JP3167202B2 - 温度測定方法及び装置 - Google Patents

温度測定方法及び装置

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  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光ファイバを温度セ
ンサとして用いた分布温度測定方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバの一端から光パルスを入射す
ると、光ファイバ中を進んだ光パルスは光ファイバの任
意の位置の媒質でレーリ散乱、ブリリアン散乱、ラマン
散乱などの散乱光が発生する。このうちラマン散乱光に
ついて見ると、通常発生するのは自然ラマン散乱光とい
う線形光学効果による散乱光である。一方、入射する光
強度を上げると、誘導ラマン散乱光と呼ばれる非線形光
学効果による散乱光が生じることが知られている。
【0003】上記ラマン散乱光は、後方へ戻ってくる後
方ラマン散乱光が入射端へ遅れて戻ってくる時間を測定
することによって光ファイバのどの位置から戻って来た
かを知ることができる。又、ラマン散乱光は微弱ではあ
るが、その強度は温度に敏感に依存しており、その強度
変化を測定することによって所定位置の温度を測定でき
る。
【0004】かかる従来の温度測定方法は、例えば技術
報告「LD励起固体レーザを用いた分布型温度センサ」
(第5回光波センシング技術研究会、応用物理学会、1
990年5月)や、あるいは特開平1−212326号
公報等に開示されている。上記公報等に開示されている
測定方法は、一般にOTDR(Optical Tim
e Domain Reflectometry)と呼
ばれており、詳細については上記公報等に詳しく示され
ているのでここではその概要を図5を参照して簡単に述
べる。
【0005】図示のように、例えばレーザダイオード等
から成るレーザ光源1を駆動して基準波長の光パルス信
号を送りだして光ファイバセンサ3の入射端に入射し、
光ファイバの長さ方向の各部分で光散乱して入射端へ戻
ってくる後方散乱光を光方向性結合器2により取り出
し、その中から波長の異なる2つのフィルタ4を介して
ラマン散乱光のストークス光と反ストークス光を取り出
して受光素子5、5でそれぞれ電気信号に変換し、受光
信号の時間が表す光ファイバの長さ方向位置毎の分布温
度を上記信号の受光パワーから信号処理回路6で所定の
演算式に基づいて算出し測定するというものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
分布温度の測定方法では、光源のパルス光はラマン散乱
が自然ラマン散乱となる強さの光として入射されるが、
光源のパルス光強度を強くするとあるレベル以上では誘
導ラマン散乱状態となる。自然ラマン散乱は、例えば図
6の(a)、(b)に示すように、ストークス光と反ス
トークス光の光強度を対数軸で縦軸にとり、光ファイバ
センサの長さ距離を横軸にとると、強度レベルは微弱で
あるが距離と共に直線状に変化し、安定した変化を示
す。
【0007】但し、光ファイバが均一で、温度が一様で
あるとする。そして、(c)に示すように、温度が長さ
距離の一部で変化すると、光強度が変化し、その強度の
変化から温度が測定できる。この場合、一般にはストー
クス光を基準としてストークス光と反ストークス光の比
の値を用いるが、反ストークス光の強度だけで測定して
もよい。
【0008】これに対して、誘導ラマン散乱状態では入
射端では強度変化は測定できるが、その強度の変化は距
離と共に大きく変化し不安定であるため、例えば前述の
技術報告書では温度分布測定には応用困難であると述べ
られている。従って、従来の温度測定では上記誘導ラマ
ン散乱が生じないように光パルスの強さを所定レベル以
下に制限して測定する方法が採用されている。
【0009】しかしながら、自然ラマン散乱状態では受
光される後方散乱光が微弱であるため、ノイズが入り易
く、S/N比を向上させるため数万回と繰り返して受光
信号の平均化処理を行って測定精度を確保している。従
って、測定精度の向上が困難であり、測定に時間がかか
り、急激な温度変化を検出するような用途には適さず、
誘導ラマン散乱光を積極的に利用した温度測定法を実施
することができなかった。
【0010】この発明は、上述した従来の自然ラマン状
態で測定する光ファイバにより分布温度の測定をする方
法の問題点に留意して、光ファイバセンサに入射される
光源のパルス光強度を誘導ラマン散乱光が生じるレベル
に設定して後方ラマン散乱光としてこれを積極的に利用
し、誘導ラマン散乱光が安定な範囲内の信号を用いて分
布温度測定をし、光パルス強度が強いため測定時間が短
