JP3252145B2 - ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ - Google Patents

ロータリアクチュエータ作動プリテンショナ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明はシートベルト装置のベ
ルト巻取手段に連結されて、ベルトを緊急時に引締める
プリテンショナに関し、特にそのロータリアクチュエー
タのロータ部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】 自動車等の車両には、乗員の身体を座
席に拘束するシートベルト装置が設けられている。この
シートベルト装置において、車両の衝突等の緊急時に車
両にかかる過大な加速度を検知して緩く装着されたベル
トを引締め、拘束効果を向上させる手段としてプリテン
ショナが付設される。プリテンショナは、ベルト巻取手
段を構成するリトラクタに付設される場合は、リトラク
タの通常の動作を妨げないように、ベルト巻取軸にクラ
ッチ機構を介して連結可能とされる。
【0003】 こうしたプリテンショナにおいて、その
駆動部にガス圧作動のロータリアクチュエータを用いる
提案が多数成されている。ロータリアクチュエータを駆
動部とするものにおいて、そのロータの内径部にクラッ
チ機構を配し、該機構をシートベルト巻取軸に付設され
たラチェットホイールと、それに係合するロータ側の可
動ベーンとで構成したドイツ国公開特許第250562
6号明細書に開示の技術がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 ところで、ベルト巻
取軸を回転させるプリテンショナの場合、巻取軸回転速
度は、数ミリセカンドの内に数回転するほど急激なもの
でなければ有効な拘束効果を得ることができない。この
ような回転速度を得るには、引出されたベルトを含めた
リトラクタ回転部の慣性モーメントに打ち勝つ大きな駆
動力が必要である。このような観点から上記明細書に開
示の構成をみると、ロータ側の係合手段がロータの受圧
部を構成するベーンを兼ねており、それがロータのリン
グ部を横断する切欠きを通して巻取軸側係合手段を構成
するラチェットホイールに係合する構成とされているた
め、ロータのリング部は、その幅全体に渡って切欠かれ
ていることになる。この場合、上記切欠きからのガス漏
れが非常に大きくなり、駆動力のロスが大きいと考えら
れる。
【0005】 他方、プリテンショナによるベルト巻取
量は、そのロータ起動時の回転角加速度に依存するとこ
ろが大きい。したがって、ガス圧作用時にロータを急加
速すべく、ロータの慣性モーメント自体を減少させるこ
とも巻取量を確保するうえで重要である。このようにロ
ータの慣性モーメントを減少させる手段として、その軽
合金化が想起される。この面から上記明細書に開示の構
成をみると、上記のようにリング部が幅全体に切欠かれ
ているため、軽合金化されたロータでプリテンショナの
作動に耐える強度を確保することは困難である。
【0006】 本発明は、上記のような事情に鑑み案出
されたものであり、ロータリアクチュエータを駆動手段
とし、クラッチ機構を介してリトラクタのシートベルト
巻取軸を駆動するプリテンショナにおいて、クラッチ機
構におけるロータ側係合手段のロータへの支持構成を改
善することにより、ロータの軽合金化を可能とし、それ
によりロータの慣性モーメントを減少させると共に、ロ
ータ側係合手段にシール機能を持たせて、作動空間から
連絡部即ち摺動孔を経て係合空間へ逃げようとするガス
を漏れ止めして、ベルト引締め能力を向上させることを
第1の目的とする。
【0007】 さらに本発明は、ロータ側係合手段にか
かる回転モーメントを減少させて、それを支持する摺動
孔両側の肉厚部にかかる引張負荷を軽減させることを第
の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】 上記の課題を解決する
ため、本発明は、シートベルト巻取軸に連結された巻取
