JP2747565B2 - 光ファイバの曲率分布測定方法および装置 - Google Patents

光ファイバの曲率分布測定方法および装置

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JP2747565B2 JP16530289A JP16530289A JP2747565B2 JP 2747565 B2 JP2747565 B2 JP 2747565B2 JP 16530289 A JP16530289 A JP 16530289A JP 16530289 A JP16530289 A JP 16530289A JP 2747565 B2 JP2747565 B2 JP 2747565B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光ファイバの長手方向の曲率分布を測定す
る方法およびそのための装置に関するものである。
〔従来の技術〕
光ファイバの曲がりは損失要因となるばかりでなく、
曲げ歪による強度劣化をひきおこし、破断寿命の短縮要
因となる。従来、光ファイバの長手方向の曲率分布をフ
ァイバ端面のみから直接的に測定する方法はなく、光フ
ァイバの長手方向の損失分布の経時変化の測定により間
接的に推定していた。すなわち、光ファイバの一端から
光パルスを入射するときに光ファイバ内で発生する後方
レーレー散乱光を検出するOTDR法(たとえばM.K.Barnos
ki et al.,“Optical time domainreflectometer",App
l.Opt.,Vol.16,pp.2375−2379,1977参照)により、光フ
ァイバの長手方向の損失分布を測定することができるた
め、光ファイバの布設前後の損失分布比較、あるいはそ
の損失分布の季節変動の測定により、布設工程や環境温
度変化等により生じた光ファイバの長手方向の曲がりの
程度を推定していた。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上述のような従来技術では比較測定を
基礎しているため、基準測定値を持たない場合には、あ
る時期における損失分布は測定できても、そのときの曲
率分布の推定ができないという問題があった。また、実
用上、曲がりが特に問題となるのは接続点近傍である
が、接続損失と接続部余長処理にともなう曲がり損失は
いずれも経時変化が生じるため、これらの分離がきわめ
て困難であるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、基準データ(初期データ)
を必要とせず、曲がりの影響そのものを他の影響から分
離して測定可能な光ファイバの曲率分布測定方法および
そのための装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] このような目的を達成するために、本発明では被測定
光ファイバの着目する1つの区間の、あるいは光ファイ
バの複数の区間毎に、ブリルアン利得スペクトルを測定
する第1の工程と、第1の工程で測定された1つ、ある
いは複数のブリルアン利得スペクトルの各々について、
基本音響モードが関与する最大利得と高次音響モードが
関与する最大利得の比を求める第2の工程と、第2の工
程で求められた比に基いて、着目する1つの区間の、あ
るいは複数の区間毎に、光ファイバの曲率を算出する第
3の工程とからなることを特徴とする。
すななち、本発明の第1形態は、第1の工程で実行さ
れる複数の区間毎のブリルアン利得スペクトルの測定方
法は、被測定光ファイバの一端からパルス光を入射し、
光ファイバの他端から連続光を入射し、パルス光と連続
光の周波数差Δνを制御して、固定した複数の周波数差
Δνのそれぞれに対して、パルス光との相互作用によっ
て生じるブリルアン光増幅作用を受けて前記パルス光の
入射端から出射される連続光の光量の時間変化を測定
し、着目する区間毎に測定に基くブリルアン光増幅光量
を周波数差Δνの関数として求めてブリルアン利得スペ
クトルを得ることを特徴とする。
本発明の第2形態は、第1の工程で実行される複数の
区間毎のブリルアン利得スペクトルの測定方法は、被測
定光ファイバの両端から互いに同期したパルス光を入射
し、着目する1つの区間で2つのパルス光が出合うよう
に2つのパルス光の入射時刻に遅延を与え、2つのパル
ス光の相対周波数差Δνを連続的、あるいは離散的に変