い温度測定方法及び装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を
解決する手段として、光ファイバの一端からパルスレー
光を入射し、その光ファイバ中で発生するラマン後方
散乱光を時間的にサンプリング測定し、得られたデータ
に演算処理を施して光ファイバにより温度分布を測定す
る温度測定方法において、使用する光源の強度を光ファ
イバ中で発生するラマン後方散乱光が誘導ラマン散乱光
となるレベルに設定し、光ファイバの入射端から光ファ
イバ中で誘導ラマン散乱光の強度がピークに達する距離
位置までの間から戻ってくるラマン散乱光を受光して温
度測定をするようにしたのである。
【0012】上記方法を実施する装置として、レーザ光
源からのレーザ光を光ファイバの一端から入射し、その
光ファイバ中で発生するラマン後方散乱光を受光部で受
光し、これを時間的にサンプリング測定し、得られたデ
ータを演算部で演算して光ファイバにより温度分布を測
定する温度測定装置において、レーザ光源をレーザ光の
強度が光ファイバ中で発生するラマン後方散乱光が誘導
ラマン散乱光となるレベルに設定し、受光部が誘導ラマ
ン散乱光を受光する受光素子から成り、受光部で受光し
た光ファイバ入射端から誘導ラマン散乱光の強度がピー
クに達する距離位置までの間から戻ってくるラマン散乱
光の測定信号を演算部で演算して温度測定するようにし
た温度測定装置を採用することもできる。
【0013】
【作用】上述したこの発明による温度測定方法及び装置
では、光源の光パルス強度は光ファイバ中での光散乱が
誘導ラマン散乱状態となるレベルに設定して光ファイバ
センサに入射される。誘導ラマン散乱光は、自然ラマン
散乱光に比べて強度が強く、受光信号のS/N比を大き
く得ることができ、従来数万回の測定の平均処理によっ
て得ていた測定精度をより少ない回数、即ちより短い時
間で得ることができるのである。
【0014】誘導ラマン散乱状態になると、従来は光フ
ァイバのそれぞれの部位から戻ってくる光強度の変化は
自然ラマン散乱下のように直線的な安定した変化となら
ず、不安定であるとされていた。しかし、種々実験の結
果、図4に示すように、光強度は入射端から距離が遠く
なるにつれて曲線状に変化するが、入射端でのピーク値
とは別にある一定の距離で局所的なピーク値を示す位置
Lpがあるという結果が得られている。
【0015】そして、上記光強度の変化は、距離Lpよ
り遠い位置では不安定であるが、入射端から距離Lpま
での間は安定した状態であり、光源の光強度及び波長が
決まればそれぞれの状態で一定の変化を示す。この場
合、図4に示すように、光ファイバの距離Lvの区間で
一部温度変化が生じるとその温度に応じて光強度が変化
する。従って、基準温度となる曲線に対して温度変化を
生じた部分の光強度変化を求めることによって所定部位
の分布温度測定ができるのである。
【0016】
【実施例】以下この発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1はこの発明の温度測定方法を実施する
のに用いられる測定装置の概略ブロック図である。レー
ザ光源1は半導体レーザ励起形YLFパルスレーザを用
い、光ファイバセンサ3に用いた光ファイバはマルチモ
ードGIファイバである。光方向性結合器2は50:5
0のカプラを使用している。
【0017】4は干渉フィルタであり、所定次数のラマ
ン散乱光を選択するものである。この干渉フィルタ4で
選択された光は連続光としてGe−APDから成る受光
器5により受光され、電気信号に変換される。6は信号
処理回路であり、所定の温度を算出するプログラム及び
光源のパルス光を制御する回路等が含まれている。7は
データ表示用のパーソナルコンピュータである。
【0018】なお、この実施例では受光器5は、従来の
装置のようにストークス光と反ストークス光用に2組設
けるのではなく、実際には反ストークス光用の1組のみ
が用いられている。これは、図3に示すように(a)の
自然ラマン散乱光ではストークス光、反ストークス光の
1次光が微弱であっても得られるのに対して、(b)の
誘導ラマン散乱光ではストークス光は1次、2次、……
の各次数のゴースト部分が影響するため、この実施例で
はその影響の少ない反ストークス光の2次光を利用して
いるからである。
【0019】反ストークス光の2次光を前述の図4に示
す測定原理に従って測定した結果の一例を図2に示す。
この測定結果は、ファイバ端からの距離1870mから
1970mの間の温度を常温の20℃から80℃に変化
させたときと常温時との2次の反ストークス光のOTD
R波形をポンプ光パワー300(W)としてそれぞれ観
