯形とされている。これは、クラッチキ
ー52によるラチェットホイール51駆動時に、外歯5
11に対するパウル522の外れを防止すると共に、ラ
チェットホイール51側からの逆駆動時に外歯511に
対するパウル522の外れを容易にし、クラッチ機構5
をオーバランニングクラッチとして機能させるためであ
る。
【0021】次に、ガスジェネレータ4は、ケース中に
装填された推進薬をプライマ41の発火で燃焼させる形
式のもので、この例では、シリンダ30に組み込む構成
とされている。したがって、シリンダ30には、ガスジ
ェネレータ4を収容すべく、リール軸1と並行して供給
室Rに連なる有底円筒形の収容室340が画定されてい
る。収容室340の底部には、そこに取付けられるガス
ジェネレータ4起動のための加速度センサ9のファイア
リングピン(加速度センサ9の作動時に突出する)の導
入孔が形成されている。この導入孔には、鍔付のシール
スリーブ42が収容室340側から嵌挿され、収容室3
40には、プライマ41を取付けられたガスジェネレー
タ4が挿入され、スナップリング43の嵌合で抜け止め
支持される。
【0022】この他に、このアクチュエータ3には、O
リング状のエラストマシールリング33が配設される。
これは、前記シール溝306中に嵌装されて、供給室R
と作動空間Qの周囲を周回し、且つそれらの間及び隔壁
部に張り出して、シリンダ30とリッド32との間で密
封機能を果たす。
【0023】以上の各要素は、これに限るものではない
が、例えば、以下の手順でベース2に配設される。すな
わち、先ずリール11の一端にロック機構18が組み付
けられた組立体がベース2の両側開口23,24中に挿
入される。そして、ロック機構18は、リール軸支持孔
191を備えるカバー19をロック機構18を覆うべく
ベース2の取付孔210に各突起190を嵌合させるこ
とで心だし取付けされる。次に、このように一端を支持
されたリール軸1に他端からラチェットホイール51を
嵌める。このとき、ラチェットホイール51は、その外
歯511を内歯142に係合させて落とし込むことで、
リール軸1と相対回転不能に嵌合する。次いで、他方の
側壁22にシリンダ30をボルト止めする。さらに、シ
リンダ30の開放端面側からキーコネクタ53と連結し
たクラッチキー52及びシール材314を組み込んだロ
ータ31並びにシールリング33を嵌め、スプリング3
08と組み合わせたシール部材307を組み込んだ後に
リッド32をシリンダ30にネジ止め固定する。そし
て、最後にスプリングユニット20をそれに設けられた
突起201をリッド32からシリンダ30に達する取付
孔に係合させることで固定して組み付けを完了する。か
くしてリール軸1は、その一端をカバー19を介してベ
ース2の一側に支持され、他端をスプリングユニット2
0を介してベース2の他側に支持される。
【0024】次に、上記実施例の作動について説明す
る。図5は上記のように構成されたプリテンショナの作
動を示すもので、この装置では、非作動位置において、
ロータ31はそれに嵌挿されたクラッチキー52の背後
を隔壁304に当接させた、図の(A)で示す位置に在
る。この状態で、圧力室Cは、最も縮小した状態にあ
り、クラッチキー52は、キーコネクタ53により位置
決めされて(図1参照)、ラチェットホイール51の外
歯511とは係合しない位置にある。したがって、リー
ル軸1はアクチュエータ3とは完全に切り離されて、自
由に回転可能で、リトラクタの機能は従来どおり維持さ
れる。
【0025】加速度を検知してセンサ9(図3参照)の
ファイアリングピンが撃発動作し、ガスジェネレータ4
のプライマ41が発火し(図の(B)参照)、推進薬の
燃焼による生成ガスが供給室Rにおいて、キーコネクタ
53に印加されると、フック爪535(図4参照)によ
る係合が解かれてキーコネクタ53が溝300に沿って
押されるため、クラッチキー52はキーコネクタ53に
押されてオフセット方向内向きに押込まれ、パウル52
2がラチェットホイール51の外歯511の山部と接す
る位置まで移動する。このとき、キーコネクタ53の制
御溝534底は、圧力室Cの外周面に達するため、作動
ガスの圧力室Cへの供給が開始される。
【0026】これにより、ガス圧はロータ31のベーン
312にも作用し、ベーン312の背後を押すため、ロ
ータ31は軸回りに、図の(C)に示すように、反時計
回り回転を開始する。この回転につれて生じる作動空間
Qの背圧室側の圧力は、シリンダ30の排気孔305を
経て大気中に放出され、背圧室側の圧力上昇による抵抗
の発生は防止される。一方、クラッチキー52の変位は
継続され、やがてクラッチキー52のパウル522がラ