軸側係合手段と、該巻取軸側係合手段を取囲む空間を画
定するシリンダと、該シリンダ内に配設されて前記空間
を作動空間と前記巻取軸側係合手段を収容する係合空間
とに分割するリング部と、前記作動空間内に延びる受圧
部とを有すると共に、前記リング部に前記の作動空間と
係合空間との連絡部を有するロータと、前記連絡部を通
して前記巻取軸側係合手段と係脱自在なロータ側係合手
段と、前記作動空間に駆動用ガスを供給するガスジェネ
レータとから成るロータリアクチュエータ作動プリテン
ショナにおいて、前記ロータは、前記リング部と前記受
圧部を一体形成された軽合金製とされ、前記連絡部は、
前記ロータのリング部を巻取軸方向両端に肉厚を残して
貫通し、前記ロータ側係合手段を摺動自在に支持する摺
動孔とされ、前記ロータ側係合手段は、前記摺動孔の口
部に係合する鍔を有することを構成とする。
【0009】 さらに、前記摺動孔は、前記巻取軸側係
合手段の軸心に対してその巻取り回転方向後方に傾斜し
て指向し、前記ロータ側係合手段は、前記ロータの回転
時に前記巻取軸側係合手段に引張状態で係合するパウル
を有する構成とすることができる。
【0010】
【作用】 このような構成を採った本発明に係るロータ
リアクチュエータ作動プリテンショナでは、ロータのリ
ング部を貫通する摺動孔の両端に残された肉厚が、軽合
金化されたロータのリング部強度を保持する機能を果た
す。そして、ロータ側係合手段を前記摺動孔の口部に係
合する鍔を有する構成により、該鍔が摺動孔の口部に係
合することで、駆動用ガスの係合空間への漏れを防ぐシ
ール機能を果たす。
【0011】 さらに、摺動孔を巻取軸側係合手段の軸
心に対してその巻取り回転方向後方に傾斜して指向さ
せ、ロータ側係合手段をロータの回転時に前記巻取軸側
係合手段に引張状態で係合するパウルを有する構成とす
ると、ロータの回転時にロータ側係合手段にかかる荷重
は、主として引張荷重となるため、巻取軸側係合手段と
の係合部を中心とするロータ側係合手段の回転モーメン
トが減少し、摺動孔壁を広げる方向の負荷が減少する。
【0012】
【実施例】 以下、図面に沿い、本発明の実施例につい
て説明する。図1の部分断面側面図に示すように、この
ロータリアクチュエータ作動プリテンショナは、緊急ロ
ック機構11付のリトラクタRに付設する形態で具体化
されており、アクチュエータ3と、それに駆動用ガスを
供給するガスジェネレータ4から構成され、さらにガス
ジェネレータ4を起動させるメカニカル加速度センサ5
も付加されている。アクチュエータ3は、その一端側を
リトラクタRのフレーム10にリベット止め支持され、
アクチュエータ3の他端側にはリトラクタRの巻込スプ
リングユニット12が取付けられている。
【0013】 図2の部分断面正面図に示すように、ロ
ータリアクチュエータ作動プリテンショナは、リトラク
タRのシートベルト巻取軸2に付設された巻取軸側係合
手段(本例においてラチェットホイール)21と、ラチ
ェットホイール21を取囲む空間を画定するシリンダハ
ウジング30とシリンダリッド32とから成るシリンダ
と、シリンダ内に配設されてシリンダ内空間を作動空間
301とラチェットホイール21を収容する係合空間3
10とに分割するリング部312と、作動空間301内
に延びる受圧部(具体的にはベーン)311とを有する
と共に、リング部312に作動空間301と係合空間3
10との連絡部(本例においてキー摺動孔)313を有
するロータ31と、連絡部313を通してラチェットホ
イール21と係脱自在なロータ側係合手段(具体的には
クラッチキー)22と、作動空間301に駆動用ガスを
供給するガスジェネレータ4とから成る。
【0014】 図3に拡大して示すように、本発明の主
題に沿い、ロータ31は、リング部312とベーン31
1を一体形成された軽合金製とされ、キー摺動孔313
は、ロータ31のリング部312を巻取軸方向両端に肉
厚Tを残して貫通し、クラッチキー22を摺動自在に支
持する。さらに、クラッチキー22は、摺動孔313の
口部に係合する鍔221を有する。そして、図2に示す
ように、摺動孔313は、ラチェットホイール21の軸
