JPH05172656A - 分布型光ファイバーセンサー - Google Patents

分布型光ファイバーセンサー

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JPH05172656A
JPH05172656A JP3356314A JP35631491A JPH05172656A JP H05172656 A JPH05172656 A JP H05172656A JP 3356314 A JP3356314 A JP 3356314A JP 35631491 A JP35631491 A JP 35631491A JP H05172656 A JPH05172656 A JP H05172656A
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Koji Igawa
耕司 井川
Takanori Onishi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】入射レーザーパルスの劣化特性信号系列を用い
て物理量分布を算出する際に、簡単な構成で手間を要さ
ずに精度の高い物理量分布を算出可能とする。 【構成】レーザーパルス7を光ファイバー1に入射し、
該光ファイバー1からの戻り光により光ファイバーに沿
った物理量変化を測定する際に、戻り光の測定毎にその
測定に用いた入射パルス7の劣化特性信号系列6を算出
して物理量分布を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバーに沿った
温度等の物理量分布を測定するための分布型光ファイバ
ーセンサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】分布型光ファイバーセンサーは、レーザ
ーパルスを光ファイバーに入射し、光ファイバーからの
戻り光を検出してこの光ファイバーに沿った物理量を測
定するものである。ステップ状の温度分布を光ファイバ
ーに与えると、出力は温度変化点を中心に前後に遷移領
域を有するものとなる。この遷移領域の長さ(正確には
温度変化の10%から90%までの長さ)を距離分解能
と呼ぶ。距離分解能が高いほど光ファイバーに沿ってよ
り精密に物理量分布を検出することができる。
【0003】このような分布型光ファイバーセンサーに
おいて、光ファイバーに沿った距離分解能を高めるため
には、入射レーザーパルス幅の狭小化が必要とされてい
た。しかしながら、レーザーパルス幅を狭小化すれば、
極めて高速なスイッチング素子が必要となり複雑な回路
技術を要しコストアップの要因になるとともに、レーザ
ーパルスの入射パワーが実質上低下し、S/N比が劣化
するという問題があった。
【0004】このような問題を解決するため、本出願人
は既に先願(特願平2−151605号)において、入
射パルスの劣化特性信号系列を求め、この劣化特性信号
系列を装置内に記憶し、この記憶した一定の劣化特性信
号系列と測定された温度分布とに基づき、真の温度分布
を仮定し、仮定温度分布の測定温度分布に対する最小二
乗法による評価値の最小値を最適解として真の温度分布
を算出する分布型光ファイバーセンサーを提案してい
る。
【0005】さらに詳しくいえば、この先願に係る分布
型光ファイバーセンサーにおいては、既知の温度分布信
号系列のz変換T’(z)と、測定された温度分布信号
系列のz変換R’(z)とから算出される伝達特性H’
(z)=R’(z)/T’(z)を、逆z変換して劣化
特性信号系列h(p)を求め、予め信号処理装置内に記
憶しておく。
【0006】次に、真の温度分布信号系列t”(p)を
仮定し、上記劣化特性信号系列h(p)とこの仮定した
真の温度分布信号系列t”(p)のコンボリューション
積分を行なう。このコンボリューション積分結果と実際
に測定された温度分布信号系列r”(p)との非線形最
小二乗法による評価値をとり、その評価値を最小にする
t”(p)を最適解とする。
【0007】即ち、従来の分布型光ファイバー温度セン
サーにおける信号処理方法においては、劣化特性信号系
列を予め求めて記憶しておき、この劣化特性信号系列を
一定のものとして、複数回の測定に対し常にこの記憶し
た一定の劣化特性信号系列を用いて前記演算を行なって
温度分布を算出していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、劣化特
性信号系列は、主に入射レーザーパルスの波形および検
出系のパルス応答特性によって定まるため、一定ではな
