JPH0746072B2 - 光ファイバ後方散乱光の受信信号処理方法 - Google Patents

光ファイバ後方散乱光の受信信号処理方法

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JPH0746072B2
JPH0746072B2 JP63056394A JP5639488A JPH0746072B2 JP H0746072 B2 JPH0746072 B2 JP H0746072B2 JP 63056394 A JP63056394 A JP 63056394A JP 5639488 A JP5639488 A JP 5639488A JP H0746072 B2 JPH0746072 B2 JP H0746072B2
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信一 土屋
輝明 筒井
哲 山本
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    • G01M11/3109Reflectometers detecting the back-scattered light in the time-domain, e.g. OTDR
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は光ファイバ後方散乱光の時分割受信信号の処理
方法に関するものである。
[従来の技術] 光ファイバに光パルスを入射し光ファイバからの後方散
乱光を検出して、光ファイバの損失,断芯,局部歪・温
度・湿度等の外部要因などを検知するためにOptical Ti
me Domain Reflectometry(OTDR)手法が用いられてい
る。光ファイバには元来種々の散乱と損失が生じてお
り、OTDR手法では、入射端に戻ってくる入射パルス光に
対する後方散乱光の時間変化を知れば、ある時間での光
量が光ファイバのある位置での散乱光に対応することを
利用している。
ある位置へ到達した光パルスに単純に比例して後方への
散乱光が発生し、これが入射端へ戻ってくる場合には、
2点間での(2時刻間での)後方散乱光の比率を知るこ
とによってその区間での光ファイバの損失を知ることが
できる。また、光ファイバが断芯したり、歪を受けてい
る場合にはその位置に対応した時間までは光ファイバの
損失に対応した後方散乱光が観測され、それ以降では断
芯部や歪部の大きい損失分を含む微弱(微弱過ぎて検出
不可能の場合もある)な後方散乱光しか検出されないた
め、大きい段差を生じる。この段差を生じるまでの時間
が断芯または歪位置に対応する。なお、断芯部では断面
でのフレネル反射による極端な光強度の変化も観測され
る。
一方、光ファイバの温度変化等は散乱光を変化させる外
部要因となり、その部分での後方散乱光強度が変化する
ので、入射した光パルスに対して戻ってくる後方散乱光
の時間変化の一部が変化する。光ファイバの温度変化等
の外部要因による損失は微弱ではあるが、外部要因と後
方散乱光の相関性を把握しておけば光ファイバ上の外部
要因の大きさと位置を知ることができ、分布型センサと
して使用できる。
このようにOTDR手法は光ファイバの長さ方向の種々の情
報を得るのに便利な方法であり、多くの分野で使用され
ているが、特に分布型センサとしての応用分野が拡大す
るにつれ、位置及び変化量の検出精度を高めることが要
請されるようになった。このため、既に多くの工夫がな
されている。
位置精度に関しては入射パレス光の時間幅をできる限り
小さくすることにより、測定される後方散乱光の時間変
化のある時間での値が、極力ある位置での変化に対応す
るようにすることが進められている。パルス光の時間幅
が大きいとある時間での値は、ある位置にパルス光の先
頭が到達することによる後方散乱光とその手前の位置に
パルス光の継続部分が到達することによる後方散乱光と
が重なったものとなるため位置,変化量ともに誤差を含
むことになる。
一方、入射パルス光の時間幅を小さくすると、ある位置
での後方散乱光の量が減少するので、外部変化の検知精
度が低下する。これを防止するため、入射パルス光の光
強度を大きくしたり、受光装置を高感度にすることが実
施されている。
