JP6694923B2 - 温度測定装置および温度測定方法 - Google Patents
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Description
間隔を空けて列状に並ぶ複数の被測定物に沿って敷設される光ファイバケーブルと、
前記光ファイバケーブルに入射したパルス光に応じて得られる戻り光に基づいて、前記光ファイバケーブルの延在方向を所定のサンプリング分解能で分割した測定区間毎に各測定区間の温度情報を取得するとともに、前記測定区間が前記被測定物に対応する検出対象区間と前記間隔に対応する非検出区間とを含むように前記サンプリング分解能が設定されている温度分布測定部と、
前記検出対象区間の温度情報と前記非検出区間の温度情報とに基づいて、前記被測定物の温度上昇を検出する温度上昇検出部と、
を備える温度測定装置が提供される。
間隔を空けて列状に並ぶ複数の被測定物に沿って光ファイバケーブルを敷設する工程と、
前記光ファイバケーブルに入射したパルス光に応じて得られる戻り光に基づいて、前記光ファイバケーブルの延在方向を所定のサンプリング分解能で分割した測定区間毎に各測定区間の温度情報を取得するとともに、前記測定区間が前記被測定物に対応する検出対象区間と前記間隔に対応する非検出区間とを含むように前記サンプリング分解能を設定しておく工程と、
前記検出対象区間の温度情報と前記非検出区間の温度情報とに基づいて、前記被測定物の温度上昇を検出する工程と、
を備える温度測定方法が提供される。
まず、本願の発明者が得た知見について説明する。
(1)温度測定装置の構成
続いて、本発明の一実施形態に係る温度測定装置の構成例について説明する。
図1は、本実施形態に係る温度測定装置の構成例を模式的に示す説明図である。
ベルトコンベア1は、石炭が載せられる行き側のベルト2もしくは戻り側のベルト2と、そのベルト2を移動可能に支持する複数のローラ3と、各ローラ3を支持する支持部材4と、を備えて構成されている。複数のローラ3は、ベルト2の搬送方向に沿って、間隔を空けて列状に並ぶように配置されている。各ローラ3の配置間隔は、ベルト支持の適切化を図りつつ、ローラ数の増大を抑制すべく、例えば1m〜1.5m間隔に設定されている。
被測定物となる各ローラ3の温度上昇を検出するために、温度測定装置10は、光ファイバケーブル11と、温度分布測定部12と、データ処理部13と、を備えて構成されている。
光ファイバケーブル11は、ベルトコンベア1における各ローラ3に沿って敷設されている。さらに詳しくは、光ファイバケーブル11は、各ローラ3の近傍を順に通過するように、1本のみが配置されている。したがって、複数本の光ファイバケーブルを配置したり(ケーブル敷設の冗長化)、光ファイバケーブルをローラ近傍でコイル状に周回させたり(ケーブル敷設の複雑化)する必要がないので、光ファイバケーブル11の敷設の容易化が図れ、敷設工事の手間やコスト上昇等を抑制することができる。
温度分布測定部12は、光ファイバケーブル11を利用した温度測定を行うもので、いわゆる光ファイバ温度分布計測装置や光ファイバ温度センサ装置等の主要部を構成するものである。さらに詳しくは、温度分布測定部12は、光ファイバケーブル11にパルス光を入射し、そのパルス光に応じて得られる戻り光(ラマン散乱光)に基づいて、温度情報(例えば温度値)を得るものである。温度測定の原理は、既述のとおりである。したがって、温度分布測定部12は、光ファイバケーブル11の延在方向を所定のサンプリング分解能で分割した測定区間20毎に、各測定区間20の温度情報を取得することができる。
