JP2001294685A - 多孔性不均質イオン交換膜及びその製造方法 - Google Patents

多孔性不均質イオン交換膜及びその製造方法

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JP2001294685A JP2000113189A JP2000113189A JP2001294685A JP 2001294685 A JP2001294685 A JP 2001294685A JP 2000113189 A JP2000113189 A JP 2000113189A JP 2000113189 A JP2000113189 A JP 2000113189A JP 2001294685 A JP2001294685 A JP 2001294685A
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resin
ion
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晃一 山村
Shoichi Takamura
正一 高村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜の電気抵抗を低く保ちながらも、イオン選
択性に優れる多孔性不均質イオン交換膜を提供し、ま
た、複雑な製造工程なしに簡単にしかも低コストで製造
する方法を提供する。 【解決手段】 イオン交換樹脂の微粒子およびポリオレ
フィン系のバインダーを含み、平均空孔率が0.5〜5
%である多孔性不均質イオン交換膜であり、その製造方
法は、イオン交換樹脂の微粒子およびバインダー樹脂の
微粉末をバインダー樹脂の融点より低い温度であらかじ
め混合し、さらに加熱加圧するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔性の不均質イ
オン交換膜及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】イオン交換膜は海水の濃縮、飲料水用の
地下鹹水の脱塩や硝酸性窒素の除去、食品製造工程にお
ける塩分除去や医薬品の有効成分の濃縮など、現在、多
種多様な用途に、イオンの分離膜として電気透析法、拡
散透析法などで使用されている。これらに使用される有
用なイオン交換膜は、主にスチレン−ジビニルベンゼン
系の均質イオン交換膜であり、一価と二価のイオン選
択、特定イオンの選択性アップ、低抵抗化など種々の技
術が開発され、工業上有用な分離ができるまでに至って
いる。しかしながら、この均質イオン交換膜は、イオン
の輸率や膜抵抗、膜の強伸度など電気的・機械的特性は
良好なものの、フィルム形成、交換基導入、補強材の導
入など複雑でかつ煩雑な製造工程を必要とし、製造コス
トが比較的高くなる問題や後加工特性に劣る欠点があっ
た。
【0003】一方、不均質イオン交換膜は、イオン交換
膜の開発初期から研究されている。例えば、米国特許US
2681319,US2681320号公報には、イオ
ン交換樹脂とバインダーポリマーからなる不均質なカチ
オン交換膜とアニオン交換膜が開示されている。特公昭
47−24262号公報には、ポリプロピレンに低架橋
イオン交換樹脂を混合分散し、酸・アルカリで処理した
ポリプロピレン樹脂複合体が、また、特公昭51−12
313号公報、特公昭52−3912号公報、特公昭5
3−18472号公報、米国特許US4167551号
公報には、ポリオレフィン樹脂に粉末状イオン交換性物
質を混合して膜状成形した後に、熱水、アルカリ金属塩
やアンモニウム塩の水溶液で熱水処理することで膜抵抗
を低下したものが開示されているが、膜抵抗は十分低く
ない。
【0004】また、特開平9−059398号公報に
は、カチオン交換樹脂とバインダーポリマーとしてクロ
ルスルホン化ポリエチレンを用いたもの、特開平10−
36530号公報には、イオン交換樹脂の粒子とバイン
ダー成分として低密度ポリエチレンとエチレン−プロピ
レンゴムからなるものが、特開平10−330510号
公報には、不均質イオン交換膜を複層化されたもの、特
開平11−1881120号公報には、不均質イオン交