化させ、このときに2つのパルス光の少なくとも一方の
光ファイバ出射光量からブリルアン利得スペクトルを得
ることを特徴とする。
本発明の第3形態は、被測定光ファイバの着目する1
つの区間の、あるいは光ファイバの複数の区間ごとに、
ブリルアン利得スペクトルを測定するブリルアン利得ス
ペクトル測定手段と、ブリルアン利得スペクトル測定手
段により測定された1つあるいは複数のブリルアン利得
スペクトルの各々について、基本音響モードが関与する
最大利得と高次音響モードが関与する最大利得の比を算
出する利得ピーク比算出手段と、利得ピーク比算出手段
により算出された比の値に基いて、1つの区間の、ある
いは複数の区間毎に、光ファイバの曲率を算出する曲率
分布算出手段とを具備したことを特徴とする。
本発明の第4形態は、ブリルアン利得スペクトル測定
手段は、パルス変調された光の形態の第1信号光を発生
する第1光源と、被測定光ファイバ中を第1信号光と対
向して伝搬する連続的あるいはパルス変調された第2信
号光を出射する第2光源と、第1信号光と第2信号光の
光周波数の差を制御するための光周波数制御手段と、第
1信号光と第2信号光の相対遅延時間の制御手段と、第
1信号光を被測定光ファイバに入射させ、および第1信
号光と第2信号光との間で生じたブリルアン光増幅作用
を受けた第2信号光を取り出す合分波手段と、合分波手
段からのブリルアン光増幅作用を受けた第2信号光を電
気信号に変換する光検出手段と、光検出手段により検出
された信号の時間的波形あるいは振幅および位相を処理
して解析するための信号処理手段とを有することを特徴
とする。
[作 用] 本発明では、光ファイバ内の音波と光波の非線形相互
作用である誘導ブリルアン散乱現象を利用する。すなわ
ち、被測定光ファイバの両端から周波数のわずかに異な
る光を対向して入射することにより、次数の異なる複数
の音響導波モードを励起する。この音響導波モードは入
射した光波と相互作用し、低周波光を増幅する。本発明
は、高次音響導波モードの発生効率、あるいは減衰率が
光ファイバの曲率に強く依存することに着目し、高次音
響導波モードと基本音響導波モードのブリルアン利得の
比から光ファイバの曲率分布を測定するので、基本デー
タ(初期データ)を必要とせず、曲がりの影響そのもの
を他の影響から分離して測定できる。このように、本発
明は、損失分布の経時的比較測定によって曲率変化を推
定していた従来の技術とは大きく異なる。
〔実施例〕 以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。
第1図は本発明の1実施例の測定装置を示す。ここ
で、1はパルス状に振幅変調または周波数変調されたパ
ルス光を発生する第1光源であって、スペクトル線幅の
狭い光を出射する。第1光源1は、たとえばCW発振のYA
GレーザあるいはCW発振のDFBレーザ等の単一縦モード発
振レーザからの出射光を、音響光学型変調器あるいは電
界効果型光変調器等をパルス駆動することによって、パ
ルス状に振幅変調する構成とすることにより実現でき
る。あるいは、DFBレーザ等の単一縦モード発振レーザ
に電流注入する際に内部変調をかける構成とすることに
よっても第1光源1は実現できる。2はCW発振の第2光
源であり、YAGレーザ、DFBレーザ等のようにスペクトル
線幅の狭い光源である。3は、被測定光ファイバ、4は
合分波器、5はGe−APD(Avalanche Photo−diode)な
どの光検出器、6は光検出器5からの電気信号を受けて
その信号の時間的波形あるいは振幅を処理して解析する
信号処理装置、7は第1光源1と第2光源2の光周波数
の差を所望の値に制御するための光周波数制御装置であ
る。
この測定装置の動作は、たとえば信学技報OQE88−80
(1988.10.25)、あるいは特願昭63−154828号に詳述さ
れているが、以下の通りである。
第1光源1から出射したパルス状の光、すなわち第1
信号光S1は、合分波器4を介して被測定光ファイバ3に
結合される。他方、第2光源2からの出射光、すなわち
第2信号光S2は、第1信号光S1が結合した被測定光ファ
イバ3の端末3−1とは反対側の端末3−2から、被測
定光ファイバ3に結合される。
このとき、第1信号光S1の光周波数f1と第2信号光S2
の光周波数f2は、概略 f1−f2=fB (1) となるように、光周波数制御装置7により制御する。こ
