JP3979139B2 - 光ファイバ評価方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、OTDR装置によって測定されるOTDR波形を用いて光ファイバを評価する光ファイバ評価方法、及び評価装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバにおける異常の有無や異常の範囲を判定して光ファイバを評価する方法として、パルス光の後方散乱によるOTDR波形(Optical Time-Domain Reflectometer、光学的時間領域反射計)を測定することによって光ファイバの異常を評価する方法が用いられている。このような光ファイバ評価方法は、例えば特開平10−332530号公報、特開平9−269279号公報に記載されている。
【0003】
OTDR波形による光ファイバ評価方法では、評価対象となる光ファイバをOTDR装置へと接続し、光ファイバに対してパルス光を入射する。そして、光ファイバの各位置において発生する後方散乱によるOTDR装置への戻り光パワーを検出し、その時間に対する波形(OTDR波形)から光ファイバを評価する。OTDR装置への戻り光は、光ファイバの各位置での光損失に対応し、したがって、その波形の異常点から光ファイバの異常を評価することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した光ファイバ評価方法においては、測定されたOTDR波形から、光ファイバでの異常を確実に判定することが重要である。これに対して、特開平10−332530号公報には、測定した波形での平均損失値、またはそれに代わる規格値を用い、各時点での損失値の規格値からの差分をプリントすることが記載されている。ここで、この方法では、プリントされた規格値からの差分のデータに基づいて、評価者の目視によって光ファイバでの異常が判定される。このため、異常の判定の基準が明確とならず、光ファイバの異常を確実に評価することはできない。
【0005】
また、特開平9−269279号公報には、OTDR波形の全体に対して最小自乗法によって近似直線を求め、平滑化した波形と近似直線とが交差している点について、その点での波形の傾き、及び傾きが同一方向となっている長さから光ファイバでの異常を判定することが記載されている。しかしながら、この方法では、波形と近似直線とが交差していない限り光ファイバの異常を判定することができないなどの問題がある。
【0006】
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、光ファイバの異常をOTDR波形から確実に評価することが可能な光ファイバ評価方法、及び評価装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明による光ファイバ評価方法は、評価対象の光ファイバにパルス光を入射して光ファイバからの戻り光パワーを検出し、戻り光パワーの時間に対する波形を測定することによって光ファイバを評価する評価方法であって、(1)波形を所定の区間幅で所定の移動量で移動させ、隣り合う区間の一部が重なる状態となる複数の第2の区間へと分割する区間分割ステップと、(2)第2の区間内での波形に対する近似直線を求め、近似直線の傾きを算出する傾き算出ステップと、(3)算出された傾きの値が所定の範囲内にあるかどうかを判定する傾き判定ステップとを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明による光ファイバ評価装置は、評価対象の光ファイバにパルス光を入射して光ファイバからの戻り光パワーを検出し、戻り光パワーの時間に対する波形を測定することによって光ファイバを評価する評価装置であって、(1)波形を所定の区間幅で所定の移動量で移動させることで、複数の第2の区間へと分割する区間分割手段と、(2)第2の区間内での波形に対する近似直線を求め、近似直線の傾きを算出する傾き算出手段と、(3)算出された傾きの値が所定の範囲内にあるかどうかを判定する傾き判定手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
上記した光ファイバ評価方法及び評価装置においては、光ファイバを長手方向に分割した各区間(第2の区間)における損失値に対応しているOTDR波形の傾きを近似直線の傾きによって算出し、その傾きの値が所定の範囲内にあるかどうかによって光ファイバの異常を評価している。このように、波形と全体での近似直線との相関などを用いるのではなく、複数の区間のそれぞれでの近似直線の傾きの値を用いて評価を行うことにより、異常の有無や異常の範囲などを正確に判定して、光ファイバの異常を確実に評価することが可能となる。
【0010】