データ処理部13は、温度分布測定部12で取得した温度情報について所定のデータ処理を行うもので、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の組み合わせからなる演算部、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置、外部インタフェース等のデータ入出力部といったハードウエア資源を備えて構成されている。つまり、データ処理部13は、コンピュータ装置としてのハードウエア資源を備えて構成されており、記憶装置に記憶されたプログラムを演算部が実行することにより、そのプログラム(ソフトウエア)とハードウエア資源とが協働して、所定のデータ処理を行うようになっている。さらに詳しくは、データ処理部13は、演算部がプログラムを実行することにより、温度上昇検出部13a、異常判定部13b、距離補正部13cおよびデータ記憶部13dとして機能するようになっている。
温度上昇検出部13aは、温度分布測定部12で取得した温度情報に基づいて、被測定物であるローラ3の温度上昇を検出する。さらに詳しくは、温度上昇検出部13aは、検出対象区間21についての温度情報と、非検出区間22についての温度情報とに基づいて、ローラ3の温度上昇を検出するようになっている。なお、温度上昇の検出手順については、詳細を後述する。
異常判定部13bは、温度上昇検出部13aによる検出結果を所定の閾値と比較し、その比較結果に基づいて、被測定物であるローラ3について異常発生の有無を判定する。なお、異常発生有無の判定手順については、詳細を後述する。
距離補正部13cは、被測定物であるローラ3と光ファイバケーブル11との離間距離に応じて、温度分布測定部12で取得した温度情報または異常判定部13bが用いる閾値の少なくとも一方に対する補正処理を行う。なお、補正処理の詳細については、後述する。
データ記憶部13dは、データ処理部13でのデータ処理に必要となる各種情報を、所定の記憶領域を用いて記憶保持する。データ記憶部13dで記憶保持する各種情報には、温度分布測定部12での取得済みの温度情報(すなわち過去のデータに相当する温度情報)が含まれているものとする。つまり、データ記憶部13dは、少なくとも、取得済みの温度情報を過去データとして記憶保持するようになっている。
次に、上述した構成の温度測定装置10を用いて温度測定を行う場合の手順、すなわち本実施形態に係る温度測定方法の手順について説明する。
温度測定装置10を用いて温度測定を行う場合には、まず、ベルトコンベア1の各ローラ3に沿うように光ファイバケーブル11を敷設する工程を行う。この工程では、ケーブル敷設の冗長化や複雑化等の必要がないので、光ファイバケーブル11の敷設の容易化が図れ、敷設工事の手間やコスト上昇等を抑制することができる。また、光ファイバケーブル11を敷設したら、各ローラ3毎に、当該ローラと光ファイバケーブル11との離間距離の値を特定し、その値をデータ処理部13のデータ記憶部13dにより記憶保持しておくと、後述するように離間距離に応じた補正処理を行うことができる。
ところで、上述したように、温度情報を取得する工程においては、検出対象区間21の温度情報と非検出区間22の温度情報とを取得する。そのために、各測定区間20は、検出対象区間21と非検出区間22とを含むべく、各ローラ3の配置間隔よりも小さいサイズに画定されている。各測定区間20のサイズが各ローラ3の配置間隔と同等であると、非検出区間22を確保できないからである。
図2は、本実施形態に係るサンプリング分解能の設定例を示す説明図である。
そして、まず、第1のタイミングでパルス光の入射および戻り光(ラマン散乱光)の取得を行い、その戻り光に基づいて各測定区間の温度情報を取得する。取得した温度情報は、例えばデータ処理部13のデータ記憶部13dに記憶保持しておく。
第1のタイミングでの温度情報を取得したら、続いて、第1のタイミングとは異なる第2のタイミングでパルス光の入射および戻り光(ラマン散乱光)の取得を行い、その戻り光に基づいて各測定区間の温度情報を取得する。第2のタイミングは、サイズLを例えばn分割(nは2以上の自然数、その一例としては4分割)したサイズL/nに相当する距離(例えば、L=1m、n=4の場合は0.25m程度)を光が伝搬する時間の分だけ、第1のタイミングからずれたタイミングである。この場合も、取得した温度情報は、例えばデータ処理部13のデータ記憶部13dに記憶保持しておく。