い。即ち、レーザーパルス波形は、レーザー駆動電流波
形や、レーザーダイオードのしきい値電流の経時変化あ
るいは温度ドリフトによって変化する。図2は、レーザ
ーダイオードのしきい値電流が5%変化したときの、劣
化特性信号系列の変化を示す。図中(a)の8は変化前
の劣化特性を示し、図中(b)の9は変化後の劣化特性
を示す。グラフ8と9は、各距離において信号強度が微
妙に異なり、各グラフの頂点位置、高さ、広がり、形状
等の点で異なっている。
【0009】このように、劣化特性信号系列は入射パル
スごとに変化するにも拘らず、従来はこれを一定のもの
として記憶し繰り返し演算処理に用いていた。図3およ
び図4は演算処理結果を示す。図3は変化前のデータに
よる処理結果であり、図4は変化後のデータによる処理
結果を示す。グラフ10は変化前の観測信号、グラフ1
1は変化前の処理結果、グラフ12は変化後の観測信
号、グラフ13は変化後の処理結果を示す。
【0010】これらのグラフは、劣化特性信号系列の変
化により、演算処理結果が変動し、ピーク温度誤差や平
坦部の振動が大きくなることを示している。このように
光ファイバーからの戻り信号による演算処理は、劣化特
性信号系列の変化に対し感度が非常に高く、個々の入射
パルス波形等に応じて常に変化する。従って、従来のよ
うに劣化特性信号系列を一定のものとして繰り返し演算
処理に使用した場合には、正確な温度分布が算出でき
ず、信頼性の高い計測結果が得られない。
【0011】一方、このような劣化特性信号系列を校正
するために、レーザーパルス波形を観測して劣化特性信
号系列の記憶値を時々変えることは、校正用パルス波形
観測装置等が必要になりまたメンテナンス上の時間や手
間がかかり不便である。本発明は上記従来技術の欠点に
鑑みなされたものであって、入射レーザーパルスの劣化
特性信号系列を用いて物理量分布を算出する光ファイバ
ーセンサーにおいて、簡単な構成で手間を要さずに精度
の高い物理量分布を算出可能とすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、レーザーパルスを光ファイバーに入射
し、該光ファイバーからの戻り光を検出して該光ファイ
バーに沿った物理量変化を測定するセンサーであって、
前記入射パルスの劣化特性信号系列と、前記戻り光によ
り検出された物理量分布の測定結果とに基づいて真の物
理量分布を演算する分布型光ファイバーセンサーにおい
て、演算処理する戻り光の測定ごとにその測定に用いた
入射パルスの前記劣化特性信号系列を算出して前記物理
量分布を求めることを特徴とする分布型光ファイバーセ
ンサーを提供する。
【0013】好ましい実施例においては、入射パルスご
とに前記劣化特性信号系列を算出するために、前記光フ
ァイバーの一部を常に一定の物理量に保つ恒物理量手段
を設けている。
【0014】さらに好ましい実施例においては、前記物
理量は温度であり、前記恒物理量手段として恒温槽を前
記光ファイバーの一部に設けている。
【0015】さらに好ましい実施例においては、真の物
理量分布を仮定し、該仮定物理量分布と前記劣化特性信
号系列とのコンボリューション積分により物理量分布を
演算し、該演算物理量分布の前記測定結果に対する最小
二乗法による最適近似解を選択し、該近似解を以て真の
分布として真の物理量分布を求める。
【0016】
【作用】図1に基づいて本発明の作用原理について説明
する。1は被測定光ファイバーであり、この光ファイバ
ー1の一部に測定すべき物理量(例えば温度)を一定に
するための恒温槽2が設けられる。光ファイバー1の
内、この恒温槽2の部分が後述のように劣化特性測定領
域3となる。4は温度分布測定領域を示す。5は光ファ
イバー1に沿った温度分布を示す。恒温槽2の内部では
微小区間で光ファイバー1に対し一定のインパルス温度
が付与される。このような温度分布を有する光ファイバ
ー1にレーザーパルス7を入射し、その戻り光により温
度分布を検出する。6はレーザーパルス7をこの光ファ
イバー1に入射した場合の劣化特性を示す。
【0017】戻り光の信号は、光ファイバーの減衰を無
視すると、レーザーパルス波形と、光ファイバー周辺の
真の温度分布とのコンボリューションに検出系のパルス
応答が加えられた形で検出される。そこでレーザーパル
ス波形とこれにパルス応答を加えた特性が予め分れば、
観測信号とこれとのデコンボリューションをとることに
より、真の温度分布が求まる。この原理に基づいた信号
処理方法について、既に前述のように、本出願人により
出願がなされている(特願平2−151605号)。
【0018】この劣化特性信号系列は、真の温度分布が