また、単一パルス光に対する後方散乱光には発光,受
光,増幅回路でのランダムな雑音が含まれ、これが精度
を低下させることになる。このため、多数回の入射パル
スに対する応答信号の平均化処理を採用することによ
り、ランダム雑音の影響を軽減することも行なわれてい
る。この場合、信号のデジタル処理技術が活用されてお
り、入射パルス光等を時間の基準としてその後に戻って
くる後方散乱光をある時間毎にサンプリングしてA/D変
換し、信号の時系列をつくり、平均化処理を行ってい
る。
[発明が解決しようとする課題] 上述の高精度化対策により、以前に比してOTDRによる検
出,計測の精度は向上した。しかし、まだ、入射パルス
光の時間幅や波形とサンプリング時間幅あるいは外部変
化の範囲等との関連で、みかけの精度(分解能)の向上
に比べ、実質的な精度(位置,変化量の精度)は向上し
ないという問題が残っている。その例を第6図に示す。
同図において、tは時間変数、xは位置変数、pは光強
度変数、sは外部変化の大きさである。
入射パルス光は第6図(a)に示すような波形で時間幅
τであるとする。また、外部変化を第6図(b)のよう
に位置mの所から距離lの領域m〜m+lの範囲で大き
さSであるとする。外部変化以外の光ファイバが元来持
っている散乱損失を除外して考えると、得られる後方散
乱光の波形(時間変化)は第6図(c)となる。なお、
Vは光ファイバ内での光速である。これをサンプリング
時間幅Δtでサンプリングし、時間→位置変換すると、
後方散乱光から検知できる外部変化は第6図(d)とな
る。変化量の値P′とSは予め転正されている。
第6図(b)と(d)を比較すると、位置情報について
は、最大±τ・V/2、また、外部変化の量については最
大±Sの誤差を生じている。今仮りにτ/Δt=10、サ
ンプリング時のpまたはsの精度をS/10とすると、公称
の誤差はΔt(距離概算でΔt・V/2)、S/10となる
が、実際には夫々10倍大きい誤差を持つことになる。
本発明の目的は前記した従来技術の問題点を解決し、OT
DR手法の実際の誤差を更に小さくする光ファイバ後方散
乱光の受信信号処理方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明の光ファイバ後方散乱光の受信信号処理方法は、
光ファイバに入射したパルス入射光に対する後方散乱光
の時間変化を求め、Δt時間間隔のサンプリングを行な
い、これを多数回繰り返して平均化処理及び演算処理を
行なって時系列データを得、時間変化を位置変化に換算
することにより光ファイバの長さ方向の各種の外部変化
を求める光ファイバ後方散乱光の受信信号の処理におい
て、上記で得られたΔt時間毎の一連のN個の時系列デ
ータ群がDNであり、予め上記光ファイバの一部に長さL
=Δt・V/2(Vは光ファイバ中の光の速度)にのみ所
定の外部変化を与えた場合の後方散乱光に基づく時系列
データを基準応答信号とするn個のデータ群がBnのと
き、DNの第1番データとBnの第1番データとの値が等し
くなるようにBnを換算したデータ群B′nをつくり、Dn
の最初のn個のデータから夫々順序を対応させてB′n
のn個のデータを差し引き、[Dnのi番データ−B′n
のi番データ](i=2,・・・n)からなるN−1個の
データ群D′N-1をつくり、このデータ群D′N-1を新た
なデータ群DNとして再びデータ群D′N-1とデータ群Bn
により上記演算を繰り返すことにより、DN,D′N-1,D′
N-2,・・・を求め、それぞれの第1番データによるデ
ータ群ENをつくり、このN個のデータ群ENとデータ群Bn
の第1番データとから各位置での外部変化の量を求める
ものである。
また、上記基準応答信号を求めるに際し、所定の外部変
化を与える位置を±L/2の範囲で、あるいはサンプリン
グのタイミングを±Δt/2の範囲で変化させて得られる
複数の応答信号群のうち、第1サンプリング値が最大と
なる応答信号群を基準応答信号とするのがよい。
更に、入射パルス光を基準とするサンプリングタイミン
グをサンプリング時間幅Δt内で所定量ずらした状態で
受信,サンプリング,平均化処理等を行なって各位置で
の外部変化を求め、等価的にサンプリング時間幅Δtを
小さくすることもできる。
[作用] 現状のOTDR方式は、後方散乱光をサンプリングし、多重
