JPH0747714A - プリンタ - Google Patents

プリンタ

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JPH0747714A
JPH0747714A JP19643893A JP19643893A JPH0747714A JP H0747714 A JPH0747714 A JP H0747714A JP 19643893 A JP19643893 A JP 19643893A JP 19643893 A JP19643893 A JP 19643893A JP H0747714 A JPH0747714 A JP H0747714A
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信一 岩崎
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勝美 杉山
Kohei Ishikawa
公平 石川
Kazunari Nishimoto
一成 西本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の発熱素子を配列したプリントヘッドを
用いて印字を行うプリンタにあって、プリント内容に起
因した発熱素子使用頻度のばらつきによるヘッド寿命の
低下を抑制する。 【構成】 複数の発熱素子の配列方向と垂直な方向に用
紙を相対移動させて印字を行うに際して、印字に係るデ
ータ内容によって配列された発熱素子の両端から何個の
発熱素子が使用されないかを検知し、当該検知された個
数に応じて使用する発熱素子をシフトさせ、そのシフト
量をプリント媒体の所定枚数毎に変えるようになして、
同一内容の印字データを印字する際に、特定の発熱素子
の通電回数が増えることを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリンタに関し、特に
プリントヘッドとして複数のプリント素子を配列してな
るものを用いるとともに、プリント素子に発熱素子を有
してなるプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】発熱素子を利用したプリント方法として
は、感熱記録紙に熱を与え、熱発色させるサーマル記録
方式,熱によって用紙にインクを転写させる熱転写記録
方式,発熱体によって瞬時に液体インクを気化し、その
泡の圧力によってインク滴を飛ばし用紙に記録するイン
クジェット記録方式等多種の方式があり、多分野のプリ
ンタに応用されている。
【0003】上記のような発熱素子を応用した印字ヘッ
ドの耐久性は、発熱体として使われる抵抗の断線,各発
熱体への通電をコントロールするトランジスタ等のスイ
ッチング素子の故障等により支配される。さらに、特に
サーマル記録,熱転写記録などの接触タイプの印字ヘッ
ドの場合は、用紙あるいはインクリボンとの接触摩擦に
よるヘッドの損傷、インクジェット記録の場合は発熱回
路近傍のインク流路でのインク詰まり,ゴミ詰まり等の
要因によっても支配される。
【0004】これらの要因などによりプリントヘッドの
一部の発熱素子言い換えれば印字セグメントが破損した
場合、プリントすべき情報が一部欠けたり、プリントさ
れた情報が誤って認識される原因となりうるため、プリ
ントヘッドの交換が必要になる。しかしながら、プリン
トヘッドは高価な素子であると同時に、その交換の手間
および交換に要する動作不可能なロスタイムが発生し、
結果的にプリントコストの上昇を招くものとなってい
た。
【0005】上記欠点をカバーするために、特開昭61
−104872号にあるように、プリントしない程度の
電流をプリントヘッドの発熱回路に流し、断線部分を検
知し、その断線部分に当たるプリント位置に印字すべき
データがあるかどうかを判定し、無ければそのままプリ
ントを行い、あればその近傍でプリントデータがない場
所を探してその場所があればそこにプリントするという
ような提案もなされていた。または、「このサーマルヘ
ッドの耐久性は約50kmです」というような表示をし
ておくことにより交換の目安を示すやり方もとられるこ
とがあった。
【0006】一方、従来のプリンタとしては、プリント
すべきプリント媒体の蛇行や斜行の量に無関係にプリン
トを行うとプリントの品位が落ちたり、カラープリンタ
では色ムラ等が発生したりするので、斜行や蛇行の量を
検出し、設定された斜行,蛇行量を超えた場合に搬送異
常として動作を停止させ、エラー表示を行って操作者に
リセット操作や用紙の再挿入等の操作を促すようにした
ものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、まず上
記ヘッドの寿命に関して言えば、罫線,枠などがプリン
ト内容に含まれていて、多数枚のプリントを行ったと
き、プリントヘッドの内の特定の発熱回路の通電回数が
多くなり、従ってその発熱回路の寿命がプリントヘッド
全体の寿命を決めてしまうことになるし、断線部分をず
らしてプリントしてもまた特定の発熱回路のみ通電回数
が多くなるため断線が生ずるおそれがある。
【0008】また、プリント媒体の斜行,蛇行に関して
いえば、斜行,蛇行量がある値を超えると動作を停止
し、エラー表示を行う構成では、プリント品位を満足さ
せるために設定される値は、プリント内容が高精細にな
る程微小な値が採用されるため、わずかな斜行,蛇行が
生じている場合でもエラー検出によってプリントが停止
してまい、頻繁にエラー解除動作を強いたり、プリント
媒体の浪費も生ずるという問題点があった。
【0009】本発明は、プリント内容に応じ、またはプ
リント媒体搬送時の姿勢に応じ、プリントに係るプリン
ト素子を適切に選定するようになし、以てヘッド寿命の
向上,プリント品位の向上を図ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明は、
複数のプリント素子を配列してなるプリントヘッドを用
い、前記配列の方向と異なる方向に相対搬送されるプリ
ント媒体に対しプリントを行うプリンタにおいて、前記
プリントに係るプリント内容を判別する手段または前記
相対搬送される前記プリント媒体の前記プリントヘッド
に対する相対的姿勢を判別する手段の少なくとも一方を
具備するとともに、当該判別に応じてプリントに係るプ
リント素子を選定する手段を具えたことを特徴とする。
【0011】ここで、前記プリント内容判別手段は、当
該判別に係るプリント内容によって前記配列された複数
のプリント素子のうち端部から何個が当該プリントに関
与しないかを検出し、前記選定手段は、当該検出された
個数に対応して、同一内容について連続プリントされる
前記プリント媒体の所定枚数毎に、使用するプリント素
子をシフトさせるものとすることができる。
【0012】また、前記姿勢判別手段は、前記プリント
媒体の傾きを検出し、前記選定手段は当該検出された傾
きに対応して使用するプリント素子が選定されるように
することができる。
【0013】
【作用】本発明によれば、プリント内容に応じ、または
プリント媒体搬送時の姿勢に応じ、プリントに係るプリ
ント素子を適切に選定するようにしたので、素子使用頻
度のかたよりを抑制してヘッド寿命の低下を抑え、また
プリント媒体の姿勢によらずプリント品位を保持するこ
とができる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照し、次の手順にて本発明の
実施例を詳細に説明する。
【0015】(1)概要(図1) (2)装置の機械的構成(図2〜図29) (2.1)装置の全体(図2〜図9) (2.2)ヘッド昇降機構(図10,図11) (2.3)インク系(図13〜図18) (2.4)ヘッドユニット(図19,図20) (2.5)回復系(図21〜図23) (2.6)センサ系(図24〜図29) (3)制御系の構成(図30〜図41) (3.1)全体構成(図30) (3.2)コントロールパネル(図31) (3.3)ヘッド制御系(図32〜図35) (3.4)制御手順(図36〜図41) (4)データ内容に基づく展開制御(図42〜図45) (5)特殊データの付加(図46〜図48) (5.1)プリンタ特定用データの付加(図46) (5.2)ラベル群特定のためのデータ変更(図47,
図48) (6)ラベル判定(図49〜図52) (7)データの複数ラベルにわたる印字(図53〜図5
8) (8)ラベルの姿勢に対応した印字制御(図59〜図6
1) (9)シフト印字(図62〜図65) (10)バー精度の保持(図66〜図71) (10.1)ヘッド昇降によるバー精度の保持(図6
6,図67) (10.2)吐出量制御によるバー精度の保持(図68
〜図70) (10.3)データ追加によるバー精度の保持(図7
1) (11)その他 なお、本発明においては、「記録」,「印字」および
「プリント」なる語を混在させて用いているが、これら
はいずれも、広く記録媒体上に記録剤を付与することを
言う。
【0016】また、記録媒体として以下の実施例では剥
離紙上にラベルを連続配置したロール紙形態の用紙を用
いているが、その形態,種類,材質はいかなるものであ
ってもよい。例えば、カット紙を記録媒体として用いて
もよいし、記録媒体の材質としてはフィルム,布その他
のものであってもよい。
【0017】さらに、以下では本発明をラベルプリンタ
に適用した場合について説明するが、本発明のプリンタ
は切り取り可能にミシン目の入った連続紙や名刺,カー
ド等をプリント媒体に用いるもの、あるいは券売機形態
のもの等、種々の形態を採り得るのは勿論である。
【0018】(1)概要 図1は実施例装置の概要を説明するための図であり、本
実施例は、ラベル紙LSに所定のバーコード等の情報を
プリントする装置(以下ラベルプリンタという)に係る
ものである。
【0019】図において、PDSはプリントすべきデー
タ等の供給源をなすプリントデータ供給手段であり、ホ
ストコンピュータ等の情報処理装置、磁気ディスク,メ
モリカード等のデータ記憶装置その他種々の形態を可と
する。
【0020】SCMは、プリントデータ供給手段PDS
から供給されるプリントデータを、プリントヘッドPH
Dの形態やプリント動作形態等に応じて、さらにプリン
ト媒体情報検出手段MIDが検出するラベル紙LSの形
状やプリントデータのレイアウト等に応じて、適切に整
列させてデータ展開手段DSM上に展開する展開制御手
段であり、図42〜図45等について詳述する。
【0021】SDMは特殊データ付加手段であり、ラベ
ル紙にプリントすべき本来的なデータ以外の特定の情
報、例えばラベルがどの装置でプリントされたものかを
示す装置識別データや、連続的にプリントされるラベル
群においてプリント内容の変更があった場合にどのラベ
ルから変更が生じたかを一目瞭然にするための内容識別
データを付加してデータ展開手段DSMに展開する。当
該データ付加の態様としては、本来のプリントデータ以
外のデータを発生するものとしたり、本来のプリントデ
ータの一部または全部を加工するものとすることができ
るが、いずれにしても本来のプリントデータの内容を損
わないようにする。この特殊データ付加手段については
図46〜図48につき後述する。
【0022】HDMはヘッド駆動手段であり、データ展
開手段DSMに展開されたプリントデータに従ってプリ
ントヘッドPHDの記録素子群を駆動する。また、この
駆動にあたり、記録素子の使用頻度の分布を低減すべ
く、またはプリント媒体情報検出手段MIDが検出する
ラベル紙の姿勢によらず望ましいプリント状態を得るた
べく、適宜プリントに際して使用する記録素子のシフト
を行う。このヘッド駆動手段については図61〜図65
等について後述する。
【0023】BAMはバー精度保持手段であり、プリン
トデータ等に応じて、ラベル紙上に形成すべきバーコー
ドの精度を確保するための制御を行う。このバー精度保
持手段BAMについては図10,図11,図66〜図7
1について後述する。
【0024】プリントヘッドPHDは、本例では記録剤
としてインクを用い、インクを吐出するために利用され
るエネルギとしてインクに膜沸騰を生じさせる熱エネル
ギを付与する発熱素子を記録素子として有したインクジ
ェットヘッド、すなわちキヤノン株式会社が提唱するバ
ブルジェット方式のプリントヘッドを使用している。ま
た、そのプリントヘッドPHDを、色調を異にするイン
クに対応して複数(例えば4段)設け、さらにプリント
に使用したい色に対応すべくこれを交換可能としてい
る。このプリントヘッドPHDの交換ないし配列につい
ては図19,図20について後述する。
【0025】SRMはプリントヘッドPHDに対してイ
ンクを供給し、またはインク吐出性能を維持するための
処理(回復処理)に際してインクを循環,回収するイン
ク供給/回復手段であり、図12〜図18,図21〜図
23について後述する。
【0026】プリント媒体情報検出手段MIDはラベル
紙の端部検出,搬送異常の検出,ラベル紙形状の検出等
に用いられる各種センサ群からなる。また、MTMはラ
ベル紙LSをプリントヘッドPHDによる記録位置に関
して搬送する搬送手段である。
【0027】(2)装置の機械的構成 (2.1)装置の全体 図2は本実施例のラベルプリンタの外観斜視図、図3は
その蓋部を開放した状態を示す外観斜視図である。
【0028】ここで、1は装置本体、51はロール状に
巻かれたラベル紙ロール、51Aはロール支持軸、52
はロール端面にあって幅方向に規制してラベル紙を斜行
な送出し、かつロール51の支持軸51Aからの脱落等
を防止するロールガイド、53は支持軸51Aの支柱で
ある。2は各種スイッチ,表示ランプ等を有したオペレ
ーションパネルであり、図9について後述する。3は装
置蓋部であり、これを図3に示すように開放することに
よってインクタンク83等の交換や搬送系等に関してジ
ャム除去等所要の作業を行うことができる。また、4は
メイン電源スイッチ、5は電源コードを接続するための
コネクタ、6はメモリカード90を装着するためのスロ
ット、7はホストコンピュータ等とラベルプリンタ本体
とを接続するインタフェースケーブルのコネクタであ
る。
【0029】図4は図2の外装カバーを取外した状態を
示す外観斜視図、図5は本例装置の内部構成を示す正面
図、図6は同じく平面図である。
【0030】これら図において、54は用紙ロール51
の巻き癖(カール)を補正するためのカール補正ユニッ
トであり、カールを補正するべく、ロール51から給送
されたラベル紙(以下用紙という)に逆のカールを与え
るためのカール補正ローラ55と協働する。92は用紙
に適度のたるみ(ループ)を与えるための制御を行うル
ープローラ、56はループローラ92のピンチローラ、
57は用紙に適度なループを与えるためのループ量とと
もに変位するループ板、58はループ板57の変位量を
検出するループセンサ、59は用紙の下ガイド板、60
は用紙の上ガイド板である。
【0031】61は用紙の位置検出を行う反射型センサ
であるTOF(トップオブフォーム)センサ、62は同
様に用紙の位置検出を行う透過型センサであるTOFセ
ンサ、63はベルトを帯電させてラベル紙を吸着させる
ための帯電ローラ、64は用紙の表面の電位を除電する
除電ローラ、65は帯電ローラ63により電位を与えら
れて帯電し、用紙を吸着搬送する帯電ベルト、66は帯
電ベルト65により吸着搬送されてきた用紙を確実に帯
電ベルト65に押し当てる紙押さえローラ、67はプリ
ントに際して用紙の平面性を安定させるプラテンであ
る。ここで、ベルト65は、ベルト内側に配されたNB
R層と用紙に面する外側のシリコン系絶縁層から成り、
用紙の吸着に先立ちシリコン系絶縁層に対し第一の帯電
手段たる帯電ローラ63によりマイナスの電荷を付与
し、用紙とベルト65の接触点近傍に、ベルト65とで
用紙を鋏む形で設けられた第二の帯電手段たる除電ロー
ラ64によりプラスの電荷を付与する構成である。
【0032】68は搬送されてきた用紙に所定の情報の
プリントを行うプリントヘッド(後に301Bk,30
1Y,301M,301C等の符号で参照される)を配
設したヘッドブロック、69は搬送されてきた用紙の両
端を押さえて用紙の浮きを防止する紙押さえ板、70は
用紙の紙幅に合わせて紙押さえ板69を移動させる移動
ブロック、71は用紙搬送の帯電ベルト65の駆動を行
うメインローラ、72はメインローラ71の駆動に対し
て帯電ベルト65を介して従動する従動ローラ、73は
メインローラ71のピンチローラ、74は印字記録され
た用紙を装置の外部に排出するための排紙ローラ、75
は排紙ローラ74のピンチローラである排紙コロ、7
6,77は排出される用紙のガイドである。
【0033】78はヘッドブロック68の各プリントヘ
ッドの吐出口内方の増粘したインクや、吐出口形成面に
付着したインク等の清掃等を行う回復ユニット、79は
ヘッドブロック68を記録や回復動作に際して適切なポ
ジションへ移動設定させるためのヘッド移動モータ、8
0は用紙搬送用のメインローラ71に駆動力を与える用
紙搬送モータ、81は回復ユニット78をヘッドブロッ
ク68の吐出面に対向するポジション等へ移動させると
ころの回復ユニット移動モータである。82は適度なル
ープ量を確保するためにループ板57の変位をループセ
ンサ58で検出し、その値に基づきループローラ92の
速度制御を行うループモータである。
【0034】83はヘッドブロック68の各ヘッドにイ
ンクを供給するインク供給ユニット、84は本装置に電