こで、fBは被測定光ファイバ3に固有のブリルアンシフ
ト周波数であり、例えば、石英系の光ファイバであれ
ば、波長1.3μmにおいて約13GHzである。式(1)が満
足されているとき、第2信号光S2は第1信号光S1により
ブリルアン光増幅される。このとき、光検出器5により
検出される第2信号光S2の波形は以下のように導かれ
る。
ブリルアン光増幅による第2信号光S2に対する、位置
zにおける利得gは、G=g−1≪1のとき、 g=1+A・P1(z) (2) と表わされる。ここで、Aは比例係数、zは被測定光フ
ァイバ3中を伝播する第1信号光S1(パルス信号)が存
在する位置を表し、ここでは、被測定光ファイバ3の端
末3−1を基準として定めるものとする。P1(z)は位
置zにおける第1信号光S1の光パワーである。同様に、
P2(z)を第2信号光S2の位置zにおける光パワーと
し、被測定光ファイバ3の光損失および長さを、それぞ
れ、α[neper/m]およびL[m]とする。また、信号
光S1とS2との間の周波数差はわずかであるため、被測定
光ファイバ3の、両信号光に対する損失は同一であると
すると、 P1(z)=P1(O)exp(−αz) (3−1) P2(z)=P2(L)exp[−α(L−z)] (3−
2) となる、式(2)、式(3)および位置0〜z間の光フ
ァイバ損失による第2信号光S2の減衰率exp(−αz)
を考慮すると、光検出器5に入射する第2信号光S2のパ
ワー▲▼は、 となる。ここで、第2信号光S2が合分波器4を通過する
ときの損失は無視した。式(4)の右辺における第1項
は直流分であり、第2項がブリルアン光増幅により増加
した成分である。第1信号光S1が被測定光ファイバ3に
入射してから、zの位置でブリルアン光増幅された第2
信号光S2が光検出器5で検出されるまでの時間tは、被
測定光ファイバ3中での光速をvとすると、 t=2z/v (5) であるから、受光信号レベルの波形は、第2図のように
なる。
第2図において、ブリルアン光増幅により増加した成
分の減衰率は被測定光ファイバ3の光損失αを表してい
る。
ところで、先にも述べたように、第2図のようなブリ
ルアン光増幅現象を観測できるためには、第1信号光S1
の周波数f1と第2信号光S2の光周波数f2の差は、(1)
式に示すように、特定の周波数fBに等しくなければなら
ないが、このような周波数fBは唯1つではなく、一般に
複数個存在することが知られている。
すなわち、ブリルアン散乱に関与する音波の波長は光
波の波長の1/2であるため、標準的に用いられているGeO
2ドープコア光ファイバは光波にとっては単一モード導
波路であっても、音波にとっては多モード導波路であ
り、これらの複数の音響導波モードのそれぞれがブリル
アン散乱増幅に寄与する。その結果、ブリルアン利得ス
ペクトルは第3図に実例を示す如く複数の極大値を持
つ。なお、ブリルアン利得スペクトルの求め方について
は後述する。
詳細な解析の結果、例えばN.Shibata et al.,“Ident
ification of longitudinal acousticmodes guided in
the core region of a single−mode optical fiber by
Brillouin gain spectra measurements",Opt.Lett,Vo
l.13,No.7,pp.595−597,1988.に詳しく述べられている
ように、第3図において利得ピーク(極大値)aは基本
音響導波モードが、また利得ピークb,cはそれぞれ第1,
第2高次導波モードが関与するブリルアン利得ピークで
あることが判明している。これらのピーク利得の比は被
測定光ファイバの構造に依存し、例えば第3図の場合、
ピークaとbの利得の比は約6:1となっている。
ところで、光ファイバが曲げられると損失が増加する
ことはよく知られている。第4図は構造の異なる2種類
の光ファイバを曲げた時に見られる損失増の実測データ
であって、光ファイバの構造の違いによらず、その曲率
半径が小さくなると急激に損失が増加することが確認さ
れる。従って、低損失な状態で光ファイバを使用するた
めには、接続点余長処理部などで実際におこりうる最小
半径の曲がりに対しても損失増が十分小さくなるように
余裕をもった設計が必要であり、通常はそのような設計
状態で光ファイバは用いられている。