平均化処理をとり入れている。このサンプリング処理に
着目して本発明は成り立っている。
入射パルス光の波形は極力時間幅の狭い矩形波が望まし
いが、現実には駆動回路等の時定数などにより、第2図
(a)のような波頭,波尾のなまった波形となる。
また、外部変化は連続して変化しながら加えられる場合
が多く、例えば第2図(b)のような分布として加えら
れる。
第2図(a),(b)により後方散乱光が発生し、これ
は光速で伝播し、ある時間後に順次入射端に戻り、検出
される。このとき、時間幅Δtでサンプリングして受光
信号の時系列を得る(第2図(c))。このサンプリン
グ時間幅Δtを考慮し、時間変数はΔt、位置変数はΔ
x=Δt・V/2でサンプリングされるものとして全ての
現象を考えることができる。即ち、第2図(a),
(b)は夫々第2図(d),(e)から成っており、後
方散乱光(第2図(c)参照)は最初に入射光のI1が外
部変化のJ1により約2m/V後にK1として戻る。次の受光信
号K2は更にΔt時間後に、入射光I1が外部変化J2で散乱
したものK21と、入射光I2が外部変化J1で散乱したものK
12が重畳されたものなる。以下、K3はK31,K22,K13
重畳というように続く。
そして、得られたK1,K2・・・KnからJ1,J2・・・Jlを
知ることが必要となる。先の第6図の例において実際の
誤差が大きくなったのは、KiがKijの重畳であることを
考えていないためである。これを考慮してKiからJiをよ
り正確に知るには以下の方法をとれば良い。
まず第一は、得られた任意の受信信号の時系列、先の例
ではK1,K2・・・を、入射パルス光と外部変化との組み
合わせ要素Kijに分解することである。その手順を第3
図の例を用いて説明する。今、後方散乱光を受信,増幅
し、Δt時間毎でサンプリングした受信信号時系列Dnが
第1図(a)である場合を考える。また、既知の一定の
外部変化Scを光ファイバ中のL=Δt・V/2区間に与え
たときの受信信号を基準応答信号B5(第1図(b))と
し、その大きさがa1,a2,a3,a4,a5であるとする。Dn
の第1番データK1とB5の第1番データa1との値が等しく
なるように、B5の各データにK1/a1をかける。即ちa1
K1/a1(=K11),a2・K1/a1(=K12),a3・K1/a
1(=K13),a4・K1/a1(=K14),a5・K1/a1(=
K15)からなるデータ群B′5をつくる。そして、り、こ
れらを夫々Dnの各受信信号K1,K2,K3,K4,K5から差し
引き、K2−K12(=K21),K3−K13,K4−K14,K5
K15,K6・・・からなる新たな時系列D′n-1をつくる。
D′n-1は第1図(C)の実線のようになる。
次にはこの新たな時系列D′n-1の第1番データのK2−K
12とB5の第1番データa1が等しくなるB5を換算したデー
タ群、(K2−K12)a1/a1(=K21),(K2−K12)a2/a
1(=K22),(K2−K12)a3/a1(=K23),(K2
K12)a4/a1(=K24),(K2−K12)a5/a1(=K25)を
作り、これを新たな時系列D′n-1から差し引き、更に
新しい時系列D′n-2をつくる。これが第1図(c)の
破線に示されている。
以下、次々とこれを繰り返し当初の時系列(第1図
(a)の最終サンプリング値まで処理する。なお、入射
パルス光が矩形波の場合にはa1=a2=・・・=a5となる
ので上記処理は簡単となる。
以上の操作により新たに夫々の時系列のDn,D′n-1,D′
n-2,・・・D′1の先頭値に相当するK11,K21,K31
・・・Kn1が得られる。これらの値は外部変化J1,J2
・・Jnに対応する後方散乱光を示すものであるが、その
位置までの往復の減衰が入っている。そこで、Ki1(i
=1〜n)に対しexp[−α・i・Δt](但し、αは
減衰係数)の減衰項を補正する。更に先に求めたScと基
準応答信号の第1サンプリング値a1との関係を用いて、
光量信号を外部変化に置きかえる。このようにして得ら
れるK′11,K′21,K′31,・・・K′n1は外部変化J1
J2,J3・・・Jnを表示するものとなる。(第1図
(d))。
なお、Scとa1との関係をxの変数として求めておけば上
記の補正はより単純となる。また、これら分解のための