チェットホイール51の外歯511に噛み合うい、ロー
タ31はクラッチキー52を介してラチェットホイール
51と係合する。この時点で、リール軸1はアクチュエ
ータ3と連結される。そして、ロータ31の回転力は、
図の(D)に示すように、クラッチキー52及びラチェ
ットホイール51を介してリール11に伝達される。
【0027】このようなリール11の回転動作につれ
て、リール11に巻付けられたベルトが巻込まれ、ベル
トの引締めが行われ、やがて、ロータ31は、図の
(E)に示す位置に達すると、ベーン312が隔壁に衝
突してロータ31の回転は停止する。この位置になる
と、今度は、圧力室Cも大気開放されるため、残ガス圧
も排気される。しかしながら、この後も、リール軸1と
一体化されたリール11は自身の慣性で回転を続けよう
とするため、今度は、図の(F)に示すように、ラチッ
トホイール51の外歯511がクラッチキー52を係合
解除方向に押し出し、リール軸1がロータ31から解放
されるため、リール軸1の回転は継続する。そして、こ
の慣性による回転は、ベルト張力とリール軸を含む慣性
系の回転モーメントとが均衡するまで継続する。この回
転によるベルト引込み量は、ガスジェネレータ4に装填
された推進薬量にもよるが、ロータ回転による分の約1
/2程度とすることができる。このように、上記一連の
動作でプリテンションの付与が行われる。なお、この動
作完了後のベルト引出しは、リトラクタとしての構成要
素である前記ロックパウル15,16のラチェット内歯
25,26への係合により阻止される。
【0028】ここで、クラッチ機構5の係合動作につい
てさらに詳述する。図6は、種々想定される係合条件の
うち、最も条件の悪い、ラチェットホイール51の外歯
511の歯先と、クラッチキー52のパウル522の歯
先が当初に衝突する場合の係合経過を順に示している。
先ず、図示(A)の初期状態からガス圧によりキーコネ
クタ53が押され、クラッチキー52の押し込みが始ま
る。押し込みの進行でクラッチキー52のパウル522
の歯先がラチェットホイール51の外歯511の歯先に
衝突する位置までストロークすると図示(B)の外歯G
0への歯先衝突状態になる。このとき、キーコネクタ5
3の制御溝534底は、圧力室Cの外周に達する。そし
て、この位置から、圧力室Cへのガス供給が開始され、
ロータ31の回転が始まる。このときの歯先とリング部
内周間のオフセット方向の距離をh0とする。この状態
では未だラチェットホイール51は停止しており、ロー
タ31はある角加速で加速を開始し、クラッチキー52
のオフセット方向の速度は0となる。
【0029】次に、この状態で係合を成しえなかったク
ラッチキー52は、この位置からある角度回転が進み、
図示(C)のように、回転角がa1となり、次の外歯G
1に達するまでの間に、速度0から再加速される。そし
て、この再加速により得られるオフセット方向の移動距
離と当初の歯先衝突までの移動距離の和h1は、距離h
0より必ず大きくなる。特に、同種の材料でロータ31
とクラッチキー52とが構成された場合、クラッチキー
52の慣性質量はロータ31の慣性質量よりはるかに小
さいから、ロータ31が外歯G0からG1の位置まで加
速されつつ角度a2まで回転する間に再加速されて、最
終的にパウル522の先端が次の外歯G1に衝突するま
でには、図示(D)のように十分な噛み合い代rが得ら
れる。したがって、クラッチキー52は、ラチェットホ
イール51の外歯511の歯先との位置関係に関わりな
く、最悪の場合でも次の外歯G1と係合する。この係合
に至るまでのロータ回転角a2は、クラッチキー52を
鋼製とし、ロータ31を軽合金製とした、ロータ31の
慣性質量とクラッチキー52の慣性質量が、両者を同種
の材料製とした場合よりも接近した場合においてもな
お、20〜25度程度である。
【0030】なお、これら一連の動作説明において、ク
ラッチ係合動作を鮮明にすべく、キーコネクタの動作を
省略したが、キーコネクタ53は、図の(B)ないし
(C)に示すクラッチ係合過程途上に溝300からその
大部分が抜け出した状態で、ロータ31の回転開始によ
り、クラッチキー52に脚部を引きずられるため、蟻溝
部での係合が解かれて、クラッチキー52から外れる。
【0031】以上詳述した動作中に、上記実施例のプリ
テンショナによれば、回転トルクが小径のリール軸1を
経ることなく、ラチェットホイール51の各外歯511
から巻取リール11の凹部143の対応する各内歯14
2に分散して伝達されるため、リール軸1を経るトルク
伝達に比して伝達面の単位面積当たりの荷重を小さくす