心Yに対してその巻取り回転方向(図に矢印で示す方
向)後方に軸心Yとの距離Dだけ隔たる方向に傾斜して
指向し、クラッチキー22は、ロータ31の回転時にラ
チェットホイール21に引張状態で係合するパウル22
2(図3参照)を有する。
【0015】 さらに、図4を主として参照しつつ、プ
リテンショナの各部分を詳細に説明する。先ず、巻取軸
側係合手段を構成するラチェットホイール21は、その
回転方向後方に歯先が傾斜する斜歯状の外歯211を有
し、中心軸孔を巻取軸2のテーパ部に嵌込まれ、その内
端を巻取リール1に形成されてラチェットホイール21
の外歯211と符号する内歯歯車状凹部に嵌合して軸2
に対して回止めされている。
【0016】 次に、ハウジング30は、アルミ合金等
の軽合金を素材とするダイキャスト製とされ、一端面が
開放され、円筒形の周壁と端壁で囲まれた作動室301
と、同様に一端面が開放され、アーチ形の囲壁と端壁と
で囲まれ、囲壁を挟んで作動室301に隣接する供給室
302とを形成されており、その端面開口を塞ぐリッド
32と協働して作動室301を実質円筒状の閉空間とす
る。ハウジング30の作動室301と供給室302と
は、それらが対峙する部分のハウジング壁に形成された
溝300で連通されており、この溝300が両室をつな
ぐ通孔を構成する。ハウジング30には、溝300に接
して周壁から径方向内方に延びる隔壁303が形成さ
れ、隔壁303の先端部には凹部304が形成され、こ
れがリング部シール部材34の収容支持部とされる。さ
らに、作動室301と供給室302の外周を周回してシ
ール溝305が形成されているほか、シール溝305の
外側に適宜の間隔で配置された、この例において6個の
ネジ孔309が穿設されている。このネジ孔309は、
リッド32のネジ通し孔321と符号し、リッド32を
ハウジング30に固定する締結ネジ39を螺合するため
のものである。また、作動室301の軸孔を囲むように
端壁から突出した環状の支持フランジ306と、作動室
301をハウジング30外に開放する排気孔307が形
成されている。
【0017】 ロータ31もハウジング30と同様、ア
ルミ合金等の軽合金を素材とする層流ダイキャスト製と
され、作動室301の内周部にラチェットホイール21
の外周を囲む係合空間を画定し、且つロータ31のハウ
ジング30への回転支持部を構成するリング部312
と、リング部312から放射方向に延びる受圧部として
機能するベーン311を備えている。リング部312の
内周は両端で拡径された段付き孔とされている。ベーン
311の背後には、クラッチキー22を嵌挿する矩形断
面のキー摺動孔313が形成されている。
【0018】 ベーン311の受圧面側には、ベーン3
11に添接され、両端縁と外端縁に連続したシールリッ
プ331を有する添付部330と、ベーン311の先端
両側に形成された切欠き314に係止されるフック部3
32とを備えるナイロン素材からなる可撓性シール部材
33が配設される。このシール部材33のシールリップ
331は、ロータ31の回転時に、ガス圧により作動室
301の両端面(一方の端面はリッド32の内端面)と
周面とに圧接されてハウジング30とベーン311との
間の間隙を密封するベーンシールを構成する。
【0019】 クラッチキー22は、鋼製とされ、図3
にさらに明示されるように、角柱状のガイド220と、
ガス圧を受ける矩形の鍔221と、ラチェットホイール
21の外歯211に係合するくさび状のパウル222を
備えている。このパウル222も上記ラチェットホイー
ル21の外歯211に対応する斜歯状に構成され、クラ
ッチキー22によるラチェットホイール21駆動時に
は、外歯211に対するパウル222の外れを防止し、
ラチェットホイール21側からの逆駆動時に外歯211
に対するパウル222の外れを容易にし、ラチェットホ
イ−ル21とクラッチキ−22とから構成されるクラッ
チ手段をオーバランニングクラッチとして機能させる。
さらに、鍔221の両側辺部に鍔端部に向かって広がる
張出223が形成されている。そして、クラッチキー2
