JP3227659B2 - ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ - Google Patents

ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ

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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R22/00Safety belts or body harnesses in vehicles
    • B60R22/30Coupling devices other than buckles, including length-adjusting fittings or anti-slip devices

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シートベルト装置にお
けるプリテンショナに関し、特に、ガス圧作動するロー
タリアクチュエータでシートベルト巻取軸を回転させる
プリテンショナに関する。
【0002】
【従来の技術】シートベルト装置におけるプリテンショ
ナは、緩く装着されたベルトを車両衝突等の緊急時に引
締め、乗員の身体をシートに拘束する機能を高めるべく
設けられており、その作動機構にも種々のものがある
が、それらのうち、特に、ガス圧作動のロータリアクチ
ュエータをシートベルト巻取機構に連繋させて配置し、
アクチュエータの回転要素をプリテンション付与時のみ
クラッチ手段を介してシートベルト巻取軸あるいは巻取
リールに係合させてそれらを回転させるものとして、従
来、特公昭59−15657号公報及び特開昭58−1
95571号公報に開示の技術がある。
【0003】このうち、前者に開示の技術は、シートベ
ルト巻取機構の軸方向寸法の増加を抑えつつ十分なベル
ト巻取り量を確保すべく、直列に配置した巻取リールと
ロータリアクチュエータとをアクチュエータの羽根に支
持されたピンの巻取リールフランジへの作動ガス圧によ
る押し込みで互いに連結させる形式のクラッチ手段を用
いることで、極力軸方向寸法の増加を抑え、羽根のスト
ロークエンドでアクチュエータ自体をさらに回転させる
ことで、ベルト巻取り量の増加を図っている。
【0004】他方、後者の技術は、前者の狙いとするベ
ルト巻取り量の増加を、従来形式のリトラクタへのアク
チュエータの付設で実現すべく、巻取リールとロータリ
アクチュエータとを、相互の軸を平行あるいは交差させ
て配置し、巻取軸端に配設されたオーバランニングクラ
ッチ手段とアクチュエータとを別途の伝動機構で連結す
る構成を採用している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前者に開示
の技術では、従来形式のリトラクタへのアクチュエータ
の付設でプリテンショナを実現することはできず、しか
も、ベルト巻取り量確保のために、アクチュエータ部分
の構成が複雑化する問題点があり、また、軸方向寸法増
加の抑制も十分とはいいがたい。他方、後者に開示の技
術では、クラッチ手段とアクチュエータとを繋ぐケーブ
ル、伝動ベルト、歯車等の付加的な伝動機構を必要と
し、このための機構の複雑化と重量増加は避けられな
い。
【0006】本発明は、上記のような事情に鑑み案出さ
れたものであり、ロータリアクチュエータでシートベル
ト巻取軸を回転させるプリテンショナにおいて、アクチ
ュエータ及びクラッチ手段の工夫と、それにより可能と
なる配設位置の改善で、シートベルト巻取軸の軸長の増
加を抑えつつアクチュエータの回転要素とシートベルト
巻取軸との係合及び解放動作を可能とし、併せて、該軸
の慣性回転で、十分な巻き込みストロークを確保するこ
とができるようにしたロータリアクチュエータ作動プリ
テンショナを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】 上記の課題を解決する