換膜の表面にイオン交換基を有するポリマー層を積層し
たもの、特開平11−181121号公報には、不均質
イオン交換膜の表面を機械的に粗面化したものが開示さ
れているが、いずれも、膜抵抗は均質イオン交換膜の1
0〜100倍程度に高く問題がある。
【0005】さらには、中国特許1044411号公報
には、バインダー成分として線状低密度ポリエチレンと
エチレン酢酸ビニル共重合体やポリイソブチレンの混合
物を使用したもの、特開平2−261828号公報には
管状の不均質イオン交換体が、特表平8−504224
号公報、米国特許US5346924号公報には、バイ
ンダ成分として線状低密度ポリエチレンまたは超高分子
量高密度ポリエチレンを用いたものがあるがこれらは、
比較的低い抵抗を示すものの、加工性に乏しい問題点が
あった。
【0006】線状低密度ポリエチレンまたは、高分子量
高密度ポリエチレンのバインダーを用いた不均質イオン
交換膜は、加熱成形工程において流動特性に劣り、加工
上の問題があった。この問題を解決するために、エチレ
ングリコールの如き第3成分を添加する試みもなされて
いるが、加工性が改善されたものの、逆に膜抵抗が高く
なるという性能上の悪化が見られ好ましくない。また、
特開平1−22932号公報、特開平6−329815
号公報、特開平11−335473号公報には、熱可塑
性樹脂製多孔質膜の空隙部に、溶剤に溶解させたイオン
交換樹脂を含浸させ溶剤を除去する方法や、単量体を含
浸させた後に重合し交換基を導入してイオン交換樹脂を
充填する方法などが開示されているが、熱可塑性樹脂製
多孔質膜の内部にイオン交換樹脂を充填する際に、溶剤
を除去したり、イオン交換樹脂を単量体から重合した後
に反応させたりする必要があり、工程が複雑で高コスト
のイオン交換膜となってしまう欠点が有った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、膜の電気抵
抗を低く保ちながらも、イオン選択性に優れる高性能の
不均質イオン交換膜、および複雑な製造工程なしに簡単
にしかも低コストで製造できる不均質イオン交換膜の製
造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意努力の結果、イオン交換樹脂の微粒
子およびポリオレフィンのバインダーを含み、平均空孔
率が0.5〜5%である多孔性不均質イオン交換膜を見
出し、本発明をなすに至った。すなわち、本発明は、下
記の通りである。 (1)イオン交換樹脂の微粒子およびポリオレフィン系
のバインダーを含み、平均空孔率が0.5〜5%である
ことを特徴とする、多孔性不均質イオン交換膜。 (2)膜厚が10〜1000μmであって、25℃にお
ける水の透過量が、7.5x10-43純水/hr/m2
膜面積/100kPa以下であることを特徴とする、
(1)記載の多孔性不均質イオン交換膜。 (3)ポリオレフィン系バインダーのメルトインデック
スが0.5以下であることを特徴とする、(2)記載の
多孔性不均質イオン交換膜。 (4)イオン交換樹脂の微粒子およびポリオレフィン系
樹脂の微粒子をポリオレフィン系樹脂の微粒子の融点以
下の温度であらかじめ混合し、ポリオレフィン系樹脂の
融点以上の温度で加熱加圧プレスすることを特徴とす
る、多孔性不均質イオン交換膜の製造方法。
【0009】(5)プレス温度がポリオレフィン系樹脂
の融点より1〜40℃高く、かつプレス圧力が、1MP
a以上であることを特徴とする、(4)記載の多孔性不
均質イオン交換膜の製造方法。公知の方法のように、単
にイオン交換樹脂の微粒子とバインダー成分の樹脂のペ
レットを混練り混合して、押し出し機などでフィルム状
に成形するだけでは、極めて膜の電気抵抗の高い不均質
イオン交換膜しか得られない。
【0010】これは、理由は明らかではないが、混練り
し易いバインダー成分がイオン交換樹脂の周りを被覆
し、フィルム中にイオン交換樹脂成分を含みながらも、
イオンの移動するパスが少なくなり、絶縁性の高いもの
となるからであると考えられる。本発明の多孔性不均質
イオン交換膜は、驚くべきことに、不均質イオン交換膜
の内部に空孔を有する構造をとることで、膜の抵抗を低