2はパウル222をラチェットホイール21側に向け
て、キー摺動孔313内にガイド220を嵌挿して摺動
自在に配設される。クラッチキー22の鍔221には、
クラッチキー22を初期位置に保持する係止手段を構成
するキーコネクタ23が連結される。
【0020】 キーコネクタ23は、クラッチキー22
を非作動時に所定位置に定置させる機能に加えて、ガス
圧の供給室302から作動室301への供給を制御する
機能(この機能については後の作用の説明に詳記する)
とを果たすべく設けられたもので、プラスチック製で、
脚部(クラッチキー22と連結する側)231とガイド
部230とでL字状に構成されている。脚部231に
は、クラッチキー22の張出223に係合する蟻溝23
2が形成され、ハウジング30のガス供給兼キーコネク
タ嵌挿溝300に隙間なく嵌挿されるガイド部230先
端には、外向きのフック爪235が形成されている。
【0021】 このように構成されたクラッチキー22
とキーコネクタ23は、前者の張出223を後者の蟻溝
232に嵌めることで互いに連結される。この組合せ状
態で、前者は、そのガイド220をロータ31のキー摺
動孔313に、また、後者は、そのガイド部230をハ
ウジング30の溝300に嵌合させた状態に組み込まれ
る。このとき、フック爪235は供給室302周壁が溝
300に交わる角部に係合し、脚部231の反蟻溝側
は、ハウジング30の周壁に当接する。この位置で、キ
ーコネクタ23のガイド部230は、実質的に溝300
をそのほぼ全長にわたり塞いで、供給室302と作動室
301とを遮断する。このとき、ガイド220は、シリ
ンダ周壁内端との当接部からの長さ即ちシール距離をク
ラッチキー22のラチェットホイール21との歯先衝突
が生じるまでのストロークと等しく成るように設定す
る。
【0022】 この他に、このアクチュエータ3には、
隔壁シール部材34と、O字形断面のエラストマシール
35と、ベアリングブッシュ36が配設される。隔壁シ
ール部材34は、ロータ31のリング部312外周面と
隔壁303の凹部304とに圧接されるシール面と、そ
れらの背後の凹入状の受圧面とを備えた断面略V字状に
構成されており、V字状の頂部をリング部312と隔壁
303との隙間に向け、受圧面を作動室301に向け
て、ハウジング30の隔壁先端の凹部304に軽い弾発
状態で、自身の形状で位置決めされて、収容支持される
(図1参照)。エラストマシール35は、前記シール溝
305中に嵌装されて、ハウジング30とリッド32と
の間を密封する機能を果たすもので、作動室301と供
給室302の外周を周回する周回部350と、それから
分岐して両室301,302間を密封する枝部351
と、隔壁303部を密封する枝部352とを有する。こ
のエラストマシール35はシリンダガスケットを構成す
る。また、ベアリングブッシュ36は、巻取軸2の振れ
回りにより、ラチェットホイール21の外歯211がハ
ウジング30の支持フランジ306内周を削るのを防ぐ
べく設けられている。
【0023】 リッド32は、剛性を保つべく鋼材から
なるプレス品とされ、ハウジング30の端面開口を覆う
べく、ハウジング30端面形状に合致する略正方形の作
動室カバー部323とそれに連接する平行四辺形の供給
室カバー部324とを備えている。作動室カバー部32
3の中央には内向きに延びる筒状の支持フランジ325
が突設され、これが図1に示すようにロータ31のリン
グ部内径側の段部を支持するベアリングとして機能す
る。
【0024】 なお、符号13はリトラクタRのリール
フランジに回動自在に支持されたロックパウルを示し、
101はそれが逆転止め係合するフレーム10側のラチ
ェット内歯を示す。
【0025】 最後に、ガスジェネレータ4は、図1に
示すように、ケース中に装填されたニトロセルロース等
からなる推進薬42を雷管41の発火で燃焼させる形式
のもので、この例では、ハウジング30の供給室302
に巻取軸2と並行して連設された筒形のジェネレータ収
容部308に収容され、リッド32の固定に伴って止環
44を介して収容部308の底部に押圧固定され、該底