このような処理を、第nのタイミングについて完了するまで行う。例えば、n=4の場合であれば、第2のタイミングからサイズL/4の分ずれた第3のタイミングと、第3のタイミングからサイズL/4の分ずれた第4のタイミングとにおいても、第1のタイミングまたは第2のタイミングの場合と同様に、それぞれのタイミングで温度情報の取得を行い、取得した温度情報を記憶保持しておく。
次に、上述した一連の各工程のうち、各測定区間20の温度情報を取得する工程、各ローラ3の温度上昇を検出する工程、および、各ローラ3における異常発生の有無を判定する工程のそれぞれにおける処理動作について、その一例をさらに詳しく説明する。
なお、以下の説明では、処理動作のステップを「S」と略称する。
各測定区間20の温度情報を取得する工程において、温度分布測定部12は、光ファイバケーブル11からの戻り光(ラマン散乱光)を基に、その光ファイバケーブル11における温度分布を演算によって求める。これにより、温度分布測定部12は、各測定区間20の温度情報を取得することになる。このとき、戻り光の遅延時間から各測定区間20の位置がわかるので、各ローラ3と各測定区間20との位置関係についてもわかるようになる。したがって、各測定区間20の位置がわかれば、各ローラ区間における検出対象区間21および非検出区間22を特定することが可能である。
その後は、各ローラ3の温度上昇を検出する工程において、データ処理部13の温度上昇検出部13aが、各ローラ区間における検出対象区間21についての温度情報を取得する。このとき、検出対象区間21が連続する複数(例えば3区間)の測定区間20によって構成されていれば、温度上昇検出部13aは、各区間の温度情報を比較して最大値を採用する。このようにすれば、例えばローラ3の位置が複数区間の検出対象区間21に跨っている場合であっても、適切な温度情報の取得を行うことができる。
また、温度上昇検出部13aは、各ローラ3の温度上昇を検出する工程において、各ローラ区間における非検出区間22についての温度情報を取得する。このとき、非検出区間22が複数の測定区間20によって構成されていれば、温度上昇検出部13aは、各区間の温度情報の平均値を採用する。このようにすれば、ローラ3の周辺の環境温度についてのノイズ成分等の影響を排除しつつ、適切な温度情報の取得を行うことができる。特に、複数の非検出区間22が検出対象区間21の両隣に位置している場合であれば、例えば光ファイバケーブル11の延在方向に環境温度の温度勾配が生じていても、その影響を排除することが可能となる。
そして、各ローラ区間について検出対象区間21の温度情報と非検出区間22の温度情報とを取得すると、温度上昇検出部13aは、各ローラ3の温度上昇を検出する工程において、それぞれの温度情報の差分を求め、その差分値を温度上昇の検出結果とする。これにより、各ローラ3の温度の測定にあたり、その周辺の環境温度の影響、すなわち気温、風、日射等の環境条件に起因する温度変動の影響を排除することが可能となる。
その後は、各ローラ3における異常発生の有無を判定する工程において、データ処理部13の異常判定部13bが、検出対象区間21の温度情報と非検出区間22の温度情報との差分値の積算を行う。積算は、例えばデータ処理部13のデータ記憶部13dを利用して行えばよい。そして、予め設定されている積算回数(例えば2回〜10回)を超えるまで、上述した各ステップを繰り返し行う。つまり、異常判定部13bは、温度上昇検出部13aによる複数回の検出結果について、これらを積算する処理を所定の演算処理として行う。このように、温度差分を複数回積算する処理を行えば、温度検出精度に起因して、例えば取得した温度情報にばらつきが生じていても、そのばらつきによる悪影響を排除することが可能となる。したがって、例えば、微小な温度上昇(例えば3℃程度)が問題になる場合であっても、その温度上昇を適切に検出できるようになる。