く維持しながら優れたイオン選択性を示す特異な膜であ
る。これは、多孔性不均質イオン交換膜のイオン交換樹
脂の微粒子の周りに微細な空孔を有する事で、本発明の
不均質イオン交換膜内のイオン交換樹脂同士が電解質で
繋がった構造をなしてイオンの透過するパスが確保され
たからであると考えられる。
【0011】本発明の不均質イオン交換膜の内部構造と
しては、空孔を有することが必要であり、イオン交換樹
脂を含んで連続に繋がったと考えられる、空孔部分の平
均空孔率が0.5〜5%であることが必要で有る。この
平均空孔率の測定方法を以下に述べる。不均質イオン交
換膜を純水中に40℃で24時間平衡後、60℃の熱風
乾燥機中で6時間乾燥する。次に、この不均質イオン交
換膜をフェザー安全剃刀株式会社製のフェザー剃刀S片
刃(FAS−10)でサンプル断面を切り出す。このサ
ンプルを電子顕微鏡で150倍に拡大して9cm*10
cmサイズのイオン交換膜の断面写真を20枚撮り、イ
オン交換樹脂とバインダー成分間の空隙部分の面積を色
分けして、その面積比の平均値から求める。
【0012】平均空孔率が0.5%未満であると、イオ
ン交換樹脂の粉末がポリオレフィン系のバインダーに覆
われてしまい、いわゆる海島構造となって、膜の抵抗が
高くなるといった不具合を生じる。また、逆に平均空孔
率が大きく成りすぎて、5%を超えると膜の構造がルー
ズになって、イオンや溶質である水が拡散しやすく成
り、イオン選択性が落ちるといった不具合を生じる。本
発明の多孔性不均質イオン交換膜の膜厚みは、10μm
〜3000μmの厚みが好ましく、より好ましくは、1
00〜1500μmである。膜厚みは、薄くなりぎると
イオン選択性や機械的強度が低下するのでよくない。ま
た、厚すぎると、膜の電気抵抗が高くなるといった不具
合を生じる。膜の多孔性の上限を特徴づける指標とし
て、25℃における水の透水量が、7.5x10-43
純水/hr/m2膜面積/100kPa以下である必要
がある。水の透水量が7.5x10-43純水/hr/
2膜面積/100kPaを越えるとイオン選択性が悪
くなるので好ましくない。
【0013】本発明に用いるイオン交換樹脂の微粒子
は、汎用のイオン交換樹脂を乾燥し、粉砕器で粉砕した
ものを用いても良いし、スチレン−ジビニルベンゼン系
の懸濁重合物に交換基を導入したものを用いても良い。
微粒子の大きさは、100メッシュの篩をパスする15
0μm以下でかつ1μm以上の大きさのものが良い。イ
オン交換樹脂の微粒子の大きさが大きくなりすぎると膜
の抵抗が高くなったり、強度が低くなるといった不具合
を生じる。また、小さくなりすぎると微粒子が抜け出た
りするので好ましくない。イオン交換容量は、乾燥樹脂
1gあたり、1〜5ミリ当量のものが使用でき、ゲル
型、ポーラス型であっても良い。イオン交換基の種類
は、強酸型、弱酸型、強塩基型、弱塩基型、両性型、い
ずれのものでも良く、これらから2種以上任意に選択さ
れた混合物でもあっても良い。
【0014】本発明に用いるポリオレフィン系のバイン
ダー樹脂は、粉末状のものが好んで用いられる。低密度
ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体などでも良く、弾性体として各種ゴム成分
である、エチレン−プロピレン系共重合体、生ゴム、ス
チレン−ブタジエン系ラテックス、クロロプレン、塩素
化ポリエチレンなどを含んでも良い。
【0015】バインダー樹脂として特に、分子量5万好
ましくは10万以上の高密度ポリエチレンもしくは超高
分子量ポリエチレンが好んで用いられる。バインダー樹
脂の流動特性が低いと膜の抵抗が低くなる傾向があり好
ましい。特にこれらのポリエチレンは、本発明の高性能
不均質イオン交換膜を製造するのに適している。また、
本発明のポリオレフィン系のバインダー樹脂のメルトイ
ンデックス(試験方法:ASTM D1238)は、
0.5g/10分以下であることが好ましく、特に好ま
しくは、0.3g/10分以下である。バインダー樹脂
の流動特性が低いと膜の抵抗が低くなる傾向があり好ま
しい。特にこのメルトインデックスの範囲が、本発明に
適している。