予め分っていれば、同様の原理で求めることができる。
そこで、光ファイバー1の一部分を恒温槽2により一定
の温度に保持して、その部分の真の温度分布と観測信号
から求めた劣化特性信号系列が図1の曲線6である。こ
のように光ファイバー1のある特定の微小区間を一定温
度に保持することにより、劣化特性とこの一定の真の温
度(インパルス温度)とのコンボリューションをとるこ
とになり、そのまま劣化特性が観測されることになる。
【0019】この恒温槽の温度は、周囲の温度と異なれ
ば、何度でもよい。また、温度分布形状は、図1のよう
にインパルス状に限らず、一定区間のステップ変化形状
であってもよい。この場合、観測波形の差分値が劣化特
性となる。また、被測定光ファイバーに加えられた光学
的特異点、例えばスプライス、コネクター等の挿入、屈
曲等による局所的なロスによっても、インパルス温度を
与えたことと同様の効果がある。
【0020】これらの操作は、1本の光ファイバーを、
劣化特性を求めるための領域3と、温度分布測定用の領
域4に分けることにより、測定と平行して行なうことが
できる。従って、劣化特性の変動は各測定レーザーパル
スの入射ごとにリアルタイムで考慮されることになり、
劣化特性の変動による測定精度への影響は全くなくな
る。
【0021】以上のことを式で表せば、次のようにな
る。 (観測信号)=((レーザーパルス波形)*(真の温度
分布))*(検出系のパルス応答)≒(劣化特性信号系
列)*(真の温度分布)・・・(1) 式中、*はコンボリューションを表す。(1)式より、
真の温度分布は微小区間で既知のインパルス波形かステ
ップ波形とすれば、観測信号波形の差分値が劣化特性と
なる。従って、測定ごとの劣化特性が求まり、これを基
に最適な温度分布を測定ごとにリアルタイムに求めるこ
とができる。
【0022】
【実施例】本発明が適用される分布型光ファイバー温度
センサーのブロック図を図5に示す。温度分布を測定す
べき光ファイバー22の一部に前述のように温度を一定
に保つための恒温槽2が設けられる。光源部のレーザー
パルサー22から発振したレーザーパルスは、被測定用
の光ファイバー22へ入射され、光ファイバー22中で
発生したラマン散乱光が入射端へ戻ってくる。
【0023】該ラマン散乱光は光方向性結合器21によ
り測定装置へ導光され、まずフィルター23によりラマ
ン散乱光中のストークス光と反ストークス光が分離検出
され、各々光電変換部24A、24Bでその強度に比例
した電気信号に変換される。該電気信号は各々プリアン
プ25A、25Bにより増幅され、アベレージャー26
にて所定回数平均化処理がなされる。平均化処理された
信号は信号処理部27へ伝送され、ストークス光と反ス
トークス光の信号の比をとり、温度分布への換算等の処
理がなされる。
【0024】前述のように、光ファイバーからの戻り光
の出力に遷移領域が生じる現象を図7に沿って説明す
る。簡単のため、この図7のモデルでは光ファイバーの
損失による減衰や、温度へ換算する過程は省かれてい
る。パルスが理想インパルスでないため、パルスの前縁
が温度変化点を通過してから、後縁が通過するまでの時
間Tが必ず存在する。
【0025】このT時間内に温度変化に伴う信号の変化
が起こるはずであり、これが遷移領域に相当している。
T時間はパルス巾であるから、距離分解能はパルス巾に
比例する。これをより厳密にみると、観測温度分布31
は真の温度分布38とレーザーパルス波形39、40の
コンボリューションとなっている。従って予めレーザー
パルス波形を知っておけば、観測温度分布を復元して真
の温度分布に近づくことができる。
【0026】本発明の信号処理は、ラマン散乱検出信号
に適用後温度信号に変換してもよいし、温度信号に変換
後に適用してもよい。
【0027】ここでは、説明を簡単にするために、温度
信号変換後の信号処理として説明する。観測される温度
分布信号系列をr(n)、求めたい真の温度分布信号系
列をt(n)、それらのz変換をR(z)、T(z)、
レーザーパルス波形が主要因であるそれらの伝達特性を
H(z)とする。ノイズが無い場合、真の温度分布信号
系列はT(z)=R(z)/H(z)を逆z変換して求
めることができるが、ノイズがある場合実際の信号と異
なる不安定な信号系列しか得られない。
【0028】そこで、本発明では以下に述べる2段階の
信号処理を行なっている。まず、既知の温度分布信号系
列のz変換T’(z)、その時観測された温度分布信号
系列のz変換R’(z)より、伝達特性H’(z)=
R’(z)/T’(z)を算出し、その逆z変換により
劣化特性信号系列h(p)が求められる。既知の温度分