力を供給する電源、85は用紙の搬送が正常に行われて
いるかを検出する反射型のTOFセンサ、86は同様の
透過型のTOFセンサ、87は本装置の部分的な動作や
調整を行わせるスイッチが配設されたサブ基板、88は
本装置のコントローラが配置されたメイン基板、89は
各種アクチュエータとメイン基板88との接続を行うタ
ーミナル基板である。
【0035】ここで、本例のラベルプリンタで用いてい
る用紙ローラについて説明する。
【0036】図7は用紙ロール51の説明図である。こ
こで、100は、本プリンタの被記録材であり、通常ラ
ベルと呼ばれるものである。大きさは用途によって種々
のサイズが使用されるが、本実施例のプリンタでは各ヘ
ッドの吐出口配列範囲に対応して幅方向で最大が4イン
チ以下の物を使用可能としている。このラベル100
は、符号101で示す剥離紙またはセパレータと呼ばれ
る台紙に上に、図示しないタック糊によって連続して貼
付されており、ロール状の記録用紙51を構成してい
る。なお、矢印102は、プリント時の用紙搬送方向を
示している。
【0037】また、本例のラベルプリンタでは、プリン
ト開始のためのトリガとして、ラベルの先端を検出する
ようにしてあり、そのために、図8に示すようなTOF
(Top of Form)マーク103を、セパレー
タ101のラベル100貼付面とは反対側に印刷してプ
リントしたものを用いている。
【0038】すなわち、このTOFマーク103をTO
Fセンサで検知することにより用紙の先端信号を得るこ
とができる。また、セパレータ101上のラベルのすき
まを一定にしておくことでTOFマーク間の間隔からラ
ベルの大きさも検知でき、さらには印字可能領域も検知
できる。
【0039】なお、本実施例では反射型のTOFマーク
61でTOFマークを検知することもできるし、光透過
度の高いセパレータを用い、透過型センサであるTOF
センサ62を用いてプリント開始位置,ラベルの大きさ
等を検知することもできる。
【0040】図9はオペレーションパネル2の構成例を
示す。本例のオペレーションパネルは、同図に示すよう
に、電源のオン/オフスイッチ190と、ホストコンピ
ュータ等に対するオンラインスイッチ191と、マニュ
アルモードにて用紙を送る際に操作される用紙送り(フ
ィード)スイッチ192と、用紙の先頭位置合せを行う
ためのスイッチ193と、プリントの強制停止を行うた
めのスイッチ194と、何らかの異常が生じたときに操
作者にこれを報知するランプ195とを有している。な
お、190Aおよび191Aは、それぞれ、電源オン時
およびオンライン時に点灯するランプである。
【0041】本例においては、可動部(ヘッドを有した
ヘッドブロック,回復系ユニットのように移動して動作
をするもの)と、固定される部分(インク供給系ユニッ
ト,電源部)とを上下に分け、その間を用紙が搬送され
る構成となっている。すなわち、装置構成が複雑な可動
部と、交換を要するインクタンクや比較的重量の大きい
電源部等を有する固定部とを別個に設けているが、これ
は次のような理由によって有効な構成である。
【0042】すなわち、ヘッドは下向きにすることで、
用紙を反転することなく印字後のラベルが印字面を上向
きにして排出されるから、使用者にとって印字ラベルの
確認が容易となる。また、下向きに吐出することがイン
クジェット方式において良好な結果を得られることがわ
かってきていることからも、上記構成は好ましい。
【0043】また、供給系をヘッドの下に配置すること
でインクを供給する際、適切な負圧状態を得ることがで
きる。仮にヘッドの上部に供給系を配置した場合、重量
によってインクが供給される側(ヘッド側)へ液圧が加
わり、ヘッドの吐出口面からのインク洩れが生じるし、
これを避けようとすれば所定の圧力(負圧)を与える機
構を設けねばならず、供給系の構造が複雑となりコスト
アップにもなってしまうからである。
【0044】さらに、インク供給系が上にあった場合、
インク残検用センサの故障,インクを循環させるポンプ
の故障、あるいはチューブの欠損等が生じた場合、イン
クがあふれてしまい、搬送系や用紙等を含め機内を汚し
てしまうことになるので、この点からも上記構成は有効
である。
【0045】また、本例では回路基板については背面に
搬送系,供給系とは分けて配置されている。これは、放
熱効果,インクによる汚染を防ぐ上で好ましい構成であ
る。
【0046】(2.2)ヘッド昇降機構 プリント時において形成しようとしている情報に応じ、
例えばバーコードの線幅に応じてヘッドブロック68を
移動させることにより吐出面と用紙とのキャップ(ヘッ
ドキャップ)を調整し、または回復ユニット78による
回復動作時においてヘッドブロック68の移動を行わせ
るためのヘッド昇降機構について説明する。
【0047】図10は当該機構の模式図である。ここ
で、80−9はヘッドブロック68が移動するときのガ
イド棒、80−10はヘッドブロック68に取付けられ
たラック、80−11はヘッドブロック68を移動させ
るためにラック9と噛合しているギヤであり、ヘッド移
動モータ80によりベルト状の伝動機構80−12を介
して連結している。なお、ヘッド昇降機構の構成、すな
わち駆動源や伝動機構その他の構成は図示のものに限ら
れないのは勿論である。
【0048】かかる構成において、プリント時または吐
出回復動作時において、メイン基板88(図6)に配設
されたコントローラはモータ80を駆動させ、ギア80
−11を回転させ、ラック80−10を介してヘッドブ
ロック68をガイド80−9に案内させつつ移動させ
る。プリント時におけるヘッドブロック68の移動量に
関しては、印字される線幅の命令内容に応じ、コントロ
ーラが適切な量を定める。また、吐出回復動作時、印字
終了時には、ヘッドブロック76を上方の位置へ退避さ
せ、その直下に回復ユニット78を位置づけてインク吸
引,予備吐出,ワイピング,キャッピングなどの回復処
理を行うようにする。
【0049】なお、線幅に対応してヘッドブロック68
を昇降させ、ヘッドギャップを適切な値に保つほか、ボ
ール紙,タグ紙など厚手の用紙に対応してヘッドギャッ
プを適切に定め、以て用紙とヘッドとの衝突を避けるた
めにもヘッド昇降機構を用いることができる。その紙厚
を検知するためには、予め紙厚に応じて所定部位にTO
Fマークを設けた用紙を用い、一方装置側にはTOFマ
ークが存在しうる部位に複数のTOFセンサを配設し、
それらのオン/オフ状態を判定することによって行うこ
とができる。また、その情報をホストコンピュータ等か
ら受信するものでもよく、あるいはオペレーションパネ
ルに紙厚設定用のスイッチを設けておいてもよい。さら
に、セットされた用紙の紙厚を判定する手段を設けるこ
ともできる。
【0050】いずれにしても、図11(A)に示すよう
に比較的薄手のラベル紙を用いる場合であっても、図1
1(B)に示すように厚手のタグ紙S1′等を用いる場
合であっても、適正な位置にヘッドブロックを位置づけ
ることができる。なお、図11においては、ヘッドブロ
ック昇降のための伝動機構としてモータ80の軸に取付
けたギア80−13を用いている。
【0051】(2.3)インク系 図12は本例装置のインク供給系の全体を示すブロック
図であり、以下インクの流れに従って説明する。インク
はカートリッジ形態のインク供給ユニット83内に収納
されたインク袋310aからポンプ308の吸引によっ
て吸い出され、バルブ309内の一方向弁309aを経
てサブタンク307に蓄えられる。これを示すのが図中
の白矢印Iである。一方通常のプリント時にはサブタン
ク307からヘッド301に対し、使用された分のイン
クが供給される。これは図中の白矢印IIによって示され
る。
【0052】また同一パターンのプリントが繰返されて
吐出口の使用頻度がばらついたり、ヘッドが使用されな
いで放置された場合には、ヘッド301の吐出口内のイ
ンクが増粘したり、ヘッド301内やチューブ内に泡が
発生,集結して、それ以後のプリントに支障をきたすこ
とがある。このような場合にはヘッド301の回復動作
が必要となり、そのときのインクの流れを示すのが図中
の黒矢印IおよびIIである。
【0053】まずヘッド301へのインクの還流を示す
のが黒矢印Iであり、ポンプ308が前述のサブタンク
307への供給時とは逆転することによって、インクは
サブタンク307からバルブ309内の一方向弁309
bを経てヘッド301へ循環し、サブタンク307へ戻
るものである。このときヘッド301の吐出口付近の増
粘したインクは吐出口から排出され、流路内の泡も同様
にノズルから排出されるか、またはサブタンク307に
回収されることになる。
【0054】次に黒矢印IIはヘッドの吐出口からの回復
系ユニット78に排出されたインクの回収経路を示すも
のである。ポンプ308はヘッド301へインクを還流
させると同時に、このインク回収系も動作させる能力が
ある。そして回復系ユニット78内に排出されたインク
はポンプ308によってインク供給ユニット83内の廃
インク吸収体310bに回収されるので、インク供給ユ
ニット83の交換時には新しい吸収体に置き換わること
になる。
【0055】以上がインク供給系全体の説明であるが、
上述されていない部分としてインクカートリッジ収納部
にはカートリッジの有無検出センサ311が設けられて
おり、ヘッド301はヘッドジョイント303によって
本体側と接続可能になっている。また、サブタンク30
7にはインクの量を一定量以上に保つためのインクレベ
ルセンサ306と、それが何らかの原因で故障した場合
に装置を停止させるためのオーバーフローセンサ305
およびタンク内の気圧を大気に開放するブリーザバルブ
304が設けられている。
【0056】図13は本装置内における実際のインク系
の構成を示す概略図である。ここではヘッド301,サ
ブタンク307および回復系351以外の要素について
は、Y(イエロー)のインクに関連した部分だけを示し
ている。
【0057】図13で示したインク系の構成を用いて、
チューブに沿ってインクの流れを説明すると、 (1)サブタンク307への供給時 インク供給ユニット83→チューブ314→チューブ3
15→チューブ316→サブタンク307 (2)プリント時 サブタンク307→チューブ317→ヘッド301 (3)ヘッド循環時 サブタンク307→チューブ316→チューブ315→
チューブ318→チューブ317→サブタンク307 (4)廃インク回収時 回復系ユニット78→チューブ319→チューブ320
→インク供給ユニット83 となる。
【0058】なお、サブタンク307は、図5にハッチ
ングを施して示したように、その最上部は用紙搬送面よ
り僅かに上に位置している。そして、その貯留する液面
の高さは、センサ等によって所定以上高くならないよう
に制御されている。
【0059】なお、インク系は上述に限られず、種々の
構成を採用できるのは勿論である。
【0060】図14はインク系の他の構成例を示す模式
的概略図である。インクはポンプ325によってインク
カートリッジ328から一方向弁327を経てサブタン
ク307に供給される(このときをポンプ正回転とす
る)。
【0061】またヘッド301の吐出口部分に泡や微小
な塵埃が混入してプリント品位が乱れた場合にはポンプ
を前述と逆回転することによって、インクをサブタンク
307から一方向弁326を経てヘッド301へ供給
(加圧回復)する。このときヘッド301から排出され
たインクを回復系ユニット78で受け、廃インクカート
リッジ330にそのままあるいは廃インクポンプ329
で送られるという構成になっている。
【0062】一方、図14の構成例では、廃インクポン
プが存在しない場合には廃インクの回収が不十分とな
り、廃インクポンプを備えた場合には、その分のスペー
スが必要となるので装置全体が大型化し、さらにはコス
トアップしてしまうことも考えられるので、インクをサ
ブタンクあるいはヘッドへ供給するためのポンプと廃イ
ンク回収用のポンプとを、ワンウェイクラッチを設けて
同一の駆動源(モータ)により動作させる構成を採用す
ることもできる。
【0063】図15および図16はその構成例を示すも
ので、図14と同一部分には同一符号を付してある。こ
こに、図15はインク系の概略図、図16はポンプの説
明図である。
【0064】基本的な構成は図14と同様であるが、駆
動源であるモータP13がある方向に回転(正回転)し
たときには、インクをインク袋310aから一方向32
7を経てサブタンク307に供給し、逆回転したときに
はインクをサブタンク307から一方向弁326を経て
ヘッド301へ供給すると同時に、回復系ユニット78
内の廃インクを廃インク吸収体310bに回収するとい
う点が異なる。
【0065】一つのモータで上記の動作を行うポンプ3
31を図16を用いて説明するに、本実施例ではポンプ
としてチューブポンプ11を採用し、図15のポンプ3
31の部分AとBとがそれぞれ図16の符号P16とP
18とで示すポンプ部に対応している。
【0066】インク供給用ポンプ部P16と廃インク回
収用ポンプ部P18には、チューブP20をつぶすため
のローラP17が回転自在に取付けられており、インク
供給用ポンプP16はモータP13と直結したポンプシ
ャフトP15に固定され、正逆両方向に回転可能となっ
ている。一方廃インク回収用ポンプP18はワンウェイ
クラッチP21を内蔵しており、モータP13が逆回転
するときのみ回転可能となる構成である。なお図中の符
号P14はポンプシャフトP15を支えるフレーム、符
号P18はチューブ押えである。
【0067】なお、インク袋ないしインク供給源につい
ては、図12,図13または図15に示したように廃イ
ンク吸収体と一体となったものを使用すれば、機械内の
スペースをより有効に活用することができるが、図14
に示したようにこれらを別体としてもよい。
【0068】また、図16の構成ではポンプとして2つ
のポンプを一体にしたチューブポンプを採用したが、ポ
ンプ部分は、図17に示すように、ギアポンプ等で構成
してもよい。
【0069】さらに、図16の構成では一つのヘッドに
対する供給系に対応したポンプとしたが、図18に示す
ように、複数のヘッドに対応したポンプが一つのモータ
で駆動できるようにすることも可能である。
【0070】(2.4)ヘッドユニット 図19はヘッドブロック68の構成部材、すなわちヘッ
ド301とそれを接続する本体側のヘッドホルダ312
とを説明する図である。ヘッド301はヘッドホルダ3
12内に4個並列に差し込まれ、その位置決めはヘッド
301上のヘッド位置決めピン301bとヘッドホルダ
312内のジョイント部(不図示)によって行われる。
【0071】またヘッド301上には上面に接点を持っ
たヘッドフレキシブル配線板A301aが接続されてお
り、ヘッドホルダ312の蓋部分に設けられたヘッドフ
レキシブル配線板B313と接触させた状態で固定する
ことにより、本体側からの電気信号が受けられるように
構成されている。
【0072】なお図中のY,M,CおよびBはそれぞれ
インクの色イエロー,マゼンタ,シアンおよびブラック
を示している。また、ホルダ312に配設可能なヘッド
個数は適宜定め得るのは勿論である。
【0073】このように本例のヘッドホルダ312は4
つ分のヘッドを着脱可能であるが、記録に通常用いられ
る上記4色のヘッドの他 、特に使用を希望する色(金
属色やコバルトブルーその他の上記4色では表現不能も
しくは困難な色。以下特色という)のヘッドを用意すれ
ば、これを装着することもできる。この際、用紙搬送方
向Fの上流より順に明度の低いインクに対応したヘッド
を装着するようにするのが好ましい。これは次の理由に
よる。
【0074】複数色(例えば3色)のインクを用いて用
紙(ラベル100)上に記録(プリント)を行うと、イ
ンクCL1,CL2,CL3は図20のように重なると
考えられる。そこで、例えば使用する特色インクの明度
をBkを除いたC,M,Yと比較し(Bkは単独で形成
されることが多いので特に順序を設定しなくてもよ
い)、特色インクとC,M,Yを明度の低い順にプリン
トするように構成することにより、図20の矢印で示し
たように、あとに形成したインクの透過率が高いために
先に形成したインクの色が見えると考えられるので、鮮
明な合成色のプリントが実現する。すなわち、例えば
C,M,Y,Bkの4色が印字可能なインクジェットプ
リンタにおいて特色インクとして橙色インクを追加する
場合、明度はC<M<橙<Yとなるので印字順としては
C,M,橙,Y,Bkとすればよい。これに関連して、
ヘッドに自らの色等に関する情報を提示可能な手段(E
EPROM,スイッチ,切欠き等)を設け、一方装置側
にはこれを読取る手段と、当該読取りに応じ適切な順序
にて配列されているかを検出する手段と、当該検出に応
じて配列順序ないし変更を示唆する手段等を設けること
もできる。
【0075】(2.5)回復系 図21はヘッド301(ないしヘッドホルダ312)と
回復系ユニット78との位置関係を示す斜視図である。
ヘッド301は図10,図11に示したような駆動源に
よって垂直方向に移動することができ、一方回復系ユニ
ット78は水平方向に移動可能である。
【0076】回復系ユニット78内にはヘッド301の
回復時にノズルより排出されたインクを効率よく回収す
るために、各ヘッドに対してその下方に吸収体ローラ3
52が設けられている。吸収体ローラ352はその軸上
に組み込まれたローラギア353とアイドラギア35
4,モータアイドラギア355等を介して、回復系ユニ