演算や種々の補正はその処理の意味を保つかぎり、いず
れの順序で行ってもよい。
従来の方法では位置情報の誤差が±τ・V/2(第6図
(d)参照)であったものが、この手法を用いることに
より位置情報の誤差が、サンプリングタイミング分によ
る±Δt・V/2に減少しており、また、外部変化の量に
ついては明確な誤差は生じていない。但しこの手法だけ
では、光−電気信号変換,増幅回路等の誤差,サンプリ
ング処理に伴う誤差及び雑音等は残留する。
以上の方法により、外部変化を小さい誤差で求めること
が可能となるが、入射パルスの波形が矩形から離れるに
つれて誤差は大きくなる傾向にある。このような場合、
以下の方法によりこれを防止できる。
まず、何故誤差が大きくなる傾向にあるかを第3図を用
いて説明する。前述のように既知の一定の外部変化Scを
光ファイバの一部、L=Δt・V/2区間に与えたとき、
入射パルス光(第3図(a))によって戻ってくる後方
散乱光(第3図(b)〜(d)の細線)を処理してサン
プリングデータとして扱うことになるが、同じΔt間隔
のサンプリングであってもサンプリングのタイミングに
より得られるデータは第3図(b),(c),(d)の
太線の如く異なった波形となる。
第3図の(b)を基準応答信号として取扱う場合には前
述の引き算及び外部変化への換算処理は全てPcが基準と
なる。一方、第3図の(c)を基準応答信号とすると、
P′cが基準となる。理想状態ではこのいずれを採用し
ても結果に大きい差は生じないが、現実には光ファイバ
本来、あるいは発光・受光回路、増幅演算回路で雑音が
生じ、後方散乱光にこれが重畳している。従ってこのよ
うなランダム雑音が同一レベルにあるとすれば、Pc>
P′cであるため、相対的にはP′cの場合の方が誤差
が大となり、これを基に求めて第1図(c),(d)等
の誤差は、Pcを用いた場合の第1図(c),(d)の誤
差よりも大きくなるのは当然である。そして、入射パル
ス光の先頭部が矩形から離れてゆがむにつれてP′cは
小さくなる可能性が大となり、外部変化測定上の誤差が
大となる可能性が大きくなる。
また、Scとa1を光ファイバの長さ方向位置xで求め、予
め光ファイバ本来の減衰を含めた形で関係づけようとし
ても、ある位置の場合には第3図(b)相当が、ある位
置では第3図(c)相当が得られることがあり、Scとa1
の関係をxにより求めておくことができない。
即ち、Pcは極力大きく、且つ、ファイバ中のどの位置で
求めても後方散乱光波形の同じサンプリングタイミング
での値となるようにしなければならない。
そこで、外部変化ScをL=Δt・V/2区間に与えると
き、その与える位置を±L/2の範囲内で変えるか、ある
いはサンプリングタイミングを±Δt/2の範囲で変える
かして受信信号を求めると、強制的に第3図(b)〜
(d)等を求めることになるので、このうち雑音分を考
慮して有意なサンプリング第1番目の値が最大となる状
態の受信信号を基準応答信号とすれば、その後の処理を
含めて誤差を最小とすることが可能となる。
外部変化を与える位置或はサンプリングタイミングを夫
々上述の±L/2,±Δt/2の範囲以上に変えてもサンプリ
ングが一区分移るのみであり、とくに有効とはならない
が、あえて行ない、第1サンプリング値が最大となる状
態を見出しても良い。但しこの場合には、光ファイバ中
の減衰を考慮しておく必要がある。また、光ファイバ全
長で大きく位置を変えて何ケ所かで第1サンプリング値
最大をみつけることを繰り返し、Scとa1の関係を位置x
の関数で求めておけば第1図の例で示した演算処理を簡
易とすることができる。
なお、光ファイバの入口端或は出口端近くでは端面のフ
レネル反射等の影響が大きいため、基準応答信号を求め
る場合の外部変化を与える位置はこの影響のない部分を
選ぶ必要のあることは言うまでもない。
以上の方法により後方散乱光による外部変化の検出の精
度は向上するが、まだ光ファイバ及び回路に発生する雑
音による誤差並びにサンプリングに伴う誤差は残る。前
者に対しては入射パルス光の時間幅縮小,光量増加,受
光感度増加,増幅演算回路の低雑音,安定化等従来の改
良方法を進める必要がある。後者に対しては前記の新手
法を導入すると共に後方散乱光受信,サンプリング,平
均化処理の一連の処理を、サンプリング時間Δt内でサ