ここで、OTDR波形の各区間での近似直線の導出については、第2の区間内での波形に対して最小自乗法を適用して、近似直線を求めることが好ましい。これにより、各区間での近似直線及びその傾きを良好に算出することができる。
【0011】
また、波形の複数の区間への分割については、区間生成における所定の移動量を所定の区間幅以上とすることを特徴とする(ステップ方式)。このような区間生成方法を用いることにより、傾きの算出及び異常の判定等による光ファイバの評価に要する時間を短縮することができる。
【0012】
あるいは、区間生成における所定の移動量を所定の区間幅未満とすることを特徴とする(スライド方式)。このような区間生成方法を用いることにより、傾きの算出及び異常の判定等による光ファイバの評価の精度を向上することができる。
【0013】
また、光ファイバ評価方法は評価対象の光ファイバにパルス光を入射して光ファイバからの戻り光パワーを検出し、戻り光パワーの時間に対する波形を測定することによって光ファイバを評価する評価方法であって、(1)波形を所定の区間幅で所定の移動量で移動させることで、複数の第2の区間へと分割する区間分割ステップと、(2)第2の区間内での波形に対する近似直線を求め、近似直線の傾きを算出する傾き算出ステップと、(3)算出された傾きの値が所定の範囲内にあるかどうかを判定する傾き判定ステップと、(4)波形と、波形に対して求められた近似直線との偏差を算出する偏差算出ステップと、(5)算出された偏差の値が所定の範囲内にあるかどうかを判定する偏差判定ステップと、(6)偏差の値が所定の範囲外にある場合に、波形を、偏差の値が所定の範囲外となる区間を境に複数の第3の区間へと分割する区間再分割ステップとを備えることを特徴とする。
【0014】
このように、波形の各区間での近似直線の傾き等を用いた光ファイバの異常の評価に加えて、各区間での波形と近似直線との偏差を用いた評価を行うことにより、波形を分割する際の区間の区間幅内にある異常等についても確実に判定することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面とともに本発明による光ファイバ評価方法、及び評価装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0016】
ここで、OTDR波形の傾きは、光ファイバの各位置における局所的な損失値、あるいは分割した各区間における損失値に対応している。このため、以下においては、波形及び近似直線の傾きの符号について、傾きが増大して光ファイバでの損失値が大きくなる方向を正の方向、傾きが減少して光ファイバでの損失値が小さくなる方向を負の方向として説明する。
【0017】
図1は、本発明による光ファイバ評価装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。この光ファイバ評価装置1は、OTDR波形を測定する波形測定部2と、測定された波形を評価する波形評価部3とを備える。また、波形評価部3は、光ファイバの評価に必要なデータ値を算出する算出部4と、算出されたデータ値から光ファイバの異常についての判定を行う判定部5とから構成されている。以下、本光ファイバ評価装置1の構成について、その動作及び光ファイバ評価方法とともに説明する。
【0018】
まず、OTDR測定装置に相当する波形測定部2について説明する。波形測定部2は、パルス光送信部21と、光カプラ22と、戻り光受信部23とを有する。パルス光送信部21は、例えば半導体レーザからなり、OTDR波形の測定に用いられる所定波長、所定の時間幅のパルス光を生成して出力する。このパルス光送信部21は、光カプラ22を介して、本光ファイバ評価装置1による評価対象となっている光ファイバFに対して光学的に接続されている。
【0019】
また、光ファイバFには、パルス光送信部21に加えて、戻り光受信部23が光カプラ22を介して光学的に接続されている。戻り光受信部23は、例えば半導体受光素子からなり、光ファイバFから入力された所定波長の光を検出して、検出信号を出力する。
【0020】
このような構成において、パルス光送信部21から光カプラ22を介して、光ファイバFへと光ファイバ評価用のパルス光が送信されると、光ファイバFの各位置において、後方散乱によって波形測定部2への戻り光が発生する。この戻り光は、光カプラ22を介して戻り光受信部23によって受信され検出される。これにより、パルス光が送信された後の各時点において、戻り光及びそのパワーが検出される。
【0021】
戻り光受信部23から出力される戻り光パワーの検出信号は、A/D変換器などの信号処理に必要な回路要素から構成された信号処理部24へと入力される。信号処理部24は、パルス光送信部21によるパルス光の送信時刻と同期して、戻り光受信部23からの検出信号の信号処理を行う。
【0022】