一方、光源波長を通信に使用する設計波長に比べて短
くしていくと、遮断波長と呼ばれるある波長から短波長
で多モード状態となる。このとき、基本モードは光ファ
イバの曲がりに対して比較的強い(すなわち、損失増を
ともなわない)が、高次モードはその曲がりに対してき
わめて弱く、大きな損失を伴う。第5図はこのことを実
測したデータであって、基本モードについては損失増が
みられない半径30mm程度の比較的ゆるやかな曲がりに対
しても、第1高次モードについては8dB/m程度の大きな
損失がみられる。
この現象は音響導波モードについてもほぼ同様に生じ
る。すなわち、例えばAhmed Safaaijazi et al.,“Anal
ysis of Weakly Cuiding Fiber Acoustic Waveguide",I
EEE,Trans,UFFC−33,1,pp.59−68,1986.に報告されてい
るように、実用の光ファイバ内の音響導波モードは近似
的に光導波モードと同じ形の波動解を持つからである。
以上述べたことは以下のように要約することができ
る。すなわち、 光にとって単一モード導波路である光ファイバは、
音波にとっては多モード導波路となっている。
半径30mm程度に曲げられた光ファイバにおいては、
光波も音波の基本モードも、いずれも損失増は小さい
(0.1dB/m程度以下)が、音波の高次モードは8dB/mをこ
える大きな損失増を伴う。
ここで、曲げられた光ファイバに対してブリルアン利
得スペクトルを測定すると、第6図に示すように、高次
モードの寄与が大幅に減少する。従って、音響基本モー
ドによる利得ピークaと音響第1高次モードによる利得
ピークbの比は増大し、第6図に示す場合は50:1となっ
ている。
以上のことから、ブリルアン利得スペクトルの基本モ
ードピークと高次モードピークの比は被測定光ファイバ
の曲がりの尺度となることがわかる。第7図はこの利得
ピーク比の曲がり半径依存性を示すものであり、曲がり
半径の減少にともない利得ピーク比が増大する様子が描
かれている。
ブリルアン利得スペクトルは、以下に述べるようにし
て、光ファイバの長手方向に任意の場所毎に測定するこ
とができる。すなわち、まずはじめに、第1図に示した
測定装置において、第1光源1と第2光源2の光周波数
差Δν=f1−f2をある値νに固定して、第2図に示す
ようなブリルアン利得の距離分布を測定する。なお、第
2図において、受信信号レベルから直流成分を差し引い
たものが第3図および第4図に示すブリルアン利得Gに
対応する。
次に、第1光源1と第2光源2の周波数差Δνをν
とは少し異なる値νに固定し、第2図と同様のブリル
アン利得の距離分布を測定する。以下、同様にして、光
周波数制御装置7により2つの光源の周波数差Δνを少
しずつ変えて繰り返しブリルアン利得の距離分布を複数
回測定する。第8図(A)はこのような測定処理のフロ
ーを概念的に示し、第8図(B)はこれらの一連の測定
によって得られ、信号処理装置6内に記憶された測定デ
ータを総合表示したものである。
次に、信号処理装置6により、上述の測定データを基
にして、光ファイバの特定の場所、例えばz=z1の点に
着目し、この場所における利得Gを光源周波数差Δνの
関数として求めると、この場所z1におけるブリルアン利
得スペクトルが得られる。さらに、着目する場所zを順
次変えて、各場所毎にこれと同様の処理を繰り返し行う
ことにより、任意の場所z1,z2,z3,z4…についてのブリ
ルアン利得スペクトルが得られる。第9図は信号処理装
置6で行うこの演算処理のフローを概念的に示したもの
である。
以上述べたようにして得られたブリルアン利得スペク
トルのデータを基に、測定すべき光ファイバの着目する
各々の場所毎に前述の基本モードと高次モードの利得ピ
ーク比を信号処理装置6により求めれば、第7図に示す
ように、この求めた利得ピーク比が光ファイバの曲率分
布を与えることになる。そこで、直線管路中の光ファイ
バのように、曲がりの比較的少ない領域は実際上あらか
じめ知ることができるので、この領域部分における基本
モードと高次モードの利得ピーク比を曲率が0の(すな
わち、曲がりがない)部分の基準値とすることができ
る。
第10図は前述の利得ピーク比の光ファイバ長手方向分
布の測定例を示すものであって、A点における急峻な曲
がりおよびB点における比較的ゆるやかな曲がりの存在
を示している。ここで、横軸の距離分解能Δzは光源と