ため、本発明のロータリアクチュエータ作動プリテンシ
ョナは、シートベルト巻取軸を回転させるべく該軸を支
持するプリテンショナベースに配設されたロータリアク
チュエータと、該アクチュエータに作動ガスを供給する
ガスジェネレータと、前記アクチュエータの回転要素を
前記軸に連結させるクラッチ手段とを備え、前記アクチ
ュエータは、その内径部に空間を画定する環状に構成さ
れ、前記空間に前記クラッチ手段が配設され、前記クラ
ッチ手段は、前記回転要素の回転を超える前記軸の慣性
回転を許容するオーバランニングクラッチで構成された
ものである。前記クラッチ手段は、前記アクチュエータ
の圧力室に供給する作動ガスのガス圧により係合するオ
ーバランニングクラッチからなる構成とするのが有効で
ある。
【0008】
【作用】 このような構成を採った本発明では、加速度
に応答する電気的あるいは機械的センサからの信号でガ
スジェネレータが動作し、作動ガスがアクチュエータに
供給される際に、オーバランニングクラッチを介してア
クチュエータの回転要素がシートベルト巻取軸に連結さ
れ、シートベルトの巻込みによるプリテンション付与動
作が開始する。そして、アクチュエータの回転要素がス
トロークエンドに達して停止すると、今度は、それまで
回転要素に駆動されていた巻取軸が慣性力で回転を維持
しようとするため、回転要素の回転を超え、これにより
オーバランニングクラッチが解放される。その結果、巻
取軸は、その慣性モーメントとベルト張力とが均衡する
までベルトを巻き込みながら回転を続ける。更に、オー
バランニングクラッチを作動ガス圧で係合させた場合、
アクチュエータの回転要素のシートベルト巻取軸への連
結が迅速化される。
【0009】
【実施例】以下、図示の実施例を参照しながら本発明を
詳細に説明する。図1に示すように、このプリテンショ
ナは、シートベルト巻取軸1を回転させるべく該軸1を
支持するプリテンショナベース(この例では、図3に示
すようにリトラクタフレームを兼ねる)2に配設された
ロータリアクチュエータ3と、アクチュエータ3の圧力
室Cに作動ガスを供給するガスジェネレータ4と、圧力
室Cに供給されるガス圧でアクチュエータ3の回転要素
たるロータ31を軸1に連結させるクラッチ手段5とを
備えている。アクチュエータ3は、その内径部に空間S
を画定する環状に構成され、空間Sにクラッチ手段5が
配設されている。クラッチ手段5は、ロータ31の回転
を超える軸1の慣性回転で連結を解放するオーバランニ
ングクラッチで構成されたものであり、この例では、軸
1に付設されたラチェットホイール51と、それに向け
てロータ31に可動に支持されたクラッチキー52と、
クラッチキー52への作動ガス圧の伝達と圧力室Cへの
作動ガスの供給を順序制御するキーコネクタ53とから
構成されている。また、この配置に限るものではない
が、後記する理由から、クラッチキー52は、その移動
軸線Xをラチェットホイール51の中心軸線Yと所定間
隔Dを隔てて交差する方向に指向させ(以下、この状態
をオフセットという)、ヘッド521を圧力室C側に向
けて配置されている。
【0010】さらに、図3を主として参照しつつ、この
実施例の各部分を詳細に説明する。先ず、シートベルト
巻取軸1は、図示しないベルトウェビングを巻き取るリ
ール11と一体化されている。リール11には、周知の
ようにベルトウェビング末端を挿入するスリット12が
形成されているほか、両端にフランジ13,14が形成
されている。一方のフランジ14には、巻取軸1の周囲
を囲んで軸線方向に若干突出する環状鍔141が形成さ
れ、その内周面に、この例において巻取軸1と別体とさ
れたラチェットホイール51の内端を挿入可能なよう
に、その外歯511と噛み合う内歯142が形成され、
ラチェットホイール51を巻取軸1に嵌挿したときの回
り止めを構成している。
【0011】プリテンショナベース2は、巻取軸1の両
端を支持すべくチャンネル形に構成され、この例では、
前記のように、リトラクタフレームを兼ねているため、