具体的には、A/D変換器などからなる信号処理部24は、パルス光送信部21によるパルス光の送信時刻に対して一定時間をおいたサンプリング開始時刻から、一定周期で多数回のサンプリング時刻において、測定された戻り光パワーのサンプリングを行う。このサンプリングデータは、戻り光パワーの時間に対する波形であるOTDR波形の元データとなる。
【0023】
ここで、パルス光送信部21でのパルス光の送信時刻と、戻り光受信部23及び信号処理部24での戻り光の受信時刻であるサンプリング時刻との時間差は、光ファイバFへと送信されたパルス光の光成分が後方散乱されて戻ってくるまでの遅延時間である。すなわち、この時間差は、測定された戻り光が後方散乱された光ファイバFでの位置に対応している。したがって、この戻り光パワーの時間に対するOTDR波形を測定し、波形での異常の有無及び異常が発生した遅延時間の範囲を評価することにより、評価対象の光ファイバFにおける異常の有無及び異常の範囲を評価することができる。
【0024】
波形測定部2における各部の動作は、測定制御部20によって制御されている。測定制御部20は、パルス光送信部21に対して、パルス光の送信時刻を指示する。また、測定制御部20は、パルス光の送信時刻を参照し、信号処理部24に対して、戻り光の受信時刻となる戻り光受信部23からの検出信号のサンプリング時刻を指示する。また、信号処理部24でサンプリングされた戻り光のサンプリングデータなどの各データが、測定制御部20によって収集される。
【0025】
次に、OTDR評価装置に相当する波形評価部3について説明する。波形評価部3は、算出部4と、判定部5とからなる。
【0026】
算出部4は、波形生成部40と、区間分割部41と、傾き算出部42と、偏差算出部43と、区間再分割部44とを有する。波形生成部40は、波形測定部2の測定制御部20によって収集された戻り光のサンプリングデータなどの必要なデータを入力し、それらのデータに基づいて、戻り光パワーの時間に対するOTDR波形を生成する。この時間に対する波形での遅延時間は、上述したように、光ファイバFでの位置に対応している。なお、波形測定部2によって取得される戻り光のサンプリングデータでの統計的なふらつきが大きいなど必要な場合には、波形生成部40において移動平均などを用いた波形の平滑化処理が行われる。
【0027】
区間分割部41は、波形生成部40で生成されたOTDR波形に対して、所定の区間幅によって波形を複数の区間(第2の区間)へと分割する(区間分割ステップ)。すなわち、波形を所定の区間幅で所定の移動量によって移動させることで、複数の第2の区間へと分割する。
【0028】
また、傾き算出部42は、分割された複数の区間のそれぞれについて、区間内での波形に対する近似直線を求め、その区間での波形の傾きとして近似直線の傾きを算出する(傾き算出ステップ)。この近似直線の各区間での傾きの値は、判定部5による光ファイバの異常の評価に用いられる。
【0029】
また、偏差算出部43は、分割された複数の区間のそれぞれについて、区間内での波形と、波形に対して傾き算出部42において求められた近似直線との偏差を算出する(偏差算出ステップ)。この各区間での波形と近似直線との偏差は、判定部5による波形の再分割の判定に用いられる。
【0030】
判定部5は、傾き判定部51と、偏差判定部52と、異常判定部50とを有する。
【0031】
傾き判定部51では、傾き算出部42で算出されるOTDR波形の各区間での近似直線の傾きに対して、許容される範囲(例えば、許容される数値範囲として許容傾き範囲)が設定されている。傾き判定部51は、算出された波形の傾きの値が所定の範囲内にあるかどうかを判断し、その結果に基づいて光ファイバFの異常についての判定を行う(傾き判定ステップ)。また、異常判定部50は、傾き判定部51における判定結果等に基づいて、評価対象である光ファイバFにおける異常の有無や異常の範囲などを判定する(異常判定ステップ)。
【0032】
また、偏差判定部52では、偏差算出部43で算出されるOTDR波形の各区間内での偏差に対して、許容される範囲(例えば、許容される数値範囲として許容偏差範囲)が設定されている。偏差判定部52は、算出された波形と近似直線との偏差の値が所定の範囲内にあるかどうかを判断し、その結果に基づいて光ファイバFの異常についての判定を行う(偏差判定ステップ)。
【0033】
偏差判定部52は、偏差の値が所定の範囲外にある場合、算出部4の区間再分割部44に対して波形の再分割を指示する。区間再分割部44は、偏差の値が所定の範囲外にあると判定された区間に対して、その区間内での波形を複数の区間(第3の区間)へと分割する(区間再分割ステップ)。そして、再分割された複数の区間のそれぞれについて、傾き算出部42及び偏差算出部43での傾き及び偏差の算出、傾き判定部51及び偏差判定部52での傾き及び偏差による光ファイバの異常の判定等を繰り返して行う。なお、波形の複数の第3の区間への再分割については、好ましくは、偏差の値が所定の範囲外となる区間を境に分割を行う。