して用いる光パルスの幅をτ、被測定光ファイバ内の光
速をvとするとき、 Δz=vτ/2 (6) で表わされる。この距離分解能Δzは従来技術であるOT
DR法の分解能と全く同様である。
第11図のフローチャートは、上述した本発明実施例の
測定処理手順の一例を示す。この処理手順は信号処理装
置6内の図示しないプログラム用ROM(メモリ)にあら
かじめ格納されているものとする。なお、各処理ステッ
プの内容はすでに記述してあるので、その説明は省略す
る。
以上の本発明の説明においては、全て、第2光源2は
CW光を出射するものとして説明してきたが、第2光源2
は、たとえば、第1光源1のように変調された光源であ
ってもかまわない。ただし、そのときは、第1光源1か
らの第1信号光S1(たとえば光パルス)と第2光源2か
らの第2信号光S2(たとえば光パルス)が被測定光ファ
イバ3中で出会った位置(たとえばz0とする)でのみブ
リルアン光増幅がおこるので、この方法は、被測定光フ
ァイバ3中での特定の位置(上記z0)からの情報をとり
だすの適している。z0は、第1信号光S1と第2信号光S2
の間の出射時刻を相対的に制御することにより、任意の
所望の位置に設定できる。また、ここで、第1および第
2の光源の周波数差Δτを変化させると、第3図に示す
ようなブリルアン利得スペクトルが得られる。Δνの変
化は連続的であることが望ましいが、ブリルアン利得の
帯域幅は約50〜100MHzであるから、Δνのきざみが十分
に小さければ(たとえば10MHz程度)、離散的であって
も実用上さしつかえない。
さらにまた、第1光源の周波数f1が第2光源の周波数
f2よりも大きい場合には、第2光源を発して被測定光フ
ァイバ3を通過した信号光S2のパワーを測定してブリル
アン利得スペクトルを求めると、第9図に示すような利
得スペクトルが得られる。このとき、第1光源を発して
被測定光ファイバ3を通過した信号光S1のパワーを測定
してブリルアン利得スペクトルを求めると、第1光源の
光は第2光源の光を増幅するために用いられているか
ら、特定の周波数領域で減衰するスペクトルが得られ
る。この場合は、測定値の極性を反転させれば、第9図
に示したものと全く同じ利得スペクトルが得られる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、測定すべき光
ファイバの着目する場所毎にブリルアン利得スペクトル
を測定し、基本音響導波モードが関与する利得ピークと
高次導波モードが関与する利得ピークの比を求めること
により、光ファイバに加わった曲がりの分布を知ること
ができる。特に本発明では、このとき、光波は光ファイ
バ中を常に基本モードで伝搬するため、通常の曲がりに
対しては鈍感であるのに対して、音波については、基本
モードは曲がりの影響を受けにくいが、高次モードの音
波の曲がり損失はきわめて大きいため、損失分布を比較
する従来法に比べて非常に高感度に曲がり分布測定が可
能となる利点がある。
また、従来法では損失分布の時系列的比較を必要とし
ていたのに対して、本発明を用いる場合にはこれを必要
とせず、場所的な比較により容易に曲がりの影響の有無
を検知できるという利点がある。更に、本発明では接続
点近傍のように、曲がり以外の損失と曲がりによる損失
が同時に存在する場合においては、それぞれを分離して
評価することも可能となるという顕著な効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の測定装置の構成を示す構成
図、 第2図は本発明により測定される受光波形の一例を示す
波形図、 第3図は複数の音響導波モードによるブリルアン利得ス
ペクトルを示す特性図、 第4図は光ファイバの曲げ損失を示す特性図、 第5図は光ファイバにおける第1高次モードの曲げ損失
を示す特性図、 第6図は曲げられた光ファイバにおけるブリルアン利得
スペクトルを示す特性図、 第7図は音響基本モードと高次モードのブリルアン利得
ピーク比の曲がり半径依存性を示す特性図、 第8図(A)はブリルアン利得の距離分布の測定フロー
を示す図、 第8図(B)はデータの総合表示を示す波形図、 第9図は着目する場所毎のブリルアン利得スペクトルの
算出処理フローを示す図、 第10図は利得ピーク比の長手方向分布を示す特性図、 第11図は本発明実施例の測定処理手順を示すフローチャ