そして、予め設定されている積算回数を超えたら、異常判定部13bは、各ローラ3における異常発生の有無を判定する工程において、温度差分の積算結果を所定の閾値と比較する。このとき、異常判定部13bが用いる閾値については、後述するように、各ローラ3毎に特定している離間距離の値に基づく補正処理を行うようにしてもよい。
閾値との比較の結果、積算結果が閾値を超えていれば、異常判定部13bは、閾値を超える温度上昇が生じていると判断し、その温度上昇が生じているローラ区間に位置するローラ3に異常が発生していると判定する。そして、異常判定部13bは、その旨の判定結果を、例えばデータ処理部13のデータ入出力部を通じて外部に出力する。したがって、その出力内容を認識することで、ローラ異常を早期に検出すること可能となり、その結果として火災発生を未然に防止できるようになる。
ところで、上述したように、各ローラ3の異常判定にあたっては、その異常判定に用いる閾値について、各ローラ3毎に特定している離間距離の値に基づく補正処理を行うようにしてもよい。
補正処理は、以下のような手順で行うことが考えられる。
ここで、上述した処理動作例(図3参照)とは別の処理動作例、すなわち本実施形態における他の処理動作例について説明する。ここでは、主として、上述した処理動作例との相違点について述べる。
その後、温度分布測定部12は、検出対象区間21の温度情報の最大値Tr_max(t,n)について、その温度情報に対応する過去データ(すなわち、同一区間について取得済みの温度情報)をデータ記憶部13dへのアクセスにより読み出し、それぞれの間の差分を上昇温度として算出する。具体的には、まず、同一の検出対象区間21について、m回前(例えば5回前)に取得した最大値Tr_max(t-m,n)と、m+1回前(例えば6回前)に取得した最大値Tr_max(t-(m+1),n)と、m+2回前(例えば7回前)に取得した最大値Tr_max(t-(m+2),n)とを読み出し、これらの平均値Tr_dif(t-m,n)を算出する。mの値は、予め設定されているものとするが、特定の値に限定されることはなく、任意に変更可能である。そして、取得した温度情報の最大値Tr_max(t,n)と、算出した平均値Tr_dif(t-m,n)との差分を算出し、その差分を当該検出対象区間21についての上昇温度Tr_rate(t,n)とする。
また、温度分布測定部12は、非検出区間22についての温度情報の平均値Ta_ave(t,n)について、その温度情報に対応する過去データ(すなわち、同一区間について取得済みの温度情報)をデータ記憶部13dへのアクセスにより読み出し、それぞれの間の差分を上昇温度として算出する。具体的には、まず、同一の非検出区間22について、m回前(例えば5回前)に取得した平均値Ta_ave(t-m,n)と、m+1回前(例えば6回前)に取得した平均値Ta_ave(t-(m+1),n)と、m+2回前(例えば7回前)に取得した平均値Ta_ave(t-(m+2),n)とを読み出し、これらの平均値Ta_dif(t-m,n)を算出する。mの値は、予め設定されているものとするが、特定の値に限定されることはなく、任意に変更可能である。そして、取得した温度情報の平均値Ta_ave(t,n)と、算出した平均値Ta_dif(t-m,n)との差分を算出し、その差分を当該非検出区間22についての上昇温度Ta_rate(t,n)とする。
その後は、各ローラ3における異常発生の有無を判定する工程において、データ処理部13の異常判定部13bが、検出対象区間21の温度情報と非検出区間22の温度情報との差分値を算出する。具体的には、各ローラ区間について、検出対象区間21の上昇温度Tr_rate(t,n)と、非検出区間22の上昇温度Ta_rate(t,n)とについて、それぞれの間の差分を差分温度として算出する。そして、差分温度を算出したら、その算出結果を所定の閾値と比較する。このとき、異常判定部13bが用いる閾値について補正処理を行ってもよいことは、上述した処理動作例の場合と同様である。