【0034】
本実施形態による光ファイバ評価装置及び評価方法の効果について説明する。
【0035】
図1に示した光ファイバ評価装置、及びそれによる評価方法においては、波形測定部2によって測定されるOTDR波形に対し、評価対象の光ファイバFを長手方向に分割した各区間(第2の区間)における損失値に対応しているOTDR波形の傾きを近似直線の傾きによって算出し、その傾きの値が所定の範囲内にあるかどうかによって光ファイバFの異常を評価している。このように、複数の区間のそれぞれでの近似直線の傾きの値を用いて評価を行うことにより、異常の有無や異常の範囲などを正確に判定することができる。
【0036】
例えば、波形に対する全体での近似直線を利用し、波形と全体での近似直線とが交差する点から光ファイバの異常を評価する方法などを用いた場合、全体での近似直線との相関において正常である限り、波形自体に異常があってもその異常を判定することができない。これに対して、波形を複数の区間に分割してそれぞれの区間で近似直線を求め、その傾きの値を用いる評価方法によれば、光ファイバの異常を確実に評価することが可能となる。なお、各区間での傾きを用いた光ファイバの異常の具体的な評価方法については、後述する。
【0037】
また、本実施形態では、このOTDR波形を分割した各区間での近似直線の傾きに加えて、各区間での波形と近似直線との偏差を算出し、その偏差の値が所定の範囲内にあるかどうかによって光ファイバFを再分割して評価を繰り返し行うかどうかを判断している。これにより、波形を分割する際の区間の区間幅内にある異常等についても確実に判定することが可能となる。ただし、このような偏差の算出、及び偏差による再分割の判断等については、区間分割部41による複数の区間への分割での区間幅の設定などに応じて、不要であれば偏差の算出等を行わない構成としても良い。
【0038】
ここで、傾き算出部42におけるOTDR波形の近似直線の導出及び傾きの算出については、区間内での波形に対して最小自乗法を適用して近似直線を求めることが好ましい。これにより、各区間での近似直線及びその傾きを良好に算出することができる。また、最小自乗法以外の直線近似法を用いても良い。
【0039】
OTDR波形を分割した各区間での近似直線の傾きを用いた光ファイバの異常の評価方法について、具体的な例を挙げて説明する。ここで、以下に示す各グラフにおける横軸は、ファイバ長(評価対象である光ファイバFでの位置)を示している。このファイバ長は、パルス光送信部21によってパルス光が送信されてから、戻り光受信部23によって戻り光が受信されるまでの遅延時間に対応している。
【0040】
図2は、(a)OTDR波形、(b)近似直線による近似波形、及び(c)各区間での区間損失に相当する近似直線の傾きの時間変化の一例を示すグラフである。
【0041】
この例においては、図2(a)に示すように、光ファイバの一部の区域Sにおいて、範囲の広いうねり状の異常である区間異常が発生している。このようなOTDR波形に対して、所定の区間幅Tによって波形を分割し、複数の区間(図2中では11個の区間)を生成する。そして、分割された区間について、その区間内での波形データに対して最小自乗法を適用して近似直線を求め、区間損失に対応する近似直線の傾きを算出する。さらに、この近似直線の導出及びその傾きの算出を各区間について順次行い、それぞれの区間で算出された傾きの値が許容傾き範囲内にあるかどうかによって、光ファイバの異常を判定する。
【0042】
図2(b)は、各区間での波形に対して求められた近似直線による近似的な波形を示すグラフ、図2(c)は、各区間での近似直線の傾きを示すグラフである。また、図2(c)のグラフには、近似直線の傾きに対して許容される数値範囲として設定された許容傾き範囲を図示している。この例では、区間異常が発生している区域Sに含まれる分割された4個の区間で、それぞれ近似直線の傾きの値が許容傾き範囲外となっている。これにより、この区域Sでの光ファイバにおけるうねり状の異常を判定することができる。
【0043】
ここで、上述した光ファイバの異常の判定方法において用いられる、OTDR波形を複数の区間に分割する区間生成方法の例としては、ステップ方式、及びスライド方式がある。
【0044】
図3は、OTDR波形に対するステップ方式での区間生成方法を示すグラフである。ステップ方式では、波形を複数の区間に分割するときの分割の区間幅Tに対して、区間幅T以上で一定の移動量(ステップ量)ΔTを設定する。そして、この移動量ΔTで区間を順次移動していくことによって複数の区間を生成する。
【0045】