ット78に搭載された回復系モータ357によって回転
駆動される。
【0077】図22はヘッド301回復時の回復系ユニ
ット78内の動作を説明するものである。なお、図22
においてTSは各ヘッドの適宜の部位に設けた温度セン
サであり、これについては後述する。図22の状態はヘ
ッド301が回復系ユニット78に密着した状態(キャ
ッピング。後述)を示しておりヘッド301回復動作時
のインク循環はこの状態で行われる。
【0078】図19に関連して述べたように、ヘッド3
01下方の吸収体ローラ352は回復系ユニット78に
搭載された回復系モータ357により矢印方向に回転駆
動されており、しかも絞りローラ360に押し付けられ
ているためヘッドノズル362から排出されたインクは
そこで絞り取られ、ヘッドノズル362下方の吸収体ロ
ーラ352上側では常にインクが浸透しやすい状態にな
っている。図ではイエローヘッド301にインクを循環
させた場合を示しており、回復系ユニット78内に排出
されたインクは、前述のようにポンプ308によってチ
ューブ319および320を通ってインク供給ユニット
83内の廃インク吸収体310bに移送される。
【0079】図23(A)〜(D)はヘッド301と回
復系ユニット78との各ポジションを説明するものであ
る。
【0080】(A)キャッピング キャッピングは通常の待機状態あるいはヘッド301回
復動作のインク循環時のポジションであり、ヘッド30
1の前面プレート361と回復系351のキャップゴム
359は密着状態となっている。
【0081】(B)ワイピング ワイピングはヘッド301回復動作の一つであり、イン
ク循環によりヘッド吐出口362から排出されたインク
のうち、吸収体ローラ352に吸収されずヘッドノズル
362周辺に残ったインク滴を取り去る動作を示すもの
である。
【0082】具体的には、ヘッド301がキャッピング
位置から所定量上方向へ移動し、回復系351を右方向
へ所定量移動する際にそれに設けられたブレード358
によってヘッドノズル362周辺を拭き取るというもの
である。
【0083】(C)退避 退避はキャッピング状態から印字状態に移るときあるい
はその逆移動の場合に回復系351が大きく移動するた
めヘッド301をそれと接触しないように逃がした状態
にするものである。
【0084】(D)印字(プリント) 印字は通常の印字時の状態で、回復系351は右方向へ
完全に退避し、ヘッド301がキャッピングポジション
よりさらに下方に移動し、記録用紙と所定量の間隔を保
持している状態である。
【0085】(2.6)各部センサ 本例においては、図22に示したように、ヘッドに対し
て温度センサTSが配設されている。これにより次のよ
うな制御が可能となる。プリント命令が連続して出力さ
れると、ヘッド301の温度は徐々に上昇を始めるが、
そのヘッドの温度情報を温度センサTSにより検知し、
その温度があらかじめ定められた基準温度を越えると、
プリントを中断し、ヘッド301の温度が下がるまで待
ってからプリントを再開することにより、プリント不良
の発生を無くすことができる。あるいは、プリントを中
断せずに、プリント速度を低下させることによりヘッド
の温度を下げることも可能となる。
【0086】さらに、温度センサTSの検出値が基準温
度を越えたときに、プリントを中断せずに、上述したよ
うにインクを循環させることにより、ヘッド温度を下げ
ることも可能である。
【0087】次に、用紙搬送経路に沿って用紙に関し所
定の検出を行うセンサについて説明する。用紙に関する
センサとしては、上述のようにTOFセンサを設けてあ
るが、その他にも用紙(ラベル)の形状や姿勢(剥離紙
上の傾き)を検出するために次のようなセンサを配設す
ることができる。
【0088】図24(A)および(B)は、それぞれ、
かかるセンサを説明するための模式的平面図および側面
図である。この例におけるセンサ405は用紙搬送方向
においてヘッドブロック68により下流側に配設され、
かつ搬送方向と直交する方向に延在するラインセンサで
あり、用紙搬送を行いながら所定のタイミングで読取り
を行うことによってラベル100の形状を認識すること
ができる。ここに、ラベル100の群が連続して同一形
状,姿勢を有する場合に本例は有効な構成であり、プリ
ントに先立って先頭のラベル形状を認識することで、プ
リントしようとする内容のレイアウトに応じた当該ラベ
ルの適否、または後続のラベルに対しその形状等に合せ
た所望のプリントを行うことができる。また、プリント
形態の認識を行うこともできる。
【0089】なお、同図の構成で、先頭のラベルに対し
てもプリントを行う場合、またはラベル形状や姿勢が異
なるような場合において所望のプリントを行う場合に
は、読取り後に巻戻しを行うようしてもよい。
【0090】図25(A)および(B)は、それぞれ、
形状,姿勢の検出を行うセンサの他の例を説明するため
の模式的平面図および側面図である。本例では図24と
同様のセンサ405を用紙搬送方向においてヘッドブロ
ック68より上流側に配してあり、プリント状態の確認
はできないものの、先頭ラベルの無駄、または上述した
ような巻戻しの要がないために効率のよいプリントが可
能となる。
【0091】さらに、そのようなセンサは図24,図2
5のようなラインセンサでなくてもよい。図26(A)
および(B)は、それぞれ、センサのさらに他の構成例
を示すもので、本例ではポイントないし小エリアについ
ての検出動作を行うセンサ406を、搬送方向に直交す
る方向にガイド422に沿って案内し、スキャンさせる
ことによって上述と同様の効果を得ている。
【0092】加えて、上例では反射型のセンサを用いて
いるが、剥離紙101が所要の光透過性を有するのであ
れば、透過型センサを用いることもできる。
【0093】さらに加えて、ラベルの姿勢(剥離紙上の
傾き)のみを考慮すれば足りるのであれば、上述のよう
な全幅にわたるラインセンサまたは走査手段を設けなく
てもよい。
【0094】図27はラベルの姿勢を検出するためのセ
ンサ系の構成例を示す模式的平面図、図28はその斜視
図(ただしヘッドはブラック用のもののみを示してい
る)である。このように、端部センサ418および41
9を用紙搬送方向上、それぞれヘッドブロック68の上
流側および下流側に配置し、端部の傾きに係るデータお
よびプリント位置を演算により得て、姿勢に合せた適切
なプリントを可能とする。
【0095】図29は端部センサ系の他の構成例を示
す。本例においては、紙端部位置検出センサ418およ
び419をヘッドブロックの直前の位置であって紙端部
付近に配置し、ヘッド直前の紙位置データに基づいてプ
リントに係るノズルを選択するものである。この場合
は、前実施例のように斜行量よりプリント位置を演算す
る必要がなくなるため、より簡単な制御が可能となる。
【0096】(3)制御系の構成 (3.1)全体 図30は本実施例の制御系の全体的構成例を示す。この
本例のラベルプリンタで印刷される画像データはホスト
コンピュータ151で作成、または編集された後、デー
タ送受信部152にカラー画像データまたはカラー文字
データとして送出される。
【0097】これらは4色(ブラック,シアン,マゼン
タおよびイエロー、または必要に応じて特色)毎のビッ
トマップデータとして受信される場合と、文字コードデ
ータとして受信される場合とがある。受信される印刷デ
ータがビットマップデータであるか、文字コードデータ
であるかは予め受信されるコマンドにより識別される。
文字コードデータの場合には、各文字データ毎または複
数の文字列毎に、つまり印字スタイルの変化点毎に印刷
開始位置指定,文字フォント,文字サイズ,印字色指定
等のコマンドが各々挿入される。
【0098】データ送受信部152で受信されたデータ
はメインCPU153で読み出され、順次RAM156
に設けた作業用領域に記憶され、文字単位にビットマッ
プ展開するためROM155から該当文字のキャラクタ
ジェネレータ内容を読出し、その結果を印字バッファ1
58に書込む。印字バッファ158はヘッド301Bk
〜301Y等に対応してブラック,シアン,マゼンタ,
イエロー等の4色について各々1ページ(1ラベル)分
のデータを独立に保持する。例えば、本実施例では印字
分解能が360dpi(ドット/インチ)で1つのヘッ
ドあたり1,344個の吐出口を用紙幅方向に配列した
ラインヘッドを使用し、そのうち両端の8個ずつを除い
て1,328個の吐出口を用いてプリントを行うように
している。すなわち、印字データは1,328ドット分
であり、印字バッファ158へ展開する際、両端に8ド
ット分ずつ空白のデータを印加し、1,344ドット分
のデータとしている。そして、1,344個の吐出口は
64個ずつ21ブロックぬい分割されて、後述のヘッド
制御回路157にてブロック駆動される。1,328吐
出口による印字幅は最大約3.7インチである。ページ
長を4インチに設定すると、所要の印字バッファサイズ
は1色あたり
【0099】
【数1】 1,328 ×360[dot/inch] ×4[inch] =1,912,320[bit/page] である。実効印字スピードを損なわずに複数ページの異
なるテキストまたはグラフィックデータを連続的に印字
する場合、上記印字バッファを2ページ分もつ方法すな
わちダブルバッファ方式が有効である。この場合の印字
バッファサイズは1色あたり
【0100】
【数2】 1,912,320[bit/page] ×2[page] =3,824,640[bit] 必要となる。1ページ分は現在印字中のバッファとして
使い、もう1ページ分を次のページの編集専用にすれば
高速印字を実現できる。印字バッファ158に展開され
た画像データはヘッド制御回路157から連続的に読出
され4色のヘッド301Bk〜301Yに転送される。
印字バッファ158,ヘッド制御回路157、そしてヘ
ッド301Bk〜301YおよびCPU153の詳細な
動作タイミングに関しては後述する。
【0101】ROM155はカラープリンタ全般を制御
する制御プログラムが前述のキャラクタジェネレータお
よびバーコードジェネレータと共に格納されている。そ
して、制御プログラムの制御下でメインCPU153は
I/Oポート159,駆動回路164を介して駆動モー
タ165の駆動制御する。駆動モータ類165には、用
紙を搬送するための紙送りモータ、前述のヘッドを上下
に動作させるヘッドモータ、ヘッドのインクノズル部の
キャッピング、クリーニング機構を動作させるためのキ
ャッピングモータ等が含まれる。なお、本実施例では、
紙送りモータを駆動する駆動パルスと印字動作は完全に
同期化されている。
【0102】センサ回路167には、印字するためのラ
ベルの先頭位置を検出するTOFセンサ、ヘッドモー
タ、キャッピングモータ等の基準位置を決めるための各
ホームポジションセンサ、各色のインクの残量状態を監
視するインクレベルセンサの他、図22に示した温度セ
ンサ、図24,図25または図26に示したラベル形状
検出センサ、図27または図29に示した端部センサ等
が含まれる。
【0103】メインCPU153はホストコンピュータ
151から受け取った印字データをメモリカード90に
保存する場合もある。ホストコンピュータ151と本例
のプリントとを切り離して印字動作をさせる場合にはメ
モリカード90に保存するデータは通常文字コードデー
タの形式であるが、データを変更する必要のない固定さ
れた印字画像データは4色分のビットマップデータとし
て保存される場合もある。メモリカード90を使った印
字動作の印字指令はコントロールパネル154から出力
される。コントロールパネル154は印字の起動、停止
動作指令の他、メモリカード154内の印字データの印
字フォーマットの変更も可能である。コントロールパネ
ル154の詳細は後述する。
【0104】オペレーションパネル2については図9に
ついて既述した。
【0105】(3.2)コントロールパネル 図31はコントロールパネル154の構成例を示すブロ
ック図である。コントロールパネル154は通常本例の
ラベルプリンタ本体1とホストコンピュータ151とが
切り離された状態、つまりオフラインモード状態で使用
するものであり、そのコントロールパネルの主な機能は
印字画像データの表示および印字フォーマットの変更で
ある。このコントロールパネル154はカラープリンタ
本体とは別の匡体に備えられたものとすることができ
る。
【0106】通常表示画像データはメインCPU153
側からコードデータの形式でサブCPU180の通信用
ポートに送られるが、ビットマップの表示画像データを
受信し表示する場合もある。ここでは文字コードデータ
で受信した場合について記述する。
【0107】キーボード186からデータ受信要求のキ
ーが押されるとサブCPU180はメインCPU153
側にデータ要求のコマンドを発行する。メインCPU1
53側から送られてくるデータはRAM182に記憶さ
れ、並行してサブCPU180はROM181に記憶さ
れている制御プログラムの制御下で受信した画像データ
を表示するべく、各々受信した文字コードデータに該当
する表示用キャラクタジェネレータを順次読出し、表示
制御回路183を介して表示メモリ184に書込む。
【0108】表示用キャラクタジェネレータはROM1
81に備えられている。表示制御回路183は表示メモ
リ184の内容を連続的に読出し表示器185を継続的
に表示制御する。ここに、表示器は例えば320×24
0ドットの液晶表示器を使用することができる。表示器
上の1ドットの重みを印字媒体上で縦方向,横方向共に
1/90インチ分に対応させれば約3.6×2.7イン
チ分のエリアの表示が可能である。
【0109】画像データ,フォーマットはキーボード1
86を用いて、表示器185上で変更を加えることがで
きる。変更内容は順次RAM182に記憶される。それ
らの結果を印字する場合、サブCPU180からメイン
CPU153に対してデータ受信要求のコマンドを発行
し、メインCPU153側では更新された画像データを
受信して印字動作を実行する。表示器185には表示品
位を向上するためのバックライト187が備えられてい
る。通常、冷陰極管等が適しておりその場合直流から交
流に交換駆動するためのインバータ188が使用され
る。
【0110】(3.3)ヘッド制御系 本例では、印字データをビットマップ展開する印字バッ
ファ(ビットマップRAM)158には廉価なDRAM
(dynamic random access me
mory)を使用する。ビットマップRAMを管理する
ために必要となる機能は (a)CPUからの書込み動作 (b)CPUへの読出し動作 (c)ヘッドへの印字データ読出し動作 (d)DRAMのリフレッシュ動作 などがある。このうち、印字中に次のページのデータを
作成する必要があるため、(a)と(c)と(d)また
は(b)と(c)と(d)は同時にビットマップRAM
にアクセス要求を行う可能性がある。そこで、ビットマ
ップRAMへのアクセス権の裁定を行うバス裁定回路を
備え、印字中でもCPUはタイミングを無視してビット
マップRAMにアクセスできるようにする。1ページ毎
の書換えは、ビットマップRAMを各色毎に2ページ分
持たせ、CPUがビットマップデータを作成するページ
とヘッドに印字データを転送するページとを分離する構
成にすることで可能になる。
【0111】ヘッドにデータを転送する機能は (a)印字データのヘッドへの転送 (b)印字濃度の調整用パルス転送 (c)前後左右の印字位置合せ情報転送 などがある。この機能はCPUとは独立して動作できる
ため、CPUの負荷は印字速度により増大することはな
い。
【0112】図32は本例のラベルプリンタの印字機構
の概念図である。
【0113】ここで、黒色印字用のブラックヘッド,シ
アン色印字用のシアンヘッド,マゼンタ色印字用のマゼ
ンタヘッド,イエロー色印字用のイエローヘッドには様
々な方法が採られる。例えば、 (a)ノズル内のヒータに熱を加えて気泡を発生させ、
気泡の発生圧力によりインクを飛ばす、インクジェット
方式 (b)円筒形の圧電素子に、インクを充填させ、圧電素
子の収縮によってインクを飛ばす、インクジェット方式 (c)熱溶解するフィルムを記録紙とヒータの間に置
き、ヒータに熱を加えて記録紙にフィルムの色を転写さ
せる熱転写方式 (d)熱反応する記録紙を用い、ヒータに熱を加えて記
録紙の色を変色させるサーマル方式 などが考えられるが、制御方法は基本的には同じであ
る。すなわち、ヒータや圧電素子等のヘッド部に電気的
なパルスを印加し、このパルスの時間や電圧を制御する
方法である。本例では特に(a)の方式について説明す
るが、他の方式でも同様な効果が期待できる。
【0114】印字は、これらのヘッドの下部を用紙が紙
送りモータにより送られ、このクロックすなわちFEE
DCK信号に同期して1ライン毎に印字がなされる。
【0115】図33はヘッド部の等価回路の例である。
印字ヘッドのヒータHTRは電気的には抵抗体と考えら
れるので抵抗で示している。また、64個のヒータ6を
制御するICを21個設置し、ヒータ6の総数は134
4個とする。
【0116】印字データはSICK信号に同期してSI
信号で転送される。データはシフトレジスタによりD1
からD1344までシフトされる。転送が終了するとL
AT信号が入力され、シフトされたデータが一時的に保
持される。印字は、STRB1信号とSTRBCK信号
がIC単位のシフトレジスタ構成になっているため、6
4個のヒータ6単位で制御することになる。1344個