【0016】本発明のイオン交換樹脂の微粒子の重量比
率は乾燥不均質イオン交換膜重量あたり、40〜80%
が好ましく、より好ましくは、50〜70%である。イ
オン交換樹脂の微粒子の比率が小さすぎると膜抵抗が高
くなり易く、高すぎると膜の機械的強度が弱くなり易
く、膜の輸率が低下する傾向がある。次に、本発明の製
造方法を以下に詳細に説明する。本発明の製造方法は、
従来に無い優れた多孔性不均質イオン交換膜を、容易に
製造することを可能にした。即ち、イオン交換樹脂の微
粒子およびポリオレフィン系樹脂の微粒子をポリオレフ
ィン系樹脂の微粒子の融点以下の温度であらかじめ混合
し、ポリオレフィン系樹脂の融点以上の温度で加熱加圧
プレスして、多孔性不均質イオン交換膜を製造すれば良
い。この時の加工条件としては、プレス温度がポリオレ
フィン系樹脂の融点より1〜40℃高く、かつプレス圧
力が、1MPa以上であることが好ましい。
【0017】公知のイオン交換樹脂とバインダー樹脂か
らなる不均質イオン交換膜の製造方法としては、イオン
交換樹脂とバインダー樹脂を融点以上の温度で混練し、
シート状もしくは管状に押し出し成型する方法が一般的
である。この場合、本発明の多孔性不均質イオン交換膜
の特徴である空孔を膜内に持たせる方法の一つとして、
流動性の悪いバインダー成分を使用すると良いが、押し
出し成形は難しい。本発明の不均質イオン交換膜の製造
方法としては、公知の加温混練型の不均質イオン交換膜
の製造方法では難しく、以下に述べるような特定の手順
と条件を満たしたものが特に好ましい。
【0018】即ち、イオン交換樹脂の微粒子とバインダ
ー樹脂の粉末を事前にバインダー樹脂の融点以下の温度
で機械的に十分混合すること。その後に、その混合物を
所定の厚みに保持し、混練りなどを行わずに、バインダ
ー樹脂の融点より1〜40℃高い温度でかつ1MPa以
上の圧力でプレス成形することが好ましい。本発明のプ
レス温度は、バインダー樹脂の融点の1〜40℃高い温
度が好ましく、さらに好ましくは10〜30℃高い温度
である。プレス温度が低すぎると加工した不均質イオン
交換膜が脆かったり、加工に長い時間がかかりコスト的
に不利になる。 また、バインダー樹脂の流動性を上げ
て加工性を良くするために高温にすると膜の抵抗が高く
なる。これは、バインダー樹脂粉末がイオン交換樹脂の
微粒子の表面を覆ってしまい、所望の空孔率を確保でき
なかったり、高温で加工した為にイオン交換樹脂の交換
基が減少する為と考えられる。
【0019】次に、プレス圧力は、1MPa以上でプレ
ス成形することが好ましい。これは、圧力が低すぎると
成形した不均質イオン交換膜が脆くなったり、目的の形
状に成形できないことになったり、加工に長時間必要と
なって、製造コストがアップするといった問題が生ず
る。プレス圧力は、1MPa以上であれば、本発明の多
孔性不均質イオン交換膜の所望の空孔率が得られるので
好ましい。このように、加工に好適な温度と圧力が限定
されるのである。
【0020】本発明の製造法に用いるポリオレフィン系
のバインダー樹脂の粉末の粒度は、1μm〜500μm
が好ましく、より好ましくは、10〜200μmであ
る。バインダー樹脂の粉末は、小さすぎるとハンドリン
グ上難しくなる他に高コストになる。また、大きすぎる
と不均質イオン交換膜の膜抵抗が上昇するので好ましく
ない。理由は明らかではないが、上記のバインダー樹脂
の粉末の粒度は、空孔の形成と密接に関係するためと思
われれ、上記の範囲が低い抵抗の膜を得るためには良
い。
【0021】また、本発明の不均質イオン交換膜には、
機械的強度保持の為に、不織布、織布などを埋め込んで
もかまわない。本発明の製造方法によって得られた不均
質イオン交換膜は、使用にあたって水に平衡する。この
時、60℃〜80℃の熱水中で1時間程度処理すると膜
の電気抵抗をさらに下げることができる。このようにし
て得られた多孔性不均質イオン交換膜は、従来の均質イ
オン交換膜や不均質イオン交換膜と同様に、通常の電気
透析用の分離膜として使用できるし、電気式脱イオン装
置のイオン交換膜としても使用できる。均質イオン交換
膜に比較して特に加工性に富む為任意の形状の電気透析