図3に示した例では、区間の移動量ΔTは区間幅Tと等しく(ΔT=T)設定されている。これにより、第1区間T1(=T)に対して移動量ΔTだけ移動して第2区間T2が生成され、さらに以降の区間も同様に生成される。そして、生成された複数の区間のそれぞれに対して、近似直線の導出等が行われる。このような区間生成方法では、その計算が簡単ですむために処理を高速で行うことができ、傾きの算出及び異常の判定等による光ファイバの評価に要する時間を短縮することができる。
【0046】
図4は、OTDR波形に対するスライド方式での区間生成方法を示すグラフである。スライド方式では、波形を複数の区間に分割するときの分割の区間幅Tに対して、区間幅T未満の移動量(スライド量)ΔTを設定する。ただし、この移動量ΔTは任意に設定可能とする。そして、この移動量ΔTで区間を徐々にずらしていくことによって複数の区間を生成する。
【0047】
図4に示した例では、区間の移動量ΔTは区間幅Tよりも充分小さく(ΔT<T)設定されている。これにより、第1区間T1に対して移動量ΔTだけずらして第2区間T2が生成され、さらに以降の区間も同様に生成される。そして、生成された複数の区間のそれぞれに対して、近似直線の導出等が行われる。このような区間生成方法では、波形の傾きの再現性が良くなるので、傾きの算出及び異常の判定等による光ファイバの評価の精度を向上することができる。
【0048】
また、波形を複数の区間に分割する際には、分割に用いる区間幅の設定についても、光ファイバの評価に好適な幅に設定することが必要である。図5は、OTDR波形に対して異なる区間幅を適用した場合の近似波形を比較するグラフである。このグラフにおいて、実線は、短い区間幅TSを適用して分割された複数の区間で求められた近似直線による近似波形を示し、破線は、長い区間幅TLを適用して分割された複数の区間で求められた近似直線による近似波形を示している。
【0049】
図5に示すように、近似直線を求める区間幅が短いと、波形の傾きの再現性が良く異常の評価精度が高くなるが、短すぎた場合には、ノイズによる波形の微小な変動などの影響を受けやすくなり、正常な区間を区間異常と誤って判定する可能性がある。一方、近似直線を求める区間幅が長いと、ノイズによる波形の微小な変動などの影響を受けにくく確実な評価が可能となるが、長すぎた場合には、異常の評価精度が低下してしまう。したがって、OTDR波形の評価においては、波形を求める測定装置の特性や、使用する評価方法などの具体的な条件を考慮して、好適な区間幅を設定することが好ましい。
【0050】
次に、OTDR波形の各区間での波形と近似直線との偏差を用いた光ファイバの異常の評価方法について、具体的な例を挙げて説明する。
【0051】
上述した光ファイバ評価方法及び評価装置においては、波形を分割した各区間での区間損失に相当する近似直線の傾きの値によって、光ファイバの異常を評価する。ただし、分割の区間幅や分割の開始点などの設定により、うねり状などの光ファイバの区間異常があるにもかかわらず、分割された区間内で求められた近似直線では傾きが正常な値となる場合がある。このような可能性が問題となる場合には、近似直線の傾きによる評価を行った後に、区間内での波形と近似直線との偏差による再評価を行うことが好ましい。
【0052】
図6は、(a)OTDR波形と近似直線、(b)波形と近似直線との偏差、及び(c)波形と再近似直線の時間変化の一例を示すグラフである。
【0053】
この例においては、図6(a)に示すように、所定の区間幅で分割された区間Tにおいて、OTDR波形(実線)にうねり状の異常があるものの、うねりの形状により、この区間Tでの波形に対して求められた近似直線(破線)では傾きの値が許容傾き範囲内となっている。この場合、近似直線の傾きを用いた判定では、光ファイバの異常が判定されないこととなる。
【0054】
これに対して、図6(b)に示すように、区間T内での波形と近似直線との偏差を求め、この偏差の値をあらかじめ設定された許容偏差範囲と比較する。このとき、図6(a)に示したうねり状の異常により、区間Tの一部で偏差の値が許容偏差範囲外となり、近似直線の傾きが正常であるにもかかわらず、区間T内に光ファイバの異常が存在する可能性があることが判定される。
【0055】
このように、偏差の値が許容偏差範囲外にある区間については、区間T内での波形を複数の区間へと再分割することにより、その区間Tでの波形に対して再評価を行うことが好ましい。これにより、波形を分割する際の区間の区間幅内にある異常等についても確実に判定することが可能となる。具体的な区間の再分割方法については、例えば再分割のための区間幅をあらかじめ設定しておくなど、様々な方法を用いることができる。ただし、最初に波形を分割する際の区間幅と同様に、ノイズの影響等を考慮して好適な区間幅を設定することが好ましい。
【0056】