閾値との比較の結果、差分温度が閾値を超えていれば、異常判定部13bは、閾値を超える温度上昇が生じていると判断し、その温度上昇が生じているローラ区間に位置するローラ3に異常が発生していると判定する。そして、異常判定部13bは、その旨の判定結果を、例えばデータ処理部13のデータ入出力部を通じて外部に出力する。したがって、その出力内容を認識することで、ローラ異常を早期に検出すること可能となり、その結果として火災発生を未然に防止できるようになる。
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
なお、本実施形態では、主に、異常判定に用いる閾値に対して補正処理を行う場合を例に挙げたが、これに限定されることはなく、例えば温度分布測定部12で取得する温度情報に対して補正処理を行うようにしても構わない。つまり、離間距離に応じた補正処理は、温度情報または閾値の少なくとも一方に対して行うようにすればよい。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
本発明の一態様によれば、
間隔を空けて列状に並ぶ複数の被測定物に沿って敷設される光ファイバケーブルと、
前記光ファイバケーブルに入射したパルス光に応じて得られる戻り光に基づいて、前記光ファイバケーブルの延在方向を所定のサンプリング分解能で分割した測定区間毎に各測定区間の温度情報を取得するとともに、前記測定区間が前記被測定物に対応する検出対象区間と前記間隔に対応する非検出区間とを含むように前記サンプリング分解能が設定されている温度分布測定部と、
前記検出対象区間の温度情報と前記非検出区間の温度情報とに基づいて、前記被測定物の温度上昇を検出する温度上昇検出部と、
を備える温度測定装置が提供される。
好ましくは、
前記サンプリング分解能は、複数の異なるタイミングでの情報取得を利用して設定されている
付記1に記載の温度測定装置が提供される。
好ましくは、
前記温度上昇検出部は、複数の前記検出対象区間の温度情報の最大値と、複数の前記非検出区間の温度情報の平均値とに基づいて、前記被測定物の温度上昇を検出する
付記1または2に記載の温度測定装置が提供される。
好ましくは、
前記温度上昇検出部は、前記被測定物の温度上昇の検出にあたり、前記検出対象区間の両隣に位置する複数の前記非検出区間の温度情報を基にする
付記1から3のいずれか1つに記載の温度測定装置が提供される。
好ましくは、
前記温度上昇検出部による検出結果と所定の閾値との比較結果に基づいて、前記被測定物の異常発生の有無を判定する異常判定部
を備える付記1から4のいずれか1つに記載の温度測定装置が提供される。
好ましくは、
前記異常判定部は、前記温度上昇検出部による複数回の検出結果について所定の演算処理を行い、当該演算処理の結果を前記閾値と比較する
付記5に記載の温度測定装置が提供される。
好ましくは、
前記被測定物と前記光ファイバケーブルとの離間距離に応じて、前記温度情報または前記閾値の少なくとも一方に対する補正処理を行う距離補正部
を備える付記5または6に記載の温度測定装置が提供される。
好ましくは、
前記温度分布測定部での取得済みの前記温度情報を過去データとして記憶保持するデータ記憶部を備え、
前記温度上昇検出部は、前記温度上昇検出部が前記温度情報を取得すると、当該温度情報に対応する前記過去データを前記データ記憶部から読み出し、当該温度情報と前記過去データとの差分の算出結果を用いて前記被測定物の温度上昇を検出する
付記1から7のいずれか1つに記載の温度測定装置が提供される。
本発明の他の態様によれば、
間隔を空けて列状に並ぶ複数の被測定物に沿って光ファイバケーブルを敷設する工程と、
前記光ファイバケーブルに入射したパルス光に応じて得られる戻り光に基づいて、前記光ファイバケーブルの延在方向を所定のサンプリング分解能で分割した測定区間毎に各測定区間の温度情報を取得するとともに、前記測定区間が前記被測定物に対応する検出対象区間と前記間隔に対応する非検出区間とを含むように前記サンプリング分解能を設定しておく工程と、