測し散乱光の比をとって記録したものである。
【0020】加算演算回数は5000回であり、散乱光
の温度依存性についての変化率は0.02%/℃であ
る。勿論、上記測定結果は測定位置が誘導ラマン散乱下
でのピーク位置より手前で行われたものである。上記結
果から光強度のピーク位置までの範囲であれば温度測定
ができることが分かるであろう。
【0021】又、自然ラマン散乱光の温度変化率は、例
えば前述の技術報告書によれば0.1〜0.8%/℃で
あるのに対して、上記誘導ラマン散乱光の温度変化率は
低下しているが、散乱光パワーが大きいため繰り返し加
算演算回数は減らすことができ、測定時間が短縮される
メリットがある。しかし、温度変化率が小さいため、実
施例のように20→80℃というように温度が大きく異
なる状態を測定するのに適している。
【0022】
【効果】以上詳細に説明したように、この発明の温度測
定方法及び装置では光源の光強度を誘導ラマン散乱が生
じるレベル以上とし、その条件下で光ファイバ入射端か
ら減衰する後方ラマン散乱光が再びピークとなる距離ま
での範囲の受信信号の変化から温度変化を測定するよう
にしたから、従来の自然ラマンのみを用いた光ファイバ
による温度測定方法に比べて、短時間で同等以上の精度
の温度測定ができ、さらに比較的温度変化の大きい火災
位置検出などの異常検出へ応用できる等種々の利点が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の分布温度測定装置の概略ブロック図
【図2】光ファイバセンサによる温度測定結果の例
【図3】自然ラマン散乱と誘導ラマン散乱の説明図
【図4】誘導ラマン散乱光による測定原理の説明図
【図5】従来の分布温度測定装置の概略ブロック図
【図6】同上の測定方法の説明図
【符号の説明】
1 レーザ光源 2 光方向性結合器 3 光ファイバセンサ 4 干渉フィルタ 5 受光器 6 信号処理回路 7 パーソナルコンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 二朗 兵庫県加古川市加古川町西河原105番地 の1 (72)発明者 二島 英明 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友 電気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 村田 吉和 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友 電気工業株式会社大阪製作所内 (56)参考文献 特開 平4−205299(JP,A) 特開 平6−123661(JP,A) 特開 平6−281510(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01K 11/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバの一端からパルスレーザ光を
    入射し、その光ファイバ中で発生するラマン後方散乱光
    を時間的にサンプリング測定し、得られたデータに演算
    処理を施して光ファイバにより温度分布を測定する温度
    測定方法において、使用する光源の強度を光ファイバ中
    で発生するラマン後方散乱光が誘導ラマン散乱光となる
    レベルに設定し、光ファイバの入射端から光ファイバ中
    誘導ラマン散乱光の強度がピークに達する距離位置ま
    での間から戻ってくるラマン散乱光を受光して温度測定
    をすることを特徴とする温度測定法。
  2. 【請求項2】 レーザ光源からのパルスレーザ光を光フ
    ァイバの一端から入射し、その光ファイバ中で発生する
    ラマン後方散乱光を受光部で受光し、これを時間的にサ
    ンプリング測定し、得られたデータを演算部で演算して
    光ファイバにより温度分布を測定する温度測定装置にお
    いて、レーザ光源をレーザ光の強度が光ファイバ中で発
    生するラマン後方散乱光が誘導ラマン散乱光となるレベ
    ルに設定し、受光部が誘導ラマン散乱光を受光する受光
    素子から成り、光ファイバ入射端から受光部で受光した
    誘導ラマン散乱光の強度がピークに達する距離位置まで
    の間から戻ってくるラマン散乱光の測定信号を演算部で
    演算して温度測定するようにしたことを特徴とする温度
    測定装置。
  3. 【請求項3】 前記受光素子が2次の反ストーク光を受
    光するものとしたことを特徴とする請求項2に記載の温
    度測定装置。
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