のヒータ6を同時に制御しないのは、ヒータ6に通電す
る電流が大きく、時分割駆動させた方が電力効率が良く
なるためである。
【0117】図34はヘッドへ供給する各印字制御信号
のタイミングを示す。なお、ここではブラック用ヘッド
を例示してあるが、他ヘッドでも同様である。図におい
て、 KENB2* :印字動作を可能とするヘッド制御
回路の内部信号。
【0118】HSINC* :印字ライン毎に発生
するヘッド制御回路の内部信号。
【0119】K−LAT* :1ライン分の印字デ
ータをヘッド内にあるシフトレジスタから同じくヘッド
内部のドライバ部のラッチ部に一斉にラッチさせるため
の信号。
【0120】K−STRB1 :ヒータのヒート開始
信号。
【0121】K−STRB2 :1ラインの全ブロッ
クのヒートが終了したことを知らせる確認信号であり、
ヘッド内部のヒートブロックを決定するシフトレジスタ
の最終段の出力。
【0122】K−STRBCK :ヒータのヒート周期
を決定するためにK−STRB1の“High”レベル
を1ブロックずつ歩進させることによって、1ブロック
毎にヒート動作を行わせるための信号。
【0123】K−BE0 :ヒート周期内でヒー
トする時間を決定している信号。この例ではプレヒート
部分とメインヒート部分とに分割されたヒートパルスが
与えられる。
【0124】IC21 on bit〜IC1 on
bit:第21ブロック〜第1部ブロックのヒートされ
るヒータの印字パルス。
【0125】IC21 off bit〜IC1 of
f bit:第21ブロック〜第1部ブロックのヒート
されないヒータの状態を示す。
【0126】図35はヘッドの制御回路157の内部構
成例を示すブロック図であり、本例の場合、印字バッフ
ァ158にはDRAMが使用されている。
【0127】CPU153が印字バッファ158にアク
セスする場合、デコード回路251からアクセス信号C
RAM1* をアクティブする。また、印字バッファ15
8のリフレッシュ動作はリフレッシュ要求回路252の
アクセス信号RRAM1* をアクティブ状態にして行
う。さらに、ヘッドにデータを転送する時にはヘッドデ
ータ要求回路260のアクセス信号HRAM1* をアク
ティブにする。これら3本の信号はバス裁定回路270
に入力される。
【0128】バス裁定回路270はこれら3程のアクセ
スに対し、予め決められた優先順位に従って、印字バッ
ファ158にアクセスすることができる。各々のアクセ
ス方法はDRAM制御回路280によって制御される。
【0129】バス裁定回路270はバス切替え回路25
3を制御し、CPUアドレスバスA1〜A18とヘッド
データ用のアドレススイッチ回路254から出力される
アドレスバスHA1〜H18とを切替え、印字バッファ
158用のアドレスバスDRA0〜DRA17を出力す
る。バス裁定回路270は、同様に、バス切替え回路2
53を制御してCPUデータバスD0〜D15と各色デ
ータ転送回路291〜294に転送されるデータバスH
D0〜HD15とを切替え、印字バッファ158用のデ
ータバスDRD0〜DRD156に接続する。
【0130】チップセレクト信号も同様にCCS0〜C
CS15とを切替え、RAS0* 〜RAS15* を出力
する。印字動作中はヘッドデータ要求回路260が印字
バッファ158に対するアクセス権を要求し、バス裁定
回路270でそのタイミングを許可し、バス切替え回路
270から各色のアドレスが印字バッファ158に出力
され印字データがデータバスHD0〜HD15に出力さ
れ、各色データ転送回路291〜294からヘッドに転
送される。これら一連の動作により印字データと印字内
容の一致が可能となる。
【0131】以上の動作はタイミング生成回路290で
動作タイミングが決められる。タイミング生成回路29
0は紙送りモータに送られるFEEDCK信号に同期し
て送られる。ここで、紙送りモータはステッピングモー
タ等のパルス制御によって正確に送り量が決められる
が、このパルス信号、すなわちFEEDCK信号はタイ
ミング生成回路290にも転送され、このFEEDCK
信号を基準に内部回路の同期を取る。用紙が送られる
と、印字位置を決めるためのトリガ信号、例えば、TO
F(Top of Form)が検出され、このトリガ
信号はCPU153からヘッド制御回路157に転送さ
れる。タイミング生成回路290はトリガ信号からBk
−ヘッド301Bkまでの距離は、紙送りモータへのF
EEDCK信号をカウントして印字タイミングを正確に
決められる。そして、Bk−ヘッド301Bkが印字す
るタイミングになったならばタイミング生成回路290
はビットマップRAM158の印字データをBkヘッド
301Bkに転送する。これより、黒色の印字がなされ
る。紙送りモータ7はさらに回転し、用紙を送る。タイ
ミング生成回路290はBkヘッド301BkからCヘ
ッド3101Cまでの距離を紙送りモータのFEEDC
K信号をカウントして印字タイミングを決める。以下同
様な手順でMヘッド301M,Yヘッド301Yの印字
タイミングが決められ、印字がなされる。
【0132】以上が基本的な印字動作シーケンスである
が、これを実現すると、ビットマップRAM158はC
PU153からの書き込み動作、読込み動作、各色ヘッ
ドへのデータ転送のための読込み動作が同時に発生する
タイミングが生じる。さらに、ビットマップRAMには
廉価なDRAMを使用したため、リフレッシュ動作が必
要になり、この動作も同時に発生するタイミングが生じ
る。このため、これらを裁定する回路270を要するの
である。
【0133】このように印字中の各色ヘッドへのデータ
転送はヘッド制御回路157内部でハードウェアにより
制御されるため、CPU153は基本的には印字動作中
に印字バッファ158へアクセスする必要がなくなり負
荷は大幅に低減するので、高速の印字が可能となる。ま
た、1ページ毎に印字データが異なる場合には印字バッ
ファ158を2ページ分以上持たせ、一方のページバッ
ファのデータを印字中に他方のページバッファにCPU
153がビットマップ展開し、ヘッドに転送するとき印
字バッファ158のアドレスを切換えることによって連
続した印字が可能になる。
【0134】また、CPU153は1ページ分の印字デ
ータのビットマップRAMへの展開に要する処理時間を
計測し、展開処理時間が1ページ分の印字に要する印字
処理時間を越えないように予め印字速度を設定すれば、
効率的な展開と印字が行える。つまり、バーコード等の
メインデータの量に応じて印字スピードを変更すること
により効率的な展開,印字が可能となる。
【0135】印字スピードの設定は、細かく段階的に設
定されても良いし、50,100,200(mm/se
c)(1秒間に印字されるラベルの長さ)のように大き
く分けて設定されても良い。また、スピードの設定はユ
ーザがスイッチにより選択できるよう構成されても良
い。
【0136】なお、本例では、ビットマップRAMにD
RAMを使用した場合を説明したが、リフレッシュ動作
が不要なSRAMを使用した場合でも、リフレッシュ要
求回路252を除去すれば、同様の効果が得られる。ま
た、ヘッドは4色の場合を示したが、さらに多くのヘッ
ドを制御する場合でも同様の構成で対応できる。
【0137】いずれにしても、ラインヘッドを用いた高
速プリンタにおいて、CPUの負荷を低減し、カラー印
字等で印字データが大量にある場合や、1ページ毎に異
なったデータを印字した場合でも、高速印字が可能にな
る。
【0138】(3.4)制御手順 図36は本例装置の電源投入後の初期処理手順の一例を
示すフローチャートである。電源投入後、ステップS0
01でRAM156の初期化および初期設定、印字バッ
ファ158の初期化等が行われ、S002でI/Oポー
ト159,ヘッド制御回路(以下GAとする)157の
初期設定が行われる。
【0139】次いで、ステップS003で印字ヘッドブ
ロック68をヘッド移動モータ79を駆動しホームポジ
ションが検知した後、図23に示した退避位置(C)に
位置付ける。ここで、ホームポジションが検知不可能等
の異常が発生した場合には異常終了をする。
【0140】同様に、ステップS004で回復ユニット
78を回復ユニット移動モータ81を駆動してホームポ
ジションを検知した後、図23に示したキャッピング位
置(A)に位置付ける。ここで、ホームポジションが検
知不可能等の異常が発生した場合には異常終了をする。
【0141】さらに、ステップS005で印字ヘッドブ
ロック68をヘッド移動モータ79を駆動し図23に示
したキャッピング位置(A)に位置付ける。
【0142】その後、ステップS006で図39につい
て後述する回復処理を行い、待機状態となる。ここで、
回復処理に異常が発生した場合には異常終了をする。
【0143】図37は本例装置の印字処理手順の一例を
示すフローチャートである。
【0144】ホストコンピュータ151等から印字情報
が送給され、またはメモリカード155に記憶された内
容につき印字指令が入力されてその内容が送信されて、
その情報がRAM156に格納されると、メインCPU
153はその情報に基づきROM155内のキャラクタ
コードやバーコードデータ等を用いて印字バッファ15
8にビットマップ展開する等の所要の処理を行う(スイ
ッチS100)。
【0145】次に、またはこれと並行して、ステップS
101で図40につき後述する予備吐出処理を行う。こ
こで、予備吐出処理に異常が発生した場合には異常終了
をする。また、ステップS102で予備吐出動作の時間
間隔を規定する予備吐出タイマを開始する。
【0146】次いで、ステップS103で印字ヘッドブ
ロック68および回復ユニット78の位置状態を調べ、
図23(D)に示した印字位置にいない場合には、ステ
ップS104で回復ユニット移動モータ81およびヘッ
ド移動モータ79を駆動し印字位置に位置付ける。
【0147】その後、ステップS105で駆動回路15
9およびヘッド制御回路157にFeed Clock
信号の供給を開始する。ここで、Feed Clock
信号は予め指定される搬送速度を規定する加速、低速お
よび減速の各速度テーブル(例えばROMの所定エリア
に設けられる)に従い可変とすることができる。
【0148】Feed Clock信号が供給されると
用紙ロール51の搬送が開始される。それに伴いステッ
プS106でTOFマーク103の検出を行い、検知さ
れた場合にはステップS107でヘッド制御回路157
に印字トリガ信号を与える。これに応じてヘッド制御回
路157は印字バッファ158内のデータについて印字
動作を行う。これに際してはCPU153の処理は基本
的に要さないが、必要に応じてCPU153が介在する
こともある(後述)。
【0149】印字動作中にステップS108で図38に
記述される印字中予備吐出処理を行う。ここで、印字中
予備吐出処理に異常が発生した場合には異常終了をす
る。
【0150】ステップS109で印字動作が継続するか
を調べ、継続すればステップS106に戻る。継続しな
い場合にはステップS110でFeed Clock信
号を停止する。
【0151】最後にステップS111で、回復ユニット
移動モータ81およびヘッド移動モータ79を駆動して
印字ヘッドブロック68および回復ユニット78を図2
3に示されるキャッピング位置(A)に位置付ける。
【0152】図38は本例装置の印字中予備吐出処理手
順の一例を示すフローチャートであり、本手順はタイ
マ,コマンド,キーもしくはスイッチ操作によって起動
することができる。
【0153】初めに、ステップS121で予備吐出の時
間間隔を規定する予備吐出タイマが所定の時間間隔で経
過したことを示した場合にはステップS122に進み、
前記以外の場合には正常終了する。
【0154】ステップS122ではFeed Cloc
k信号を停止する。
【0155】次いで、ステップS123で図40につき
後述する予備吐出処理を行う。ここで、予備吐出処理に
異常が発生した場合には異常終了をする。
【0156】その後、ステップS124で予備吐出の時
間間隔を規定する予備吐出タイマを再開する。
【0157】最後に、ステップS125で駆動回路15
9およびヘッド制御回路157にFeed Clock
信号の供給を再開する。
【0158】図39は本例装置の回復処理手順の一例を
示すフローチャートである。
【0159】初めに、ステップS201で印字ヘッドブ
ロック68および回復ユニット78の位置状態を調べ、
図23に示したキャッピング位置(A)にいない場合に
は、ステップS202で回復ユニット移動モータ81お
よびヘッド移動モータ79を駆動しキャッピング位置に
位置付ける。
【0160】次いで、ステップS203でカートリッジ
有無センサ311によりカートリッジの有無を調べ、検
知されないカートリッジがある場合には異常終了する。
カートリッジは各色毎に調べられるのは勿論である。
【0161】その後、ステップS204でオーバーフロ
ーセンサ305によりオーバーフローが検知された場合
には異常終了する。
【0162】さらに、ステップS205でインク供給を
行う。インクポンプ308を供給方向に予め決定される
回転数を回転させる毎にインクレベルセンサ306およ
びオーバーフローセンサ305を調べ、予め決定される
総回転数内にオーバーフローセンサ305が非検知状態
でインクレベルセンサ306が検知状態となる場合には
ステップS206に進み、前記以外の場合には異常終了
する。このインク供給は各色毎に行うのは勿論である。
【0163】そして、ステップS206で回復動作を行
う。回復系モータ357を起動し、インクポンプ308
を回復方向に予め回復動作の時間間隔等により決定され
る回転数を回転させた後、回復系モータ357を停止す
る。当然のことながらこの回復動作は各色毎に行う。
【0164】最後にステップS207で図40に記述さ
れる予備吐出処理を行う。ここで、予備吐出処理に異常
が発生した場合には異常終了をする。
【0165】図40は本例装置の予備吐出処理手順の一
例を示すフローチャートである。
【0166】ステップS210からS215までは図3
9のステップS200からS205までと同様の処理を
行う。
【0167】次いで、ステップS216で予備吐出動作
の時間間隔等により決定される予備吐出回復用の吐出パ
ターンデータをヘッド制御回路157に与える。そし
て、ステップS217で予備吐出動作の指示をヘッド制
御回路157に与える。
【0168】最後に、S218で図41に記述されるワ
イピング処理を行う。
【0169】図41は本発明のワイピング処理のフロー
チャートである。
【0170】初めに、ステップS221で回復ユニット
78の位置状態を調べ、図23に図示されるキャッピン
グ位置(A)にいない場合には、ステップS222で印
字ヘッドブロック68をヘッド移動モータ79を駆動し
図23(C)に図示される退避位置に位置付ける。次い
で、ステップS223で回復ユニット78を回復ユニッ
ト移動モータ81を駆動し図23(A)に図示されるキ
ャッピング位置に位置付ける。
【0171】その後、ステップS224で印字ヘッドブ
ロック68をヘッド移動モータ79を駆動し図23
(B)に図示されるワイピング位置に位置付ける。次い
で、ステップS225で回復ユニット移動モータ81を
駆動し図23(B)に図示されるワイピング位置に位置
付ける。
【0172】最後に、ステップS227で回復ユニット
78を回復ユニット移動モータ81で駆動し図23
(A)に図示されるキャッピング位置に位置付ける。次
いで、ステップS228で印字ヘッドブロック68をヘ
ッド移動モータ79を駆動し図23(A)に図示される
キャッピング位置に位置付ける。
【0173】(4)データ内容に基づく展開制御 用紙(ラベル100)上に、相対位置を指定して複数の
印字データを展開する場合には、文字情報等のように冗
長性を有する印字データにより他の印字データの位置ず
れが発生し、また絶対位置指定して複数の印字データを
展開する場合には、印字データ領域相互が重複指定され
るなど、ラベルの設計と印字データを作成する上で不便
が生じる。
【0174】そこで、本例装置では、受信コマンドをデ
ータの拡大,縮小(変倍)が許されない旨を示す排他的
コマンドと、ある程度の変倍が許される被排他コマンド
とに分類し、被排他コマンドの個々の展開領域値を記憶
し、排他的コマンドに対する展開実行時に、記憶されて
いる展開領域値を変更し、被排他コマンドに対する展開
実行時に記憶されている展開領域値に従って展開するよ
うになし、バーコードデータの印字のように倍率あるい
は高さ等にある程度の任意性を持つデータに対しては、
他の印字データとの競合状態に対応してバーコードデー
タ等の倍率あるいは高さを変更するようにする。
【0175】図42はRAM156の所定領域に設けら
れる各エリアを示し、同図(A)は受信バッファ(図3
0のデータ送受信部152に設けることができる)内の
被排他コマンドを記憶する排他コマンドテーブル、
(C)は被排他コマンドに対する印字バッファ158内
の展開領域情報を記憶する展開領域テーブルである。
【0176】図43は本実施例による展開制御手順の一
例を示すフローチャートであり、図37のステップS1
00の一部をなす手順として位置付けることができる。
【0177】ステップS301においては、受信バッフ
ァ、被排他コマンドテーブル、排他コマンド・テーブ
ル、展開領域テーブル、および印字バッファ158の初
期化が行われる。
【0178】次いでステップS302で1ページ分の印
字コマンド/データを入力し、受信バッファに記憶す