布信号系列は、恒温槽を使用した場合は設定温度とすれ
ばよいし、熱電対等による測定値を使用してもよい。ま
た、上記で使用する観測信号系列は劣化特性信号系列推
定の精度向上のため時間平均値を使用した方がよい。
【0029】この操作により得られた劣化特性信号系列
h(p)を図9のグラフ43に示す。また、既知の温度
分布t’(p)および観測温度分布r’(p)をそれぞ
れ図10のグラフ44、45に示す。
【0030】第2段階は、温度分布を知りたい領域と温
度プロファイル条件を指定すると、第1段階で求めた劣
化特性を用いて指定領域内で温度プロファイルを満足す
る信号系列の集合の中より最良近似となる真の温度信号
系列の推定解を、非線形最小二乗法により求めるもので
ある。領域の指定については、任意の範囲を人間が指定
してもよいし、予め設定した基準によって自動領域分割
してもよい。また、入射端から一定の基準で順番に処理
していっても良い。
【0031】ここで指定する温度プロファイル条件と
は、図11に示すように、領域内を予め記憶されている
n次曲線をm本つないだ分布として表現することを意味
する。mの許容最大値はサンプル点数−1であり、大き
い方が多くの温度パターンを表現できる反面、ノイズ成
分が求める信号成分に入り込んでしまう。また、nはm
が小さい場合に重要であり、nが大きいほど滑らかに信
号を表現できる反面、処理時間がかかりすぎてしまう。
実際には求めたい情報、設置状況、処理時間を勘案して
n、mを決めている。
【0032】さらに、ここで言う最良近似の評価基準と
しては、観測温度分布系列をr”(p)、求める温度分
布系列をt”(p)、パルス波形信号系列を(h
(p)、p=l1〜l2)、指定する領域範囲をi1〜
i2とすると、以下の数式を採用している。
【0033】
【数1】
【0034】すなわち、観測空間上で、求める温度分布
信号系列とパルス波形信号系列のコンボリューションと
観測信号系列が最小二乗の意味で最良近似となるように
している。実際の演算手順としてはn次曲線m本の(m
+1)個の交点座標(x座標は距離、y座標は温度を示
す)を求めればよく、最初に適当な(m+1)個の交点
座標の初期値を与え、上式の評価基準を比較しながら、
最小値となる交点座標を反復法により収束させている。
【0035】今まで述べた手順を図12のフローチャー
トとしてまとめる。温度プロファイル設定の際における
n次曲線の設定は、求めるべき温度分布の形状に最も適
した曲線を選択すればよく、双曲線、楕円曲線、三角関
数曲線、指数関数曲線等の曲線を用いてもよい。また、
m+1個の交点座標の初期値の近傍のk種類の交点座標
について、評価関数を算出する場合、前記kは最大32m
種類とする。
【0036】図11を例にとると、m本の曲線の場合、
m+1個の交点が存在するが、但し両端は横軸に対して
固定点である。各々の点について、横軸方向に前後に±
1の2個とその点そのまま1個の計3個の探索点を選
び、同様に縦軸方向に上下に±1の2個とその点そのま
ま1個の計3個の探索点を選ぶと、横軸方向の合計の探
索すべき交点の種類は3m-1 種類で縦軸方向の合計の探
索すべき交点の種類は3m+1 種類であり、従って計3
m-1 ×3m+1 =32m種類となる。この値は曲線の形状等
を考慮して32m以下としてもよい。また32m以上として
もよいが、計算時間が増加するという問題が生ずる。
【0037】恒温槽によりステップ状の温度分布を設定
した場合、観測される温度分布信号系列37と上記手順
により復元される温度分布信号系列36を実施例として
図6に示す。パルス波形信号系列としては第1段階で得
られた図9の波形を用いた。図9の横軸は距離(m)と
しているが、240nsecのパルス巾を有するレーザ
ーパルスを入射した例であり、1mが10nsecの計
測時間に対応する(光ファイバー中で光は1mを10n
secで往復する)ため、みかけ上パルスの端から端ま
でを24mとすることができる。即ち、L(m)の光フ
ァイバーの計測に要する時間tlは以下の数式で表され
ることになる。
【0038】
【数2】
【0039】従って、この変換は1(m)=10(ns
ec)として起き、光ファイバー中を光が1mを10n
secで往復することに対応する。これはパルス巾によ
って生じる遷移距離と同じであり、10nsecのパル
ス巾によって1mの遷移距離が生じる。従って、距離軸
に換算したパルスの劣化特性は10nsecを1mとし
て規定できる。縦軸はパルスの全光量を1とした場合の
強度分布を示したものである。図6において処理領域は
ファイバーの250mから350mまで、n=1、m=
