JPH0747633A - 積層体 - Google Patents

積層体

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JPH0747633A
JPH0747633A JP19743293A JP19743293A JPH0747633A JP H0747633 A JPH0747633 A JP H0747633A JP 19743293 A JP19743293 A JP 19743293A JP 19743293 A JP19743293 A JP 19743293A JP H0747633 A JPH0747633 A JP H0747633A
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JP
Japan
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polyethylene
ultra
laminate
molecular weight
adhesive
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JP19743293A
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English (en)
Inventor
Yasuo Kaminami
康夫 神波
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 通気性、防水性に優れ、雨衣、運動衣等とし
て用いて好適な素材を提供する。 【構成】 超高分子量ポリエチレンからなる縦・横の熱
収縮率が5%以下の厚さ10〜100μの多孔膜と目付
が10〜50g/m2 のナイロン系、ポリエステル系又
はポリプロピレン系不織布とを接着剤を用いて貼り合せ
た積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層体に関し、更に詳細
には例えば衣料品の材料として好ましい通気性、透湿性
及び耐水性を有する積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエチレン樹脂やポリプロピレ
ン樹脂からなる多孔質フィルムはよく知られている。こ
のポリエチレン樹脂等からなる多孔質フィルムは無機質
の充填剤が配合されたフィルムを延伸することにより多
孔化したものであり、それ自体に多数の微孔を有し、通
気性を持ちながら水などの浸透を阻止するため、雨具な
どをはじめ衣料品の材料としてその用途が検討されてき
た。
【0003】しかし、この多孔質フィルムは加工時の引
裂強度が弱く、強度的に問題があることから、実際上は
この多孔質フィルムに補強用フィルム或いは織布、不織
布などを貼り合せて積層体を形成し、この積層体が衣料
品などの材料に利用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
積層体で作られた衣料品は、耐熱性に劣り、クリーニン
グ、滅菌消毒等により基布が収縮変形すると同時に通気
性等の機能が損われるという問題もあった。本発明の目
的は、かかる従来の問題点を解消するためになされたも
ので、耐熱性を向上し、特に衣料品、医薬品に利用した
時洗濯性、消毒性に優れた積層体を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の積層体は超高分
子量ポリエチレンからなる縦・横の熱収縮率が5%以内
の厚さ10〜100μの多孔膜と、目付が10〜50g
/m2 のナイロン系、ポリエステル系又はポリプロピレ
ン系不織布とを接着剤を用いて接着面積を5〜50%で
貼り合せてなる積層体である。
【0006】以下本発明を詳細に説明する。本発明の積
層体を構成するポリエチレン多孔膜(多孔シート)の厚
さは10〜100μmであり、更に好ましくは15〜5
0μmである。また、100μmを超えた膜厚では生地
として厚いので軽量化が計れず、又、硬くなり、ゴワゴ
ワ感などの問題がある。透気度は20〜3000秒/1
00ccであることが好ましく、より好ましくは50〜
1000秒/100ccである。透気度が20秒/10
0cc未満だと膜表面積に占める孔の割合(開孔率)が
大きくなりすぎ膜の強度が低下する。3000秒/10
0ccより大きい衣料品等とした場合の透気性が足りな
い。
【0007】空孔率は25〜80%であることが望まし
い。空孔率が25%未満だと孔構造が緻密すぎて通気性
が悪くなる。80%より大きいと単位体積中に占めるポ