両リールフランジ13,14が嵌め込まれる両側壁2
1,22の開口23,24の内周に、後記するロックパ
ウルが係合するラチェット内歯25,26を形成されて
いる。リトラクタの構成要素についての詳細な説明は省
略するが、図において、符号18は緊急ロック機構、1
5,16はそれにより作動するロックパウル、17はリ
ールに支持されて両ロックパウル15,16を相互に連
結する連結軸、20は巻取スプリングユニット、また、
27はベース2に嵌め込まれてベルトウェビングを案内
するベルト通しガイドを示す。
【0012】次に、アクチュエータ3の各部分を詳細に
説明する。アクチュエータ3は、この例において、その
固定要素を構成するシリンダ30と、回転要素を構成す
るロータ31と、シリンダ30の開放端を塞ぐリッド3
2とから構成されている。シリンダ30は、一端面が開
放され、内周壁301と外周壁302と端壁303で囲
まれ、隔壁304で径方向に一部を遮断された環状の作
動空間Q(図1参照)と、作動空間Qに周接する供給室
R(図1参照)とを内部に形成されたブロックで構成さ
れている。隔壁304の一側近傍には、供給室Rと作動
空間Qとを連通するガス供給兼キーコネクタ嵌挿溝30
0が形成され、他側近傍には、外周壁302を貫通して
作動空間Qを大気開放する排気孔305が形成されてい
る。さらに、シリンダ30の開放側端面には、作動空間
Qと供給室Rの外周を取囲んでシール溝306が形成さ
れている。一方、リッド32内端面からは、シリンダ3
0の内周壁301と所定の間隙を置いて対峙し、協働し
てロータ31の内径側を支持するベアリングを構成する
環状の軸方向フランジ321が突設されている。
【0013】ロータ31は、作動空間Qの内周壁を構成
し、その内径側に空間S(図1参照)を画定するリング
部311と、リング部311から放射方向に延びる受圧
部として機能するベーン312を備えている。ベーン3
12の回転方向背後には、クラッチキー52を嵌挿すべ
くリング部311を貫通する角孔313が前記のように
オフセットして形成されている。リング部311の内径
側は、前記シリンダ30の内周壁301とリッド32の
軸方向フランジ321を挿入すべく、両端が拡径された
段付孔とされている。
【0014】ベーン312の受圧面側には、両端縁と外
周縁に連続したシールリップを有するシール材314が
配設される。このシール材314は、ベーン312の先
端両角に形成された切欠きにフック部を引っかけてベー
ン312の後面に添設され、ロータ31の回転時に、作
動空間Qの圧力室Cから背圧室側へのガスリークを防ぐ
機能を果たす。
【0015】角孔313には、前記クラッチ手段のアク
チュエータ側係合手段を構成するクラッチキー52がオ
フセット方向変位自在に嵌挿される。クラッチキー52
は、キーコネクタ53の連結部を構成すると共にガス圧
を受ける受圧部を構成するヘッド521とラチェットホ
イール51の外歯511への係合手段を構成するパウル
522を備えており、パウル522がラチェットホイー
ル51側に向けて配設される。このクラッチキー52の
頭部には、キーコネクタ53が連結される。このキーコ
ネクタ53は、クラッチキー52を初期位置に保持する
係止手段を構成する。
【0016】ここで、これらクラッチキー52とキーコ
ネクタ53の詳細を説明する。図2に示すように、クラ
ッチキー52は、鋼製とされ、矩形のヘッド521と角
柱状のガイド520と、その先端のパウル522とから
成り、ヘッド521の両側辺部にヘッド端部に向かって
広がる張出523が形成されている。他方、キーコネク
タ53は、プラスチック製で、脚部(クラッチキー52
と連結する側)531とガイド部530とでL字状に構
成されている。そして、脚部531には、クラッチキー
52の張出523に係合する蟻溝532が形成され、シ
リンダ30のガス供給兼キーコネクタ嵌挿溝300に隙
間なく嵌挿されるガイド部530先端には、制御溝53
4が形成され、該溝を画定し、薄肉構成により溝方向に
弾性変位可能な一方の壁先端には、溝に対して外向きの