スタックの製造に有利である。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明について、さらに具体的に
説明する。膜の平均空孔率の測定方法としては、イオン
交換膜のSEMの断面写真を撮り、イオン交換樹脂とバ
インダー成分間の空隙部分の面積を色分けして、その面
積比から求めた。また、膜の透水量は、圧のかかる部分
の形状が直径15mmとなるよう、円形サンプルを準備
し、25℃で片側から100kPaの圧力で水を加圧押
し出して、透過した水量をから求めた。
【0023】膜の性能を以下のように評価した。即ち、
熱プレスで得られた不均質イオン交換膜を40℃の温水
中に3時間平衡する。次いで室温の純水に戻す。膜抵抗
は、25℃の0.5Nの塩化ナトリウム水溶液中で周波
数1000Hzの交流抵抗より求めた。また静的輸率
は、25℃の0.5Nの塩化ナトリウム水溶液と0.0
05Nの塩化ナトリウム水溶液を用いてイオン交換膜で
分離し、電位を銀−塩化銀電極で塩橋を用いて測定し
た。また、本発明の実施例に用いるバインダー樹脂のメ
ルトインデックス(g/10分)は、ASTM D12
38の試験方法で求めた。本発明を実施例に基づいて説
明する。
【0024】
【実施例1】イオン交換容量が乾燥樹脂1gあたり4ミ
リ当量の市販の陽イオン交換樹脂を熱風乾燥機で60℃
で24時間乾燥後、真空乾燥機で40℃で10時間乾燥
した。この乾燥したイオン交換樹脂をサンプルミルで粉
砕し、100メッシュの篩をパスした微粒子を得た。こ
のイオン交換樹脂の微粒子6gに、低密度ポリエチレン
(M1703:旭化成社製、平均分子量14万、メルト
インデックス=0.3、融点107℃)を粉末にしたも
の(平均粒子経100μm)4gを室温で3分間、機械
的に混合した。この混合粉末を厚さ500μmのアルミ
の型枠内に入れ、120℃、プレス面圧10MPaで1
分プレス成形してシート状の多孔性不均質イオン交換膜
を得た。この膜の平均空孔率は2%であり、水の透水量
は、1x10-43純水/hr/m2膜面積/100kP
aであった。この膜を室温で純水中に戻し、膜の抵抗を
測定すると、15Ω・cm2であった。静的輸率は95
%であった。また、引っ張り強度は、2.0x106
/m2であった。
【0025】
【実施例2】実施例1と同じイオン交換樹脂の微粒子6
gとバインダー粉末として高密度ポリエチレン粉末(S
H800:旭化成社製、平均分子量25万、メルトイン
デックス=0.08、融点135℃、平均粒子経100
μm)4gを室温で、3分間機械的に混合した。この混
合粉末を厚さ500μmのアルミの型枠内に入れ、15
5℃でプレス面圧10MPaで1分プレス成形してシー
ト状の不均質イオン交換膜を得た。この膜の平均空孔率
は3%であり、水の透水量は、2x10-43純水/h
r/m2膜面積/100kPaであった。この膜を室温
で純水中に戻し、膜の抵抗を測定すると、10Ω・cm
2であった。静的輸率は95%であった。また、引っ張
り強度は、4.0x106N/m2であった。
【0026】
【実施例3】実施例1と同じイオン交換樹脂の微粒子6
gとバインダー粉末としてポリプロピレン粉末(E71
00:メルトインデックス=0.5、融点165℃、平
均粒子経50μm)4gを室温で、3分間機械的に混合
した。この混合粉末を厚さ500μmのアルミの型枠内
に入れ、190℃でプレス面圧10MPaで1分プレス
成形してシート状の不均質イオン交換膜を得た。この膜
の平均空孔率は1.5%であり、水の透水量は、2x1
-43純水/hr/m2膜面積/100kPaであっ
た。この膜を室温で純水中に戻し、膜の抵抗を測定する
と、25Ω・cm 2であった。静的輸率は95%であっ
た。また、引っ張り強度は、3.0x106N/m2であ
った。
【0027】
【比較例1】実施例1と同じイオン交換容量が乾燥樹脂
1gあたり4ミリ当量の市販の陽イオン交換樹脂を熱風
乾燥機で60℃で24時間乾燥後、真空乾燥機で40℃
で10時間乾燥した。この乾燥したイオン交換樹脂をサ
ンプルミルで粉砕し、100メッシュの篩をパスした微
粒子を得た。このイオン交換樹脂の微粒子6gに、ペレ
ット状の低密度ポリエチレン(L1880E:旭化成社