リエチレンの量が小さくなりすぎ強度が低下して好まし
くない。破断点強度は縦、横どちらの方向にも100k
g/cm2 以上あることが望ましい。これ未満だと膜製
造時などに破断しやすく、作業性が悪くなる。バブルポ
イントは2〜5kg/cm2 以上である。バブルポイン
トが2kg/cm2 未満だと孔構造が疎となり防水性の
上から好ましくない。また5kg/cm2 より大きいと
孔構造が緻密すぎて通気性が悪くなり好ましくない。
【0008】透水量は100〜1500リットル/hr
・m2 ・atmであることが望ましい。透水量が100
リットル/hr・m2 ・atm未満だと通気性が悪く実
用的でない。1500リットル/hr・m2 ・atmよ
り大きいと孔構造が疎となり防水性の上から好ましくな
い。0.091μmのスチレンラテックス粒子は50%
以上を阻止するのが望ましい。
【0009】本発明の積層体に用いる多孔膜を得るのに
好ましい方法としては、超高分子量ポリエチレンと可塑
剤からなる組成物を溶融押出してシートを得、ついで該
シートから可塑剤を除去して得られる多孔シートであ
る。熱処理には加熱ロール法、またはテンター方式等を
用いることができる。多孔膜に使用されるポリエチレン
は重量平均分子量が500,000以上であるいわゆる
超高分子量ポリエチレンであり、特に粘度平均分子量が
1×106 〜3.0×106 のものが好ましい。また該
ポリエチレンを50%以上含み分子量5×105 〜2×
106 の他のポリオレフィン、カルボン酸等をグラフト
した変性ポリオレフィンを含んでもよい。
【0010】分子量が低すぎると可塑剤が均一混練する
ことが困難で微細孔構造を有する多孔膜を得ることがで
きない。また安定したシート成形が不可能となる。多孔
膜の製造に用いられる可塑剤としては超高分子量ポリエ
チレンとの相溶性がよく、沸点が該超高分子量ポリエチ
レンの溶融成形温度(〜250℃)以上でしかもシート
成形中に蒸散が起こりにくい様、蒸気圧が低いことが条
件である。
【0011】さらに、多孔膜の製造途中段階で得られる
超高分子量ポリエチレンと可塑剤からなるシートの安定
性、取扱の容易さを考慮すると具体的には流動パラフィ
ン、固型パラフィン、ステアリルアルコール、セチルア
ルコール等が望ましい。特に常温で固体であるものは取
扱上非常に有用である。これら可塑剤と超高分子量ポリ
エチレンとは通常のミキサーで混合された後、一旦溶融
混練により均一混練、ペレット化した後シート成形に供
されるが、特にステアリルアルコールは細かい顆粒状の
製品を使用することができ、粉末状である超高分子量ポ
リエチレンと機械的なブレンドをすることが容易であ
り、このまま押出機供給部に供給することにより安定し
た押出成形が可能である。さらに本組成に熱安定剤、酸
化防止剤、着色剤などを添加しても構わない。
【0012】超高分子量ポリエチレンと可塑剤との混合
の比率は通常、重量比で超高分子量ポリエチレン/可塑
剤=10/90〜40/60であり、好ましくは15/
85〜35/65の範囲である。ポリエチレンの比率が
低すぎると、押出機における押出状態が不安定となり良
好なシートを得ることができない。またポリエチレンの
比率が高すぎると粘度が大きくなり過ぎ、ダイス部分で
の流れが不安定となり安定したシートを得ることが不可
能となる。これら組成物を一旦溶融混練してペレット化
したものはシート成形時に該ポリエチレンと可塑剤の分
離を防止することができ成形安定性の向上につながる。
【0013】シートの成形はポリエチレンと可塑剤を溶
融混練したペレットまたはポリエチレンと可塑剤を機械
的にブレンドした混合物を押出機に供給し、次に均一な
溶融状態とし、適宜選択されたダイスからシート状に押
し出すことによって行う。通常ダイ成形品シートの厚み
は0.03〜0.5mmであり、好ましくは0.03〜
0.08mmである。
【0014】この際、シートに延伸を加えず、分子配向
をなるべく起こさないように成形する事が望ましい。次
に行う可塑剤の除去(抽出)は可塑剤の溶解度が高く、
易揮発性溶剤による抽出法が望ましい。易揮発性溶剤と
してはペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系、
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、三フッ化エ
タン等のハロゲン化炭化水素系、メタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテ
ル、ジオキサン等のエーテル類等が挙げられ、全量可塑