フック爪535が形成されている。
【0017】このように構成されたクラッチキー52と
キーコネクタ53は、前者の張出523を後者の蟻溝5
32に嵌めることで互いに連結される。この組合せ状態
で、図1を参照してわかるように、前者は、そのガイド
520をロータ31の角孔313に、また、後者は、そ
のガイド部530をシリンダ30の溝300に嵌合させ
た状態に組み込まれる。このとき、フック爪535は供
給室R周壁が溝300に交わる角部に係合し、脚部53
1の反蟻溝側は、シリンダ30の周壁に当接する。この
位置で、キーコネクタ53のガイド部530は、実質的
に溝300をそのほぼ全長にわたり塞いで、供給室Rと
圧力室Cとを遮断する。このとき、制御溝534は、シ
リンダ周壁内端から制御溝534底までのシール距離を
クラッチキー52のラチェットホイール51との歯先衝
突が生じるまでのストロークと等しく成るように設定す
る。
【0018】図3に戻って、隔壁304には径方向の深
溝が形成されており、この中に収容されるシール部材3
07は、その背後に埋め込まれたスプリング308で押
圧されて、先端をロータ31のリング部311の外周面
に圧接する摺接シールを構成する。このシール部材30
7の先端シール面には、図1に示すようにロータ31の
軸線と並行する係合溝310が形成され、この溝310
に対向するロータ31のリング部311の外周には凸条
315が形成されている。これらは、互いに係合してロ
ータ31を初期位置に保持するクリックストップを構成
する。
【0019】この他に、このアクチュエータ1には、O
リング状のエラストマシール33が配設される。これ
は、前記シール溝306中に嵌装されて、供給室Rと作
動空間Qの周囲を周回し、且つそれらの間及び隔壁部に
張り出して、シリンダ30とリッド32との間で密封機
能を果たす。
【0020】次に、ガスジェネレータ4は、ケース中に
装填された推進薬をプライマ41の発火で燃焼させる形
式のもので、この例では、シリンダ30に組み込む構成
とされている。したがって、シリンダ30には、ガスジ
ェネレータ4を収容すべく、巻取軸1と並行して供給室
Rに連なる有底円筒形の収容室340が画定されてい
る。収容室340の底部には、そこに取付けられるガス
ジェネレータ4起動のための加速度センサ9のファイア
リングピン(加速度センサ9の作動時に突出する)の導
入孔が形成されている。この導入孔には、鍔付のシール
スリーブ42が収容室340側から嵌挿され、収容室3
40には、プライマ41を取付けられたガスジェネレー
タ4が挿入され、スナップリング43の嵌合で抜け止め
支持される。
【0021】最後に、クラッチ手段5は、前述のよう
に、巻取軸側係合手段であるラチェットホイール51
と、アクチュエータ側係合手段であるクラッチキー52
とで構成されているが、ラチェットホイール51は、そ
の外歯511がラチェット回転方向に対して後方に傾い
たはす歯形とされている。これに対応して、クラッチキ
ー52のパウル522もはす歯形とされている。これ
は、クラッチキー52によるラチェットホイール51駆
動時に、外歯511に対するパウル522の外れを防止
すると共に、ラチェットホイール51側からの逆駆動時
に外歯511に対するパウル522の外れを容易にし、
クラッチ手段5をオーバランニングクラッチとして機能
させるためである。
【0022】以上の各要素は、これに限るものではない
が、例えば、以下の手順でベース2に配設される。すな
わち、先ずリール11の一端にロック機構18が組み付
けられた組立体がベース2の両側開口23,24中に挿
入される。そして、ロック機構18は、巻取軸支持孔1
91を備えるカバー19をロック機構18を覆うべくベ
ース2の取付孔210に各突起190を嵌合させること
で心だし取付けされる。次に、このように一端を支持さ
れた巻取軸1に他端からラチェットホイール51を嵌め
る。このとき、ラチェットホイール51は、その外歯5
11を内歯142に係合させて落とし込むことで、巻取