部の外側にネジ止めされる加速度センサ5と対峙され
る。加速度センサ5には雷管41を撃発させるバネ負荷
されたピン53が設けられており、このピン53の押出
し時にその先端を導入する収容部底部の開口はカプラ4
3により連結シールされる。
【0026】 次に、上記実施例の作動について図5を
基に、細部構成については図4を参照しつつ説明する。
この装置では、非作動位置において、ロータ31はそれ
に嵌挿されたクラッチキー22の背後を隔壁303に当
接させた、図5の(A)で示す位置に在る。この状態
で、作動室の加圧室301aは、最も縮小した状態にあ
り、クラッチキー22は、キーコネクタ23により位置
決めされて、ラチェットホイール21の外歯211とは
係合しない位置にある。したがって、巻取軸2はアクチ
ュエータ3とは完全に切り離されて、自由に回転可能
で、リトラクタの機能は従来どおり維持される。
【0027】 加速度を検知して図1に示すセンサ5の
ファイアリングピン53が撃発動作し、ガスジェネレー
タ4の雷管が発火し(図5の(B)参照)、ニトロセル
ロース等の推進薬の燃焼による生成ガス圧が供給室30
2において、キーコネクタ23に印加されると、フック
爪235による係合が解かれてキーコネクタ23が溝3
00に沿って押されるため、クラッチキー22はキーコ
ネクタ23に押されて内向きに押込まれ、パウル222
がラチェットホイール21の外歯211の山部と接する
位置まで移動する。このとき、キーコネクタ23の外端
部は、加圧室301aの外周面に達するため、ガスの加
圧室301aへの供給が開始される。
【0028】 これにより、ガス圧はロータ31のベー
ン311にも作用し、ベーン311の背後を可撓性シー
ル部材33を介して押すため、ロータ31は軸回りに、
図5の(C)に示すように、反時計回り回転を開始す
る。この回転につれて生じる作動室301の背圧室30
1b側の圧力は、ハウジング30の排気孔307を経て
大気中に放出され、背圧室側の圧力上昇による抵抗の発
生は防止される。一方、クラッチキー22の変位は継続
され、やがてクラッチキー22のパウル222がラチェ
ットホイール21の外歯211に噛み合い、ロータ31
はクラッチキー22を介してラチェットホイール21と
係合する。この時点で、巻取軸2はアクチュエータ3と
連結される。そして、ロータ31の回転力は、図5の
(D)に示すように、クラッチキー22及びラチェット
ホイール21を介して巻取軸2に伝達される。
【0029】 このような巻取軸2の回転動作につれ
て、巻取リール1に巻付けられたベルトが巻込まれ、ベ
ルトの引締めが行われ、やがて、ロータ31は、図5の
(E)に示す位置に達すると、ベーン311が隔壁30
3に衝突してロータ31の回転は停止する。この位置に
なると、今度は、加圧室301aも大気開放されるた
め、残ガス圧も排気される。しかしながら、この後も、
巻取リール1と一体化された巻取軸2は自身の慣性で回
転を続けようとするため、今度は、図5の(F)に示す
ように、ラチットホイール21の外歯211がクラッチ
キー22を係合解除方向に押し出し、巻取軸2がロータ
31から解放されるため、巻取軸2の回転は継続する。
そして、この慣性による回転は、ベルト張力と巻取リー
ルを含む慣性系の回転モーメントとが均衡するまで継続
する。この回転によるベルト引込み量は、ガスジェネレ
ータ4に装填された推進薬量にもよるが、ロータ回転に
よる分の約1/2程度とすることができる。このよう
に、上記一連の動作でプリテンションの付与が行われ
る。なお、この動作完了後のベルト引出しは、リトラク
タRの構成要素である前記ロックパウル13のラチェッ
ト内歯101への係合により阻止される。
【0030】 なお、これら一連の動作説明において、
クラッチ係合動作を鮮明にすべく、キーコネクタのその
後の動作を省略したが、キーコネクタ23は、図5の
(B)ないし(C)に示すクラッチ係合過程途上に溝3
00からその大部分が抜け出した状態で、ロータ31の
回転開始により、クラッチキー22に脚部を引きずられ
るため、蟻溝232部での係合が解かれて、クラッチキ
ー22から外れる。