製、メルトインデックス=8.0、融点107℃)の4
gをラボプラストミルで、134℃で20分間混練りし
た。この混練りした樹脂を厚さ500μmのアルミの型
枠内に入れ、130℃、プレス面圧0.5MPaで1分
プレス成形してシート状の不均質イオン交換膜を得た。
この膜の平均空孔率は0.3%であり、水の透水量は、
1x10 -53純水/hr/m2膜面積/100kPaで
あった。この膜を室温で純水中に戻し、膜の抵抗を測定
すると、100Ω・cm2であった。静的輸率は97%
であった。また、引っ張り強度は、2.4x106N/
2であった。
【0028】
【比較例2】実施例1と同じイオン交換樹脂の微粒子6
gとバインダー粉末として高密度ポリエチレン粉末(S
H800:旭化成社製、平均分子量25万、メルトイン
デックス=0.08、融点135℃、平均粒子経100
μm)4gを3分間機械的に混合した。この混合粉末を
厚さ500μmのアルミの型枠内に入れ、155℃でプ
レス面圧0.3MPaで1分プレス成形したが、成型品
は非常に脆く、シート状の不均質イオン交換膜は得られ
なかった。
【0029】
【比較例3】実施例1と同じイオン交換樹脂の微粒子6
gとバインダー粉末として高密度ポリエチレン粉末(S
H800:旭化成社製、平均分子量25万、メルトイン
デックス=0.08、融点135℃、平均粒子経100
μm)4gを3分間機械的に混合した。この混合粉末を
厚さ500μmのアルミの型枠内に入れ、200℃でプ
レス面圧10MPaで1分プレス成形してシート状の不
均質イオン交換膜をえた。この膜の平均空孔率は0.3
%であり、水の透水量は、1x10-53純水/hr/
2膜面積/100kPaであった。この膜を室温で純
水中に戻し、膜の抵抗を測定すると、35Ω・cm2
あった。静的輸率は95%であった。また、引っ張り強
度は、4.5x106N/m2であった。
【0030】
【発明の効果】本発明の不均質イオン交換膜は、膜の電
気抵抗を低く保ちながらも、イオン選択性に優れる。そ
の製造法は、複雑な製造工程なしに簡単にしかも低コス
トである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA14 AA15 AA16 AA22X AA88 AD02 AF09Y AH02 BA01 BB03 BC01 BC12 FB08 FC09 4J002 AC08Y AC09Y BB00W BB03W BB06W BB12W BB15Y BB22W BB24Y BC04X FA08X GD01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン交換樹脂の微粒子およびポリオレ
    フィン系のバインダーを含み、平均空孔率が0.5〜5
    %であることを特徴とする、多孔性不均質イオン交換
    膜。
  2. 【請求項2】 膜厚が10〜1000μmであって、2
    5℃における水の透過量が、7.5x10-43純水/
    hr/m2膜面積/100kPa以下であることを特徴
    とする、請求項1記載の多孔性不均質イオン交換膜。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン系バインダーのメルトイ
    ンデックスが0.5以下であることを特徴とする、請求
    項2記載の多孔性不均質イオン交換膜。
  4. 【請求項4】 イオン交換樹脂の微粒子およびポリオレ
    フィン系樹脂の微粒子をポリオレフィン系樹脂の微粒子
    の融点以下の温度であらかじめ混合し、ポリオレフィン
    系樹脂の融点以上の温度で加熱加圧プレスすることを特
    徴とする、多孔性不均質イオン交換膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 プレス温度がポリオレフィン系樹脂の融
    点より1〜40℃高く、かつプレス圧力が、1MPa以
    上であることを特徴とする、請求項4記載の多孔性不均
    質イオン交換膜の製造方法。
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