軸1と相対回転不能に嵌合する。次いで、他方の側壁2
2にシリンダ30をボルト止めする。さらに、シリンダ
30の開放端面側からキーコネクタ53と連結したクラ
ッチキー52及びシール材314を組み込んだロータ3
1並びにシールリング33を嵌め、スプリング308と
組み合わせたシール部材307を組み込んだ後にリッド
32をシリンダ30にネジ止め固定する。そして、最後
にスプリングユニット20をそれに設けられた突起20
1をリッド33からシリンダ30に達する取付孔に係合
させることで固定して組み付けを完了する。かくして巻
取軸1は、その一端をカバー19を介してベース2の一
側に支持され、他端をスプリングユニット20を介して
ベース2の他側に支持される。
【0023】次に、上記実施例の作動について説明す
る。図4は上記のように構成されたプリテンショナの作
動を示すもので、この装置では、非作動位置において、
ロータ31はそれに嵌挿されたクラッチキー52の背後
を隔壁304に当接させた、図の(A)で示す位置に在
る。この状態で、圧力室Cは、最も縮小した状態にあ
り、クラッチキー52は、キーコネクタ53により位置
決めされて(図1参照)、ラチェットホイール51の外
歯511とは係合しない位置にある。したがって、巻取
軸1はアクチュエータ3とは完全に切り離されて、自由
に回転可能で、リトラクタの機能は従来どおり維持され
る。
【0024】加速度を検知してセンサ9(図3参照)の
ファイアリングピンが撃発動作し、ガスジェネレータ4
のプライマ41が発火し(図の(B)参照)、推進薬の
燃焼による生成ガスが供給室Rにおいて、キーコネクタ
53に印加されると、フック535(図2参照)による
係合が解かれてキーコネクタ53が溝300に沿って押
されるため、クラッチキー52はキーコネクタ53に押
されてオフセット方向内向きに押込まれ、パウル522
がラチェットホイール51の外歯511の山部と接する
位置まで移動する。このとき、キーコネクタ53の制御
溝534底は、圧力室Cの外周面に達するため、作動ガ
スの圧力室Cへの供給が開始される。
【0025】これにより、ガス圧はロータ31のベーン
312にも作用し、ベーン312の背後を押すため、ロ
ータ31は軸回りに、図の(C)に示すように、反時計
回り回転を開始する。この回転につれて生じる作動空間
Qの背圧室側の圧力は、シリンダ30の排気孔305を
経て大気中に放出され、背圧室側の圧力上昇による抵抗
の発生は防止される。一方、クラッチキー52の変位は
継続され、やがてクラッチキー52のパウル522がラ
チェットホイール51の外歯511に噛み合うい、ロー
タ31はクラッチキー52を介してラチェットホイール
51と係合する。この時点で、巻取軸1はアクチュエー
タ3と連結される。そして、ロータ31の回転力は、図
の(D)に示すように、クラッチキー52及びラチェッ
トホイール51を介して巻取軸1に伝達される。
【0026】このような巻取軸1の回転動作につれて、
巻取軸1に巻付けられたベルトが巻込まれ、ベルトの引
締めが行われ、やがて、ロータ31は、図の(E)に示
す位置に達すると、ベーン312が隔壁に衝突してロー
タ31の回転は停止する。この位置になると、今度は、
圧力室Cも大気開放されるため、残ガス圧も排気され
る。しかしながら、この後も、リール11と一体化され
た巻取軸1は自身の慣性で回転を続けようとするため、
今度は、図の(F)に示すように、ラチットホイール5
1の外歯511がクラッチキー52を係合解除方向に押
し出し、巻取軸1がロータ31から解放されるため、巻
取軸1の回転は継続する。そして、この慣性による回転
は、ベルト張力と巻取軸を含む慣性系の回転モーメント
とが均衡するまで継続する。この回転によるベルト引込
み量は、ガスジェネレータ4に装填された推進薬量にも
よるが、ロータ回転による分の約1/2程度とすること
ができる。このように、上記一連の動作でプリテンショ
ンの付与が行われる。なお、この動作完了後のベルト引
出しは、リトラクタとしての構成要素である前記ロック
パウル15,16のラチェット内歯25,26への係合