【0031】 ここで、クラッチ手段20の係合動作に
ついてさらに詳述する。図6は、種々想定される係合条
件のうち、最も条件の悪い、ラチェットホイール21の
外歯211の歯先と、クラッチキー22のパウル222
の歯先が当初に衝突する場合の係合経過を順に示してい
る。先ず、図示(A)の初期状態からガス圧によりキー
コネクタ23が押され、クラッチキー22の押し込みが
始まる。押し込みの進行でクラッチキー22のパウル2
22の歯先がラチェットホイール21の外歯211の歯
先に衝突する位置までストロークすると図示(B)の外
歯G0への歯先衝突状態になる。このとき、キーコネク
タ23のガイド220は、加圧室301aの外周に達す
る。そして、この位置から、加圧室301aへのガス供
給が開始され、ロータ31の回転が始まる。このときの
歯先とリング部内周間の後傾軸線方向の距離をh0とす
る。この状態では未だラチェットホイール21は停止し
ており、ロータ31はある角加速で加速を開始し、クラ
ッチキー22の後傾軸線方向の速度は0となる。
【0032】 次に、この状態で係合を成しえなかった
クラッチキー22は、この位置からある角度回転が進
み、図示(C)のように、回転角がa1となり、次の外
歯G1に達するまでの間に、速度0から再加速される。
そして、この再加速により得られる後傾軸線方向の移動
距離と当初の歯先衝突までの移動距離の和h1は、距離
h0より必ず大きくなる。クラッチキー22の慣性質量
はロータ31の慣性質量より小さいから、ロータ31が
外歯G0からG1の位置まで加速されつつ角度a2まで
回転する間に再加速されて、最終的にパウル222の先
端が次の外歯G1に衝突するまでには、図示(D)のよ
うに十分な噛み合い代rが得られる。したがって、クラ
ッチキー22は、ラチェットホイール21の外歯211
の歯先との位置関係に関わりなく、最悪の場合でも次の
外歯G1と係合する。この状態以後、クラッチキー22
の鍔221は、ロータ31の摺動孔313の口部に、ガ
ス圧及び上記係合が生じたことによる引張力により圧接
されてシール機能を果たす。この係合に至るまでのロー
タ回転角a2は、クラッチキー22を鋼製とし、ロータ
31をアルミ合金製とした、ロータ31の慣性質量とク
ラッチキー22の慣性質量が接近した場合においてもな
お、20〜25度程度である。
【0033】 この実施例におけるクラッチ係合動作時
のラチェットホイール21の外歯211へのクラッチキ
ー22の衝突状況についてみると、図2に示すように、
衝撃力の作用点は、後傾により軸線Yから距離Dだけ離
れた位置となるため、衝撃力の大部分は軸線Y回りの回
転モーメントとなり、軸線Y方向成分は極めて小さくな
る。この結果、クラッチ係合により巻取軸2にかかる曲
げ荷重を大幅に軽減することができる。
【0034】 さらにこの後傾による効果は、クラッチ
係合動作後も発揮される。即ち、頭記した従来技術のよ
うにクラッチキーとして機能するベーンをラチェットホ
イールの軸線と交わらせた場合、慣性でロータ回転を妨
げる反力がベーンとラチェットホイールとの噛合点を中
心としてベーンに回転モーメントを生じさせる。このモ
ーメントは、そのままロータの切欠き部を押広げる力と
して作用する。これに対して、本実施例においては、同
様の理由でクラッチキー22に作用する回転モーメント
は、クラッチキー22の軸線のラチェットホイール21
の接線に対する傾斜に対応した分力となる分だけ軽減さ
れる。そして、ロータ31の回転力は、主としてクラッ
チキー22の鍔221を引張る力としてクラッチキー2
2に作用し、クラッチキー22のパウル222はラチェ
ットホイール21の外歯G1を引張る状態となる。その
結果、クラッチキー22にかかるラチェットホイール2
1との係合点回りの回転モーメント即ち摺動孔313を
押し広げようとする力が軽減され、ロータ31の肉厚部
T(図3参照)を破断させようとする力が大幅に軽減さ
れる。
【0035】 以上、本発明をリトラクタに付設した実
施例を基に詳説したが、本発明の適用対象はこれに限る
ものではなく、また、各構成要素の形状、配設位置及び