ンプリングタイミングを順次変化させて行なうことによ
り、等価的にサンプリング間隔を縮めることができる。
このようにしてサンプリングに伴う誤差を減少させるこ
とが可能となる。
[実施例] 第4図,第5図はOTDRを用いて、光ファイバケーブルに
温度上昇が分布状に加わったときの温度測定の一実施例
を示す。
第4図に示す安定化駆動電源1により、発光素子2をパ
ルス状に発光させる。この発光波形は第5図(a)であ
る。光ファイバケーブル3に入射された光は途中で後方
散乱光を発しつつ伝播し、終端部から空間へと放射され
る。後方散乱光は光方向性結合器4により分離され、受
光増幅回路5へと導かれる。一方、安定化駆動電源1か
らの同期信号により、受光波形はサンプリングされ、2
16回のパルス入射に対して平均化処理(サンプリング・
平均化処理回路6)され、ディスプレイ7に表示され
る。
布設後の光ファイバケーブル3の一部を加熱した時に測
定された後方散乱光波形は第5図(b)である。なお、
第5図(b)は、横軸にx=t・V/2で換算した距離
を、縦軸に比率換算(dB)した光の強度をとっている。
入射パルス光の幅τは100nS(第5図(a)参照)であ
る。またサンプリング時間幅Δtを10nSとした。
予め測定しておいた外温がまったく加わらぬ同一ロット
ファイバのOTDR波形から本光ファイバケーブルの減衰係
数はα=3.1dB/Kmであることが判明している。これを補
正し、且つ第5図(b)のA部付近を拡大してpとxの
関係として示したものが第5図(c)である。
本光ファイバ中の光伝播速度Vが0.2m/nSであるので、
光ファイバのほぼ中央にL=Δt・V/2=10×0.2/2=1m
の区間を100℃に加熱し、加熱位置を±0.5mの範囲で変
化させて求めた第1発目サンプリング値が最大(Pc)と
なる基準応答信号は第5図(d)である。また、この場
合には加熱温度を変化させて測定することにより対象と
する測定温度範囲内でPcと温度は比例することを確認し
た。
この基準応答信号を基に第5図(c)から次々と引き算
を行ない得られたデータを最終的に温度に換算したもの
が第5図(e)の階段状実線である。一方、同図には従
来の受信信号そのものをサンプリングした結果から求め
た温度分布を破線で示した。なお、この場合には入射パ
ルス光幅τに相当した距離(100×0.2/2=10m)よりも
十分長い区間を100℃に加熱し、第6図(d)の平坦部
に相当する受信光強度が100℃であるとして換算した。
第5図(e)中に曲線で示した実際の温度分布と比較す
ると、新手法は極めて誤差が小さいことが明らかであ
る。
更に、サンプリングのタイミングをΔt内で変化させて
同じ手法を繰り返すことにより、第6図(e)の実線の
階段状の測定結果の階段部を次第に小さくし、実際の温
度分布の曲線に漸近させることができた。
以上の例は損失分が少なく後方散乱光を検出する場合の
一つとして温度分布測定を対象としたものであるが、そ
の他、光ファイバの曲がり、ねじれあるいは外側からの
応力等による歪の場合のように外部要因による損失が後
方散乱光に対し無視できなくなるとか、後方散乱光の方
が少なく損失を検出する場合にも本発明の手法を適用で
きる。その場合には基準応答信号を決定する場合に損失
分による後方散乱光量の減衰を含めれば良い。これによ
り曲り,ねじれ,外圧等の位置乃至はその度合を高精度
で求めることが可能となる。
また、断芯の場合には断芯に対する(一点)基準応答信
号を決定しておき、これを用いることにより、断芯の位
置測定精度を高めることができる。
また、ストークス光とアンティストークス光の比率を用
いて光ファイバに沿った温度を求めるような場合には、
基準応答信号をこの比率によって求め、また得られた後
方散乱光の比率に相当する時系列に対し同様の手法を適
用することにより目的は達せられる。
[発明の効果] 本発明により、従来とは基本的に同一の発光・受光素
子,駆動回路及びサンプリング,平均化処理回路を用い
ても、OTDRの測定精度を高めることが可能となり、光フ
ァイバの損失や外部要因のより正確な分布状況を容易且
つ経済的に検出し計測することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の受信信号の処理による後方散乱光の分