3と指定した。
【0040】ノイズ信号のため通常の逆変換操作R’
(z)/H’(z)では安定な解が得られなかったが、
上記の手順では安定な解が得られた。さらに設定温度分
布と復元された温度分布を比較すると、サンプリング間
隔(1m)で立ち下がりが検出できた(距離分解能1
m)上に、0.5℃以内の誤差で推定することができ
た。
【0041】本発明の信号処理は、OTDR法で観測で
きるあらゆる物理量(破断点、損傷点、圧力等)分布に
適用できる。即ち、レーレ散乱やラマン散乱等の後方散
乱検出信号の信号からどのような物理量分布を導く方法
に対しても適用できる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、光ファイバーの一部を常に一定の既知温度(物理
量)に保持しておき、光ファイバーへ測定用レーザーパ
ルスを入射するごとにこの一定温度部分からの戻り光を
用いてレーザーパルスの劣化特性信号系列を算出し、測
定ごとにその測定に用いた入射パルスの劣化特性信号系
列を用いて温度分布を算出している。
【0043】従って、入射レーザーパルスの歪等により
劣化特性信号系列が個々のパルスごとに変動しても、測
定結果に影響を与えることはなく、常に高精度の物理量
分布が算出できる。また、従来技術の説明で述べたよう
な劣化特性信号系列を時々校正するための手間、労力お
よび校正用の波形観察装置等のメンテナンスコストが不
要となり、簡単な構成で信頼性の高い物理量分布が計測
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用原理の説明図。
【図2】劣化特性信号系列を示すグラフ。
【図3】劣化特性変動前の観測信号と演算処理結果のグ
ラフ。
【図4】劣化特性変動後の観測信号と演算処理結果のグ
ラフ。
【図5】本発明が適用される分布型光ファイバー温度セ
ンサーのブロック図。
【図6】ステップ状温度変化部分の観測信号と演算した
温度分布解のグラフ。
【図7】遷移領域を説明するための波形図。
【図8】レーザーパルス波形とステップ状温度変化部の
最適分布解の波形図。
【図9】レーザーパルスの劣化特性信号系列のグラフ。
【図10】劣化特性固定データのグラフ。
【図11】予め指定するプロファイル条件の1例を示す
グラフ。
【図12】本発明に係る信号処理の1例のフローチャー
ト。
【符号の説明】
1 光ファイバー 2 恒温槽 6 劣化特性信号系列 7 入射レーザーパルス 8 劣化特性信号系列 9 劣化特性信号系列 22 光ファイバー 41 入射レーザーパルス 43 劣化特性信号系列
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 6/00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザーパルスを光ファイバーに入射し、
    該光ファイバーからの戻り光を検出して該光ファイバー
    に沿った物理量変化を測定するセンサーであって、前記
    入射パルスの劣化特性信号系列と、前記戻り光により検
    出された物理量分布の測定結果とに基づいて真の物理量
    分布を演算する分布型光ファイバーセンサーにおいて、
    演算処理する戻り光の測定ごとにその測定に用いた入射
    パルスの前記劣化特性信号系列を算出して前記物理量分
    布を求めることを特徴とする分布型光ファイバーセンサ
    ー。
  2. 【請求項2】入射パルスごとに前記劣化特性信号系列を
    算出するために、前記光ファイバーの一部を常に一定の
    物理量に保つ恒物理量手段を設けたことを特徴とする請
    求項1の分布型光ファイバーセンサー。
  3. 【請求項3】前記物理量は温度であり、前記恒物理量手
    段として恒温槽を前記光ファイバーの一部に設けたこと
    を特徴とする請求項2の分布型光ファイバー温度センサ
    ー。
  4. 【請求項4】真の物理量分布を仮定し、該仮定物理量分
    布と前記劣化特性信号系列とのコンボリューション積分
    により物理量分布を演算し、該演算物理量分布の前記測
    定結果に対する最小二乗法による最適近似解を選択し、
    該近似解を以て真の分布として真の物理量分布を求める
    ことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項の分布型光
    ファイバーセンサー。
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