材質は、上記実施例に示したものに限定されることな
く、所期の機能を果たすものであれば、特許請求の範囲
に記載の範囲内で種々の構成を採り得るものである。
【0036】
【発明の効果】 本発明によれば、次に記載の効果が得
られる。先ず、請求項1に記載の構成によれば、ロータ
のリング部を貫通する摺動孔の両端に肉厚を残し、リン
グ部強度を保持しつつロータを軽合金化しているため、
ロータの慣性モーメントが減少し、ガスジェネレータか
ら供給されるガス圧によるロータの急加速で、ベルト引
締め能力を向上させることができる。また、ロータ側係
合手段の鍔が摺動孔の口部に係合することで、ロータ側
係合手段がシール機能を発揮し、駆動用ガスの係合空間
への漏れが防止されるため、ガスジェネレータから供給
されるガス圧を有効にロータの回転力に利用することが
できる効果が得られる。
【0037】さらに、請求項に記載の構成によれば、
ロータの回転時にロータ側係合手段にかかる荷重を引張
荷重としており、巻取軸側係合手段との係合部を中心と
するロータ側係合手段の回転モーメントが減少し、摺動
孔壁を広げる方向の負荷が小さくなるめ、前記の効果に
加えて、ロータ側係合手段を支持する摺動孔両側の肉厚
部にかかる破断荷重を軽減させることができる効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例をリトラクタをも含めて一
部断面で示す側面図である。
【図2】 上記実施例をリトラクタをも含めて一部断面
で示す正面図である。
【図3】 上記実施例の一部の構成要素を取出し、拡大
して示す斜視図である。
【図4】 上記実施例の全体構成要素を一部分解して示
す斜視図である。
【図5】 上記実施例の作動を順を追って示す作動説明
図である。
【図6】 上記実施例の係合動作を順を追って示す作動
説明図である。
【符号の説明】
2 シートベルト巻取軸 4 ガスジェネレータ 21 ラッチェットホイール(巻取軸側係合手段) 22 クラッチキー(ロータ側係合手段) 30 ハウジング(シリンダ) 31 ロータ 32 リッド(シリンダ) 221 鍔 222 パウル 301 作動空間 310 係合空間 311 ベーン(受圧部) 312 リング部 313 摺動孔(連絡部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 22/12 - 22/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートベルト巻取軸に連結された巻取軸
    側係合手段と、該巻取軸側係合手段を取囲む空間を画定
    するシリンダと、該シリンダ内に配設されて前記空間を
    作動空間と前記巻取軸側係合手段を収容する係合空間と
    に分割するリング部と、前記作動空間内に延びる受圧部
    とを有すると共に、前記リング部に前記の作動空間と係
    合空間との連絡部を有するロータと、前記連絡部を通し
    て前記巻取軸側係合手段と係脱自在なロータ側係合手段
    と、前記作動空間に駆動用ガスを供給するガスジェネレ
    ータとから成るロータリアクチュエータ作動プリテンシ
    ョナにおいて、 前記ロータは、前記リング部と前記受圧部を一体形成さ
    れた軽合金製とされ、前記連絡部は、前記ロータのリン
    グ部を巻取軸方向両端に肉厚を残して貫通し、前記ロー
    タ側係合手段を摺動自在に支持する摺動孔とされ 前記ロータ側係合手段は、前記摺動孔の口部に係合する
    鍔を有する ことを特徴とするロータリアクチュエータ作
    動プリテンショナ。
  2. 【請求項2】 前記摺動孔は、前記巻取軸側係合手段の
    軸心に対してその巻取り回転方向後方に傾斜して指向
    し、前記ロータ側係合手段は、前記ロータの回転時に前
    記巻取軸側係合手段に引張状態で係合するパウルを有す
    る請求項記載のロータリアクチュエータ作動プリテン
    ショナ。
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