前記検出対象区間の温度情報と前記非検出区間の温度情報とに基づいて、前記被測定物の温度上昇を検出する工程と、
を備える温度測定方法が提供される。
2 ベルト
3 ローラ(被測定物)
4 支持部材
10 温度測定装置
11 光ファイバケーブル
12 温度分布測定部
13 データ処理部
13a 温度上昇検出部
13b 異常判定部
13c 距離補正部
13d データ記憶部
20 測定区間
21 検出対象区間
22 非検出区間
Claims (8)
- 間隔を空けて列状に並ぶ複数の被測定物に沿って敷設される光ファイバケーブルと、
前記光ファイバケーブルに入射したパルス光に応じて得られる戻り光に基づいて、前記光ファイバケーブルの延在方向を所定のサンプリング分解能で分割した測定区間毎に各測定区間の温度情報を取得するとともに、前記測定区間が前記複数の被測定物の配置間隔よりも小さいサイズに画定され、前記測定区間として前記被測定物に対応する検出対象区間と前記間隔に対応する非検出区間とを含み、前記複数の被測定物が並ぶ方向に沿って当該被測定物毎に区分された各被測定物区間に前記検出対象区間と前記非検出区間とがそれぞれ存在するように、前記サンプリング分解能が設定されている温度分布測定部と、
前記検出対象区間の温度情報と前記非検出区間の温度情報とに基づいて、前記被測定物の温度上昇を検出する温度上昇検出部と、
を備える温度測定装置。 - 前記温度上昇検出部は、複数の前記検出対象区間の温度情報の最大値と、複数の前記非検出区間の温度情報の平均値とに基づいて、前記被測定物の温度上昇を検出する
請求項1に記載の温度測定装置。 - 前記温度上昇検出部は、前記被測定物の温度上昇の検出にあたり、前記検出対象区間の両隣に位置する複数の前記非検出区間の温度情報を基にする
請求項1または2に記載の温度測定装置。 - 前記温度上昇検出部による検出結果と所定の閾値との比較結果に基づいて、前記被測定物の異常発生の有無を判定する異常判定部
を備える請求項1から3のいずれか1項に記載の温度測定装置。 - 前記異常判定部は、前記温度上昇検出部による複数回の検出結果について所定の演算処理を行い、当該演算処理の結果を前記閾値と比較する
請求項4に記載の温度測定装置。 - 前記被測定物と前記光ファイバケーブルとの離間距離に応じて、前記温度情報または前記閾値の少なくとも一方に対する補正処理を行う距離補正部
を備える請求項4または5に記載の温度測定装置。 - 前記温度分布測定部での取得済みの前記温度情報を過去データとして記憶保持するデータ記憶部を備え、
前記温度上昇検出部は、前記温度上昇検出部が前記温度情報を取得すると、当該温度情報に対応する前記過去データを前記データ記憶部から読み出し、当該温度情報と前記過去データとの差分の算出結果を用いて前記被測定物の温度上昇を検出する
請求項1から6のいずれか1項に記載の温度測定装置。 - 間隔を空けて列状に並ぶ複数の被測定物に沿って光ファイバケーブルを敷設する工程と、
前記光ファイバケーブルに入射したパルス光に応じて得られる戻り光に基づいて、前記光ファイバケーブルの延在方向を所定のサンプリング分解能で分割した測定区間毎に各測定区間の温度情報を取得するとともに、前記測定区間が前記複数の被測定物の配置間隔よりも小さいサイズに画定され、前記測定区間として前記被測定物に対応する検出対象区間と前記間隔に対応する非検出区間とを含み、前記複数の被測定物が並ぶ方向に沿って当該被測定物毎に区分された各被測定物区間に前記検出対象区間と前記非検出区間とがそれぞれ存在するように、前記サンプリング分解能を設定しておく工程と、
前記検出対象区間の温度情報と前記非検出区間の温度情報とに基づいて、前記被測定物の温度上昇を検出する工程と、
を備える温度測定方法。
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