ートである。 1……第1光源、 2……第2光源、 3……被測定光ファイバ、 4……合分波器、 5……光検出器、 6……信号処理装置、 7……光周波数制御装置。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定光ファイバの着目する1つの区間
    の、あるいは該光ファイバの複数の区間毎に、ブリルア
    ン利得スペクトルを測定する第1の工程と、 該第1の工程で測定された前記1つ、あるいは複数のブ
    リルアン利得スペクトルの各々について、基本音響モー
    ドが関与する最大利得と高次音響モードが関与する最大
    利得の比を求める第2の工程と、 該第2の工程で求められた前記比に基いて、着目する前
    記1つの区間の、あるいは複数の区間毎に、前記光ファ
    イバの曲率を算出する第3の工程と からなることを特徴とする光ファイバの曲率分布測定方
    法。
  2. 【請求項2】前記第1の工程で実行される前記複数の区
    間毎のブリルアン利得スペクトルの測定方法は、 前記被測定光ファイバの一端からパルス光を入射し、 前記光ファイバの他端から連続光を入射し、 前記パルス光と前記連続光の周波数差Δνを制御して、 固定した複数の前記周波数差Δνのそれぞれに対して、
    前記パルス光との相互作用によって生じるブリルアン光
    増幅作用を受けて前記パルス光の入射端から出射される
    前記連続光の光量の時間変化を測定し、 前記着目する区間毎に該測定に基くブリルアン光増量光
    量を周波数差Δνの関数として求めて前記ブリルアン利
    得スペクトルを得ることを特徴とする請求項1に記載の
    光ファイバの曲率分布測定方法。
  3. 【請求項3】前記第1の工程で実行される前記複数の区
    間毎のブリルアン利得スペクトルの測定方法は、 前記被測定光ファイバの両端から互いに同期したパルス
    光を入射し、 前記着目する1つの区間で前記2つのパルス光が出合う
    ように前記2つのパルス光の入射時刻に遅延を与え、 前記2つのパルス光の相対周波数差Δνを連続的、ある
    いは離散的に変化させ、 このときに前記2つのパルス光の少なくとも一方の光フ
    ァイバ出射光量から前記ブリルアン利得スペクトルを得
    ることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの曲率
    分布測定方法。
  4. 【請求項4】被測定光ファイバの着目する1つの区間
    の、あるいは該光ファイバの複数の区間ごとに、ブリル
    アン利得スペクトルを測定するブリルアン利得スペクト
    ル測定手段と、 該ブリルアン利得スペクトル測定手段により測定された
    前記1つあるいは複数のブリルアン利得スペクトルの各
    々について、基本音響モードが関与する最大利得と高次
    音響モードが関与する最大利得の比を算出する利得ピー
    ク比算出手段と、 該利得ピーク比算出手段により算出された前記比の値に
    基いて、前記1つの区間の、あるいは複数の区間毎に、
    前記光ファイバの曲率を算出する曲率分布算出手段と を具備したことを特徴とする光ファイバの曲率分布測定
    装置。
  5. 【請求項5】前記ブリルアン利得スペクトル測定手段
    は、 パルス変調された光の形態の第1信号光を発生する第1
    光源と、 被測定光ファイバ中を前記第1信号光と対向して伝搬す
    る連続的あるいはパルス変調された第2信号光を出射す
    る第2光源と、 前記第1信号光と前記第2信号光の光周波数の差を制御
    するための光周波数制御手段と、 前記第1信号光と前記第2信号光の相対遅延時間の制御
    手段と、 前記第1信号光を前記被測定光ファイバに入射させ、お
    よび前記第1信号光と前記第2信号光との間で生じたブ
    リルアン光増幅作用を受けた第2信号光を取り出す合分
    波手段と、 該合分波手段からの前記ブリルアン光増幅作用を受けた
    第2信号光を電気信号に変換する光検出手段と、 前記光検出手段により検出された信号の時間的波形ある
    いは振幅および位相を処理して解析するための信号処理
    手段と を有することを特徴とする請求項4に記載の光ファイバ
    の曲率分布測定装置。
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