ることができる。また、ラチェットホイール51に巻取
リール11あるいはリール軸1に連結するための格別の
手段を設ける必要がなくなるため、ラチェットホイール
51は、その全長にわたる軸孔と、外歯511とを備え
るだけでよく、ラチェットホイール51の形状が単純化
されるばかりでなく、その巻取リール11への組付作業
も容易となる。さらに、巻取リール11とリール軸1を
一体成型することにより、巻取リール11の軸心精度を
向上させることができる。
【0032】また、この実施例では、図1に示すよう
に、クラッチ係合時の衝撃力の作用点は、オフセットに
より軸線Yから距離Dだけ離れた位置となるため、衝撃
力の大部分は軸線Y回りの回転モーメントとなり、軸線
Y方向成分は極めて小さくなるため、クラッチ係合によ
りリール軸1にかかる曲げ荷重が本来大幅に軽減される
が、さらに、ラチェットホイール51の端部を巻取リー
ル11の凹部143に嵌合支持することで、上記荷重を
凹部143でも支持して、リール軸1にかかる荷重の一
層の軽減が達成される。
【0033】以上、本発明を実施例を基に、リトラクタ
に組み合わせる形式のものとして詳説したが、本発明
は、それに適した構成を備えるものの、必ずしもそれに
限定されるものではない。また、各構成要素の形状、配
設位置及び材質は、上記実施例に示したものに限定され
ることなく、所期の機能を果たすものであれば、特許請
求の範囲に記載の範囲内で種々の構成を採り得るもので
ある。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、ロータリアクチュエー
タを駆動手段とし、クラッチ機構を介してシートベルト
巻取手段を駆動するプリテンショナにおいて、クラッチ
機構におけるベルト巻取手段側の係合手段のベルト巻取
手段への連結を、十分なトルク伝達容量を持ち得る構造
とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の概略構成を示す正面断面図
である。
【図2】上記実施例のラチェットホイールの巻取リール
への連結を示す分解斜視図である。
【図3】上記実施例の構成要素を分解して詳細を示す分
解斜視図である。
【図4】上記実施例のクラッチキーとキーコネクタの詳
細を示す分解斜視図である。
【図5】上記実施例の作動を順を追って示す作動説明図
である。
【図6】上記実施例のクラッチ係合動作を順を追って示
す動作説明図である。
【符号の説明】
4 ガスジェネレータ 5 クラッチ機構 11 巻取リール 30 シリンダ 31 ロータ 51 ラチェットホイール(巻取軸側係合手段) 52 クラッチキー(ロータ側係合手段) 142 内歯(非円筒形の周面) 143 凹部 311 リング部 312 ベーン(受圧部) 313 連絡部 511 外歯(外周面) Q 作動空間 S 係合空間

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートベルト巻取手段に連結されてクラ
    ッチ機構の一方を構成する巻取軸側係合手段と、該巻取
    軸側係合手段を取囲む空間を画定するシリンダと、該シ
    リンダ内に配設されて前記空間を作動空間と前記巻取軸
    側係合手段を収容する係合空間とに分割するリング部
    と、前記作動空間内に延びる受圧部とを有すると共に、
    前記リング部に前記の作動空間と係合空間との連絡部を
    有するロータと、前記連絡部を通して前記巻取軸側係合
    手段と係脱自在に配設されてクラッチ機構の他方を構成
    するロータ側係合手段と、前記作動空間に駆動用ガスを
    供給するガスジェネレータとから成るロータリアクチュ
    エータ作動プリテンショナにおいて、 前記シートベルト巻取手段は、その端面に非円筒形の周
    面で囲まれた凹部を形成された巻取リールを有し、 前記巻取軸側係合手段は、前記非円筒形の周面に対応す
    る外周面を有し、 前記巻取軸側係合手段は、その端部を前記凹部に嵌合さ
    れて、前記両周面の対応により前記巻取リールに回止め
    連結されたことを特徴とするロータリアクチュエータ作
    動プリテンショナ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014500178A (ja) * 2010-11-17 2014-01-09 ティーアールダブリュー・オートモーティブ・ゲーエムベーハー ベルトテンショナ用駆動ホイールおよびシートベルトシステム用ベルトテンショナ

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