る。
【0179】その後ステップS303で受信バッファに
記憶される印字コマンドが排他コマンドであるか、ある
いは被排他コマンドであるかを分類する。被排他コマン
ドであれば、ステップS304で被排他コマンドを被排
他コマンドテーブルに登録し、ステップS305で被排
他コマンドに対応するデータが印字バッファ158に占
める展開領域の矩形情報を展開領域テーブルに登録し、
処理はステップS303に戻る。排他コマンドであれ
ば、ステップS306で排他コマンドを排他コマンドテ
ーブルに登録し、処理はステップS303に戻る。分類
が終了した場合には、処理はステップS307に移る。
【0180】ステップS307で排他コマンドテーブル
に登録される排他コマンドを個々に呼び出し、ステップ
S308で対応するデータを印字バッファ158に展開
し、ステップS309で展開領域が展開領域テーブルに
登録される被排他コマンドの展開領域に縦方向にオーバ
ーラップするかを調べ、オーバーラップしない場合に
は、処理はステップS307に戻る。オーバーラップす
る場合には、ステップS310で展開領域テーブルに記
憶される矩形情報の上下限をオーバーラップが発生しな
いように変更し、処理はステップS307に戻る。全て
の排他コマンドの展開が終了した場合には、処理はステ
ップPS311に移る。
【0181】ステップS311で被排他コマンドテーブ
ル7に登録される被排他コマンドを個々に呼び出し、ス
テップS312で対応するデータを印字バッファ158
に展開領域テーブルに記憶される矩形情報に従って展開
し、処理はステップS311に戻る。
【0182】全ての被排他コマンドの展開が終了した場
合には、印字バッファ158に展開されるデータをプリ
ントする。そして、この実施例による効果を図45
(A)に例示する。
【0183】図44は本例展開制御手順の他の例を示す
フローチャートである。
【0184】図44において、ステップS321からS
328までは図43のステップS301からS308ま
でに等しいので説明は省略する。
【0185】図44においては、ステップS329で展
開領域が展開領域テーブルに登録される被排他コマンド
の展開領域にオーバーラップするかを調べ、オーバーラ
ップしない場合には、処理はステップS327に戻る。
オーバーラップする場合には、ステップS330で展開
領域テーブルに記憶される矩形情報の上下左右限をオー
バーラップが発生しないように変更し、処理はステップ
S327に戻る。全ての排他コマンドの展開が終了した
場合には、処理はステップS331に移る。
【0186】ステップS331で被排他コマンドテーブ
ルに登録される被排他コマンドを個々に呼び出し、ステ
ップS332で対応するデータを印字バッファ158に
被排他コマンドにより指示される展開領域と展開領域テ
ーブルに記憶される矩形情報との上下方向および左右方
向の比に従い圧縮展開し、処理はステップS331に戻
る。
【0187】全ての被排他コマンドの展開が終了した場
合には、印字バッファ158に展開されるデータを図示
されていないが印字用ヘッドに送り印刷媒体に記憶され
ることは上記実施例と同じである。なお、この実施例に
よる効果を図45の(B)に例示した。
【0188】以上の2つの例に対して、ともに、被排他
コマンドテーブルおよび排他コマンドテーブルを設定せ
ずに、受信バッファを2度読むように構成してもよい。
また、図43のステップS310および図44のステッ
プS330において、展開領域テーブルに記憶される矩
形情報の上下限値、左右限値の変更に制限を設けてもよ
い。
【0189】また、文字等の情報を変倍するようにして
もよいが、読みづらさが生じる場合には比較的任意性に
富むバーコードを変更するのがよい。
【0190】(5)特殊データの付加 (5.1)プリンタ特定用データの付加 複数台のラベルプリンタを用いる場合にあっては、プリ
ントされたラベルがどのプリンタによって発行されたも
のかを知ることが望まれる場合がある。すなわち、ラベ
ルに印字不良等何らかの不具合が生じていたとき、それ
がどのプリンタによって発行されたかが一目瞭然であれ
ば、プリントを特定してメンテナンスを行う等迅速な対
処が可能となるからである。
【0191】そこで、本例では、入力されたデータを印
字バッファ158内に格納する際に、常に各プリンタに
対応した特定の情報を同時に格納し、その特定の情報を
目立たない色(ドロップアウトカラー)で印字すること
により、印字後のラベルが、どの印字装置で印字された
ものか判別することができるようにする。また、ドロッ
プアウトカラーで印字することにより、品位の低下を避
けるようにする。
【0192】このためには、例えば、装置の登録番号の
フォーマットを図30のROM155に記憶させておく
ようにしてもよいし、EEPROMを別途設けたり、電
池によってバックアップしたRAMを設け、そこに記憶
しておき、データ展開時にこれらを同時に展開するよう
にすることができる。
【0193】図46は装置の登録番号のフォーマット例
であり、ラベル100上に装置の登録番号SD(ここで
は“7−24−JD018”)をあるパターンで設定し
ている。かかるパターンによる装置登録番号は常に黄色
で印字し、その他のデータはユーザの設定通りの色で印
字するようにイエロー用のバッファに設定すればよい。
これにより複数のラベルプリンタにより発行したラベル
に不吐出等の障害が検知された場合に、どの装置に障害
が発生したかを一目瞭然に判別できる。
【0194】なお、ここでは登録番号を黄色で重ね印字
する方法を採ったが、単に黄色で印字したドットの個数
で行っても同様の目的は達せられる。この場合、例えば
印字するラベルの一定の個所(右下隅等)に1台目のラ
ベルプリンタは黄色ドット1個、2台目のラベルプリン
タは黄色ドット2個というように、その場所の黄色ドッ
トの個数をみて、プリンタの判別を行うようにすること
もできる。
【0195】また、そのように特別なデータ自体を付加
する他、不都合のない範囲でラベル上に印字すべきデー
タの色を一部変更するようにしてもよい。
【0196】いずれにしても、プリンタの生産性等の理
由により、同一種のラベルを複数台で印字している場
合、スキャナで読めないというトラブルが発生したと
き、そのラベルを印字したプリンタを特定できるため、
修復等の処置がスムーズに行える。また、複数の業者か
ら同一種のラベルを納入、もしくはラベルを貼付した商
品を納入させている場合、障害のあるラベルがあった場
合、どこから納入されたものかの判定も容易となる。
【0197】 (5.2)ラベル群特定のためのデータ変更 ラベルプリンタではプリントしたラベルを別ロールに巻
き取り、必要な時剥して使用する場合もある。
【0198】本例プリンタでは、剥離紙101上に貼付
されているラベル100に連続してデータをプリント可
能であるが、途中で印字データが変更される場合もあ
る。そこで、ラベルを剥して所要目的に達するにあたり
当該変更を簡単に見分けられるようにすることが望まれ
る。このためには、データが変更されるラベル間または
ラベル群間にある1枚のラベルに、先にプリントしたデ
ータ内容または後にプリントするデータ内容に関する情
報をプリントすることも考えられるが、当該ラベル自体
は本来的な用途に供され得ず、その分無駄が生じること
になる。
【0199】そこで、本例では、印字すべきデータ(以
降正規印字データを呼ぶ)のうち、一部もしくは全部の
印字色データを変更し識別印字データを作成し、その識
別印字データに基づく識別ラベル印字を正規印字データ
に基づく印字動作の前もしくは後に行うようにすること
により、簡単な操作により異なる内容の正規印字ラベル
間に色情報のみを変更した識別ラベルを出力できるよう
にしたものである。さらにこの識別ラベルは、正規印字
によるラベル(以降正ラベルと呼ぶ)と比較して、色情
報のみを変更したものであるため、正ラベルと同様の使
用が可能であるという効果を持つものである。
【0200】図47は、本例装置で印字可能な内容の一
例である。これは食品類に対して製造者が現物に添付す
るラベルの代表的なものをモデル化したものである。
【0201】枠520,罫線521および各項目のタイ
トル522〜528、および商品情報がコード化された
バーコード529は例えば黒にて印字を行い、その他の
印字情報530〜539については赤にて印字を行うも
のとすることができる。
【0202】印字制御について概説すると、RAM15
6に取込まれた印字データは、実際の描画データとして
印字バッファ158に展開される。印字バッファ155
は各色用のデータを格納するメモリ部より構成されてい
るので、ヘッド制御回路157,駆動回路64をCPU
153がコントロールして、印字データに添った印字を
行うことにより、図47に示すようなラベルを所定枚数
出力するものである。
【0203】さて、本例では上述したラベルの印字前、
あるいは印字後に連続して識別用ラベルを出力する。こ
こでは、識別印字ラベルを正規印字ラベル印字の前に出
力する例で説明をする。また説明をわかり易くするため
に、識別ラベルの内容は、正規印字内容と全く同一の内
容を黒単色で出力するものとしているが、ある特定の部
分、例えば枠のみ等を特定の色で出力して識別印字ラベ
ルとすることも可能であり、本例に係る技術範囲に含ま
れることは勿論である。
【0204】図48はかかる制御を行う処理手順の一例
を示すフローチャートである。
【0205】まず印字データの入力が完了した時点で
(図37のステップS100)、当該データを印字すべ
き枚数A枚がカウンタにセットされる。このカウンタは
ハードウェアによるものでもよいし、RAM156の所
定領域に設けたものでよい。次に識別ラベルを出力する
かしないかをステップS401で決定する。使用形態に
よっては識別ラベルが不要な場合があるのでこのステッ
プは必要である。なお本実施例では識別ラベルはA枚の
印字ラベルの最初に出力されるものとする。識別ラベル
を出力する場合はRAM156の所定エリアに設けたフ
ラグSFに“1”をセットし、さらにカウンタのセット
内容である総印字枚数“m”を“m+1”に置換える
(ステップS403)。識別ラベルを出力しない場合は
SF=0がセットされる(S405)。印字スタートが
なされると、所定の印字フラグnに“0”をセットし、
同時に本例で用いる色に対応した印字バッファ158内
のメモリ(本例ではブラック用およびレッド用を用いて
おり、以下それぞれフレームメモリ505a,505b
として参照する)がリフレッシュされる。
【0206】次のステップS409ではSFフラグが立
っているかを判定し、SF=1の場合は印字データにセ
ットされた印字色データとは無関係に全印字データが黒
用の印字バッファメモリに展開される(ステップS41
1)。またSF=0の場合はRAM156に格納された
データに基づいて黒の印字データは印字バッファ158
内の黒用のフレームメモリ505aに展開され、赤の印
字データは同じくフレームメモリ505bに展開される
(S413)。
【0207】次にフレームメモリ505a,505bに
展開されたデータに基づいて印字制御,駆動制御がなさ
れて(S415)、1枚目の印字ラベルを印字する。1
枚印字する毎に(S417)、nにn+1がセットされ
る(S419)。
【0208】この時点では、識別ラベル出力を行う指定
をした場合は全面が黒で印字された識別ラベルが出力さ
れ、また該指定をしていない場合は印字データ通りの印
字ラベルが得られている。
【0209】次に、ステップS421では印字枚数が完
了したかどうかをチェックしており、印字枚数が先にセ
ットした枚数に満たない場合はステップS423に進
む。満たしている場合は印字終了となる。
【0210】ステップS423では、識別ラベルの出力
の有無をチェックし、無しの場合は現在フレームメモリ
505a,505bに格納されたデータをそのまま使用
し、再度印字制御を行い印字を行う。識別ラベル出力無
し(SF=0)の場合はこのフローを繰り返し、印字枚
数nがmと等しくなった時点で印字動作を停止する。実
際には印字ラベルが機外に出力されるまで印字装置の所
定の駆動モータ等は駆動することになる。
【0211】ステップS423にて、識別ラベル出力を
設定していた場合は、ステップS425に進む。ここで
はまだ識別ラベルしか印字していないか、すでに正規の
印字データをフレームメモリに展開している、つまり正
規ラベルを1枚出しているかをチェックしている。
【0212】すなわち、すでに正規ラベルを出力してい
る場合は、すでに印字データをフレームメモリ上に展開
しているので、そのまま印字制御動作に入ることにより
展開の時間を除くステップである。
【0213】このように、識別ラベルを正規ラベルの前
に印字することによって異なった印字内容のラベルの区
切りを容易にするだけでなく、その識別ラベル内容は正
規印字内容のうち色情報のみを変えたものであるため実
際の使用にも耐え得るものであり、非常に有効なラベル
間識別が達成できる。
【0214】例えば、商品に貼付するラベルは、前もっ
て多数枚印字しておき、その商品への貼付は別に行うこ
とが多い。従って、例えば10種の商品があったとき、
10種類のラベルを50枚ずつ印字するといったような
使われ方がなされる。
【0215】かかる場合において、ラベルの内容は似た
ようなものが多いため、その異種のラベルの区切りを見
つけるのは容易ではない。従って、区切り部分に目立つ
ラベルがあれば、容易に区切りがわかるので、印字後の
ハンドリングが有利になる利点がある。
【0216】なお、本例では、検知精度の低下を考慮し
て、バーコードのみ色の変更を行わない。また、識別用
ラベルも実用可能な範囲で識別性を持たせ、ラベルの節
約を図っている。
【0217】なお、ある枚数単位,ラベルの種類毎に一
部の色を変えるのもよい。さらに、ラベルの識別のみな
らず、ロットの確認、貼り付けた商品の確認にも使用で
きる。
【0218】なお、ある枚数単位で複数種のラベルをプ
リントし、巻き取って使用する場合、後にプリントされ
たラベルから使用することになる。そのため巻き取って
使用する際、あるラベルの識別ラベルは、最後に印刷す
る方が好ましい。
【0219】(6)ラベル判定 剥離紙に連続的に貼り付けられたラベルを印字媒体とす
るプリンタは、印字フォーマットや印字すべき情報量等
によって、種々の形のラベルが選択されプリンタに装着
できるようにするのが好ましい。一方、装着されたラベ
ルの形が印字するフォーマットと対応していないと、ラ
ベル以外の部分に印字されてしまい、プラテンを汚す,
印字品質を落とす,プリンタの寿命を短くするなどの問
題が発生する。このため、プリンタ内部でラベルの形状
を判断できるようにすることが要望される。
【0220】そこで、図24〜図26で述べたように、
本例ではラベルの搬送路中に、剥離紙の全面を走査する
光センサを備えた。また、光センサで検出された電圧に
より、ラベルの形状を検出するラベル形状検出回路を備
える。さらに、ラベル形状検出回路のデータと印字デー
タが適合することを判定するラベル形状判定回路を備
え、ラベル形状判定回路により印字動作を制御する制御
回路を備える。
【0221】また、図24の例では、光センサをラベル
搬送路中の印字部とラベル排出部の間に配置した。そし
て、これに対応し、ラベルに印字された印字物であるこ
とを検出する印字検出回路と、印字データと一致するこ
とを判定する印字判定回路と、印字判定回路により印字
動作を制御する制御回路とを備えることができる。
【0222】ここで、光センサには、反射形の光センサ
や透過形の光センサ等がある。例えば反射形の光センサ
は、一方から光を出力し、光が検出面で反射し、反射し
た光の強度を検出し、電圧に変換して出力する。剥離紙
の反射率とラベルの反射率は異なるため、検出電圧が異
なる。この違いを検出してラベルの形状を判定できる。
【0223】透過形の光センサにおいては、一方から光
を出力し、検出面を透過させ、もう一方に設けられた光
センサに受光された光の強度によって判定する方法であ
る。剥離紙とラベルの透過率は異なるため、この違いを
検出してラベルの形状を判定できる。
【0224】次に、バーコード等の印字データの確認方
法であるが、印字データは所定の印字フォーマットがプ
リンタ内部に記録されているため、バーコート等が印字
した位置も記録されている。この位置のラベル検出器の
検出電圧を測定することにより、印字が正しく行われた
かどうかが判定できる。このとき検出電圧は印字した色
により異なるため、予め設定しておく必要があるが、プ
リンタの製造時に設定しておけば良い。
【0225】図49は図24に示した光センサの動作概
念図である。剥離紙101は光センサ405の下部を通
過する。この時の光センサ405の検出電圧はロール紙
51の反射率によって決められる。光センサ405がA
−A′の位置にある時のX方向の検出電圧特性について
説明する。剥離紙101の外側では光が反射しないため
検出電圧は0Vである。剥離紙101は黄色や青色のコ
ート紙で構成されており光は反射される。従って、検出
電圧は0VとはならずaVとなる。さらに、ラベル10
0は白色紙で構成されており、bVの検出電圧が得られ
る。また、B−B′の位置を光センサ405が通過した
時のY方向特性を検出すれば剥離紙101とラベル10
0とで同様な検出電圧の違いが得られる。X方向とY方
向の検出電圧を組み合わせればラベル100の形状が検
出できることになる。
【0226】次に、印字フォーマットとの適合をチェッ