により阻止される。
【0027】ここで、クラッチ手段5の係合動作につい
てさらに詳述する。図5は、種々想定される係合条件の
うち、最も条件の悪い、ラチェットホイール51の外歯
511の歯先と、クラッチキー52のパウル522の歯
先が当初に衝突する場合の係合経過を順に示している。
先ず、図示(A)の初期状態からガス圧によりキーコネ
クタ53が押され、クラッチキー52の押し込みが始ま
る。押し込みの進行でクラッチキー52のパウル522
の歯先がラチェットホイール51の外歯511の歯先に
衝突する位置までストロークすると図示(B)の外歯G
0への歯先衝突状態になる。このとき、キーコネクタ5
3の制御溝534底は、圧力室Cの外周に達する。そし
て、この位置から、圧力室Cへのガス供給が開始され、
ロータ31の回転が始まる。このときの歯先とリング部
内周間のオフセット方向の距離をh0とする。この状態
では未だラチェットホイール51は停止しており、ロー
タ31はある角加速で加速を開始し、クラッチキー52
のオフセット方向の速度は0となる。
【0028】次に、この状態で係合を成しえなかったク
ラッチキー52は、この位置からある角度回転が進み、
図示(C)のように、回転角がa1となり、次の外歯G
1に達するまでの間に、速度0から再加速される。そし
て、この再加速により得られるオフセット方向の移動距
離と当初の歯先衝突までの移動距離の和h1は、距離h
0より必ず大きくなる。特に、同種の材料でロータ31
とクラッチキー52とが構成された場合、クラッチキー
52の慣性質量はロータ31の慣性質量よりはるかに小
さいから、ロータ31が外歯G0からG1の位置まで加
速されつつ角度a2まで回転する間に再加速されて、最
終的にパウル522の先端が次の外歯G1に衝突するま
でには、図示(D)のように十分な噛み合い代rが得ら
れる。したがって、クラッチキー52は、ラチェットホ
イール51の外歯511の歯先との位置関係に関わりな
く、最悪の場合でも次の外歯G1と係合する。この係合
に至るまでのロータ回転角a2は、クラッチキー52を
鋼製とし、ロータ31を軽合金製とした、ロータ31の
慣性質量とクラッチキー52の慣性質量が、両者を同種
の材料製とした場合よりも接近した場合においてもな
お、36.5度程度である。
【0029】なお、これら一連の動作説明において、ク
ラッチ係合動作を鮮明にすべく、キーコネクタの動作を
省略したが、キーコネクタ53は、図の(B)ないし
(C)に示すクラッチ係合過程途上に溝300からその
大部分が抜け出した状態で、ロータ31の回転開始によ
り、クラッチキー52に脚部を引きずられるため、蟻溝
部での係合が解かれて、クラッチキー52から外れる。
【0030】また、この実施例におけるクラッチ係合動
作時のラチェットホイール51の外歯511へのクラッ
チキー52の衝突状況についてみると、図1に示すよう
に、衝撃力の作用点は、オフセットにより軸線Yから距
離Dだけ離れた位置となるため、衝撃力の大部分は軸線
Y回りの回転モーメントとなり、軸線Y方向成分は極め
て小さくなる。この結果、クラッチ係合により巻取軸1
にかかる曲げ荷重を大幅に軽減することができる。
【0031】次に、オーバランニングクラッチの幾つか
の変形例について、若干説明する。先ず、図6は上記実
施例のクラッチ手段5のキーコネクタ53を省略した例
である。この場合、クラッチキー52には、凸溝523
が形成され、隔壁304には、これに対応する凸状30
9が形成されている。これらは、前出の例のキーコネク
タ53のフック535による位置決めに相当するもので
ある。
【0032】このようなクラッチ手段を備えるプリテン
ショナでは、供給室Rから圧力室Cに作動ガス圧が供給
されると、クラッチキー52のヘッドとロータ31のベ
ーンに同時に圧力が作用するため、クラッチキー52の
ラチェットホイール51への係合動作と、ロータ31の
回転動作とが同時に開始する。こうした簡略化された構
成は、ロータ31とクラッチキー52を同種の材料で構