解とその結果による時間的,空間的重なりのない信号を
求める手法の原理を示す図、第2図はサンプリング処理
を前提とし、入射光と外部変化部の時間的,空間的重な
りにより後方散乱光が戻ってくることを説明する図、第
3図はサンプリングタイミングにより同じ外部変化条件
でも得られる基準応答信号に差が生じることを示す図、
第4図はOTDRによる外部変化検出の基本構成を示す図、
第5図は本発明の一実施例を信号処理の流れとして示し
た図、第6図は入射パルス光により、外部変化に対して
戻ってくる後方散乱光の波形とこれをサンプリングした
受信信号の例を示す図である。 図中、1は安定化駆動電源、2は発光素子、3は光ファ
イバ、4は光方向性結合器、5は受光増幅回路、6はサ
ンプリング・平均化処理回路、7は検出結果表示装置、
τは入射光パルス幅、Vは光ファイバ中の光伝播速度、
Δtはサンプリング時間間隔、pは光量を示す変数、t
は時間を示す変数、xは位置を示す変数である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 筒井 輝明 茨木県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社電線研究所内 (72)発明者 山本 哲 茨木県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社電線研究所内 (72)発明者 笹原 久一 茨木県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社電線研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ファイバに入射したパルス入射光に対す
    る後方散乱光の時間変化を求め、Δt時間間隔のサンプ
    リングを行ない、これを多数回繰り返して平均化処理及
    び演算処理を行なって時系列データを得、時間変化を位
    置変化に換算することにより光ファイバの長さ方向の各
    種の外部変化を求める光ファイバ後方散乱光の受信信号
    の処理において、上記で得られたΔt時間毎の一連のN
    個の時系列データ群がDNであり、予め上記光ファイバの
    一部に長さL=Δt・V/2(Vは光ファイバ中の光の速
    度)にのみ所定の外部変化を与えた場合の後方散乱光に
    基づく時系列データを基準応答信号とするn個のデータ
    群がBnのとき、DNの第1番データとBnの第1番データと
    の値が等しくなるようにBnを換算したデータ群B′nを
    つくり、Dnの最初のn個のデータから夫々順序を対応さ
    せてB′nのn個のデータを差し引き、[Dnのi番デー
    タ−B′nのi番データ](i=2,・・・n)からなる
    N−1個のデータ群D′N-1をつくり、このデータ群
    D′N-1を新たなデータ群DNとして再びデータ群D′N-1
    とデータ群Bnにより上記演算を繰り返すことにより、
    DN,D′N-1,D′N-2,・・・を求め、それぞれの第1番デ
    ータによるデータ群ENをつくり、このN個のデータ群EN
    とデータ群Bnの第1番データとから各位置での外部変化
    の量を求めることを特徴とする光ファイバ後方散乱光の
    受信信号処理方法。
  2. 【請求項2】上記基準応答信号を求めるに際し、所定の
    外部変化を与える位置を±L/2の範囲で、あるいはサン
    プリングのタイミングを±Δt/2の範囲で変化させて得
    られる複数の応答信号群のうち、第1サンプリング値が
    最大となる応答信号群を基準応答信号とすることを特徴
    とした請求項1記載の受信信号処理方法。
  3. 【請求項3】上記入射パルス光を基準とするサンプリン
    グタイミングをサンプリング時間幅Δt内で所定量ずら
    した状態で受信,サンプリング,平均化処理等を行なっ
    て各位置での外部変化を求め、等価的にサンプリング時
    間幅Δtを小さくしたことを特徴とする請求項1または
    2記載の受信信号処理方法。
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