クするための回路構成ないしその動作について説明す
る。
【0227】図50は当該回路の構成の一例を示し、図
30のセンサ回路167に関連して構成されたものとす
ることができる。
【0228】ロール紙51がプリンタに装着され、オペ
レーションパネルより印字開始が選択されると、CPU
153は、制御回路165を開始モータを回転させロー
ル紙51を送るが、このとき、光センサ405にラベル
の形状に対応した電圧が発生する。この電圧をラベル形
状検出回路466で処理する。ラベル形状検出回路46
6はスイッチ回路467とラベル記録回路469で構成
されている。ロール紙51が光センサ405の位置に来
たとき、スイッチ回路467は光センサ405のX方向
特性を測定するため、ライン状に設置された光センサ4
05の内の1つを選択し、ラベル形状記録回路469に
選択した光センサ405を接続する。ラベル形状記録回
路469は図49で示した電圧レベルaVとbVとの比
較を行い、bVのレベルであればラベル100が存在す
るものとして記憶する。記憶終了後、ラベル形状記憶回
路469はスイッチ回路467に次のデータを要求す
る。スイッチ回路467はライン状の光センサ405の
次の1つを選択し、同様な動作を行う。これを繰り返し
光センサ405の1ライン分のデータが検出し終わった
とき、CPU153は制御回路165を開始、モータを
回転させ、ロール紙51を一定長さだけ送る。前述した
検出方法を繰り返し、X方向とY方向の特性をラベル形
状記憶回路469に記憶させる。ロール紙51の送り量
は光センサ405の分解能と必要とされる精度で決定さ
れる。すなわち、複雑な形状のラベル100が装着され
る場合は送り量を少なくし、単純な場合は、送り量を大
きくする。ラベル100の終了は光センサ405の検出
電圧により判定できる。すなわち、電圧レベルbVの部
分が無くなった時が終了した位置になる。
【0229】1つのラベル100の検出が終了したと
き、CPU153はRAM156のデータとラベル形状
記憶回路469のデータとをラベル形状判定回路18で
照合させ、一致していれば印字の動作に移行する。一致
していなければエラーの内容をオペレーションパネルで
表示したり、データ送受信部152を介して、ホストコ
ンピュータ151やコントロールパネル154にエラー
を転送することができる。
【0230】以上の動作により、印字フォーマットとラ
ベル100の形状が適合しているかどうかをプリンタで
判断して、適合している場合にのみ印字させることがで
きるようになる。
【0231】次に、バーコード等の印字データの確認方
法について説明する。
【0232】図51はラベル100にバーコードBCが
印字された場合の光センサ405の動作概念図である。
C−C′部では印字文字にバーコードBCがあるため、
X方向のラベル100部分の検出電圧は一定にはならな
い。すなわちバーコードBCの黒色印字部は検出電圧が
cVとなる。この電圧を光センサ405で検出し、印字
が正しく行われたかどうかを確認すれば良い。
【0233】図52は印字判定を行うための回路構成例
を示す。ラベル100の形状判定は図50の場合と同様
である。ロール紙51が装着され、光センサ405でラ
ベル100が検出されたとき、印字検出回路470で光
センサ405の検出電圧が入力される。印字検出回路4
70は予め設定された印字基準電圧により印字が行われ
た部分であるかどうかを判定する。この印字基準電圧
は、図51で示した電圧cVに設定しておく。印字基準
電圧のcVは印字された色により決めておき、CPU1
53で設定することができる。検出された電圧がcVで
あれば印字されたものとし印字判定回路471に一時的
に記録される。印字判定回路471のデータはCPU1
53によりRAM156のデータと照合され、正しけれ
ば印字を継続し、誤っていればエラー表示を行ったり、
外部にエラーを転送するなどして、印字を中断すること
ができる。
【0234】以上の動作により、正確な印字が行われて
いるかどうかの確認がなされ、信頼性の高い印字を確保
できる。
【0235】なお、図50,図52の回路構成の一部
を、ソフトウェアにより代替させることもできる。
【0236】いずれにしても、多種のラベルを印字する
プリンタにおいて、ラベルの形状が変わった時、例えば
円形,楕円形,ひし形等のラベルがプリンタに装着され
た時でもプリンタ内部で判定し、印字フォーマットと適
合している場合にのみ印字するようにすることができ
る。
【0237】また、ラベルに印字された印字内容が、印
字すべき情報と一致しているかどうかの判定ができ、信
頼性の高いプリンタを提供できる。特にバーコードを印
字したいとき、何らかの原因で印字バーが印字されなか
ったり、印字濃度が低かった場合、それを判定でき、有
効である。
【0238】なお、ラベル形状に合せて、問題が生じな
ければ印字フォーマットを変更するように構成してもよ
い。
【0239】(7)データの複数ラベルにわたる印字 従来、ラベル紙のようなロール形状の連続紙に印字する
プリンタにあっては、印字処理は1ページ(ラベル)分
のデータの展開処理と展開後に開始される1ページ(ラ
ベル)分の印字処理で構成されていたのに対し、本例装
置では印字バッファへのデータ展開ないし印字を適切に
行うことにより、使用ラベル長を越えるデータを複数の
ラベルに印字して対応することが可能である。このため
には、ラベル間の台紙に印字することを防ぎ、ラベルを
組み合わせて貼付してもデータも正規性が保たれるよう
にすること、一群の複数ページにより形成される印字物
を連続紙に印字する時に、ジャム等の発生により取り直
しを行う場合、ページ指定法が煩雑とならないこと、ま
た、印字物の正当性を確保するためにページ単位の廃棄
あるいは取り直しを必要としないことが強く要望され
る。
【0240】そこで、本例では、剥離紙101上に貼付
されるラベル100の有無を検知し、1ページ分の印字
データを記憶し、記憶される印字データを行単位に印字
ヘッドに転送し、印刷指示に対してラベルの有無の検知
結果に応じて、ラベルの検知時には所定量単位の印字お
よび改行を行わせ、ラベルの非検知時には改行のみを行
わせるようにする。
【0241】あるいは、複数ページを一単位として印字
される印字物の印字時における異常中断の再開時に、一
単位の先頭ページより異常中断が発生したページの前ま
で、あるいは異常中断が発生したページのみまたは以外
を特定文字、シンボル、ライン、あるいは網かけ等を付
加印字するか、印字色を固定して印字再開するようにす
る。
【0242】なお、ラベルの有無の検知には、例えば図
25のような構成を採用できる。
【0243】図53は当該制御を行うための第1の実施
例のフローチャートである。
【0244】図53において、印刷指示されるとステッ
プS501において、RAMの所定領域、データ送受信
部の受信バッファ、印字バッファの初期化が行われ、ス
テップS502でラベル検知手段がラベルの先頭を検知
するまで改行を行い、印字位置の頭出しを行う。次い
で、ステップS503で外部より1ページ分の印字コマ
ンド/データを入力し、受信バッファに記憶する。
【0245】さらにステップS504で受信バッファに
記憶される印字コマンド/データにより1ページ分のイ
メージデータを印字バッファ158に展開するととも
に、ページ分のイメージデータを印字バッファ158に
展開するとともに、ページ長つまり印字ライン数をRA
M156の作業領域に記憶する。
【0246】その後ステップS505以降から実際の印
字動作を行うが、まずステップS505において実印字
ライン数が作業領域に記憶される印字ライン数に等しい
か、つまり印字バッファに展開されるイメージデータの
全印字が終了したのか調べ、終了済であれば1ページ分
の印字処理を終了する。
【0247】未終了であればステップS506において
ラベル検知手段がラベル検知状態であるかを調べ、非検
知状態であればステップS508に移り、改行を行の
や、ステップS505に戻る。
【0248】ステップS506において検知状態であれ
ばステップS507において印字バッファにより1ライ
ンデータを印字ヘッドに転送し印字を行い、その後非検
知状態の場合と同様にステップS508に移り、改行を
行わせ、ステップS505に戻る。
【0249】この実施例による効果が図57に例示され
る。使用ラベル長を越えるデータを複数のラベルに印字
して対応する場合に、本発明以前の技術では図57
(A)にあるように印字が終了後、ラベルを台紙より剥
がし他のものに貼付すると台紙部にも印字されるため印
字物の正規性が保全されない。一方、図57(B)にあ
るように、本例によれば、上記の場合においても印字物
の正規性が保全される。
【0250】図54は本例に係る制御の第2の実施例を
示すフローチャートである。
【0251】図54においては、外部より受信データを
受信バッファに記憶する過程は印字処理とは非同期に行
われるため説明は省略されている。また、ここでは1印
字単位のページ数は確定しているものとしている。
【0252】始めにステップS511で、RAMの作業
領域内の1印字単位の何ページにおいて異常中断が発生
したかを記憶するリカバー数を初期化(0ページ)す
る。次いでステップS512で、作業領域内の1印字単
位の何ページを現在印字中かを記憶するカレントページ
を初期化(1ページ)する。
【0253】その後ステップS513以降から実際の印
字動作を行うが、まずステップS513において、リカ
バー数の値を調べ、0以外の値が設定されている(リカ
バー)状態であれば、ステップS514で、受信バッフ
ァに記憶される受信データから印字データを印字バッフ
ァに展開し、さらにステップS515において、リカバ
ーページを示す網かけパターンを印字バッファにオーバ
ーレイ展開する。
【0254】その後ステップS516で、リカバー数を
減じる。
【0255】そして、ステップS517において印字バ
ッファに展開される印字データを印字ヘッドより印字す
る。
【0256】ステップS518で、カレントページを加
算し、1印字単位のページ数を越えていれば1印字単位
の印字を終了する。1印字単位のページ数を越えていな
ければ、ステップS513に戻り、次ページを印字す
る。
【0257】ステップS513における、リカバー数の
値が0(正常)状態であれば、ステップS519で、受
信バッファに記憶される受信データから印字データを印
字バッファに展開し、ステップS517に移り、印字動
作を行う。
【0258】ステップS517の印字動作中にジャム等
の異常中断が検知された場合には、ステップS520に
おいて再開操作を持ち、指示されると、ステップS52
1でカレントページを1減算してリカバー数に移動し、
ステップS512に復帰してリカバー処理を始める。
【0259】本例による効果が図58(A)および
(B)に例示される。図58(A)においては、4枚一
組の印字物の印字処理中に3枚目にジャム等の異常中断
が検知されたことを表わし、図58(B)においては、
再開操作が行われ4枚一組の印字物のジャム等の異常中
断が検知されたページ(3枚目)の前までのリカバーペ
ージに網かけパターンの付加印字(特定文字,シンボ
ル,ラインの付加でもよい)が行われたことを表わして
いる。
【0260】図55は本例制御の第3の実施例のフロー
チャートである。本手順は、図54のステップS51
4,S515がステップS534に置き換わっただけで
あり、他の動作は同様である。すなわち、ステップS5
34においては受信バッファに記憶される受信データか
ら印字データを印字バッファに予め固定される印字色に
対応して展開する。
【0261】図56は本例制御の第4の実施例のフロー
チャートの一部であり、図54のステップS513〜S
514、およびS519に対応する。ただし、ステップ
S521でカレントページをそのままリカバー数に移送
する。
【0262】ステップS551以降でリカバー処理中異
常中断が発生したページにのみ付加的データが展開され
る。印字色を固定することも同様に構成できる。
【0263】この手順による効果が図58(A)および
(C)に例示される。図58(A)においては、4枚一
組の印字物の印字処理中に3枚目にジャム等の異常中断
が検知されたことを表わし、図58(C)においては、
再開操作が行われ4枚一組の印字物のジャム等の異常中
断が検知されたページ(3枚目)のみに網かけパターン
が付加印字が行われたことを表わしている。
【0264】また、ステップS553をS554の後に
行うように構成すれば、再開操作が行われ4枚一組の印
字物のジャム等の異常中断が検知されたページ(3枚
目)以外に網かけパターンを付加することも、印字色を
固定することも可能となる。
【0265】(8)ラベルの姿勢に対応した印字制御 図59に示すように用紙(ラベル)が基準位置に対して
斜行して搬送されている場合は図60(A)に示すよう
にラベル100に対して印字が斜めに行われてしまう
し、基準位置から搬送方向と平行に移動した位置を用紙
が搬送されていれば図60(B)に示すようにラベル1
00に対して印字が片側に寄ってしまう。いずれにして
も商品に貼付けるようなラベルの場合は、その商品自身
のイメージを損なうおそれすらある。
【0266】これに対し、図27に示したように紙端部
位置検出センサ418,419が位置検出するようにな
し、これにより印字ヘッド部のラベル位置を演算し、各
ヘッドの使用するノズルの位置を選択し印字すれば、用
紙の斜行等による影響を受けずに常にラベルに対して一
定の位置に印字を行うことができる。
【0267】特に、本実施例では印字ヘッドの解像度に
比べ紙端部位置検出センサの解像度を同等もしくはそれ
以上にしているため印字ヘッドの解像度に対して最高で
も1/2ドットしかずれないので、複数のインクを重ね
合わせてカラーを出す場合等でも色のムラ等も最小にす
ることができる。
【0268】すなわち、図37で述べた印字処理に際し
て、搬送中の紙の端部位置検出を行い、その位置により
印字に使用するノズルを選択しながら印字するようにす
れば、用紙の蛇行、斜行の影響を受けずに常に安定した
位置に印字することができ、また色ムラ等も抑えること
ができ、品印の高い印字ができるようになる。
【0269】これをより具体的に説明する。ここでは、
ラベル紙の斜行の状態が図61のようであったとして、
枠のラインがC(シアン)とY(イエロー)を重ねてグ
リーンである場合について説明する。なお、センサ41
8,419と各ヘッドの間隔が全てL[mm]で斜行量
がx[mm]、搬送速度がv[mm/sec]であった
とする。
【0270】図60(A)のように画像がラベルに対し
て斜めにならないようにするためには、C(シアン)の
m番目のノズルで印字したポイントはY(イエロー)で
は斜行量の分だけずらした(m+a)番目のノズルで印
字しないとドットが重ならないためグリーンにはならな
い。
【0271】そこでセンサ418および419で用紙の
端部検出を行う。
【0272】センサ418,419間での斜行量はx/
5Lであるので、この値よりC(シアン)のm番目ノズ
ルを使用した場合Y(イエロー)は(x/5L)×2L
(C,Yの間隔)つまり(2/5)x分ずらしたノズル
(吐出口)を使用することになる。ヘッドのノズル間隔
をN[mm]とすれば[(2/5)x÷N]分ずらせば
良い。ただし、ノズルは1個単位でしか操作できないの
で[(2/5)÷N]の値を四捨五入した値をa[整
数]として(m+a)番目のノズルを使用する(四捨五
入することにより1/2ドット以上のずれを最小に抑え
ることができる)。
【0273】また、C(シアン)ヘッドにおいてm番目
〜n番目ノズルを同時にヒートして印字してしまうと用
紙に対して傾いた線になってしまうので、(n−m)×
N(:ラインの長さ)×(X/5L)(:ラインの傾
き)÷v(:速度)[sec]分、m番目ノズルをヒー
トしから、n番目ノズルをヒートするタイミングを遅ら
せてヒートさせなければならない。Y(イエロー)も同
様に2L÷v[sec]後に(m+a)番目のノズルを
ヒートしてから(n+a)番目のノズルをヒートするタ
イミングを同様に遅らせてC(シアン)の上にY(イエ
ロー)を重ね印字することになる。もちろん、m番目〜
n番目の間のノズルは上式に従い順次ヒートする。
【0274】より具体的に言えば、本実施例ではヘッド
解像度を360dpi、速度v=200[mm/se
c]、ヘッド間隔L=25.4[mm]で配置している
ので、x=1mmでm=20番ノズル、n=1400番
ノズルのとき
【0275】
【数3】 (x/5L)×2L=[1/(5 ×25.4)]×2 ×25.4=2/5[mm] (2/5) ÷N =(2/5) ÷(25.4/360)=5.669 ∴ a=6 となり、つまりC(シアン)を20番目ノズルで印字し
たら、Y(イエロー)は26番目ノズルで印字すること
になる。
【0276】また、
【0277】
【数4】 (n−m)×N ×(x/5L)÷v =(1400 −20) ×(25.4/360)×[1/(5 ×25.4)]÷200 =3.83[msec] つまり、C(シアン)の20番目ノズルをヒートしてか
ら、3.83[msec]後に1400番目のノズルを
ヒートさせる傾きをもち、順次ノズルのヒートタイミン
グを遅らせて印字することになる。
【0278】このような制御は、センサ系418,41
9の配置,構成に合せ、印字バッファ158への適切な
ビットマップ展開によって行ってもよいし、使用するノ
ズルをシフトする手段をヘッド制御回路157に付加し