成し、クラッチキー52の慣性質量に対してロータ31
の慣性質量が十分大きい場合への適用に適している。
【0033】この他に、オーバランニングクラッチとし
ては、通常の伝動機構で用いられるドグクラッチの噛み
合い歯を鋸歯状にして逆方向駆動時に解放されるように
したもの、ボールあるいはローラを楔状空間に押し込む
形式のもの等、順方向駆動時に係合し、逆方向駆動時に
解放する機構のものであれば、形式を問わず採用するこ
とができる。
【0034】以上、本発明を実施例を基に、リトラクタ
に組み合わせる形式のものとし、さらに、巻取軸とアク
チュエータとを同軸に配置するものとして詳説したが、
本発明は、それに適した構成を備えるものの、必ずしも
それに限定されるものではない。また、各構成要素の形
状、配設位置及び材質は、上記実施例に示したものに限
定されることなく、所期の機能を果たすものであれば、
特許請求の範囲に記載の範囲内で種々の構成を採り得る
ものである。
【0035】
【発明の効果】 本発明によれば、ロータリアクチュエ
ータでシートベルト巻取軸を回転させるプリテンショナ
において、アクチュエータとクラッチ機構を内外径方向
に重合させることで、シートベルト巻取軸の軸長の増加
を実質上アクチュエータ分の増加に抑えたコンパクトな
構成で、アクチュエータの回転範囲を超える、十分な巻
き込みストロークを確保することができるようにしたロ
ータリアクチュエータ作動プリテンショナを提供するこ
とができる。また、オーバランニングクラッチを作動ガ
ス圧で係合させる構成の場合、アクチュエータの回転要
素のシートベルト巻取軸への連結が迅速化され、一層大
きな巻き込みストロークが確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の概略構成を示す側断面図で
ある。
【図2】上記実施例のクラッチキーとキーコネクタの詳
細を示す分解斜視図である。
【図3】上記実施例の構成要素を分解して詳細を示す分
解斜視図である。
【図4】上記実施例の作動を順を追って示す作動説明図
である。
【図5】上記実施例のクラッチ係合動作を順を追って示
す動作説明図である。
【図6】本発明の他の実施例の概略構成を示す側断面図
である。
【符号の説明】
1 シートベルト巻取軸 2 プリテンショナベース 3 ロータリアクチュエータ 4 ガスジェネレータ 5 クラッチ手段(オーバランニングクラッチ) 31 回転要素(ロータ) C 圧力室 S 空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−195570(JP,A) 特開 昭58−195574(JP,A) 西独国特許出願公開2505626(DE, A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 22/12 - 22/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートベルト巻取軸を回転させるべく該
    軸を支持するプリテンショナベースに配設されたロータ
    リアクチュエータと、該アクチュエータの圧力室に作動
    ガスを供給するガスジェネレータと、前記アクチュエー
    タの回転要素を前記軸に連結させるクラッチ手段とを備
    え、前記アクチュエータは、その内径部に空間を画定す
    る環状に構成され、前記空間に前記クラッチ手段が配設
    され、前記クラッチ手段は、前記回転要素の回転を超え
    る前記軸の慣性回転を許容するオーバランニングクラッ
    チで構成されたことを特徴とするロータリアクチュエー
    タ作動プリテンショナ。
  2. 【請求項2】 前記クラッチ手段は、前記アクチュエー
    タの圧力室に供給する作動ガスのガス圧により係合する
    オーバランニングクラッチからなる、請求項1記載のロ
    ータリアクチュエータ作動プリテンショナ。
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