剤を除去し、その後乾燥により揮発性溶剤を除去するこ
とにより多孔性のシートを得る。この多孔性シートに残
存する可塑剤含有率は1重量%未満にするのが好まし
い。可塑剤の除去は除去効率をよくするため常温以上で
行うのが望ましい。
【0015】上記多孔シートは充分な強度を有している
が、衣料品等として用いる場合、更に強度、肌ざわりを
良好とするため不織布と積層する。多孔シートは可塑剤
を除去したものをそのまま用いて積層体としても良い
が、温度による収縮を防止するために熱処理した後、積
層に供することが好ましい。熱処理は、工業的には加熱
ロール法、テンター法等があり、熱処理温度は高温の方
が望ましいが、該ポリエチレンの融点以上になると孔が
閉塞して透気度が大幅に上昇して好ましくない。加熱ロ
ール法の場合、融点以下、好ましくは130℃以下で熱
処理を行うのが好ましい。熱処理を行なうにしろ、行な
わないにしろ積層体とする多孔膜は縦・横の熱収縮率が
5%以下のものとされる。熱収縮率は、多孔膜を80℃
の恒温槽に4時間置き、加熱前後の膜の縦及び横の寸法
差から求める。
【0016】次に、上記多孔シートと積層体を形成する
不織布について説明する。不織布は、前述の多孔シート
と接着剤を用いて接着が可能な不織布が用いられる。ポ
リプロピレン不織布、ナイロン不織布(例えばナイロン
6、ナイロン66、ナイロン12等)又はポリエステル
不織布(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート等)等が好ましい。不織布の製造方
法としては、湿式法、乾式法、スパンボンド法、ニード
ルパンチ法などが挙げられる。
【0017】不織布としては、目付けが10〜50g/
2 、好ましくは15〜25g/m 2 程度のものが好ま
しい。このような多孔シートと不織布とは以下のような
接着構造で貼り合される。すなわち、ウレタン系2液タ
イプの接着剤を塗布面積5%〜50%で多孔シート又は
不織布に点状に塗布する。接着剤の点部分は318万個
/m2 〜1000万個/m2 で、その点の径は0.1〜
0.5mm程度であることが望ましい。このような接着
剤の点状塗布は例えばグラビアロールを用いた転写法等
で行うことができる。
【0018】上述した構成の積層体は、多孔シートと不
織布とを貼り合せている点接着部が極めて微細であるこ
とや、また多孔シートの厚さなどを要因として多孔シー
トの表面が非常に平滑となり、その結果当該表面への印
刷も極めて鮮明にでき、しかも全体として風合は著しく
向上し且つ通気性を損うことはない。
【0019】両者の接着について、接着剤の塗布法とし
てグラビアロールによる転写法を例としたが、噴霧法な
ども用いることができる。但し、この場合用いられる接
着剤は例えばEVA系接着剤、ゴム系接着剤又はアクリ
ル系接着剤などを用いることが好ましい。その他、熱溶
融タイプの接着剤を用いて塗布後熱ロール等に通して接
着する等の方法も考えられる。多孔シートと不織布との
積層体としての厚さは50〜500μ、好ましくは50
〜300μ程度である。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り下記の実施例に
限定されるものではない。実施例における試験方法は次
の通りである。 1.透気度(単位;秒/100cc) JIS P81
17 2.空孔率(%)=空孔容積/多孔膜容積×100% 3.破断強度(単位;kg/cm2 ) JIS K67
81 4.バブルポイント(BP) JIS K3832 5.透水量(単位;リットル/hr・m2 ・atm)
アミコン社製 8010型セルを使用し、差圧1kg/
cm2 温度23℃にて測定 6.孔径測定(スチレンラテックス阻止率) ダウ社製
重量平均粒径0.091μm、0.212μmのスチ
レンラテックス粒子を水に分散させ、アミコン社製80
10型セルを使用して差圧1kg/cm2 にて透過試験
を実施しその前後のスチレンラテックス濃度をUV計で
測定してその阻止率を次の式で求めた。
【0021】
【数1】阻止率(%)=(透過前の濃度−透過後の濃
度)/(透過前の濃度)×100
【0022】実施例1 粘度平均分子量2×106 のポリエチレンパウダー(融
点135℃)20重量部と粒状のステアリルアルコール
80重量部のドライブレンド物を押出機に供給して24
0℃で混練しながら連続的に幅550mm、ダイクリア
ランス0.2mmのTダイより押し出して厚さ0.07
mmのシートを得た。
【0023】このシートを60%のイソプロピルアルコ
ール浴でステアリルアルコールを抽出し、ポリエチレン