てもよい。
【0279】(9)シフト印字 発熱素子を利用した印字方法としては、感熱記録紙に熱
を与え、熱発色させるサーマル記録方式,熱によって用
紙にインクを転写させる熱転写記録方式,発熱体によっ
て瞬時に液体インクを気化し、その泡の圧力によってイ
ンク滴を飛ばし用紙に記録する本例の如きインクジェッ
ト記録方式等多種の方式があり、印字記録方式として多
分野の印字装置に応用されている。
【0280】上記のような発熱素子を応用した印字ヘッ
ドの耐久性は、発熱体として使われる抵抗の断線,各発
熱体への通電をコントロールするトランジスタ等のスイ
ッチング素子の故障等により支配される。さらに、特に
サーマル記録,熱転写記録などの接触タイプの印字ヘッ
ドの場合は、用紙あるいはインクリボンとの接触摩擦に
よるヘッドの損傷、インクジェット記録の場合は発熱回
路近傍のインク流路でのインク詰まり,ゴミ詰まり等の
要因によっても支配される。
【0281】これらの要因などにより印字ヘッドの一部
の発熱素子言い換えれば印字セグメントが破損した場
合、印字すべき情報が一部欠けたり、印字された情報が
誤って認識される原因となりうるため、印字ヘッドの交
換が必要になる。しかしながら、印字ヘッドは高価な素
子であると同時に、その交換の手間および交換に要する
印字動作不可能なロスタイムが発生し、結果的に印字コ
ストの上昇を招くものとなっていた。
【0282】上記欠点をカバーするために、特開昭61
−104872号にあるように、印字しない程度の電流
を印字ヘッドの発熱回路に流し、断線部分を検知し、そ
の断線部分に当たる印字位置に印字すべきデータがある
かどうかを判定し、無ければそのまま印字し、あればそ
の近傍で印字データがない場所を探してその場所があれ
ばそこに印字するというような提案もなされていた。ま
たは、「このサーマルヘッドの耐久性は約50kmで
す」というような表示をしておくことにより交換の目安
を示すやり方もとられることがあった。
【0283】しかしながら、罫線,枠などが印字内容に
含まれていて、多数枚の印字を行ったとき、印字ヘッド
の内の特定の発熱回路の通電回数が多くなり、従ってそ
の発熱回路の寿命が印字ヘッド全体の寿命を決めてしま
うことになるし、断線部分をずらして印字してもまた特
定の発熱回路のみ通電回数が多くなるため断線が生ずる
おそれがある。
【0284】特に本例の場合には印字内容にバーコード
が含まれるため、これを適切に回避しなければならな
い。
【0285】そこで、本例では、複数の発熱素子を有す
る印字ヘッドの当該素子の配列方向と垂直な方向に用紙
を相対移動させて印字を行うに際して、配列された発熱
素子の両端から何個の発熱素子が使用されないかを検知
し、当該検知された個数に応じてデータレジスタに取込
まれたデータをシフトさせ、そのシフト量をラベルの所
定枚数毎に変えるようになして、同一内容の印字データ
を印字する際に、特定の発熱素子の通電回数が増えるこ
とを防止し、持って印字ヘッドの発熱回路の断線による
耐久性の低下を抑えるようにする。
【0286】さて、図47に示したような印字データが
データ送受信部152を介して本装置内に取込まれ、同
時に印字枚数Nも取込まれるものとする。このとき、R
OM155に格納されているプログラムによりCPU1
53が印字バッファ158への印字データの展開を制御
するが、印字データの1ライン中のうち両端部分で全く
印字データのないドット(1ドットは印字ヘッド21の
1つの発熱回路により印字されるドットを示す)が何個
あるかをチェックしている。ここでは左右同じでそれぞ
れ20ドット分あったとする。
【0287】図62は本例による印字時制御手順の一例
を示すフローチャートである。左右端の非使用ドット数
x,yに対応した範囲においてシフト量は可変とするこ
とができるが、ここでは説明を簡単にするためにシフト
量を“0”と“A”の2種にする。“0”はシフト量ゼ
ロつまり印字データのまま印字するということで、
“A”はAだけデータをシフトして印字するということ
である。例えば“A”の値としてはx=y=20であれ
ば、“10”としておく。“20”とすると印字データ
が極端に端によってしまうためでその半分の値をとっ
た。
【0288】印字制御は以下のようになる。まずステッ
プS601において印字すべき枚数Nをセットする。次
にステップS602で印字シフト量Sに0をセットす
る。印字スタートが指令されると、ステップS603で
S分データをシフトして印字バッファ158に展開す
る。1枚目はS=0なのでシフト量は0でデータはシフ
トされない。次にデータレジスタに入ったデータに従っ
て印字ヘッドの各発熱素子がONされて用紙に対して1
ライン分の印字がなされる。ステップS606では印字
すべきラインデータが残っているかチェックし、まだあ
れば印字を続行する。印字に際しては、モータが駆動さ
れ1ライン分ずつ用紙搬送がなされる。これはラベル上
に全ラインが印字されるまで繰り返され、全ライン印字
されればステップS607に移行する。ステップS60
7では1枚印字終了したのでNにN−1がセットされ
る。ステップS608ではN=0かどうか、つまり印字
枚数を印字し終えたかをチェックし、終了していなけれ
ばステップS609に移行する。ステップS609では
シフト量Sが0かどうかをチェックし、S=0であれば
ステップS610でSにAをセットし、ステップS60
3に移行し、一方S=AであればSに0をセットしステ
ップS603に移行する。1枚印字終了した時点ではS
=0なのでSにAがセットされステップS603に移行
する。
【0289】従って、本実施例では印字された印字物は
1枚おきに印字ヘッドのライン方向に10ドットシフト
したものが出力されることになる。
【0290】このように印字することによって、印字ド
ットを構成する、印字ドットに対応する発熱回路のうち
枠やバーコートに対応するような印字頻度の多い発熱素
子への通電回数を低く抑えることが可能となる。
【0291】本実施例では、シフト量を0とA(=1
0)の2種に設定したので印字頻度が集中するドットに
対応する発熱素子の通電回数は略半減されることとな
る。なお、本例による印字例を図63に例示した。
【0292】また本実施例ではインクジェット方式を用
いたインクジェット記録を前提に示したが、熱転写リボ
ンを使用する熱転写記録、また感熱紙を使用するサーマ
ル記録等、複数の発熱素子からなる印字ヘッドを利用し
た印字装置であれば適用可能であるのは言うまでもな
い。
【0293】上例では、シフト量Sは“0”と“10”
の2つの値であった。従って、例えば位置部分の発熱素
子の通電回数が太い枠等の存在によって他の発熱素子と
比較して多くなる場合、例えば枠の幅が20ドットであ
った場合は図64に示すように、発熱回路H28〜H5
3の内、H33からH47までの発熱素子がほとんど常
時通電されることになり、シフトによる効果が弱い場合
がある。そこでシフト量Sを“−10”と“0”と“1
0”の3値にすることによって図65に示すようにH3
3〜H48までの特定発熱素子の通電頻度を抑えること
ができる。
【0294】また、これらの例では、印字する用紙の幅
が印字ヘッドの印字可能領域と略等しい場合について述
べたが、印字する用紙幅が印字ヘッドの印字可能領域よ
り小さい場合は、両端の非信号印加の発熱回路を検出す
る時、印字用紙の幅に対応する領域で検出することによ
り目的を達せられる。
【0295】また、本例では1ページ(1ラベル)分の
データをビットマップ展開する印字バッファを設けてい
るため、1ページの印字毎にデータを再展開するように
しているが、1ライン分ずつデータを印字ヘッドに送出
すべく展開する手段をヘッド制御回路157が有してい
れば、当該展開時にデータシフトを行うようにしてもよ
い。
【0296】さらに、本例で用いたインクジェットヘッ
ドは吐出口を高密度に配置できることから、使用吐出口
を適切に間引き、例えば1ドットおきに順次のラインで
駆動するようになして、使用頻度が特定の吐出口だけ高
くならないようにしてもよい。
【0297】加えて、インクジェットヘッドの場合、用
紙とヘッドとは非接触であり、サーマルヘッドを用いて
バーコードを印字する場合のようないわゆる「尾引き」
は問題とならない。そこで、読取りに問題が生じない範
囲でバーコードを傾けて、例えば図60(A)のバーコ
ード部分のように印字されるようにすることもできる。
【0298】さらに加えて、特定の発熱素子の使用頻度
が特に高くなる罫線やバーコードなどがプリント内容に
含まれることを検出し、その場合のみ、あるいはその部
位のみシフトを行うようにすることもできる。
【0299】(10)バー精度の保持 (10.1)ヘッド昇降によるバー精度の保持 例えば、JANコードに関して考える。例えば、11.
5本/mmのドット密度でヨレ量が最大35μmの印字
ヘッドにおいて、倍率1倍(バー幅330μm、許容差
±101μm)のバーコードを印字するためには、4ド
ットで最小バー330μmを構成する。このヘッドで4
ドットの幅はヨレがない状態で348μmとなり、最大
にヨレた時でも278〜418μmとなりJAN規格
(229〜431μm)内に入るので、図66に示すよ
うに用紙とヘッドとの間隔がxで、理想の着弾点aに対
して最大にヨレたとき(y=35μm)、c点に着弾し
ても問題はない。しかしながら倍率を最小の0.8倍
(バー幅264μm、許容差±35μm)の印字を行う
と最小バー264μmを3ドットで構成することにな
り、その場合のヨレがないときのバー幅は260μmと
なり、ヨレが最大の時は190〜330μmとなるので
JAN規格(229〜299μm)外となり、バーコー
ドとしては使用できなくなる。この倍率0.8倍の時規
格を満足するためには最大ヨレ量を15.5μm以下に
しなくてはならない。
【0300】そこで、図66においてヘッドの位置を
x′=0.4xとなるように移動してやれば、そのとき
の最大のヨレた着弾点bと理想着弾点aとのずれ量y′
はy=0.4y=0.4×35μm=14μmとなり、
前記倍率0.8倍の時の許容範囲15.5μm以下とな
り、JAN規格を満足することができる。
【0301】本実施例では、外部装置、例えばホストコ
ンピュータ151で印字指令を作成する際、バーコード
部分の入力,文字数字部分の入力,イラスト部分の入力
が各々入力される。そして、図37のステップS100
で入力情報を1枚分の画像データに展開する際にバーコ
ードデータの中から最小バー幅を検出し、3ドットで構
成されていれば、図66におけるx′の位置にヘッドを
駆動し、4ドットであれば図66におけるxの位置にヘ
ッドの移動を行わせた後に印字を行う。なお、印字終了
後は、ヘッドを所定のポジションへ退避することによっ
て用紙のカール等によるジャム等を回避しておく。図6
7(A)はヨレのない時のドットの模式図、(B)は紙
とヘッド間隔がx′のときの模式図、(C)は紙とヘッ
ド間隔がxの場合に最大にヨレが生じたときの模式図で
ある。
【0302】なお、本例では、印字ヘッドの移動を細線
を構成するドット数により制御するものとして説明した
が、用紙厚を検知する機構を設け、用紙の厚さにより印
字ヘッドの位置を変更することで制御を行い常に図66
のx′の位置を確保しても同様の結果が得られることは
勿論である。
【0303】いずれにしても、ヘッド位置が移動可能な
構成にすることにより、細い線幅に対してヨレ量を小さ
くすることにより安定した線を印字することが可能とな
る。また、細い線が安定して印字できることにより、バ
ーコードの倍率が小さくでき印字する用紙自体の寸法も
小さくできるため用紙の節約の面でも効果がある。
【0304】(10.2)吐出量制御によるバー精度保
持 ところで、印字されるバーコードのサイズや太細バー比
等は印字ヘッドの密度に依存する。一方、バーコードは
「JAN」,「UPC」,「CODE39」,「COD
E93」等の種類があり、各種によってそれぞれ太細バ
ー比などが規格化されている。このためバーの幅を正確
に印字する必要がある。従来のバーコード印字装置にお
いては、通常、使用する印字ヘッドのドット密度に合わ
せて紙送り機構が設計され、1ピッチの紙送りで、常に
同じ太さの1ラインでの印字が1回行われるように制御
されていたが、バーコードの規格による密度を満足させ
る1ドットの大きさとドットピッチを設定して印字動作
を行うので、黒バーの両端も同じドット径で印字するた
めに、図68に示すように、正規の幅Tに対して黒バー
の幅T′のように太くなり、これに伴って白バー(バー
コードを構成する平行バーのうち反射率が高いバー)の
幅が細くなるという問題を有していた。
【0305】そこで、本例では、入力されたバーコード
のデータを印字バッファ内に格納する際に、バーコード
データの中の黒バーの両端を検知しておき、黒バーの両
端の1ドットを印字する場合にその両端の1ドットを印
字するヘッドのみの印加電圧および/または印加パルス
幅を制御し、インクの吐出量を少量にすることにより、
印字するドット径を小さくする手印を設けることによ
り、バーコードの密度だけでなくバーの幅も正確に印字
可能とする。これにより、黒バー両端の密度が規格を満
たさないことがあるので、その場合は黒バーの両端の以
外のドット径を大き目に印字することでより効果的とな
る。その他に全体的にドット径を小さく印字する場合は
検知した黒バーを印字する場合に両端の1ドット以外の
ドット径を大き目に印字するようにする。
【0306】具体的には、図37のステップS100の
処理において、送受信部15を介して印字データが入力
されると、この印字データをRAM156の受信バッフ
ァへ一時格納する。受信した印字データには1枚のラベ
ルに印字すべき文字に対応する文字コードやバーコード
に対応する数字コード等が含まれているので、この受信
印字データの解析を行い、キャラクタジェネレータや数
字コード/バーコード変換テーブルを用いてラベル1枚
分の画像データに展開して印字バッファ158に格納す
る際に、バーコードデータの中の3ドット以上の太さの
黒バーを検知し、その黒バーの両端の1ドットを印字す
る場合に、例えば図69に示すヘッドの印加電圧Vを少
し下げ、またはパルス幅Wを狭くするようにし、そのデ
ータをRAM156へ記憶させてから印字バッファ15
8に展開する。そして、印字バッファ158から1ライ
ン分の画像データを読出すと共にRAM156から印加
電圧の強弱を記憶させたデータを読出しヘッド制御回路
157へ入力し、ヘッドを駆動する際に予め検知してい
る3ドット以上の太さの黒バーの両端1ドットを印字す
るヘッド素子の印加電圧を下げることにより、図70に
示すように吐出するインクの量を減らして正確にバーコ
ードを印字させる。
【0307】より詳しく本例の効果を述べるに、例えば
解像度360dpiのインクジェットプリンタにてバー
コード(ここではJIS X0501にて規定されるJ
ANコードで説明する)を印字するとする。
【0308】解像度が360dpiであるから、インク
ジェットノズル間ピッチは70.5μmであるが、イン
クジェット記録では印字ドット形状が円形に近いため、
直径70.5μmの印字ドットではベタ画像(例えばバ
ーの内側部分)を印字する際ドット間にすき間が生じ
る。従って、通常のインクジェット記録方式を用いたプ
リンタにおいては印字ドット径が√2×ノズル間ピッチ
以上になるように設計されている。本実施例では、√2
×70.5μm×1.2≒120μmとして説明する
(ドット径が大きい程印字濃度が高まり、また白ヌケも
少なくなるため20%増しの大きさとした)。
【0309】JIS X0501によれば、JANコー
ドにおける最小バー幅(1モジュール寸法)は264μ
mから660μmまで規定されているが、本装置のよう
に印字ヘッドによりバーを印字する装置では、1本のバ
ーをいくつかのドットで構成することになるため、26
4μmから660μmまでの許容される幅のうち何通り
かを表現できるということになる。
【0310】つまり、印字ドット径が120μmで、印
字ノズル間ピッチが70.5μmの場合表現可能なJA
Nコードの最小バー幅は、
【0311】
【数5】264≦70.5(a−1)+120≦660 :aはバーを構成するドット数 の条件を満たす必要があり、3≦a≦8となる。つま
り、このプリンタではバーの幅方向の印字ドット数は3
から8個までということである。ここで、a=4の時、
つまり最小黒バー(1モジュール)を4ドットで構成し
た時の実際の印字される最小黒バー(1モジュール寸
法)を計算すると、
【0312】
【数6】 70.5×(4−1)+120=331.5μm となる。
【0313】また、JANコード全体は95モジュール
で構成されている(標準バージョン時)から全体の大き
さは、
【0314】
【数7】 70.5×(95×4−1)+120=26839.5μm 従って、この全体の大きさから1モジュールの大きさを
計算すると
【0315】
【数8】26839.5÷95=282.5 よって、ドット径を120μmとしたことで、本来28
2.5μmであるべきバーの幅が331.5μmとなる
こととなる。つまり約49μm太すぎということにな
る。さらに、上記は印字位置のずれが無い場合の数値で
あって、通常のインクジェット印字装置における印字位
置精度σ=15μmと想定すると、あるべき寸法からの
ずれが60μmを越える場合が十分考えられることにな
る。X0501によればこのずれはバー幅許容差として
記載されているが、1モジュール寸法が281μmの時