図6においては、波形と近似直線との偏差における極大、極小を利用して区間を再分割する例を示している。すなわち、図6(b)に示す偏差の時間変化において、許容偏差範囲外となっている部分から偏差の極大点A及び極小点Bを検出する。そして、図6(c)に示すように、これらの点A、Bを再分割点として、区間Tを小区間t1、t2、t3の3個の小区間へと再分割し、再近似直線の導出、各小区間での近似直線の傾きの算出、及び算出された傾きによる光ファイバの異常の判定を再度実行する。これにより、光ファイバの異常の評価精度をさらに向上することができる。
【0057】
本発明による光ファイバ評価方法、及び評価装置は、上述した実施形態及び実施例に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、図1に示した光ファイバ評価装置1においては、OTDR波形を用いて光ファイバの異常の評価を行う波形評価部3に対して、OTDR測定装置である波形測定部2が併設された構成を示しているが、測定装置については別装置とし、その測定装置で測定されたOTDR波形のデータを読み込んで光ファイバの評価を行う構成としても良い。また、傾き及び偏差に対してあらかじめ設定される許容範囲については、必ずしも一定である必要はなく、可変の数値範囲であっても良い。
【0058】
【発明の効果】
本発明による光ファイバ評価方法、及び評価装置は、以上詳細に説明したように、次のような効果を得る。すなわち、OTDR波形を分割した各区間において、波形の傾きを近似直線の傾きによって算出し、算出された傾きの値が所定の範囲内にあるかどうかによって、光ファイバの異常を判定する評価方法及び評価装置によれば、異常の有無や異常の範囲などを正確に判定して、光ファイバの異常を確実に評価することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバ評価装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】(a)OTDR波形、(b)近似波形、及び(c)各区間での近似直線の傾きの時間変化の一例を示すグラフである。
【図3】OTDR波形に対するステップ方式での区間生成方法を示すグラフである。
【図4】OTDR波形に対するスライド方式での区間生成方法を示すグラフである。
【図5】OTDR波形に対して異なる区間幅を適用した場合の近似波形を比較するグラフである。
【図6】(a)OTDR波形と近似直線、(b)波形と近似直線との偏差、及び(c)波形と再近似直線の時間変化の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1…光ファイバ評価装置、F…光ファイバ、2…波形測定部、20…測定制御部、21…パルス光送信部、22…光カプラ、23…戻り光受信部、24…信号処理部、3…波形評価部、4…算出部、40…波形生成部、41…区間分割部、42…傾き算出部、43…偏差算出部、44…区間再分割部、5…判定部、50…異常判定部、51…傾き判定部、52…偏差判定部。

Claims (3)

  1. 評価対象の光ファイバにパルス光を入射して前記光ファイバからの戻り光パワーを検出し、前記戻り光パワーの時間に対する波形を測定することによって前記光ファイバを評価する評価方法であって、
    前記波形を所定の区間幅で所定の移動量で移動させ、隣り合う区間の一部が重なる状態となる複数の第2の区間へと分割する区間分割ステップと、
    前記第2の区間内での前記波形に対する近似直線を求め、前記近似直線の傾きを算出する傾き算出ステップと、
    算出された前記傾きの値が所定の範囲内にあるかどうかを判定する傾き判定ステップと
    を備えることを特徴とする光ファイバ評価方法。
  2. 前記第2の区間内での前記波形に対して最小自乗法を適用して、前記近似直線を求めることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ評価方法。
  3. 評価対象の光ファイバにパルス光を入射して前記光ファイバからの戻り光パワーを検出し、前記戻り光パワーの時間に対する波形を測定することによって前記光ファイバを評価する評価方法であって、
    前記波形を所定の区間幅で所定の移動量で移動させることで、複数の第2の区間へと分割する区間分割ステップと、
    前記第2の区間内での前記波形に対する近似直線を求め、前記近似直線の傾きを算出する傾き算出ステップと、
    算出された前記傾きの値が所定の範囲内にあるかどうかを判定する傾き判定ステップと、
    前記波形と、前記波形に対して求められた前記近似直線との偏差を算出する偏差算出ステップと、
    算出された前記偏差の値が所定の範囲内にあるかどうかを判定する偏差判定ステップと、
    前記偏差の値が前記所定の範囲外にある場合に、前記波形を、前記偏差の値が前記所定の範囲外となる区間を境に複数の第3の区間へと分割する区間再分割ステップと
    を備えることを特徴とする光ファイバ評価方法。
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