製多孔膜を得た。この膜の物性は (a)膜厚 47μm (b)透気度 105秒/100cc (c)空孔率 67% (d)破断点強度 170kg/cm2 (縦方向)、1
20kg/cm2 (横方向) (e)バブルポイント 3.4kg/cm2 (f)透水量 400リットル/hr・m2 ・atm (g)スチレンラテックス阻止率(SR阻止率) 98
%以上 (h)熱収縮率縦:1.5%、横:0% であった。
【0024】上記で得た多孔膜とナイロン不織布(目付
け:15g/m2 、点密度:80ケ/cm2 )とのラミ
ネートを行った。すなわち、多孔膜の表面にウレタン系
の二液タイプの接着剤をグラビアロールを用いて塗布面
積が20%となるように塗布した。次いで50℃に加熱
された乾燥ゾーンに50m/分のライン速度で送給して
半乾燥した後、ナイロン不織布を圧着ロール間に供給し
て得られた積層体(長さ:約1000m)は、製品巻き
取りロールによって巻き取った。積層体の厚さは平均1
50μであった。接着部の面積は全体の20%であっ
た。
【0025】得られた積層体についてピンホールの有無
と耐水圧の測定(JIS L 1092に準拠)を行っ
た結果、ピンホールの発生は認められず、また、耐水圧
は2kg/cm2 以上であった。得られた積層体の引張
強度は3100g/cmと多孔シート単体と比べ2.5
倍の強度を得られた。また、風合も良く、多孔シート側
は皮革状を呈しており、衣料用として申し分のないもの
であった。更に縫製及びヒートシールにより上衣を作成
したが、通気性が良く、雨水を通さないので運動用の衣
料として好ましいものであった。
【0026】実施例2 実施例1で得られた膜厚47μmのポリエチレン製多孔
膜を表面温度120℃の加熱ピンチロールを用いて30
秒間熱処理して33μmの膜を作成し、多孔膜を得た。
この膜を実施例1と同様にしてポリエステル系不織布
(ポリエチレンテレフタレート)(目付け:15g/m
2 、点密度:80ケ/cm2 )との熱接着剤によるラミ
ネートを行った。
【0027】得られた積層体についてピンホールの有無
と耐水圧の測定(JIS L 1092に準拠)を行っ
た結果、ピンホールの発生は認められず、また、耐水圧
は2.5kg/cm2 以上であった。実施例1と同様に
衣料材料として良好なものであった。
【0028】実施例3 実施例2の不織布をポリプロピレン製不織布(目付け:
30g/cm2 )に変えたほかは実施例2と同様にして
積層体を得た。ピンホールの発生は認められず、耐水圧
は2.7kg/cm2 以上あった。肌ざわりが良く衣料
用材料として良好なものであった。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の積層体に
よれば、多孔質フィルムの表面が平滑となり、これによ
り該表面への印刷も極めて鮮明にでき、しかも風合は皮
革のようでとても高級感があって且つ通気性も十分に維
持されていることから、雨具や簡易ジャンパなどの衣料
品として使用した時、着用者に十分な満足感を与えるこ
とができる。更に熱収縮性が小さいので選択後アイロン
がけも可能である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超高分子量ポリエチレンからなる縦・横
    の熱収縮率が5%以下の厚さ10〜100μの多孔膜
    と、目付が10〜50g/m2 のナイロン系、ポリエス
    テル系又はポリプロピレン系不織布とを接着剤を用いて
    接着面積を5〜50%で貼り合わせてなる積層体。
  2. 【請求項2】 多孔膜が粘度平均分子量(Mv)50
    0,000以上の超高分子量ポリエチレンからなり、
    (a)透気度20〜3000秒/100cc、(b)空
    孔率25〜80%、(c)破断点強度が縦方向、横方向
    とも100kg/cm2 以上、(d)バブルポイント
    (BP値)2〜5kg/cm2 、(e)透水量100リ
    ットル/hr・m2 ・atm以上、(f)0.091μ
    mのスチレンラテックス粒子を50%以上阻止するポリ
    エチレン多孔膜である請求項1に記載の積層体。
JP19743293A 1993-08-09 1993-08-09 積層体 Pending JPH0747633A (ja)

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Cited By (6)

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