±51μm、297μmの時±69μmとされており、
比例計算にて282.5μmの時は約53μmとなり、
明らかに規格を満たさないと言える。
【0316】そこで、本例を以下のように適用すること
により、規格を満足しつつバー濃度が高く、白ヌケも少
ないバーコードを提供できるものである。バーの外側を
構成する印字ドットの大きさを小さく、例えば90μm
とすることにより最小黒バー幅は、
【0317】
【数9】70.5×(4−1)+90=301.5μm となり、σ=15μmの印字精度を計算に入れても十分
282.5±53μmの範囲に入れることが可能とな
る。
【0318】例えば、記録用紙のにじみ率を2.5とし
たとき、120μmのドット径を得るためには約58p
l(ピコリットル)の液滴を吐出するように設計される
が、黒バーの両端に相当する印字ドットの位置を別途説
明したように検知する手段を用いその印字ノズルよりの
液滴を約24plになるように印字パルス幅を制御する
ことで本例の効果を実現できる。
【0319】(10.3)データ追加によるバー精度保
持 このように吐出量を制御してバー精度を保持する他、次
のようにしてもよい。本例においてもバーの検知までの
処理は上例と同様である。
【0320】本例では、バーコードデータ中の白バーを
検知し、その白バーの太さに応じて1ドット以上の白バ
ーを追加し、当該追加分データをシフトして印字するよ
うにデータをRAM156へ記憶させ、印字バッファ1
58に展開する。そして、印字バッファ158からデー
タを読出しヘッド制御回路157へ入力し、ヘッドを駆
動し、バーコードを印字させれば、図71に示すよう
に、本例のような処理を行わない場合の幅T′に対し
て、適正な白バーの幅Tを得ることができる。
【0321】本例の効果を詳述するに、例えば360d
piの解像度を有するインクジェット式プリンタにて、
JIS X0501に記載のJAN13ケタコードを印
字するとしたとき、かつ 最小黒バー(1モジュール寸法)を4ドットで印字
し、 印字ドット1個の直径を120μm(記録用紙上)と
する としたときの従来の場合と本例の場合(白バーに1つド
ット追加)のバー寸法の差を表にすると以下のようにな
る。
【0322】
【表1】
【0323】このように、最小幅の黒バーと白バーの幅
の差が少なくなり、バーコード全体の長さから計算され
る1モジュール幅の値に白バーが近づいていることがわ
かる。
【0324】2モジュール幅以上の黒バー,白バーにつ
いても同様のことが言える。
【0325】このようにバーコードを印字する場合、白
バーの部分に1ドット以上の白バーを追加することによ
って、白バーの幅を正確に印字することができ、正確な
バーコードを印字できる効果がある。
【0326】(11)その他 本例はインクジェットヘッドを用いているため、それに
よって以上随所で述べた特有の効果を得るが、その他に
も次のような顕著な効果を有する。
【0327】すなわち、サーマルヘッドを用いてバーコ
ードを記録する際、ラインヘッドと直交する方向(用紙
搬送方向)に延在させてバーを印字するとき、特定の発
熱素子が連続して駆動されるため、特定の発熱素子への
蓄熱が問題となる。特には、バーの高さ方向において後
から印字されるバー上部が、発熱素子への蓄熱により下
部に比べて太く印字されることになり、そのための発熱
素子へ印加するエネルギを制御する必要が生じる。
【0328】一方、ラインヘッド方向等、搬送方向外の
方向に印字するとき、フルマルチヘッドの発熱素子の配
列方向に連続する多数の発熱素子が一度に駆動されるこ
とになり、その蓄熱により印字を行わない部分の加熱さ
れ、尾引き状態のスジとなって画質に影響を与えること
になる。特に印字精度を重要とするバーコードにおい
て、印字を行わないバー間隔が乱され、バーコードの検
知精度に大きく悪影響を与えることになる。
【0329】また、発熱素子の温度が低い状態(印字を
行わないラインが続いた後)で記録を行うと十分発色せ
ず、細いラインにおいてはバーコードスキャナで正確に
検知できない程の濃度で記録されてしまうおそれもあ
る。
【0330】そのため、記録を行わない素子において
は、次の記録の際、十分発色するように、また連続して
記録を行う素子においては、発熱素子の温度が上昇し過
ぎないように制御することが必要である。
【0331】このような点からもインクジェットヘッド
の利用が有効である。
【0332】なお、本発明は、特にインクジェット記録
方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用される
エネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気
熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギにより
インクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録
装置において優れた効果をもたらすものである。かかる
方式によれば記録の高密度化,高精細化が達成できるか
らである。
【0333】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0334】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0335】さらに、上例では記録装置が記録できる記
録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイ
プの記録ヘッドを用いたが、そのような記録ヘッドとし
ては、複数記録ヘッドの組合せによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。
【0336】加えて、シリアルタイプのものでも、装置
本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着
されることで装置本体との電気的な接続や装置本体から
のインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの
記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインク
タンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを
用いた場合にも本発明は有効である。
【0337】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0338】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置は、バーコードが不足しカラー化が検討されて
いることからも極めて有効である。
【0339】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0340】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0341】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
プリント内容に応じ、またはプリント媒体搬送時の姿勢
に応じ、プリントに係るプリント素子を適切に選定する
ようにしたので、素子使用頻度のかたよりを抑制してヘ
ッド寿命の低下を抑え、またプリント媒体の姿勢によら
ずプリント品位を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るラベルプリンタの全体
構成例を示すブロック図である。
【図2】実施例のラベルプリンタの外観斜視図である。
【図3】実施例のラベルプリンタの蓋部を開放した状態
を示す外観斜視図である。
【図4】実施例装置の外装カバーを取外した状態を示す
外観斜視図である。
【図5】実施例装置の内部構成を示す正面図である。
【図6】実施例装置の内部構成を示す平面図である。
【図7】記録対象となる用紙の構成例を示す斜視図であ
る。
【図8】その用紙上のTOFマークの説明図である。
【図9】本例装置上のオペレーションパネルの構成例を
示す正面図である。
【図10】本例装置内のヘッド昇降機構の構成例を示す
模式図である。
【図11】(A)および(B)は本例装置内のヘッド昇
降機構の他の構成例を示す模式図である。
【図12】本例装置のインク系の構成例を示す模式図で
ある。
【図13】本例装置のインク系の構成例を示す概略図で
ある。
【図14】本例装置のインク系の他の構成例を示す概略
図である。
【図15】本例装置のインク系のさらに他の構成例を示
す概略図である。
【図16】そのポンプの説明図である。
【図17】ポンプの他の構成例を示す説明図である。
【図18】ポンプのさらに他の構成を示す説明図であ
る。
【図19】本例装置のヘッド装着部の構成例を示す斜視
図である。
【図20】記録媒体上のインクの重なり方の説明図であ
る。
【図21】本例装置のヘッドと回復系ユニットとの位置
関係を示す斜視図である。
【図22】回復時の回復系ユニットの動作を説明するた
めの説明図である。
【図23】(A)〜(D)はヘッドと回復系ユニットと
の各ポジションを説明するための説明図である。
【図24】(A)および(B)はラベル形状を検出する
ために利用されるセンサの構成例を示すためのそれぞれ
模式的平面図および模式的側面図である。
【図25】(A)および(B)は、それぞれ、そのセン
サの他の構成例を説明するための模式的平面図および側
面図である。
【図26】(A)および(B)は、それぞれ、そのセン
サのさらに他の構成例を説明するための模式的平面図お
よび側面図である。
【図27】ラベルの姿勢を検出するためのセンサ系の構
成例を示す模式的平面図である。
【図28】ラベルの姿勢を検出するためのセンサ系の構
成例を示す模式的斜視図である。
【図29】ラベル姿勢を検出するためのセンサ系の他の
構成例を示す模式的平面図である。
【図30】本例装置の制御系の全体構成例を示すブロッ
ク図である。
【図31】本例装置のコントロールパネルの構成例を示
すブロック図である。
【図32】本例装置の印字機構の概念図である。
【図33】本例装置のヘッド部の等価回路図である。
【図34】ヘッドに供給する印字制御信号のタイミング
チャートである。
【図35】ヘッド制御回路の内部構成例を示すブロック
図である。
【図36】本例装置の電源投入後の初期処理手順の一例
を示すフローチャートである。
【図37】本例装置の印字処理手順の一例を示すフロー
チャートである。
【図38】本例装置の印字中予備吐出処理手順の一例を
示すフローチャートである。
【図39】本例装置の回復処理手順の一例を示すフロー
チャートである。
【図40】本例装置の予備吐出処理手順の一例を示すフ
ローチャートである。
【図41】本例装置のワイピング処理手順の一例を示す
フローチャートである。
【図42】(A)〜(C)はデータ内容に基づく展開制
御のためにRAMに設けられる各エリアを示す説明図で
ある。
【図43】その展開制御手順の一例を示すフローチャー
トである。
【図44】その展開制御手順の他の例を示すフローチャ
ートである。
【図45】(A)および(B)は、それぞれ、図43お
よび図44の処理による効果を説明するための説明図で
ある。
【図46】プリンタ特定用データのフォーマット例を示
す説明図である。
【図47】ラベルへの印字内容の一例を示す説明図であ
る。
【図48】ラベル特定用印字制御手順の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図49】図24に示した光センサの動作概念図であ
る。
【図50】ラベル紙の印字フォーマットとの適合を判定
するための回路構成の一例を示すブロック図である。
【図51】ラベルにバーコードが印字された場合の図2
4の光センサの動作概念図である。
【図52】印字判定を行うための回路構成の例を示すブ
ロック図である。
【図53】データを複数ラベルにわたって印字するため
の制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図54】同じく他の制御手順の例を示すフローチャー
トである。
【図55】同じくさらに他の制御手順の例を示すフロー
チャートである。
【図56】同じくさらに他の制御手順の例を示すフロー
チャートである。
【図57】(A)および(B)は図53の処理の効果を
説明するための説明図である。
【図58】(A)〜(C)は図54の処理の効果を説明
するための説明図である。
【図59】ラベル紙の斜行搬送状態を示す説明図であ
る。
【図60】(A)および(B)は、それぞれ、斜行搬送
時および正常位置からの偏倚搬送時における印字状態を
示す説明図である。
【図61】斜行搬送されるラベルに対し正しく印字を行
うための制御を説明するための説明図である。
【図62】記録素子の使用頻度をならすために行うシフ
ト印字制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図63】その手順を行ったときの印字例を示す説明図
である。
【図64】シフト印字の他の例を説明するための説明図
である。
【図65】シフト印字のさらに他の例を説明するための
説明図である。
【図66】ヘッド昇降によってバーコードの精度を保持
するための処理を説明する説明図である。
【図67】(A),(B)および(C)はヨレによるバ
ー精度の低下を説明するための説明図である。
【図68】ドットの形成によるバーコードの黒バーの拡
幅を説明するための説明図である。
【図69】記録素子を駆動するための印加パルスの説明
図である。
【図70】吐出量制御によるバー精度保持の説明図であ
る。
【図71】白データ追加制御によるバー精度保持の説明
図である。
【符号の説明】
PDS プリントデータ供給手段 SDM 特殊データ付加手段 SCM 展開制御手段 DSM データ展開手段 HDM ヘッド駆動手段 BAM バー精度保持手段 SRM インク供給/回復手段 MID プリント媒体情報検出手段 1 ラベルプリンタ本体 2 オペレーションパネル 3 蓋部 51 ラベル紙 55 カール補正ローラ 61,62,84,86 TOFセンサ 63 帯電ローラ 64 除電ローラ 65 ベルト 68 ヘッドブロック 78 回復ユニット 79 ヘッド移動モータ 81 回復ユニット移動モータ 83 インク供給ユニット 90 メモリカード 100 ラベル 101 セパレータ 103 TOFマーク 151 ホストコンピュータ 152 データ送受信部 153 メインCPU 154 コントロールパネル 155 ROM 156 RAM 157 ヘッド制御回路 158 印字バッファ 159 I/Oポート 164 駆動回路 165 駆動モータ 167 センサ回路 168 オペレーションパネル 301Bk,301C,301M,301Y ヘッド 307 サブタンク 308 ポンプ 312 ヘッドホルダ 405 ラベル形状検出センサ 418 斜行量検出センサ 468 ラベル形状判定回路 469 ラベル形状記憶回路 470 印字検出回路 471 印字判定回路
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 2/255 B41J 3/04 104 K 3/10 106 R (72)発明者 西本 一成 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のプリント素子を配列してなるプリ
    ントヘッドを用い、前記配列の方向と異なる方向に相対
    搬送されるプリント媒体に対しプリントを行うプリンタ
    において、 前記プリントに係るプリント内容を判別する手段または
    前記相対搬送される前記プリント媒体の前記プリントヘ
    ッドに対する相対的姿勢を判別する手段の少なくとも一
    方を具備するとともに、当該判別に応じてプリントに係
    るプリント素子を選定する手段を具えたことを特徴とす
    るプリンタ。
  2. 【請求項2】 前記プリント内容判別手段は、当該判別
    に係るプリント内容によって前記配列された複数のプリ
    ント素子のうち端部から何個が当該プリントに関与しな
    いかを検出し、前記選定手段は、当該検出された個数に
    対応して、同一内容について連続プリントされる前記プ
    リント媒体の所定枚数毎に、使用するプリント素子をシ
    フトさせることを特徴とする請求項1に記載のプリン
    タ。
  3. 【請求項3】 前記姿勢判別手段は、前記プリント媒体
    の傾きを検出し、前記選定手段は当該検出された傾きに
    対応して使用するプリント素子が選定されるようにする
    ことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
  4. 【請求項4】 プリントヘッドとして複数の吐出口を配
    列してなるインクジェットヘッドの形態を有するものを
    用いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
    記載のプリンタ。
  5. 【請求項5】 前記インクジェットヘッドはインクを吐
    出するために利用される熱エネルギを発生する素子を有
    することを特徴とする請求項4に記載のプリンタ。
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